JP2007059421A - 多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法 - Google Patents

多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Sm−Co系や等方性Nd2Fe14B粉末に比べ、Nd2Fe14B多結晶集合型異方性粒子は磁石としての再生が困難であった。
【解決手段】本発明は架橋間巨大分子形成能を有する結合剤成分Bに溶融混練で分散した単磁区粒子型微粉末で多結晶集合型異方性粒子を隔離した構成の複合磁石、或いはそれらの中間体の粗粉砕から得る異方性グラニュールを混入する磁石の再生方法である。磁気特性の維持は(1)単磁区粒子型微粉末をSm2Fe173、多結晶集合型異方性粒子をNd2Fe14Bとし、滑りを伴う溶融流動下、20−50MPaで圧縮成形する。(2)成分Bは融点70〜90℃のアルコール可溶ポリアミドで1.8重量%以上とする。(3)磁石粉末固定成分Aを被覆した微粉末の割合を15〜50重量%とする。(4)粗粉砕した異方性グラニュールは粒子径250μm以下とする。
【選択図】図7

Description

本発明は多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石に関し、更に詳しくは水素分解再結合法などにより製造されたNd2Fe14B粒子を含む複合磁石の再生方法に関する。
希土類ボンド磁石の磁石としての再生に関して、2相分離型Sm2TM17(TMはCo,Fe,Cu,Zrなどの遷移金属)粉末をポリアミドなどの熱可塑性樹脂と混練したコンパウンドを射出成形するボンド磁石が特開昭59−136907号公報に開示されている(特許文献1参照)。
Sm2TM17系粉末は単磁区粒子型SmCo5粉末に比べ、磁石、或いはスプルーやランナーなどを粉砕して再び射出成形に供することができる。とくに、破砕した材料を混練したコンパウンドと混合すると最大エネルギー積(BH)maxや機械的性質の低下が抑制できるなど、SmCo5粉末を用いたボンド磁石よりも、射出成形により工業的規模で効率よく製造するのに有利であるとしている。
一方、急冷凝固で得られる平均結晶粒径20−50nm、磁気的に等方性のNd2Fe14B、αFe/Nd2Fe14B、Fe3B/Nd2Fe14Bの材料形態はリボンなどの薄帯、それを粉砕したフレーク状の粉末に制限される。このため、一般に使用されるバルク状磁石とするには材料形態の変換、つまり何らかの方法で薄帯や粉末を特定のバルクに固定化する技術が必要となる。粉末冶金学における基本的な粉末固定手段は常圧焼結であるが、当該リボンは結晶粒径に基づく磁気特性を維持する必要があるため常圧焼結の適用は困難である。そのため、もっぱらエポキシ樹脂のような結合剤で特定形状のバルクとすることが行われる。
1986年、本発明者らは特開昭62−196057号公報によって上記急冷凝固リボンを粉砕したNd2Fe14B粉末をエポキシ樹脂で固定した(BH)max〜72kJ/m3の等方性Nd2Fe14B磁石が小口径磁石モータに有用であることを明らかにした。その後、等方性Nd2Fe14B磁石がSm−Co系磁石よりも小口径磁石モータに有用であるとする報告が相次いでなされた。その結果、1990年代にOA、AV、PCおよびその周辺機器、並びに情報通信機器用途を中心に等方性Nd2Fe14B磁石がモータへ広く普及した経緯がある(特許文献2参照)。
上記背景に鑑みて、本発明者らは特開2001−110615、特開2001−143916、特開2001−1196214、特開2002−313616号公報など、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の分解によって磁気的に等方性のNd2Fe14B、αFe/Nd2Fe14B、Fe3B/Nd2Fe14B粉末を回収し、磁石として再生する技術を開示した(特許文献3、4、5、6参照)。
しかしながら、電気電子機器の高性能化の進展によって、それらの小口径モータの小型(薄型)化、高出力化の要求は絶えない。したがって、(BH)max80kJ/m3に代表される等方性Nd2Fe14B磁石の改良では、もはや小口径モータの高性能化に有用と言い切れなくなりつつある。よって、このような、等方性Nd2Fe14B磁石の応用分野で異方性磁石が注目されつつある。
ところで、Sm−Co系粉末はインゴットを粉砕しても大きな保磁力HCJが得られる。しかし、SmやCoは資源バランスの観点から、汎用性の高い工業材料としては馴染まな
い。これに対し、NdやFeは資源バランスの観点で有用である。しかし、Nd2Fe14B系合金のインゴットや焼結磁石を粉砕してもHCJが小さいため、急冷凝固Nd2Fe14B粉末を出発原料とする多結晶集合型異方性Nd2Fe14B粒子の研究が先行した。
1989年、徳永はNd14Fe80-X6GaX(X=0.4〜0.5)を熱間据込加工(Die−upset)したバルクを粉砕しHCJ=1.52MA/mのNd2Fe14B粒子とし、樹脂で固めて(BH)max127kJ/m3の異方性磁石を得た[徳永雅亮,“希土類ボンド磁石の磁気特性”,粉体および粉末冶金,Vol.35,pp.3−7,(1988)]。(非特許文献1参照)
また、1991年、H.SakamotoらはNd14Fe79.85.2Cu1を熱間圧延し、HCJ1.30MA/mのNd2Fe14B粒子を作製した[H.Sakamoto,M.Fujikura and T.Mukai,“Fully−dense Nd−Fe−B magnets prepared from hot−rolled anisotropic powders”,Proc.11thInt.Workshop on Rare−earth Magnets and Their Applications,Pittsburg,pp.72−84(1990)](非特許文献2参照)。
このように、GaやCuの添加で熱間加工性を向上させ、Nd2Fe14B結晶粒径を制御して高HCJ化した粒子が知られた。1991年、V.Panchanathanらは熱間加工バルクの粉砕法とし、粒界から水素を侵入させNd2Fe14BHXとして崩壊させ、真空加熱で脱水素したHD(Hydrogen Decrepitation)−Nd2Fe14B粒子とし、(BH)max150kJ/m3の異方性磁石とした[M.Doser,V.Panchanacthan,and R.K.Mishra,“Pulverizing anisotropic rapidly solidified Nd−Fe−B materials for bonded magnets”,J.Appl.Phys.,Vol.70,pp.6603−6805(1991)](非特許文献3参照)
2001年、IriyamaはNd0.137Fe0.735Co0.0670.055Ga0.006を同法で310kJ/m3の粒子とし、(BH)max177kJ/m3の異方性磁石に改良した[T.Iriyama,“Anisotropic bonded NdFeB magnets made from hot−upset powders”,Polymer
Bonded Magnet 2002,Chicago(2002)](非特許文献4参照)。
一方、TakeshitaらはNd−Fe(Co)−Bインゴットを水素中熱処理し、Nd2(Fe,Co)14B相の水素化(Hydrogenation,Nd2[Fe,Co]14BHx)、650〜1000℃で相分解(De composition, NdH2+Fe+Fe2B)、脱水素(Desorpsion)、再結合(Recombination)するHDDR法を提案し[T.Takeshita,and R.Nakayama,“Magnetic properties and micro− structure of the Nd−Fe−B magnet powders produced by hydrogen treatment”,Proc.10thInt.Workshop on Rare−earth Magnets and Their Applications,Kyoto,pp.551−562(1989)]、1999年にはHDDR−Nd2Fe14B粒子から(BH)max193kJ/m3の異方性磁石を作製した[K.Morimoto,R.Nakayama,K.Mori,K.Igarashi,Y.Ishii,M.Itakura,N.Kuwano,K.Oki,“Nd2Fe14B−based magnetic powder with high remanence produced by modified HDDR process”,IEEE.Trans.Magn.,Vol.35,pp.3253−3255
(1999)](非特許文献5、6参照)。
2001年には、MishimaらによってCo−freeのd−HDDR Nd2Fe14B粒子が報告され[C.Mishima,N.Hamada,H.Mitarai,and Y.Honkura,“Development of a Co−free NdFeB anisotropic magnet produced d−HDDR
processes powder”,IEEE.Trans.Magn.,Vol.37,pp.2467−2470(2001)]、N.Hamadaらは(BH)max358kJ/m3の同d−HDDR Nd2Fe14B粒子を150℃、2.5Tの配向磁界中、0.9GPaで圧縮し、密度6.51Mg/m3、(BH)max213kJ/m3の立方体(7mm×7mm×7mm)異方性磁石を作製している[N.Hamada,C.Mishima,H.Mitarai and Y.Honkura,“Development of anisotropic bonded magnet with 27MGOe”IEEE.Trans.Magn.,Vol.39,pp.2953−2956(2003)](非特許文献7、8参照)。
しかし、立方体磁石は一般の永久磁石型モータには適合しない。例えば、肉厚1mm程度の環状、或いは円弧状異方性磁石としてモータへの形状対応力を高める必要がある。
他方、SmCo5粉末以外の希土類金属間化合物の単磁区粒子型微粉末としては、例えば1999年、RD(Reduction&Diffusion)−Sm2Fe173粉末が報告されている[A.Kawamoto,T.Ishikawa,S.Yasuda,K.Takeya,K.Ishizaka,T.Iseki,K.Ohmori,“Sm2Fe173 magnet powder made by reduction and diffusion method”,IEEE Trans.Magn.,Vol.35,pp.3322−3324,(1999)](非特許文献9参照)。
また、2001年、前記粉末を用いた(BH)max〜119kJ/m3の射出成形ボンド磁石が報告された[川本淳,白石佳代,石坂和俊,保田晋一,“15MGOe級SmFeN射出成形コンパウンド”,電気学会マグネティックス研究会,(2001)MAG−01−173](非特許文献10参照)。
2002年には(BH)max323kJ/m3の耐候性付与RD−Sm2Fe173粉末を使用した(BH)max136kJ/m3の射出成形による異方性磁石も報告された[K.Ohmori,“New era of anisotropic bonded SmFeN magnets”,Polymer Bonded Magnet 2002,Chicago(2002)](非特許文献11参照)。
また、このような射出成形ラジアル異方性による(BH)max80kJ/m3の異方性磁石を応用した表面磁石(SPM)ロータを用いることで、フェライト焼結磁石モータに対して高効率化を実現した報告もある[松岡篤,山崎東吾,川口仁,“送風機用ブラシレスDCモータの高性能化検討”,電気学会回転機研究会,(2001)RM−01−161](非特許文献12参照)。
しかし、ラジアル配向磁界は成形型キャビティが小口径(長尺)化すると起磁力の多くが漏洩磁束として消費されるため配向磁界が減少する。このため、ボンド磁石や焼結磁石に拘らず小口径(長尺)化に伴って(BH)maxが減少する[例えば、清水元治,平井伸之,“Nd−Fe−B系焼結型異方性リング磁石”,日立金属技報,Vol.6,pp.33−36(1990)](非特許文献13参照)。また、均質なラジアル磁界の発生は困難で等方性磁石に比べて生産性が低い課題もある。
しかし、仮に半径方向の磁気特性が形状に依存せず均質な配向が可能で、且つ高い生産性が実現できればモータの高性能化に有用な高(BH)maxラジアル磁気異方性磁石の普及が期待される。そこで、本発明者らは、結合剤と磁石粉末とのコンパウンドを圧縮成形し、自己組織化後に形成した結合剤の架橋間巨大分子を機械的に延伸し、面垂直磁気異方性薄板磁石の可撓性を制御し、その可撓性を利用して、磁気異方性の方向を面垂直方向からラジアル方向に転換する異方性磁石の作製技術、並びにその磁気特性を開示した。これにより、小口径(長尺)化してもラジアル方向の磁気特性が、殆ど低下しない異方性磁石が製造できるようになった。[F.Yamashita,S.Tsutsumi,H.Fukunaga,”Radially−anisotropic ring− or arc−shaped rare−earth bonded magnets using self−organization technique”,IEEE Trans.Magn.,Vol.40,No.4 pp.2059−2064(2004)](非特許文献14参照)。
特開昭59−136907号公報 特開昭62−196057号公報 特開2001−110615号公報 特開2001−143916号公報 特開2001−1196214号公報 特開2002−313616号公報 徳永雅亮,"希土類ボンド磁石の磁気特性",粉体および粉末冶金,Vol.35,pp.3−7,(1988)]。 H.Sakamoto,M.Fujikura and T.Mukai,"Fully−dense Nd−Fe−B magnets prepared from hot−rolled anisotropic powders",Proc.11thInt.Workshop on Rare−earth Magnets and Their Applications,Pittsburg,pp.72−84(1990) M.Doser,V.Panchanacthan,and R.K.Mishra,"Pulverizing anisotropic rapidly solidified Nd−Fe−B materials for bonded magnets",J.Appl.Phys.,Vol.70,pp.6603−6805(1991) T.Iriyama,"Anisotropic bonded NdFeB magnets made from hot−upset powders",Polymer Bonded Magnet 2002,Chicago(2002) T.Takeshita,and R.Nakayama,"Magnetic properties and micro− structure of the Nd−Fe−B magnet powders produced by hydrogen treatment",Proc.10thInt.Workshop on Rare−earth Magnets and Their Applications,Kyoto,pp.551−562(1989) K.Morimoto,R.Nakayama,K.Mori,K.Igarashi,Y.Ishii,M.Itakura,N.Kuwano,K.Oki,"Nd2Fe14B−based magnetic powder with high remanence produced by modified HDDR process",IEEE.Trans.Magn.,Vol.35,pp.3253−3255(1999) C.Mishima,N.Hamada,H.Mitarai,and Y.Honkura,"Development of a Co−free NdFeB anisotropic magnet produced d−HDDR processes powder",IEEE.Trans.Magn.,Vol.37,pp.2467−2470(2001) N.Hamada,C.Mishima,H.Mitarai and Y.Honkura,"Development of anisotropic bonded magnet with 27MGOe"IEEE.Trans.Magn.,Vol.39,pp.2953−2956(2003) A.Kawamoto,T.Ishikawa,S.Yasuda,K.Takeya,K.Ishizaka,T.Iseki,K.Ohmori,"Sm2Fe17N3 magnet powder made by reduction and diffusion method",IEEE Trans.Magn.,Vol.35,pp.3322−3324,(1999) 川本淳,白石佳代,石坂和俊,保田晋一,"15MGOe級SmFeN射出成形コンパウンド",電気学会マグネティックス研究会,(2001)MAG−01−173 K.Ohmori,"New era of anisotropic bonded SmFeN magnets",Polymer Bonded Magnet 2002,Chicago(2002) 松岡篤,山崎東吾,川口仁,"送風機用ブラシレスDCモータの高性能化検討",電気学会回転機研究会,(2001)RM−01−161 例えば、清水元治,平井伸之,"Nd−Fe−B系焼結型異方性リング磁石",日立金属技報,Vol.6,pp.33−36(1990) F.Yamashita,S.Tsutsumi,H.Fukunaga,"Radially−anisotropic ring− or arc−shaped rare−earth bonded magnets using self−organization technique",IEEE Trans.Magn.,Vol.40,No.4 pp.2059−2064(2004)
Sm−Co系磁石粉末はインゴットを粉砕しても大きな保磁力HCJが得られる。このことは、粉砕粉末が酸化や表面欠陥生成による磁気特性の劣化が少ないことを意味しており、耐候性の観点で比較的安定な素材と言える。したがって、ポリアミドのような熱可塑性樹脂結合剤とともに射出成形したSmCo系ボンド磁石の磁石としての再生は特開昭59−136907号公報に開示されているように、通常の熱可塑性樹脂成形材料に適用される再生の手法を、そのまま直接適用できる。
一方、エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂結合剤とともに圧縮成形した等方性Nd2Fe14B磁石の再利用は、例えば特開2001−110615、特開2001−143916、特開2001−1196214、特開2002−313616号公報など、熱硬化性樹脂の分解を主として、磁気的に等方性のNd2Fe14B、αFe/Nd2Fe14B、Fe3B/Nd2Fe14B粉末を回収し、磁石として再生する技術が知られる。
上記、磁気的に等方性のNd2Fe14B、αFe/Nd2Fe14B、Fe3B/Nd2Fe14B粉末の結晶粒子径は一般に20−50nmで、単磁区臨界寸法(約300nm)以下である。また、磁石相であるNd2Fe14Bの結晶粒界には非磁性相が存在し、Sm−Co系と同様に酸化や表面欠陥生成による磁気特性の劣化が少なく、耐候性は比較的良好である。
上記に対し、Nd14Fe80-X6GaX(X=0.4〜0.5)を熱間据込加工(Die−upset)、或いはNd14Fe79.85.2Cu1を熱間圧延したバルクを粉砕した多結晶集合型異方性Nd2Fe14B粒子は結晶粒界にNd−rich相が存在する。加えて、Nd−Fe(Co)−Bインゴットを水素中熱処理し、Nd2(Fe,Co)14B相の水素化(Hydrogenation,Nd2[Fe,Co]14BHx)、650〜1000℃で相分解(De composition,NdH2+Fe+Fe2B)、脱水素(Desorpsion)、再結合(Recombination)する多結晶集合型異方性Nd2Fe14B粒子は結晶粒界が存在しない。また、それらの結晶粒径は磁気的に等方性の急冷凝固Nd2Fe14B粉末の20−50nmに比べて、100−500nmと大きく、粉末粒子径によって(BH)maxに代表される磁気特性が変化しやすい。加えて前者の熱間塑性加工によるNd2Fe14B粒子は粒界腐食による組織変化による磁気特性の永久劣化、後者のHDDR法によるNd2Fe14B粒子は最表面のNd2Fe14B結晶粒の酸化、表面損傷による磁気特性の永久劣化が起こる。
上記のように多結晶集合型異方性Nd2Fe14B粒子は従来のSm−Co系や急冷凝固法によるNd2Fe14B、αFe/Nd2Fe14B、Fe3B/Nd2Fe14B粉末に比べて、(BH)maxに代表される磁気特性を維持しながら磁石として再生することは極めて困難であった。
本発明は架橋間巨大分子形成能を有する結合剤成分に溶融混練により分散した単磁区粒子型微粉末で多結晶集合型異方性粒子を隔離した構成の複合磁石、或いはそれらの中間体の粗粉砕物から得られる異方性グラニュールを混入した多結晶集合型異方性粒子を含む磁石の再生方法である。とくに、(BH)maxに代表される磁気特性を140kJ/m3以上に維持するために、破砕した混入物の履歴が(1)単磁区粒子型微粉末をSm2Fe173微粉末、多結晶集合型異方性粒子をNd2Fe14B粒子とし、滑りを伴う溶融流動下20−50MPaで圧縮成形加工した複合磁石、或いはその中間体であること、(2)架橋間巨大分子形成能を有する結合剤成分が融点70〜90℃のアルコール可溶性ポリアミドであり、その割合が1.8重量%以上であること、(3)エポキシオリゴマーで表面被覆したSm2Fe173微粉末の磁石成分に対する割合が15〜50(重量%)であること、(4)粗粉砕から得られる異方性グラニュールの粒子径が250μm以下であることを構成要件とする。
本発明は架橋間巨大分子形成能を有する結合剤成分Bに溶融混練で分散した単磁区粒子型微粉末で多結晶集合型異方性粒子を隔離した構成の複合磁石、或いはそれらの中間体の粗粉砕から得られる異方性グラニュールを混入した多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法である。
とくに、(BH)maxに代表される磁気特性を維持するために、本発明では(1)単磁区粒子型微粉末がSm2Fe173、多結晶集合型異方性粒子がNd2Fe14Bであり、滑りを伴う溶融流動下、20−50MPaで圧縮成形した複合磁石とすること、(2)磁石粉末固定成分Bが融点70〜90℃のアルコール可溶性ポリアミドであり、その割合は磁石全体の1.8重量%以上とすること、(3)成分A被覆Sm2Fe173微粉末の磁石成分に対する割合が15〜50重量%であること、(4)粗粉砕から得られる異方性グラニュールの粒子径が250μm以下であることが要件となる。
従来のSm−Co系や急冷凝固法によるNd2Fe14B、αFe/Nd2Fe14B、Fe3B/Nd2Fe14B粉末に比べて、多結晶集合型異方性Nd2Fe14B粒子は、(BH)maxに代表される磁気特性を維持しながら、磁石として再生することは極めて困難であ
った。しかし、本発明により、多結晶集合型異方性Nd2Fe14B粒子であっても、(BH)maxに代表される磁気特性を維持しながら磁石として再生できることが明らかになった。
先ず、本発明で言う多結晶集合型異方性粒子とはHDDR処理(水素分解/再結合)、すなわち、希土類−鉄系合金(R2[Fe,Co]14B)相の水素化(Hydrogenation,R2[Fe,Co]14BHx)、650〜1000℃での相分解(Decomposition,RH2+Fe+Fe2B)、脱水素(Desorpsion)、再結合(Recombination)する、所謂HDDR処理などで作製したNd2Fe14B粒子を言う。
ここで必須元素Rは、10原子%未満では結晶構造がα−Feと同一構造の立方晶組織となるため、高磁気特性、特に高い保磁力HCJが得られず、30原子%を超えるとRリッチな非磁性相が多くなり、飽和磁化Jsが低下する。よって、Rは10〜30原子%の範囲が望ましい。加えて必須元素Bは、2原子%未満では菱面体構造が主相となり、高HCJは得られず、28原子%を超えるとBリッチな非磁性相が多くなり、Jsが低下する。よって、Bは2〜28原子%の範囲が望ましい。
一方、必須元素Feは、65原子%未満ではJsが低下し、80原子%を超えると高HCJが得られない。よって、Feは65〜80原子%が望ましい。また、Feの一部をCoで置換することは、粒子の磁気特性を損なうことなく、キュリー温度Tcの上昇によって実使用温度範囲の残留磁化Jrの温度係数を改善できる。しかしながら、CoのFe置換量が20原子%を超えるとJsが減少する。すなわち、Co置換量が5〜15原子%の範囲ではJrが一般に増加するため、高(BH)maxを得るには好ましい。
他方では、R、B、Feのほか、工業的生産上不可避な不純物の存在は許容できる。例えば、Bの一部を4重量%以下のC、或いはP、S、Cuの中、少なくとも1種、合計量で2重量%以下の存在は一般的な許容範囲である。
更に、Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Ga、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、Hfのうち少なくとも1種は、当該粒子のHCJ、減磁曲線の角型性Hk/HCJなどの改善のために適宜添加することができる。また、組成の10原子%〜30原子%を占める希土類元素Rは、Nd、Pr、Dy、Ho、Tbの中、少なくとも1種、或いは、La、Ce、Sm、Gd、Er、Eu、Tm、Yb、Lu、Yの中、少なくとも1種を含む。通常Rのうち1種をもって足りるが、実用上は2種以上の混合物(ミッシュメタル、シジム等)を使用することもできる。なお、このRは工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物を含有できる。
次に、本発明で言う単磁区粒子型微粉末とは、例えば、還元拡散(Reduction
and Diffusion)法により、R−Fe系合金、又はR−(Fe、Co)系合金を製造し、これを窒化した後、微粉砕して得られるSm2Fe173微粉末を言う。
上記微粉砕にはジェットミル、振動ボールミル、回転ボールミルなど、公知の技術を適用でき、フィッシャー平均粒径で1.5μm以下、好ましくは1.2μm以下とする。なお、微粉末の発火防止などハンドリング性を向上させるため、例えば特開昭52−54998号公報、特開昭59−170201号公報、特開昭60−128202号公報、特開平3−211203号公報、特開昭46−7153号公報、特開昭56−55503号公報、特開昭61−154112号公報、特開平3−126801号公報等に開示されているように、湿式ないし乾式処理による徐酸化皮膜を表面に形成したものが望ましい。
また、特開平5−230501号公報、特開平5−234729号公報、特開平8−143913号公報、特開平7−268632号公報や、日本金属学会講演概要(1996年春期大会、No.446、p184)等に開示されている金属皮膜を形成する方法や、特公平6−17015号公報、特開平1−234502号公報、特開平4−217024号公報、特開平5−213601号公報、特開平7−326508号公報、特開平8−153613号公報、特開平8−183601号公報等による無機皮膜を形成する方法など、1種以上の表面処理Sm2Fe173微粉末であっても差し支えない。
本発明にかかる磁石の第1の特徴は上記のような多結晶集合型異方性粒子と単磁区粒子型微粉末で構成した複合磁石にある。そこで、本発明にかかる複合磁石の製造工程のブロック図とともに、磁石とその中間体の再生方法を図1に示す。また、図2は本発明にかかる前記複合磁石の第2の特徴である架橋間巨大分子の形成を示す分子構造の概念図である。
以下、図1、2を用いて本発明を更に詳しく説明する。
図1、2の図中に示す成分Aは磁石粉末固定成分であり、例えばエポキシ当量205〜220g/eq、融点70−76℃のノボラック型エポキシオリゴマーで示される。成分Bは架橋間巨大分子形成能を有する結合剤成分で架橋反応によって架橋間巨大分子Dを生成するもので、例えば融点70〜90℃のアルコール可溶性ポリアミドで示される。また、成分Cはケミカルコンタクトであり、例えば融点80〜100℃のイミダゾール誘導体で示される。
図1のように、例えば成分Aを1重量%被覆したSm2Fe173微粉末38.95重量%、成分Aを0.5重量%被覆したNd2Fe14B粒子58.02重量%を、1.8重量%以上の成分Bの融点以上で溶融混練したのち、室温に冷却して粗粉砕し、0.28重量%の成分Cとともに乾式混合してコンパウンドを作製する。
次に、上記コンパウンドを160℃の成形型キャビティに充填し、1.5MA/m以上の平行磁界中、20〜50MPaで圧縮成形し、例えば、180℃で20minの熱処理で架橋間巨大分子Dを含む厚さ1.35mm以下の垂直磁気異方性薄板磁石を作製する。
上記、磁界中圧縮成形した厚さ1.15mm×幅6mm×長さ60mmの熱処理前の20℃での引張強度は約1.8MPaであるが、20min熱処理したとき、例えば加熱温度が120℃を越えると成分Cを中心に,成分A、成分B間で架橋反応が起こって室温での引張強度が増加し始める。そして、150℃で9MPaを越え、160−200℃では約9.5MPaで飽和する。このように、例えば熱処理の最適化することにより磁石の引張強度は熱処理前の5倍以上に達する。
この例では、図2で示す化学構造概念図のように、成分Aのエポキシ基と成分Bのアミド基のアミノ活性水素(−NHCO−)の直接反応もあるが、主反応は成分Cアミノ活性水素と思われる。また、成分Bの分子内アミド基の活性水素をホルマリンとアルコールで置換した−CH2OR基とアミド基との直接反応による自身の架橋点の形成も挙げることができる。
上記架橋反応によって結合剤は3次元網目構造となる。成分Aは、その極性と高い架橋密度で磁石粉末を強固に接着固定する。一方、成分Bは架橋間巨大分子Dを形成する。そして、成分Dによって、当該磁石の圧延が可能となる。また、圧延による成分Dの延伸が当該磁石の可撓性の担い手となり、異方性の方向をラジアル方向に転換できる。
以上のように、本発明は成分Bに溶融混練して分散した単磁区粒子型微粉末によって多結晶集合型異方性粒子を隔離した構成の複合磁石、或いはそれらの中間体の粗粉砕から得られる異方性グラニュールを混入した多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再利用方法である。
なお、(BH)maxに代表される磁気特性を維持するために、(1)単磁区粒子型微粉末がSm2Fe173、多結晶集合型異方性粒子がNd2Fe14Bであり、滑りを伴う溶融流動条件下、20−50MPaで圧縮成形した複合磁石とすること、(2)成分Bが融点70〜90℃、分子量4000〜15000のポリアミドであり、その割合は磁石全体の1.8重量%以上とすること、(3)成分A被覆Sm2Fe173微粉末の磁石成分に対する割合が15〜50重量%であること、(4)粗粉砕から得られる異方性グラニュールの粒子径が250μm以下であることが望ましい。
本発明は架橋間巨大分子形成能を有する結合剤成分Bに分散した単磁区粒子型微粉末で多結晶集合型異方性粒子を隔離した構成の複合磁石、或いはそれらの中間体の粗粉砕から得られる異方性グラニュールを混入した多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法である。
とくに、(BH)maxに代表される磁気特性を維持するために、本発明では(1)単磁区粒子型微粉末がSm2Fe173、多結晶集合型異方性粒子がNd2Fe14Bであり、滑りを伴う溶融流動条件下、20−50MPaで圧縮成形した複合磁石とすること、(2)成分Bが融点70〜90℃のアルコール可溶性ポリアミドであり、その割合は磁石全体の1.8重量%以上とすること、(3)成分A被覆Sm2Fe173微粉末の磁石成分に対する割合が15〜50(重量%)であること、(4)粗粉砕から得られる異方性グラニュールの粒子径が250μm以下であることが要件となる理由を以下の実施例で詳しく示す。
ただし、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
[本発明にかかる複合磁石の作製例]
図1のように、先ず成分Aを1重量%被覆した単磁区粒子型微粉末Sm2Fe17338.95重量%、成分Aを0.5重量%被覆した多結晶集合型異方性粒子Nd2Fe14B58.02重量%、成分B2.5重量%(標準)、並びに、添加剤(ペンタエリスリトールC17トリエステルPESTE)0.25重量%を一括して120〜130℃で溶融混練、室温に冷却後、350μm以下に粗粉砕した。最後に、この粗粉砕物に成分Cを0.28重量%乾式混合してコンパウンドとした。
上記コンパウンドを140−180℃の成形型キャビティに充填し、1.4MA/m以上の平行磁界中、20−50MPaで圧縮成形し、その後180℃で20minの熱処理によって図2のような架橋間巨大分子鎖Dを含む厚さ400−1350μmの垂直磁気異方性複合磁石を作製した。得られた複合磁石の室温における引張強さは9.2MPaであった。
ただし、Nd2Fe14B粒子は合金組成Nd12.3Dy0.3Fe64.7Co12.36.0Ga0.6Zr0.1のHDDR処理粒子、成分Aはエポキシ当量205〜220g/eq,融点70−76℃のポリグリシジルエ−テル−o−クレゾールノボラック型エポキシ、成分Bは融点80℃、酸価10以下、アミン価20以下、分子量4000〜12000のアルコール可溶性ポリアミド粉末、成分Cは平均粒子径3μm、融点80−100℃のイミダゾール
誘導体である。
[本発明の構成要件と磁気特性]
図3は作製した厚さ400−1350μm複合磁石の密度と(BH)maxの関係を示す。ただし、4MA/mでパルス磁化した試料を試料振動型磁力計で測定した。また、図中2は比較として示す厚さ350μm、密度4.79Mg/m3、(BH)max94.7kJ/m3の射出成形によるSm2Fe173磁石である[K.Ohmori,S.Hayashi,S.Yoshizawa,“Injection molded Sm−Fe−N anisotropic magnets using unsaturated polyester resin”,Proc.Rare−Earths’04 in NARA,(2004),JO−02]。
図3からSm2Fe173磁石2に比べると本発明にかかる複合磁石の密度は5.72−5.94Mg/m3と高水準で安定しており、しかも最小厚さは400μmまで作製可能である。これは、アキシャル磁界(1.4MA/m)中、140℃以上で成形加工するとき、添加剤(PESTE)の無極性長鎖脂肪族炭化水素の外部滑性作用による滑りを伴う溶融流動に起因する[F.Yamashita,H.Fukunaga,“Anisotropic rare−earth thin bonded magnets prepared by compaction using slip−flow phenomenon”,IEEE Trans.Magn.,Vol.41,(in press)]。
図4は成分Bが0.2〜3.0重量%と変化したときの複合磁石の(BH)maxを示す特性図である。予想されるように、複合磁石の(BH)maxは成分Bの量に依存する。しかしながら、0.2〜1.6と1.8〜3.0重量%では図中に示す回帰直線の傾きが異なる。すなわち、0.2〜1.6重量%における成分Bの変動は磁石成分とともに複合磁石の空隙量の影響を強く受ける。このため、回帰直線の相関係数も小さく成分Bがゼロのとき、(BH)maxは160kJ/m3未満である。これに対し、成分Bが1.8重量%以上では成分Bが磁石成分へ直接影響するため、回帰直線の相関係数は高くなり、成分Bがゼロのとき、(BH)maxは186kJ/m3に達すると予測される。
上記のように、成分Bの不足によって空隙量が増すと大気中で熱した際、その空隙量に応じて多結晶集合型異方性粒子Nd2Fe14Bの永久劣化分に相当する(BH)maxの低下が大きくなる[三野、浅野、石垣、”異方性Nd−Fe−B系ボンド磁石の開発”,住友特殊金属技報、Vol.12,(1997)]。したがって、本発明にかかる複合磁石の加熱による永久劣化分に相当する(BH)maxの低下を抑制するために、成分Bを1.8重量%以上とする必要がある。
図5は上記のように成分Bを1.8重量%としたとき、圧縮前後(140℃、50MPa)の磁石成分の粒度分布を示す。ただし、20時間のアセトン抽出で成分A、Bを除去したものを試料とし、レーザ回折式粒度分布測定器で測定した。
図5のように、本発明例の圧縮前後の粒度分布曲線は、ほぼ等しい。一方、単磁区粒子型微粉末が存在しないと圧縮前後の粒度分布曲線は明らかに異なり、圧縮後の曲線は粒子径の小さな方向へシフトしている。
以上のことから、本発明例では圧縮による多結晶集合型異方性粒子の破砕、亀裂、損傷など加工による表面欠陥の生成が抑制されていると言える。この理由は、成分Bに溶融混練で分散した単磁区粒子型微粉末Sm2Fe173によって多結晶集合型異方性粒子Nd2Fe14Bを隔離した構成としたことが主因と言える。しかしながら、空隙量を抑制し、加
えて滑りを伴う溶融流動で圧縮成形圧力が25〜50MPaと通常のNd2Fe14B等方性磁石の600〜1000MPaに比べて極めて低いことなども要因として挙げることができる。
[再生回数と磁気特性]
図6はコンパウンドを圧縮し、未熱処理の中間体を破砕し、分級した本発明にかかる異方性グラニュールの平均粒径と(BH)maxの関係を示す特性図である。図から明らかなように(BH)maxは破砕した異方性グラニュールの平均粒径に強く依存する。とくに250〜355μm、355〜500μmの異方性グラニュールは(BH)maxの低下が顕著である。したがって、異方性グラニュールは250μm以下に破砕することが望ましい。
図7は250μm以下に破砕した異方性グラニュールを再成形し、その後、熱処理した複合磁石の再生回数と(BH)maxの関係を示す特性図である。ただし、図中の本発明例は成分Bが2.5重量%としたものである。比較例は成分Bが0.2重量%としたものである。
本発明例では再生回数が6に及んでも140kJ/m3の(BH)maxを維持し、再生回数ゼロに対する低下率は僅かに10%以下であった。一方、比較例は再生回数4回で(BH)maxが115kJ/m3まで低下し、その再生回数ゼロに対する低下率は20%を越えた。
上記、比較例の(BH)maxが大きく低下する理由は図4で説明したように、成分Bの不足による空隙量の増加が破砕や圧縮成形時での多結晶集合型異方性粒子の表面欠陥の増加を促し、大気中で熱した際、その空隙量と表面欠陥増加に応じて永久劣化分に相当する(BH)max低下が引き起こされたことで説明される。
本発明は、多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法として有用である。
製造工程、再生工程を示すブロック図 架橋間巨大分子鎖の分子構造概念図 密度と(BH)maxの関係を示す特性図 (BH)maxの成分依存性を示す特性図 粒度分布の変化を示す特性図 平均粒径と(BH)maxの関係を示す特性図 再生回数と(BH)maxの関係を示す特性図
符号の説明
なし

Claims (6)

  1. 複合磁石の構成成分として、架橋間巨大分子形成能を有する結合剤成分に溶融混練で分散した単磁区粒子型微粉末で多結晶集合型異方性粒子を隔離した構成の複合磁石、或いはそれらの中間体の粗粉砕から得られる異方性グラニュールを混入する多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法。
  2. 単磁区粒子型微粉末がSm2Fe173微粉末、多結晶集合型異方性粒子がNd2Fe14B粒子であり、滑りを伴う溶融流動条件下、20−50MPaで圧縮成形加工した複合磁石である請求項1記載の多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法。
  3. 架橋間巨大分子形成能を有する結合剤成分が融点70〜90℃のアルコール可溶性ポリアミドであり、その割合が1.8重量%以上である請求項1記載の多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法。
  4. エポキシオリゴマーで表面被覆したSm2Fe173微粉末の磁石成分に対する割合が15〜50(重量%)である請求項1、2記載の多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法。
  5. 異方性グラニュールの粒子径が250μm以下である請求項1記載の多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法。
  6. 再利用した複合磁石の最大エネルギー積(BH)maxが140kJ/m3以上である請求項1記載の多結晶集合型異方性粒子を含む複合磁石の再生方法。

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