JP2017229192A - 回転電機および回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機および回転電機の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017229192A
JP2017229192A JP2016125208A JP2016125208A JP2017229192A JP 2017229192 A JP2017229192 A JP 2017229192A JP 2016125208 A JP2016125208 A JP 2016125208A JP 2016125208 A JP2016125208 A JP 2016125208A JP 2017229192 A JP2017229192 A JP 2017229192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coercive force
magnet
permanent magnet
magnetic powder
rotating electrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016125208A
Other languages
English (en)
Inventor
純香 岡本
Junka Okamoto
純香 岡本
宏紀 立木
Hiroki Tachiki
宏紀 立木
愛子 中野
Aiko Nakano
愛子 中野
祥子 川崎
Sachiko Kawasaki
祥子 川崎
直彦 鮎川
Naohiko Ayukawa
直彦 鮎川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2016125208A priority Critical patent/JP2017229192A/ja
Publication of JP2017229192A publication Critical patent/JP2017229192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】幅広い回転領域でトルクを最大限に発揮できる回転電機および回転電機の製造方法を提供する。【解決手段】界磁子鉄心31内の永久磁石32は、保磁力の高い高保磁力部32Hと、高保磁力部より保磁力の低い低保磁力部32Lとを有し、低保磁力部32Lと高保磁力部32Hとの境界32Bの始点は、コイルに印加する電流の電流位相角をβとしたとき、(マグネットトルクとリラクタンストルクが最大となる電流位相角)<β<90°の範囲にあるd軸を漸近線とする双曲線Sd1と、磁石挿入孔31hの長手方向内周側の縁との交点P1であり、境界の終点は、磁石挿入孔31hの長手方向外周側の縁と双曲線Sd1との交点P2から、磁石挿入孔31hの縁と始点(P1)における双曲線Sd1の接線S1との交点P3までの範囲内にある。【選択図】図2

Description

本発明は、性質の異なる二種類の磁性材料からなる永久磁石を用いた回転電機および回転電機の製造方法に関するものである。
近年、電動機や発電機として使用される回転電機において、幅広い運転領域が必要とされている。運転領域を広げるための1つの方法として、弱め磁束制御を行い、等価的にd軸方向の磁束を減少させる方法がある。しかし、この方法では、意図していない磁石が減磁されることになり、回転電機のトルクが低下するといった課題があった。そこで、磁化方向を反転させるためのコイルを設けて減磁中の逆界磁電流の使用を抑える技術が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−336980号公報
特許文献1に記載の界磁は、埋め込まれている永久磁石が周方向と径方向で分離、独立しており、その独立した磁石間には鉄心が介在している。そのことにより、磁石から発生する磁束が、磁石端部から漏れる可能性があり、回転電機のトルクを最大限に発揮できない可能性があるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、幅広い回転領域でトルクを最大限に発揮できる回転電機および回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る回転電機は、
電機子鉄心の磁極ティース部に電機子巻線を巻装して構成された電機子と、
前記電機子の内周面に外周面を対向して回転する界磁とからなる回転電機において、
前記界磁は、円筒状の界磁鉄心と、前記界磁鉄心の軸心位置に挿通して固定されたシャフトとを備え、
前記界磁鉄心内には、複数の永久磁石が磁石挿入孔に埋設され、
前記永久磁石は、保磁力の高い高保磁力部と、前記高保磁力部より保磁力の低い低保磁力部とを有し、
前記低保磁力部と前記高保磁力部との境界の始点は、
コイルに印加する電流の電流位相角をβとしたとき、(マグネットトルクとリラクタンストルクが最大となる電流位相角)<β<90°の範囲にあるd軸を漸近線とする双曲線と、前記磁石挿入孔の長手方向内周側の縁との交点であり、
前記境界の終点は、前記磁石挿入孔の長手方向外周側の縁と前記双曲線との交点から、前記磁石挿入孔の縁と前記始点における前記双曲線の接線との交点までの範囲内にあるものである。
また、この発明に係る回転電機の製造方法は、
ベース金型の周方向中央部に前記永久磁石の前記高保磁力部となる、成形、着磁済みの高保磁力磁石を挿入する高保磁力磁石挿入工程と、
前記磁石挿入孔内の前記高保磁力磁石の周方向両側の空間に、未着磁の磁性粉末を充填する磁性粉末充填工程と、
前記界磁鉄心内の前記磁性粉末の温度を上昇させる昇温工程と、
外部から前記界磁鉄心に磁界を印加して前記磁性粉末の磁化方向を揃える磁界容易軸調製工程と、
前記磁性粉末を前記磁石挿入孔内で軸方向に圧縮する加圧工程と、
圧縮した前記磁性粉末を硬化させる硬化工程と、
前記低保磁力部となる、硬化させた前記磁性粉末を、前記磁石挿入孔に内包したまま着磁する着磁工程とを有するものである。
また、この発明に係る回転電機の製造方法は、
ベース金型の周方向中央部に、未着磁の高保磁力磁性粉末を充填する高保磁力磁性粉末充填工程と、前記高保磁力磁性粉末を径方向と軸方向に圧縮し硬化させる第一加圧、仮硬化工程と、
仮硬化させた前記高保磁力磁性粉末の周方向両側の空間に、未着磁の低保磁力磁性粉末を充填する低保磁力磁性粉末充填工程と、前記低保磁力磁性粉末を径方向と軸方向に圧縮し硬化させる第二加圧、仮硬化工程と、
前記高保磁力磁性粉末及び低保磁力磁性粉末の磁化方向を揃えた上でこれに着磁する着磁工程とを有するものである。
本発明に係る回転電機および回転電機の製造方法によれば、保磁力の異なる高保磁力部と低保磁力部間を隙間なく密着させて一つの永久磁石を構成することにより、高保磁力部と低保磁力部との間に鉄心が介在せず、漏れ磁束が発生しない。これにより、回転電機のトルクを最大限に発揮できる。
また、低保磁力部を、界磁鉄心内において減磁しやすい外周側に設けたので、小さな磁化電流で当該部分を減磁できる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機の斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の上面図である。 この発明の実施の形態1に係る界磁の軸方向に垂直な断面図である。 図3の界磁の1/8モデルの拡大図である。 この発明の実施の形態1に係る界磁の極中心線をd軸としたときのd軸を漸近線とする双曲線群と、d軸から電気角で90°の位置をq軸としたときのq軸を漸近線とする双曲線群を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石の斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石の上面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転数に対するトルクの関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石の高保磁力部となる部分を製造中のベース金型と高保磁力部用の蓋とを示す断面斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石の低保磁力部となる部分を製造中のベース金型と低保磁力部用の蓋とを示す断面斜視図である。 図4の界磁をX−X線で、軸方向に切断した断面図である。 界磁鉄心の中で永久磁石を一体成形する永久磁石製造装置の構成を示す図である。 界磁鉄心の中で、永久磁石の高保磁力部となる高保磁力磁石と、低保磁力部とを一体成形して、永久磁石を製造する製造工程を示すフロー図である。 この発明の実施の形態2に係る二層目永久磁石の上面図である。 この発明の実施の形態2に係る二層目永久磁石の高保磁力部となる部分を製造中のベース金型と高保磁力部用の蓋とを示す断面斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る、二層目永久磁石の内側低保磁力部、外側低保磁力部となる部分を製造中のベース金型と低保磁力部用の蓋とを示す断面斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る界磁の軸方向に垂直な断面図である。 図17の界磁の1/8モデルの拡大図である。 図18の要部拡大図である。 図18の界磁をX2−X2線で、軸方向に切断した断面図である。 界磁鉄心の中で永久磁石を一体成形する永久磁石製造装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3に係るベース金型と、高保磁力部用の蓋、低保磁力部用の蓋、仕切板を示す断面斜視図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る回転電機および回転電機の製造方法を、図を用いて説明する。なお、本明細書中において、特に断り無く「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、というときは、それぞれ、界磁の「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」をいうものとする。また、この明細書で、特に断り無く「上」、「下」と言うときは、基準となる場所において、軸方向に垂直な面を想定し、その面を境界として界磁の中心点が含まれる側を「下」、その反対を「上」とする。
図1は、回転電機100の斜視図である。
図2は、回転電機100の上面図である。
回転電機100は、電機子20と、電機子20の内周面に外周面を対向して回転する界磁30とからなる。電機子20は、分割鉄心21bを複数個、円環状に組み合わせた電機子鉄心21の磁極ティース部に電機子巻線25を巻装して構成されている。分割鉄心21bは、軸方向に電磁鋼板を積層して形成されている。電機子巻線25は、分布巻き、集中巻きのどちらでも良い。なお、分割鉄心21bの積層を構成する板材は電磁鋼板に限らない。電機子20と界磁30との間には、エアギャップ60を有する。このエアギャップ60は、径方向に0.1〜2.5mmである。本実施の形態では、8極48スロットの永久磁石型の回転電機100について説明するが、回転電機の極数およびスロット数は適宜増減可能である。
次に、電機子20の組立て工法について説明する。
電機子20は、図示しない絶縁紙を取り付け籠状に組み立てられた電機子巻線25に電機子鉄心21を挿入して製造する。電機子鉄心21は、主な材料である電磁鋼板を打ち抜いて形成するが、電機子鉄心21の形成方法は、電磁鋼板の打ち抜きに限らない。電機子巻線25の組み立て方法もこの方法に限らなくてもよい。
次に、図3、図4を用いて界磁30の詳細について説明する。
図3は、界磁30の軸方向に垂直な断面図である。
界磁30は、永久磁石32を周方向に等間隔に埋設した永久磁石型界磁である。界磁30は、円筒状の界磁鉄心31と、界磁鉄心31の軸心位置に挿通して固定されたシャフト33とからなる。シャフト33は、例として焼きばめや圧入等で界磁鉄心31に固定されている。界磁鉄心31は、永久磁石32を埋設するための、軸方向に延びる磁石挿入孔31hを備える。界磁鉄心31は、磁性材、例えば電磁鋼板を軸方向に積層したものであり、電磁鋼板の厚さは0.1〜1.0mm程度の物を使用する場合が多い。なお、界磁鉄心31は積層鉄心に限らない。
図4は、図3の界磁30の1/8モデルの拡大図である。図5は、極中心線Cをd軸としたときのd軸を漸近線とする双曲線群Sdと、d軸から電気角で90°の位置をq軸としたときのq軸を漸近線とする双曲線群Sqを示す図である。磁石挿入孔31hは、界磁鉄心31の周方向に、等間隔に設けられている。磁石挿入孔31hは、軸方向に垂直な断面が、界磁鉄心31の中心に向かって突出するアーチ形状をしており、そのアーチ形状は双曲線群Sqの内、外周側にある双曲線と内周側にある双曲線に沿った形状であり、極中心線Cに対して周方向に対称である。
磁石挿入孔31hの長手方向の中心に永久磁石32の高保磁力部32Hが配置され、その両端に永久磁石32の低保磁力部32Lが配置される。永久磁石32と磁石挿入孔31hとの間には空気層があってもよい。永久磁石32を挿入し、シャフト33を界磁鉄心31に固定した界磁30と、電機子20とを組み立てて回転電機100を製造する。
次に、永久磁石32について、図6、図7を用いて説明する。
図6は、永久磁石32の斜視図である。
図7は、永久磁石32の上面図である。
永久磁石32は、周方向の中央部に保磁力が高い高保磁力部32Hが配置され、その周方向両側に、高保磁力部32Hより保磁力の低い低保磁力部32Lが配置された一つの永久磁石である。永久磁石32は、磁石挿入孔31hの内周面に沿うように外周面を形成されている。すなわち、軸方向に垂直な断面が、界磁鉄心の内側に向かって突出するアーチ形状をしており、極中心線Cに対して周方向に対称である。
永久磁石32の高保磁力部32Hと低保磁力部32Lとは、軟磁性材料よりも保磁力が高い硬磁性材料からなる。高保磁力部32Hは、低保磁力部32Lよりも保磁力が高いものを用い、硬磁性材料はどんな種類でもよい。例えば、高保磁力部32Hとしては、ネオジムボンド磁石(Br0.5〜0.8T(Tはテスラ))、サマ鉄窒素ボンド磁石(Br0.5〜0.8T)、ネオジム焼結磁石(Br0.9〜1.4T)などを用いる。焼結磁石は磁力が強いため、トルクに起因する磁束を発生させることができる。また、減磁しにくい性質があるため、逆磁界の影響が小さい。
永久磁石32の低保磁力部32Lとしては、フェライトボンド磁石(Br0.2〜0.3T)が挙げられる。ボンド磁石は高温で減磁し易い性質があるため、低保磁力部32Lにボンド磁石を用いることで、高温時でも増減磁を容易に制御することができる。また、ボンド磁石は自由な形状に加工できるため、円弧状の磁石挿入孔31hに沿った永久磁石32を成形することができる。なお、上記にあげた材料は、磁力・密度・強度などが異なるが、仕様に合ったトルク、出力や使用環境に応じて適宜選択すればよい。通常は、トルクや出力が大きいほど、保磁力Brが高い材料を選択する。高温で減磁しないフェライト磁石や、保磁力が高いネオジム焼結磁石などが望ましい。いずれにしても、高保磁力部32Hと低保磁力部32Lとは、永久磁石32の一部である。
永久磁石32の高保磁力部32Hと低保磁力部32Lとの境界32Bについて図5〜8を用いて説明する。図5に示す双曲線群Sdの中から、次の基準により図7に示すd軸を漸近線とする双曲線Sd1を決定する。コイルに印加する電流の電流位相角をβとすると、45°<β<90°である。sinβは、全体の電流に対するd軸電流Idの割合を表す。双曲線Sd1を決めるための電流位相角βs1は(マグネットトルクとリラクタンストルクが最大となる電流位相角)<βs1<90°の範囲である。βs1がこれより大きいとトルクが生じず、これより小さいと低保磁力磁石が減磁しない。ここで、ロータ外周上でd軸からq軸までの円弧の長さを1としたとき、本実施の形態で扱う回転電機100の場合、例えば、sin(βs1)が0.86の位置にある双曲線を双曲線Sd1とする。この0.86はβs1が60°であることを意味している。
ここで、磁石挿入孔31hの長手方向内周側の縁と双曲線Sd1の交点を交点P1とし、高保磁力部32Hと低保磁力部32Lとの境界32Bの始点を、この交点P1とする。そして、磁石挿入孔31hの長手方向外周側の縁と双曲線Sd1との交点を交点P2とし、磁石挿入孔31hの縁と、交点P1における双曲線Sd1の接線S1との交点を交点P3とすると、境界32Bの終点は、交点P2から交点P3までの範囲内とする。なお、境界32Bに仕切り板等はない。また、本実施の形態では、永久磁石32は、周方向に対称としているが、これに限るものではない。また、永久磁石32は、少なくとも外周面と内周面が曲面であればよく、両端は、平面状であってもよい。
図8は、回転電機100の回転数に対するトルクの関係を示す図である。図8において、低保磁力部32Lを減磁させた場合に、減磁させない場合に比べて運転領域が増えていることがわかる。
次に、図9、図10を用いて、金型内に性質の異なる二種類の磁性粉末を充填して永久磁石32を製造する方法を説明する。
図9は、永久磁石32の高保磁力部32Hとなる部分を製造中のベース金型70と高保磁力部用の蓋70Hとを示す断面斜視図である。
図10は、永久磁石32の低保磁力部32Lとなる部分を製造中のベース金型70と低保磁力部用の蓋70Lとを示す断面斜視図である。
ベース金型70は、図9に示すように、永久磁石32のアーチ形状部分が下側を向いて突出するように平らに寝かせて成形できる形状をしている。また、図9は断面図なので、ベース金型70の手前側が開放されているように見えるが、実際には塞がれている。永久磁石32を製造するには、まず、永久磁石32の高保磁力部32Hとなる部分である高保磁力部中間体35Hを成形し、高保磁力部中間体35Hの周方向両側に、永久磁石32の低保磁力部32Lとなる部分である低保磁力部中間体35Lを密着させて一体成形した永久磁石中間体35を製造する。
具体的には、最初に、ベース金型70に高保磁力の磁性粉末を充填し(高保磁力磁性粉末充填工程)、図9に示す高保磁力部用の蓋70Hにより上方から加圧して、永久磁石中間体35の高保磁力部中間体35Hを圧縮成形する(第一加圧、仮硬化工程)。これにより高保磁力部中間体35Hは、径方向にも軸方向にも圧縮される。
次に、高保磁力部用の蓋70Hを取り外し、高保磁力部中間体35Hの周方向両側に低保磁力の磁性粉末を充填し(低保磁力磁性粉末充填工程)、図10に示す低保磁力部用の蓋70Lにより上方から同様に加圧して、永久磁石中間体35の低保磁力部中間体35Lを圧縮成形する(第二加圧、仮硬化工程)。その後、永久磁石中間体35の磁化方向を揃えた上でこれに着磁して永久磁石32を得る。
これらの材料によって構成される永久磁石32の高保磁力部32Hと永久磁石32の低保磁力部32Lの磁化方向は、全て同じ方向を向いた平行方向、回転中心から放射状に延びるラジアル方向、双曲線状に繋がる方向のいずれでもよく、磁石の製造時または着磁時のいずれかのタイミングで磁化方向が決定される。
これまで、ベース金型70を用いて永久磁石32を製造する方法を説明したが、次に、界磁鉄心31の中で永久磁石32を製造する方法を図11〜図13を用いて説明する。
図11は、界磁30を、図4のX−X線で、軸方向に切断した断面図である。
磁石挿入孔31hの中央部に永久磁石32の高保磁力部32Hが配置され、境界32Bを境界として低保磁力部32Lが、周方向両側に配置されている。
図12は、界磁鉄心31の中で永久磁石32を一体成形する永久磁石製造装置50の構成を示す図である。
図12に示すように、永久磁石製造装置50は、キャビティの役目を兼ねる界磁鉄心31を配置する載置台51と、界磁鉄心31を加熱するヒータ52と、低保磁力部32Lの磁化方向を揃えるため、及び、低保磁力部32Lを着磁するために用いる電磁石53と、磁性粉末を圧縮するために用いるパンチ54とを備える。
図13は、界磁鉄心31の中で、永久磁石32の高保磁力部32Hとなる高保磁力磁石32H1と、低保磁力部32Lとを一体成形して、永久磁石32を製造する製造工程を示すフロー図である。
まず、ステップS101において、界磁鉄心31の磁石挿入孔31h内の、周方向中央部に永久磁石32の高保磁力部32Hとなる、成形、着磁済みの高保磁力磁石32H1を挿入、接着する(高保磁力磁石挿入工程)。次に、ステップS102において、残りの磁石挿入孔31hの領域、すなわち、磁石挿入孔31h内の高保磁力磁石32H1の周方向両側の空間に、未着磁の磁性粉末を充填する(磁性粉末充填工程)。次に、ステップS103において、ヒータ52により界磁鉄心31を150℃まで上昇させ(昇温工程)、界磁鉄心31内の磁性粉末の温度を上昇させる。
次に、ステップS104において、電磁石53を用いて外部から界磁鉄心31に磁界を印加して磁性粉末の磁化方向を揃える(磁界容易軸調整工程)。電磁石53が発生させている磁場は2T以上とする。次に、ステップS105において、パンチ54を軸方向下方に移動して磁性粉末を界磁鉄心31の磁石挿入孔31h内で軸方向に圧縮する(加圧工程)。
その後、ステップS106において、圧縮した磁性粉末を200℃以下の環境の下、2時間以下で永久磁石32の低保磁力部32Lとなる部分に硬化させる(硬化工程)。最後に、ステップS107において未着磁の永久磁石32の低保磁力部32Lとなる部分を磁石挿入孔31hに内包したまま着磁し(着磁工程)、界磁鉄心31の中で、先に挿入した高保磁力磁石32H1と低保磁力部32Lとが一体となった永久磁石32を成形する。
本実施の形態では、成形、着磁済みの高保磁力磁石32H1を用いたが、まず、低保磁力部32Lを成形する部分にダミー型を挿入しておいて、低保磁力部32Lと同様の方法により、高保磁力部32Hを界磁鉄心31内で磁性粉末から先に成形、着磁した後、ダミー型を取り去った上で、低保磁力部32Lを成形、着磁してもよい。
なお、高保磁力磁石32H1は、接着剤で磁石挿入孔31hに固定しておく。永久磁石32の低保磁力部32Lは、磁石自身のスプリングバックと加熱時の溶着により磁石挿入孔31h及び高保磁力磁石32H1に固定される。また、永久磁石32の高保磁力部32Hを磁石挿入孔31h内で成形、着磁する場合は、永久磁石32の高保磁力部32Hについても磁石自身のスプリングバックで磁石挿入孔31hに固定される。また、先述した、ベース金型70を用いる永久磁石32の製造方法において、高保磁力磁石32H1を使用することにより、低保磁力部用の蓋70Lだけを使用して永久磁石32を製造することもできる。
本発明の実施の形態1に係る回転電機100および回転電機100の製造方法によれば、保磁力の異なる高保磁力部32Hと低保磁力部32L間を隙間なく密着させて一つの永久磁石32を構成することにより、高保磁力部32Hと低保磁力部32Lとの間に鉄心が介在せず、漏れ磁束が発生しない。これにより、回転電機100のトルクを最大限に発揮できる。また、内側に配置された界磁鉄心31の領域が多いため、界磁鉄心31の材料である電磁鋼板の磁気飽和が緩和され、回転電機100のトルクを向上させることができる。
また、低保磁力部32Lを、界磁鉄心31内において減磁しやすい外周側(d軸を漸近線とする曲線側)に設けたので、小さな磁化電流で当該部分を減磁できる。
また、ベース金型70は、永久磁石32のアーチ形状部分が下側を向いて突出するように平らに寝かせて成形できる形状をしているので、磁性粉末を均一に充填することができ、かつ高保磁力部32Hと低保磁力部32Lという性質の異なった2つの部分を隙間なく一体化させることができる。さらに、磁石の厚みや軸長を容易に変えることができる。また、段スキューなどのように磁石ごとに反磁界の影響が異なる場合に軸方向の任意の部分に低保磁力の磁性粉末を配置することができる。
また、界磁鉄心31を用いる永久磁石32の製造方法によれば、永久磁石32の高保磁力部32Hとなる高保磁力磁石32H1だけを別途製造し、界磁鉄心31の中で低保磁力部32Lを高保磁力磁石32H1に結合するように直接成形できるので、永久磁石32を製造するために必要な金型を削減できる。
また、永久磁石32の低保磁力部32Lを、磁石挿入孔31hにおいて磁性粉末から成形するため、磁石挿入孔31hの形状を自由に決定することができる。これにより、回転電機100は、q軸磁束を有効に使うことができ、回転電機100のトルクを最大限に発揮できる。
さらに、界磁鉄心31を金型として使用できるので製品を製造するために必要な工程数を削減し、製造時間を短縮できる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2に係る回転電機および回転電機の製造方法を、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図14は、二層目永久磁石232の上面図である。
実施の形態1では、永久磁石32は、周方向に、左右対称な形状をしていたが、本実施の形態では左右非対称としている点が異なる。また、界磁に使用する永久磁石として、一層目永久磁石234と二層目永久磁石232との二種類が存在する点が異なる。なお、一層目永久磁石234と二層目永久磁石232とでは、大きさは異なるが、形状は概ね同様なので、以下では主に二層目永久磁石232を用いて説明する。
二層目永久磁石232は、形状としては、実施の形態1の永久磁石32を周方向に半分に切断したような形状をしている。二層目永久磁石232は、高保磁力部232Hと、内側低保磁力部232Linと、外側低保磁力部232Loutとで構成されている。周方向の中央に高保磁力部232Hを配置し、その周方向両側に高保磁力部232Hより保磁力の低い内側低保磁力部232Linと外側低保磁力部232Loutとを配置する。
高保磁力部232Hと内側低保磁力部232Linの境界が、内側境界232Binである。内側境界232Binに仕切り板等はない。また、高保磁力部232Hと外側低保磁力部232Loutの境界が、外側境界232Boutである。外側境界232Boutにも仕切り板等はない。
次に、図15、図16を用いて、金型内に性質の異なる二種類の磁性粉末を充填して二層目永久磁石232を製造する方法を説明する。
図15は、二層目永久磁石232の高保磁力部232Hとなる部分を製造中のベース金型270と高保磁力部用の蓋270Hとを示す断面斜視図である。
図16は、二層目永久磁石232の内側低保磁力部232Lin、外側低保磁力部232Loutとなる部分を製造中のベース金型270と低保磁力部用の蓋270Lとを示す断面斜視図である。
ベース金型270は、図15に示すように、二層目永久磁石232を平らに寝かせて成形できる形状をしている。二層目永久磁石232を製造するには、まず、二層目永久磁石232の高保磁力部232Hとなる部分である高保磁力部中間体235Hを成形し、高保磁力部中間体235Hの周方向両側に、二層目永久磁石232の内側低保磁力部232Lin、外側低保磁力部232Loutとなる部分である内側低保磁力部中間体235Lin、外側低保磁力部中間体235Loutを密着させて一体成形した永久磁石中間体235を製造する。
具体的には、最初に、ベース金型270に高保磁力の磁性粉末を充填し、図15に示す高保磁力部用の蓋270Hにより上方から加圧して、永久磁石中間体235の高保磁力部中間体235Hを圧縮成形する。
次に、高保磁力部用の蓋270Hを取り外し、高保磁力部中間体235Hの周方向両側に低保磁力の磁性粉末を充填し、図16に示す低保磁力部用の蓋270Lにより上方から加圧して、永久磁石中間体235の内側低保磁力部中間体235Lin、外側低保磁力部中間体235Loutを圧縮成形する。その後、永久磁石中間体235の磁化方向を揃えた上でこれに着磁して二層目永久磁石232を得る。
次に、図17、図18を用いて界磁の詳細について説明する。
図17は、界磁230の軸方向に垂直な断面図である。
図18は、図17の界磁230の1/8モデルの拡大図である。
図19は、図18の更に要部拡大図である。
本実施の形態の界磁230は、実施の形態1の界磁30に比べて、磁石挿入孔の層数と周方向の分割数とが異なる。
界磁230は、界磁鉄心231とシャフト33と、極中心線Cに対して対称な、それぞれ一対の一層目永久磁石234と、二層目永久磁石232とを備える。界磁鉄心231は、一層目永久磁石234を挿入する一層目磁石挿入孔231h1、231h2と、二層目永久磁石232を挿入する二層目磁石挿入孔231h3、231h4とを備える。一層目磁石挿入孔231h1と、二層目磁石挿入孔231h3は、界磁230の径方向に二層となって配置され、一層目磁石挿入孔231h2と、二層目磁石挿入孔231h4も、界磁230の径方向に二層となって配置されている。そして、一層目磁石挿入孔231h1、231h2は、周方向に、極中心線Cに対して対称に配置されていて、同様に二層目磁石挿入孔231h3、231h4も、周方向に、極中心線Cに対して対称に配置されている。
一層目永久磁石234は、周方向の中央部に保磁力が高い高保磁力部234Hが配置され、その周方向両側に、高保磁力部234Hより保磁力の低い内側低保磁力部234Lin、外側低保磁力部234Loutが配置された一つの永久磁石である。図18において、径方向内側にある方が、内側低保磁力部234Linであり、径方向外側にある方が、外側低保磁力部234Loutである。同様に、二層目永久磁石232は、周方向の中央部に保磁力が高い高保磁力部232Hが配置され、その周方向両側に、高保磁力部232Hより保磁力の低い内側低保磁力部232Lin、外側低保磁力部232Loutが配置された一つの永久磁石である。一対の一層目永久磁石234は、軸方向に反転して用いることができるので同種の永久磁石である。一対の二層目永久磁石232についても同様である。
一層目永久磁石234の高保磁力部234Hと外側低保磁力部234Loutとの外側境界234Boutについて図18、図19を用いて説明する。コイルに印加する電流の電流位相をβs2とするとき、図5に示す双曲線群Sdの中から(マグネットトルクとリラクタンストルクが最大となる電流位相角)<βs2<90°の範囲にある双曲線をSd2とする。
ここで、実施の形態1と同様に、一層目磁石挿入孔231h1の長手方向内周側の縁と双曲線Sd2の交点を交点P4とし、一層目永久磁石234の高保磁力部234Hと外側低保磁力部234Loutとの外側境界234Boutの始点を、この交点P4とする。そして、一層目磁石挿入孔231h1の長手方向外周側の縁と双曲線Sd2との交点を交点P5とし、一層目磁石挿入孔231h1の縁と、交点P5における双曲線Sd2の接線S2との交点を交点P6とすると、外側境界234Boutの終点は、交点P5から交点P6までの範囲内とする。
次に、高保磁力部234Hと、内側低保磁力部234Linとの内側境界234Binについて説明する。双曲線群Sdの中から同様の範囲にある双曲線Sd3を選ぶ。
一層目磁石挿入孔231h1の長手方向内周側の縁と双曲線Sd3の交点を交点P7とし、一層目永久磁石234の高保磁力部234Hと内側低保磁力部234Linとの内側境界234Binの始点を、この交点P7とする。そして、一層目磁石挿入孔231h1の長手方向外周側の縁と双曲線Sd3との交点を交点P8とし、一層目磁石挿入孔231h1の縁と、交点P7における双曲線Sd3の接線S3との交点を交点P9とすると、内側境界234Binの終点は、交点P8から交点P9までの範囲内とする。
二層目永久磁石232の高保磁力部232Hと、外側低保磁力部232Loutとの外側境界232Bout及び、二層目永久磁石232の高保磁力部232Hと、内側低保磁力部232Linとの内側境界232Binについても同様の範囲に設ける。
一層目磁石挿入孔231h1と一層目磁石挿入孔231h2との間が一層目ブリッジ部31kであり、二層目磁石挿入孔231h3と二層目磁石挿入孔231h4との間が二層目ブリッジ部32kである。
なお、図には示さないが、磁石挿入孔は径方向に二層以上,一磁極につき二個以上設けてもよく、一層目と二層目以上とで磁石挿入孔の個数を変えてもよい。
また、一層目永久磁石234、二層目永久磁石232は、実施の形態1と同様に界磁鉄心231を用いて製造してもよい。
図20は、界磁230を、図18のX2−X2線で、軸方向に切断した断面図である。
二層目磁石挿入孔231h3、231h4の中央部に二層目永久磁石232の高保磁力部232Hが配置され、外側境界232Bout、内側境界232Binを境界として外側低保磁力部232Lout、内側低保磁力部232Linが、周方向両側に配置されている。
図21は、界磁鉄心231の中で二層目永久磁石232を一体成形する永久磁石製造装置250の構成を示す図である。永久磁石製造装置250の構成は、実施の形態1で説明した永久磁石製造装置50のパンチ54が、パンチ54a、54bの二種に増えるだけで、その他の構成は同じである。また、二層目永久磁石232の製造工程は実施の形態1と同様なので省略する。
本発明の実施の形態2に係る回転電機および回転電機の製造方法によれば、実施の形態1と同様に保磁力の異なる高保磁力部と低保磁力部間を隙間なく密着させて一つの一層目永久磁石234、一つの二層目永久磁石232を構成することにより、高保磁力部と低保磁力部との間に鉄心が介在せず、漏れ磁束が発生しない。これにより、回転電機100のトルクを最大限に発揮できる。
また、界磁230に一層目永久磁石234の高保磁力部234Hを追加して設けることで、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdの差を大きくし、回転電機のトルクを増加させることができる。
また、一対の一層目磁石挿入孔231h1、231h2と、二層目磁石挿入孔231h3、231h4とに、それぞれ一対の一層目永久磁石234の高保磁力部234Hと二層目永久磁石232の高保磁力部232Hとを配置することにより、磁石の起磁力で発生させるマグネットトルクを大きくすることができる。
また、内側低保磁力部232Lin、234Linは、極中心線Cに近い部分なので、内側にあっても容易に減磁できる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3に係る回転電機および回転電機の製造方法を、実施の形態1、2と異なる部分を中心に説明する。
図22は、永久磁石を製造するためのベース金型370、高保磁力部用の蓋370H、低保磁力部用の蓋370L、高保磁力部と低保磁力部の境界に置く仕切板370Bを示す断面斜視図である。
このベース金型370内に性質の異なる二種類の磁性粉末を充填して永久磁石を製造する方法を説明する。
ベース金型370は、図22に示すように、永久磁石の軸方向に圧縮成形できる形状をしている。永久磁石を製造するには、まず、高保磁力磁性粉末充填工程の前に、永久磁石の高保磁力部となる部分と、低保磁力部となる部分とを仕切る仕切板370Bをベース金型370内に設置する(仕切板設置工程)。次に、2つの仕切板370Bの間に高保磁力部用の磁性粉末を投入し、蓋370Hで圧縮することにより永久磁石の高保磁力部となる部分である高保磁力部中間体を成形した後、低保磁力磁性粉末充填工程の前に、仕切板370Bを取り除く(仕切板撤去工程)。
次に、高保磁力部中間体の周方向両側に低保磁力部用の磁性粉末を投入し、蓋370Lで圧縮することにより永久磁石の低保磁力部となる部分である低保磁力部中間体を、高保磁力部中間体と密着させて一体成形した永久磁石中間体を製造する。なお、製造工程を示すフロー図は、実施の形態1と概ね等しいため省略する。
本発明の実施の形態3に係る回転電機の製造方法によれば、実施の形態1、2と同様に、永久磁石の保磁力の異なる高保磁力部と低保磁力部間を隙間なく密着させて製造できるので、永久磁石の高保磁力部と低保磁力部との間に鉄心が介在せず、当該部分からの漏れ磁束が発生しない。これにより、回転電機のトルクを最大限に発揮できる。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100 回転電機、20 電機子、21 電機子鉄心、21b 分割鉄心、
25 電機子巻線、30,230 界磁、31,231、界磁鉄心、33 シャフト、
31h 磁石挿入孔、231h1,231h2 一層目磁石挿入孔、
231h3,231h4 二層目磁石挿入孔、31k 一層目ブリッジ部、
32k 二層目ブリッジ部、32 永久磁石、32H1 高保磁力磁石、
232 二層目永久磁石、234 一層目永久磁石、
32H,232H,234H 高保磁力部、32L 低保磁力部、
232Lin,234Lin 内側低保磁力部、
232Lout,234Lout 外側低保磁力部、32B 境界、
232Bin,234Bin 内側境界、232Bout,234Bout 外側境界、35H,235H 高保磁力部中間体、35L 低保磁力部中間体、
35,235 永久磁石中間体、235Lin 内側低保磁力部中間体、
235Lout 外側低保磁力部中間体、50 永久磁石製造装置、51 載置台、
52 ヒータ、53 電磁石、54 パンチ、60 エアギャップ、
70,270,370 ベース金型、70H,70L,270H,270L 蓋、
370B 仕切板、C 極中心線、S1〜S3 接線、Sd,Sd1〜Sd3 双曲線。

Claims (13)

  1. 電機子鉄心の磁極ティース部に電機子巻線を巻装して構成された電機子と、
    前記電機子の内周面に外周面を対向して回転する界磁とからなる回転電機において、
    前記界磁は、円筒状の界磁鉄心と、前記界磁鉄心の軸心位置に挿通して固定されたシャフトとを備え、
    前記界磁鉄心内には、複数の永久磁石が磁石挿入孔に埋設され、
    前記永久磁石は、保磁力の高い高保磁力部と、前記高保磁力部より保磁力の低い低保磁力部とを有し、
    前記低保磁力部と前記高保磁力部との境界の始点は、
    コイルに印加する電流の電流位相角をβとしたとき、(マグネットトルクとリラクタンストルクが最大となる電流位相角)<β<90°の範囲にあるd軸を漸近線とする双曲線と、前記磁石挿入孔の長手方向内周側の縁との交点であり、
    前記境界の終点は、前記磁石挿入孔の長手方向外周側の縁と前記双曲線との交点から、前記磁石挿入孔の縁と前記始点における前記双曲線の接線との交点までの範囲内にある回転電機。
  2. 前記永久磁石は、周方向の中央部に前記高保磁力部を備え、
    前記高保磁力部の周方向両側に、前記低保磁力部を備える請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記永久磁石は、軸方向に垂直な断面が、前記界磁鉄心の内側に向かって突出するアーチ形状である請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記永久磁石は、極中心線に対して周方向に対称な形状である請求項3に記載の回転電機。
  5. 極中心線に対して周方向に対称に、複数の前記永久磁石が配置されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 径方向に複数の前記永久磁石が配置されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記高保磁力部は、焼結磁石である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 前記低保磁力部は、ボンド磁石である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の回転電機。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の回転電機の製造方法であって、
    ベース金型の周方向中央部に前記永久磁石の前記高保磁力部となる、成形、着磁済みの高保磁力磁石を挿入する高保磁力磁石挿入工程と、
    前記磁石挿入孔内の前記高保磁力磁石の周方向両側の空間に、未着磁の磁性粉末を充填する磁性粉末充填工程と、
    前記界磁鉄心内の前記磁性粉末の温度を上昇させる昇温工程と、
    外部から前記界磁鉄心に磁界を印加して前記磁性粉末の磁化方向を揃える磁界容易軸調製工程と、
    前記磁性粉末を前記磁石挿入孔内で軸方向に圧縮する加圧工程と、
    圧縮した前記磁性粉末を硬化させる硬化工程と、
    前記低保磁力部となる、硬化させた前記磁性粉末を、前記磁石挿入孔に内包したまま着磁する着磁工程とを有する回転電機の製造方法。
  10. 前記高保磁力磁石挿入工程において、前記高保磁力磁石を前記磁石挿入孔内に接着固定する、請求項9に記載の回転電機の製造方法。
  11. 前記ベース金型は、前記界磁鉄心の前記磁石挿入孔である請求項9又は請求項10に記載の回転電機の製造方法。
  12. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の回転電機の製造方法であって、
    ベース金型の周方向中央部に、未着磁の高保磁力磁性粉末を充填する高保磁力磁性粉末充填工程と、前記高保磁力磁性粉末を径方向と軸方向に圧縮し硬化させる第一加圧、仮硬化工程と、
    仮硬化させた前記高保磁力磁性粉末の周方向両側の空間に、未着磁の低保磁力磁性粉末を充填する低保磁力磁性粉末充填工程と、前記低保磁力磁性粉末を径方向と軸方向に圧縮し硬化させる第二加圧、仮硬化工程と、
    前記高保磁力磁性粉末及び低保磁力磁性粉末の磁化方向を揃えた上でこれに着磁する着磁工程とを有する回転電機の製造方法。
  13. 前記高保磁力磁性粉末充填工程の前に、前記ベース金型内に前記永久磁石の前記高保磁力部となる部分と前記低保磁力部となる部分とを仕切る仕切板を設置する仕切板設置工程と、
    前記低保磁力磁性粉末充填工程の前に、前記仕切板を取り除く、仕切板撤去工程とを有する請求項12に記載の回転電機の製造方法。
JP2016125208A 2016-06-24 2016-06-24 回転電機および回転電機の製造方法 Pending JP2017229192A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016125208A JP2017229192A (ja) 2016-06-24 2016-06-24 回転電機および回転電機の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016125208A JP2017229192A (ja) 2016-06-24 2016-06-24 回転電機および回転電機の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017229192A true JP2017229192A (ja) 2017-12-28

Family

ID=60892269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016125208A Pending JP2017229192A (ja) 2016-06-24 2016-06-24 回転電機および回転電機の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017229192A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019187200A (ja) * 2018-04-17 2019-10-24 株式会社ダイドー電子 永久磁石回転子および回転電気機械
CN111682670A (zh) * 2020-06-18 2020-09-18 中车株洲电机有限公司 一种电动汽车、永磁电机及其混合转子冲片
WO2020261420A1 (ja) * 2019-06-26 2020-12-30 三菱電機株式会社 回転子、電動機、送風機、空気調和機、及び回転子の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10271722A (ja) * 1997-03-21 1998-10-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 永久磁石埋め込みロータ
JP2010154676A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Toshiba Carrier Corp 永久磁石電動機及び密閉型圧縮機
JP2015133839A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 株式会社ジェイテクト 磁石埋込型ロータ
JP2016082798A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 株式会社ジェイテクト 回転電機用ロータとその製造装置およびそれを用いた製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10271722A (ja) * 1997-03-21 1998-10-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 永久磁石埋め込みロータ
JP2010154676A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Toshiba Carrier Corp 永久磁石電動機及び密閉型圧縮機
JP2015133839A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 株式会社ジェイテクト 磁石埋込型ロータ
JP2016082798A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 株式会社ジェイテクト 回転電機用ロータとその製造装置およびそれを用いた製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019187200A (ja) * 2018-04-17 2019-10-24 株式会社ダイドー電子 永久磁石回転子および回転電気機械
JP7029124B2 (ja) 2018-04-17 2022-03-03 株式会社ダイドー電子 永久磁石回転子および回転電気機械
WO2020261420A1 (ja) * 2019-06-26 2020-12-30 三菱電機株式会社 回転子、電動機、送風機、空気調和機、及び回転子の製造方法
JPWO2020261420A1 (ja) * 2019-06-26 2021-10-21 三菱電機株式会社 回転子、電動機、送風機、空気調和機、及び回転子の製造方法
JP7072726B2 (ja) 2019-06-26 2022-05-20 三菱電機株式会社 回転子、電動機、送風機、空気調和機、及び回転子の製造方法
CN111682670A (zh) * 2020-06-18 2020-09-18 中车株洲电机有限公司 一种电动汽车、永磁电机及其混合转子冲片

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9608485B2 (en) Rotor for rotating electrical machine, rotating electric machine, and method for producing rotor for rotating electrical machine with magnet having surfaces tilted with respect to magnet insertion hole
TWI275229B (en) Rotor core for rotating electric machine and its manufacturing method
JP4096843B2 (ja) モータ及びその製造方法
EP1734637A1 (en) Rotor and process for manufacturing the same
US20110148224A1 (en) Axial gap permanent magnet motor, rotor used for the same, and production method of the rotor
JP2015510388A (ja) 電気機械
JP2006086319A (ja) リング型焼結磁石
JP6661939B2 (ja) ロータ
JP6308205B2 (ja) 異方性磁石の製造方法、異方性軟磁性体の製造方法および回転電機のロータ製造方法
JP2005020991A (ja) 回転子およびその製造方法
JP2017229192A (ja) 回転電機および回転電機の製造方法
CN206602414U (zh) 一种定子及永磁无刷电机
JP2009267221A (ja) 磁石の製造方法およびモータの製造方法
JP2009273240A (ja) Ipmモータ用ロータとその製造方法
JP6664268B2 (ja) 回転子、回転電機、および、回転子の製造方法
JP2009055750A (ja) Pmクローポール型モータとその製作方法
JP6057777B2 (ja) 固定子、その固定子を備えた密閉型圧縮機及び回転機並びに金型
JP5692105B2 (ja) Ipmモータ用ロータの製造方法
JP6801327B2 (ja) 永久磁石式回転電機及びその製造方法
JP2004140951A (ja) 永久磁石埋め込みモータ
JP2006136130A (ja) 永久磁石式回転電機、それに用いる永久磁石の製造方法およびその製造方法を用いた永久磁石式回転電機の製造方法
JP2019004606A (ja) 磁石材の製造方法、モータの製造方法
JP2012105543A (ja) 電動機の固定子
US8893375B1 (en) Methods of manufacturing a stator core
JP5311290B2 (ja) アキシャルギャップ型回転電機用ステータコアの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200616