JPH11262205A

JPH11262205A - 永久磁石電動機

Info

Publication number: JPH11262205A
Application number: JP10080267A
Authority: JP
Inventors: Kenji Narita; 憲治成田; Takashi Suzuki; 孝史鈴木; Hiroyuki Okudera; 浩之奥寺; Yuji Kawai; 裕司河合; Yuji Soma; 裕治相馬; Koji Kasai; 宏治河西; Yoshifumi Fukuda; 好史福田
Original assignee: Fujitsu General Ltd
Current assignee: Fujitsu General Ltd
Priority date: 1998-03-12
Filing date: 1998-03-12
Publication date: 1999-09-24

Abstract

(57)【要約】【課題】永久磁石電動機において、各磁極の多層構造
化を実現可能とし、かつマグネットトルクおよびリラク
タンストルクを有効利用する。【解決手段】インナーロータ型の永久磁石電動機にお
いて、ロータコア１０の１極当りを所定間隔の多層構造
とした４つの断面円弧状のスリットにプラスチックマグ
ネット１１，１２，１３，１４を形成してなる磁石で構
成し、これら４層の断面円弧状のプラスチックマグネッ
ト１１，１２，１３，１４の頂点を前記ロータコア１０
の中心孔１５に向けて同４層のプラスチックマグネット
１１，１２，１３，１４を配置するとともに、これらプ
ラスチックマグネット１１，１２，１３，１４を四極数
分だけ前記ロータコア１０の円周方向に等間隔に埋設し
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はコンプレッサ等に
用いるインナーロータ型の永久磁石電動機に係り、特に
詳しくは熱可塑性樹脂マグネットあるいは熱硬化性樹脂
マグネットなどのプラスチックマグネットを用いてロー
タコアの永久磁石の多層構造を可能とした永久磁石電動
機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この永久磁石電動機のインナーロータ
は、例えば図７に示す構成のものがある。図７におい
て、ステータコア１内の磁石埋込型界磁鉄心（ロータコ
ア）２は、断面扇状の永久磁石３を１極当り１個埋設す
るとともに、円周方向に極数分だけ等間隔に配置し、か
つそれら隣接する永久磁石３を異極としている。

【０００３】ここに、永久磁石による空隙部（ステータ
コアの歯と永久磁石との間）の磁束分布が正弦波状にな
っているものとすると、永久磁石電動機のトルクＴはＴ
＝Ｐｎ｛Φａ・Ｉａ・ｃｏｓβ−０．５（Ｌｄ−Ｌｑ）
・Ｉ^２・ｓｉｎ２β｝で表される。なお、Ｔは出力トル
ク、Φａはｄ，ｑ座標軸上の永久磁石による電機子鎖交
磁束、Ｌｄ，Ｌｑはｄ，ｑ軸インダクタンス、Ｉａは
ｄ，ｑ座標軸上の電機子電流の振幅、βはｄ，ｑ座標軸
上の電機子電流のｑ軸からの進み角、Ｐｎは極対数であ
る。前記数式において、第１項は永久磁石によるマグネ
ットトルクであり、第２の２項はｄ軸インダクタンスと
ｑ軸インダクタンスとの差によって生じるリラクタンス
トルクである。なお、詳しくは、Ｔ．ＩＥＥＪａｐａ
ｎ，Ｖｏｌ．１１７―Ｄ，Ｎｏ７，１９９７の論文を参
照されたい。

【０００４】また、前記論文によると、各極の永久磁石
を多層構造とすることにより、リラクタンストルクを有
効利用することが記載されている。例えば、図８に示す
ように、ステータコア１内のロータコア４は断面円弧状
の永久磁石５，６を１極当り２個配置し、つまり２層構
造になっている。これは前述した１極当り１個（１層）
の場合と比較して、ｄ軸インダクタンスＬｄが小さく、
ｑ軸インダクタンスＬｑが大幅に大きくなり、これによ
り前記数式におけるパラメータのインダクタンス差（Ｌ
ｄ−Ｌｑ）の値が大きく、結果モータトルクＴが大きく
なる。このように、リラクタンストルクを有効利用すれ
ば、モータトルクＴの増大を図ることができ、１極当り
の永久磁石を多層構造にすれば、リラクタンストルクを
より有効利用することになる。詳細は、前記論文を参照
されたい。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記永久磁石
電動機においては、マグネットトルクおよびリラクタン
ストルクの両方を利用し、しかもリラクタンストルクを
増大することができるが、永久磁石５，６が断面円弧状
であり、また永久磁石５，６の大きさが異なるため、永
久磁石５，６の製造コストが高く、ひいては永久磁石電
動機の高コスト化が避けられないという欠点がある。す
なわち、永久磁石５，６の側面を曲線加工（研磨）しな
ければならず、かつ２種類の永久磁石５，６の金型を必
要とするからである。

【０００６】また、１極当りの永久磁石が２層構造程度
であれば、その永久磁石の成形が可能であるが、より多
層構造のものを実現しようとすると、加工（研磨）技術
や、永久磁石の厚さの観点からも（薄く加工する技術の
観点からも）、永久磁石の成形が困難であり、例えば永
久磁石を４層以上配置することが技術的に難しいという
問題点がある。

【０００７】この発明は前記課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は１極当りの磁石の多層構造を容易に実
現し、マグネットトルクだけでなく、リラクタンストル
クをより有効利用することができ、ひいてはモータの高
効率化を図ることができるようにした永久磁石電動機を
提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明はステータコア内に磁石埋込型界磁鉄心
（ロータコア）を配置してなる永久磁石電動機におい
て、前記ロータコアの１極当りを多層構造とした複数の
断面円弧状のスリットにプラスチックマグネットを成形
してなる磁石で構成し、該複数の断面円弧状のプラスチ
ックマグネットの頂点を前記ロータコアの中心孔に向け
て同複数のプラスチックマグネットを配置するととも
に、該複数のプラスチックマグネットを当該極数分だけ
前記ロータコアの円周方向に等間隔にインサート成形し
てなることを特徴としている。

【０００９】この発明はステータコア内に磁石埋込型界
磁鉄心（ロータコア）を配置してなる永久磁石電動機に
おいて、前記ロータコアの１極当りを多層構造とした複
数の断面円弧で、かつ該断面円弧の頂点部分を平坦にし
たスリットにプラスチックマグネットを成形してなる磁
石で構成し、該複数のプラスチックマグネットの平坦部
分を前記ロータコアの中心孔に向けて同複数のプラスチ
ックマグネットを配置するとともに、該複数のプラスチ
ックマグネットを当該極数分だけ前記ロータコアの円周
方向に等間隔にインサート成形してなることを特徴とし
ている。

【００１０】この発明はステータコア内に磁石埋込型界
磁鉄心（ロータコア）を配置してなる永久磁石電動機に
おいて、前記ロータコアの１極当りを多層構造とした複
数の断面台形で、かつ該台形の上辺および両側辺の形の
スリットにプラスチックマグネットを成形してなる磁石
で構成し、前記台形の上辺を前記ロータコアの中心孔に
向けた位置に前記複数のプラスチックマグネットを配置
するとともに、該複数のプラスチックマグネットを当該
極数分だけ前記ロータコアの円周方向に等間隔にインサ
ート成形してなることを特徴としている。

【００１１】この場合、前記ロータコアは少なくとも前
記スリットを含めて電磁鋼板を打ち抜いて自動積層し、
該スリットにプラスチックマグネットを射出成形あるい
はコンプレッション成形によって封入して成形してなる
とよい。また、前記各スリットを少なくとも２つに分け
て橋絡部を形成するとよい。

【００１２】前記プラスチックマグネットのプラスチッ
クはＰＰＳ、ＰＥＴ、ＰＢＴあるいはＰＥＮなどの熱可
塑性樹脂ならびにエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂であ
ると好ましい。前記プラスチックマグネットのマグネッ
トは希土類磁石あるいはフェライト磁石であると好まし
い。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１ないし図６を参照して詳しく説明する。なお、図中、
図７および図８と同一部分には同一符号を付して重複説
明を省略する。

【００１４】この発明の永久磁石電動機は、ロータコア
に配置する永久磁石にプラスチックマグネットを用いれ
ば、種々形状の永久磁石の成形が可能であり、また薄い
永久磁石の成形が可能であることに着目したものであ
る。

【００１５】そのため、図１および図２示すように、こ
の三相四極の永久磁石電動機のロータコア（磁石埋込型
界磁鉄心；以下コアと記す）１０は、１極当り所定間隔
の４層構造のスリット（断面円弧状のスリット）にプラ
スチックのマグネットを封入して形成したプラスチック
マグネット（永久磁石）１１，１２，１３，１４を円周
方向に等間隔に４組配置している。前記４層構造のスリ
ットは円弧状で、この円弧の中心を中心孔１５に向けた
形になっており、ステータコア１からの磁路（磁束の通
路）を確保することができる。

【００１６】前記プラスチックマグネット１１，１２，
１３，１４のプラスチックとしては、耐冷媒性に優れた
熱可塑性樹脂、例えばＰＰＳ（ポリフェレニンサルフ
ァイド）、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、Ｐ
ＢＴ（ポリブチレンテレフタレート）やＰＥＮ（ポリエ
チレンナフタレート）等の熱可塑性樹脂ならびにエポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いると好ましい。また、前
記プラスチックマグネット１１，１２，１３，１４のマ
グネットとしては、容易に入手し易い希土類磁石あるい
はフェライト磁石を原料とするとよい。なお、前記スリ
ットは４層であるが、２層以上の多層構造であればよ
い。

【００１７】また、ロータコア１０の製造においては、
コアプレス金型を用いて自動プレスで電磁鋼板を打ち抜
き、金型内でかしめて一体的に形成するコア積層方式
（自動積層方式）を採用する。このプレス加工工程にお
いて、中心孔１５およびプラスチックマグネット１１，
１２，１３，１４のスリットを打ち抜き、図２に示すよ
うに、自動的にプレス、積層してロータコアを形成す
る。しかる後、図３に示すように、前記積層したコア１
０を成形金型に装着し、プラスチック成形方法の射出成
形やコンプレッション成形等により、プラスチックマグ
ネット１１，１２，１３，１４のスリットにプラスチッ
クマグネットをインサート成形する。

【００１８】なお、図３に示す金型について補足的に説
明すると、金型は上型、中間型および下型からなる。上
型にはプラスチックマグネットを注入するための注入口
ａがあり、中間型には注入口ａからのプラスチックのマ
グネットをコア１０のプラスチックマグネット１１，１
２，１３，１４のスリットに注入するためのスプルーラ
ンナｂ，ゲート（ピンゲート）ｃがあり、下型にはワー
ク抑え（バネ圧または油圧方式のワーク抑え）ｄがあ
る。そして、前記金型内でコア１０のプラスチックマグ
ネット１１，１２，１３，１４を磁気配向しながら成形
した後、これらのプラスチックマグネット１１，１２，
１３，１４をその厚さ方向に磁化、つまり着磁する。こ
の場合、図１に示すように、コア１０の四極のうち、隣
接する極が異極となるように磁化する。

【００１９】このように、プラスチックマグネットを用
いることにより、種々形状の永久磁石の成形が可能であ
り、前述したスリットが狭くとも、例えば２ｍｍ以下の
スリットでもよく、つまり極めて薄い永久磁石を成形す
ることができる。したがって、コア１０の永久磁石の多
層構造化を容易に実現することができる。

【００２０】また、前記コア１０とステータコア１とに
よる永久磁石電動機によると、コア１０の永久磁石を多
層構造化すれば、プラスチックマグネットの量を減らす
ことなく、ｄ軸で十分なるマグネットトルクを発生させ
ることができ、さらにステータコア１からの磁路が確保
し易くなり、ｑ軸インダクタンスを大きくすることがで
きる。つまり、ｄ軸とｑ軸のインダクタンス差が大きく
なり、ｑ軸でリラクタンストルクを発生させることで、
リラクタンストルクをより有効利用することができる。
さらに、永久磁石の成形において加工（研磨等）を必要
とせず、特に断面円弧状の永久磁石による多層構造化を
低コストで実現することができる。

【００２１】なお、この永久磁石電動機は２４スロット
のステータコア１に三相（Ｕ相、Ｖ相およびＷ相）の電
機子巻線を有し、例えば外径側の巻線をＵ相、内径側の
巻線をＷ相、その中間の巻線をＶ相としていているが、
スロット数や電機子巻線数が異なっていてもよい。

【００２２】図４は前実施の形態の変形例を示す永久磁
石電動機の概略的平面図である。なお、図中、図１と同
一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図４
において、ロータコア２０には前実施の形態のプラスチ
ックマグネット１１，１２，１３，１４の断面円弧の頂
点部分を平坦にした形のプラスチックマグネット２１，
２２，２３，２４が埋設される。

【００２３】この場合、プラスチックマグネット２１，
２２，２３，２４の断面円弧の頂点部分が中心孔１５か
ら離れ、つまり中心孔１５までの距離が大きくなること
から、例えばシャフトを中心孔１５に装着しても、その
部分が破損することもなく、結果モータ不良を防止する
ことができる。また、その中心孔１５までの距離がとれ
ることにより、永久磁石の多層構造化がよりし易くな
る。なお、この実施の形態においては、前実施の形態と
同じ効果を奏することは明かである。

【００２４】図５は前実施の形態の変形例を示す永久磁
石電動機の概略的平面図である。なお、図中、図１およ
び図４と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略
する。図５において、ロータコア３０には前実施の形態
のプラスチックマグネット２１，２２，２３，２４の残
りの断面円弧部分を平坦にした形（つまり台形の底辺を
除いた形）のプラスチックマグネット３１，３２，３
３，３４が埋設されている。

【００２５】この場合、前実施の形態と同様に、プラス
チックマグネット３１，３２，３３，３４が中心孔１５
から離れ、つまり中心孔１５までの距離が大きくなるこ
とから、例えばシャフトを中心孔１５に装着しても、そ
の部分が破損することもなく、結果モータ不良を防止す
ることができる。また、その中心孔１５までの距離がと
れることにより、プラスチックマグネット３１，３２，
３３，３４の多層構造化がよりし易くなる。なお、この
実施の形態においては、前実施の形態と同じ効果を奏す
ることは明かである。

【００２６】ところで、図６に示すように、前述したコ
ア１０の多層構造のスリットを半分に分割し、つまり２
等分したプラスチックマグネット１１ａ，１１ｂ，１２
ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂ，１４ａ，１４ｂの間に橋
絡部ｋ（同図実線矢印参照）を形成するようにしてもよ
い。なお、同様に、コア２０，３０の多層構造のスリッ
トを半分に分割し、つまり２分割したプラスチックマグ
ネットの間に橋絡部を形成するようにしてもよい。この
場合、その橋絡部によりコアシートの強度を増すことが
でき、プラスチックマグネットをより多層構造として
も、コアシートに回転による遠心力ならびに成形時にか
かる応力を軽減することができる。つまり、コアシート
が変形したりすることがなく、モータの不良を防止する
ことができる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、この永久磁石電動
機の請求項１記載の発明によると、ステータコア内に磁
石埋込型界磁鉄心（ロータコア）を配置してなる永久磁
石電動機において、前記ロータコアの１極当りを多層構
造とした複数の断面円弧状のスリットにプラスチックマ
グネットを成形してなる磁石で構成し、この複数の断面
円弧状のプラスチックマグネットの頂点を前記ロータコ
アの中心孔に向けて同複数のプラスチックマグネットを
配置するとともに、この複数のプラスチックマグネット
を当該極数分だけ前記ロータコアの円周方向に等間隔に
インサート成形してなるので、プラスチックマグネット
を用いることにより、各磁極の磁石を種々形状とするこ
とができ、つまり１極当りの磁石の多層構造を容易に実
現することができる。また、この多層構造によりｄ軸で
大きいマグネットトルクを発生させることができ、断面
円弧状のプラスチックマグネットの多層間に磁路（ステ
ータコアからの磁束の路）を確保してｑ軸で大きいリラ
クタンストルクを発生させることができるため、マグネ
ットトルクだけなく、リラクタンストルクをより有効利
用することができ、ひいてはモータの高効率化を図るこ
とができるという効果がある。

【００２８】請求項２記載の発明によると、ステータコ
ア内に磁石埋込型界磁鉄心（ロータコア）を配置してな
る永久磁石電動機において、前記ロータコアの１極当り
を多層構造とした複数の断面円弧で、かつこの断面円弧
の頂点部分を平坦にしたスリットにプラスチックマグネ
ットを成形してなる磁石で構成し、この複数のプラスチ
ックマグネットの平坦部分を前記ロータコアの中心孔に
向けて同複数のプラスチックマグネットを配置するとと
もに、該複数のプラスチックマグネットを当該極数分だ
け前記ロータコアの円周方向に等間隔にインサート成形
してなるので、請求項１と同様の効果を奏するととも
に、中心孔とプラスチックマグネットとの間が広くなる
ことから、シャフトを中心孔に装着する際にコアシート
が破損することがなく、つまりモータの不良を防止する
ことができるとともに、より多層構造のプラスチックマ
グネットを形成することができるという効果がある。

【００２９】請求項３記載の発明によると、ステータコ
ア内に磁石埋込型界磁鉄心（ロータコア）を配置してな
る永久磁石電動機において、前記ロータコアの１極当り
を多層構造とした複数の断面台形で、かつこの台形の上
辺および側辺の形のスリットにプラスチックマグネット
を成形してなる磁石で構成し、前記台形の上辺を前記ロ
ータコアの中心孔に向けた位置に前記複数のプラスチッ
クマグネットを配置するとともに、この複数のプラスチ
ックマグネットを当該極数分だけ前記ロータコアの円周
方向に等間隔にインサート成形してなるので、請求項２
と同様の効果を奏する。

【００３０】請求項４記載の発明によると、請求項１，
２または３におけるロータコアは少なくとも前記スリッ
トを含めて電磁鋼板を打ち抜いて自動積層し、このスリ
ットにプラスチックマグネットを射出成形あるいはコン
プレッション成形によって封入して成形してなるので、
請求項１，２または３の効果に加え、従来の自動積層方
法や従来のプラスチック成形方法をそのまま利用するこ
とができ、つまり新たな技術の開発を必要としないこと
から、コストアップにならずに済むという効果がある。

【００３１】請求項５記載の発明によると、請求項１，
２，３または４における各スリットを少なくとも２つに
分けて橋絡部を形成してなるので、請求項１，２，３ま
たは４の効果に加え、コアシートの強度を高めることが
でき、ひいてはモータの不良、故障を防止することがで
きるという効果がある。

【００３２】請求項６記載の発明によると、請求項１，
２，３，４または５におけるプラスチックマグネットの
プラスチックはＰＰＳ、ＰＥＴ、ＰＢＴあるいはＰＥＮ
などの熱可塑性樹脂ならびにエポキシ樹脂などの熱硬化
性樹脂であり、プラスチックの成形技術を応用すること
ができることから、請求項１，２，３，４または５の効
果に加え、スリットの形状にプラスチックマグネットを
容易に形成することができ、また耐冷媒性に優れている
ことから、例えば空気調和機や電気冷蔵庫等のコンプレ
ッサに用いた場合モータの故障に強いという効果があ
る。

【００３３】請求項７記載の発明によると、請求項１，
２，３，４または５におけるプラスチックマグネットの
マグネットは希土類磁石あるいはフェライト磁石である
ので、請求項１，２，３，４または５の効果に加え、一
般的な磁性材料で、容易に入手でき、当該モータの実現
が容易であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態を示す永久磁石電動機の
概略的平面図。

【図２】図１に示す永久磁石電動機を構成するロータコ
アの概略的断面図。

【図３】図２に示すロータコアの永久磁石を形成する金
型を説明するための概略的側面図。

【図４】この発明の実施の変形例を示す永久磁石電動機
の概略的平面図。

【図５】この発明の実施の他の変形例を示す永久磁石電
動機の概略的平面図。

【図６】図１に示すロータコアの変形実施例を示す概略
的部分平面図。

【図７】従来の永久磁石電動機ロータの概略的平面図。

【図８】従来の永久磁石電動機ロータの概略的平面図。

【符号の説明】

１ステータコア１０，２０，３０ロータコア（磁石埋込型界磁鉄心）１１，１１ａ，１１ｂ，１２，１２ａ，１２ｂ，１３，
１３ａ，１３ｂ，１４，１４ａ，１４ｂプラスチックマ
グネット（ロータコア１０の）１５中心孔（シャフト用）２１，２２，２３，２４プラスチックマグネット（ロ
ータコア２０の）３１，３２，３３，３４プラスチックマグネット（ロ
ータコア３０の）ｋ橋絡部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者河合裕司神奈川県川崎市高津区末長1116番地株式会社富士通ゼネラル内 (72)発明者相馬裕治神奈川県川崎市高津区末長1116番地株式会社富士通ゼネラル内 (72)発明者河西宏治神奈川県川崎市高津区末長1116番地株式会社富士通ゼネラル内 (72)発明者福田好史神奈川県川崎市高津区末長1116番地株式会社富士通ゼネラル内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ステータコア内に磁石埋込型界磁鉄心
（ロータコア）を配置してなる永久磁石電動機におい
て、前記ロータコアの１極当りを多層構造とした複数の
断面円弧状のスリットにプラスチックマグネットを成形
してなる磁石で構成し、該複数の断面円弧状のプラスチ
ックマグネットの頂点を前記ロータコアの中心孔に向け
て同複数のプラスチックマグネットを配置するととも
に、該複数のプラスチックマグネットを当該極数分だけ
前記ロータコアの円周方向に等間隔にインサート成形し
てなることを特徴とする永久磁石電動機。
【請求項２】ステータコア内に磁石埋込型界磁鉄心
（ロータコア）を配置してなる永久磁石電動機におい
て、前記ロータコアの１極当りを多層構造とした複数の
断面円弧で、かつ該断面円弧の頂点部分を平坦にしたス
リットにプラスチックマグネットを成形してなる磁石で
構成し、該複数のプラスチックマグネットの平坦部分を
前記ロータコアの中心孔に向けて同複数のプラスチック
マグネットを配置するとともに、該複数のプラスチック
マグネットを当該極数分だけ前記ロータコアの円周方向
に等間隔にインサート成形してなることを特徴とする永
久磁石電動機。
【請求項３】ステータコア内に磁石埋込型界磁鉄心
（ロータコア）を配置してなる永久磁石電動機におい
て、前記ロータコアの１極当りを多層構造とした複数の
断面台形で、かつ該台形の上辺および両側辺の形のスリ
ットにプラスチックマグネットを成形してなる磁石で構
成し、前記台形の上辺を前記ロータコアの中心孔に向け
た位置に前記複数のプラスチックマグネットを配置する
とともに、該複数のプラスチックマグネットを当該極数
分だけ前記ロータコアの円周方向に等間隔にインサート
成形してなることを特徴とする永久磁石電動機。
【請求項４】前記ロータコアは少なくとも前記スリッ
トを含めて電磁鋼板を打ち抜いて自動積層し、該スリッ
トにプラスチックマグネットを射出成形あるいはコンプ
レッション成形によって封入して成形してなる請求項
１，２または３記載の永久磁石電動機。
【請求項５】前記各スリットを少なくとも２つに分け
て橋絡部を形成してなる請求項１，２，３または４記載
の永久磁石電動機。
【請求項６】前記プラスチックマグネットのプラスチ
ックはＰＰＳ、ＰＥＴ、ＰＢＴおよびＰＥＮなどの熱可
塑性樹脂ならびにエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂であ
る請求項１，２，３，４または５記載の永久磁石電動
機。
【請求項７】前記プラスチックマグネットのマグネッ
トは希土類磁石あるいはフェライト磁石である請求項
１，２，３，４または５記載の永久磁石電動機。