JP4529598B2 - 繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石 - Google Patents

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本発明は電気電子機器の駆動用として使用される磁石回転子型、或は磁石界磁型の永久磁石型モータの高出力化、高効率化の要素に関し、更に詳しくは、鉄心との空隙に強い静磁界を発生する高い最大エネルギー積(BH)maxと環状から円弧状に至る形状対応力を備え、且つ高速回転に耐える繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石に関する。
J.J.Croat,J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton:J.Appl.Phys.,Vol.55,2078(1984)により、R−Fe−B(RはNd,Pr)系合金をメルトスパンしたリボンがHCJ>1.2MA/m,残留磁化Mr800mT,最大エネルギー積(BH)max112kJ/m3の磁気特性が明らかになった(非特許文献1参照)。
同時にM.Sagawa,S.Fujiwara,H.Yamamoto and Y.Matsuura:J.Appl.Phys.,Vol.55,2083(1984)によって、Nd−Fe−B系合金を出発原料とし,粉末冶金学的手法によって(BH)max304kJ/m3の希土類焼結磁石が得られることも明らかになった(非特許文献2参照)。
1986年には、J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton:Ann.Rev.Mater.Sci.,Vol.16,467(1986)によって、J.J.CroatらやM.SagawaらのNd−Fe−B3元系合金の主相がNd2Fe14B金属間化合物であることが明らかにされた(非特許文献3参照)。
このような希土類磁石の作製法としては、その後、メカニカルアロイング法、熱間鋳造法なども提唱されてきた。しかし、1980年代後半から現在に至るまで新市場を創製し、拡充し得た代表的希土類磁石はM.Sagawaらの粉末冶金学的手法による希土類焼結磁石と、J.J.Croatらのメルトスパンリボンを出発原料とする希土類ボンド磁石の2系統に区分される。
まず、粉末冶金学的手法による希土類焼結磁石であるが、この磁石の作製は既に工業的規模で生産されていた1−5,2−17型Sm−Co系希土類焼結磁石の作製方法を利用できる利点があることから、いち早く工業的規模での生産技術が確立されたと思われる。また、Dy添加で結晶磁気異方性を高めて熱安定性を改善したり、VやMo添加で熱安定性と耐食性の両者を改善する研究、表面処理による耐食性向上が進展し、(BH)max216〜296kJ/m3の希土類焼結磁石としてMRI、VCM、FAやEVなど機械出力数百W〜数十kWに至る比較的大型のモータなどへ広く普及した。
一方,J.J.Croatらのメルトスパンで得られる材料形態はリボンなどの薄帯や,それを粉砕したフレーク状の粉末に制限される。このため、一般に使用されるバルク状磁石とするには材料形態の変換、つまり何らかの方法で薄帯や粉末を特定のバルクに固定化する技術が必要となる。粉末冶金学における基本的な粉末固定手段は常圧焼結であるが、メルトスパンリボンは準安定状態に基づく磁気特性を維持する必要があるため常圧焼結の適用は困難である。そのため、もっぱら3wt.%程度のエポキシ樹脂のような結合剤で薄帯や粉末を特定形状のバルクに固定化することが行われた。R.W.Lee,E.G.Brewere and N.A.Shaffel,IEEE Trans.Magn.,Vol.21,1958(1985)では、(BH)max111kJ/m3のメルトス
パンリボンを樹脂で固定すると(BH)max72kJ/m3の等方性希土類ボンド磁石ができるとした(非特許文献4参照)。
1986年、本発明者らは、上記メルトスパンリボンを粉砕したR−TM−B系急冷粉末を樹脂で固定した(BH)max〜72kJ/m3の小口径環状等方性希土類ボンド磁石が永久磁石型モータに有用であることを見出し、特開昭62−196057号公報にて明らかにした(特許文献1参照)。
その後、前記小口径環状等方性希土類ボンド磁石とラジアル異方性希土類−コバルト系希土類ボンド磁石との永久磁石型モータ特性を比較検証し、前者が有用であるとした[T.Shimoda,“SUPPLEMENTARY MATERIAL,“PERMANENT MAGNETS 1988 UPDATE”,Wheeler Associate,INC(1988)](非特許文献5)。
さらに、永久磁石型モータに有用であるという報告が、W.Baran,“The European Business and Technical Outlook for NdFeB Magnets”,Nov.(1989).G.X.Huang,W.M.Gao,S.F.Yu,”Application of Melt−Spun Nd−Fe−B Bonded Magnet to the Micro−motor”,Proc.of the 11th International Rare−Earth Magnets and Their Applications,Pittsburgh,USA,pp.583−595,(1990)などによって明らかにされた(非特許文献6、7参照)。
よって、当該等方性希土類ボンド磁石は1990年代から電気電子機器の駆動源として使用される各種永久磁石型モータの小口径環状磁石や薄肉円弧状磁石として広く普及した経緯がある。
特開昭62−196057号公報 J.J.Croat,J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton:J.Appl.Phys.,Vol.55,2078(1984) M.Sagawa,S.Fujiwara,H.Yamamoto and Y.Matsuura:J.Appl.Phys.,Vol.55,2083(1984) J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton:Ann.Rev.Mater.Sci.,Vol.16,467(1986) R.W.Lee,E.G.Brewere and N.A.Shaffel,IEEE Trans.Magn.,Vol.21,1958(1985) T.Shimoda,"SUPPLEMENTARY MATERIAL,"PERMANENT MAGNETS 1988 UPDATE",Wheeler Associate,INC(1988) W.Baran,"The European Business and Technical Outlook for NdFeB Magnets",Nov.(1989) G.X.Huang,W.M.Gao,S.F.Yu,"Application of Melt−Spun Nd−Fe−B Bonded Magnet to the Micro−motor",Proc.of the 11th International Rare−Earth Magnets and Their Applications,Pittsburgh,USA,pp.583−595,(1990)
本発明は電気電子機器の高性能化のもと、永久磁石型モータの更なる小型軽量化や高出力化の要求に応えるため、高(BH)max化が、さほど進展していない磁気的に等方性希土類ボンド磁石に換え、異方性の希土類磁石粉末を用いて環状や円弧状磁石を小口径化しても(BH)maxが殆ど変化しないような形状対応力を備え、且つ高速回転に耐える繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石に関する。
上記、本発明にかかる磁石とは、希土類磁石粉末[A1]と反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマー[A2]、延伸性高分子[B1]とで構成した複合グラニュール[A]を、前記[A2]を含浸した不織布[E+A2]、延伸性高分子[B1]、ケミカルコンタクト[C1]と共に圧縮成形し、前記複合グラニュール[A]の周囲に、延伸性高分子[B1]を主成分とする境界相[B]を網目状に配し、ケミカルコンタクトポイント[C]で化学的に結合した、少なくとも一方の表層に繊維強化層[E]を設けた構造を骨子とする。とくに、[A2]を含浸した不織布[E+A2]の基材をガラス繊維とする。
更に詳しくは、反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマー[A2]を被覆した希土類磁石粉末[A1]と延伸性高分子[B1]とを溶融混練し、冷却後、粗粉砕した[A1]、[A2]、及び[B1]との構成の複合グラニュール[A]、或いは、[A2]を被覆した希土類磁石粉末[A1]と延伸性高分子[B1]と滑剤[D]とを溶融混練し、冷却後、粗粉砕した[A1]、[A2]、[B1]、及び[D]とで構成した複合グラニュール[A]を用いる。
なお、上記滑剤[D]はペンタエリスリトールC17トリエステルとし、延伸性高分子[B1]100重量部に対して3〜1重量部とする。更に、複合グラニュール[A]、並びに前記[A]と網目状に構成した境界相[B]とにケミカルコンタクトポイント[C]を設けると同時に、表層に繊維強化層を設けて延伸性、耐候性、機械強度を改善する。なお、ここで言う機械強度とは、とりわけ本発明にかかる高速回転時の磁石に生じる引張応力に対する強度を指す。
本発明にかかる磁石では、反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマー[A2]を含浸した不織布[E+A2]を介し、複合グラニュール[A]と延伸性高分子[B1]とを滑りを伴う溶融流動条件下、5MPa以上でシート状に圧縮成形し、圧縮面の少なくとも一方の表層、または両表層に繊維強化層[E]を設けた構造とする。これにより、磁石全体の引張強度を改善する。
他方では、複合グラニュール[A]と延伸性高分子[B1]とを滑りを伴う溶融流動条件下、5MPa以上で圧縮し、圧縮方向との直交断面が扁平状の複合グラニュール[A]と網目状境界相[B]との構成とし、複合グラニュール[A]に含まれる希土類磁石粉末[A1]が平均粒子径50μm以上の磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]と平均粒子径3μm以下の磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]とし、とくに希土類磁石粉末[A]に占める単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]の割合を40%以上とする。
また、オリゴマーまたはプレポリマー[A2]を融点70〜100℃のエポキシ化合物の1種または2種以上、延伸性高分子[B1]を融点80〜150℃のポリアミド、更にはケミカルコンタクト[C1]が前記[A2]、並びに[B1]の反応基質と架橋反応し得るイミダゾール誘導体とする。
更には、希土類磁石粉末[A1]の割合を95wt.%以上とし、厚さ1.5mm以下の板状で、面に垂直方向、面内方向、或いは両者を規則的に繰り返した配向磁界下で、[A2]を含浸した不織布[E+A2]を介して圧縮成形した相対密度98%以上の磁石とし、最終的にはケミカルコンタクトポイントを介して磁石全体を圧延などの手段により、機械的に延伸し、延伸方向に生じる可撓性を利用して環状とする。或いはスタンピングによって部分的に延伸率を変えて円弧状とする。
上記、本発明にかかる磁石は2.0MA/mで磁化した際の20℃の最大エネルギ−積(BH)maxが通常≧139kJ/m3となり、引張強度は繊維強化層[E]により10%以上改善され、本発明の対象となる永久磁石型モータの鉄心との空隙磁束密度や回転数を高めるなどにより、モータを高出力化、高効率化する。
1980年代半ばから現在に至るまでメルトスパンリボンの磁気特性の改良研究は継続的、かつ活発に行われてきたものの、リボン自体の(BH)maxは実験室的に作製したもので160kJ/m3程であり、当該リボンを粉砕した磁気的に等方性の希土類ボンド磁石の(BH)maxは工業的には〜80kJ/m3である。したがって、1985年当時から最近に至るまで、メルトスパンリボンを粉砕した等方性希土類ボンド磁石の高(BH)max化は、さほど進展していない。
上記に拘らず、電気・電子機器の高性能化・高付加価値化の背景のもと、永久磁石型モータの更なる小型軽量化・高出力化に対する要求が絶えない。したがって、本発明者らが1986年に見出したメルトスパンリボンを粉砕した等方性希土類ボンド磁石は、もはや永久磁石型モータの進化に有用であると言い切れない。
一方、1980年代後半より、Nd2Fe14B化学量論組成より、高希土類組成のメルトスパンリボンを出発原料とした磁気的に異方性のNd2Fe14B系希土類磁石粉末の研究が活発に行われた。従来のSmCo系希土類ボンド磁石ではインゴットを微粉砕することにより、大きな保磁力HCJが得られるのに対し、Nd2Fe14B系合金インゴットやNd2Fe14B系希土類焼結磁石を粉砕しても小さな保磁力HCJしか得られない。このため、磁気的に異方性の希土類磁石粉末の出発原料としては、先にメルトスパンリボンが検討された。
1989年、TokunagaらはNd14Fe80-X6GaX(X=0.4〜0.5)を熱間据え込み加工(Die−up−set)して得たバルクを機械粉砕して保磁力HCJ1.52(MA/m)の異方性希土類磁石粉末を作製し,これを樹脂で固めて(BH)max127kJ/m3の異方性希土類ボンド磁石を得ている[M.Tokunaga,N.Nozawa,K.Iwasaki,M.Endoh,S,Tanigawa and H.Harada:IEEE Trans.Magn.,Vol.25,3561(1989)]。このように、Gaなどの添加は熱間加工性を向上させ結晶粒径を概ね500nm以下に抑制できる。結晶粒成長が抑えられると粉末粒子径が概ね100μm以上の粉末であれば保磁力HCJの低下が抑えられた異方性希土類磁石粉末となる。1991年、M.Doser,V.Panchanathanらは、それら熱間加工後のバルクを粉末化する方法として粒界から水素を侵入させNd2Fe14BHXとして崩壊させ、その後真空加熱により脱水素したHD(Hydrogen Decrepitation)法による異方性希土類磁石粉末を樹脂で固めて(BH)max150kJ/m3の異方性希土類ボンド磁石を得ている[M.Doser,V. Panchanacthan,and R.K.Mishra:J.Appl.Phys.,Vol.70,6603(1991)]。
しかし、上記メルトスパンリボンを熱間据え込み,或いは熱間圧延した異方性希土類磁
石粉末は結晶粒界にNd−rich相が存在し、粒界腐食に基づく永久減磁を引き起こし易い欠点があった。この欠点を克服する方法として、Ga,Zr,Hf,などの元素を添加したNd−Fe(Co)−B系合金インゴットを水素中で熱処理しNd2(Fe,Co)14B相の水素化(Hydrogenation,Nd2[Fe,Co]14BHx),650〜1000℃での相分解(Decomposition,NdH2+Fe+Fe2B),脱水素(Desorpsion),再結合(Recombination)する、いわゆるHDDR処理が提案された[例えば、T.Takeshita,and R.Nakayama:Proc.of the 11th International workshop on Rare−earth Magnets and Their Applications,Pittsburh,PA.,Vol.1,49(1990)].この方法で作製された異方性希土類磁石粉末は0.5μm以下の結晶粒の集合組織のみから構成され、結晶粒界にNd−rich相が存在しない。このHDDR現象のメカニズムに対する研究も精力的に行われ、Dy添加や脱水素条件などによりNd2Fe14B化学量論組成に近い粉末を樹脂で固めた希土類ボンド磁石と同等の熱安定性が期待される保磁力HCJ1.20MA/m以上の異方性希土類磁石粉末も開発された。
しかし、上記、異方性希土類磁石粉末を用いた高(BH)max希土類ボンド磁石は円柱や立方体で試作されたものであり、実際には一般的な小型モ−タには殆ど使用されない。その理由は、本発明が対象とする小型モータに搭載する磁石の形状は、かつて試作された高(BH)max希土類ポンド磁石のような単純な円柱や立方体ではなく、例えば肉厚1mm以下の小口径の環状、或いは円弧状だからである。例えば、環状磁石の場合には半径方向に磁気異方化したラジアル異方性の希土類ボンド磁石が必要となる。このような、ラジアル配向磁界の発生手段としては、例えば、特開昭57−170501号公報に記載されているように環状成形型キャビティを取り囲んで磁性体ヨークと非磁性体ヨークとを交互に組合せ、且つ外側に励磁コイルを配置した成形型を用いる。かかる方法は環状成形型キャビティに所定の強さのラジアル配向磁界を発生させるため、起磁力を大とすることが行われる。しかし、環状成形型キャビティの外周から磁性体ヨークにより励磁コイルで励磁した磁束を環状成形型キャビティに有効に集束させるには、磁性体ヨークの磁路を長くせざるを得ず、とくに環状成形型キャビティが小口径(或いは、長尺)となると、起磁力のかなりが漏洩磁束として消費される。その結果、環状成形型キャビティの配向磁界が減少し、円柱や立方体で試作した高(BH)max希土類ボンド磁石とは異なり、環状や円弧状では円柱や立方体よりも(BH)maxが低い値の磁石しか得られなかった。
更には、圧縮成形圧力が600〜1000MPaと高いため、成形時に異方性希土類磁石粉末に新生面やマイクロクラックが発生し易く、酸化に基づく永久劣化による減磁曲線の角型性の低下、或いは不可逆減磁率の増加による磁気安定性の低下も不可避であった。
ところで、本発明にかかる磁石が対象とする永久磁石型モータの構造において、環状磁石の径方向に多極着磁した表面磁石型ロータ(Surface Permanent Magnet Rotor)がある。このようなモータの効率ηは機械出力P,損失をWとすると(式1)で示される。
Figure 0004529598
したがって、モータの高効率化を図るには、高出力化、または低損失化が必要である。ここで、モータ体格L,電機子巻線の鎖交界磁磁束φ、電流I、励磁角周波数ω、力率cosθ、電機子巻数N、電機子電流I、電機子鉄心の界磁磁束密度Bとするとモータの出力Pは、(式2)の通りとなる。
Figure 0004529598
すなわち、出力Pは鎖交界磁磁束φ、電流I、回転数(ω)に比例し、モ−タ体格Lの4乗に比例する。したがって、当該モータの小型化と高出力化は相反する関係にある。他方では、電気電子機器の小型軽量化の流れや省資源化の観点から高出力化のためにモータの体格を増すことは難しい。すなわち、モータの高出力化によって当該モータを高効率化するには強い静磁界で、且つ高速回転化に耐える環状の界磁磁石が必要となる。
ところで、上記のような永久磁石型モータの高出力化に用いられた従来の等方性希土類ボンド磁石の(BH)maxは工業的には略80kJ/m3である。これに対し、任意の環状、或いは円弧状で139kJ/m3以上の高(BH)max希土類ボンド磁石が提供できれば、モータ磁石と鉄心との空隙磁束密度は略(BH)maxの比の平方根となるから、当該永久磁石型モータの設計思想によるが、略30%以上の高出力化、小型化が見込まれる。また、高速回転化も(式2)から高出力化に有効に作用する。
したがって、本発明の目的は比較的小型の永久磁石型モータに適用し得る厚さ1.5mm以下で任意の径の環状、或いは円弧状に対応可能で、例えば、139kJ/m3以上の高(BH)maxと高い機械強度を兼備えた異方性希土類ボンド磁石の提供により、当該モータの高出力化、高速回転化などによる省電力型モータの普及によって電気電子機器の高性能化、省電力化を促すことにある。
以下、上記課題を解決するための手段について、本発明にかかる磁石の構成を示す概念図を用いて説明する。
図1(a)〜(c)は本発明にかかる繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石の構成を示す概念図である。図1(a)において、[A1a]は平均粒子径50μm以上の磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B粉末、[A1b]は平均粒子径3μm以下の磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末であり、それぞれの矢印は磁化容易軸(C軸)を表している。それらは図1(a)のように、反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマー[A2]で被覆した希土類磁石粉末[A1]を構成している。
一方、図1(b)では[A2]を含浸した不織布[E+A2]と共に複合グラニュール[A]の構成を示している。ここで、複合グラニュール[A]の具体的構成として、(1)当該希土類磁石粉末[A1]と延伸性高分子[B1]とを溶融混練し、冷却後、粗粉砕した[A1]、[A2]、及び[B1]との構成、(2)当該希土類磁石粉末[A1]と延伸性高分子[B1]と滑剤[D]とを溶融混練し、冷却後、粗粉砕した[A1]、[A2]、[B1]、及び[D]との構成があり、それらは何れも溶融混練によって空隙部分を予め減じることができる。
更に、図1(c)は、表層に繊維強化層[E]を有し、且つ複合グラニュール[A]相互の境界部分に延伸性高分子[B1]を主成分とする境界相[B]を網目状に配し、複合グラニュール[A]、繊維強化層[E]、並びに前記[A]と網目状境界相[B]とにケミカルコンタクトポイント[C]を設けた構成を示す。
上記、本発明にかかる磁石は、図1(c)の概念図のように、複合グラニュール[A]を延伸性高分子[B1]、ケミカルコンタクト[C1]と共に、[A2]を含浸した不織
布[E+A2]を介して圧縮成形し、表層に繊維強化層[E]を設け、且つ複合グラニュール[A]相互の境界部分に延伸性高分子[B1]を主成分とする境界相[B]を網目状に配した構造の磁石である。とくに、境界相[B]が網目状で且つ連続相を形成するように配し、繊維強化層[E]、複合グラニュール[A]、並びに境界相[B]とにケミカルコンタクトポイント[C]を設けて化学的に結合する所謂、自己組織化構造とする。これにより、表層の繊維強化層は内部の複合グラニュール[A]中の希土類磁石粉末[A1]の体積分率の減少に伴う(BH)maxの減少は起こらない。また、内部の境界相[B]は磁石の延伸性の低下を補う。とくに、内部で境界相[B]が網目状となって複合グラニュール[A]相互間で連続相となれば、網目状の境界相[B]が磁石全体の機械的な延伸性を逆に高める。したがって、環状から円弧状に至る形状対応力を備えた高(BH)max、且つ面内方向に高い引張強度を有する磁石となる。
上記、本発明にかかる磁石では、反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマー[A2]を被覆した希土類磁石粉末[A1]と延伸性高分子[B1]とを溶融混練し、冷却後、粗粉砕した[A1]、[A2]、及び[B1]との構成で空隙部分を最小限に減少させた構成の複合グラニュール[A]、或いはまた[A2]を被覆した希土類磁石粉末[A1]と延伸性高分子[B1]と滑剤[D]とを溶融混練し、冷却後、粗粉砕した[A1]、[A2]、[B1]、及び[D]との構成で空隙部分を最小限に減少させた構成の複合グラニュール[A]を用いる。とくに、滑剤[D]はペンタエリスリトールC17トリエステルとし、延伸性高分子[B1]100重量部に対して3〜15重量部とする。また、複合グラニュール[A]、並びに前記[A]と境界相[B]とにケミカルコンタクトポイント[C]を設け、延伸性と耐候性を改善することもできる。
以上のような、複合グラニュール[A]と延伸性高分子[B1]とは滑りを伴う溶融流動条件下、15MPa以上で[A2]を含浸した不織布[E+A2]を介して圧縮成形し、少なくとも一方の表層に繊維強化層[E]を一体的に剛体化し、且つ、圧縮方向との直交断面が扁平状に伸びた構造の複合グラニュール[A]と網目状境界相[B]との構成とする。また、複合グラニュール[A]に含まれる希土類磁石粉末[A1]は平均粒子径50μm以上の磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]と平均粒子径3μm以下の磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]とし、好ましくは、希土類磁石粉末[A1]に占める単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]の割合を40%以上とする。
更に、[A2]には、オキシラン環を有する融点70〜100℃のエポキシ化合物の1種または2種以上とし、延伸性高分子[B1]は融点80〜150℃のポリアミド樹脂とすることが好ましい。その際、ケミカルコンタクトポイント[C]は[A2]、並びに[B1]の反応基質と架橋反応し得るイミダゾール誘導体[C1]は脂肪族残基を主鎖とする各種アミンアダクトなどに比べて自己組織化した結合剤の耐熱性や耐薬品性など耐候性に有利となるので好ましい。
加えて、複合グラニュール[A]に占める希土類磁石粉末[A1]の割合を95wt.%以上、厚さ1.5mm以下の板状で、希土類磁石粉末[A1]を面垂直方向異方化、面内方向異方化、或いは双方を規則的に繰り返した配向磁界下で、[A2]を含浸した不織布[E+A2]を介し、15MPa以上、滑りを伴う溶融流動条件下で圧縮成形し、相対密度98%以上の磁石とする。然る後、磁石全体を機械的に延伸し、圧延方向に生じる可撓性を利用して環状、或いはスタンピングによって部分的に延伸率を変えた円弧状磁石とする。
上記、本発明にかかる希土類磁石粉末[A1]のうち、多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]としては熱間据込加工(Die−Up−Setting)によって準備され
た多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[例えば,M.Doser,V.Panchanathan,“Pulverizing anisotropic rapidly solidified Nd−Fe−B materials for bonded magnet”,J.Appl.Phys.70(10),15,(1993)]。HDDR処理(水素分解/再結合)、すなわち、Nd−Fe(Co)−B系合金のNd2(Fe,Co)14B相の水素化(Hydrogenation,Nd2[Fe,Co]14BHx)、650〜1000(℃)での相分解(Decomposition,NdH2+Fe+Fe2B)、脱水素(Desorpsion)、再結合(Recombination)するHDDR処理で準備した多結晶集合型Nd2Fe14B磁石粉末である[T.Takeshita and R.Nakayama:Proc.of the 10th RE Magnets and Their Applications,Kyoto,Vol.1,551(1989)]。なお、前記希土類磁石粉末[A1]の表面を予め光分解したZnなど不活性化処理した希土類磁石粉末など、[例えば,K.Machida,K.Noguchi,M.Nushimura,Y.Hamaguchi,G.Adachi,Proc.9th Int.Workshop on Rare−Earth Magnets andTtheir Applications,Sendai,Japan,2,845(2000)],或いは[K.Machida,Y.Hamaguchi,K.Noguchi,G.Adachi,Digests of the 25th Annual conference on Magnetcs in Japan,28aC−6(2001)]を挙げることもできる。なお、それら多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]の4MA/mパルス着磁後の20℃における保磁力HCJは1MA/m以上のものが望ましい。
一方、本発明にかかる磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]とは、例えば、特開平2−57663号公報に記載される溶解鋳造法、特許第17025441号や特開平9−157803号公報などに開示される還元拡散法より、R−Fe系合金又はR−(Fe、Co)系合金を製造し、これを窒化した後微粉砕することによって得られる。微粉砕はジェットミル、振動ボールミル、回転ボールミルなど、公知の技術で実施することができ、フィッシャー平均粒径で1.5μm以下、好ましくは1.2μm以下となるように微粉砕したものを言う。なお、微粉末は、発火防止などハンドリング性を向上させるため、例えば特開昭52−54998号公報、特開昭59−170201号公報、特開昭60−128202号公報、特開平3−211203号公報、特開昭46−7153号公報、特開昭56−55503号公報、特開昭61−154112号公報、特開平3−126801号公報等に開示されているような、湿式ないし乾式処理による徐酸化皮膜を表面に形成することが望ましい。また、特開平5−230501号公報、特開平5−234729号公報、特開平8−143913号公報、特開平7−268632号公報や、日本金属学会講演概要(1996年春期大会、No.446、p184)等に開示されているような金属皮膜を形成する方法や、特公平6−17015号公報、特開平1−234502号公報、特開平4−217024号公報、特開平5−213601号公報、特開平7−326508号公報、特開平8−153613号公報、特開平8−183601号公報等による無機皮膜を形成する方法など、1種以上の表面処理Sm2Fe173微粉末であっても差支えない。
本発明では多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]または単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]の表面にオリゴマーまたはプレポリマー[A2]を被覆した希土類磁石粉末[A1]とする。具体的には、予め多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]または単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]とオリゴマーまたはプレポリマー[A2]の有機溶媒溶液とを湿式混合、脱溶媒、解砕し、必要に応じて適宜分級する。なお、本発明で言うオリゴマーまたはプレポリマー[A2]とは融点70〜100℃、且つ分子鎖中に少なくとも2個以上のオキシラン環を有するエポキシ化合物が好ましく、当該化
合物としてはビスフェノール類とエピクロルヒドリン或は置換エピクロルヒドリンとにより得られるもの,或いはその他各種の方法によって得られるエポキシオリゴマーがある。好ましくは、(化1)の構造で示されるエポキシ当量205〜220g/eq,融点70−76℃のポリグリシジルエーテル−o−クレゾールノボラック型エポキシオリゴマーを挙げることができる。
Figure 0004529598
本発明にかかる延伸性高分子[B1]の融点以上で、前記[B1]と多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]、並びに単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]にオリゴマーまたはプレポリマー[A2]を被覆した希土類磁石粉末[A1]を溶融混練し、粗粉砕した複合グラニュール[A]は多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]と単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]とを併用することが望ましく、両者の割合を95wt.%以上、更には、単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]の割合を40wt.%以上とすることが、高(BH)max化や初期不可逆減磁抑制の観点から好適である。このような、複合グラニュール[A]はロールミルや2軸押出機など加熱可能な混練装置を用いた定法手段により容易に準備できる。
一方、本発明にかかる延伸性高分子[B1]としてはホモポリアミドとしてラクタム或はアミノカルボン酸より合成されるものと、ジアミンとジカルボン酸、或はそのエステルやハロゲン化物から合成される(化2)で示されるポリアミドがある。
Figure 0004529598
ただし、上式においてR1、R2、R3は一般にポリメチレン基であり、R1が−(CH2m−であるものはナイロン(m+1)であり、R2が−(CH2p−、R3が−(CH2q-2あるものはナイロン−p・qである。尚、更に第3の単量体を加えた共重合体であっても差支えない。例えば、本発明で使用できるポリアミドの例としてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等のナイロン、共重合ナイロン、ブレンド品等が挙げられる。より好適に用いられる低融点ポリアミドであり、当該ポリアミドとしては、例えば融点80〜150℃、酸価10以下、アミン価20以下、分子量4000〜12000のポリアミドコポリマー、アルコール可溶性ポリアミドがある。
上記のような延伸性高分子[B1]は本発明にかかる磁石の製造段階で、軟化もしくは融解、あるいは[A2]成分として好適なエポキシオリゴマーに少なくとも一部が溶解することにより、低温での反応性を保持しつつ、優れた機械的強度を発現する。
一方、本発明では滑りを伴う溶融流動が発現する滑剤[D]を同時に溶融混練し、粗粉砕して複合グラニュール[A]とすることが好ましい。滑りを伴う溶融流動が発現する滑剤[D]とは、例えば希土類磁石粉末[A1]への内部滑性作用と成形型壁面への外部滑性作用とが整合性よく発現する化合物で、例えば(化3)の構造を有するペンタエリスリトール脂肪酸トリエステル化合物が例示できる。これは、ペンタエリスリトール1モルにステアリン酸3モルとの縮合反応で得られ、その融点は約51℃であった。なお、ペンタエリスリトールC17トリエステルは[B1]100重量部に対して3〜15重量部とすると顕著な滑りを伴う溶融流動が発現する。15重量部以上では外部滑性効果が強くなり過ぎ、複合グラニュール[A]への混入自体が困難となり、3重量部未満では滑りを伴う溶融流動現象は顕著でない。
Figure 0004529598
上記のような、複合グラニュール[A]に滑りを伴う溶融流動が発現する条件下では希土類磁石粉末[A1]の割合を95wt.%以上としても、厚さ1mm程度の薄板状磁石を高い配向度を維持したまま圧縮成形することができる。
なお、多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]または単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]に被覆した成分[A2]、および[B1]の反応基質とケミカルコンタクトポイント[C]を形成するケミカルコンタクト[C1]としては、例えば、(化4)で示されるようなイミダゾール誘導体を例示できる。
Figure 0004529598
ただし、(化4)中、R1、R2はH,アルキル残基であり、このような化合物を得るには、例えばヒダントイン化合物1モルと式CH2=CHCOOR’(R’はアルキル)のアクリル酸エステル2モルとの付加物、或は該ヒダントイン1モルと式CH3=C(CH3)COOR’のメタクリル酸エステル1モル並びにアクリ酸エステル1モルとの付加物に抱水ヒドラジンを反応させることで得られる。
以上、本発明にかかる複合グラニュール[A]を延伸性高分子[B1]、並びにそれらとケミカルコンタクトポイント[C]を形成する粉末状ケミカルコンタクト[C1]と混合し、配向磁界下で、[A2]を含浸した不織布[E+A2]を介し、滑りを伴う溶融流動条件下で圧縮成形する。ただし、圧縮成形圧力は15MPa以上50MPa以下とする。このような材料形態、成形条件下では希土類磁石粉末[A1]の新生面やクラック生成が抑制されるため、酸化による永久劣化に相当する磁気特性の劣化を抑制できる。
なお、配向磁界下での圧縮成形において、成形型からの熱伝導により複合グラニュール[A]、および延伸可能な高分子[B1]を溶融状態とする。その結果、多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]、並びに単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]は配向磁界によって磁化容易軸(C軸)を一定方向に揃える再配列を起こす。そして、この状態で15MPa以上、50MPa以下で、[A2]を含浸した不織布[E+A2]を介して圧縮成形し、必要に応じて加熱加圧して十分なケミカルコンタクトポイント[C]を形成させ、本発明にかかる磁石とする。或いは、一旦成形型から脱型し、後硬化によって十分なケミカルコンタクトポイント[C]を形成させても差支えない。
上記、本発明にかかる磁石の異方化方向は板状磁石の面に垂直方向、または面内方向のどちらか一方、或いは両者の規則的繰返しであっても差支えない。面に垂直方向の場合は直交または平行配向磁界下で圧縮成形し、面内方向の場合には直交磁界配向で圧縮成形し、面に垂直方向、または面内方向の規則的繰返しとする場合は、希土類焼結磁石、或いは希土類焼結磁石とパーメンジュールのような高透磁率軟磁性体を組合せた既知の成形型等を使用することで所望の方向に配向分布を設ける。
なお、本発明にかかる磁石は厚さ1.5mm以下の薄板状で、その相対密度は98%以上が好ましい。磁石の相対密度が低下すると、ケミカルコンタクトポイント[C]を形成する際、大気中で熱すると空隙量に応じて希土類磁石粉末[A1]の永久劣化分に相当する(BH)maxの低下が大きくなるので好ましくない[三野、浅野、石垣、”異方性Nd−Fe−B系ボンド磁石の開発”,住友特殊金属技報、Vol.12,(1997)]。
図2は本発明にかかる磁石の自己組織化構造を例示する概念図である。ただし、図中点
線の円[A]の範囲は複合グラニュール[A]、または、[A2]を含浸した不織布[E+A2]部分に相当する。また、点線の円[B]の範囲は境界相[B]の部分に相当する。ここで、複合グラニュール[A]での[A2]は希土類磁石粉末[A1]を固定するポリグリシジルエーテル−o−クレゾールノボラック型エポキシオリゴマー、[A2]を含浸した不織布[E+A2]部分では繊維強化層[E]と磁石とを一体的に剛体化するためのポリグリシジルエーテル−o−クレゾールノボラック型エポキシオリゴマーに相当する。それら、点線の円[A]の一部と点線の円[B]に存在する[B1]は延伸性高分子としての末端カルボキシル基を有する線状ポリアミドを示している。また、図中、点線の小円[C]はケミカルコンタクトポイントで、(化3)で示したイミダゾ−ル誘導体[C1]によるケミカルコンタクトポイント[C]の形成を示している。図のように、不織布[E+A2]の基材であるガラス繊維や希土類磁石粉末[A1]を固定する[A2]、分子鎖配向を担う延伸性高分子[B1]の官能基は熱によりケミカルコンタクト[C1]、或いは[A2]と直接反応して自己組織化する。なお、この例でのケミカルコンタクトのイミダゾール誘導体[C1]は当該融点以上で[A2]、[B1]に溶解して浸入し、化学結合によりケミカルコンタクトポイントを形成する。
以上のような本発明にかかる磁石は、複合グラニュール[A]の境界相[B]を網目状に設け、延伸性高分子[B1]を機械的に延伸する。すると延伸方向に可撓性が発現するので、これを利用して板状磁石を環状または円弧状に形状変換し、所望の永久磁石型モータに実装できる。延伸の方法としては環状磁石とする場合には圧延、円弧状磁石とする場合にはスタンピングが好ましい。勿論、それらを併用しても差支えない。
本発明は異方性希土類ボンド磁石に関し、更に詳しくは、高(BH))maxと形状対応力を兼備えた自己組織化した繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石に関する。本発明にかかる磁石はオリゴマーまたはプレポリマー[A2]を被覆した単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]、並びに多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]と延伸性高分子[B1]を含む複合グラニュール[A]に溶融流動(滑り流動)性を付与し、滑りを伴う溶融流動が発現する条件下で延伸性高分子[B1]、ケミカルコンタクト[C1]とともに、配向磁界中、オリゴマーまたはプレポリマー[A2]を含浸した不織布を介して圧縮成形し、然る後、ケミカルコンタクトポイント[C]の形成で繊維強化層[E]と共に自己組織化した構成である。これにより、厚さ1mmで(BH)max139kJ/m3の繊維強化層を設けた磁石が略空隙なしで得られる。機械的な延伸によって、例えば直径24mm以上の環状にでき、磁石最外層に繊維強化層[E]を配置した堅牢な構成の高速回転型永久磁石型モータとして、当該モータの高出力化、高効率化が図れる。
以下、本発明にかかる磁石を実施例により更に詳しく説明する。ただし、本発明は実施例によって限定されるものではない。
1.原料
本実施例ではHDDR処理(水素分解/再結合)によって準備された磁気的に異方性の平均粒子径80(μm)の多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a](Nd12.3Dy0.3Fe64.7Co12.36.0Ga0.6Zr0.1)、RD(酸化還元)法により作製した平均粒子径3(μm)の磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]を使用した。また,本発明にかかるオリゴマ−[A2]は(化1)で示した構造のエポキシ当量205〜220g/eq,融点70−76℃のポリグリシジルエ−テル−o−クレゾ−ルノボラック型エポキシオリゴマ−、延伸性高分子[B1]は(化2)で示した構造の可塑剤を含む融点80℃、酸価10以下、アミン価20以下、分子量4000〜12000のポ
リアミド粉末、ケミカルコンタクトポイント[C]を形成するケミカルコンタクト[C1]は(化3)で示した構造の平均粒子径3μm、融点80−100℃の潜在性エポキシ樹脂硬化剤(イミダゾール誘導体)、滑剤[D]には(化4)で示した構造の融点約52℃のペンタエリスリトールC17トリエステルを用いた。
2. 磁石の作製
本発明にかかる磁石は表層に繊維強化層[E]を設けるとともに、内部は複合グラニュール[A]を主成分とし、当該複合グラニュール[A]の周囲を網目状に配した境界相[B]とで構成し、それら[E]、[A]、並びに[B]とはケミカルコンタクトポイント[C]により化学的に結合した構成とする。
上記、本発明にかかる磁石を準備する第1段階は、多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]と単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]とを、それぞれエポキシオリゴマー[A2]で被覆した希土類磁石粉末[A1]とし、延伸性高分子[B1]と一括して溶融混練し、一つひとつのグラニュールが[A1a]、[A1b]、[B1]を構成成分とする溶融流動性をもつ複合グラニュール[A]とすることにある。更に好ましくは、複合グラニュール[A]に滑りを伴う溶融流動性を発現させる滑剤[D]を含ませ、その粒子径を500μm以下とする。別に、エポキシオリゴマー[A2]含浸ガラス不織布を準備する。
本発明にかかる磁石を準備する第2段階では、当該複合グラニュール[A]を境界相[B]を形成するための延伸性高分子[B1]、並びにケミカルコンタクトポイント[C]を形成するためのケミカルコンタクト[C1]と共に配向磁界下で[A2]を含浸した不織布[E+A2]を介して圧縮成形し、本発明にかかる磁石とする。
以上により準備した本発明にかかる薄板状で繊維強化層[E]を有する磁石は最終段階として、その延伸性を利用して多様な形態の永久磁石型モータに適用される環状から円弧状に至る任意形状に変換する。
本実施例では、先ずNd2Fe14B粉末[A1a]60重量部に対してエポキシオリゴマー[A2]を3重量部、Sm2Fe173微粉末[A1b]40重量部に対して[A2]を0.8重量部の割合とし、[A2]は予めアセトン溶液とし、[A1a]または[A1b]と湿式混合したのち、80℃でアセトンを揮散させ本発明にかかる希土類磁石粉末[A1]とした。
別に、上記エポキシオリゴマー[A2]を20wt.%とするアセトン溶液を準備した。前記溶液を用い、ガラス密度13.6g/m2、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン処理したガラス不織布に含浸したのち、80℃でアセトンを揮散させ本発明にかかる[A2]を含浸した不織布[E+A2]とした。なお、前記、不織布の[A2]量は30−40wt.%であった。
次に、[A1a]と[A1b]との混合比を6:4を基準とした希土類磁石粉末[A1]100重量部に対し、ポリアミド[B1]を3重量部、滑剤ペンタエリスリトールC17トリエステル[D]を0.3重量部として120℃のロールミルで溶融混練し、冷却後、500μm以下に粗粉砕し、本発明にかかる複合グラニュール[A]−1とした。他方では、[A1a]と[A1b]との混合比を6:4を基準とした希土類磁石粉末[A1]100重量部に対し、[B1]を3重量部として120℃のロールミルで溶融混練し、冷却後、500μm以下に粗粉砕し、本発明にかかる複合グラニュール[A]−2とした。
次に、複合グラニュール[A]−1の100重量部に対して延伸性高分子[B1]を0
.5重量部、ケミカルコンタクト[C1]を0.3重量部混合したのち、前記材料を25g計量し、150℃、1.4MA/mの平行磁界中、本発明にかかる[A2]を含浸した160mm×25mmに切断した不織布[E+A2]を介して圧縮成形した。ただし、成形型キャビティは160mm×25mmである。
図から明らかなように、本発明によれば、僅か15MPaの圧縮圧力で相対密度略99%(空隙率1%未満)の磁石が得られる。なお、滑剤[D]としてペンタエリスリトールC17トリエステルに代えて脂肪酸とその金属石鹸類(ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム)、ワックス、ステアリルアルコール、ステアリン酸とステアリルアルコールのモノエステル、トリメリット酸トリオクチル、べへニン酸モノグリセライド、ベンジルアルコールなどを延伸性高分子[B1]100重量部に対して10重量部添加し、溶融混練しても滑りを伴う溶融流動は観測されず、本発明例のような結果は得られない。しかし、複合グラニュール[A]−2の100重量部と延伸性高分子[B1]0.5重量部、ケミカルコンタクト[C1]0.3重量部の組合せでも図3の本発明例のような結果が得られた。すなわち、本発明にかかる磁石では網目状境界相[B]が相対密度や不織布[E+A2]とのコンパティビリティの向上に支配的な役割を演じる。
3.磁石の引張強度と最大エネルギー積(BH)max
図4は本発明例にかかる厚さ約1.05mmの磁石の破断面を示す特性図である。図中Eは本発明にかかる繊維強化層[E]で、不特定方向に分散したガラス繊維が認められる。また、図で見られる比較的大きな粉末はエポキシオリゴマー[A2]で被覆した多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]、比較的小さな粉末の凝集体はエポキシオリゴマー[A2]で被覆したSm2Fe173微粉末[A1b]で、それらは滑剤[D]を含ませた延伸性高分子[B1]の溶融混練で均一に分散されている。また、多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]には損壊やクラックも観察されない。
また、図において、境界相[B]やケミカルコンタクトポイント[C]は観測できないが、アルキメデス法により求めた磁石の密度は5.70Mg/m3で、結合剤成分を含めた相対密度は99.06%であった。ただし、磁石の理論密度は多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]を7.55Mg/m3、単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]を7.68Mg/m3、結合剤成分を1.02Mg/m3、ガラス繊維を2.60Mg/m3として算出した。このように、本発明例にかかる磁石は従来の等方性Nd2Fe14Bボンド磁石の600〜1000MPaに比べ、例えば僅か15MPaの低圧圧縮成形で磁石粉末の破砕やクラックなどの損傷を抑えながら、ほぼ空隙のない繊維強化層を一体的に剛体化した構成となっている。しかも、繊維強化層[E]は、磁石材料の一部を取り込み、磁石部分に非磁性材料である繊維が浸入して(BH)maxなどの磁気特性を減少させることもない。加えて、15MPaの低圧圧縮が可能であるから、上下パンチやダイなどの圧縮成形型にSUS304など廉価な非磁性材料を採用することができる利点もある。
上記、本発明にかかる磁石の室温での引張強度は19.8MPa、繊維強化層で[E]のない同一組成の磁石に比べると1.11倍であった。また、磁石の両表面に繊維強化層[E]を設けた所謂サンドイッチ構造の磁石は1.21倍の21.5MPaであった。
図5は本発明にかかる厚さ300〜1500μmの磁石の厚さと環状磁石の形成限界を示す特性図である。ただし、当該磁石を120℃で圧下率4〜5%の延伸し、室温に冷却後、延伸方向に発現する可撓性を利用して直径の異なるマンドレルに磁石を室温で巻き付け、クラックが発生しない限界径を求めたものである。また、図に示す比較例は繊維強化層で[E]のない同一組成の磁石である。図のように、繊維強化層[E]の存在は剛性を高めることから、一定条件下では磁石の巻き付け性を弱める。しかし、例えば厚さ1mm
の磁石であれば直径24mm以上の環状磁石が室温で作製できる。また、圧下率や巻き付け温度を高めれば、限界径は下がるので実用上では充分な可撓性を保持している。
図6は本発明にかかる環状磁石ロータの斜視外観図である。ただし、厚さ1mmの磁石を積厚25mmの積層電磁鋼板に巻き付け、直径50mmの磁石最外層には、約20μmの繊維強化層[E]が磁石と一体的に剛体化した構成である。また、積層電磁鋼板と磁石とはエポキシ樹脂で接着固定している。
上記ロータに回転軸を挿入し、100℃で10000rpmの回転数で回転したところ30min後も亀裂や膨れなどによる寸法変化はなかった。しかし、繊維強化層[E]を設けない従来構造の磁石では7000−8000rpmで磁石表面クラックと0.02mm程度の部分的な膨れを観測した。したがって、本発明にかかる磁石ロータのように、磁石最外層に繊維強化層[E]を配置した構成の表面磁石型ロータは高速回転化に基づく高出力化も可能となる。
一方、上記本発明にかかる厚さ1mmの磁石の4MA/mパルス着磁後の(BH)maxは139kJ/m3、保磁力HCJは965kA/mであった。
従来、等方性希土類ボンド磁石の(BH)maxは工業的には略80kJ/m3である。また、特許第3357421号公報によれば、平行磁界中圧縮成形で厚さ1mm以下の薄板磁石を配向度よく作製するのは困難としている。これに対し、本発明にかかる磁石は厚さ1mmでも(BH)max139kJ/m3が得られる。永久磁石型モータの鉄心との空隙磁束密度は略(BH)maxの比の平方根に比例するから、略30%以上の高出力化、小型化が可能である。すなわち、本発明にかかる磁石は高(BH)maxで、且つ形状対応力を備えた繊維強化層[E]を一体的に剛体化した磁石であり、環状から円弧状に至る多様な形状が求められる永久磁石型モータの高出力化、小型軽量化に好適である。
本発明は電気電子機器の駆動用として使用される磁石回転子型、或は磁石界磁型の永久磁石型モータの高出力化、高効率化、小型軽量化に好適である。
本発明にかかる磁石の構成を示す概念図 本発明にかかる磁石の化学構造の一例を示す概念図 磁石の相対密度の圧力依存性を示す特性図 磁石の破断面を示す特性図 環状磁石の形成限界を示す特性図 環状磁石ロータの斜視外観図
符号の説明
A 複合グラニュール
A1 希土類磁石粉末
A1a 平均粒子径50μm以上の磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B粉末
A1b 平均粒子径3μm以下の磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末
A2 反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマー
B 境界相
B1 延伸性高分子
C ケミカルコンタクトポイント
C1 ケミカルコンタクト
D 滑剤
E 繊維強化層
E+A2 反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマーを含浸した不織布

Claims (20)

  1. 反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマー[A2]を被覆した希土類磁石粉末[A1]と、延伸性高分子[B1]とを溶融混練し、冷却後、粗粉砕して構成した複合グラニュール[A]を、前記[A2]を含浸した不織布[E+A2]、延伸性高分子[B1]、ケミカルコンタクト[C1]と共に圧縮成形し、前記複合グラニュール[A]の周囲に、延伸性高分子[B1]を主成分とする境界相[B]を網目状に配し、ケミカルコンタクトポイント[C]で化学的に結合した、少なくとも一方の表層に繊維強化層[E]を設けた構造を有する繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  2. 複合グラニュール[A]が、さらに、滑剤[D]を含有した請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  3. 滑剤[D]をペンタエリスリトールC17トリエステルとし、延伸性高分子[B1]100重量部に対して添加量を3〜15重量部とした請求項1または2記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  4. 反応基質を有するオリゴマーまたはプレポリマー[A2]を含浸した不織布[E+A2]の基材がガラス繊維である請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  5. [A2]を含浸した不織布[E+A2]を介し、複合グラニュール[A]と延伸性高分子[B1]とを滑りを伴う溶融流動条件下、5MPa以上でシート状に圧縮成形し、圧縮面の少なくとも一方の表層、または両表層に繊維強化層[E]を設けた構造を有する請求項1または4記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  6. 希土類磁石粉末[A1]を平均粒子径50μm以上の磁気的に異方性の多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]と平均粒子径3μm以下の磁気的に異方性の単磁区粒子型Sm2Fe173微粉末[A1b]とから構成した請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  7. 多結晶集合型Nd2Fe14B粉末[A1a]を含む希土類磁石粉末全体に占める単磁区粒
    子型Sm2Fe173微粉末[A1b]の割合を40wt.%以上とした請求項記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  8. [A2]を融点70〜100℃のエポキシ化合物の1種または2種以上とした請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  9. 延伸性高分子[B1]を融点80〜150℃のポリアミドとした請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  10. ケミカルコンタクト[C1]をイミダゾール誘導体とした請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  11. 希土類−鉄系磁石粉末[A1]の割合を95wt.%以上とした請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  12. 希土類磁石粉末[A1]を面に垂直方向に異方化した厚さ1.5mm以下の薄板状である請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  13. 面内方向に異方化した厚さ1.5mm以下の板状である請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  14. 面垂直方向異方化と面内方向異方化とを交互に繰り返した配向磁界下で圧縮成形した厚さ1.5mm以下の板状である請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  15. 相対密度が98%以上である請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  16. 延伸を圧延とし、圧延方向に生じる可撓性を利用して最終形状を環状とした請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  17. 延伸をスタンピングとし、最終形状を円弧状とした請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  18. 2.0MA/mで磁化した際の20℃の最大エネルギ−積(BH)maxが≧139kJ/
    3である請求項1記載の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石。
  19. 請求項1または16記載の環状形状の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石を搭載した永久磁石型モータ。
  20. 請求項1または17記載の円弧形状の繊維強化層一体型可撓性希土類ボンド磁石を搭載した永久磁石型モータ。
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