JP2016187283A - 磁石埋込型ロータ及び磁石埋込型ロータの製造方法 - Google Patents

磁石埋込型ロータ及び磁石埋込型ロータの製造方法 Download PDF

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Ryosuke Yamaguchi
良輔 山口
柴田 由之
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Abstract

【課題】分割コア間の隙間を極力減らすとともに分割コアの寸法管理を容易にすることのできる磁石埋込型ロータを提供する。【解決手段】ロータ4は、円筒状のロータコア40と、ロータコア40に埋め込まれる各永久磁石50,51とを備える。ロータコア40は、永久磁石50が埋め込まれた外側部分にN極を有する第1の分割コア41b、及び永久磁石51が埋め込まれた外側部分にS極を有する第2の分割コア42bがロータコア40の周方向に交互に隣接するように第1コア部材41及び第2コア部材42が組み付けられて構成されている。第1の分割コア41bの側面41fには、ロータコア40の軸方向一方側に傾斜する各側面41fが形成されている。第2の分割コア42bの第1の分割コア41bの側面41fに対向する側面42fにも、ロータコア40の軸方向他方側に傾斜する各側面42fが形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、磁石埋込型ロータ及び磁石埋込型ロータの製造方法に関する。
ロータの内部に界磁用の永久磁石を埋め込んだ構造からなるIPMモータ(Interior Permanent Magnet Motor)が知られている。このIPMモータに用いられる磁石埋込型ロータの製造方法としては、例えば特許文献1に記載の方法が知られている。特許文献1には、複数の分割コアが周方向に隣接するかたちで組み付けられることでロータコアを構成することが開示されている。
特開2014−207848号公報
ところで、特許文献1のロータコアでは、それぞれの分割コア同士の対向面がモータシャフトの軸方向に沿って形成されている。そのため、分割コアを組み付けた際の分割コア間の隙間を詰めようと寸法管理を厳しくすると分割コアの組み付け性が低下してしまう。一方、分割コアの組み付け性を向上しようと寸法管理を緩めると分割コアを組み付けた際の分割コア間の隙間が大きくなってしまう。すなわち、分割コアの組み付け性と分割コアを組み付けた際の分割コア間の隙間との間には、トレードオフの関係がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分割コア間の隙間を極力減らすとともに分割コアの寸法管理を容易にすることのできる磁石埋込型ロータ及び磁石埋込型ロータの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、磁石埋込型ロータは、円筒状のロータコアと、ロータコアに埋め込まれる永久磁石とを備える。また、ロータコアは、永久磁石が埋め込まれた外側部分にN極を有する第1の分割コア、及び永久磁石が埋め込まれた外側部分にS極を有する第2の分割コアがロータコアの周方向に交互に隣接するように組み付けられてなる。そして、第1の分割コアの第2の分割コアと対向する面の少なくとも1面は、ロータコアの軸方向一方側に向く傾斜面であり、第2の分割コアの第1の分割コアの傾斜面と対向する面は、ロータコアの軸方向他方側に向く傾斜面であることとした。
また、上記磁石埋込型ロータの製造方法について、永久磁石の埋め込み前の第1の分割コア又は第2の分割コアを金型に配置する第1の工程と、金型に配置された第1の分割コア又は第2の分割コアを対象に永久磁石を埋め込むために樹脂材料を射出する第2の工程とを含み、第2の工程において、樹脂材料の射出圧力により、金型に配置された第1の分割コア又は第2の分割コアを膨らませ金型に倣わせることで傾斜面を形成することとした。
上記構成及び製造方法によれば、第1の分割コア及び第2の分割コアを組み付けるとき、第1の分割コアと第2の分割コアとが互いに対向する傾斜面に沿って組み付けられる。すなわちこの場合、各傾斜面が楔として機能し、第1の分割コアと第2の分割コアとの隙間の公差がこれら分割コアの組み付けによって効果的に吸収される。そのため、第1の分割コア及び第2の分割コアの組み付け易さを考慮してこれらの寸法を設定したとしても、第1の分割コア及び第2の分割コアを組み付けた際にはこれらの間の隙間を極力減らすことができる。したがって、第1の分割コア及び第2の分割コア同士の対向面をロータコアの軸方向に沿って形成する従来に比べて、第1の分割コアと第2の分割コアとの隙間等の寸法管理を容易にすることができる。
上記磁石埋込型ロータについて、ロータコアが一体となって回転可能に外挿される回転軸が挿入される筒状部をそれぞれに有する複数のコア部材を備え、複数のコア部材の各筒状部の外周には、少なくとも2つの分割コアがロータコアの周方向に隙間をあけて配置され、それぞれの分割コアは、第1の分割コア及び第2の分割コアのいずれかであり、ロータコアは、複数のコア部材の各筒状部が同一直線上に配置されるとともに、コア部材の分割コアと他のコア部材の分割コアとがロータコアの周方向において隣接するように複数のコア部材が組み付けられて構成されることが有効である。
この構成によれば、コア部材の周方向において、各分割コア間には、隙間が形成されている。ここで、分割コアに着磁前の永久磁石を埋め込んだ後に着磁が行われることもあるところ、この場合、分割コアに埋め込まれた永久磁石を着磁する際、各分割コアの外周面だけでなく、各分割コアの側面においても磁束を流入及び流出させることができる。そのため、分割コアに埋め込まれた永久磁石の着磁率を向上させることができ、ロータコア全体の永久磁石の着磁率を向上させることができる。
ところで、磁石埋込型ロータによれば、各分割コアの透磁率が空気よりも高く、こうした分割コア内に永久磁石が埋め込まれている。このため、永久磁石のN極から出た磁束がステータコイルを鎖交することなくS極に入る短絡磁路(ブリッジ部)がロータコアに形成される。こうした短絡磁路は、各分割コアのうち、永久磁石の周辺部分に形成される。そして、短絡磁路を通る磁束(漏れ磁束)が増えると、磁石磁束の効率が低下する。
そこで、上記磁石埋込型ロータについて、傾斜面は、第1の分割コア及び第2の分割コアにおいて、それぞれに埋め込まれる永久磁石の端部の周辺部分を含む部位の塑性変形により形成されることが有効である。
この構成によれば、分割コアに傾斜面を形成することで、分割コアにおいて、永久磁石の端部の周辺部分を塑性変形させて歪ませることができる。塑性変形によって歪む部位では、分割コアの他の部位に比べて透磁率が低くなるので、短絡磁路による漏れ磁束を減少させることができる。これにより、磁石磁束のさらなる高効率化を図ることができる。
また、上記磁石埋込型ロータにおいて、永久磁石は、ロータコアの径方向に沿って延びる直線部分を備えることが有効である。
上記構成によれば、第1の分割コア及び第2の分割コアにおいて、永久磁石は、その全体が筒状部の周方向にのみ沿うことのない形状であって、筒状部の径方向に沿った直線部分を少なくとも有する。これにより、例えば、第1の分割コア又は第2の分割コアを対象に永久磁石を埋め込むために樹脂材料を射出する射出圧力を第1の分割コア又は第2の分割コアの塑性変形に用いる場合、こうした射出圧力を第1の分割コア又は第2の分割コアの塑性変形に好適に作用させることができる。
本発明によれば、分割コア間の隙間を極力減らすとともに分割コアの寸法管理を容易にすることができる。
磁石埋込型ロータを用いたIPMモータの断面構造を示す断面図。 磁石埋込型ロータの分解斜視構造を示す斜視図。 図2における第1コア部材の分割コアの平面構造を示す拡大図。 図2における第1コア部材の分割コアの正面構造を示す正面図。 磁石素材の射出成形前におけるコア部材の分割コアの正面構造を示す正面図。 磁石埋込型ロータの製造方法で用いる配向着磁装置を示す平面図。 (a)は図6の着磁装置におけるA矢視図として特にコア空間を模式的に示す図、(b)は図6の着磁装置におけるA矢視図として特にコア空間の曲面を模式的に示す図。 (a)は磁石埋込型ロータの製造方法についてコア部材を成形する工程を説明する平面図、(b)は図8の着磁装置におけるB矢視図。 同じく磁石埋込型ロータの製造方法についてコア部材を成形する工程を説明する平面図。
以下、磁石埋込型ロータの一実施形態について説明する。はじめに、磁石埋込型ロータを用いたIPMモータの構造について説明する。
図1に示すように、このIPMモータは、円筒状のハウジング1の内周面に固定されたステータ2、図示しない軸受けを介してハウジング1により軸線mを中心として回転可能に支持される回転軸としてのモータシャフト3、及びモータシャフト3の外周に一体的に取り付けられステータ2の内側に配置されるロータ4を備えている。
ステータ2は、軸線mを中心とする円筒状に形成されている。ステータ2は、その軸方向に複数枚の電磁鋼板が積層されてなる。ステータ2の内周面には、径方向内側に向かって延びる12個のティース20が形成されている。各ティース20にはステータコイル21が巻回されている。
ロータ4は、軸線mを中心とする円筒状のロータコア40、及びロータコア40の内部に埋め込まれた10個の永久磁石50,51を備えている。
次に、ロータ4の構造を詳細に説明する。
図2に示すように、ロータコア40は、一対のコア部材41,42が軸線mに沿った方向に組み付けられてなる。各コア部材41,42は、複数枚の電磁鋼板が軸線mに沿った方向に積層されてなる。
第1コア部材41は、軸線mを中心とする筒状部41a、及び筒状部41aの外周からその径方向に突出する5つの第1の分割コア41bを有している。筒状部41aの内部にはモータシャフト3が挿入される。各第1の分割コア41bは、軸線mに沿って延びる柱状をなし、筒状部41aの周方向に等間隔に配置されている。
筒状部41a及び各第1の分割コア41bの軸線m方向における第1の端面(図2中の上面)は、それぞれ同一平面上に位置しており、1つの端面41gを形成している。また、各第1の分割コア41bの軸線m方向の長さは、筒状部41aの軸線m方向の長さの2倍に形成されている。したがって、各第1の分割コア41bの第1の端面(端面41g)から軸線m方向における真ん中までの領域には、筒状部41aが隣接配置されている。また、各第1の分割コア41bの第2の端面(図2中の下端面)は、筒状部41aの第2の端面よりも下方に位置している。各第1の分割コア41bの軸線m方向における真ん中(筒状部41aの第2の端面)から第2の端面までの部分に囲まれた空間は、挿入部41dとして機能する。
第1コア部材41を軸線m方向から見て、各第1の分割コア41bは、略扇形状をなしている。第1コア部材41の周方向において、互いに隣り合う各第1の分割コア41bの間には、5つの隙間が形成されている。これら隙間も、第1コア部材41を軸線m方向から見たとき、略扇形状をなす。各第1の分割コア41bは全て同じ形状である。第1コア部材41の周方向において、各第1の分割コア41bの互いに反対側に位置する2つの側面41f,41fには、それぞれテーパが設けられている。
これら側面41f,41fは、各第1の分割コア41bの第1の端面(図中上部)から第2の端面(図中下部)へ向かうにつれて、互いに近接するように傾斜している(勾配α)。なお、各側面41f,41fの傾斜(勾配)は、第1コア部材41の径方向の外側から内側(筒状部41a)に向かうにつれて徐々に緩くなる。
このため、各第1の分割コア41bの中心角は、各第1の分割コア41bの第1の端面から第2の端面に向かうにつれて徐々に小さくなる。ちなみに、各側面41f,41fにテーパが設けられない場合、各第1の分割コア41bの中心角は、軸方向全長に亘って一定(ここでは、36°)である。しかし、上述のように、各側面41f,41fにテーパが設けられる場合、各第1の分割コア41bの第2の端面の中心角は、36°よりも小さな角度となる。逆に、各第1の分割コア41bの間の隙間の中心角は、各第1の分割コア41bの第1の端面から第2の端面へ向かうにつれて徐々に大きくなる。
また、上述のように各側面41f,41fにテーパを設けることによって、各第1の分割コア41bの周方向における長さも異なる。各第1の分割コア41bの第1の端面(端面41g)における円弧に沿った長さW1は、各第1の分割コア41bの第2の端面における長さW2よりも長い。各第1の分割コア41bの間の各隙間において、各第1の分割コア41bの第2の端面における円弧に沿った部分の隙間d1は、各第1の分割コア41bの第1の端面における円弧に沿った部分の隙間d2よりも長い。
すなわち、図4に示すように、第1コア部材41を軸線mに直交する径方向から見たとき、各第1の分割コア41bは、その第2の端面に対応する下底から第1の端面に対応する上底に向かって、各側面41f,41fに対応する脚が互いに離れるように広がる台形形状をなす。なお、図4では、第1コア部材41をその径方向から見たときに台形形状を呈する各第1の分割コア41bの下底の長さを長さW2´、上底の長さを長さW1´で示す。各第1の分割コア41bの上底の長さW1´は、下底の長さW2´よりも長い。
また、上底と下底との両端面を結ぶ2つの脚は、上底及び下底に垂直に交わる直線に対して、角度αだけ傾斜している。この角度αは、各第1の分割コア41bの各側面41f,41fの勾配αと同じ角度である。これに対して、各第1の分割コア41bの間の各隙間は、筒状部41aをその径方向から見たとき、各第1の分割コア41bの第2の端面側(下底)から第1の端面(端面41g)側(上底)に向かって脚(第1コア部材41の周方向において対向する側面41f,41f)が狭まる台形形状をなす。
図2及び図4に示すように、各第1の分割コア41bには、軸線mに沿って貫通する磁石挿入孔41cが形成されている。図3に示すように、第1コア部材41を軸線mに沿った方向から見て、各磁石挿入孔41cは、第1コア部材41の径方向の外側に向けて開くV字状をなしている。磁石挿入孔41cは、筒状部41aの径方向に沿って延びる一対の直線部分41h,41hから構成され、これら直線部分41h,41hが筒状部41aの内周側において所定角度で交わっている。すなわち、このV字状は、その全体が筒状部41aの周方向にのみ沿うことのない形状であって、筒状部41aの径方向に沿った直線部分を少なくとも有する形状の一例である。
各磁石挿入孔41cにおけるV字の直線部分41hは、各第1の分割コア41bの円弧面41eの近傍まで延びている。また、各磁石挿入孔41cにおけるV字の直線部分41hの幅は、各第1の分割コア41bの円弧面41eに近付くにつれて広くなっている。すなわち、各第1の分割コア41bにおいて、各磁石挿入孔41cにおけるV字の2つの直線部分41h,41hと、それらに近い側の各側面41f,41fとの間の肉厚は、円弧面41eに近付くにつれて狭くなっている。各第1の分割コア41bにおいて、各側面41f,41fと円弧面41eとが交差する角部の周辺部分は、周方向における肉厚、及び径方向の肉厚が最も薄い脆弱部である。
また、図4に示すように、各磁石挿入孔41cのV字の直線部分において、第1コア部材41の周方向において互いに対向する2つの内側面のうち、各側面41f,41fに近い側の内側面41jにはテーパが設けられている。このテーパは、各第1の分割コア41bの第1の端面(図中上部)から第2の端面(図中下部)へ向かうにつれて、対向する内側面に近接するように傾斜している。
これら磁石挿入孔41cには、それぞれ永久磁石50が挿入されている。第1コア部材41を軸線mに沿った方向から見て、永久磁石50はV字状をなす。各永久磁石50と各磁石挿入孔41cとの間には、隙間が形成されないことが好ましい。各永久磁石50はボンド磁石からなり、V字の内側部分にN極が、V字の外側部分にS極が着磁されている。これら永久磁石50により、各第1の分割コア41bの両側面41f,41fをつなぐ円弧面41eにN極が形成される。
各永久磁石50の外形形状は、各磁石挿入孔41cの内形形状に対応している。このため、図3に示すように、各第1の分割コア41bを軸線mに沿った第1の端面(端面41g)側から見たとき、各永久磁石50のV字外側面の開き度合(円弧面41eに沿った方向における距離)W3は、同図に二点鎖線で示される第2の端面における開き度合W4よりも大きい。
すなわち、図4に示すように、第1コア部材41をその径方向から見たとき、各永久磁石50のV字における2つの端部50a,50aの幅(図中の左右方向における距離)は、各永久磁石50の第2の端面(図中下面)から第1の端面(図中上面)へ向かうにつれて厚くなっている(台形形状)。
このため、第1コア部材41をその径方向から見たとき、各永久磁石50の第1の端面(図中上面)における2つの端部50a,50aの外側面間の距離W3´(図中の左右方向における距離)は、各永久磁石50の第2の端面(図中下面)における2つの端部50a,50aの外側面間の距離W4´よりも長い。
図2に示すように、第2コア部材42は、永久磁石50の磁極配置が逆である点を除いて第1コア部材41と同様の形状を有している。すなわち第2コア部材42を軸線mに沿った方向から見たとき、各永久磁石51は、V字の内側部分にS極が、V字の外側部分にN極が着磁されている。これら永久磁石51により、各第2の分割コア42bの円弧面42eにS極が形成される。なお図2では、第2コア部材42の筒状部を符号42aで、各磁石挿入孔を符号42cで、磁石挿入孔42cの直線部分を符号42hで、挿入部を符号42dで、各第2の分割コア42bの周方向において互い反対側に位置する2つの側面を符号42fでそれぞれ示している。また図2では、筒状部42a及び各第2の分割コア42bの第1の端面(図中下面)からなる端面を符号42gで、各永久磁石51のV字における2つの端部を符号51aでそれぞれ示している。
一対のコア部材41,42は、次のようにして組み立てられる。まず、一対のコア部材41,42を軸線mに沿った方向において向き合わせる。このとき、軸線mに沿った方向において、各第1の分割コア41bが各第2の分割コア42b間の隙間に対向するように、各第2の分割コア42bが各第1の分割コア41b間の隙間に対向するように位置を調整する。この状態で一対のコア部材41,42を軸線mに沿って互いに近接させる。各第1の分割コア41bは各第2の分割コア42b間の隙間に進入するとともに、各第2の分割コア42bは各第1の分割コア41b間の隙間に進入する。やがて、筒状部41aは挿入部42d、筒状部42aは挿入部41dに挿入される。筒状部41aと筒状部42aとが軸線m方向において当接するまで一対のコア部材41,42は近接される。
軸線m方向において互いに逆向きの勾配αを有する各第1の分割コア41bの側面41fと、各第2の分割コア42bの側面42fとは、筒状部41aと筒状部42aとが当接するタイミングで、互いにわずかに摺動しながら接触する。筒状部41aと筒状部42aとが当接した状態において、各第1の分割コア41bと各第2の分割コア42bとは、ロータコア40(一対のコア部材41,42)の周方向において交互に隣接する。各第1の分割コア41bと各第2の分割コア42bとの間には、基本的には隙間は形成されない。また、筒状部41aと筒状部42aとが当接することにより軸線mを中心とする一つながり(一連)の円筒が形成される。このように一対のコア部材41,42を組み立てることにより全体として円筒状のロータ4が構成される。また、ロータ4は、その軸線mを中心とする周方向に沿ってN極及びS極を交互に有する10極構造をなす。
このように構成されたロータ4を有するIPMモータでは、図1に示したステータコイル21に交流電流が供給されると、回転磁界が形成される。この回転磁界と、各永久磁石50及び各永久磁石51により形成される磁界とが作用することによりロータ4にトルクが付与され、モータシャフト3が回転する。
次に、ロータ4の製造方法の概略を説明する。なお、以下の説明では、図1〜図4に示される組み立て後のロータ各部に対応する部材及び構成に「´(ダッシュ)」を付して区別する。
図5に示すように、ロータ4の製造に際してはまず、所定形状に型抜きされた電磁鋼板を積層することにより第1コア部材41´を成形する。この成形時において、第1コア部材41´を軸線mに直交する径方向から見たとき、各第1の分割コア41b´は、長方形状をなしている。各第1の分割コア41b´の幅(図中左右方向の長さ)は、軸線mに沿った方向における全長に亘って長さW2´(一定)である。すなわち、各第1の分割コア41b´の2つの側面41f´,41f´は、平行な面(軸線mに対して傾斜しない面)となる。
また、図5に示すように、この成形時において、第1コア部材41´をその径方向から見たとき、各磁石挿入孔41c´の外幅W4´及び内幅W6´は、軸線m方向の全長に亘って一定である。第2コア部材42´は、第1コア部材41´と同様の形状を有している。なお図5では、第2コア部材42´の各磁石挿入孔を符号42c´で、各第2の分割コア42bの周方向において互い反対側に位置する2つの側面を符号42f´でそれぞれ示している。その後、成形した第1コア部材41´及び第2コア部材42´の各磁石挿入孔41c´,42c´に着磁前の磁石素材を射出成形するとともに、配向着磁装置を用いて磁石素材の配向及び着磁を行う。その後、図2に示される状態とされた一対のコア部材41,42を組み付ければロータ4の製造は完了となる。
次に、配向着磁装置60の構成について説明する。
図6に網かけして示すように、配向着磁装置60には、第1コア部材41´を配置する空間Gが形成されている。第1コア部材41´は、各第1の分割コア41b´における挿入部41d´を構成する部分(筒状部41a´に対して軸方向へ突出する部分)から空間Gに挿入される。第1コア部材41´の挿入方向から見て、空間Gの略中心には、第1コア部材41´の位置決めを行う位置決めピンGaが設けられている。位置決めピンGaは、モータシャフト3と同形状をなしている。また、空間Gは、位置決めピンGaを中心に第1コア部材41´の筒状部41a´が挿入される土台部Gb、及び土台部Gbの外周から位置決めピンGaの径方向外側に突出する5つのコア空間Gcを有している。各コア空間Gcは、土台部Gbを中心に等間隔に形成されている。各コア空間Gcには、各第1の分割コア41b´が配置される。なお、各コア空間Gcは、土台部Gbよりも深く形成されている。
配向着磁装置60は、位置決めピンGaの周方向に互いに隣接する各コア空間Gcの間に配置される複数の第1着磁ヨーク61、各コア空間Gcに対して位置決めピンGaの径方向外側に対向配置される複数の第2着磁ヨーク62、並びに第1着磁ヨーク61及び第2着磁ヨーク62の間に配置される複数の永久磁石63を備えている。
第1着磁ヨーク61は、位置決めピンGaの周方向における各コア空間Gcの間の隙間を埋めるように配置される内側部分61aと、同内側部分61aから位置決めピンGaの径方向外側に向かって伸びる外側部分61bとを有している。内側部分61a及び外側部分61bは、それぞれコア空間Gcに配置される各第1の分割コア41b´の軸方向(紙面に直交する方向)と同程度の軸方向長さを有している。内側部分61aの外側部分61bと反対側の側面は、土台部Gbに配置される筒状部41a´の周面に対応する凹状の曲面をなしている。第1着磁ヨーク61の外側部分61bは、位置決めピンGaの径方向外側に向かうほど先鋭に形成されている。
第2着磁ヨーク62は、各コア空間Gcに各第1の分割コア41b´が配置される場合においてV字状の磁石素材52の内側面に対向する領域に配置されている。第2着磁ヨーク62も、着磁ヨーク61と同様に、コア空間Gcに配置される各第1の分割コア41b´の軸方向と同程度の軸方向長さを有している。第2着磁ヨーク62の各磁石素材52に対向する側面は、各第1の分割コア41b´の円弧面41e´に対応する凹状の曲面をなしている。また、第2着磁ヨーク62も、第1着磁ヨーク61と同様に、位置決めピンGaの径方向外側に向かうほど先鋭に形成されている。
永久磁石63は、第1着磁ヨーク61に隣接する第1永久磁石63aと、第2着磁ヨーク62に隣接する第2永久磁石63bとからなる。第1永久磁石63a及び第2永久磁石63bは位置決めピンGaの周方向において互いに隣接している。第1永久磁石63aは、第1着磁ヨーク61に隣接する部分がN極となっており、第2永久磁石63bに隣接する部分がS極となっている。第2永久磁石63bは、第2着磁ヨーク62に隣接する部分がS極となっており、第1永久磁石63aに隣接する部分がN極となっている。これにより各永久磁石63は、第1着磁ヨーク61を挟んでN極同士で対向するように、また第2着磁ヨーク62を挟んでS極同士で対向するように配置されている。なお、各着磁ヨーク61,62と同様に、第1永久磁石63a及び第2永久磁石63bも、それぞれコア空間Gcに配置される各第1の分割コア41b´の軸方向と同程度の軸方向長さを有している。
各コア空間Gcに各第1の分割コア41b´が配置されたとき、第1永久磁石63a及び第2永久磁石63bの各第1の分割コア41b´側の側面は、それぞれ各コア空間Gcに配置される各第1の分割コア41b´の円弧面41e´に対応する凹状の曲面をなしている。これら凹状の曲面、及び第2着磁ヨーク62の凹状の曲面は、コア空間Gcの周方向において互いに連続する一つの曲面71を構成する。したがって、各コア空間Gcは、第1着磁ヨーク61の内側部分61a、第2着磁ヨーク62、及び永久磁石63によって区画されているとも言える。
各コア空間Gcは、図2に示される製造完了後の各第1の分割コア41bの外形形状に対応している。換言すれば、各コア空間Gcの外形形状が各第1の分割コア41bの外形形状に対応するように、第1着磁ヨーク61、第2着磁ヨーク62、及び永久磁石63の形状が設定されている。すなわち、第1着磁ヨーク61の内側部分61aにおいて、位置決めピンGaの周方向において互いに反対側に位置する2つの側面には、それぞれ傾斜面70が設けられている。
図7(a)に示すように、これら傾斜面70は、各第1の分割コア41b´の挿入方向と反対側(図6中、紙面裏側から紙面表側へ向かう方向)へ向けて互いに離反するように傾斜している。傾斜面は、図2に示される製造完了後の第1コア部材41における各側面41f,41fと同様の勾配αを有している。
また、位置決めピンGaの周方向において、各コア空間Gcを介して隣り合う2つの傾斜面70,70の間の距離は、次の通りである。
図7(a)に(図6に矢印Aで)示すように、各コア空間Gcの径方向に沿った外側から見たとき、両傾斜面70,70の最下部間の直線距離は、図4に示される製造完了後の各第1の分割コア41bにおける両側面41f,41fの最下部間(第2の端面側)の長さW2´と同じである。また、両傾斜面70,70の最上部間の直線距離は、図4に示される製造完了後の各第1の分割コア41bにおける両側面41f,41fの最上部間(第1の端面(端面41g)側)の長さW1´と同じである。これにより、各コア空間Gcは、位置決めピンGaの径方向から見たとき、図4で示した各第1の分割コア41bと同様の台形形状をなす。
図7(b)に示すように、曲面71の最上部の曲線長さは、図3に示される製造完了後の各第1の分割コア41bにおける最上部(第1の端面(端面41g)側)の円弧面41eに沿った長さW1と同じである。曲面71の最下部の曲線長さは、図3に示される製造完了後の各第1の分割コア41bにおける最下部(第2の端面側)の円弧面41eに沿った長さW2と同じである。そして、各コア空間Gcの形状は、その周方向において対向する2つの傾斜面70,70及び曲面71の形状に応じたものとなる。
次に、ロータ4の製造方法において、各コア部材41´,42´の成形が完了した後の工程について詳細に説明する。当該後の工程には、大きく3つの工程がある。
図8(a)に示すように、まず第1の工程では、配向着磁装置60の空間Gに第1コア部材41´を配置する。このとき、空間Gの各コア空間Gcに各第1の分割コア41b´を挿入しつつ、空間Gの土台部Gbに第1コア部材41´の筒状部41a´を挿入する。筒状部41a´の挿入に伴い、筒状部41a´には位置決めピンGaが挿入される。またこのとき、図8(b)に示すように、各第1の分割コア41b´と2つの第1着磁ヨーク61との間には、傾斜面70に応じた隙間が形成される。
第2の工程では、第1コア部材41´の各磁石挿入孔41c´に磁石素材52を各第1の分割コア41b´の第1の端面(端面41g)側から射出する。該磁石素材52の射出圧力により、各第1の分割コア41b´(各磁石挿入孔41c´)は位置決めピンGaの周方向(図8(a)中、矢印方向)に膨らみ塑性変形する(歪む)。これは各第1の分割コア41b´と第1着磁ヨーク61との間に隙間が存在するからである。
この第2の工程では、配向着磁装置60(正確には第1着磁ヨーク61、第2着磁ヨーク62、及び永久磁石63)が金型となり、各第1の分割コア41b´は第1着磁ヨーク61、第2着磁ヨーク62、及び永久磁石63により構成されるコア空間Gcの形に倣う。例えば、傾斜面70に倣って、各第1の分割コア41b´の周方向における2つの側面41f´,41f´が勾配αを有する傾斜面に形成される。
この第2の工程を経ることにより、図2等で示した各第1の分割コア41bを有する第1コア部材41の形状が成形される。こうした塑性変形は、各第1の分割コア41b´の側面41f´と円弧面41e´との交差する周辺部位である脆弱部が中心となってなされる。脆弱部は、各第1の分割コア41b´における他の部位よりも厚みが薄く脆弱だからである。
第3の工程では、各第1の分割コア41bに射出される各磁石素材52を配向及び着磁する。図9に破線の矢印で示すように、配向着磁装置60において、各磁石素材52に対してV字の外側から内側に向かう磁路が形成される。なお図9では、便宜上、一つの第1の分割コア41bに形成される磁路のみを代表して示す。この第3の工程を経て磁石素材52の配向が行われ、磁石素材52のV字の内側部分がN極に、V字の外側部分がS極に着磁される。こうした第3の工程を経て磁石素材52が永久磁石50となり、第1コア部材41の成形が完了する。この後、配向着磁装置60の空間Gから成形の完了した第1コア部材41が取り出される。
なお第2コア部材42を成形する際には、図9に示した配向着磁装置60に対して第1永久磁石63a及び第2永久磁石63bのそれぞれの磁極配置が逆に設定された配向着磁装置を用いて、第1の工程及び第2の工程を経て、第2コア部材42に射出される着磁前の磁石素材を着磁する。成形の完了した第1コア部材41及び第2コア部材42を組み付けることでロータ4の製造が完了する。
以上に説明したロータ4及びロータ4の製造方法によれば、以下の(1)〜(4)に示す作用及び効果を得ることができる。
(1)第1コア部材41及び第2コア部材42を組み付けるとき、各第1の分割コア41bと各第2の分割コア42bとが互いに対向する各側面41f,42f(傾斜面)に沿って組み付けられる。すなわちこの場合、各側面41f,42fが楔として機能し、各第1の分割コア41bと各第2の分割コア42bとの隙間の公差が第1コア部材41及び第2コア部材42の組み付けによって効果的に吸収される。そのため、第1コア部材41及び第2コア部材42の組み付け易さを考慮して各第1の分割コア41bと各第2の分割コア42bとの寸法を設定したとしても、第1コア部材41及び第2コア部材42を組み付けた際には各第1の分割コア41bと各第2の分割コア42bとの隙間を極力減らすことができる。したがって、各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42b同士の対向面(各側面41f,42f)を軸線mに沿って形成する従来に比べて、各第1の分割コア41bと各第2の分割コア42bとの隙間等の寸法管理を容易にすることができる。
また、第1コア部材41及び第2コア部材42を組み付けた際に各第1の分割コア41bと各第2の分割コア42bとの隙間を極力減らすことによって、磁石磁束の高効率化を図ることができ、モータの高トルク化に寄与する。
また、各コア部材41,42を製造する際、各永久磁石50,51の射出成形時の圧力を利用して、各第1の分割コア41b又は各第2の分割コア42bを金型となる配向着磁装置60に倣わせるだけで、傾斜面である各側面41f,42fを容易に形成することができる。またさらに、第1の分割コア41b及び第2の分割コア42bの各側面41f,42fが傾斜面であることにより、各コア部材41,42を配向着磁装置60から容易に取り出すことができる。各コア部材41,42の勾配αは抜き勾配としても作用する。
(2)第1コア部材41の周方向において、各第1の分割コア41b間には、隙間が形成されている。このため、各第1の分割コア41bに射出される磁石素材52を着磁する際、各第1の分割コア41bの円弧面41eだけでなく、各第1の分割コア41bの側面41fにおいても磁束を流入及び流出させることができる。また同様の効果を第2コア部材42でも得ることができる。そのため、第1コア部材41及び第2コア部材42に埋め込まれた各永久磁石50,51の着磁率を向上させることができ、ロータコア40全体の永久磁石の着磁率を向上させることができる。
(3)ところで、ロータ4によれば、各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42bの透磁率が空気よりも高く、こうした分割コア内に各永久磁石50,51が埋め込まれている。このため、各永久磁石50,51のN極から出た磁束がステータコイル21を鎖交することなくS極に入る短絡磁路(図3中、破線で示すブリッジ部)がロータコア40(各コア部材41,42)に形成される。こうした短絡磁路は、各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42bのうち、各永久磁石50,51の両端部50a,51aの周辺部分に形成される。そして、短絡磁路を通る磁束(漏れ磁束)が増えると、磁石磁束の効率が低下する。
その点、本例の製造方法によれば、各第1の分割コア41bに傾斜面を設けることで、各第1の分割コア41bにおいて、各側面41f,41fと各円弧面41eとの交差する周辺部分を塑性変形させて歪ませることができる。塑性変形によって歪む部分では、各第1の分割コア41bの他の部位に比べて透磁率が低くなるので、短絡磁路による漏れ磁束を減少させることができる。また同様の効果が第2コア部材42でも得られる。これにより、磁石磁束のさらなる高効率化を図ることができる。
(4)各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42bにおいて、各永久磁石50,51は、その全体が各筒状部41a,42aの周方向にのみ沿うことのない形状であって、各筒状部41a,42aの径方向に沿った部位を少なくとも有する。これにより、磁石素材52の射出圧力を各第1の分割コア41b´及び各第2の分割コア42b´の塑性変形に好適に作用させることができる。
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・各コア部材41,42に埋め込まれた各永久磁石50,51の形状や配置は適宜変更可能である。また、各永久磁石50,51の筒状部41aの軸方向に直交する断面形状は、例えばU字状であってもよい。ただし、磁石素材52の射出圧力が各第1の分割コア41b´及び各第2の分割コア42b´の塑性変形に好適に作用する観点からすれば、各永久磁石50,51は、その全体が筒状部41aの周方向にのみ沿うことのない形状であって、筒状部径方向に沿った部位を少なくとも有する形状をなしていることが好ましい。
・本例の製造方法においては、各コア部材41,42の形を成形して磁石素材の射出を完了するまでの工程を、配向着磁装置60とは別に空間G(コア空間Gc)が形成された専用の金型を用いて行うようにしてもよい。例えば、こうした専用の金型を各着磁ヨーク61,62よりも硬質の材料で構成することで、各コア部材41,42の成形と磁石素材の配向及び着磁を同一の配向着磁装置60を用いて行うよりも、配向着磁装置60の耐久性の向上を図ることができる。
・各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42bにおける各側面41f,42fの傾斜は、予め傾斜を形成するように型抜きされた電磁鋼板を積層することで実現してもよい。これによれば、上記(1),(2),(4)の効果を少なくとも奏する。
・ロータ4を構成するコア部材の個数を3つ以上にしてもよい。この場合、ロータ4の磁極数を上記実施形態における10極よりも多くしたとしても、一つのコア部材当たりの分割コアの数を減少させることができる。すなわち、一つのコア部材において、着磁ヨークを配置する隙間を多く確保することができるので、着磁ヨークの配置の妨げになることも抑制される。
・一つのコア部材当たりの分割コアの数は適宜変更可能である。例えば、一つのコア部材当たり一つの分割コアとすることもできる。この場合のコア部材は、筒状部を有していても有していなくてもよい。ここで、上記実施形態同様、磁極数が10極の場合、コア部材の個数も10個必要となり、コア部材の個数が2個である場合に比べて各分割コアの隙間の公差が重畳的に大きくなる。ただし、コア部材の個数に関係なく、各分割コアに設けられる傾斜面(各側面41f,42f)により各分割コア間の隙間の公差を効果的に吸収することができる。
・各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42bにおける各側面41f,42fの傾斜は、金型からの取り出しが可能であれば2段階以上の勾配を組み合わせてもよい。
・各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42bの各側面41f,42fは、これらの全てに傾斜面が設けられていなくてもよく、各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42bの少なくとも一対の側面41f,42fに傾斜面が設けられていればよい。この場合であっても、各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42b同士の対向面を軸線mに沿って形成する従来に比べて有利な効果を奏する。
・上記実施形態の配向着磁装置60の構成は適宜変更可能である。例えば、第1着磁ヨーク61の配置箇所に永久磁石のN極又はS極を配置することで、第1着磁ヨーク61及び第2着磁ヨーク62を排除してもよい。その他、永久磁石63を一対の永久磁石63a,63bで構成する必要はなく、一つの永久磁石から構成されるものであってもよい。また、着磁用の永久磁石を用いるのではなく、着磁コイルを用いてもよい。
・上記実施形態では、各永久磁石50,51としてボンド磁石を用いたが、例えば焼結磁石や圧縮成形磁石等を用いてもよい。焼結磁石を用いる場合、上記実施形態の第2の工程では、各磁石挿入孔41c´,42c´に焼結磁石を挿入した後、各磁石挿入孔41c´,42c´における焼結磁石との隙間をボンド磁石等の樹脂材料(射出成形)で埋めることで、各分割コア41b´,42´に焼結磁石を埋め込む。この射出時の圧力により各第1の分割コア41b´及び各第2の分割コア42b´が塑性変形して各第1の分割コア41b及び各第2の分割コア42bの形状が金型の形状に倣う。
・各磁石挿入孔41c,42cには、スキューを設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、磁石素材52の配向及び着磁を行う配向着磁装置について説明したが、磁石素材52の配向のみ又は着磁のみを行う装置であってもよい。
・上記実施形態では、10極12スロットのIPMモータを用いたが、極数及びスロット数はこれに限定されるわけではなく、任意に設定可能である。
・コア部材41,42の材質は電磁鋼板に限定されない。例えば、電磁軟鉄等の軟磁性体を用いることもできる。
・上記実施形態は、IPMロータを用いたモータとして実現したが、IPMロータを用いた発電機として実現してもよい。
3…モータシャフト(回転軸)、4…磁石埋込型ロータ、40…ロータコア、41(41´),42(42´)…コア部材、41a,42a…筒状部、41b(41b´),42b(42b´)…分割コア、41e,42e…円弧面、41f,42f…側面(傾斜面)、41h,42h…直線部分、50,51…永久磁石、50a,51a…永久磁石の端部、52…磁石素材、60…配向着磁装置(金型)。

Claims (5)

  1. 円筒状のロータコアと、
    前記ロータコアに埋め込まれる永久磁石と、を備え、
    前記ロータコアは、前記永久磁石が埋め込まれた外側部分にN極を有する第1の分割コア、及び前記永久磁石が埋め込まれた外側部分にS極を有する第2の分割コアがロータコアの周方向に交互に隣接するように組み付けられてなり、
    前記第1の分割コアの前記第2の分割コアと対向する面の少なくとも1面は、前記ロータコアの軸方向一方側に向く傾斜面であり、
    前記第2の分割コアの前記第1の分割コアの前記傾斜面と対向する面は、ロータコアの軸方向他方側に向く傾斜面である、磁石埋込型ロータ。
  2. 前記ロータコアが一体となって回転可能に外挿される回転軸が挿入される筒状部をそれぞれに有する複数のコア部材を備え、
    前記複数のコア部材の各筒状部の外周には、少なくとも2つの分割コアが前記ロータコアの周方向に隙間をあけて配置され、
    それぞれの前記分割コアは、前記第1の分割コア及び前記第2の分割コアのいずれかであり、
    前記ロータコアは、前記複数のコア部材の各筒状部が同一直線上に配置されるとともに、前記コア部材の分割コアと他のコア部材の分割コアとが前記ロータコアの周方向において隣接するように前記複数のコア部材が組み付けられて構成される請求項1に記載の磁石埋込型ロータ。
  3. 前記傾斜面は、前記第1の分割コア及び前記第2の分割コアにおいて、それぞれに埋め込まれる前記永久磁石の端部の周辺部分を含む部位の塑性変形により形成される請求項1又は請求項2に記載の磁石埋込型ロータ。
  4. 前記永久磁石は、前記ロータコアの径方向に沿って延びる直線部分を備える請求項2又は請求項3に記載の磁石埋込型ロータ。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の磁石埋込型ロータの製造方法であって、
    前記永久磁石の埋め込み前の前記第1の分割コア又は前記第2の分割コアを金型に配置する第1の工程と、
    前記金型に配置された前記第1の分割コア又は前記第2の分割コアを対象に前記永久磁石を埋め込むために樹脂材料を射出する第2の工程と、を含み、
    前記第2の工程において、前記樹脂材料の射出圧力により、前記金型に配置された前記第1の分割コア又は前記第2の分割コアを膨らませ前記金型に倣わせることで前記傾斜面を形成する磁石埋込型ロータの製造方法。
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