JP3596542B2 - 永久磁石モータ - Google Patents
永久磁石モータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3596542B2 JP3596542B2 JP2002261582A JP2002261582A JP3596542B2 JP 3596542 B2 JP3596542 B2 JP 3596542B2 JP 2002261582 A JP2002261582 A JP 2002261582A JP 2002261582 A JP2002261582 A JP 2002261582A JP 3596542 B2 JP3596542 B2 JP 3596542B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotor
- permanent magnet
- peripheral side
- magnet motor
- outer peripheral
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は永久磁石をロータ内部に埋め込むことで、マグネットトルクに併せて、リラクタンストルクをも利用する永久磁石モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、鉄などの高透磁率材からなるロータ本体に永久磁石を埋設したモータが知られている。図5は、従来の永久磁石埋め込みモータを示す。この永久磁石埋め込みモータは、高透磁率材の鉄心あるいは積層された電磁鋼板で構成されたロータコア3aの内部に、ロータ中心側に凸の円弧形状に形成された永久磁石8を埋め込んでロータ31を形成している。図5に示すものは4極のモータであって、4本の永久磁石8がN極、S極交互になるように円周方向に配置されている。ステータ2に施された巻線10により、回転磁界が生じステータティース4からロータ31に磁束が入る。
【0003】
しかし、上記構成はリラクタンストルクを有効に活用する点では好ましくない。リラクタンストルクは、磁路22の磁束の通り易さと磁路21の磁束の通り易さとの差に比例する。上記構成においては、磁路21は透磁率が空気と同等の永久磁石を2度通過するため磁束が通りにくく、かつ磁路22も永久磁石の端部9a、9bが磁束をロータ内に通すのを妨げているため、磁束が通りにくくなる。従って、リラクタンスを十分に利用しているとは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の問題点を解決するため本発明者らは、永久磁石を半径方向に複数に分割したロータをもつ永久磁石モータを発明し、出願した。図6は、本発明者が開発した永久磁石モータを示している。この先行発明に係る永久磁石モータは、高透磁率の電磁鋼板を積層して作ったロータ32に、ロータ半径方向に1極あたり2層に間隔をおいて配置された4組の永久磁石8c、8dを埋設してなる。上記構成のロータは、ステータ2の各ティース4の間に配設された巻線10によって生ずる回転磁界と永久磁石の磁界との関係により発生するマグネットトルク、および前記回転磁界による磁束がロータ32の磁路Pa1、Pa2などに流れることにより発生するリラクタンストルクとの合成により、R方向に回転している。
【0005】
上記先行発明において、2層構造をとる永久磁石の間に磁路Pa1を設けることにより、リラクタンストルクを有効に利用することが可能となった。上記構成のモータにおいて、リラクタンストルク発生に有効な磁束は、磁路Pa1を通るものでありロータ外周側に位置する永久磁石の先端9c、9dに、ロータ外周に略平行に対向する部分が存在し、磁路Pa1に流れ込む磁束を制限していた。すなわち、永久磁石先端の幅がステータの磁界が流れ込むのを妨害していた。従って、よりリラクタンストルクを有効に利用できる永久磁石の形状が要求されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記先行発明の問題点を解決するため、少なくとも複数の永久磁石と高透磁率材とからなるロータ本体に、一極あたりロータ半径方向に複数に分割された永久磁石を、分割したそれぞれの永久磁石の端部がロータ外周に近接するように埋設した永久磁石モータにおいて、各極のロータの内周側に位置する永久磁石の端部がロータ外周に対して近接する位置で、ロータ外周側の永久磁石側にのみ切り欠いた尖端形状としたことを特徴とする。
【0007】
ロータ内周側に位置する永久磁石は、マグネットトルクに深く関わるため、ロータ外周側の永久磁石側にのみ切り欠くようにすると好適である。
【0008】
上記発明において、ロータの外周側に位置する永久磁石を、図2のごとく両端の切り欠きのうち円弧内側部の切り欠き、すなわちロータ外周側の切り欠きが一直線上にあり、かつ円弧外側部の切り欠き、すなわちロータ内周部の切り欠きが互いに平行であり、尖った先端が直角となるように形成されたことを特徴とすることにより、永久磁石の生産性を向上させ加工精度を向上させることが可能である。また、各永久磁石を円弧形状とすることにより、磁石表面積を大きくできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は上記構成によって、次のような作用を有する。
【0010】
ロータ内周側に位置する永久磁石は、ステータティースと近接して対向する部分がある幅をもって存在するため、永久磁石の先端に回り込む無効な磁束を防ぐことができる。
【0011】
また、ロータ外周側に位置する永久磁石の両端が尖端形状であることにより、ロータの回転位置によらず、ステータの回転磁界による磁束が、磁路Pa1に十分かつ均等に流れる。すなわち、リラクタンストルクを有効に利用し、同じ入力でも高いトルクを発生させるとともに、トルクリップルの低減も可能である。
【0012】
さらに、図2に示すような永久磁石は加工性が良く、寸法精度も良いため生産性とモータ特性を向上させることができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態を示す断面図である。高透磁率の電磁鋼板を積層して作ったロータ3本体に、ロータ半径方向に1極あたり2層に間隔をおいて配置された4組の永久磁石8a、8b、・・・を埋設してなり、ロータ内周側に位置する永久磁石8bは、永久磁石の端部9bがロータ外周側の永久磁石8a側にのみ切り欠いた尖端形状を有しており、ステータ2の回転磁界による磁束を十分に磁路Pa1に導くことができるとともに、永久磁石による磁束を有効に利用でき、減磁界に対する耐力も向上する。
【0015】
ロータ外周側に位置する永久磁石の端部9aは、尖端形状となっている。永久磁石8aの上面図と正面図を図2に示す。円弧内側部の切り欠き、すなわちロータ外周側の切り欠き11が一直線上にあり、かつ円弧外側部の切り欠き、すなわちロータ内周部の切り欠き12が互いに平行であり、尖った先端の角θがほぼ直角となるような形状である。
【0016】
また、各永久磁石8a、8b、・・・はロータ3の中心側に凸の円弧形状部分を配設されている。
【0017】
図1に示す本願発明のモータ、および図6の先行発明のモータのトルクの値を図3に、トルクリップルの値を図4に示した。トルクリップルの値は、トルク波形の最大値と最小値の差を示している。実際にモータとして使用される負荷点3点において測定を行った結果、先行発明との比較において、全ての負荷点において同一入力電流下でトルクは約5パーセントの向上、トルクリップルは20パーセント以上の低減が図られている。
【0018】
なお、上記実施の形態は4極のロータに、一極あたり2層の永久磁石を用いた構成となっているが、本発明は4極に限るものではない。また、1極あたり2層の永久磁石である必要もなく、3層以上の場合は少なくともロータの最外周に位置する永久磁石のみを尖端形状に、望ましくはロータの最内周に位置する永久磁石以外の永久磁石全ての両端を尖端形状にすればよい。
【0019】
すなわち本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種種の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0020】
【発明の効果】
本発明により、マグネットトルクを減少させることなくリラクタンストルクを最大限に活用でき、かつトルクリップルを低減するので、高効率、高出力、低振動の永久磁石モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す断面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるロータ外周側に位置する永久磁石の上面図および正面図
【図3】先行発明および本願発明のモータのトルクの値を示す図
【図4】先行発明および本願発明のモータのトルクリップルの値を示す図
【図5】従来の永久磁石埋め込みモータを示す断面図
【図6】先行発明の二層永久磁石埋め込みモータを示す断面図
【符号の説明】
2 ステータ
3、31、32 ロータ
3a ロータコア
4 ステータティース
8a、8b、8c、8d 永久磁石
9a、9b、9c、9d 永久磁石の端部
10 巻線
11 ロータ外周側の切り欠き
12 ロータ内周側の切り欠き
21、22 磁路
Claims (4)
- 少なくとも複数の永久磁石と高透磁率材とからなるロータ本体に、一極あたりロータ半径方向に複数に分割された永久磁石を、分割したそれぞれの永久磁石の端部がロータ外周に近接するように埋設した永久磁石モータにおいて、各極のロータの内周側に位置する永久磁石の端部がロータ外周に対して近接する位置で、ロータ外周側の永久磁石側にのみ切り欠いた尖端形状であることを特徴とする永久磁石モータ。
- 各極のロータの外周側に位置する永久磁石の端部がロータ外周に対して近接する位置で尖端形状であることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石モータ。
- ロータの外周側に位置する永久磁石の両端の切り欠きのうち、円弧内側部の切り欠き、すなわちロータ外周側の切り欠きが一直線上にあり、かつ円弧外側部の切り欠き、すなわちロータ内周部の切り欠きが互いに平行であり、尖った先端が直角となるように形成されたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石モータ。
- 各永久磁石が、ロータの中心側に凸の円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3に記載の永久磁石モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002261582A JP3596542B2 (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 永久磁石モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002261582A JP3596542B2 (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 永久磁石モータ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29396295A Division JP3367304B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | 永久磁石モータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003116234A JP2003116234A (ja) | 2003-04-18 |
JP3596542B2 true JP3596542B2 (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=19196745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002261582A Expired - Fee Related JP3596542B2 (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 永久磁石モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3596542B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4607472B2 (ja) * | 2004-02-03 | 2011-01-05 | 三菱電機株式会社 | 永久磁石型回転機の回転子及びそれを備えた永久磁石型回転機 |
KR101245592B1 (ko) * | 2012-02-08 | 2013-03-20 | 엘지전자 주식회사 | 영구자석 동기전동기 |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261582A patent/JP3596542B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003116234A (ja) | 2003-04-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10320274B2 (en) | Combination structure between stator and rotor in a brushless motor | |
KR102079486B1 (ko) | 회전 전기 | |
JP5643127B2 (ja) | 回転電機用回転子 | |
US9692265B2 (en) | Variable magnetic flux-type rotary electric machine | |
JP2002078259A (ja) | 永久磁石回転子 | |
JP2006166688A (ja) | 永久磁石電動機 | |
JP2010114952A (ja) | 電動機及び圧縮機及び送風機及び換気扇 | |
JP6748852B2 (ja) | ブラシレスモータ | |
JP4984347B2 (ja) | 電動機 | |
JP3703907B2 (ja) | ブラシレスdcモータ | |
JP2003319575A (ja) | 同期機のステータ鉄心 | |
JP2011097783A (ja) | 回転電機のロータ | |
JP2000069693A (ja) | モータ | |
JP4363045B2 (ja) | 回転電機のステータ構造、および回転電機 | |
JP3596542B2 (ja) | 永久磁石モータ | |
JP3552847B2 (ja) | リラクタンスモータ | |
JP2777338B2 (ja) | 永久磁石埋め込みモータ | |
JP2009219183A (ja) | 電動機 | |
JP3367304B2 (ja) | 永久磁石モータ | |
JP2008067574A (ja) | 埋込磁石型モータ | |
JP4400283B2 (ja) | アキシャルギャップ型回転電機のステータティース構造 | |
JP2005039909A (ja) | 永久磁石埋込型モータ | |
TW202118193A (zh) | 電動機 | |
JPH11196556A (ja) | 磁石モータ | |
JP2002199639A (ja) | 電動機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040615 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040817 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040830 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120917 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |