JP2014057392A - 回転電気機械およびロータ製造方法 - Google Patents

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Yoshinari Asano
能成 浅野
Yoshiaki Yasuda
善紀 安田
Nobuyuki Kifuji
敦之 木藤
Yasuhiko Osawa
康彦 大澤
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Abstract

【課題】ボンド磁石の射出成形に伴うロータコアの変形を抑制する。
【解決手段】ロータコア(101)には、複数の磁石スロット(S100,S100,…)が形成されている。複数の磁石スロット(S100,S100,…)の各々は、一対のブリッジ部(111,111)により両側壁部が構成された内側スロット部(S101)と、一対のブリッジ部(111,111)からロータコア(101)の外縁へ延びて開口する一対の外側スロット部(S102,S102)とに区画されている。内側スロット部(S101)および一対の外側スロット部(S102,S102)には、ボンド磁石(100,100,100)が充填されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、回転電気機械に関し、特に、ロータ構造に関する。
従来より、電動機や発電機などの回転電気機械のロータを製造する工程において、ロータコアに形成された磁石スロットに、磁性粉末を含有する溶融樹脂を射出して固化させること(すなわち、射出成形)により、ロータコアの磁石スロットにボンド磁石を充填することが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2003−47212号公報
特許文献1の回転電気機械では、磁石スロットの両側壁部(磁石スロットの内周壁部と外周壁部とを連結する一対の側壁部)を構成する一対のブリッジ部がロータコアの外縁部に設けられているので、ボンド磁石の射出成形の際に、ブリッジ部の内側に加えられる射出圧力によってロータコアが変形してしまう可能性がある。そのため、ロータとステータとの間のエアギャップの精度が劣化してしまうおそれがある。
そこで、この発明は、ボンド磁石の射出成形に伴うロータコアの変形を抑制することが可能な回転電気機械を提供することを目的とする。
第1の発明は、複数の磁石スロット(S100)が形成されたロータコア(101)を有するロータ(11)と、上記ロータ(11)が挿通されるステータ(12)とを備え、上記複数の磁石スロット(S100)の各々が、一対のブリッジ部(111)により両側壁部が構成された内側スロット部(S101)と、該一対のブリッジ部(111)から上記ロータコア(101)の外縁へ延びて開口する一対の外側スロット部(S102)とに区画され、上記内側スロット部(S101)および上記一対の外側スロット部(S102)に、ボンド磁石(100)が充填されていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第1の発明では、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、複数の磁石スロット(S100)の各々において、内側スロット部(S101)および一対の外側スロット部(S102)にボンド磁石(100)となる溶融樹脂を射出することにより、ブリッジ部(111)の内側だけでなく外側にも射出圧力を加えることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)が、上記内側スロット部(S101)の横断面積(S1)よりも小さくなっていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第2の発明では、ボンド磁石(100)の射出成形の際の外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率が内側スロット部(S101)への溶融樹脂の射出率よりも小さい場合に、内側スロット部(S101)および外側スロット部(S102)における充填率の増加速度の差を小さくすることができるので、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)が、上記内側のスロット部(S101)の横断面積(S1)の半分に対応する面積になっていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第3の発明では、ボンド磁石(100)の射出成形の際の外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率が内側スロット部(S101)への溶融樹脂の射出率の半分に対応する射出率である場合に、内側スロット部(S101)および外側スロット部(S102)における充填率の増加速度の差を小さくすることができるので、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができる。
第4の発明は、上記第1の発明において、上記内側スロット部(S101)の横断面積(S1)と上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)との面積比が、上記ボンド磁石(100)の射出成形の際の該内側スロット部(S101)への該ボンド磁石(100)となる溶融樹脂の射出率と該外側スロット部(S102)への該溶融樹脂の射出率との比に対応していることを特徴とする回転電気機械である。
上記第4の発明では、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、内側スロット部(S101)および外側スロット部(S102)における充填率の増加速度の差を小さくすることができるので、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができる。
第5の発明は、上記第1〜第4の発明のいずれか1つにおいて、上記複数の磁石スロット(S100)の各々に設けられた上記一対のブリッジ部(111)が、該磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第5の発明では、ブリッジ部(111)の延伸長さを短くすることができるので、ブリッジ部(111)のせん断応力に対する耐性を強化することができる。
第6の発明は、上記第1の発明において、上記内側スロット部(S101)が、上記一対のブリッジ部(111)の間に設けられたn個の内部ブリッジ部(112)によって(n+1)個の内部スロット部(S103)に区画されていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第6の発明では、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、複数の磁石スロット(S100)の各々において、一対の外側スロット部(S102)および(n+1)個の内部スロット部(S103)にボンド磁石(100)となる溶融樹脂を射出することにより、ブリッジ部(111)の内側だけでなく外側にも射出圧力を加えることができるとともに、内部ブリッジ部(112)の両側面に射出圧力を加えることができる。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)が、上記内部スロット部(S103)の横断面積(S3)よりも小さくなっていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第7の発明では、ボンド磁石(100)の射出成形の際の外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率が内部スロット部(S103)への溶融樹脂の射出率よりも小さい場合に、外側スロット部(S102)および内部スロット部(S103)における充填率の増加速度の差を小さくすることができるので、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるとともに、内部ブリッジ部(112)の両側面の間の圧力差を小さくすることができる。
第8の発明は、上記第7の発明において、上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)が、上記内部スロット部(S103)の横断面積(S3)の半分に対応する面積になっていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第8の発明では、ボンド磁石(100)の射出成形の際の外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率が内部スロット部(S103)への溶融樹脂の射出率の半分に対応する射出率である場合に、外側スロット部(S102)および内部スロット部(S103)における充填率の増加速度の差を小さくすることができるので、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるとともに、内部ブリッジ部(112)の両側面の間の圧力差を小さくすることができる。
第9の発明は、上記第6の発明において、上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)と上記内部スロット部(S103)の横断面積(S3)との面積比が、上記ボンド磁石(100)の射出成形の際の該外側スロット部(S102)への該ボンド磁石(100)となる溶融樹脂の射出率と該内部スロット部(S103)への該溶融樹脂の射出率との比に対応していることを特徴とする回転電気機械である。
上記第9の発明では、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、外側スロット部(S102)および内部スロット部(S103)における充填率の増加速度の差を小さくすることができるので、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるとともに、内部ブリッジ部(112)の両側面の間の圧力差を小さくすることができる。
第10の発明は、上記第6〜第9の発明のいずれか1つにおいて、上記複数の磁石スロット(S100)の各々に設けられた上記一対のブリッジ部(111)および上記n個の内部ブリッジ部(112)が、該磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第10の発明では、ブリッジ部(111)および内部ブリッジ部(112)の延伸長さを短くすることができるので、ブリッジ部(111)および内部ブリッジ部(112)のせん断応力に対する耐性を強化することができる。
第11の発明は、複数の磁石スロット(S100)が形成されたロータコア(101)を有し、該複数の磁石スロット(S100)の各々が、一対のブリッジ部(111)により両側壁部が構成された内側スロット部(S101)と、該一対のブリッジ部(111)から該ロータコア(101)の外縁へ延びて開口する一対の外側スロット部(S102)とに区画され、該内側スロット部(S101)および該一対の外側スロット部(S102)に、ボンド磁石(100)が充填されているロータ(11)を製造する方法であって、上記ロータコア(101)を成形金型(50)にセットするセット工程と、上記成形金型(50)にセットされたロータコア(101)の複数の磁石スロット(S100)の各々において、上記内側スロット部(S101)への上記ボンド磁石(100)となる溶融樹脂の射出率と上記外側スロット部(S102)への該溶融樹脂の射出率との比が、該内側スロット部(S101)の横断面積(S1)と該外側スロット部(S102)の横断面積(S2)との面積比に対応するように、該内側スロット部(S101)および該外側スロット部(S102)に該溶融樹脂を射出する射出工程とを備えていることを特徴とするロータ製造方法である。
上記第11の発明では、射出工程においてブリッジ部(111)の内側だけでなく外側にも射出圧力が加えられることになる。また、射出工程においてブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができる。
第12の発明は、複数の磁石スロット(S100)が形成されたロータコア(101)を有し、該複数の磁石スロット(S100)の各々が、一対のブリッジ部(111)により両側壁部が構成された内側スロット部(S101)と、該一対のブリッジ部(111)から該ロータコア(101)の外縁へ延びて開口する一対の外側スロット部(S102)とに区画され、該内側スロット部(S101)が、該一対のブリッジ部(111)の間に設けられたn個の内部ブリッジ部(112)によって(n+1)個の内部スロット部(S103)に区画され、該一対の外側スロット部(S102)および該(n+1)個の内部スロット部(S103)に、ボンド磁石(100)が充填されているロータ(11)を製造する方法であって、上記ロータコア(101)を成形金型(50)にセットするセット工程と、上記成形金型(50)にセットされたロータコア(101)の複数の磁石スロット(S100)の各々において、上記外側スロット部(S102)への上記ボンド磁石(100)となる溶融樹脂の射出率と上記内部スロット部(S103)への該溶融樹脂の射出率との比が、該外側スロット部(S102)の横断面積(S2)と該内部スロット部(S103)の横断面積(S3)との面積比に対応するように、該外側スロット部(S102)および該内部スロット部(S103)に該溶融樹脂を射出する射出工程とを備えていることを特徴とするロータ製造方法である。
上記第12の発明では、射出工程において、ブリッジ部(111)の内側だけでなく外側にも射出圧力が加えられることになる。また、内部ブリッジ部(112)の両側面に射出圧力が加えられることになる。さらに、射出工程において、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるとともに、内部ブリッジ部(112)の両側面の間の圧力差を小さくすることができる。
第1の発明によれば、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、ブリッジ部(111)の内側だけでなく外側にも射出圧力を加えることができるので、ボンド磁石(100)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形を抑制することができる。
第2,第3,第4の発明によれば、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるので、ボンド磁石(100)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形をさらに抑制することができる。
第5の発明によれば、ブリッジ部(111)のせん断応力に対する耐性を強化することができるので、ボンド磁石(100)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形をさらに抑制することができる。
第6の発明によれば、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、ブリッジ部(111)の内側だけでなく外側にも射出圧力を加えることができるとともに、内部ブリッジ部(112)の両側面に射出圧力を加えることができるので、ボンド磁石(100)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形を抑制することができる。
第7,第8,第9の発明によれば、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、ブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるとともに、内部ブリッジ部(112)の両側面の間の圧力差を小さくすることができるので、ボンド磁石(100)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形をさらに抑制することができる。
第10の発明によれば、ブリッジ部(111)および内部ブリッジ部(112)のせん断応力に対する耐性を強化することができるので、ボンド磁石(100)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形をさらに抑制することができる。
第11の発明によれば、射出工程においてブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるので、ボンド磁石(100)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形を抑制することができる。
第12の発明によれば、射出工程においてブリッジ部(111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるとともに、内部ブリッジ部(112)の両側面の間の圧力差を小さくすることができるので、ボンド磁石(100)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形を抑制することができる。
回転電気機械を備えた圧縮機の構成例について説明するための縦断面図。 回転電気機械の構成例について説明するための横断面図。 ロータの構成例について説明するための横断面図。 ロータの要部について説明するための拡大図。 成形金型の構成例について説明するための縦断面図。 成形金型の下型について説明するための平面図。 成形金型の要部について説明するための拡大図。 ロータの変形例1について説明するための横断面図。 ロータの変形例1の要部について説明するための拡大図。 ロータの変形例2について説明するための横断面図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(圧縮機)
図1は、この発明の実施形態による回転電気機械(10)を備えた圧縮機(1)の構成例を示している。圧縮機(1)は、例えば、空気調和機(図示を省略)に用いられ、空気調和機の室外機(図示を省略)に設置されている。圧縮機(1)は、回転電気機械(10)の他に、駆動軸(20)と、圧縮機構(30)と、ケーシング(40)とを備えている。回転電気機械(10)は、ロータ(11)と、ロータ(11)が挿通されるステータ(12)とを備えている。この例では、回転電気機械(10)は、電動機(より具体的には、埋込磁石型モータ)を構成している。回転電気機械(10)は、ケーシング(40)に収容され、駆動軸(20)を介して圧縮機構(30)を駆動するために用いられている。圧縮機構(30)は、スクロール型圧縮機構やロータリ型圧縮機構であっても良いし、その他の圧縮機構であっても良い。
(回転電気機械)
図2は、回転電気機械(10)の横断面を示している。以下の説明において、「軸方向」は、駆動軸(20)の軸心(O)の方向のことであり、「径方向」は、駆動軸(20)の軸方向と直交する方向のことであり、「外周側」は、軸心(O)からより遠い側のことであり、「内周側」は、軸心(O)により近い側のことである。また、「縦断面」は、軸方向に沿った断面のことであり、「横断面」は、軸方向に直交する断面のことである。回転電気機械(10)は、ロータ(11)と、ステータ(12)とを備えている。
〔ステータ〕
ステータ(12)は、円筒状のステータコア(201)と、コイル(202)とを備えている。
〈ステータコア〉
ステータコア(201)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作製し、複数の積層板を軸方向に積層することにより構成された積層コアである。ステータコア(201)は、バックヨーク部(211)と、複数(この例では、6つ)のティース部(212,212,…)と、複数(この例では、6つ)のツバ部(213,213,…)とを備えている。バックヨーク部(211)は、ステータコア(201)の外周部に形成され、円環状に形成されている。バックヨーク部(211)の外周は、ケーシング(40)の内面に固定されている。ティース部(212)は、バックヨーク部(211)の内周面から径方向に伸びる直方体状に形成されている。ティース部(212,212,…)の間には、コイル(202)が収容されるコイル用スロット(214,214,…)が形成されている。ツバ部(213)は、ティース部(212)の内周側に連続形成されている。ツバ部(213)は、ティース部(212)よりも幅(周方向の長さ)が大きく構成され、内周側の面が円筒面に形成されている。ツバ部(213)の円筒面は、ロータ(11)の外周面(円筒面)と所定の距離(エアギャップ(G))を隔てて対向している。
〈コイル〉
コイル(202)は、いわゆる集中巻方式により、ティース部(212)に巻回されている。すなわち、1つのティース部(212)ごとにコイル(202)が巻回され、巻回されたコイル(202)は、コイル用スロット(214)内に収容されている。これにより、ティース部(212,212,…)の各々において電磁石が形成されている。
〔ロータ〕
次に、図3を参照して、ロータ(11)について説明する。ロータ(11)は、円柱状に形成されたロータコア(101)と、複数(この例では、12個)のボンド磁石(100,100,…)とを有している。
〈ロータコア〉
ロータコア(101)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作製し、複数の積層板を軸方向に積層することにより構成されている。ロータコア(101)の中心には、軸穴(S110)が形成されている。軸穴(S110)には、焼き嵌めなどによって駆動軸(20)が固定されている。また、ロータコア(101)には、複数(この例では、4つ)の磁石スロット(S100,S100,…)が形成されている。
《磁石スロット》
磁石スロット(S100,S100,…)は、軸心(O)回りに所定のピッチ(この例では、90°ピッチ)でロータコア(101)に形成されている。磁石スロット(S100)は、ロータコア(101)を軸方向に貫通し、磁石スロット(S100)の外周端部は、開口している。この例では、磁石スロット(S100)の横断面形状は、内周側が凸となる円弧状(より具体的には、ロータコア(101)の外部の点(P)を中心とする円弧状)に形成されている。また、磁石スロット(S100,S100,…)の各々は、一対のブリッジ部(111,111)によって、内側スロット部(S101)と、一対の外側スロット部(S102,S102)とに区画されている。
−ブリッジ部−
一対のブリッジ部(111,111)は、磁石スロット(S100)の内周壁部(径方向内周側の壁部)と外周壁部(径方向外周側の壁部)とを連結している。
−内側スロット部−
内側スロット部(S101)は、磁石スロット(S100)の中央部に配置され、ロータコア(101)の径方向と交差するように延びている。内側スロット部(S101)の両側壁部(内側スロット部(S101)の内周壁部と外周壁部とを連結する一対の側壁部)は、一対のブリッジ(111,111)によって構成されている。すなわち、内側スロット部(S101)の両側壁部は、一対のブリッジ部(111,111)によって閉塞されている。
−外側スロット部−
一対の外側スロット部(S102,S102)は、内側スロット部(S101)の両側壁部にそれぞれ隣接している。一対の外側スロット部(S102,S102)は、一対のブリッジ部(111,111)からロータコア(101)の外縁へ延びて開口している。すなわち、外側スロット部(S102)の延伸方向の基端側の側壁部は、ブリッジ部(111)によって構成され、外側スロット部(S102)の延伸方向の先端側の側壁部は、開口している。
〈ボンド磁石〉
磁石スロット(S100,S100,…)の各々において、ボンド磁石(100,100,100)は、内側スロット部(S101)および一対の外側スロット部(S102,S102)にそれぞれ充填されている。ボンド磁石(100,100,100)は、磁性粉末(例えば、ネオジム鉄ボロン系の磁石やフェライト磁石などの粉末)を含有する溶融樹脂を、内側スロット部(S101)および一対の外側スロット部(S102,S102)に射出して固化すること(すなわち、射出成形)により形成されている。
〔ロータの要部〕
次に、図4を参照して、ロータ(11)の要部について説明する。なお、説明の便宜上、図4では、ボンド磁石(100,100,…)の図示を省略している。
磁石スロット部(S100,S100,…)の各々において、内側スロット部(S101)の横断面積(S1)(ロータコア(101)の軸方向と直交する断面の開口面積)と外側スロット部(S102)の横断面積(S2)との面積比(以下、内外スロット部(S101,S102)の面積比と表記)は、ボンド磁石(100)の射出成形の際の内側スロット部(S101)への溶融樹脂の射出率(単位時間当たりに射出される溶融樹脂の体積)と外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率との比(以下、内外スロット部(S101,S102)の射出率比と表記)に対応していることが好ましい。例えば、外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率が内側スロット部(S101)への溶融樹脂の射出率よりも小さい場合、外側スロットの横断面積(S2)は、内側スロット部(S101)の横断面積(S1)よりも小さくなっていることが好ましい。換言すれば、内外スロット部(S101,S102)の面積比は、内外スロット部(S101,S102)の射出率比に正の数(ゼロよりも大きい数)を乗算して得られる比になっていることが好ましい。
さらに詳しく説明すると、内外スロット部(S101,S102)の面積比は、内外スロット部(S101,S102)の射出率比に一致していることがより好ましい。例えば、内外スロット部(S101,S102)の射出率比が2:1である場合、内外スロット部(S101,S102)の面積比も2:1になっていることが好ましい。
この例では、外側スロット部(S102)のスロット幅(W2)は、内側スロット部(S101)のスロット幅(W1)と同幅であり、外側スロット部(S102)のスロット長さ(L2)は、内側スロット部(S101)のスロット長さ(L1)よりも短くなっている。より具体的には、外側スロット部(S102)の横断面積(S2)は、内側のスロット部(S101)の横断面積(S1)の半分の面積になっている。すなわち、一対のブリッジ部(111,111)は、磁石スロット(S100)を1:2:1に内分する位置に配置されている。
また、磁石スロット(S100,S100,…)の各々に設けられた一対のブリッジ部(111,111)は、その磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びていることが好ましい。この例では、ブリッジ部(111)は、ロータコア(101)の外部の点(P)へ向けて、磁石スロット(S100)の内周壁部から外周壁部まで延びている。
〔成形金型〕
次に、図5,図6,図7を参照して、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際に使用される成形金型(50)について説明する。成形金型(50)は、上型(51)と、下型(52)とによって構成されている。なお、図5は、図6のV-V線における断面に対応している。
〈上型〉
図5のように、上型(51)は、注入口(501)と、スプールランナ(502)と、複数のゲート(503,503,…)とを有している。注入口(501)には、溶融樹脂が注入される。スプールランナ(502)は、注入口(501)に注入された溶融樹脂をゲート(503,503,…)に供給する。ゲート(503,503,…)は、スプールランナ(502)から供給された溶融樹脂を射出する。また、ゲート(503,503,…)は、ロータコア(101)の内側スロット部(S101,S101,…)および外側スロット部(S102,S102,…)にそれぞれ対応している。この例では、4つの内側スロット部(S101,S101,…)にそれぞれ対応する4つのゲート(503,503,…)と、8つの外側スロット部(S102,S102,…)にそれぞれ対応する8つのゲート(503,503,…)とが設けられている。
〈下型〉
下型(52)は、非磁性部材によって構成されている。また、下型(52)は、円形状に形成された凹部を有している。図6のように、下型(52)の凹部の内周には、円弧状に形成された複数(この例では、4つ)の永久磁石(504,504,…)と、円弧状に形成された複数(この例では、4つ)のポールピース(505,505,…)が設けられている。さらに、永久磁石(504,504,…)の内周には、円弧状に形成された複数(この例では、4つ)の接触部材(506,506,…)が設けられている。そして、下型(52)の凹部の底面とポールピース(505,505,…)の内周面および接触部材(506,506,…)の内周面とによって、ロータコア(101)を収容するためのロータコア収容部(500)が構成されている。
《永久磁石》
永久磁石(504)は、永久磁石(504)の周方向の一端がN極となるとともに周方向の他端がS極となるように、周方向に磁化されている。また、永久磁石(504,504,…)は、N極同士およびS極同士が対向するように、所定のピッチ(この例では、90°ピッチ)で下型(52)の凹部の内周面に固定されている。
《ポールピース》
ポールピース(505)は、磁性材料(例えば、鉄など)によって構成されている。また、ポールピース(505,505,…)は、永久磁石(504,504,…)の間にそれぞれ配置されるように、下型(52)の凹部の内周面に固定されている。図7のように、ポールピース(505,505,…)の内周面は、ロータコア収容部(500)に収容されたロータコア(101)の外周面に所定の間隔(エアギャップ(G500))を隔てて対向するように、ロータコア(101)の半径よりも大きい曲率半径を有する円筒面状に形成されている。
《接触部材》
接触部材(506)は、非磁性材料(例えば、ステンレスなど)によって構成されている。また、接触部材(506,506,…)は、永久磁石(504,504,…)の内周面にそれぞれ固定されている。図7のように、接触部材(506,506,…)の内周面は、ロータコア収容部(500)に収容されたロータコア(101)の外周面に接触して磁石スロット(S100,S100,…)の外周端部(開口端部)を閉塞することができるように、ロータコア(101)の半径と同等の曲率半径を有する円筒面状に形成されている。
〔ロータの製造工程〕
次に、成形金型(50)を用いたロータ(11)の製造工程について説明する。
〈セット工程〉
まず、ポールピース(505,505,…)の内周面がロータコア(101)の外周面(より具体的には、ロータ(11)の磁極となる部分)に所定の間隔を隔てて対向するとともに、接触部材(506,506,…)の内周面がロータコア(101)の磁石スロット(S100,S100,…)の外周端部を閉塞するように、下型(52)のロータコア収容部(500)にロータコア(101)が収容される。なお、ロータコア(101)の軸方向の一方の開口端部は、ロータコア収容部(500)の底面によって閉塞されている。次に、ゲート(503,503,…)がロータコア(101)の内側スロット部(S101,S101,…)および外側スロット部(S102,S102,…)の軸方向の他方の開口端部にそれぞれ対向するように、上型(51)と下型(52)とが重ね合わされる。
〈射出工程〉
次に、射出ユニット(図示を省略)によって、上型(51)の注入口(501)にボンド磁石(100,100,…)となる溶融樹脂が注入される。注入口(501)に注入された溶融樹脂は、スプールランナ(502)を経由してゲート(503,503,…)からロータコア(101)の内側スロット部(S101,S101,…)および外側スロット部(S102,S102,…)にそれぞれ射出される。このとき、磁石スロット(S100,S100,…)の各々において、内外スロット部(S101,S102)の射出率比が内外スロット部(S101,S102)の面積比に対応するように、内側スロット部(S101)および一対の外側スロット部(S102,S102)に溶融樹脂が射出されることになる。
なお、ゲート(503)の開口面積を調整することにより、ゲート(503)から射出される溶融樹脂の射出率を調整することが可能である。例えば、内側スロット部(S101)に対向するゲート(503)の開口面積と外側スロット部(S102)に対向するゲート(503)の開口面積との比を2:1に設定することにより、内側スロット部(S101)への溶融樹脂の射出率と外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率との比を2:1にすることができる。または、内側スロット部(S101)に対向するゲート(503)に通じるスプールの断面積と外側スロット部(S102)に対向するゲート(503)に通じるスプールの断面積との比を2:1に設定することにより、内側スロット部(S101)への溶融樹脂の射出率と外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率との比を2:1にすることができる。
ロータコア(101)の内側スロット部(S101,S101,…)および外側スロット部(S102,S102,…)への溶融樹脂の充填が完了すると、溶融樹脂が固化される。このようにして、ボンド磁石(100,100,…)が形成される。また、永久磁石(504,504,…)からポールピース(505,505,…)を通過してロータコア(101)のボンド磁石(100,100,…)に向かう磁束により、ボンド磁石(100,100,…)の磁場配向および着磁が行われる。
〈取り外し工程〉
次に、上型(51)と下型(52)とが分離され、下型(52)のロータコア収容部(500)からロータ(11)(すなわち、磁石スロット(S100,S100,…)にボンド磁石(100,100,…)が充填されたロータコア(101))が取り外される。このようにして、ロータ(11)が製造される。
〔ブリッジ部に加えられる圧力〕
次に、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際に、ブリッジ部(111,111)に加えられる圧力について説明する。ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際、ブリッジ部(111,111)の内側に作用する圧力は、内側スロット部(S101)の充填率(内側スロット部(S101)の容積に対して内側スロット部(S101)に注入された溶融樹脂の体積が占める割合)に依存し、ブリッジ部(111,111)の外側に作用する圧力は、外側スロット部(S102)の充填率(外側スロット部(S102)の容積に対して外側スロット部(S102)に注入された溶融樹脂の体積が占める割合)に依存している。例えば、内側スロット部(S101)の充填率が高くなるほど、ブリッジ部(111,111)の内側に作用する圧力が大きくなる。また、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際、内側スロット部(S101)および外側スロット部(S102,S102)における充填率の増加速度の差(以下、内外スロット部(S101,S102)の充填率の増加速度差と表記)が大きくなるほど、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際のブリッジ部(111,111)の内側と外側との間の圧力差が大きくなることになる。
〔効果〕
以上のように、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際に、磁石スロット(S100,S100,…)の各々において、内側スロット部(S101)および一対の外側スロット部(S102,S102)にボンド磁石(100,100,100)となる溶融樹脂を射出することにより、ブリッジ部(111,111)の内側だけでなく外側にも射出圧力を加えることができる。これにより、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形を抑制することができ、ロータ(11)とステータ(12)との間のエアギャップ(G)の精度劣化を抑制することが可能となる。
また、磁石スロット(S100,S100,…)の各々において、磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びるように一対のブリッジ部(111,111)を形成することにより、ブリッジ部(111,111)の延伸長さを短くすることができる。これにより、ブリッジ部(111,111)のせん断応力に対する耐性を強化することができ、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形をさらに抑制することができる。
さらに、内外スロット部(S101,S102)の面積比と内外スロット部(S101,S102)の射出率比とを互いに対応させることにより、ボンド磁石(100)の射出成形の際に、内外スロット部(S101,S102)の充填率の増加速度差を小さくすることができる。より詳しく説明すると、内外スロット部(S101,S102)の面積比が内外スロット部(S101,S102)の射出率比に近くなるほど、内外スロット部(S101,S102)の充填率の増加速度差が小さくなり、内外スロット部(S101,S102)の面積比を内外スロット部(S101,S102)の射出率比に一致させることにより、内外スロット部(S101,S102)の充填率の増加速度差を最小(例えば、ゼロ)にすることができる。
このように、内外スロット部(S101,S102)の面積比と内外スロット部(S101,S102)の射出率比とを互いに対応させることにより、内外スロット部(S101,S102)の充填率の増加速度差を小さくすることができるので、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際のブリッジ部(111,111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができる。特に、内外スロット部(S101,S102)の面積比を内外スロット部(S101,S102)の射出率比に一致させることにより、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際のブリッジ部(111,111)の内側と外側との間の圧力差を最小(例えば、ゼロ)にすることができる。このように、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際のブリッジ部(111,111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるので、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形をさらに抑制することができる。
例えば、外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率が内側スロット部(S101)への溶融樹脂の射出率の半分である場合(外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率が内側スロット部(S101)への溶融樹脂の射出率よりも小さい場合)、外側スロット部(S102)の横断面積(S2)を内側スロット部(S101)の横断面積(S1)よりも小さくすることにより、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際のブリッジ部(111,111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができ、特に、外側スロット部(S102)の横断面積(S2)を内側のスロット部(S101)の横断面積(S1)の半分の面積にすることにより、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際のブリッジ部(111,111)の内側と外側との間の圧力差を最小にすることができる。
〔効果の具体例〕
ここで、ロータコア(101)を図3のように構成した場合の効果について具体的に説明する。図3に示したロータコア(101)では、外側スロット部(S102)の横断面積(S2)が、内側のスロット部(S101)の横断面積(S1)の半分の面積であり、一対のブリッジ部(111,111)が、磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びている。ロータコア(101)を図3のように構成することにより、一対のブリッジ部(111,111)がロータコア(101)の外縁部に設けられている場合(例えば、特許文献1の場合)よりも、ブリッジ部(111)の最大変位量を約0.25倍にすることができ、ブリッジ部(111)に加えられる最大応力を約0.4倍にすることができる。
(ロータコアの変形例1)
図8のように、磁石スロット(S100,S100,…)の各々において、内側スロット部(S101)は、一対のブリッジ部(111,111)の間に設けられたn個(nは、自然数、この例では、n=2)の内部ブリッジ部(112,112)によって(n+1)個の内部スロット部(S103,S103,S103)に区画されていても良い。
〔ロータコアの要部〕
図9のように、磁石スロット部(S100,S100,…)の各々において、外側スロット部(S102)の横断面積(S2)と内部スロット部(S103)の横断面積(S3)との面積比は、外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率と内部スロット部(S103)への溶融樹脂の射出率との比に対応していることが好ましい。なお、説明の便宜上、図9では、ボンド磁石(100,100,…)の図示を省略している。
この例では、外側スロット部(S102)のスロット幅(W2)は、内部スロット部(S103)のスロット幅(W3)と同幅であり、外側スロット部(S102)のスロット長さ(L2)は、内部スロット部(S103)のスロット長さ(L3)よりも短くなっている。より具体的には、外側スロット部(S102)の横断面積(S2)は、内部スロット部(S103)の横断面積(S3)の半分の面積になっている。すなわち、一対のブリッジ部(111,111)および2つの内部ブリッジ部(112,112)は、磁石スロット(S100)を1:2:2:2:1に内分する位置に配置されている。
また、磁石スロット(S100,S100,…)の各々に設けられた一対のブリッジ部(111,111)およびn個の内部ブリッジ部(112,112)は、その磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びていることが好ましい。この例では、ブリッジ部(111)および内部ブリッジ部(112)は、ロータコア(101)の外部の点(P)へ向けて、磁石スロット(S100)の内周壁部から外周壁部まで延びている。
〔ロータの製造工程〕
図8に示したロータ(11)の製造工程では、ロータコア(101)の外側スロット部(S102,S102,…)および内部スロット部(S103,S103,…)にそれぞれ対応するように20個のゲート(503,503,…)が形成された下型(52)が用いられる。また、図8に示したロータ(11)の製造工程のうち射出工程では、磁石スロット(S100,S100,…)の各々において、外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率と内部スロット部(S103)への溶融樹脂の射出率との比が、外側スロット部(S102)の横断面積(S2)と内部スロット部(S103)の横断面積(S3)との面積比に対応するように、外側スロット部(S102,S102)および内部スロット部(S103,S103,…)に溶融樹脂が射出されることになる。その他の工程は、図3に示したロータ(11)の製造工程と同様である。
〔効果〕
図8に示したロータ(11)によれば、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際に、磁石スロット(S100,S100,…)の各々において、外側スロット部(S102,S102)および内部スロット部(S103,S103)にボンド磁石(100,100,…)となる溶融樹脂を射出することにより、ブリッジ部(111,111)の内側だけでなく外側にも射出圧力を加えることができるとともに、内部ブリッジ部(112,112)の両側面に射出圧力を加えることができる。これにより、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形を抑制することができる。
また、磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びるようにブリッジ部(111,111)および内部ブリッジ部(112,112)を形成することにより、ブリッジ部(111,111)および内部ブリッジ部(112,112)の延伸長さを短くすることができる。これにより、ブリッジ部(111,111)および内部ブリッジ部(112,112)のせん断応力に対する耐性を強化することができ、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形をさらに抑制することができる。
さらに、外側スロット部(S102)の横断面積(S2)と内部スロット部(S103)の横断面積(S3)との面積比と、外側スロット部(S102)への溶融樹脂の射出率と内部スロット部(S103)への溶融樹脂の射出率との比とを互いに対応させることにより、外側スロット部(S102,S102)および内部スロット部(S103,S103)における充填率の増加速度の差を小さくすることができる。これにより、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形の際のブリッジ部(111,111)の内側と外側との間の圧力差を小さくすることができるとともに、内部ブリッジ部(112,112)の両側面の間の圧力差を小さくすることができるので、ボンド磁石(100,100,…)の射出成形に伴うロータコア(101)の変形をさらに抑制することができる。
(ロータコアの変形例2)
図10のように、ロータ(11)の磁極毎に複数(この例では、3つ)の磁石スロット(S100,S100,S100)が径方向に形成されていても良い。
〔その他の実施形態〕
なお、磁石スロット(S100)の断面形状は、円弧状に限らず、他の形状(例えば、U字状,V字状,直線状など)であっても良い。
以上の説明において、回転電気機械(10)が電動機(より具体的には、埋込磁石型モータ)を構成している場合を例に挙げたが、回転電気機械(10)は、発電機を構成するものであっても良い。
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、上述の回転電気機械は、圧縮機に用いられる電動機などとして有用である。
1 圧縮機
10 回転電気機械
11 ロータ
12 ステータ
20 駆動軸
30 圧縮機構
40 ケーシング
100 ボンド磁石
101 ロータコア
111 ブリッジ部
112 内部ブリッジ部
S100 磁石スロット
S101 内側スロット部
S102 外側スロット部
S103 内部スロット部
50 成形金型
51 上型
52 下型
500 ロータ収容部
501 注入口
502 スプールランナ
503 ゲート
504 永久磁石
505 ポールピース
506 接触部材

Claims (12)

  1. 複数の磁石スロット(S100)が形成されたロータコア(101)を有するロータ(11)と、
    上記ロータ(11)が挿通されるステータ(12)とを備え、
    上記複数の磁石スロット(S100)の各々は、一対のブリッジ部(111)により両側壁部が構成された内側スロット部(S101)と、該一対のブリッジ部(111)から上記ロータコア(101)の外縁へ延びて開口する一対の外側スロット部(S102)とに区画され、
    上記内側スロット部(S101)および上記一対の外側スロット部(S102)には、ボンド磁石(100)が充填されている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1において、
    上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)は、上記内側スロット部(S101)の横断面積(S1)よりも小さくなっている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項2において、
    上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)は、上記内側のスロット部(S101)の横断面積(S1)の半分に対応する面積になっている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  4. 請求項1において、
    上記内側スロット部(S101)の横断面積(S1)と上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)との面積比は、上記ボンド磁石(100)の射出成形の際の該内側スロット部(S101)への該ボンド磁石(100)となる溶融樹脂の射出率と該外側スロット部(S102)への該溶融樹脂の射出率との比に対応している
    ことを特徴とする回転電気機械。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    上記複数の磁石スロット(S100)の各々に設けられた上記一対のブリッジ部(111)は、該磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  6. 請求項1において、
    上記内側スロット部(S101)は、上記一対のブリッジ部(111)の間に設けられたn個の内部ブリッジ部(112)によって(n+1)個の内部スロット部(S103)に区画されている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  7. 請求項6において、
    上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)は、上記内部スロット部(S103)の横断面積(S3)よりも小さくなっている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  8. 請求項7において、
    上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)は、上記内部スロット部(S103)の横断面積(S3)の半分に対応する面積になっている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  9. 請求項6において、
    上記外側スロット部(S102)の横断面積(S2)と上記内部スロット部(S103)の横断面積(S3)との面積比は、上記ボンド磁石(100)の射出成形の際の該外側スロット部(S102)への該ボンド磁石(100)となる溶融樹脂の射出率と該内部スロット部(S103)への該溶融樹脂の射出率との比に対応している
    ことを特徴とする回転電気機械。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項において、
    上記複数の磁石スロット(S100)の各々に設けられた上記一対のブリッジ部(111)および上記n個の内部ブリッジ部(112)は、該磁石スロット(S100)の外周面に対して法線方向に延びている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  11. 複数の磁石スロット(S100)が形成されたロータコア(101)を有し、該複数の磁石スロット(S100)の各々が、一対のブリッジ部(111)により両側壁部が構成された内側スロット部(S101)と、該一対のブリッジ部(111)から該ロータコア(101)の外縁へ延びて開口する一対の外側スロット部(S102)とに区画され、該内側スロット部(S101)および該一対の外側スロット部(S102)に、ボンド磁石(100)が充填されているロータ(11)を製造する方法であって、
    上記ロータコア(101)を成形金型(50)にセットするセット工程と、
    上記成形金型(50)にセットされたロータコア(101)の複数の磁石スロット(S100)の各々において、上記内側スロット部(S101)への上記ボンド磁石(100)となる溶融樹脂の射出率と上記外側スロット部(S102)への該溶融樹脂の射出率との比が、該内側スロット部(S101)の横断面積(S1)と該外側スロット部(S102)の横断面積(S2)との面積比に対応するように、該内側スロット部(S101)および該外側スロット部(S102)に該溶融樹脂を射出する射出工程とを備えている
    ことを特徴とするロータ製造方法。
  12. 複数の磁石スロット(S100)が形成されたロータコア(101)を有し、該複数の磁石スロット(S100)の各々が、一対のブリッジ部(111)により両側壁部が構成された内側スロット部(S101)と、該一対のブリッジ部(111)から該ロータコア(101)の外縁へ延びて開口する一対の外側スロット部(S102)とに区画され、該内側スロット部(S101)が、該一対のブリッジ部(111)の間に設けられたn個の内部ブリッジ部(112)によって(n+1)個の内部スロット部(S103)に区画され、該一対の外側スロット部(S102)および該(n+1)個の内部スロット部(S103)に、ボンド磁石(100)が充填されているロータ(11)を製造する方法であって、
    上記ロータコア(101)を成形金型(50)にセットするセット工程と、
    上記成形金型(50)にセットされたロータコア(101)の複数の磁石スロット(S100)の各々において、上記外側スロット部(S102)への上記ボンド磁石(100)となる溶融樹脂の射出率と上記内部スロット部(S103)への該溶融樹脂の射出率との比が、該外側スロット部(S102)の横断面積(S2)と該内部スロット部(S103)の横断面積(S3)との面積比に対応するように、該外側スロット部(S102)および該内部スロット部(S103)に該溶融樹脂を射出する射出工程とを備えている
    ことを特徴とするロータ製造方法。
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