JPH11206075A - 希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法 - Google Patents
希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法Info
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- JPH11206075A JPH11206075A JP10017996A JP1799698A JPH11206075A JP H11206075 A JPH11206075 A JP H11206075A JP 10017996 A JP10017996 A JP 10017996A JP 1799698 A JP1799698 A JP 1799698A JP H11206075 A JPH11206075 A JP H11206075A
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- Japan
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- magnet
- rare earth
- rotor
- powder
- rare
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 正確に温度制御した熱間でホウ素−ネオジミ
ウム−鉄系磁石粉体を高度に磁化し、この磁化したホウ
素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を熱可塑性樹脂の冷却
固化により、粉体間に空隙なく強固に固定する。同時に
冷却固化過程での収縮力を磁石と回転子鉄心との間に作
用させ、両者を機械的に強固に一体化する。すなわち、
接着レスで、錆やダスト対策のための表面被覆処理工
程、着磁工程などを不要とする高信頼性、高効率モータ
のための希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法を提供
する。 【解決手段】 ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を
含む樹脂磁石の溶融ストランドを、積層電磁鋼板の回転
子鉄心磁石スロット内に均質に磁場中射出充填または磁
場中押出充填し、然る後、冷却固化する。
ウム−鉄系磁石粉体を高度に磁化し、この磁化したホウ
素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を熱可塑性樹脂の冷却
固化により、粉体間に空隙なく強固に固定する。同時に
冷却固化過程での収縮力を磁石と回転子鉄心との間に作
用させ、両者を機械的に強固に一体化する。すなわち、
接着レスで、錆やダスト対策のための表面被覆処理工
程、着磁工程などを不要とする高信頼性、高効率モータ
のための希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法を提供
する。 【解決手段】 ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を
含む樹脂磁石の溶融ストランドを、積層電磁鋼板の回転
子鉄心磁石スロット内に均質に磁場中射出充填または磁
場中押出充填し、然る後、冷却固化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同期モータや交流
サーボモータなどの高効率化のための希土類樹脂磁石埋
設型回転子の製造方法に関する。
サーボモータなどの高効率化のための希土類樹脂磁石埋
設型回転子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源、省エネルギーの観点から
高信頼性、並びに高効率モータとして、積層電磁鋼板の
ような回転子鉄心の複数磁石スロットに磁石を埋設し、
磁石トルクに加えてリラクタンストルクを利用する所謂
磁石埋設型回転子を搭載したモータが注目されている。
高信頼性、並びに高効率モータとして、積層電磁鋼板の
ような回転子鉄心の複数磁石スロットに磁石を埋設し、
磁石トルクに加えてリラクタンストルクを利用する所謂
磁石埋設型回転子を搭載したモータが注目されている。
【0003】図1,図2は、回転子鉄心に磁石を埋設し
た構成の、所謂磁石埋設型回転子の断面図である。ここ
で、図1はUSP4,139,790号公報に開示された
突極比ρ>1の逆突極性の磁石埋設型回転子、図2はU
SP3,979,821号公報に開示された突極比ρ<1
の突極性の磁石埋設型磁石回転子である。
た構成の、所謂磁石埋設型回転子の断面図である。ここ
で、図1はUSP4,139,790号公報に開示された
突極比ρ>1の逆突極性の磁石埋設型回転子、図2はU
SP3,979,821号公報に開示された突極比ρ<1
の突極性の磁石埋設型磁石回転子である。
【0004】但し、図中、1,1bはスロットに埋設し
た磁石、2,2bは積層電磁鋼板などの回転子鉄心、
3,3bは回転軸スロット、4,4bは磁気バリアスロ
ット、5はアルミニウム2次導体スロットである。ま
た、ここで言う突極比ρとは、q軸方向(d軸に対し電
気角で90度回転した方向)のインダクタンスLqと、
d軸方向(磁極の中心とロータの中心とを結ぶ方向)の
インダクタンスLdとの比Lq/Ldである。LqとL
dに差があることは、永久磁石による磁石トルクととも
にリラクタンストルクも発生することを意味する。ここ
で、磁石トルクは、鎖交磁束ψに電気的に直角方向の電
流Iqを掛け合わせることで発生する。
た磁石、2,2bは積層電磁鋼板などの回転子鉄心、
3,3bは回転軸スロット、4,4bは磁気バリアスロ
ット、5はアルミニウム2次導体スロットである。ま
た、ここで言う突極比ρとは、q軸方向(d軸に対し電
気角で90度回転した方向)のインダクタンスLqと、
d軸方向(磁極の中心とロータの中心とを結ぶ方向)の
インダクタンスLdとの比Lq/Ldである。LqとL
dに差があることは、永久磁石による磁石トルクととも
にリラクタンストルクも発生することを意味する。ここ
で、磁石トルクは、鎖交磁束ψに電気的に直角方向の電
流Iqを掛け合わせることで発生する。
【0005】また、リラクタンストルクはインダクタン
スと電流によって発生する磁束Ld・Id、Lq・Iq
に各々電気的に直角な電流Iq、Idを掛合わせること
で発生する。すなわち、磁石トルクとリラクタンストル
クの和であるモータの発生トルクは下記(1)式で示さ
れる。
スと電流によって発生する磁束Ld・Id、Lq・Iq
に各々電気的に直角な電流Iq、Idを掛合わせること
で発生する。すなわち、磁石トルクとリラクタンストル
クの和であるモータの発生トルクは下記(1)式で示さ
れる。
【0006】 T=ψ・Iq+(Lq−Ld)Iq×Id=ψ・Icosβ±(I/|I|) 0.5(Lq−Ld)I2×sin2β ………(1) 但し、(1)式中、ψ・Icosβは磁石トルク、(I
/|I|)0.5(Lq−Ld)I2t×sin2βはリ
ラクタンストルク、ψは鎖交磁束、Iは合成電流、βは
電流位相、(I/|I|)は符号、Ldはd軸インダク
タンス、Lqはq軸インダクタンス、Iqはq軸電流、
Idはd軸電流である。
/|I|)0.5(Lq−Ld)I2t×sin2βはリ
ラクタンストルク、ψは鎖交磁束、Iは合成電流、βは
電流位相、(I/|I|)は符号、Ldはd軸インダク
タンス、Lqはq軸インダクタンス、Iqはq軸電流、
Idはd軸電流である。
【0007】磁石トルクψ・Icosβは電流と磁石に
よって発生するトルク、リラクタンストルク(I/|I
|)0.5(Lq−Ld)I2t×sin2βは電機子電
流によって生成される磁束と電機子電流との相互作用に
よって得られるトルクである。そして、図1に示す突極
比ρ>1の逆突極性ではLd<Lqであり、磁石トルク
と同一方向のリラクタンストルクが発生する。このリラ
クタンストルクを利用する方が小型、高効率モータとし
て有利である。
よって発生するトルク、リラクタンストルク(I/|I
|)0.5(Lq−Ld)I2t×sin2βは電機子電
流によって生成される磁束と電機子電流との相互作用に
よって得られるトルクである。そして、図1に示す突極
比ρ>1の逆突極性ではLd<Lqであり、磁石トルク
と同一方向のリラクタンストルクが発生する。このリラ
クタンストルクを利用する方が小型、高効率モータとし
て有利である。
【0008】上記、図2の逆突極性の磁石埋設型回転子
の製造方法として、例えば特開昭63−98108号公
報には回転子鉄心としての積層電磁鋼板に設けたスキュ
ー構造の複数磁石スロットに方形棒状磁石を空隙なく挿
入する方法や、2%のエポキシ結合剤を含むUSP4,
496,396号公報に開示されたような、ホウ素−ネ
オジミウム−鉄系急冷磁石粉体を粉末形態で積層電磁鋼
板の磁石スロット内に充填して強圧縮し、さらに300
℃でエポキシを重合硬化する、所謂、スロット内圧縮成
形磁石による方法が開示されている。
の製造方法として、例えば特開昭63−98108号公
報には回転子鉄心としての積層電磁鋼板に設けたスキュ
ー構造の複数磁石スロットに方形棒状磁石を空隙なく挿
入する方法や、2%のエポキシ結合剤を含むUSP4,
496,396号公報に開示されたような、ホウ素−ネ
オジミウム−鉄系急冷磁石粉体を粉末形態で積層電磁鋼
板の磁石スロット内に充填して強圧縮し、さらに300
℃でエポキシを重合硬化する、所謂、スロット内圧縮成
形磁石による方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図1に示す突
極比ρ>1の逆突極性(Ld<Lq)で、磁石トルクと
同一方向のリラクタンストルクが発生する構造の磁石埋
設型回転子において、固定子側の逆磁界が入り込むq軸
方向の磁束は磁石に作用し易く、磁石の減磁耐力に課題
があった。
極比ρ>1の逆突極性(Ld<Lq)で、磁石トルクと
同一方向のリラクタンストルクが発生する構造の磁石埋
設型回転子において、固定子側の逆磁界が入り込むq軸
方向の磁束は磁石に作用し易く、磁石の減磁耐力に課題
があった。
【0010】さらに、例えば、難着磁性として知られる
ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石の様な方形棒状磁石を
回転子鉄心に設けた磁石スロットに挿入する場合、予め
着磁した磁石を挿入するのが一般的である。その際、磁
石の一部が機械的に欠損し、破片やダストが発生する
と、当該モータの固定子との空隙部分や軸受部分などモ
ータの摺動部に飛散して重大な事故を引起こす危険性が
ある。
ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石の様な方形棒状磁石を
回転子鉄心に設けた磁石スロットに挿入する場合、予め
着磁した磁石を挿入するのが一般的である。その際、磁
石の一部が機械的に欠損し、破片やダストが発生する
と、当該モータの固定子との空隙部分や軸受部分などモ
ータの摺動部に飛散して重大な事故を引起こす危険性が
ある。
【0011】一方、回転子鉄心としての積層電磁鋼板に
設けた複数磁石スロット内に2%のエポキシ結合剤を含
むホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体を粉末形態
で充填し、強圧縮し、さらにエポキシ結合剤を重合硬化
する。所謂、スロット内圧縮成形磁石で製造する方法
は、ホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体を強圧縮
する際に積層電磁鋼板が変形したり、積層電磁鋼板との
間に生じる摩擦による圧力損失により、圧縮圧力がスロ
ット奥深くまで伝達せず、低い圧粉体密度と低い残留磁
化Jrの磁石しか得られない。
設けた複数磁石スロット内に2%のエポキシ結合剤を含
むホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体を粉末形態
で充填し、強圧縮し、さらにエポキシ結合剤を重合硬化
する。所謂、スロット内圧縮成形磁石で製造する方法
は、ホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体を強圧縮
する際に積層電磁鋼板が変形したり、積層電磁鋼板との
間に生じる摩擦による圧力損失により、圧縮圧力がスロ
ット奥深くまで伝達せず、低い圧粉体密度と低い残留磁
化Jrの磁石しか得られない。
【0012】さらに、このような状況では僅か2%のエ
ポキシ結合剤でホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉
体を完全に結合することはできず、当該磁石の機械的強
度が低いため磁石埋設型回転子全体の機械的強度に対す
る信頼性に悪影響を及ぼす。そればかりか、磁石スロッ
トの奥深くに存在するホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷
磁石粉体の防錆処理やダスト対策を施して錆やダストに
対する信頼性を確保することも困難であった。また、何
れの場合も従来からよく用いられているフェライト系磁
石に比べて著しく難着磁性であるから、ホウ素−ネオジ
ミウム−鉄系急冷磁石粉体の持つ本来の磁力を十分に活
用することもできない。
ポキシ結合剤でホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉
体を完全に結合することはできず、当該磁石の機械的強
度が低いため磁石埋設型回転子全体の機械的強度に対す
る信頼性に悪影響を及ぼす。そればかりか、磁石スロッ
トの奥深くに存在するホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷
磁石粉体の防錆処理やダスト対策を施して錆やダストに
対する信頼性を確保することも困難であった。また、何
れの場合も従来からよく用いられているフェライト系磁
石に比べて著しく難着磁性であるから、ホウ素−ネオジ
ミウム−鉄系急冷磁石粉体の持つ本来の磁力を十分に活
用することもできない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、希土類磁石粉
体を含む樹脂磁石の溶融ストランドを回転子鉄心磁石ス
ロット内磁場中射出充填し、当該希土類粉体が磁化した
状態で冷却固化するので高信頼性、高効率のモータを提
供することができる。
体を含む樹脂磁石の溶融ストランドを回転子鉄心磁石ス
ロット内磁場中射出充填し、当該希土類粉体が磁化した
状態で冷却固化するので高信頼性、高効率のモータを提
供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、上記欠点に鑑みてなさ
れたもので、図1に示すような逆突極性(Ld<Lq)
で、マグネットトルクと同一方向のリラクタンストルク
が発生する構造の磁石埋設型回転子において、積層電磁
鋼板のような回転子鉄心に設けた磁石スロット内に希土
類樹脂磁石の溶融ストランドを射出または押出で磁場中
埋設する磁石埋設型回転子を提供する。
れたもので、図1に示すような逆突極性(Ld<Lq)
で、マグネットトルクと同一方向のリラクタンストルク
が発生する構造の磁石埋設型回転子において、積層電磁
鋼板のような回転子鉄心に設けた磁石スロット内に希土
類樹脂磁石の溶融ストランドを射出または押出で磁場中
埋設する磁石埋設型回転子を提供する。
【0015】つまり、希土類磁石粉体を含む樹脂磁石の
溶融ストランドを回転子鉄心磁石スロット内へ磁場中射
出または押出で充填し、当該希土類磁石粉体が磁化した
状態で冷却固化する希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造
方法である。そして、必要に応じて磁石スロット内への
充填完了後に、充填時と同一方向の瞬間強磁界を印加し
たり、或いはまた、樹脂磁石の溶融ストランドの吐出温
度を当該希土類磁石粉体のキュリー点の温度差以上とし
て難着磁性の希土類磁石粉体の磁化を強めることもでき
る。
溶融ストランドを回転子鉄心磁石スロット内へ磁場中射
出または押出で充填し、当該希土類磁石粉体が磁化した
状態で冷却固化する希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造
方法である。そして、必要に応じて磁石スロット内への
充填完了後に、充填時と同一方向の瞬間強磁界を印加し
たり、或いはまた、樹脂磁石の溶融ストランドの吐出温
度を当該希土類磁石粉体のキュリー点の温度差以上とし
て難着磁性の希土類磁石粉体の磁化を強めることもでき
る。
【0016】なお、上記希土類磁石粉体はホウ素−ネオ
ジミウム−鉄系磁石粉体、すなわち溶湯合金を急冷凝固
したホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体、熱間据
込み(Die-Up-Setting)または水素分解/再結晶したホ
ウ素−ネオジミウム−鉄系異方性磁石粉体などが、必要
に応じて適宜カーボンファンクショナルシラン処理して
使用される。
ジミウム−鉄系磁石粉体、すなわち溶湯合金を急冷凝固
したホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体、熱間据
込み(Die-Up-Setting)または水素分解/再結晶したホ
ウ素−ネオジミウム−鉄系異方性磁石粉体などが、必要
に応じて適宜カーボンファンクショナルシラン処理して
使用される。
【0017】また、一方の溶融ストランド中の希土類磁
石粉体の充填キャリヤはポリアミド12、液晶ポリマ
ー、PPS(ポリフェニレンサルファイド)の群から選
ばれる熱可塑性樹脂が使用され、磁石スロット内への充
填時には、これらの熱可塑性樹脂が希土類磁石粉体のキ
ャリヤとなり、磁石スロット内で冷却固化することで特
定方向に磁化した希土類磁石粉体を強固に固定化した希
土類樹脂磁石を構成する。
石粉体の充填キャリヤはポリアミド12、液晶ポリマ
ー、PPS(ポリフェニレンサルファイド)の群から選
ばれる熱可塑性樹脂が使用され、磁石スロット内への充
填時には、これらの熱可塑性樹脂が希土類磁石粉体のキ
ャリヤとなり、磁石スロット内で冷却固化することで特
定方向に磁化した希土類磁石粉体を強固に固定化した希
土類樹脂磁石を構成する。
【0018】なお、高信頼性で、しかも高効率のモータ
を提供するために1)熱可塑性樹脂で希土類磁石粉体を
電気的に絶縁し、磁石の電気抵抗を≧10-1Ωcmとし、
一方の回転子鉄心を積層電磁鋼板とする。すると、磁石
埋設型回転子の回転による渦電流損失低減に効果的であ
る。2)回転子鉄心の磁石スロットの構成を、突極比ρ
>1の逆突極性構造としてマグネットトルクと同一方向
のリラクタンストルクが発生する構造の磁石埋設型回転
子とする。3)必要に応じて回転子鉄心のスラスト
(軸)方向端部に係合部を設けた積層電磁鋼板の回転子
鉄心とし、当該磁石スロット内に磁場充填、冷却固化し
た希土類樹脂磁石の収縮力で磁石と回転子鉄心を機械的
に一体化する。すると、磁石埋設型回転子全体の剛性が
高まり高速回転での信頼性確保に効果的である。
を提供するために1)熱可塑性樹脂で希土類磁石粉体を
電気的に絶縁し、磁石の電気抵抗を≧10-1Ωcmとし、
一方の回転子鉄心を積層電磁鋼板とする。すると、磁石
埋設型回転子の回転による渦電流損失低減に効果的であ
る。2)回転子鉄心の磁石スロットの構成を、突極比ρ
>1の逆突極性構造としてマグネットトルクと同一方向
のリラクタンストルクが発生する構造の磁石埋設型回転
子とする。3)必要に応じて回転子鉄心のスラスト
(軸)方向端部に係合部を設けた積層電磁鋼板の回転子
鉄心とし、当該磁石スロット内に磁場充填、冷却固化し
た希土類樹脂磁石の収縮力で磁石と回転子鉄心を機械的
に一体化する。すると、磁石埋設型回転子全体の剛性が
高まり高速回転での信頼性確保に効果的である。
【0019】以上のように、本発明にかかる希土類樹脂
磁石埋設型回転子の製造方法は、ホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体の希土類元素、遷移金属元素の資源バラ
ンスが有利である。また、ホウ素−ネオジミウム−鉄系
磁石粉体を含む樹脂磁石の溶融ストランドを、積層電磁
鋼板の回転子鉄心磁石スロット内に均質に磁場中射出充
填または磁場中押出充填し、然る後、冷却固化する。す
なわち正確に温度制御した熱間でホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体を高度に磁化し、この磁化したホウ素−
ネオジミウム−鉄系磁石粉体を熱可塑性樹脂の冷却固化
により、粉体間に空隙なく強固に固定するので錆とダス
トに強い。或いは冷却固化過程での収縮力が磁石と回転
子鉄心との間に作用して機械的に強固に一体化する。し
たがって、接着レスで、錆やダスト対策のための表面被
覆処理工程、着磁工程などを不要とする高信頼性、高効
率モータのための希土類樹脂磁石埋設型回転子を製造す
ることができる。
磁石埋設型回転子の製造方法は、ホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体の希土類元素、遷移金属元素の資源バラ
ンスが有利である。また、ホウ素−ネオジミウム−鉄系
磁石粉体を含む樹脂磁石の溶融ストランドを、積層電磁
鋼板の回転子鉄心磁石スロット内に均質に磁場中射出充
填または磁場中押出充填し、然る後、冷却固化する。す
なわち正確に温度制御した熱間でホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体を高度に磁化し、この磁化したホウ素−
ネオジミウム−鉄系磁石粉体を熱可塑性樹脂の冷却固化
により、粉体間に空隙なく強固に固定するので錆とダス
トに強い。或いは冷却固化過程での収縮力が磁石と回転
子鉄心との間に作用して機械的に強固に一体化する。し
たがって、接着レスで、錆やダスト対策のための表面被
覆処理工程、着磁工程などを不要とする高信頼性、高効
率モータのための希土類樹脂磁石埋設型回転子を製造す
ることができる。
【0020】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明で言う希土類磁石粉体とは、1−5SmCo、2−
17SmCoなど希土類コバルト磁石粉体や、2−17
−3SmFeNなどの希土類−鉄窒化物磁石粉体も対象
となるが希土類元素、遷移金属元素などの合金組成から
みた資源バランス、当該磁石粉体固有の磁気ポテンシャ
ル、磁石埋設型回転子製造との適合性などの観点から実
質的にはホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体が好まし
い。
発明で言う希土類磁石粉体とは、1−5SmCo、2−
17SmCoなど希土類コバルト磁石粉体や、2−17
−3SmFeNなどの希土類−鉄窒化物磁石粉体も対象
となるが希土類元素、遷移金属元素などの合金組成から
みた資源バランス、当該磁石粉体固有の磁気ポテンシャ
ル、磁石埋設型回転子製造との適合性などの観点から実
質的にはホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体が好まし
い。
【0021】ここで言う、ホウ素−ネオジミウム−鉄系
急冷磁石粉体とは、例えばJ.F.Herbest,“Rare Earth-I
ron-Boron Materials ; A New Era in Permanent Magne
ts"Ann.Rev.Sci. Vol-16.(1986)に記載されているよう
にNd:Fe:Bを2:14:1に近い割合で含む溶湯
合金を急冷凝固し、適宜熱処理により結晶粒径20〜1
00nmのNd2Fe14B相を結晶化させたもので一般
的に残留磁化Jr=8kG,固有保磁力HCJ≧8kOe
で磁気的には等方性である。
急冷磁石粉体とは、例えばJ.F.Herbest,“Rare Earth-I
ron-Boron Materials ; A New Era in Permanent Magne
ts"Ann.Rev.Sci. Vol-16.(1986)に記載されているよう
にNd:Fe:Bを2:14:1に近い割合で含む溶湯
合金を急冷凝固し、適宜熱処理により結晶粒径20〜1
00nmのNd2Fe14B相を結晶化させたもので一般
的に残留磁化Jr=8kG,固有保磁力HCJ≧8kOe
で磁気的には等方性である。
【0022】さらにホウ素−ネオジミウム−鉄系合金を
ベースに、その溶湯合金を急冷凝固した合金組成REx
−Fey−Bz−Siu−Tvで示されるFe3B基ホ
ウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体も、本発明で言
うホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体に含まれ
る。ただし、REはNd,Prなどの希土類元素、Tは
Cr,Vなどを表す。そして特表平6−505366号
公報に開示されるように、ハード磁性相とソフト磁性相
の各スピンの交換結合により構成される磁石粉体であ
り、例えば、合金組成Nd3.5Dy1Fe73Co3Ga1B
18.5では残留磁化Jr=1.2kG、固有保磁力HCJ≧
3kOeで、しかもHCJの80%以上まで減磁界を加え
てもJrの70%以上の値までJrがリコイルする強い
交換スプリング磁石特性を示す。
ベースに、その溶湯合金を急冷凝固した合金組成REx
−Fey−Bz−Siu−Tvで示されるFe3B基ホ
ウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体も、本発明で言
うホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体に含まれ
る。ただし、REはNd,Prなどの希土類元素、Tは
Cr,Vなどを表す。そして特表平6−505366号
公報に開示されるように、ハード磁性相とソフト磁性相
の各スピンの交換結合により構成される磁石粉体であ
り、例えば、合金組成Nd3.5Dy1Fe73Co3Ga1B
18.5では残留磁化Jr=1.2kG、固有保磁力HCJ≧
3kOeで、しかもHCJの80%以上まで減磁界を加え
てもJrの70%以上の値までJrがリコイルする強い
交換スプリング磁石特性を示す。
【0023】一方、ホウ素−ネオジミウム−鉄系異方性
磁石粉体とは、例えばM.Doser,V.Panchanathan;"Pulver
izing anisotropic rapidly solidified Nd-Fe-B mater
ialsfor bonded magnet"; J.Appl.Phys.70(10),15(199
1)にあるように、ホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石
粉体をホットプレスしたフルデンス磁石を熱間据込み加
工(Dei-Up-Setting)で磁気異方化したのち、このバル
ク磁石を水素吸蔵粉砕した磁石粉体。或いはR.Nakayam
a, T.Takeshita et al; Magnetic properties and micr
ostructures of Nd-Fe-B magnet powder produced by h
ydrogen treatment., J.Appl.Phys. 70(7)(1991)に記
載されているような水素分解/再結晶磁石粉体である。
例えば、合金組成Nd12.3Dy0.3Fe64.6Co12.3B
6.0Ga0.6Zr0.1では残留磁化Jr≧11.5kG,
固有保磁力HCJ≧15kOeで磁気的に強い一軸異方性
を持っている。
磁石粉体とは、例えばM.Doser,V.Panchanathan;"Pulver
izing anisotropic rapidly solidified Nd-Fe-B mater
ialsfor bonded magnet"; J.Appl.Phys.70(10),15(199
1)にあるように、ホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石
粉体をホットプレスしたフルデンス磁石を熱間据込み加
工(Dei-Up-Setting)で磁気異方化したのち、このバル
ク磁石を水素吸蔵粉砕した磁石粉体。或いはR.Nakayam
a, T.Takeshita et al; Magnetic properties and micr
ostructures of Nd-Fe-B magnet powder produced by h
ydrogen treatment., J.Appl.Phys. 70(7)(1991)に記
載されているような水素分解/再結晶磁石粉体である。
例えば、合金組成Nd12.3Dy0.3Fe64.6Co12.3B
6.0Ga0.6Zr0.1では残留磁化Jr≧11.5kG,
固有保磁力HCJ≧15kOeで磁気的に強い一軸異方性
を持っている。
【0024】なお、上記、ホウ素−ネオジミウム−鉄系
磁石粉体類を適度に混合しても減磁曲線に段が生じるこ
となく、それぞれのJr値、HCJ値の中間の任意の値を
選択することができる。したがって、希土類樹脂磁石埋
設型回転子の設計思想や実使用条件に応じて高Jr型か
ら高HCJ型とすることができる。
磁石粉体類を適度に混合しても減磁曲線に段が生じるこ
となく、それぞれのJr値、HCJ値の中間の任意の値を
選択することができる。したがって、希土類樹脂磁石埋
設型回転子の設計思想や実使用条件に応じて高Jr型か
ら高HCJ型とすることができる。
【0025】ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を熱
可塑性樹脂、例えばポリアミド−12粉体と混合し、当
該混合粉体をエクストルーダーで混練し、そのダイスヘ
ッドに吐出した樹脂磁石の溶融ストランドをホットカッ
ターで切断したペレットを用いて積層電磁鋼板などの回
転子鉄心の磁石スロット内へ磁場中射出充填するか、或
いは直接、溶融ストランドを回転子鉄心の磁石スロット
内へ磁場中押出充填する。そして当該希土類磁石粉体が
磁化した状態で冷却固化して磁石埋設型回転子を製造す
る。
可塑性樹脂、例えばポリアミド−12粉体と混合し、当
該混合粉体をエクストルーダーで混練し、そのダイスヘ
ッドに吐出した樹脂磁石の溶融ストランドをホットカッ
ターで切断したペレットを用いて積層電磁鋼板などの回
転子鉄心の磁石スロット内へ磁場中射出充填するか、或
いは直接、溶融ストランドを回転子鉄心の磁石スロット
内へ磁場中押出充填する。そして当該希土類磁石粉体が
磁化した状態で冷却固化して磁石埋設型回転子を製造す
る。
【0026】ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体の固
有保磁力HCJの温度係数βは単磁区臨界寸法以上ではN
d2Fe14B結晶粒子径にもよるが−0.4〜−0.6
%/℃、キュリー温度Tcは310〜465℃程度であ
る。
有保磁力HCJの温度係数βは単磁区臨界寸法以上ではN
d2Fe14B結晶粒子径にもよるが−0.4〜−0.6
%/℃、キュリー温度Tcは310〜465℃程度であ
る。
【0027】本発明は、上記希土類磁石粉体を含む樹脂
磁石の溶融ストランドを回転子鉄心の磁石スロット内へ
磁場中射出または押出しで充填し、当該希土類磁石粉体
が磁化した状態で冷却固化する希土類樹脂磁石埋設型回
転子の製造方法であり、必要に応じて磁石スロットへの
充填完了後に、充填時と同一方向の瞬間強磁界を印加し
たり、或いはまた、溶融ストランドの吐出温度を当該希
土類磁石粉体のキュリー温度以上として希土類磁石粉体
の磁化を強めることもできる。
磁石の溶融ストランドを回転子鉄心の磁石スロット内へ
磁場中射出または押出しで充填し、当該希土類磁石粉体
が磁化した状態で冷却固化する希土類樹脂磁石埋設型回
転子の製造方法であり、必要に応じて磁石スロットへの
充填完了後に、充填時と同一方向の瞬間強磁界を印加し
たり、或いはまた、溶融ストランドの吐出温度を当該希
土類磁石粉体のキュリー温度以上として希土類磁石粉体
の磁化を強めることもできる。
【0028】この方法は、ポリアミド−12のような溶
融熱可塑性樹脂がキャリヤになってホウ素−ネオジミウ
ム−鉄系磁石粉体を積層電磁鋼板の回転子鉄心磁石スロ
ット内に空隙なく充填することができる。そして熱可塑
性樹脂の冷却固化の収縮力の作用により、磁石粉体を磁
石スロット内で強固に固定化すると同時に、当該磁石と
積層電磁鋼板とを機械的に一体化することができる。
融熱可塑性樹脂がキャリヤになってホウ素−ネオジミウ
ム−鉄系磁石粉体を積層電磁鋼板の回転子鉄心磁石スロ
ット内に空隙なく充填することができる。そして熱可塑
性樹脂の冷却固化の収縮力の作用により、磁石粉体を磁
石スロット内で強固に固定化すると同時に、当該磁石と
積層電磁鋼板とを機械的に一体化することができる。
【0029】したがって、希土類磁石粉体を強圧縮する
ことで積層電磁鋼板を変形させることなく、また磁石ス
ロット内奥深くまで均質に破損なしに磁化した磁石を埋
設することができる。さらに、磁石スロット内に埋設し
た磁石は希土類磁石粉体が、ほぼ完全に冷却固化した熱
可塑性樹脂で覆われているため破損やダストが発生する
危惧もなく、耐錆性確保のための特別な表面被覆も不要
である。
ことで積層電磁鋼板を変形させることなく、また磁石ス
ロット内奥深くまで均質に破損なしに磁化した磁石を埋
設することができる。さらに、磁石スロット内に埋設し
た磁石は希土類磁石粉体が、ほぼ完全に冷却固化した熱
可塑性樹脂で覆われているため破損やダストが発生する
危惧もなく、耐錆性確保のための特別な表面被覆も不要
である。
【0030】上記、磁石を埋設する回転子鉄心の磁石ス
ロット形状は、本発明にかかる希土類樹脂磁石埋設型回
転子を、どのような駆動方式のモータとするかで異なる
が、突極比ρ>1の逆突極性(Ld<Lq)として、磁
石トルクと同一方向のリラクタンストルクが発生する構
成とすることは小型、高効率モータを提供するうえで重
要である。
ロット形状は、本発明にかかる希土類樹脂磁石埋設型回
転子を、どのような駆動方式のモータとするかで異なる
が、突極比ρ>1の逆突極性(Ld<Lq)として、磁
石トルクと同一方向のリラクタンストルクが発生する構
成とすることは小型、高効率モータを提供するうえで重
要である。
【0031】次に、本発明で言う回転子鉄心は打抜き加
工などで所定形状の複数磁石スロットを設けた積層電磁
鋼板が好適である。この理由は樹脂磁石の溶融ストラン
ドを磁石スロット内に磁場中充填した後の、冷却固化過
程で磁石と回転子鉄心を機械的に一体化することができ
ることと、渦電流損失低減のためである。また、図1,
図2のように磁石を埋設する磁石スロット以外に回転軸
スロット、磁気抵抗バリアスロット、アルミニウム2次
導体スロットなどを設けた構造であっても差し支えな
い。
工などで所定形状の複数磁石スロットを設けた積層電磁
鋼板が好適である。この理由は樹脂磁石の溶融ストラン
ドを磁石スロット内に磁場中充填した後の、冷却固化過
程で磁石と回転子鉄心を機械的に一体化することができ
ることと、渦電流損失低減のためである。また、図1,
図2のように磁石を埋設する磁石スロット以外に回転軸
スロット、磁気抵抗バリアスロット、アルミニウム2次
導体スロットなどを設けた構造であっても差し支えな
い。
【0032】次に、当該回転子鉄心の複数磁石スロット
内にホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を含む樹脂磁
石の溶融ストランドを磁場中射出充填または押出充填に
より、空隙なく均質に埋設するための好適な熱可塑性樹
脂としてはポリアミド−12、PPS(ポリフェニレン
サルファイド)を挙げることができる。
内にホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を含む樹脂磁
石の溶融ストランドを磁場中射出充填または押出充填に
より、空隙なく均質に埋設するための好適な熱可塑性樹
脂としてはポリアミド−12、PPS(ポリフェニレン
サルファイド)を挙げることができる。
【0033】次に、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉
体の表面処理に使用するカーボンファンクショナルシラ
ンとは下記(3)式で示される。
体の表面処理に使用するカーボンファンクショナルシラ
ンとは下記(3)式で示される。
【0034】YRSiX3………(3) 但し、上式中Yは加水分解基、Xは有機官能基、Rは脂
肪族残基であり、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエト
キシシランなどが好ましく用いられる。この様なカーボ
ンファンクショナルシランでホウ素−ネオジミウム−鉄
系磁石粉体の表面処理を行う理由は、当該粉体の酸化を
抑制し、磁場中射出充填或いは磁場中押出充填時の熱安
定性を確保しつつ、冷却固化したホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体の固定を、より強固にするためである。
実際の表面処理では加水分解基の分解を促進させるべく
水を併用し、低級アルコール類を溶媒としてホウ素−ネ
オジミウム−鉄系磁石粉体表面に単分子膜以上のカーボ
ンファンクショナルシランを成膜することが好ましい。
肪族残基であり、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエト
キシシランなどが好ましく用いられる。この様なカーボ
ンファンクショナルシランでホウ素−ネオジミウム−鉄
系磁石粉体の表面処理を行う理由は、当該粉体の酸化を
抑制し、磁場中射出充填或いは磁場中押出充填時の熱安
定性を確保しつつ、冷却固化したホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体の固定を、より強固にするためである。
実際の表面処理では加水分解基の分解を促進させるべく
水を併用し、低級アルコール類を溶媒としてホウ素−ネ
オジミウム−鉄系磁石粉体表面に単分子膜以上のカーボ
ンファンクショナルシランを成膜することが好ましい。
【0035】以上のように、本発明にかかる希土類樹脂
磁石埋設型回転子の製造方法は、ホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体の希土類元素、遷移金属元素の資源バラ
ンスが有利である。また、ホウ素−ネオジミウム−鉄系
磁石粉体を含む樹脂磁石の溶融ストランドを、積層電磁
鋼板のような回転子鉄心磁石スロット内に均質に磁場中
射出充填または磁場中押出充填し、然る後、冷却固化す
る。すなわち正確に温度制御した熱間で高HCJ型のホウ
素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体であっても高度に磁化
することができる。また、磁化したホウ素−ネオジミウ
ム−鉄系磁石粉体を熱可塑性樹脂の冷却固化により、粉
体間に空隙なく強固に固定するので錆とダストに強い。
或いは冷却固化過程での収縮力が磁石と回転子鉄心との
間に作用して機械的に磁石と回転子鉄心とが強固に一体
化する。したがって、接着レスで、錆やダスト対策のた
めの表面被覆処理工程、着磁工程などを不要とする高信
頼性、高効率モータのための希土類樹脂磁石埋設型回転
子を製造することができる。
磁石埋設型回転子の製造方法は、ホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体の希土類元素、遷移金属元素の資源バラ
ンスが有利である。また、ホウ素−ネオジミウム−鉄系
磁石粉体を含む樹脂磁石の溶融ストランドを、積層電磁
鋼板のような回転子鉄心磁石スロット内に均質に磁場中
射出充填または磁場中押出充填し、然る後、冷却固化す
る。すなわち正確に温度制御した熱間で高HCJ型のホウ
素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体であっても高度に磁化
することができる。また、磁化したホウ素−ネオジミウ
ム−鉄系磁石粉体を熱可塑性樹脂の冷却固化により、粉
体間に空隙なく強固に固定するので錆とダストに強い。
或いは冷却固化過程での収縮力が磁石と回転子鉄心との
間に作用して機械的に磁石と回転子鉄心とが強固に一体
化する。したがって、接着レスで、錆やダスト対策のた
めの表面被覆処理工程、着磁工程などを不要とする高信
頼性、高効率モータのための希土類樹脂磁石埋設型回転
子を製造することができる。
【0036】以下、本発明をさらに詳しく説明する。但
し、本発明は実施例に限定されるものではない。
し、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0037】[ペレットの製造]合金組成Nd12Fe77
Co5B6,および合金組成、Nd13.8Fe80.0B6.2を
急冷凝固し、非晶質部分を結晶化した。この、ホウ素−
ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体A1,A2の50kOe
パルス着磁後のVSMによる残留磁化Jrは各々8.
2、7.9kG、固有保磁力HCJは各々9.4、16.
8kOeであった。
Co5B6,および合金組成、Nd13.8Fe80.0B6.2を
急冷凝固し、非晶質部分を結晶化した。この、ホウ素−
ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体A1,A2の50kOe
パルス着磁後のVSMによる残留磁化Jrは各々8.
2、7.9kG、固有保磁力HCJは各々9.4、16.
8kOeであった。
【0038】一方、合金組成Nd12.3Dy0.3Fe64.6
Co12.3B6.0Ga0.6Zr0.1を水素分解/再結晶した
ホウ素−ネオジミウム−鉄系異方性磁石粉体BのJrは
11.8kG,固有保磁力HCJは15.2kOeであっ
た。
Co12.3B6.0Ga0.6Zr0.1を水素分解/再結晶した
ホウ素−ネオジミウム−鉄系異方性磁石粉体BのJrは
11.8kG,固有保磁力HCJは15.2kOeであっ
た。
【0039】上記ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体
A1,A2およびBを窒素雰囲気中で105μmに粗粉砕
したところ、A1,A2は何れも比表面積は0.05〜
0.07g/m2、Bは0.08〜0.09g/m2であ
った。この比表面積に基づき単分子膜を形成する量のγ
−アミノプロピルトリメトキシシラン(2HN−C3H6
−Si[OCH3]3、比重d25℃0.94、分子量22
1.3、単分子膜被覆面積332m2/g)を使用し
た。すなわち、磁石粉体100gに対し、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン0.0022gの−OCH3
基を加水分解し、−SiOH基とするために必要なイオ
ン交換水0.005gをエタノール0.243gで希釈
し、混合した後、130℃に加熱した。すると赤外分光
分析(IR)で−OCH3基の吸収スペクトル(νCH2
845cm-1)が消滅し、−SiOH基(νCH3350cm
-1)を確認した。すなわち、本発明で言うカーボンファ
ンクショナルシラン処理したホウ素−ネオジミウム−鉄
系磁石粉体を得た。
A1,A2およびBを窒素雰囲気中で105μmに粗粉砕
したところ、A1,A2は何れも比表面積は0.05〜
0.07g/m2、Bは0.08〜0.09g/m2であ
った。この比表面積に基づき単分子膜を形成する量のγ
−アミノプロピルトリメトキシシラン(2HN−C3H6
−Si[OCH3]3、比重d25℃0.94、分子量22
1.3、単分子膜被覆面積332m2/g)を使用し
た。すなわち、磁石粉体100gに対し、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン0.0022gの−OCH3
基を加水分解し、−SiOH基とするために必要なイオ
ン交換水0.005gをエタノール0.243gで希釈
し、混合した後、130℃に加熱した。すると赤外分光
分析(IR)で−OCH3基の吸収スペクトル(νCH2
845cm-1)が消滅し、−SiOH基(νCH3350cm
-1)を確認した。すなわち、本発明で言うカーボンファ
ンクショナルシラン処理したホウ素−ネオジミウム−鉄
系磁石粉体を得た。
【0040】次いで、上記ホウ素−ネオジミウム−鉄系
磁石粉体A1またはBと、ポリアミド−12粉体、ステ
アリン酸カルシウム粉体、ヒドラジン系酸化防止剤を、
各々91:7.9:0.05:0.05(重量比)に計
量し、ヘンシェルミキサーを用いて均質になるまで混合
した。また、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A2
と、PPS粉体、ステアリン酸カルシウム粉体、ヒドラ
ジン系酸化防止剤を、各々95:4.9:0.05:
0.05(重量比)に計量し、ヘンシェルミキサーを用
いて均質になるまで混合した。
磁石粉体A1またはBと、ポリアミド−12粉体、ステ
アリン酸カルシウム粉体、ヒドラジン系酸化防止剤を、
各々91:7.9:0.05:0.05(重量比)に計
量し、ヘンシェルミキサーを用いて均質になるまで混合
した。また、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A2
と、PPS粉体、ステアリン酸カルシウム粉体、ヒドラ
ジン系酸化防止剤を、各々95:4.9:0.05:
0.05(重量比)に計量し、ヘンシェルミキサーを用
いて均質になるまで混合した。
【0041】次いで、スクリュー径20mmの単軸エクス
トルーダを用い、ポリアミド−12では280℃、PP
Sでは340℃で溶融混練し、ダイスヘッドから吐出し
たホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を含む樹脂磁石
の溶融ストランドをホットカットしてペレットを得た。
トルーダを用い、ポリアミド−12では280℃、PP
Sでは340℃で溶融混練し、ダイスヘッドから吐出し
たホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を含む樹脂磁石
の溶融ストランドをホットカットしてペレットを得た。
【0042】[希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造1]
図3のような突極比ρ>1の逆突極性(Ld<Lq)
で、マグネットトルクと同一方向のリラクタンストルク
が発生する構造に8極のアーク状磁石スロットb2と回
転軸スロットb3を設けた板厚0.5mm、外径80mmの
打抜き電磁鋼板b1を用意した。そして、この電磁鋼板
b1を50mmに積層して回転子鉄心b0とした。但し、
この磁石スロットは幅3.5および1.8mmの円弧状で
1極当たりが2層構造になっている。
図3のような突極比ρ>1の逆突極性(Ld<Lq)
で、マグネットトルクと同一方向のリラクタンストルク
が発生する構造に8極のアーク状磁石スロットb2と回
転軸スロットb3を設けた板厚0.5mm、外径80mmの
打抜き電磁鋼板b1を用意した。そして、この電磁鋼板
b1を50mmに積層して回転子鉄心b0とした。但し、
この磁石スロットは幅3.5および1.8mmの円弧状で
1極当たりが2層構造になっている。
【0043】図4は、本発明にかかる磁場中射出充填装
置の要部構成図である。但し、図中1は射出スクリュ
ー、2は加熱シリンダー、3は射出ノズル、4は1極当
たり50turnの励磁コイル、5は非磁性部材と磁性部材
とを組合わせた金型で励磁コイル4を内臓し、回転子鉄
心b0を装填できるキャビティを備えている。6は金型
5に設けた冷却管、7は金型5の型締めと開放を行う油
圧シリンダーである。さらに、直流電源81とパルス電
源82は切替えスイッチを介して励磁コイル4と電気的
に接続されている。
置の要部構成図である。但し、図中1は射出スクリュ
ー、2は加熱シリンダー、3は射出ノズル、4は1極当
たり50turnの励磁コイル、5は非磁性部材と磁性部材
とを組合わせた金型で励磁コイル4を内臓し、回転子鉄
心b0を装填できるキャビティを備えている。6は金型
5に設けた冷却管、7は金型5の型締めと開放を行う油
圧シリンダーである。さらに、直流電源81とパルス電
源82は切替えスイッチを介して励磁コイル4と電気的
に接続されている。
【0044】図5は、図4のA−A’断面構成図であ
る。金型5は非磁性部材51と磁性部材52とで構成さ
れ、励磁コイル4を回転子鉄心の回転軸スロットb3に
対して放射状に配置されている。そして励磁コイル4は
非磁性絶縁部材53により固定している。また、冷却管
6は励磁コイル4の外側に近接配置している。
る。金型5は非磁性部材51と磁性部材52とで構成さ
れ、励磁コイル4を回転子鉄心の回転軸スロットb3に
対して放射状に配置されている。そして励磁コイル4は
非磁性絶縁部材53により固定している。また、冷却管
6は励磁コイル4の外側に近接配置している。
【0045】そして、直流電源81またはパルス電源8
2から励磁コイル4に通電すると、励磁コイル4の発生
磁束は、回転子鉄心b0を構成する電磁鋼板b1を通過
して磁石スロットb2に磁場をつくる。
2から励磁コイル4に通電すると、励磁コイル4の発生
磁束は、回転子鉄心b0を構成する電磁鋼板b1を通過
して磁石スロットb2に磁場をつくる。
【0046】上記回転子鉄心b0を図4の磁場中射出充
填装置の金型5のキャビティに装填し、油圧シリンダー
7で金型5を型締めした。そしてカーボンファンクショ
ナルシラン処理したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉
体A1またはBを含むポリアミド−12ペレットa1を
射出スクリュー1の回転と280℃に加熱したシリンダ
ー2からの熱伝導で可塑化したポリアミド−12ペレッ
トa2とし、これを射出スクリュー1の後退により射出
ノズル3へ移送した。
填装置の金型5のキャビティに装填し、油圧シリンダー
7で金型5を型締めした。そしてカーボンファンクショ
ナルシラン処理したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉
体A1またはBを含むポリアミド−12ペレットa1を
射出スクリュー1の回転と280℃に加熱したシリンダ
ー2からの熱伝導で可塑化したポリアミド−12ペレッ
トa2とし、これを射出スクリュー1の後退により射出
ノズル3へ移送した。
【0047】次に、直流電源81から直流電流(max
100A)を励磁コイル4に通電し、回転子鉄心の磁石
スロットb2に10kOeの連続磁場を発生させた。そ
して、回転停止した射出スクリュー1を射出ノズル3方
向へ前進させ、射出ノズル3から希土類磁石のポリアミ
ド−12溶融ストランドを吐出した。吐出したポリアミ
ド−12溶融ストランドは金型5に設けたスプルー、ラ
ンナー、ゲートを介して直接回転子鉄心の磁石スロット
b2に磁場中射出充填した。
100A)を励磁コイル4に通電し、回転子鉄心の磁石
スロットb2に10kOeの連続磁場を発生させた。そ
して、回転停止した射出スクリュー1を射出ノズル3方
向へ前進させ、射出ノズル3から希土類磁石のポリアミ
ド−12溶融ストランドを吐出した。吐出したポリアミ
ド−12溶融ストランドは金型5に設けたスプルー、ラ
ンナー、ゲートを介して直接回転子鉄心の磁石スロット
b2に磁場中射出充填した。
【0048】磁石スロットb2への磁場中射出充填の完
了は射出スクリュー1の位置または圧力センサーで検知
できる。ポリアミド−12可塑化ペレットa2は磁石ス
ロットb2中でポリアミド−12が冷却固化し、既に磁
化したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体は、そのま
ま磁石スロットに埋設された希土類磁石a0となる。こ
の際に磁場中射出充填したこの段階で、直流電源81か
ら励磁コイル4への連続通電からパルス電源82のパル
ス通電(波高値Ip15kA)に切替える。すると、パ
ルス通電により励磁コイル4には、磁化方向と同一の≧
20kOeの瞬間強磁界が加わりホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体の磁化は、さらに高まる。
了は射出スクリュー1の位置または圧力センサーで検知
できる。ポリアミド−12可塑化ペレットa2は磁石ス
ロットb2中でポリアミド−12が冷却固化し、既に磁
化したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体は、そのま
ま磁石スロットに埋設された希土類磁石a0となる。こ
の際に磁場中射出充填したこの段階で、直流電源81か
ら励磁コイル4への連続通電からパルス電源82のパル
ス通電(波高値Ip15kA)に切替える。すると、パ
ルス通電により励磁コイル4には、磁化方向と同一の≧
20kOeの瞬間強磁界が加わりホウ素−ネオジミウム
−鉄系磁石粉体の磁化は、さらに高まる。
【0049】図5はホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉
体Aを含む希土類樹脂磁石を磁石スロットに埋設した磁
石埋設型回転子と積層電磁鋼板からなる回転子鉄心との
境界部分のマクロ組織をSEM(走査型電子顕微鏡)観
察した断面図である。
体Aを含む希土類樹脂磁石を磁石スロットに埋設した磁
石埋設型回転子と積層電磁鋼板からなる回転子鉄心との
境界部分のマクロ組織をSEM(走査型電子顕微鏡)観
察した断面図である。
【0050】図から明らかなように希土類樹脂磁石は積
層電磁鋼板を強圧縮により変形させることなく、当該磁
石スロット奥深くまで均質に磁場中充填され、ホウ素−
ネオジミウム−鉄系磁石粉体はポリアミド−12により
空隙なく強固に固定されている。またポリアミド−12
の冷却固化に伴う収縮力は積層電磁鋼板b2からなる回
転子鉄心と希土類磁石とを機械的に強固に一体化してい
る。したがって、磁気回路として高いパーミアンス係数
を確保することができる。さらに、磁石スロット内に埋
設した希土類樹脂磁石は磁石粉体が、ほぼ完全に冷却固
化したポリアミド−12で覆われているため破損やダス
トが発生する危惧もなく、耐錆性確保のための特別な表
面被覆も不要である。
層電磁鋼板を強圧縮により変形させることなく、当該磁
石スロット奥深くまで均質に磁場中充填され、ホウ素−
ネオジミウム−鉄系磁石粉体はポリアミド−12により
空隙なく強固に固定されている。またポリアミド−12
の冷却固化に伴う収縮力は積層電磁鋼板b2からなる回
転子鉄心と希土類磁石とを機械的に強固に一体化してい
る。したがって、磁気回路として高いパーミアンス係数
を確保することができる。さらに、磁石スロット内に埋
設した希土類樹脂磁石は磁石粉体が、ほぼ完全に冷却固
化したポリアミド−12で覆われているため破損やダス
トが発生する危惧もなく、耐錆性確保のための特別な表
面被覆も不要である。
【0051】次に、上記回転子鉄心の磁石スロットに埋
設した磁化したままの希土類樹脂磁石を径5mm高さ2mm
に切出して振動型試料磁力計:VSM(測定磁界±15
kOe)で室温の磁気特性とアルキメデス法による密度
を(表1)に示す。なお、表中HCJ欄の(%)は、磁化
冷却固化した磁石スロット内の希土類樹脂磁石の磁化率
を示す。すなわち、磁場中射出充填と、充填後の熱間パ
ルス電流による同一方向瞬間強磁界による磁石粉体への
磁化率を、もとのホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体
の固有保磁力HCJで除した、所謂、着磁率である。
設した磁化したままの希土類樹脂磁石を径5mm高さ2mm
に切出して振動型試料磁力計:VSM(測定磁界±15
kOe)で室温の磁気特性とアルキメデス法による密度
を(表1)に示す。なお、表中HCJ欄の(%)は、磁化
冷却固化した磁石スロット内の希土類樹脂磁石の磁化率
を示す。すなわち、磁場中射出充填と、充填後の熱間パ
ルス電流による同一方向瞬間強磁界による磁石粉体への
磁化率を、もとのホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体
の固有保磁力HCJで除した、所謂、着磁率である。
【0052】
【表1】 ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体は磁石埋設型回転
子の加工段階で、やや磁気特性が低下するが、磁場中射
出充填と、充填後の熱間パルス電流による同一方向瞬間
強磁界による磁化で、もとの磁石粉体のHCJの95%程
度、すなわち、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体本
来の磁力を十分に引き出すことができる。なお、上記回
転子鉄心磁石スロット内の希土類樹脂磁石の電気抵抗を
四探針法で測定したところ4〜7×10-1Ωcmであっ
た。
子の加工段階で、やや磁気特性が低下するが、磁場中射
出充填と、充填後の熱間パルス電流による同一方向瞬間
強磁界による磁化で、もとの磁石粉体のHCJの95%程
度、すなわち、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体本
来の磁力を十分に引き出すことができる。なお、上記回
転子鉄心磁石スロット内の希土類樹脂磁石の電気抵抗を
四探針法で測定したところ4〜7×10-1Ωcmであっ
た。
【0053】[希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造2]
図6は、本発明にかかる磁場中押出充填装置の要部構成
図である。
図6は、本発明にかかる磁場中押出充填装置の要部構成
図である。
【0054】但し、図中1は押出スクリュー、2は加熱
シリンダー、3は押出ノズル、4は1極当たり50turn
の励磁コイル、5は非磁性部材と磁性部材とを組合わせ
た金型で励磁コイル4を内臓し、回転子鉄心b0を装填
できるキャビティを備えている。6は金型5に設けた冷
却管、7は金型5の型締めと開放を行う油圧シリンダー
である。さらに、直流電源81とパルス電源82は切替
えスイッチを介して励磁コイル4と電気的に接続されて
いる。
シリンダー、3は押出ノズル、4は1極当たり50turn
の励磁コイル、5は非磁性部材と磁性部材とを組合わせ
た金型で励磁コイル4を内臓し、回転子鉄心b0を装填
できるキャビティを備えている。6は金型5に設けた冷
却管、7は金型5の型締めと開放を行う油圧シリンダー
である。さらに、直流電源81とパルス電源82は切替
えスイッチを介して励磁コイル4と電気的に接続されて
いる。
【0055】図5は、図6のA−A’断面構成図であ
る。金型5は非磁性部材51と磁性部材52とで構成さ
れ、励磁コイル4を回転子鉄心の回転軸スロットb3に
対して放射状に配置されている。そして励磁コイル4は
非磁性絶縁部材53により固定している。また、冷却管
6は励磁コイル4の外側に近接配置している。
る。金型5は非磁性部材51と磁性部材52とで構成さ
れ、励磁コイル4を回転子鉄心の回転軸スロットb3に
対して放射状に配置されている。そして励磁コイル4は
非磁性絶縁部材53により固定している。また、冷却管
6は励磁コイル4の外側に近接配置している。
【0056】そして、直流電源81またはパルス電源8
2から励磁コイル4に通電すると、励磁コイル4の発生
磁束は、回転子鉄心b0を構成する電磁鋼板b1を通過
して磁石スロットb2に磁場をつくる。
2から励磁コイル4に通電すると、励磁コイル4の発生
磁束は、回転子鉄心b0を構成する電磁鋼板b1を通過
して磁石スロットb2に磁場をつくる。
【0057】上記回転子鉄心b0を図4の磁場中押出充
填装置の金型5のキャビティに装填し、油圧シリンダー
7で金型5を型締めした。そしてカーボンファンクショ
ナルシラン処理したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉
体A2を含むPPSペレットa1を押出スクリュー1の
回転と340℃に加熱したシリンダー2からの熱伝導で
可塑化したペレットa2とし、押出スクリュー1の後退
によりPPS可塑化ペレットa2を押出ノズル3へ移送
した。なお、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A2
はコバルトフリーで、走査型熱量計(DSC)によれ
ば、そのキュリー温度Tcは310℃±10degであ
る。
填装置の金型5のキャビティに装填し、油圧シリンダー
7で金型5を型締めした。そしてカーボンファンクショ
ナルシラン処理したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉
体A2を含むPPSペレットa1を押出スクリュー1の
回転と340℃に加熱したシリンダー2からの熱伝導で
可塑化したペレットa2とし、押出スクリュー1の後退
によりPPS可塑化ペレットa2を押出ノズル3へ移送
した。なお、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A2
はコバルトフリーで、走査型熱量計(DSC)によれ
ば、そのキュリー温度Tcは310℃±10degであ
る。
【0058】次に、直流電源81から直流電流(max
100A)を励磁コイル4に通電し、回転子鉄心の磁石
スロットb2に10kOeの連続磁場を発生させた。そ
して、回転停止した押出スクリュー1を押出ノズル3方
向へ前進させて押出ノズル3から希土類磁石のPPS溶
融ストランドを吐出した。ホウ素−ネオジミウム−鉄系
磁石粉体A2のキュリー温度以上に加熱したPPS溶融
ストランドは回転子鉄心の磁石スロットb2に直接磁場
中押出充填される。なお、充填時に電磁鋼板b1に接す
るPPS溶融ストランドは磁石スロット内部よりも急速
に冷却固化するもののキュリー温度以下に達するまでに
磁化することができる。
100A)を励磁コイル4に通電し、回転子鉄心の磁石
スロットb2に10kOeの連続磁場を発生させた。そ
して、回転停止した押出スクリュー1を押出ノズル3方
向へ前進させて押出ノズル3から希土類磁石のPPS溶
融ストランドを吐出した。ホウ素−ネオジミウム−鉄系
磁石粉体A2のキュリー温度以上に加熱したPPS溶融
ストランドは回転子鉄心の磁石スロットb2に直接磁場
中押出充填される。なお、充填時に電磁鋼板b1に接す
るPPS溶融ストランドは磁石スロット内部よりも急速
に冷却固化するもののキュリー温度以下に達するまでに
磁化することができる。
【0059】磁石スロットb2への磁場中押出充填の完
了は押出スクリュー1の位置または圧力センサーで検知
できる。PPS可塑化ペレットa2は磁石スロットb2
内で回転子鉄心の接触面から固化冷却が進み、PPSで
固定化したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A2の
キュリー温度以下になる。すると、ホウ素−ネオジミウ
ム−鉄系磁石粉体は磁石スロット内で磁化されながら回
転子鉄心の磁石スロットに埋設された希土類磁石a0と
なる。この際にホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A
2のキュリー温度以下に達した段階で直流電源81から
励磁コイル4への連続通電からパルス電源82のパルス
通電(波高値Ip15kA)に切替える。すると、パル
ス通電により励磁コイル4には、磁化方向と同一の≧2
0kOeの瞬間強磁界が加わりホウ素−ネオジミウム−
鉄系磁石粉体の磁化は、さらに高まる。
了は押出スクリュー1の位置または圧力センサーで検知
できる。PPS可塑化ペレットa2は磁石スロットb2
内で回転子鉄心の接触面から固化冷却が進み、PPSで
固定化したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A2の
キュリー温度以下になる。すると、ホウ素−ネオジミウ
ム−鉄系磁石粉体は磁石スロット内で磁化されながら回
転子鉄心の磁石スロットに埋設された希土類磁石a0と
なる。この際にホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A
2のキュリー温度以下に達した段階で直流電源81から
励磁コイル4への連続通電からパルス電源82のパルス
通電(波高値Ip15kA)に切替える。すると、パル
ス通電により励磁コイル4には、磁化方向と同一の≧2
0kOeの瞬間強磁界が加わりホウ素−ネオジミウム−
鉄系磁石粉体の磁化は、さらに高まる。
【0060】次に、上記回転子鉄心の磁石スロットに埋
設した磁化したままの希土類樹脂磁石を径5mm高さ2mm
に切出して振動型試料磁力計:VSM(測定磁界±15
kOe)で室温の磁気特性とアルキメデス法による密度
を(表2)に示す。なお、表中HCJ欄の(%)は、磁化
冷却固化した磁石スロット内の希土類樹脂磁石の磁化率
を示す。すなわち、磁場中押出充填と、充填後の熱間パ
ルス電流による同一方向瞬間強磁界による磁石粉体への
磁化率を、もとのホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体
の固有保磁力HCJで除した値、所謂、着磁率である。
設した磁化したままの希土類樹脂磁石を径5mm高さ2mm
に切出して振動型試料磁力計:VSM(測定磁界±15
kOe)で室温の磁気特性とアルキメデス法による密度
を(表2)に示す。なお、表中HCJ欄の(%)は、磁化
冷却固化した磁石スロット内の希土類樹脂磁石の磁化率
を示す。すなわち、磁場中押出充填と、充填後の熱間パ
ルス電流による同一方向瞬間強磁界による磁石粉体への
磁化率を、もとのホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体
の固有保磁力HCJで除した値、所謂、着磁率である。
【0061】
【表2】 ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体は磁石埋設型回転
子の加工段階で、やや磁気特性が低下する。しかし、高
HCJ型ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体であって
も、当該磁石粉体のキュリー温度以下で、連続磁場また
は/および熱間パルス電流による瞬間強磁界で、もとの
磁石粉体のHCJの実に98.2%の磁化を与えることが
できる。なお、上記回転子鉄心磁石スロット内の希土類
樹脂磁石の電気抵抗を四探針法で測定したところ2〜5
×10-1Ωcmであった。
子の加工段階で、やや磁気特性が低下する。しかし、高
HCJ型ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体であって
も、当該磁石粉体のキュリー温度以下で、連続磁場また
は/および熱間パルス電流による瞬間強磁界で、もとの
磁石粉体のHCJの実に98.2%の磁化を与えることが
できる。なお、上記回転子鉄心磁石スロット内の希土類
樹脂磁石の電気抵抗を四探針法で測定したところ2〜5
×10-1Ωcmであった。
【0062】[比較例1]4−4’ジフェニルメタンジ
イソシアネートの−NCO基をメチルエチルケトンオキ
シムで封止したブロックイソシアネートと分子中にアル
コール性水酸基を有するジグリシジルエーテルビスフェ
ノールA型固体エポキシとを化学当量比(NCO/OH
=1)としたアセトン溶液と、ホウ素−ネオジミウム−
鉄系磁石粉体A1とを湿式混合した。その後、アセトン
を揮発させ2重量%の固体エポキシバインダーを含有す
るホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A11とした。
イソシアネートの−NCO基をメチルエチルケトンオキ
シムで封止したブロックイソシアネートと分子中にアル
コール性水酸基を有するジグリシジルエーテルビスフェ
ノールA型固体エポキシとを化学当量比(NCO/OH
=1)としたアセトン溶液と、ホウ素−ネオジミウム−
鉄系磁石粉体A1とを湿式混合した。その後、アセトン
を揮発させ2重量%の固体エポキシバインダーを含有す
るホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A11とした。
【0063】図3の積層電磁鋼板の回転子鉄心磁石スロ
ットにホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A11を粉末
形態で充填し、6ton/cm2の圧力で強圧縮した。ホウ素
−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体A11を強圧縮すると
積層電磁鋼板が変形し、積層電磁鋼板との間に生じる摩
擦による圧力損失により、圧縮圧力がスロット奥深くま
で伝達せず、回転子鉄心端面から20mm以上深いところ
ではグリーン体とすることもできなかった。すなわち、
この方法は回転子鉄心とホウ素−ネオジミウム−鉄系急
冷磁石粉体A11とを確かに空隙なく満たすけれども、ホ
ウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体A11自体を空隙
なく磁石スロットに充填することはできない。
ットにホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体A11を粉末
形態で充填し、6ton/cm2の圧力で強圧縮した。ホウ素
−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体A11を強圧縮すると
積層電磁鋼板が変形し、積層電磁鋼板との間に生じる摩
擦による圧力損失により、圧縮圧力がスロット奥深くま
で伝達せず、回転子鉄心端面から20mm以上深いところ
ではグリーン体とすることもできなかった。すなわち、
この方法は回転子鉄心とホウ素−ネオジミウム−鉄系急
冷磁石粉体A11とを確かに空隙なく満たすけれども、ホ
ウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体A11自体を空隙
なく磁石スロットに充填することはできない。
【0064】また、当該磁石の機械的強度が低いため磁
石埋設型回転子全体の機械的強度に対する信頼性に悪影
響を及ぼす。そればかりか、回転子鉄心の磁石スロット
の奥深くに存在するホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁
石粉体の防錆処理やダスト対策を施して錆やダストに対
する信頼性を確保することも困難であった。また、何れ
の場合も従来からよく用いられているフェライト系磁石
に比べて著しく難着磁性であるから、ホウ素−ネオジミ
ウム−鉄系急冷磁石粉体の持つ本来の磁力を十分に活用
することもできない。なお、上記回転子鉄心端面付近の
磁石スロット内の希土類樹脂磁石の電気抵抗を四探針法
で測定したところ10-2Ωcmであった。したがって、ホ
ウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体の持つ本来の磁
力を十分に活用して高信頼性、並びに高効率モータのた
めの希土類樹脂磁石埋設型回転子を製造することができ
ない。
石埋設型回転子全体の機械的強度に対する信頼性に悪影
響を及ぼす。そればかりか、回転子鉄心の磁石スロット
の奥深くに存在するホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁
石粉体の防錆処理やダスト対策を施して錆やダストに対
する信頼性を確保することも困難であった。また、何れ
の場合も従来からよく用いられているフェライト系磁石
に比べて著しく難着磁性であるから、ホウ素−ネオジミ
ウム−鉄系急冷磁石粉体の持つ本来の磁力を十分に活用
することもできない。なお、上記回転子鉄心端面付近の
磁石スロット内の希土類樹脂磁石の電気抵抗を四探針法
で測定したところ10-2Ωcmであった。したがって、ホ
ウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体の持つ本来の磁
力を十分に活用して高信頼性、並びに高効率モータのた
めの希土類樹脂磁石埋設型回転子を製造することができ
ない。
【0065】[比較例2]希土類樹脂磁石埋設型回転子
の製造2と磁場なし以外は同一条件で作成したものを、
室温で瞬間強磁界(波高値Ip15kA)で着磁した
が、磁石の固有保磁力HCJは12.5kOeしか得られ
ず、着磁率では74%程度でしかなかった。したがっ
て、ホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体の持つ本
来の磁力を十分に活用して高信頼性、並びに高効率モー
タのための希土類樹脂磁石埋設型回転子を製造すること
ができない。
の製造2と磁場なし以外は同一条件で作成したものを、
室温で瞬間強磁界(波高値Ip15kA)で着磁した
が、磁石の固有保磁力HCJは12.5kOeしか得られ
ず、着磁率では74%程度でしかなかった。したがっ
て、ホウ素−ネオジミウム−鉄系急冷磁石粉体の持つ本
来の磁力を十分に活用して高信頼性、並びに高効率モー
タのための希土類樹脂磁石埋設型回転子を製造すること
ができない。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本願請求項1〜11、1
3記載の発明にかかる希土類樹脂磁石埋設型回転子の製
造方法は、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体の希土
類元素、遷移金属元素の資源バランスが有利である。ま
た、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を含む樹脂磁
石の溶融ストランドを、積層電磁鋼板のような回転子鉄
心磁石スロット内に均質に磁場中射出充填または磁場中
押出充填し、然る後、冷却固化する。すなわち正確に温
度制御した熱間で高HCJ型のホウ素−ネオジミウム−鉄
系磁石粉体であっても高度に磁化することができる。ま
た、磁化したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を熱
可塑性樹脂の冷却固化により、粉体間に空隙なく強固に
固定するので錆とダストに強い。或いは冷却固化過程で
の収縮力が磁石と回転子鉄心との間に作用して機械的に
磁石と回転子鉄心とが強固に一体化する。したがって、
接着レスで、錆やダスト対策のための表面被覆処理工
程、着磁工程などを不要とする高信頼性、高効率モータ
のための希土類樹脂磁石埋設型回転子を製造することが
できる。
3記載の発明にかかる希土類樹脂磁石埋設型回転子の製
造方法は、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体の希土
類元素、遷移金属元素の資源バランスが有利である。ま
た、ホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を含む樹脂磁
石の溶融ストランドを、積層電磁鋼板のような回転子鉄
心磁石スロット内に均質に磁場中射出充填または磁場中
押出充填し、然る後、冷却固化する。すなわち正確に温
度制御した熱間で高HCJ型のホウ素−ネオジミウム−鉄
系磁石粉体であっても高度に磁化することができる。ま
た、磁化したホウ素−ネオジミウム−鉄系磁石粉体を熱
可塑性樹脂の冷却固化により、粉体間に空隙なく強固に
固定するので錆とダストに強い。或いは冷却固化過程で
の収縮力が磁石と回転子鉄心との間に作用して機械的に
磁石と回転子鉄心とが強固に一体化する。したがって、
接着レスで、錆やダスト対策のための表面被覆処理工
程、着磁工程などを不要とする高信頼性、高効率モータ
のための希土類樹脂磁石埋設型回転子を製造することが
できる。
【0067】請求項12記載の発明は、磁石埋設型回転
子全体の剛性が高まり高速回転での信頼性が高まる。
子全体の剛性が高まり高速回転での信頼性が高まる。
【図1】永久磁石を埋設した構成の磁石回転子の断面図
【図2】永久磁石を埋設した構成の磁石回転子の断面図
【図3】突極比ρ>1の磁石スロットと回転軸スロット
を設けた打抜き電磁鋼板を示す図
を設けた打抜き電磁鋼板を示す図
【図4】磁場中射出充填装置の要部構成図
【図5】磁場中射出/押出充填装置の要部断面図
【図6】磁石と積層電磁鋼板との境界部分の断面図
【図7】磁場中押出充填装置の要部構成図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 直 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (13)
- 【請求項1】希土類磁石粉体を含む樹脂磁石の溶融スト
ランドを回転子鉄心磁石スロット内へ磁場中射出充填
し、当該希土類磁石粉体が磁化した状態で冷却固化する
希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項2】希土類磁石粉体を含む樹脂磁石の溶融スト
ランドを回転子鉄心磁石スロット内へ磁場中押出充填
し、当該希土類磁石粉体が磁化した状態で冷却固化する
希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項3】回転子鉄心磁石スロット内に希土類磁石粉
体を含む溶融ストランドの磁場中充填が完了した後、充
填時と同一方向の瞬間強磁界を印加して磁石スロット内
の希土類磁石粉体の磁化を強める請求項1または2記載
の希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項4】希土類磁石粉体を含む樹脂磁石の溶融スト
ランドを回転子鉄心磁石スロット内へ磁場中射出または
押出充填する際に、溶融ストランドの吐出温度が当該希
土類磁石粉体のキュリー温度以上で、当該キュリー温度
以下に冷却固化される段階で磁石スロット内の希土類磁
石粉体を磁化する希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方
法。 - 【請求項5】希土類磁石粉体が、ホウ素−ネオジミウム
−鉄系急冷磁石粉体である請求項1、2または3記載の
希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項6】希土類磁石粉体が、ホウ素−ネオジミウム
−鉄系異方性磁石粉体である請求項1または2記載の希
土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項7】ホウ素−ネオジミウム−鉄系異方性磁石粉
体が水素分解/再結晶したホウ素−ネオジミウム−鉄系
異方性磁石粉体である請求項6記載の希土類樹脂磁石埋
設型回転子の製造方法。 - 【請求項8】溶融ストランド中の希土類磁石粉体キャリ
ヤがポリアミド12、PPS(ポリフェニレンサルファ
イド)から選ばれる熱可塑性樹脂である請求項1または
2記載の希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項9】カーボンファンクショナルシラン処理した
希土類磁石粉体である請求項1または2記載の希土類樹
脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項10】回転子鉄心磁石スロット内の希土類樹脂
磁石の電気抵抗が≧10-1Ωcmである請求項1または2
記載の希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項11】回転子鉄心を積層電磁鋼板とし、磁石ス
ロット内に磁場充填、冷却固化した希土類樹脂磁石の収
縮力で機械的に一体化する請求項1または2記載の希土
類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。 - 【請求項12】回転子鉄心のスラスト(軸)方向端部に
係合部を設け、磁石スロット内に磁場充填、冷却固化し
た希土類樹脂磁石の収縮力で回転子全体の剛性を高める
請求項1または2記載の希土類樹脂磁石埋設型回転子の
製造方法。 - 【請求項13】回転子鉄心磁石スロットの構成が、突極
比ρ>1の逆突極性構造である請求項1または2記載の
希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法。
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JP10017996A JPH11206075A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 希土類樹脂磁石埋設型回転子の製造方法 |
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JP (1) | JPH11206075A (ja) |
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