JP6069992B2 - 磁石埋込型回転子の製造方法、及び磁石埋込型回転子 - Google Patents

磁石埋込型回転子の製造方法、及び磁石埋込型回転子 Download PDF

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Description

本発明は、磁石埋込型回転子の製造方法、及び磁石埋込型回転子に関し、特に、熱可塑性樹脂混合磁石材料をロータコアのスロットに射出成形で注入充填してボンド磁石を成形するものに関する。
従来、磁石埋込型(Interior Permanent Magnet)電動機では、ロータコアに複数のスロットを設け、これらのスロットに磁石を埋め込んで磁石埋込型回転子として、ロータ表面に磁石を貼り付けた表面貼付型回転子のように高回転時での磁石の飛散を防止している。
このような磁石埋込型回転子の製造には、従来、ロータコアの各スロットに熱可塑性樹脂混合磁石材料を射出成形で充填してボンド磁石を成形する技術がある。この技術は、例えば特許文献1では、成形金型の下型のロータコア収容部にロータコアを装着した後、上型の注入口(ゲート)から熱可塑性樹脂混合磁石材料を注入(射出)して、ロータコアの各スロットにボンド磁石を充填する構成が採用されている。
特開2003−47212号公報
しかしながら、上記従来の技術では、ロータコアを成形金型の下型のロータコア収容部に装着した場合、ロータコアの下端面は下型のロータコア収容部の上端面に面接触するだけである。このため、図8に示すように、ロータコア(95)と下型(96)とで囲まれるスロット(97)の下端部にボンド磁石(98)の充填不足Aが発生する可能性がある。特に、スロット(97)の下端部の外周端付近は角部に形成されているため、この下端部の外周端付近でボンド磁石(98)の充填不足が発生する可能性が高い。
一方、このようなスロット(97)の下端部外周端付近の角部は、減磁し易いため、ボンド磁石を十分に充填してパーミアンスを高めておく必要があるものの、スロット(97)の下端部外周端付近でボンド磁石(98)の充填不足が生じることは、磁力の低下を招き、好ましくない。
本発明は、これに鑑み、その目的は、ボンド磁石をスロットに十分に充填してボンド磁石のスロット端部での減磁の抑制、磁力低下の抑制を図って、トルク特性などの安定性を確保できる磁石埋込型回転子とその製造方法を提供することにある。
本出願の第1の発明の磁石埋込型回転子の製造方法は、回転電気機械のロータコア(30)に形成したスロット(33)に熱可塑性樹脂混合磁石材料を注入してボンド磁石(31)成形された磁石埋込型回転子を製造する製造方法であって、上記ロータコア(30)の回転軸方向の両端部のうち少なくとも一方には、該端部を塞ぐとともに、上記スロット(33)の少なくとも一部に対応する箇所に上記スロット(33)に開口する凹部(45)、(74)、(84)が形成された端板(40)、(71)、(81)、(91)を配置する工程と、上記端板(40)、(71)、(81)、(91)の凹部(45)、(74)、(84)に、上記スロット(33)に注入される熱可塑性樹脂混合磁石材料で上記ボンド磁石(31)の一部を成形する工程と、を備えていることを特徴とする。
この第1の発明では、ボンド磁石の射出成形時、ロータコアのスロットに注入された熱可塑性樹脂混合磁石材料は、更に、そのスロットの回転軸方向の端面から端板の凹部内に注入されることになる。従って、端板の凹部内においてボンド磁石の充填不足が生じたとしても、スロット内、特にそのスロットの減磁し易い端部にもボンド磁石が十分に充填されるので、従来のようにスロットの端部(隅部)でボンド磁石の充填不足は生じない。よって、このスロット端部での減磁や磁力低下を有効に抑制できると共に、磁石埋込型電動機のトルク特性などの安定性が所期通りに確保できる。
また、第2の発明は、上記請求項1記載の磁石埋込型回転子の製造方法において、上記端板(40)の凹部(45)は、上記スロット(33)の端面形状と同一形状に開口することを特徴とする。
この第2の発明では、端板の凹部の開口形状がスロットの端面形状と同一形状であるので、熱可塑性樹脂混合磁石材料の注入(射出)時には、スロットの回転軸方向の端部の中央部や隅部にボンド磁石が確実に注入されて、スロットの減磁し易い端部(隅部)でのボンド磁石の充填不足が有効に抑制される。
更に、第3の発明は、回転電気機械のロータコア(30)に形成したスロット(33)にボンド磁石(31)を備えた磁石埋込型回転子であって、上記ロータコア(30)の回転軸方向の両端部のうち少なくとも一方には、該端部を塞ぐ端板(71)が配置され、上記端板(71)には、上記スロット(33)の少なくとも一部に対応する箇所に上記スロット(33)に開口する凹部(74)が形成されて、上記端板(71)の凹部(74)には、上記ボンド磁石(31)の一部が配置され、上記端板(71)の凹部(74)は、上記スロット(33)の中央部(33b)のみに開口することを特徴とする。
加えて、第4の発明では、回転電気機械のロータコア(30)に形成したスロット(33)にボンド磁石(31)を備えた磁石埋込型回転子であって、上記ロータコア(30)の回転軸方向の両端部のうち少なくとも一方には、該端部を塞ぐ端板(81)が配置され、上記端板(81)には、上記スロット(33)の少なくとも一部に対応する箇所に上記スロット(33)に開口する凹部(84)が形成されて、上記端板(81)の凹部(84)には、上記ボンド磁石(31)の一部が配置され、上記端板(81)の凹部(84)は、上記スロット(33)の両端部(33a)のみに開口することを特徴とする。
この第3及び第4の発明では、端板の凹部の体積が少ないので、ボンド磁石の必要量を制限しながら、スロットの減磁し易い端部(隅部)でのボンド磁石の充填不足が有効に抑制される。
また、第5の発明では、上記請求項3または4に記載の磁石埋込型回転子において、上記端板(71)、(81)は、貫通孔を有する2枚の端板(70)、(80)よりなり、上記2枚の端板(70)、(80)のうち一方を他方に対して所定角度ずらして重ねて上記凹部(74)、(84)が形成されていることを特徴とする。
この第5の発明では、貫通孔を有する同一形状の2枚の端板を用いて凹部が形成されるので、凹部を持つ端板を作成する場合に比して、端板の構成を簡易にでき、またこの端板を安価に作成できる。
以上説明したように、本願の第1の発明によれば、ボンド磁石の射出成形時、熱可塑性樹脂混合磁石材料はスロット端面から端板の凹部内にも注入されるので、たとえ端板の凹部内においてボンド磁石の充填不足が生じたとしても、スロット内にはボンド磁石を十分に充填できるので、スロットの減磁し易い端部(隅部)での減磁や磁力低下を有効に抑制できると共に、磁石埋込型電動機のトルク特性などの安定性を所期通りに確保できる。
また、第2の発明によれば、端板の凹部の形状をスロットの端面形状と同一形状としたので、スロットの減磁し易い端部でのボンド磁石の充填不足を有効に抑制することが可能である。
更に、第3及び第4の発明によれば、端板に形成する凹部の体積を少なく制限したので、ボンド磁石の必要量を少量に制限しながら、スロットの減磁し易い端部でのボンド磁石の充填不足を有効に抑制できる。
加えて、第5の発明では、貫通孔を有する同一形状の2枚の端板を用いて凹部を形成したので、凹部を持つ1枚の端板を作成する場合に比して、端板の構成を簡易にでき、またこの端板を安価に作成できる。
図1は本発明の第1の実施形態の磁石埋込型回転子を持つ磁石埋込型電動機の構成を示す断面図である。 図2は同磁石埋込型回転子の分解斜視図である。 図3は同磁石埋込型回転子の磁石用スロット及び下端板の凹部へのボンド磁石の充填の様子を説明する断面図である。 図4は第2の実施形態の磁石埋込型回転子の分解斜視図である。 図5は同磁石埋込型回転子の磁石用スロット及び下端板の凹部へのボンド磁石の充填の様子を説明する断面図である。 図6は第3の実施形態の磁石埋込型回転子の分解斜視図である。 図7は第4の実施形態の磁石埋込型回転子の分解斜視図である。 図8は従来の磁石埋込型回転子のスロットへのボンド磁石の充填の様子を説明する断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、又はその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁石埋込型回転子を持つ磁石埋込型電動機の断面構成を示す。
同図において、磁石埋込型電動機(1)は、ステータ(2)と磁石埋込型回転子(3)と回転軸(4)とを備える。
上記ステータ(2)は、円筒状のステータコア(10)とコイル(11)とを備える。上記ステータコア(10)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作成し、複数の積層板を上記回転軸(4)の軸方向(回転軸(4)の軸心Oの方向、以下、軸方向という)に積層した積層コアであって、円環状のバックヨーク部(12)に回転軸中心0に向かって延びる直方体状の複数(同図では6つ)のティース部(13)と、該各ティース部(13)の内周側に形成されたツバ部(14)とを有する。そして、上記各ティース部(13)の外周には集中巻方式で上記コイル(11)が巻回されている。上記ツバ部(14)は、内周側の面が円筒面に形成され、この円筒面は磁石埋込型回転子(3)の外周面と所定のエアギャップ(G)をもって対向している。
そして、上記磁石埋込型回転子(3)は、中心に上記回転軸(4)が配置された円筒状のロータコア(30)と、このロータコア(30)内に埋め込まれた4つの円弧状の磁石(31)とを備えた4極構造である。この磁石埋込型回転子(3)の具体的構成を図2に示す。
図2は磁石埋込型回転子(3)の分解斜視図を示す。同図の磁石埋込型回転子(3)において、ロータコア(30)は、円盤状の薄板鋼板よりなる電磁鋼板(30a)を多数枚重ね合わせて構成される。上記各電磁鋼板(30a)には、中央部に回転軸(4)の軸孔(32)が形成されると共に、縁部に4つの円弧状の磁石用スロット(33)が該電磁鋼板(30a)の上下を貫通して形成される。各磁石用スロット(33)は、円弧状の両端部(33a)がロータコア(30)の外周側に位置し、円弧状の中央部(33b)が回転軸(4)に近接する形状である。上記各磁石用スロット(33)には、後述するように熱可塑性樹脂混合磁石材料を該各磁石用スロット(33)に注入(射出)することにより、該磁石用スロット(33)と同様の円弧状のボンド磁石(31)が埋め込まれる。
また、上記ロータコア(30)の下方には、該ロータコア(30)の下端面を覆う下端板(40)が位置する。上記下端板(40)には、上記ロータコア(30)の各電磁鋼板(30a)と同様に、中央部に回転軸(4)の軸孔(42)が形成されると共に、縁部に4つの円弧状の凹部(45)が形成される。上記各凹部(45)は、上記電磁鋼板(30a)の磁石用スロット(33)と同様に、下端板(40)の外周側に位置する両端部(45a)と、軸孔(42)に近接する中央部(45b)とを有して、これらの両端部(45a)及び中央部(45b)の位置が電磁鋼板(30a)の磁石用スロット(33)の両端部(33a)及び中央部(33b)に対峙して、ロータコア((30))の磁石用スロット(33)の下端開口形状と同一形状に開口、形成されている。
一方、上記ロータコア(30)の軸方向上方には、該ロータコア(30)の上端面を覆う上端板(50)が位置する。この上端板(50)も、上記下端板(40)と同様に、中央部に回転軸(4)の軸孔(52)が形成されるが、ボンド磁石(31)の射出成形時でのボンド磁石(31)の注入孔として、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)の上端開口形状と同一形状の4つの円弧状の貫通孔(53)が縁部に形成される。
上記下端板(40)及び上端板(50)は、各々、ロータコア(30)の各電磁鋼板(30a)の厚みよりも厚く形成されると共に、望ましくはアルミニウムなどの非磁性体によりダイカストで一体成形される。
そして、上記ロータコア(30)、下端板(40)及び上端板(50)には、各々、この三者を軸方向からかしめるかしめピン(図示せず)が挿入されるピン挿入孔(60)が縁部に等間隔に4箇所形成されている。
本実施形態では、4つの円弧状のボンド磁石(31)は、熱可塑性樹脂混合磁石材料の射出成形により形成される。この射出成形時には、上方から上端板(50)、ロータコア(30)、下端板(40)の順に位置付けた状態でかしめピンを各ピン挿入孔(60)に挿入してこれら全体をかしめた後、熱可塑性樹脂混合磁石材料を成形金型のゲートから上端板(50)の貫通孔(53)を通じてロータコア(30)の磁石用スロット(33)に注入(射出)して、円弧状のボンド磁石(31)が射出成形される。
ここで、注入された熱可塑性樹脂混合磁石材料は、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)内の空間だけでなく、下端板(40)の凹部(45)にも注入される。この下端板(40)の凹部(45)の上面開口形状は、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)の下端面形状と同一形状であるので、各磁石用スロット(33)に注入された熱可塑性樹脂混合磁石材料はそれら磁石用スロット(33)の回転軸方向の端面全体からこの端面に続く端板(40)の凹部(45)内に注入される。そして、この注入される熱可塑性樹脂混合磁石材料の体積はロータコア(30)の磁石用スロット(33)の全容積を越えるので、図3に示したように、たとえ下端板(40)の凹部(45)の両端部(45a)にボンド磁石(31)の充填不足が生じたとしても、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)にはボンド磁石(31)の充填不足は生じず、ボンド磁石(31)は十分に充填される。特に、下端板(40)の各凹部(45)の形状が円弧状であるので、射出成形時の雰囲気温度や熱可塑性樹脂混合磁石材料の温度の変化に影響されずにボンド磁石(31)の充填が安定する。
よって、射出成形された円弧状のボンド磁石(31)は、設計通りの形状に成形されて、減磁し易い磁石用スロット(33)の両端部(33a)でのボンド磁石(31)の十分な充填によりその減磁抑制が図られると共に、磁力低下が抑制され、更には、磁石埋込型電動機(1)のトルク特性が所望通りに安定する。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る磁石埋込型回転子(3)の分解斜視図を示す。
同図に示した磁石埋込型回転子(3)は、下端板の構成が図2の下端板(40)と異なる。同図の下端板では、2枚の端板(70)により下端板(71)が構成される。この各端板(70)は、中央部に回転軸(4)の軸孔(72)を有すると共に、4つの貫通孔(73)を有する。これらの貫通孔(73)は、各々、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)の中央部(33b)に対峙して開口する四角形状に形成される。この2枚の端板(70)のうち下側の端板(70)を上側の端板(70)に対して磁極ピッチの1/2だけ回転(本実施形態では45°回転)させた状態でこの2枚の端板(70)を重ね合わせて、上側の端板(70)の貫通孔(73)を下側の端板(70)の平板部分(貫通孔(73)以外の部分)で塞ぐことにより、下端板(71)に4つの凹部(74)が形成されている。
上記2枚の端板(70)は、一方を45°回転させて下端板(71)に凹部(74)を形成する構成であるので、各端板(70)には、縁部にピン挿入孔(60)が45°隔てて合計8つ形成されている。その他の構成は、上記第1の実施形態と同一であるので、同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、ボンド磁石(31)の射出成形時には、上端板(50)の各貫通孔(53)の両端部をゲート(g)として熱可塑性樹脂混合磁石材料が注入(射出)される。この注入された熱可塑性樹脂混合磁石材料は、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)内の空間をその両端部(33a)から中央部(33b)に向かって注入されると共に、この中央部(33b)から、この中央部(33b)のみに開口する下端板(71)の凹部(74)にも流出する。
従って、上記第1の実施形態と同様に、注入される熱可塑性樹脂混合磁石材料の体積はロータコア(30)の磁石用スロット(33)の全容積を越え、しかも磁石用スロット(33)内の充填不足が生じ易い左右両端部(33a)を最初に充填するので、図5に示したように、たとえ下端板(71)の凹部(74)の左右両端部(45a)にボンド磁石(31)の充填不足が生じたとしても、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)にはボンド磁石(31)の充填不足は生じず、ボンド磁石(31)は十分に充填される。従って、第1の実施形態と同様に、射出成形された円弧状のボンド磁石(31)は、設計通りの形状に成形されて、減磁し易い磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)でのボンド磁石(31)の十分な充填によりその減磁抑制が図られると共に、磁力低下が抑制され、更には、磁石埋込型電動機(1)のトルク特性が所望通りに安定する。また、ウェルドラインとなる中央部(33b)には下端板(71)に凹部(74)があるので、ロータコア(30)内部の磁石用スロット(33)内には充填不足は生じない。従って、一般的に着磁率(配向率)の低下する磁石中央部(最もロータ内部に位置する部分)に充填不足が発生せず、減磁を避けることができる。
しかも、本実施形態では、下端板(71)の凹部(74)はロータコア(30)の磁石用スロット(33)の中央部(33b)のみに開口するので、第1の実施形態のように磁石用スロット(33)の下面全体に開口する場合に比して、少ない熱可塑性樹脂混合磁石材料の容量でもって磁石用スロット(33)の減磁し易い左右両端部(33a)へのボンド磁石(31)の充填不足を解消することが可能である。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る磁石埋込型回転子(3)の分解斜視図を示す。
同図に示した磁石埋込型回転子(3)は、下端板の構成が図4の下端板(70)と異なる。同図の下端板では、2枚の端板(80)により下端板(81)を構成する点、及び、この各端板(80)に貫通孔(83)を形成する点は上記第2の実施形態と同様であるが、各貫通孔(83)は、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)の両端部(33a)に対峙して縁部に開口する四角形状に合計8つ形成される。そして、上記第2の実施形態と同様に、2枚の端板(80)のうち下側の端板(80)を上側の端板(80)に対して磁極ピッチの1/2だけ回転(本実施形態では90角度回転)させた状態でこの2枚の端板(80)を重ね合わせて、上側の端板(80)の貫通孔(83)を下側の端板(80)の平板部分(貫通孔(83)以外の部分)で塞ぐことにより、下端板(81)に8つの凹部(84)が形成されている。その他の構成は、上記第2の実施形態と同一である。
本実施形態では、ボンド磁石(31)の射出成形時には、上端板(50)の各貫通孔(53)の中央部をゲート(g)として熱可塑性樹脂混合磁石材料が注入(射出)される。この注入された熱可塑性樹脂混合磁石材料は、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)内の空間をその中央部(33b)から両端部(33a)に向かって注入されると共に、この両端部(33a)から、この両端部(33a)のみに開口する下端板(81)の凹部(84)にも流出する。
従って、上記第2の実施形態と同様に、注入される熱可塑性樹脂混合磁石材料の体積はロータコア(30)の磁石用スロット(33)の全容積を越え、しかも磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)からこの両端部(33a)に開口する下端板(81)の凹部(84)に熱可塑性樹脂混合磁石材料が更に注入されるので、たとえ下端板(81)の凹部(84)の左右両端部にボンド磁石(31)の充填不足が生じたとしても、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)にはボンド磁石(31)の充填不足は生じず、ボンド磁石(31)は十分に充填される。従って、第2の実施形態と同様に、射出成形された円弧状のボンド磁石(31)は、設計通りの形状に成形されて、減磁し易い磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)でのボンド磁石(31)の十分な充填によりその減磁抑制が図られると共に、磁力低下が抑制され、更には、磁石埋込型電動機(1)のトルク特性が所望通りに安定する。
しかも、本実施形態では、下端板(81)の凹部(84)はロータコア(30)の磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)のみに開口するので、第1の実施形態のように磁石用スロット(33)の下面全体に開口する場合に比して、少ない熱可塑性樹脂混合磁石材料の容量でもって磁石用スロット(33)の減磁し易い左右両端部(33a)へのボンド磁石(31)の充填不足を解消することが可能である。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る磁石埋込型回転子(3)の分解斜視図を示す。
同図に示した磁石埋込型回転子(3)は、2枚の端板(80)、(90)により下端板(91)が構成され、その上側の端板(80)は上記第3の実施形態の上側の端板(80)と同一構成である。一方、下側の端板(90)はバランスウエイトで構成される。このバランスウエイト(90)は、回転軸(4)が例えば空気調和機の圧縮機のように偏心したピストンを駆動する回転軸である場合に使用され、その中央部に回転軸(4)の軸孔(92)を有すると共に、図中下側半分には半円状のウエイト部(93)が、図中上側には縁部を残して半円状の空間部(94)が形成されている。そして、上側の端板(80)と下側の端板(バランスウエイト)(90)とを重ね合わせて、上側の端板(80)の縁部に位置する貫通孔(83)をバランスウエイト(90)の縁部で塞ぐことにより、下端板(91)に4つの凹部(84)が形成されている。
従って、本実施形態でも、上記第3の実施形態と同様に、少ない熱可塑性樹脂混合磁石材料の容量でもって、ロータコア(30)の磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)でのボンド磁石(31)の充填不足を抑制して、この磁石用スロット(33)の左右両端部(33a)での減磁抑制効果や磁力低下の抑制効果が得られると共に、磁石埋込型電動機(1)のトルク特性を所望通りに安定させることが可能である。
また、本実施形態では、下端板(91)の2枚の端板(80)、(90)のうち下側の端板(90)がバランスウエイト(90)により兼用されているので、磁石埋込型回転子(3)の重量を軽減することが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記第1〜第4の実施形態では、4極構造の磁石埋込型回転子(3)を例示して説明したが、本発明は6極構造や、8極以上の構造の磁石埋込型回転子に適用できるのは勿論である。
また、磁石(31)及びロータコア(30)の磁石用スロット(33)は、磁極当り1つの円弧状としたが、この円弧状を同心円状に複数個配置した構成を採用しても良い。また、これらの磁石(31)及びロータコア(30)の磁石用スロット(33)の形状は円弧状に限らず、直方体形状であっても良く、要は、下端板(40)、(71)、(81)、(91)の凹部(45)、(74)、(84)をロータコア(30)の磁石用スロット(33)の下面の一部又は全部に開口するように形成すれば良い。
更に、上記第1〜第4の実施形態では、ロータコア(30)の軸方向上側に上端板(50)を配置して、この上端板(50)とロータコア(30)と下端板(40)、(71)、(81)又は(91)とをかしめピンで締結したが、上端板(50)を配置せず、ロータコア(30)と下端板(40)、(71)、(81)又は(91)とをかしめピンで締結しても良い。
以上説明したように、本発明は、ロータコアのスロットに熱可塑性樹脂混合磁石材料が注入されてボンド磁石が成形された磁石埋込型回転子とその製造方法において、上記スロットの軸方向の端面の少なくとも一部に開口する凹部を有する端板を設けたので、ロータコアのスロット、特にそのスロットの減磁し易い端部にボンド磁石が十分に充填された磁石埋込型回転子を得ることができ、これを備えた磁石埋込型電動機に適用して有用である。
1 磁石埋込型電動機
2 ステータ
3 磁石埋込型回転子
4 回転軸
30 ロータコア
30a 積層鋼板
31 ボンド磁石
32 軸孔
33 磁石用スロット
33a 端部
33b 中央部
40、71、81、91 下端板
42、52、82、92 軸孔
45、74、84 凹部
50 上端板
53 貫通孔
g ゲート
60 ピン挿入孔
70、80 端板
73、83 貫通孔
90 バランスウエイト
93 ウエイト部
94 空間部

Claims (5)

  1. 回転電気機械のロータコア(30)に形成したスロット(33)に熱可塑性樹脂混合磁石材料を注入してボンド磁石(31)成形された磁石埋込型回転子を製造する製造方法であって、
    上記ロータコア(30)の回転軸方向の両端部のうち少なくとも一方には、該端部を塞ぐとともに、上記スロット(33)の少なくとも一部に対応する箇所に上記スロット(33)に開口する凹部(45)、(74)、(84)が形成された端板(40)、(71)、(81)、(91)を配置する工程と、
    上記端板(40)、(71)、(81)、(91)の凹部(45)、(74)、(84)に、上記スロット(33)に注入される熱可塑性樹脂混合磁石材料で上記ボンド磁石(31)の一部を成形する工程と、を備えている
    ことを特徴とする磁石埋込型回転子の製造方法
  2. 上記請求項1記載の磁石埋込型回転子の製造方法において、
    上記端板(40)の凹部(45)は、上記スロット(33)の端面形状と同一形状に開口する
    ことを特徴とする磁石埋込型回転子の製造方法
  3. 回転電気機械のロータコア(30)に形成したスロット(33)にボンド磁石(31)を備えた磁石埋込型回転子であって、
    上記ロータコア(30)の回転軸方向の両端部のうち少なくとも一方には、該端部を塞ぐ端板(71)が配置され、
    上記端板(71)には、上記スロット(33)の少なくとも一部に対応する箇所に上記スロット(33)に開口する凹部(74)が形成されて、
    上記端板(71)の凹部(74)には、上記ボンド磁石(31)の一部が配置され、
    上記端板(71)の凹部(74)は、上記スロット(33)の中央部(33b)のみに開口する
    ことを特徴とする磁石埋込型回転子。
  4. 回転電気機械のロータコア(30)に形成したスロット(33)にボンド磁石(31)を備えた磁石埋込型回転子であって、
    上記ロータコア(30)の回転軸方向の両端部のうち少なくとも一方には、該端部を塞ぐ端板(81)が配置され、
    上記端板(81)には、上記スロット(33)の少なくとも一部に対応する箇所に上記スロット(33)に開口する凹部(84)が形成されて、
    上記端板(81)の凹部(84)には、上記ボンド磁石(31)の一部が配置され、
    上記端板(81)の凹部(84)は、上記スロット(33)の両端部(33a)のみに開口する
    ことを特徴とする磁石埋込型回転子。
  5. 上記請求項3または4に記載の磁石埋込型回転子において、
    上記端板(71)、(81)は、貫通孔を有する2枚の端板(70)、(80)よりなり、
    上記2枚の端板(70)、(80)のうち一方を他方に対して所定角度ずらして重ねて上記凹部(74)、(84)が形成されている
    ことを特徴とする磁石埋込型回転子。
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