JP2777338B2 - 永久磁石埋め込みモータ - Google Patents
永久磁石埋め込みモータInfo
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Description
らずリラクタンストルクをも併せ利用する永久磁石埋め
込みモータに関するものである。
ータ本体に永久磁石を埋設したロータが知られている。
るため、本発明者らが開発した、2層構造の永久磁石付
ロータを示している(特願平7−134023号)。こ
の先行発明に係るロータ3は、鉄製ロータ本体3aに、
ロータ半径方向に1極当り2層に間隔を置いて配置され
た4組の永久磁石8a、8b・・・を埋設してなり、各
組の永久磁石8a、8bはS極、N極が交互となるよう
に隣接して配置され、かつ2層関係にある永久磁石8
a、8bはその外周側の極性が同一となるように構成さ
れている。外周側の永久磁石8a、・・・及び内周側の
永久磁石8b、・・・はいずれも、ロータ中心方向へ凸
形をなす円弧形状に形成され、2層関係にある外周側の
永久磁石8aと内周側の永久磁石8bとは同心円上に並
行するように配置され、両者の間隔は一定となってい
る。
は各々ロータ中心方向へ凸形をなす円弧形状に形成され
るため、その端部9a、9bの側面は、ほぼロータ表面
に対して直交するように設けられる。
て同一幅に形成され、これら先端面15a、15bは図
4及び図5に示すように平坦面となっている。また、相
隣接する内周側の永久磁石8b、8bは、図4及び図5
に示すように、先端面15b、15bに達する手前の位
置16、16で最接近し(その間隔をgで示す)、先端
においては扇形状に開いている。
ータ2側の各ティース4間に配設された巻線10群によ
って生ずる回転磁界と永久磁石8a、8bの磁界との関
係で発生するマグネットトルク及び、前記回転磁界によ
る磁路がロータ本体3aの表面側や内外永久磁石8b、
8aの間隔部分に形成されることにより発生するリラク
タンストルクとの合成トルクで図のR方向に回転してい
る。
いて、リラクタンストルク発生のために最も有効な磁束
は、図3にPaで示す磁路に沿って形成される磁束であ
る。すなわちあるティース4から他のティース4に流れ
る磁束の内、外周側の永久磁石8aの背面を通過する磁
束の密度が大であるほど、リラクタンストルクの発生量
を大とすることができる。
が図5に示す回転位置にきたとき、磁気的空隙となる永
久磁石8a、8bの端面15a、15bが相当の幅をも
ってティース4に向き合うので、前記磁路Paがこの部
分において極端に折り曲げられ、磁路Pa上の磁気抵抗
が大になる結果となり、磁路Pa上の磁束密度が低下し
てリラクタンストルクを十分に取り出すことができない
という問題点がある。
内周側の永久磁石8b、8b間の最接近位置16、16
は、ロータ3の外周面から相当内部に入った位置にあ
り、両者間を通過しうる磁束量は、最接近位置16、1
6の間隔gによって制限されてしまい、この最接近位置
16、16より外方側の扇形状部分はデッドスペース7
になる。このようなデッドスペース7が存在すること
は、マグネットトルク及びリラクタンストルクを有効に
取出すという観点から好ましいものではない。
問題点を解決するため、高透磁率材からなるロータ本体
に、ロータ円周方向にS極、N極が交互となるように複
数の永久磁石を埋設して、ステータの回転磁界と永久磁
石の磁界との関係で発生するマグネットトルクと、前記
回転磁界による磁路がロータ本体に形成されることによ
り発生するリラクタンストルクとの合成トルクを利用す
る永久磁石埋め込みモータにおいて、永久磁石をロータ
半径方向に間隔をおいて2層以上に分割し、各永久磁石
の両端部がロータ表面に対し近接する位置で先端が細め
られて、ロータ表面に対しほぼ直交するように埋設され
てなることを特徴とする。
先端の幅をLmとし、ステータのティースの先端幅をL
tとしたとき、次の(1) 式に示す関係が成立するように
構成すると好適である。
をおいて1極当り2層に埋設されていると好適であり、
この場合に、ロータ内周側に位置する永久磁石の両端部
が内面側を主として切欠いて先端を細められた形状と
し、更にロータ内周側に位置する永久磁石とロータ外周
側に位置する永久磁石との先端部におけるピッチをLk
とし、ステータのティース間のピッチをLsとしたと
き、次の(2)式又は(3) 式に示す関係が成立すると最適
である。
石の両端部の外面側同士を、ほぼ平行して、ロータ半径
方向に伸びるように配設した構成とすることが好まし
い。
営むことができる。すなわち、上記永久磁石の両端部が
ロータ表面に対し近接する位置で先端が細められて、ロ
ータ表面に対しほぼ直交するように埋設されてなること
から、ロータの回転位置が図5に示すような位置にある
場合にも、リラクタンストルク発生に有効に作用する磁
路Paの磁束密度を高く維持することができる。すなわ
ち、ステータ側のティースが永久磁石の端部と対向した
位置関係にある場合にも、対向面は先端が細められた永
久磁石であるため、前記磁路Pa上を流れる磁束をロー
タ内部にスムースに導くことができる。この結果、先行
発明に比較し、有効にリラクタンストルクを得ることが
できる。
が、ステータのティースの先端幅Ltの70%以下とす
ることにより、より多くの磁束を前記磁路Paに導くこ
とができ、上記作用をより一層有効に営むことができる
(図3参照)。
隔をおいて1極当り2層に埋設され、ロータ内周側に位
置する永久磁石の両端部が内面側を主として切欠いて先
端が細められるように構成されていれば、より多くの磁
束を内外の永久磁石間に導き入れることができリラクタ
ンストルク発生に有効に作用する磁路Pa上の磁束密度
を高めることができる結果、大きなリラクタンストルク
を得ることができる。
石間の先端部におけるピッチLkと、ティース間のピッ
チLsとの関係を、上記(2) 式に示すように、前記Lk
が前記Lsの1.3〜1.7倍の範囲にあるようにする
か、あるいは上記(3) 式に示すように、前記Lsが前記
Lkの1.3〜1.7倍の範囲にあるようにして、両永
久磁石の先端面と両ティースの先端面とが同時に合致し
ないようにすることにより、ティースからの磁束をより
スムースに内外の永久磁石間に導き入れることができる
こととなり、大きなリラクタンストルクを得ることがで
きる。
面側同士をほぼ平行して、ロータ半径方向に伸びるよう
に配設した構成とすれば、前記隣接する他の永久磁石の
両端部間の間隔を一定とすることができ、デッドスペー
スをなくすことができる。このため、前記両端部間の間
隔を先行発明の最小間隔gと同様に狭く設定すれば、永
久磁石のマグネットトルク発生に有効な表面積を拡張す
ることができる。あるいは前記両端部間の間隔を前記最
小間隔gより大に設定すれば、この間隔部分を流れる磁
束量を増大することができ、リラクタンストルク発生量
を増大させることができる。
ながら詳細に説明する。図1は本発明の実施例を示す断
面図である。
タ半径方向に1極当り2層に間隔を置いて配置された4
組の永久磁石8a、8b・・・をロータ円周方向に等間
隔に埋設してなり、各組の永久磁石8a、8bはS極、
N極が交互となるように隣接して配置され、かつ2層関
係にある永久磁石8a、8bはその外周側の極性が同一
となるように構成されている。外周側の永久磁石8a、
・・・及び内周側の永久磁石8b、・・・はいずれも、
ロータの求心方向へ凸形をなすほぼ円弧形状に形成さ
れ、2層関係にある外周側の永久磁石8aと内周側の永
久磁石8bとは並行するように配置され、両者の間隔は
両端部9a、9bを除いてほぼ一定となっている。
bは、ロータ表面に近接する位置で細められて、夫々が
ロータ表面に対しほぼ直交するように配設されている。
が切欠かれて先端が細められている。一方、内周側の永
久磁石8bの端部9bは、隣接する内周側の永久磁石8
bの外面側同士が一定の間隔g(図2参照)を隔てて、
互いに平行にロータ半径方向に伸びるように形成されて
いる。更に内周側の永久磁石8bの端部9bは内面側の
みが切欠かれて先端を細められている(図2に切欠部を
17で示す。)。
内外の永久磁石8b、8aは、その先端をロータ本体3
aの強度を損なうことなくロータ表面近傍位置まで伸ば
すことができる。
られていて、これらティース4間には巻線10が配さ
れ、この巻線10群に交流電流が与えられることで回転
磁界を発生している。この回転磁界に基づきロータ3は
図1のR方向に回転する。なお、図1においてリラクタ
ンストルク発生に最も有効な磁束の流路をPaで示して
いる。
前記ティース4の先端幅をLt、外周側の永久磁石8a
の先端部の幅をLm1 、内周側の永久磁石8bの先端部
の幅をLm2 としたとき、Lm1 =0.4Lt、Lm2
=0.4Ltと定めている。両永久磁石8a、8bの先
端部の幅Lm1 、Lm2 は0.7Lt以下であることが
好ましい。
幅Lm(=Lm1=Lm2)と、前記ティース4の先端幅
Ltとの比Lm/Ltと、前記磁路Paにおける磁束の
通過量との関係を示しているが、Lm/Ltが0.7以
下になると、前記磁束の通過量が所定値以上となり安定
していることが分る。
に、内外永久磁石8a、8bの先端部におけるピッチを
Lk、前記ティース4間のピッチをLsとしたとき、L
s=1.5Lkと定めている。両ピッチLk、Lsは式
(2) 又は式(3) で示す関係にあって、両永久磁石8a、
8bの先端面15a、15bと両ティース4、4の先端
面とが同時に合致することがないように構成することが
望ましい。
a、8bを用いた例を示したが、それ以外の組数のもの
であってもかまわない。また上記実施例では各永久磁石
8a、8bはその端部9a、9bに至るまですべて永久
磁石材で構成しているが、前記端部9a、9bを空隙部
(空気層)や合成樹脂層で構成して残部を永久磁石材で
構成しもよい。また永久磁石8は2層構造に限定するも
のではなく、3層以上のものであってもよい。また上記
実施例ではLs=1.5Lkとなるように内外永久磁石
8a、8bの先端部におけるピッチを定めているが、図
4に示す先行発明のようにLs=Lkとなる等、上記実
施例とは異なるピッチに定めてもよい。さらに、上記実
施例では永久磁石8a、8bの先端部の側面を切欠い
て、先端を細めているが、円弧状にまるめて先端を細め
てもよい。すなわち本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能で
あり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
いてリラクタンストルクを利用しにくい回転位置にある
場合でも、リラクタンストルクを発生させやすいように
ロータ内に磁束の流れを形成でき、リラクタンストルク
を有効に利用した永久磁石埋め込みモータを提供するこ
とができる。
すグラフ。
Claims (6)
- 【請求項1】 高透磁率材からなるロータ本体に、ロー
タ円周方向にS極、N極が交互となるように複数の永久
磁石を埋設して、ステータの回転磁界と永久磁石の磁界
との関係で発生するマグネットトルクと、前記回転磁界
による磁路がロータ本体に形成されることにより発生す
るリラクタンストルクとの合成トルクを利用する永久磁
石埋め込みモータにおいて、永久磁石をロータ半径方向
に間隔をおいて2層以上に分割し、各永久磁石の両端部
がロータ表面に対し近接する位置で先端が細められて、
ロータ表面に対しほぼ直交するように埋設されてなるこ
とを特徴とする永久磁石埋め込みモータ。 - 【請求項2】 永久磁石の細められた先端の幅をLmと
し、ステータのティースの先端幅をLtとしたとき、次
の(1) 式に示す関係が成立する請求項1記載の永久磁石
埋め込みモータ。 Lm≦0.7Lt…(1) - 【請求項3】 永久磁石がロータ半径方向に間隔をおい
て1極当り2層に埋設されている請求項1又は2記載の
永久磁石埋め込みモータ。 - 【請求項4】 ロータ内周側に位置する永久磁石の両端
部が内面側を主として切欠いて先端を細められた請求項
3記載の永久磁石埋め込みモータ。 - 【請求項5】 ロータ内周側に位置する永久磁石とロー
タ外周側に位置する永久磁石との先端部におけるピッチ
をLkとし、ステータのティース間のピッチをLsとし
たとき、次の(2) 式又は(3) 式に示す関係が成立する請
求項3又は4記載の永久磁石埋め込みモータ。 1.3Ls≦Lk≦1.7Ls…(2) 1.3Lk≦Ls≦1.7Lk…(3) - 【請求項6】 相隣接する極性の異なる永久磁石の両端
部の外面側同士を、ほぼ平行して、ロータ半径方向に伸
びるように配設した請求項1、2、3、4又は5記載の
永久磁石埋め込みモータ。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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1995
- 1995-06-07 JP JP7140802A patent/JP2777338B2/ja not_active Expired - Fee Related
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