JP2016082798A - 回転電機用ロータとその製造装置およびそれを用いた製造方法 - Google Patents

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裕貴 中原
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Abstract

【課題】ロータコアに埋め込まれた永久磁石の着磁率を向上させることができる回転電機用ロータとその製造装置およびそれを用いた製造方法を提供する。【解決手段】永久磁石3の径方向外側部分の第1の磁石(ボンド磁石)8は、周方向において一方の極性(S極)が対向するように着磁されており、隣り合う永久磁石3と周方向において他方の極性(N極)が対向するようになっている。ロータコア2の外周面には、対向間部17と対応する位置に一方の極性の磁極(ロータ磁極)が形成されるとともに、磁石間部18と対応する位置に他方の極性の磁極が形成されている。また、径方向内側端部の第2の磁石(焼結磁石)9は、ロータコア2の対向間部18側に第1の磁極8と同一の極性が現れるように着磁されている。第1の磁石8は、磁化方向の磁気抵抗が径方向内側端部から径方向外側の先端部にわたり均一になるように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、電動モータおよび発電機として用いられる回転電機用ロータとその製造装置およびそれを用いた製造方法に関するものである。
従来、回転電機には、ロータコアに永久磁石を埋め込み固定した、いわゆる埋込磁石型のロータを備えたものがある。この回転電機用ロータは、例えば、電磁鋼板を積層したロータコアに形成された軸方向に延出する一文字やU字形の磁石取付孔(スロット)に、永久磁石を挿入または成形し径方向と直交するように配置したものが知られている。こうした埋込磁石型のロータを備えた回転電機(以下、IPMモータという)では、永久磁石によるマグネットトルクのみならず、リラクタンストルクが発生するため、ロータコアの表面に永久磁石を固着した、いわゆる表面磁石型のロータを備えた回転電機(SPMモータ)に比べ、高いトルクが得られる。
そして、IPMモータのロータに用いる永久磁石として、形状の自由度や加工のし易さなどの観点からボンド磁石を用いる場合がある。ボンド磁石では、フェライト系や希土類系などの磁性材料が樹脂材料に分散された磁性成形材料を磁場中で射出成形することで磁性材料の配向を揃えつつ永久磁石として製造される方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−143906号公報
上記のような射出成形を用いた方法では、磁性成形材料を射出成形により磁石取付孔に埋設後、ロータコアの外周側径方向から着磁機により着磁を行なう。ところが、例えばU字形に成形されたボンド磁石の場合、ロータコアの径方向内側のU字底部は着磁機からの距離がロータコアの外周側のU字先端部に比べて長いことから、径方向内側に向かうにつれて磁束密度が低くなり着磁機で発生させた磁束がU字底部に到達し難い。このため、ボンド磁石のU字底部の着磁率(または磁化率、例えば印加される着磁磁界の強さに対する着磁後の磁化の強さの比率を表す)は低くなる。
また、U字の磁石内側の表面積は着磁機で発生した磁束を受けるロータコアの外周側の表面積より大きい。このことから、着磁機で発生した一定の磁束が磁石内側の表面積の大きさに応じて分配されるため、磁石内側の表面積が大きくなる程U字底部の着磁率が低下する。これにより、トルクに寄与する永久磁石の利用効率が低下し、ボンド磁石を用いたIPMモータから高いトルクを得ることが難しい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ロータコアに埋め込まれた永久磁石の着磁率を向上させることができる回転電機用ロータとその製造装置およびそれを用いた製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転電機用ロータにおいて、回転軸に一体回転可能に固定され、周方向に間隔をおいて複数の磁石取付孔が軸線方向に延びて形成されたロータコアと、前記磁石取付孔内に埋め込まれて固定された永久磁石と、を備え、前記磁石取付孔は、径方向外側の両先端部から周方向に対向して径方向内側に向かうにつれて互いに近接するように延出されて径方向内側端部が凸となる形状に形成され、前記永久磁石は、前記磁石取付孔の径方向外側の先端部から対向して径方向内側端部近傍に向かって延びる部分に設けられ、同一の極性が互いに周方向に対向するように着磁された第1の磁石と、前記磁石取付孔の径方向内側端部に設けられ、隣り合う前記第1の磁石と同一の極性が現れるようにあらかじめ着磁された第2の磁石と、を有することを要旨とする。
上記構成によれば、永久磁石が形成されるロータコアの磁石取付孔内に径方向内側端部近傍の磁束を増加させて着磁(磁化)された第1の磁石と、径方向内側端部に第1の磁石に隣り合う第2の磁石を設けたことで、径方向内側端部近傍の磁力を強めて永久磁石の表面に沿って全体にわたって均一な磁力を得ることができる。これにより、第1の磁石の磁力を強めることでロータコアに埋め込まれた永久磁石の着磁率を高めることができる。この結果、永久磁石の利用効率を向上させるとともに、第2の磁石を挿入することでトルク発生に寄与する永久磁石を増やすことによりIPMモータの高トルク化を図ることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機用ロータの製造装置であって、前記ロータコアの外周面外側に前記永久磁石と径方向に対向するように配設される第1の着磁手段と、前記ロータコアの前記磁石取付孔内の径方向内側端部に配設される第2の着磁手段と、を備え、前記第1および第2の着磁手段は、磁石または電磁コイルからなり、前記第1の磁石を着磁するように配設されたことを要旨とする。
上記構成によれば、ロータコアの外周面外側に第1の着磁手段を配設し、ロータコアの磁石取付孔内の径方向端部に同一極性の磁極が対向するように第2の着磁手段を配設して第1の磁石を着磁するようにしたことで、第1の磁石は隣り合う第2の磁石近傍においても磁力を強めた状態で同じ方向に磁力を得ることができる。これにより、第1の磁石の径方向内側部分の磁力を強めて永久磁石の着磁率を高めることが可能な回転電機用ロータの製造装置を形成できる。この結果、永久磁石の利用効率を向上させてIPMモータの高トルク化を図ることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回転電機用ロータの製造装置を用いた回転電機用ロータの製造方法であって、前記ロータコアの外周面外側に前記第1の着磁手段を配設し、前記ロータコアの前記磁石取付孔内の径方向端部に前記第2の着磁手段を配設する配設工程と、前記第1および第2の着磁手段から生じる磁場が印加された状態で、前記磁石取付孔内に磁石材料を充填し射出成形により前記第1の磁石を成形する成形工程と、前記第1および第2の着磁手段により前記第1の磁石を着磁する着磁工程と、前記第2の着磁手段を取り外した後に形成された空洞部にあらかじめ着磁された前記第2の磁石を挿入する挿入工程と、を備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、ロータコアの外周面外側に第1の着磁手段と、ロータコアの磁石取付孔内の径方向端部に第2の着磁手段とを配設し(配設工程)、磁場を印加した状態で射出成形して第1の磁石を成形する(成形工程)。そして、第1および第2の着磁手段により第1の磁石を着磁し(着磁工程)、着磁後の径方向内側端部の空洞部にあらかじめ着磁された第2の磁石を挿入する(挿入工程)ことで、ロータコアの磁石取付孔内に永久磁石を形成することができる。これにより、径方向内側端部近傍の磁力を強めて永久磁石の着磁率を高めることが可能な回転電機用ロータの製造方法を実現できる。この結果、第1の磁石の磁力を強めることで永久磁石の利用効率を向上させるとともに、磁化方向を第1の磁石に合わせて第2の磁石を挿入することでトルク発生に寄与する永久磁石を増やすことによりIPMモータの高トルク化を図ることが可能となる。
本発明によれば、ロータコアに埋め込まれた永久磁石の着磁率を向上させることができる回転電機用ロータとその製造方法およびそれに用いる製造装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る回転電機用ロータの断面図。 図1の永久磁石の詳細な構成を示す図。 (a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る回転電機用ロータの製造装置およびそれを用いた製造方法を示す図。 (a),(b)は、図3(a),(b)の第2の着磁手段の構成を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る回転電機用ロータの製造装置およびそれを用いた製造方法を示す図。 (a),(b)は、本発明の他の実施形態に係る回転電機用ロータの製造装置およびそれを用いた製造方法を示す図。 本発明の他の実施形態に係る永久磁石の構成を示す図。 本発明の他の実施形態に係る永久磁石の構成を示す図。
以下に、本発明の実施形態の回転電機に用いられる回転電機用ロータ(以下、ロータという)1について、IPMモータのロータの図に基づいて説明する。なお、以下の説明において、径方向および軸線方向とは、ロータ1(ロータコア2)の半径方向および軸方向を指す。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るロータ1の断面図である。
回転電機は、例えば、車両に搭載され、ステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置や油圧を発生させる電動オイルポンプ装置の駆動源用の電動モータ(例えば、3相のブラシレスモータなど)として用いられる。
図1に示すように、ロータ1は、回転電機(本実施形態では、IPMモータ)の回転軸10と一体回転可能に固定される円柱状のロータコア2と永久磁石3とを備えて構成されている。ロータコア2には、複数(本実施形態では、5セット)の永久磁石3がロータコア2内にそれぞれ埋設されて固定されている。すなわち、本実施形態のロータ1は、いわゆる埋込磁石型のロータとして構成されている。このように構成された回転電機は、図示しないステータの各コイルに駆動電力が供給されることにより形成される磁界と、永久磁石3の磁束との間に生じる磁気的な吸引力および反発力によりロータ1が回転する構成となっている。
ロータコア2は、鉄や珪素鋼板などから略円柱状に形成されており、回転電機の回転軸10が挿入される挿入孔11を有する。ロータコア2には、永久磁石3がそれぞれ内部に配置される複数(本実施形態では、5セット)の略U字状の磁石取付孔4が形成されている。なお、本実施形態の磁石取付孔4は、それぞれ永久磁石3の断面形状と略同一の断面形状を有する孔(空洞)状に形成されている。
詳しくは、ロータコア2は電磁鋼板からなる薄板円盤状の強磁性板(以下、ロータプレートという)5が複数枚軸線方向に積層されて構成されている。ここで、ロータコア2は、例えば、表面に絶縁処理が施された珪素鋼板などを用いた電磁鋼板を打ち抜いて所定の形状に形成された複数枚の薄板状のロータプレート5がロータ1の軸線方向に積層固定された積層体である。具体的には、ロータコア2を形成する各ロータプレート5を転積し、すなわち、ロータプレート5の向きを回転させて軸線方向に積層し、磁石取付孔4が形成されている。
各永久磁石3は、ロータコア2の外周縁の近傍に等間隔で軸線方向に貫通形成された5つの略U字状の磁石取付孔4にそれぞれ収容され、ロータコア2に固定保持されている。磁石取付孔4は、径方向外側の両先端部(U字先端部)から周方向に対向して径方向内側に向かうにつれて互いに近接するように延びて、回転軸10側の径方向内側部分(U字底部)が凸となる形状に形成されている。
また、永久磁石3は、径方向に沿って直線的に延びて径方向内側に向かうにつれて略円弧状に湾曲した板状に形成された第1の磁石8と、第1の磁石8に隣り合う円弧の先端部分(径方向内側端部)に配置された第2の磁石9とを備えて構成されている。なお、本実施形態の第1の磁石8には、希土類(例えば、ネオジムなど)系のボンド磁石(例えば、プラスチックマグネット、ゴムマグネットなど)が用いられており、磁性成形材料(磁石材料)が磁界中で磁石取付孔4内に射出成形されつつ着磁されるようになっている。また、第2の磁石9には、焼結磁石(例えば、ネオジム焼結磁石など)が用いられており、先に着磁したものを配置固定するようになっている。
次に、図2は、図1の永久磁石3の詳細な構成を示す図である。
図2に示すように、永久磁石3の径方向外側の先端部から径方向内側に向けて延びる第1の磁石8は、周方向において一方の極性(本実施形態では、S極)が対向するように着磁(磁化)されている。そして、隣り合う永久磁石3と周方向において他方の極性(本実施形態では、N極)が対向するようになっている。また、ロータコア2の外周面には、対向間部17と対応する位置に一方の極性(S極)の磁極(ロータ磁極)が形成されるとともに、磁石間部18と対応する位置に他方の極性(N極)の磁極が形成されている。
さらに、径方向内側端部の第2の磁石9は、ロータコア2の対向間部17側に第1の磁石8と同一の極性が現れるように着磁されている。詳しくは、第1の磁石8の径方向外側部分の磁化方向は、ロータコア2の周方向に略沿うように着磁されており、円弧部分の磁化方向は、その先端部分(径方向内側端部)に近づくにつれて周方向から徐々に径方向に沿うように着磁されている。すなわち、第1および第2の磁石8,9は、それぞれの板厚方向と略沿う方向に着磁されている。
そして、第1の磁石8は、磁化方向の磁気抵抗が径方向内側端部近傍から径方向外側の先端部にわたり均一になるように構成されている。具体的には、第1および第2の磁石8,9の磁化方向に沿った長さ(厚み)は、それぞれ略同一になるように形成されている。また、第1の磁石8に用いられるボンド磁石は、単位長さ当たりの磁気抵抗が一定となるように磁石粉が樹脂材料内に均一に混ぜられて構成されている。これにより、永久磁石3は、径方向外側の両先端部から径方向内側端部に向かって磁気抵抗が一定となるように形成されている。
次に、上述したロータ1を製造するための製造装置およびその製造方法について説明する。
図3(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係るロータ1の製造装置およびそれを用いた製造方法を示す図、図4(a),(b)は、図3(a),(b)の第2の着磁機13の構成を示す図である。
図3、図4に示すように、本実施形態のロータ1の製造装置は、ロータコア2の磁石取付孔4内に永久磁石3(第1の磁石8)の磁性成形材料を注入し、磁石取付孔4内で磁性成形材料の射出成形、および着磁を行なうものである。
まず、図3(a)に示すように、第1の着磁機(着磁手段)12がロータコア2の外周に、第2の着磁機(着磁手段)13がロータコア2の磁石取付孔4内に配設される(配設工程)。具体的には、ロータ1の製造装置は、ロータコア2の外周面外側に磁石取付孔4と対向して配設された第1の着磁機(着磁手段)12と、磁石取付孔4内の径方向内側端部に配設された第2の着磁機(着磁手段)13とを備えている。
ここで、第1および第2の着磁機12,13は永久磁石あるいは電磁コイル(電磁石)により構成されている。図4(a)に着磁磁石19を、図4(b)に着磁コイル20をそれぞれ使用した場合の第2の着磁機13の構成例を示す。棒状に形成された着磁磁石19または軸線方向に巻回された着磁コイル20が磁石取付孔4内に軸線方向に沿って挿入配置される。これにより、ロータ1の製造装置においては、第1および第2の着磁機12,13によって磁石取付孔4内に磁場が発生している。なお、磁性体(本実施形態では、第1の磁石8)に外部磁場を加えて磁化させて飽和点まで着磁を行なうには大きな着磁磁場強度が必要とされる。
次に、図3(b)に示すように、磁石取付孔4内の径方向外側部分の空洞(第1の磁石成形孔6)に磁性形成材料(例えば、プラスチックやゴムにネオジム磁石などの粉末を混ぜた磁石材料)が注入され射出成形によりボンド磁石が成形される。第1および第2の着磁機12,13が配設された後、図示しない射出機から供給される溶融された磁性成形材料がロータコア2の第1の磁石成形孔6内に注入される。このとき、磁性成形材料は第1および第2の着磁機12,13で発生した磁場によって配向されながら充填される(成形工程)。射出成形中に第1の磁石(ボンド磁石)8は、第1および第2の着磁機12,13により配向、着磁される(着磁工程)。上記磁場配向を行なうことにより磁気特性を高め強い磁力を持ったボンド磁石を得ることができるようになる。
ここで、第1の着磁機12は、第1の磁石8の径方向外側部分に磁場を印加するものであり、N極から延びる磁力線(図中矢印実線で示す)は第1の磁石8を通過しロータコア2に回り込んでS極に向かう閉ループとなる。これにより、第1の磁石8の径方向外側部分が着磁される。第2の着磁機13は、第1の磁石8の径方向内側端部近傍に磁場を印加するものであり、N極から延びる磁力線(図中矢印実線で示す)は第1の磁石8の径方向内側端部近傍を通過し、S極に向かう閉ループとなる。これにより、第1の磁石8の径方向内側部分が着磁される。
着磁工程後、図3(c)に示すように、第2の着磁機13を抜き取り第2の磁石9を第2の磁石挿入孔(空洞部)7内に第1の磁石8と磁極が一致する方向に挿入し(本実施形態では、径方向外側がS極)、隣り合う第1の磁石8と接合(圧入)固定する(挿入工程)。第2の磁石9として、焼結磁石(例えば、ネオジム焼結磁石など)が使用される。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係るロータ1の製造装置および製造方法について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るロータ1の製造装置およびそれを用いた製造方法を示す図である。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。図5は、ロータコア2の回転軸中心J1に対する上側の軸線方向の断面図を表す。
図5に示すように、第2の着磁機13は積層された電磁鋼板からなる着磁ヨーク21と、着磁ヨーク21に巻回された着磁コイル20とを備えている。この着磁ヨーク21はU字底部の第2の磁石挿入孔7に軸線方向に挿入され、着磁コイル20は第2の磁石挿入孔7の軸線方向外側に配置される。着磁ヨーク21はロータコア2の第2の磁石挿入孔7の両端部間の軸線方向全体にわたって接続され、着磁コイル20で発生した磁束(磁力線)が着磁ヨーク21を介してS極からN極に向かって第1の磁石8(図2参照)を通過する。このとき、ロータコア2の軸線方向に略均一に磁束が供給される。なお、着磁ヨーク21は透磁率の高い磁性材料が望ましい。
着磁後、第2の着磁機13が抜き取られ、第1および第2の磁石8、9(図2参照)からなる永久磁石3(図2参照)が形成される。なお、第2の着磁機13は着磁コイル20の代わりに着磁磁石19(図4(a)参照)により構成されていてもよい。
これにより、ロータコア2の第2の磁石挿入孔7に第2の着磁機13を配設する場合に比較して、第2の着磁機13をロータコア2の軸線方向外側に配設することによって着磁機の大きさ(例えば、着磁コイル20の巻線スペース)の制約が緩和される。
<他の実施形態>
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図6(a),(b)は、本発明の他の実施形態に係るロータ1の製造装置およびそれを用いた製造方法を示す図である。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6(a)に示すように、ロータ1の製造装置は、ロータコア2の外周面外側に磁石取付孔4と対向して配設された第1の着磁機12と、磁石取付孔4内の径方向内側端部に配設された第2の着磁機13と、磁石取付孔4内の径方向外側の先端部に配設された2つの第3の着磁機15とを備えている。ここで、着磁磁石19または着磁コイル20(図4参照)からなる第3の着磁機15は、磁束の方向が第1の着磁機12からの磁束と同一になるように磁極配置されて第1の磁石8の着磁率を向上させるように磁場を供給する。
続いて、磁石取付孔4内の空洞(第1の磁石成形孔6)に磁性成形材料(例えば、プラスチックやゴムにネオジム磁石などの粉末を混ぜた磁石材料)が注入され、射出成形によりボンド磁石が成形される。溶融された磁性成形材料がロータコア2の第1の磁石成形孔6内に注入され、磁性成形材料は第1、第2および第3の着磁機12,13,15で発生した磁場によって配向、着磁されながら充填される。
次に、図6(b)に示すように、磁石取付孔4から第2および第3の着磁機13,15が抜き取られた後に第2および第3の磁石9,14がそれぞれ第2および第3の着磁機13,15の磁極とは逆極性(図中矢印実線で示す)の磁極を有した状態で挿入される。そして、隣り合う第1の磁石8と接合(圧入)固定される。第3の磁石14は第2の磁石9と同様、焼結磁石(例えば、ネオジム焼結磁石など)が使用される。
ここで、第1の磁石8の径方向外側の両先端部において、ロータ1(図1参照)の回転時に第1の磁石8の磁化方向とは反対方向の磁界が加わることによって減磁が発生する場合がある。このため、減磁に抗し得る大きな保磁力を有した第3の磁石14を配置することにより、径方向外側部分が減磁することが抑制されるようになっている。
次に、上記のように構成された本発明の実施形態に係るロータ1の作用および効果について説明する。
上記第1の実施形態によれば、永久磁石3が形成されるロータコア2の磁石取付孔4内に径方向内側端部近傍の磁束を増加させて着磁(磁化)された第1の磁石8と、径方向内側端部に第1の磁石8に隣り合うようにあらかじめ着磁された第2の磁石9とを設けたことで、径方向内側端部近傍の磁力を強めて永久磁石3の表面に沿って全体にわたって均一な磁力を得ることができる。
また、ロータコア2の外周面外側に第1の着磁機12を配設し、ロータコア2の磁石取付孔4内の径方向端部に同一極性の磁極が対向するように第2の着磁機13を配設して第1の磁石8を着磁するようにしたことで、第1の磁石8は隣り合う第2の磁石9近傍においても磁力を強めた状態で同じ方向に磁力を得ることができる。
さらに、ロータコア2の外周面外側に第1の着磁機12を配設し、ロータコア2の磁石取付孔4内の径方向端部に第2の着磁機13を配設し(配設工程)、磁場を印加した状態で射出成形により第1の磁石8を成形する(成形工程)。そして、第1および第2の着磁機12,13により第1の磁石を着磁し(着磁工程)、着磁後の径方向内側端部の第2の磁石挿入孔7にあらかじめ着磁された第2の磁石9を挿入する(挿入工程)ことで、ロータコア2の磁石取付孔4内に永久磁石3を形成することができる。
また、上記第2の実施形態によれば、第2の着磁機13(着磁磁石19または着磁コイル20からなる)をロータコア2の軸線方向外側に配設し、着磁ヨーク21を介してロータコア2の軸線方向に略均一に磁束を供給することで、第2の着磁機13の設置スペースの制約を受けることなくロータ1の製造装置を構成することができる。
これにより、射出成形によりロータコア2に埋め込まれたボンド磁石により形成された第1の磁石8(永久磁石3)の着磁率を高めることができる。その結果、第1の磁石8の磁力を強めることで永久磁石3の利用効率を向上させるとともに、第2の磁石9として径方向内側端部にネオジム焼結磁石を磁化方向を第1の磁石8に合わせて挿入することでトルク発生に寄与する永久磁石3を増やすことによりIPMモータの高トルク化を図ることが可能となる。
以上のように、本発明の第1,2の実施形態によれば、ロータコアに埋め込まれた永久磁石の着磁率を向上させることができる回転電機用ロータとその製造装置およびそれを用いた製造方法を提供することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、第1の磁石8を射出成形する工程と着磁する工程とが同時に行なわれる場合について説明したが、成形工程後に着磁工程が行われるものでもよい。
上記実施形態では、永久磁石3(磁石取付孔4)の径方向の断面形状は、略U字状であったが、これに限定されるものでなく、略逆円弧状あるいは略コの字状に形成された永久磁石でもよい。また、略V字状や略W字状に形成された永久磁石であってもよい。すなわち、ロータコア2の径方向に延びる対向する磁極を有する形状であれば、永久磁石3の形状は適宜変更可能である。
また、図7,8は、本発明の他の実施例に係る永久磁石3の構成を示す図である。
上記実施形態では、同じ極性の略U字状の永久磁石3を配置する例を示したが、図7に示すように、周方向において互いに隣り合う第1の磁石8の極性が異なるようにN極とS極が交互に配置されたものであってもよい。この場合、第2の磁石9もN極とS極が交互に逆になるように配置される。さらに、上記実施形態では、永久磁石3を第1および第2の磁石8,9により略U字状に一体に形成した例を示したが、図8に示すように、第1の磁石8と第2の磁石9との間を仕切るブリッジ部を設けるようにしたものでもよい。形状も略U字状に限らず、例えば略コの字状に形成されていてもよい。上記のように、隣り合う磁石間(第1の磁石8同士または第1の磁石8と第2の磁石9との間)に梁を設けることにより永久磁石3の強度アップを図ることができる。
上記実施形態では、永久磁石3の第1の磁石8として成形し易い希土類系のネオジムボンド磁石を用いたが、これに限定されるものでなく、他のボンド磁石を用いてもよい。また、ボンド磁石に限らず、例えば、着磁されたネオジム焼結磁石を挿入して永久磁石3を形成するようにしてもよい。
上記実施形態において、ロータコア2は、永久磁石3の形状に合わせて珪素鋼板を用いた電磁鋼板を積層して形成されていたが、これに限定されるものでなく、例えば、圧粉磁心を用いてもよい。
上記実施形態では、5セットの永久磁石3を備えたIPMモータに適用する場合を説明したが、これに限定されるものでなく、任意の数の永久磁石を任意の位置に配置したIPMモータに適用することが可能である。
上記実施形態では、本発明を電動パワーステアリング装置や電動オイルポンプ装置などの駆動源に用いられる電動モータ(IPMモータ)に具体化したが、これに限定されるものでなく、他の装置の駆動源用モータとして用いてもよく、また、発電機として用いてもよい。
1:回転電機用ロータ、2:ロータコア、3:永久磁石、4:磁石取付孔、
5:ロータプレート、6:第1の磁石成形孔、7:第2の磁石挿入孔(空洞部)、
8:第1の磁石、9:第2の磁石、10:回転軸、11:挿入孔、
12:第1の着磁機(着磁手段)、13:第2の着磁機(着磁手段)、
14:第3の磁石、15:第3の着磁機、16:第3の磁石挿入孔、17:対向間部、
18:磁石間部、19:着磁磁石、20:着磁コイル、21:着磁ヨーク、
J1:回転軸中心

Claims (3)

  1. 回転軸に一体回転可能に固定され、周方向に間隔をおいて複数の磁石取付孔が軸線方向に延びて形成されたロータコアと、
    前記磁石取付孔内に埋め込まれて固定された永久磁石と、を備え、
    前記磁石取付孔は、径方向外側の両先端部から周方向に対向して径方向内側に向かうにつれて互いに近接するように延出されて径方向内側端部が凸となる形状に形成され、
    前記永久磁石は、前記磁石取付孔の径方向外側の先端部から対向して径方向内側端部近傍に向かって延びる部分に設けられ、同一の極性が互いに周方向に対向するように着磁された第1の磁石と、
    前記磁石取付孔の径方向内側端部に設けられ、隣り合う前記第1の磁石と同一の極性が現れるようにあらかじめ着磁された第2の磁石と、を有することを特徴とする回転電機用ロータ。
  2. 請求項1に記載の回転電機用ロータの製造装置であって、
    前記ロータコアの外周面外側に前記永久磁石と径方向に対向するように配設される第1の着磁手段と、
    前記ロータコアの前記磁石取付孔内の径方向内側端部に配設される第2の着磁手段と、を備え、
    前記第1および第2の着磁手段は、磁石または電磁コイルからなり、前記第1の磁石を着磁するように配設されたことを特徴とする回転電機用ロータの製造装置。
  3. 請求項2に記載の回転電機用ロータの製造装置を用いた回転電機用ロータの製造方法であって、
    前記ロータコアの外周面外側に前記第1の着磁手段を配設し、前記ロータコアの前記磁石取付孔内の径方向端部に前記第2の着磁手段を配設する配設工程と、
    前記第1および第2の着磁手段から生じる磁場が印加された状態で、前記磁石取付孔内に磁石材料を充填し射出成形により前記第1の磁石を成形する成形工程と、
    前記第1および第2の着磁手段により前記第1の磁石を着磁する着磁工程と、
    前記第2の着磁手段を取り外した後に形成された空洞部にあらかじめ着磁された前記第2の磁石を挿入する挿入工程と、を備えたことを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
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JP2017229192A (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 三菱電機株式会社 回転電機および回転電機の製造方法

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