JP2003168602A - 異方性希土類ボンド磁石およびその製造方法 - Google Patents

異方性希土類ボンド磁石およびその製造方法

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JP2003168602A
JP2003168602A JP2001365580A JP2001365580A JP2003168602A JP 2003168602 A JP2003168602 A JP 2003168602A JP 2001365580 A JP2001365580 A JP 2001365580A JP 2001365580 A JP2001365580 A JP 2001365580A JP 2003168602 A JP2003168602 A JP 2003168602A
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Kenichi Machida
憲一 町田
Toshiharu Suzuki
俊治 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車載用等に適する耐熱性を有する高磁気特性
のボンド磁石の開発。 【構成】 表面被覆金属層を有する異方性希土類合金系
磁性粉末と樹脂からなる希土類ボンド磁石であって、該
ボンド磁石は、希土類合金系磁性粉末と結晶性を有する
熱可塑性樹脂との混合物を空隙率2%以下に射出成形ま
たは押し出し成形し、かつ成形時の樹脂の加熱時に該磁
性粉末の保磁力が一時的に低下した状態で樹脂の溶融流
動性を利用して磁界作用下で異方性配向された成形体か
らなり、磁気エネルギー積が15MGOe以上であり、
該成形体をそのまま、または表面に防錆被膜を形成した
後に着磁して大気中180℃に1000時間放置した時
の減磁率が5%以内である耐熱性を有することを特徴と
する、異方性希土類ボンド磁石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最大エネルギー積
が15MGOe以上の高い磁気特性を有し、かつ150
〜180℃においても酸化などによる磁気特性の低下が
少ないため、車の電装用モータやアクチュエータ等の耐
熱用途に適する耐熱性希土類ボンド磁石およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、希土類ボンド磁石は様々な素材と
製法の組み合わせによって生産されている。特に、Nd
−Fe−B合金系急冷磁性粉末を樹脂とともに圧粉成形
して得られる等方性ボンド磁石は焼結磁石より磁気特性
は劣るが、モータ用途に適した円筒形状磁石が容易に製
作できるために、HDD用スピンドルモータや各種のス
テッピングモータに広く応用され生産量が増加してい
る。その他に、同合金系磁性粉末を用いた射出成形磁石
や押し出し成形磁石も少量生産されている。しかし、こ
れら等方性ボンド磁石の代表的磁気特性であるBHmax
は同合金系の焼結磁石の40〜50MGOeに対して、
8〜11MGOeレベルに留まっているため、さらなる
高性能化が強く要請されている。
【0003】そこで、異方性の結晶組織をもつ所謂HD
DR粉末と称するNd−Fe−B合金系磁性粉末を圧粉
成形した、BHmax15〜18MGOeの高性能な異方
性ボンド磁石も浄化槽用ポンプに一部実用化されてお
り、一方では、シート成形後に該シートを円筒状に巻き
回したボンド磁石が試作されている。さらに、異方性の
Sm−Fe−N合金系磁性粉末を用いた圧粉成形磁石
や、射出成形磁石、およびシート成形磁石などの試作例
も報告されている(特許第2708578号公報、特開
平5−230501号公報、特開平9−129427号
公報、特開平9−180919号公報など)。
【0004】これらボンド磁石の一般的な特徴を簡潔に
記すと、Nd−Fe−B合金系等方性ボンド磁石は中
位の磁気特性をもち、1,2秒に1個の高速圧粉成形が
出来るために比較的低コストでの生産が可能である。
Nd−Fe−B合金系異方性ボンド磁石は高い磁気特性
をもつが、圧粉成形法による場合には磁界の印加と成形
体の脱磁に十数秒を要し、かつ強い磁界を利用するため
には成形プレス1台当たり1個の金型しか用いることが
できないために生産性が低く、さらに、等方性の磁性粉
末とは成分組成や結晶組織が異なるために180℃程度
の高温環境での磁気特性低下が大きい難点がある。S
m−Fe−N合金系の等方性ボンド磁石は上記と同様
の特徴をもち、同合金系の異方性ボンド磁石は高い磁気
特性をもつ反面、粒子径がNd−Fe−B合金系の数十
分の一の数ミクロンであるために酸化劣化が大きい難点
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】希土類ボンド磁石はフ
ェライトと比較して高価であるために、従来は小型高性
能な要求が強いOA機器などに多く使用されてきた。し
かし、近年、省エネ観点から各種モータ効率の改善要求
の高まりや、車の軽量化における燃費改善の観点から小
型軽量モータを志向する動きが強くなり、フェライト磁
石から希土類ボンド磁石への切り替えが進みつつある。
また、高性能磁石を搭載したモータは効率が向上するこ
とが知られており、車用途においては蓄電池への負担が
軽減することも期待されている。
【0006】ところが、従来一般的なMQI社が製造販
売する等方性磁性粉末であるMQP−B材にエポキシ樹
脂を混合して圧縮成形したNd−Fe−B合金系ボンド
磁石は、HDD用モータやステッピングモータに多用さ
れるが、その使用上限温度は前者が60℃、後者が約1
20℃であり、それ以上の高温度では磁気特性の低下が
大きくなりモータの出力低下を招いてしまう欠点があっ
た。
【0007】そのため、磁石の耐熱性向上の一手法とし
て、例えば、特開平10−284312号公報や特開平
11−67512号公報記載の発明においては、MQI
社製の耐熱用途向けNd−Fe−B合金系等方性磁性粉
末であるMQP−O材を使用し、180℃での減磁が少
ない耐熱性ボンド磁石を製作している。しかし、これら
等方性磁性粉末を用いたボンド磁石は前述の通り高々1
0MGOe程度の磁気特性であるため、高速・高トルク
が要求されるモータには適合できていない。さらに、圧
粉成形で一般に使用されているエポキシ樹脂は、180
℃程度の高温に長時間暴露すると樹脂の変質による強度
劣化を生じる欠点があった。
【0008】さらに、圧粉成形法においては磁気特性を
高めるため樹脂結合材を極力少なくして磁性粉末を高圧
力で成形するために、粉体圧縮の場合と同様の現象によ
って成形体の内部に多量の空隙が存在する。例えば、粒
径100ミクロン前後のMQP−B粉末に2質量%の液
状エポキシ樹脂を混練して10ton/cm2の圧力で
成形したボンド磁石の内部にはおよそ7〜10%の空隙
が残り、さらに高圧力を用いてもこの空隙率を5%以下
に抑えることは困難である。従って、圧粉成形によるボ
ンド磁石の場合には、高温環境下で空隙内への空気の流
出入が起こりやすく、磁石表面の防錆膜によっても磁石
内部の空隙に起因する磁性粉末酸化の抑制は困難であ
る。
【0009】耐熱性向上の他の手法として、「工業レア
メタル」No.97,1989,p.42には、Sm−
Co異方性合金磁性粉末をPPSやLCP、PBT、ナ
イロン等の熱可塑性樹脂で固めた耐熱ボンド磁石が記載
されている。このSm−Co合金磁性粉末は、耐食性が
良くかつキュリー温度も高いために高温度での磁気低下
が小さい特徴を持ち、また、PPSやLCPは特にスー
パーエンプラとも称され耐熱性が高い樹脂として知られ
ている。しかし、Sm−Co合金系ボンド磁石の磁気特
性も10MGOe程度であり、また、PPSを使用した
ことによる耐熱性向上の具体的な記述が見られない。
【0010】一方、水素の吸脱着処理によって製造され
たHDDR法によるNd−Fe−B合金系の異方性磁性
粉末は、等方性磁性粉末より磁気特性が大幅に優れてい
ることが知られている。特開2000−340443号
公報には、この磁性粉末をナイロン樹脂と混練して射出
成形したボンド磁石が記載され、16MGOeの高い磁
気特性が得られているが、この磁性粉末は熱によって変
質して保磁力が低下するため、混練物が過度に高温にな
らないように成形することが必要である事が述べられて
いる。また、この異方性磁性粉末は等方性磁性粉末と比
較して、成分組成や結晶組織の違いによって昇温による
磁気特性の低下が大きいことが知られており、従来より
耐熱用途には向かないとされていた。
【0011】ところが、発明者らの一部は磁性粉末の改
質処理に研究を重ね、射出成形ボンド磁石において一般
に使用され、磁性粉末と樹脂との結合力改善に効果のあ
る有機質のシランカップリング剤よりも格段に耐酸化性
に優れた金属皮膜を開発した。Appl. Phys. Lett. 75
(1999) 1601、およびボンド磁石工業協会シンポジウム
資料2000には、Sm−Fe−N合金系、およびNd
−Fe−B合金系磁性粉末に金属亜鉛皮膜を形成してエ
ポキシ樹脂と共に圧粉成形することにより、耐酸化性に
優れたボンド磁石の製作例が記載されている。その結
果、15MGOeの高い磁気特性と、120℃、100
0時間放置後の減磁の改善が記載されている。しかし、
減磁率はNd−Fe−B合金系ボンド磁石で約15%で
あり、また車用途での180℃に対応するためにはさら
に耐熱性の向上が必要とされる。
【0012】磁性粉末を結合する樹脂については、成形
法によって異なり、圧粉成形ではエポキシ樹脂、射出成
形や押し出し成形ではポリアミド、シート成形ではウレ
タンやゴムが従来多く用いられてきた。前述の180℃
の高温度では、エポキシ樹脂といえども数年の長期間に
おける強度低下は免れず、まして、他の樹脂では軟化変
質して使用に耐えない。一方、スーパーエンプラとして
PPSやLCPなどの耐熱性樹脂が知られており、これ
ら樹脂単独での成形品の実例はあるが、希土類ボンド磁
石においてはポリアミドを用いる場合の250℃よりさ
らに高温の300℃前後での成形が必要なために、従来
の各磁性粉末のままでは磁性粉末の酸化による保磁力低
下を防止することが困難で、相当量の酸化防止剤を混入
するなどの手段が採用されているが、耐熱性を有する高
磁気特性のボンド磁石は得られていない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、スーパーエン
プラとして知られ高温強度に優れた耐熱性のPPSやL
CPを結合樹脂として用い射出成形または押し出し成形
により高い磁気特性をもつ耐熱性のボンド磁石を実現し
た。
【0014】すなわち、本発明は、表面被覆金属層を有
する異方性希土類合金系磁性粉末と樹脂からなる希土類
ボンド磁石であって、該ボンド磁石は、異方性希土類合
金系磁性粉末と結晶性を有する熱可塑性樹脂との混合物
を空隙率2%以下に射出成形または押し出し成形し、か
つ成形時の樹脂の加熱時に該磁性粉末の保磁力が一時的
に低下した状態で樹脂の溶融流動性を利用して磁界作用
下で異方性配向された成形体からなり、磁気エネルギー
積が15MGOe以上であり、該成形体をそのまま、ま
たは表面に防錆被膜を形成した後に着磁して大気中18
0℃に1000時間放置した時の減磁率が5%以内であ
る耐熱性を有することを特徴とする、異方性希土類ボン
ド磁石である。
【0015】また、本発明は、表面被覆金属層の金属
は、Zn,Sn,In,Al,Si,希土類元素の少な
くとも一種以上からなる単一金属またはそれらの金属を
主成分とする合金であることを特徴とする、上記の異方
性希土類ボンド磁石である。また、本発明は、表面被覆
金属層の金属は、その一部が磁性粉末内部に拡散浸透し
ていることを特徴とする、上記の異方性希土類ボンド磁
石である。また、本発明は、結晶性を有する熱可塑性樹
脂が、耐熱性のポリフェニレンサルファイド(PP
S)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)、ポリエーテルニトリル(PE
N)、またはフッ素樹脂であることを特徴とする、上記
の異方性希土類ボンド磁石である。
【0016】また、本発明は、表面被覆金属層を有する
磁性粉末、熱可塑性樹脂、および空隙の合計を100%
としたとき体積比で熱可塑性樹脂分が25〜35%であ
ることを特徴とする、上記の異方性希土類ボンド磁石で
ある。また、本発明は、異方性希土類合金系磁性粉末が
HDDR法によって製造したNd−Fe−B合金系粉末
であり、表面被覆金属層の金属がZnであり、その拡散
層を含む厚みが0.005ミクロン〜2ミクロンである
ことを特徴とする、上記の異方性希土類ボンド磁石であ
る。
【0017】また、本発明は、Nd−Fe−B合金系粉
末のFeの一部をCoで置換することにより磁性を消失
するキュリー温度を340℃以上としたことを特徴とす
る、上記の異方性希土類ボンド磁石である。また、本発
明は、異方性希土類合金系磁性粉末がSm−Fe−N合
金系粉末であり、表面被覆金属層の金属がZnであり、
その拡散層を含む厚みが0.05ミクロン〜0.2ミク
ロンであることを特徴とする、上記の異方性希土類ボン
ド磁石である。
【0018】さらに、本発明は、表面被覆金属層を有す
る異方性希土類合金系磁性粉末と結晶性を有する熱可塑
性樹脂との混合物を加熱して樹脂を溶融させ、270〜
320℃で磁界を印加して磁性粉末を異方性配向させな
がら射出成形または押し出し成形して空隙率が2%以下
の成形体を形成することを特徴とする、上記の異方性希
土類ボンド磁石の製造方法である。
【0019】また、本発明は、表面被覆金属層の表面に
撥水性シリル基が形成されていることを特徴とする、上
記の異方性希土類ボンド磁石である。さらに、本発明
は、表面被覆金属層を有する異方性希土類合金系磁性粉
末とシランカップリング剤を混合して表面被覆金属層の
表面に撥水性シリル基を形成した異方性希土類合金系磁
性粉末と結晶性を有する熱可塑性樹脂との混合物を加熱
して樹脂を溶融させ、270〜320℃で磁界を印加し
て磁性粉末を異方性配向させながら射出成形または押し
出し成形して空隙率が2%以下の成形体を形成すること
を特徴とする、上記の異方性希土類ボンド磁石の製造方
法である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明を製造工程に従って詳しく
説明する。本発明においては、成形法として射出成形法
または押し出し成形法を用いる。希土類ボンド磁石の場
合に最も一般的な製法である圧粉成形法では、本発明に
おいて目的とする磁気特性を有するボンド磁石は得られ
ない。この主な理由は、粒径数百ミクロンのNd−Fe
−B合金系等磁性粉末に質量比で2〜3%、体積比で1
0から15%の樹脂を添加混合して10ton/cm2
以上の高圧力で成形しても、粉体のブリッジ現象によっ
てボンド磁石内部に7〜10%の空隙が残るために、高
温環境下ではボンド磁石内部への空気の流通によって磁
性粉末が酸化されやすくなるためである。
【0021】一方、射出成形や押し出し成形の場合に
は、特開平9−129427号公報などに開示されてい
るように、空隙率を2%以下にすることができる。磁石
成形体に対して質量比で10〜15%、体積比で25か
ら35%の熱可塑性樹脂を混合混練して溶融した樹脂を
射出成形や押し出し成形すると、成形体内部には僅かな
ガス引けを除きほとんど空隙が残らず、従空隙率が2%
以下となって、成形体内部の磁性粉末が空隙を通じて外
気に接触することもほとんど起こりえない。ただし、肉
厚1mmの円筒磁石には粒径0.1〜0.2mmの磁性
粉末を用いるので、内部は閉鎖系でも磁石表面部は酸化
雰囲気の影響をかなり受けることになる。
【0022】また、別の理由は、ラジアルまたは極配向
した円筒状磁石を成形する際に印加する磁界が、磁石の
径が小さくなるほど及び磁石の長さが長くなるほど不充
分となり、一般に直径が20mm以下で長さが20mm
以上の磁石では本来の異方性磁石性能の70〜80%レ
ベルに留まってしまう欠点があるためである。さらに他
の理由は、この成形法では強力な磁界発生装置を備えた
高価なプレス成形機を用いて、十数秒間に一個の成形物
しか得られないために生産性が極めて低いためである。
【0023】一方、射出成形や押し出し成形の場合に
は、樹脂の溶融流動性を利用して磁界中での磁性粉末の
配向性を上げる事が比較的容易に出来、また、1台の射
出成形機に多数の金型を設置することが可能であり、ま
た、押し出し成形では数百mmの長尺品を連続成形で行
い、後で切断することができる。
【0024】本発明で対象とする異方性希土類ボンド磁
石に用いる磁性合金粉末は、例えば、合金に水素を吸蔵
放出させる過程で異方性の結晶組織をもつ、所謂HDD
R法によって製造される平均粒径が約50〜150ミク
ロンのNd−Fe−B合金系粉末が用いられる。このN
d−Fe−B合金系粉末の結晶粒径は約0.3〜0.5
ミクロンの範囲にある。この合金成分中には、Nd以外
にDyやPr等他の希土類元素や、Ga,Zr,Ti,
Cr,Mo等の遷移元素を含有しても差し支えない。
【0025】また、高温における磁気安定性を高めるた
めには、Nd−Fe−B合金のFeの一部をCoで置換
することによってキュリー温度を上げることが有益であ
る。純粋なNd−Fe−B合金中に約4質量%のCoを
含有させることにより、キュリー温度は含有なしの場合
の310℃に対して約340℃に上昇する。これによ
り、磁気特性の温度依存性を低減でき、さらには、約3
00℃近傍温度での成形において、磁界中での粉末配向
性の低下を抑制することが可能となる。
【0026】また、合金鋳造やカルシウム還元法によっ
て製造されるSm−Fe−N合金系粉末を用いることが
でき、Nd−Fe−B合金系におけると同様に他の合金
元素を少量添加して磁性や耐食性の調整を図ることもで
きる。Sm−Fe−N合金系粉末は平均粒子径2〜4ミ
クロンで、ほぼ1つの単結晶からなっている
【0027】耐熱性樹脂との混合物の射出または押し出
しによる成形は、270〜320℃の高温で行うため、
磁性粉末の酸化しやすい。このため従来技術では酸化防
止剤を混入している。成形時の酸化は影響力の大きいも
のから順に、樹脂混合物中の空気泡と金型周辺の大
気、およびナイロン樹脂などの一部C−H−O結合が
切れて分解生成する酸素原子、さらに樹脂や金属への
吸着水分による。不活性雰囲気中で成形すれば、の影
響は排除できるが、工業的には圧縮成形プレスや射出成
形機の成形空間を密閉系にすることが困難であるために
実施し難い。
【0028】そこで、本発明では、表面被覆金属層を有
する異方性希土類合金磁性粉末を用いる。本発明のボン
ド磁石では酸化防止剤を使用する必要はなく、または成
形は大気中で行うことができる。一般に磁性粉末を他の
金属で十分に厚く被覆すれば磁性粉末の酸化防止効果は
得られるが、単にそのような被覆をしただけでは、磁性
粉末と結晶性を有する熱可塑性樹脂との混合物を空隙率
2%以下に射出成形または押し出し成形した状態で、磁
気エネルギー積が15MGOe以上であり、該成形体を
そのまま、または表面に防錆被膜を形成した後に着磁し
て大気中180℃に1000時間放置した時の減磁率が
5%以内である耐熱性は得られない。
【0029】本発明者は、ある種の金属を用いて適切な
表面被覆手段を用いて適切な厚みに被覆した場合には、
結晶性を有する熱可塑性樹脂との混合物を300℃前後
の高温で空隙率2%以下に射出成形または押し出し成形
した状態で、上記のような優れた磁気特性が得られるこ
とを見いだした。そして、Zn,Sn,In,Al,S
i、または希土類金属およびこれらの金属を主成分とす
る合金はこのような条件を満たし得る金属であることを
見いだした。
【0030】金属の酸素との結合力は、Caが最も強
く、希土類金属がその次、AlやZnがその次、Niや
Taなどは最低(酸化され難い)であるが、磁性粉末へ
の適切な被覆処理、例えば、低融点(あるいは低沸点)
で金属蒸気を発生させやすいものであり、かつ、成形お
よび使用時のボンド磁石中の酸素による酸化反応が主に
表面被覆金属層で行われるようにし、内部の磁性粉末の
酸化を防止する能力の大きい金属という条件をこれらの
金属は満たしている。加熱によって比較的低温で蒸発
し、磁性粉末表面に被着するものとして、特に、Znは
他の金属に比較して蒸気圧が低く、減圧加熱条件下で粉
末表面への被覆効果に優れている。
【0031】希土類金属、例えば、Dy,Nd,Prは
磁性粉末自身の表面酸化によって低下した保磁力の低下
を回復させる効果が大きく、わずかな酸化程度では磁気
特性の低下を殆どなくすることができる。例えば、Nd
Fe14B磁性粉末表面が酸化した場合には、Nd
とαFeが生成して保磁力などを低下させるが、D
y,Nd,またはPr被覆を行うと、Dy,Nd,P
r等が軟磁性の性質を持つ(=保磁力が非常に小さい)
αFeと反応して、非磁性のDy−Fe系合金などに変
換するために保磁力を回復することができる。さらに、
磁性粉末表面層のNd欠損をこれらの元素が補完し
て、(Nd,Dy,Pr)Fe14Bの形で表面層の
磁気特性(BHmax)を回復する効果もある。
【0032】一般に、磁性粉末の被覆方法については、
無電解メッキや電解メッキなどの湿式メッキ、蒸着、ス
パッタリング、CVDなど各種の方法の適用が可能であ
る。この内、湿式メッキでは粉末表面に容易に均一な皮
膜を形成出来る半面、酸やアルカリ液中での粉末の溶解
・酸化を生じやすく、また、通電用の電極を構成するの
が困難である。蒸着やスパッタリングでは乾式で処理が
出来る反面、粉末に均一な皮膜を形成することが難し
い。
【0033】CVD法は有機金属の熱分解蒸気を粉末表
面に堆積する方法であり、粉末を回転撹拌しながら処理
をすることが可能で、本件発明の希土類ボンド磁石の製
造には適した方法である。さらに、金属と磁性粉末とを
回転する容器に装填して、減圧加熱条件下で処理するこ
とにより表面被覆する方法は、磁性粉末と被覆金属が共
に加熱されるために、被覆した金属成分の一部が粉末表
面から内部まで拡散浸透することによって、希土類合金
磁性粉末の酸化を防止する強固で一段と優れた皮膜を形
成することができる。
【0034】金属層の厚さは希土類合金磁性粉末の酸化
防止を確保する上では厚いほど良く、磁性を損なわない
範囲では薄いほど好ましい。ボンド磁石の成形直後の粉
末粒子の最表面は酸化した被覆金属層で、その下部に酸
化していない被覆金属層がある。強い酸化雰囲気に曝さ
れると最表面から酸素が供給されて内部に拡散し、被覆
金属層はじわじわと酸化が進む。したがって、使用時の
ボンド磁石内の酸素を吸収して希土類合金よりも優先的
に酸化する金属層が成形後も残る厚さが必要である。
【0035】このため、厚さの下限は被覆金属の種類に
もよるが、例えば、Znの場合には六方結晶格子長さの
約10倍に相当する0.005ミクロン以上あることが
必要で、これ未満では約300℃での成形工程での希土
類合金粉末の酸化を防止することが難しくなる。厚さの
上限は、粒径が数百ミクロンNd−Fe−B合金系粉末
粒子に対しては2ミクロン程度が好適で、これ以上の厚
さになると磁性粉末全体に対する被覆層の体積が大きく
なって磁気特性の低下も大きくなる。また、実用上の粒
径が2〜4ミクロンのSm−Fe−N合金系粉末粒子に
対しては、厚さの上限はさらに小さく0.05〜0.2
ミクロンとするのが好ましい。
【0036】さらに、水分に対する防錆付与ならびに樹
脂との混練性向上のために、金属層で被覆された磁性粉
末粒子表面に撥水性シリル基を形成してもよい。
【0037】樹脂結合材は成形法に関連して選択使用さ
れるが、従来の希土類ボンド磁石一般に用いられれてき
たエポキシ樹脂では、150〜180℃で数年間使用す
るには樹脂の変質劣化による強度不足を招くために使用
するのが適当でない。従って、スーパーエンプラとして
知られる耐熱用樹脂を用いる必要があり、特に、本件発
明の希土類ボンド磁石の成形法に合致した熱可塑性樹脂
で、かつ、一般的なモータ用途に供する薄肉成形に有利
な流動性と耐溶剤性・耐熱性に優れた結晶性樹脂であ
る、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリ
マー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フッ素樹脂が
適する。
【0038】本件発明の希土類ボンド磁石の製造におけ
る磁界中配向はおよそ270〜320℃で成形中に行う
ため、磁性粉末がその温度範囲に加熱されて、その磁気
特性、特に、保磁力が一時的に低下して磁性粉末の配向
性が実質的に向上し、磁石サイズによる磁気特性の差が
殆どない磁石の製造が可能となる。なお、この高温成形
時における磁気特性の低下は磁性体の温度依存性に起因
するものであり、室温に冷却することによって元レベル
に復帰する。なお、磁性粉末と樹脂を混合・混練してコ
ンパウンドを造る過程では、成形性を改善するために種
々の分散剤や潤滑剤、耐磨耗剤などを添加することが一
般的に行われる。
【0039】磁界の印加方法は、円筒状磁石を成形する
場合には成形金型の内周側または外周側に耐熱性のSm
−Co焼結合金磁石を取り付けてその発生磁界を利用す
る方法や、コイルに直流電流またはパルス電流を断続的
に流す方法があり、その発生磁界によってラジアルまた
は極配向磁石を得ることができる。前者の方法は、簡便
な金型構造が使用できる反面、高温成形では磁界が不足
しやすく、一方、後者は高容量の電源を必要とするが高
磁界を発生できる特徴がある。
【0040】こうして成形されたボンド磁石のBH
maxは、30〜40MGOeのNd−Fe−B合金系
磁性粉末またはSm−Fe−N合金系磁性粉末を用いて
磁界中成形することにより、従来の等方性ボンド磁石よ
り大幅に高い15MGOe以上を得ることができる。ま
た、磁性粉末への金属被膜形成と熱可塑性樹脂のほぼ完
全な被覆、および必要によって実施される磁石表面の防
錆被膜によって、60〜80℃で95%以上の高湿度下
でも外観状の錆の発生が全く認められなくなる。
【0041】また、同時に、180℃で1000時間放
置試験後の減磁率を5%以内に抑えることができる。な
お、減磁率は、温度が低いほど、および磁石の保磁力が
大きいほど小さくなることが一般的に知られている。ま
た、磁石の寸法形状と着磁の極数から計算によって求ま
るパーミアンス係数にも依存し、円柱状磁石を軸方向に
着磁した場合には径より長さが長いほど減磁率は小さく
なる。Nd−Fe−B合金系等方性ボンド磁石において
は、特開平10−284312号公報によれば、一般の
磁性粉末よりBHmaxがやや低くて高温用途に向いた
MQPO材を圧縮成形して、180℃−1000h後の
減磁率が3.2%のの記載例があるが、異方性ボンド磁
石においては、これまで減磁率の小さな耐熱性ボンド磁
石は得られなかった。
【0042】
【作用】本発明によれば、異方性希土類合金磁性粉末の
表面を希土類合金よりも優先的に酸化する金属で被覆す
ることにより、180℃程度以上の高温での磁性粉末の
磁性低下を大幅に抑制することが出来、従って、耐熱性
樹脂との混合物の射出または押し出しによる300℃前
後の高温成形を可能とし、従来にない高いBH ax
もつボンド磁石の製造ができる。また、この磁石は、高
温度下での錆防止にも優れ、かつ150〜180℃の高
温使用においても磁気特性の低下が小さく、従って、O
A機器以外の車載用モータに新たな需要が期待できる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って詳細に説明す
る。 実施例1 水素処理による所謂HDDR法によって製作された、N
12.3Dy0.3Fe76. 5Co4.36.0Ga0.5Zr0.1
金組成の磁性粉末を、窒素ガスを導入した気流式衝撃粉
砕機によって粉砕し、平均粒径75ミクロンの粉末を得
た。この粉末を磁界中で配向した後に40kOeのパル
ス着磁をし、その後振動試料型磁力計によって磁気特性
を測定した結果、そのBHmaxは38.5MGOeであ
った。
【0044】この粉末92質量%と、純度99%のZn
金属を8質量%と、さらに撹拌用の鋼球をSUS304
ステンレス鋼製容器に装填し、容器の一端を真空ポンプ
に接続して容器内を減圧したまま360℃で4時間加熱
した。容器から取り出した粉末は、断面研磨後に走査電
子顕微鏡観察を行った結果、Zn被覆層のおよその厚さ
は粉末内部への拡散層を含めて2ミクロンであった。な
お、加熱処理後に容器内に残留したZn金属片は、32
ミクロンの篩を用いて除去した。
【0045】このZn被覆粉末に、1質量%の信越化学
製シランカップリング剤と14質量%の東ソー製ポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)を添加して、ヘンシェ
ルミキサを用いて混合し、得られた混合粉末を315℃
で二軸押出し機を通して混練りしてコンパウンドを製作
した。続いて、日本製鋼所製の射出成形機に磁界発生コ
イルを取り付け、12kOeの磁界を印加しながら31
0℃で、0.6および1.2ton/cm2の成形圧を
用いて射出成形して、軸方向に異方性をもつ直径14m
m、長さ10mmのボンド磁石を製作して本発明試料
(1)および(2)とした。
【0046】一方、上記Zn被覆粉末に2.5質量%の
エポキシ樹脂と、滑材として0.1質量%のステアリン
酸亜鉛粉末を添加混合し、上記と同じ12kOeの磁界
中で6、9、12、14ton/cm2の圧力を加え
て、圧粉成形して比較例試料(1)〜(4)とした。
【0047】試料の磁気特性は、40kOeの磁界でパ
ルス着磁後にBHトレーサを用いて測定し、BHmax
記録した。試料の空隙率は、密度を測定して磁性粉末と
樹脂の構成量から算出した。さらに、着磁後の試料を1
80℃で1000時間放置してその磁束減磁率の変化を
調べ、終了後に再着磁して永久減磁率を調査した。な
お、参考として、用いた試料のパーミアンス係数は、計
算により約2であった。
【0048】これらの結果を表1に示す。表1より明ら
かなように、いずれの試料も等方性ボンド磁石の約10
MGOeよりも高い磁気特性BHmaxを有し、また、比
較例試料は本発明試料よりも成形体中の磁性粉末充填率
が高いためにBHmaxもやや高い値を示している。しか
し、比較例試料は本発明試料に比べて空隙率が大きく、
また、減磁率と永久減磁率ともに大きい。一方、本発明
試料の減磁率はいずれも5%以下であり、高温長時間の
使用に好適であることが明らかになった。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 実施例1で用いた平均粒径75ミクロンのNd−Fe−
B合金系粉末92質量%と、純度99%以上のZn,S
n,Inの各金属を8質量%と、さらに、撹拌用の鋼球
をSUS304ステンレス鋼製容器に装填し、容器の一
端を真空ポンプに接続して容器内を減圧したまま加熱し
た。加熱温度と時間は、Znの場合に実施例1と同じく
360℃で4時間、SnおよびInの場合には320℃
で24時間とした。各被覆層のおよその厚さは粉末内部
への拡散層を含めてZnの場合には2ミクロン、Snお
よびInの場合には共に約0.2ミクロンであった。
【0051】次に、これらの金属を表面被覆した粉末
に、1質量%の信越化学製シランカップリング剤と14
質量%の東ソー製ポリフェニレンサルファイド(PP
S)を添加し、ヘンシェルミキサで混合後、320℃で
練りコンパウンドを製作した。次に、射出成形機に図1
に示す磁界発生コイル付きの金型を取り付け、このコン
パウンドを投入して315℃で加熱して樹脂を溶融さ
せ、金型の外周から内周の成形物にパルス磁界を0.8
秒毎に断続して印加しながら、成形して冷却した。
【0052】図1において、ダイス1は内径側に切り欠
きがあり、一本の銅線2が埋め込まれ周回して巻かれて
おり、更に、内径側に金属製のスリーブ3が焼きばめさ
れている。コンパウンド4は、このダイスとコア5との
空隙に充填され、パルス電流によって発生する磁力線6
の方向に沿って磁性粉末が配向する仕組みになってい
る。得られた磁石は外径22mm、内径18mm、長さ
4mmで外周12極の極異方性磁石であり、これらを本
発明試料(3)〜(5)とした。
【0053】一方、金属被覆処理を実施していない磁性
粉末を、上記同様に混合・混練・成形して、同寸法の円
筒状磁石を製作し比較例試料(5)とした。空隙率は、
本発明試料3は1.4%、同4は、1.2%、同5は
1.3%、比較例試料5は1.5%であった。
【0054】次に、各磁石試料を一本の銅線を埋設した
専用の外周着磁ヨークを用い、25kAのパルス電流を
流して着磁した後、360度回転させて表面12極の磁
束密度をテスラメータを用いて測定し、12極の平均値
を算出した。また、測定後に試料の一部を切断し、振動
試料型磁力計により試料の極方向に沿って磁気特性を測
定した。表2に示す結果より明らかなように、本発明試
料(3)〜(5)は、いずれも高い表面磁束密度とBH
maxが得られたのに対して、比較例試料(5)の特性は
低かった。この理由は、磁性粉末への金属被覆の有無に
よって高温成形における磁性粉末の酸化程度の差異によ
るものである。
【0055】
【表2】
【0056】さらに、各試料を180℃で1000時間
放置して、その磁束減磁率と永久減磁率を調査した。図
2より、本発明試料は、いずれも比較例試料に比べて減
磁率が小さく、また、永久減磁率も小さいことが明らか
になった。この主な理由は、磁性粉末への金属被覆膜の
形成によって磁性粉末表面の酸化が抑制されたためと推
測され、特に、Zn被覆した本発明試料(1)は、18
0℃、1000時間経過後の減磁率を5%以内に抑える
ことができ、車用途(電動式パワステモータ、ヘッドラ
イト光軸調整モータ、車載用CDおよびMDモータとス
ピーカなど)に適合する水準の耐熱性の高性能ボンド磁
石が得られた。
【0057】実施例3 Nd12.3Dy0.3Fe80.86.0Ga0.5Zr0.1組成の合
金を基に、Feの一部を4.3〜15.2原子%のCo
で置換した各種合金を溶解鋳造し、Ar雰囲気中100
0℃で8時間均質化処理をした後に水素処理を行って磁
性粉末を製作した。これを粉砕した後にZn被覆処理を
360℃で2時間行って、1ミクロンの被覆層をもつ磁
性粉末を製作した。次に、実施例1と同じ条件で樹脂混
練と成形をし、本発明磁石試料(6)〜(9)を得た。
【0058】一方、Zn被覆処理を施さない4.3原子
%のCoを含有する磁性粉末を用いて成形した磁石を、
比較例試料(6)とした。振動試料型磁力計を用いて測
定した各成形前の粉末試料のキュリー温度と、磁石試料
の表面磁束密度の結果を表3に示す。空隙率は、本発明
試料6は0.9%、同7は、0.9%、同8は0.7
%、同9は0.7%、比較例試料6は0.9%であっ
た。
【0059】
【表3】
【0060】表3より明らかなように、本発明試料では
Co置換量が増すに従ってキュリー温度が上昇した。ま
た、これに従って、射出成形温度における磁性粉末の磁
化低下が抑制され、かつ、Co含有による耐酸化性の向
上によって表面磁束密度が増加する傾向を示した。一
方、Zn被覆なしの比較例試料(6)は磁性粉末の酸化
により磁束密度は低かった。
【0061】次に、実施例1と同じく経時変化を調べた
結果を図3に示した。図3より、磁性粉末のCo含有量
の増加に従って減磁率が小さくなり、Co置換が高温で
の磁気特性の低下を抑制することが明らかになった。ま
た、本発明試料は、いずれも比較例試料に比べて減磁率
が小さく、また、永久減磁率も小さいことが明らかにな
った。
【0062】実施例4 Nd12.3Dy0.3Fe76.5Co4.36.0Ga0.5Zr0.1
組成の合金の水素処理粉末を、Zn蒸気中350℃で1
〜18時間処理して、Zn被覆層の厚さが0.005,
0.04,0.30,0.94,1.88ミクロンの5
種類の被覆粉末を得た。続いて、これらの粉末と、Zn
被覆をしない粉末とを用いて実施例1と同様に射出成形
し、本発明試料(10)〜(14)および比較例試料
(7)を製作した。これらの試料を180℃で1000
時間放置した後の減磁率と永久減磁率を表4に示す。
【0063】表4により、本発明試料(10)〜(1
4)は、いずれも比較例試料(7)より減磁率が小さ
く、また、Zn被覆膜が厚いほど減磁率と永久減磁率を
さらに低減できることが明らかになった。空隙率は、本
発明試料10は1.0%、同11は、0.8%、同12
は0.7%、同13は0.8%、同14は0.8%、比
較例試料7は1.0%であった。
【0064】
【表4】
【0065】実施例5 実施例4と同一組成で表面に0.94ミクロンのZn被
覆層を有する磁性粉末に、0.5質量%の信越化学製シ
ランカップリング剤と13質量%の出光石油化学製ポリ
エーテルニトリル(PEN)を添加し、ヘンシェルミキ
サを用いて混合し、得られた混合粉末を325℃で二軸
押出し機を通して混練りしてコンパウンドを製作した。
続いて、コンパウンドを315℃に加熱して樹脂を溶融
し、成形空間に直流電流による10kOeの磁界を加え
ながら射出成形して、外径18mm、内径16mm、長
さ3mmのラジアル異方性磁石を製作して本発明試料
(15)とした。空隙率は1.4%であった。
【0066】一方、MQI社製のNd−Fe−Co−B
合金磁性粉末(略称:MQP―B材)を粉砕分級して得
た粒径約120ミクロンの粉末に、0.5質量%のシラ
ンカップリング剤と11質量%のポリアミド(PA1
2)を添加し、コンパウンド化した後、磁界を印加せず
260℃で射出成形して比較例試料(8)を得た。空隙
率は1.2%であった。
【0067】各試料を着磁ヨークを用いて外周8極着磁
した後に、180℃、1000時間の経時変化を調べた
結果を図4に示す。なお、図4での縦軸は表面磁束密度
の絶対値を記した。図4より、本発明試料(15)は比
較例試料(8)に比べて異方性であるために高い磁束密
度を有していることが明らかである。また、図中の10
00時間経過後の減磁率の計算によれば、比較例試料
(8)の8.6%に対して本発明試料(15)は4.0
%であった。
【0068】実施例6 還元拡散法によって製作した粒径3ミクロンのSm−F
e−N合金磁性粉末を、Zn蒸気中360℃で30分処
理して表面に0.05ミクロンのZn被覆層をもつ磁性
粉末を得た。次に、この粉末86質量%とポリフェニレ
ンサルファイド(PPS)を13質量%、および1質量
%のジフェニルシランをヘンシェルミキサを用いて混合
した。この混合粉末を315℃で混練してコンパウンド
を製作し、310℃で加熱し、樹脂を溶融させながら直
流電流により放射状の10kOeの磁界中を円筒形状金
型に印加して射出成形を行った。得られた磁石は実施例
1と同寸法の、外径22mm、内径18mm、長さ4m
mでラジアル配向した異方性磁石であり、外周12極着
磁して本発明試料(16)とした。
【0069】一方、上記のZn被覆粉末97質量%と液
状エポキシ樹脂3質量%を秤量混合し、放射状の12k
Oeの磁界を印加して、成形圧力10ton/cm2
圧粉成形した後、120℃で1時間の樹脂硬化を行っ
た。得られた磁石は上記と同寸法であり、同様の着磁を
して比較例試料(9)とした。本発明試料(16)、お
よび比較例試料(9)の空隙率は、それぞれ1.2%、
8.9%であった。
【0070】各試料について、180℃で1000時間
の経時変化を調べた結果を図5に示す。図5より、本発
明試料(16)は比較例試料(9)に比べて減磁が著し
く小さいことが明らかになった。この著しい差異の理由
は、本発明試料(16)では、粒子表面がNd−Fe−
B合金粉末より活性なSm−Fe−N合金微粉末をZn
で被覆し、さらに、PPS樹脂でほぼ完全に固めて成形
されているために空気の流通が遮断され、磁性粉末の酸
化がほとんど起こらないことによる。一方、比較例試料
(9)は、空隙率が大きいため180℃の環境下では薄
いZn被覆がされているにもかかわらず、高温であるた
めに徐々に酸化が進行するためと推察された。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、異方性磁性粉末の表面
を耐酸化性の金属で被覆して耐熱性樹脂と射出成形また
は押し出し成形により高温成形し、ボンド磁石内部の空
隙を大幅に低減することによって、180℃程度以上の
高温長時間減磁を抑制でき、従来にない高性能・耐熱性
のボンド磁石ができる。従って、この磁石はOA機器以
外に車用や制御機器用モータに新たな需要が期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の希土類ボンド磁石の製造に使用する磁
界中成形用の金型の一例を示す断面図である。
【図2】実施例2による粉末表面に金属を被覆したNd
−Fe−B合金系射出成形磁石試料の、180℃、10
00時間における減磁率と永久減磁率の図である。
【図3】実施例3によるCo含有量の相違によるNd−
Fe−B合金系射出成形磁石試料の、180℃、100
0時間における減磁率と永久減磁率の図である。
【図4】実施例5による異方性と等方性のNd−Fe−
B合金系射出成形磁石試料の、180℃、1000時間
における表面磁束密度と永久減磁の図である。
【図5】実施例6によるSm−Fe−N合金系射出成
形、および圧粉成形磁石試料の、180℃、1000時
間における減磁率と永久減磁率の図である。
【符号の説明】
1:ダイス 2:銅線 3:スリーブ 4:コンパウンド 5:コア 6:磁力線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA27 CA30 CA32 KA46 5E040 AA04 AA06 AA19 BB04 CA01 HB06 HB11 HB14 NN05 NN06 NN14 NN18 5E062 CD05 CE02 CF02 CG02 CG03 CG07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面被覆金属層を有する異方性希土類合
    金系磁性粉末と樹脂からなる希土類ボンド磁石であっ
    て、該ボンド磁石は、異方性希土類合金系磁性粉末と結
    晶性を有する熱可塑性樹脂との混合物を空隙率2%以下
    に射出成形または押し出し成形し、かつ成形時の樹脂の
    加熱時に該磁性粉末の保磁力が一時的に低下した状態で
    樹脂の溶融流動性を利用して磁界作用下で異方性配向さ
    れた成形体からなり、磁気エネルギー積が15MGOe
    以上であり、該成形体をそのまま、または表面に防錆被
    膜を形成した後に着磁して大気中180℃に1000時
    間放置した時の減磁率が5%以内である耐熱性を有する
    ことを特徴とする、異方性希土類ボンド磁石。
  2. 【請求項2】 表面被覆金属層の金属は、Zn,Sn,
    In,Al,Si,希土類元素の少なくとも一種以上か
    らなる単一金属またはそれらの金属を主成分とする合金
    であることを特徴とする、請求項1記載の異方性希土類
    ボンド磁石。
  3. 【請求項3】 表面被覆金属層の金属は、その一部が磁
    性粉末内部に拡散浸透していることを特徴とする、請求
    項1または2記載の異方性希土類ボンド磁石。
  4. 【請求項4】 結晶性を有する熱可塑性樹脂が、耐熱性
    のポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマ
    ー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
    K)、ポリエーテルニトリル(PEN)、またはフッ素
    樹脂であることを特徴とする、請求項1ないし3のいず
    れかに記載の異方性希土類ボンド磁石。
  5. 【請求項5】 表面被覆金属層を有する磁性粉末、熱可
    塑性樹脂、および空隙の合計を100%としたときに、
    熱可塑性樹脂分が体積比で25〜35%であることを特
    徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の異方性
    希土類ボンド磁石。
  6. 【請求項6】 異方性希土類合金系磁性粉末がHDDR
    法によって製造したNd−Fe−B合金系粉末であり、
    表面被覆金属層の金属がZnであり、その拡散層を含む
    厚みが0.005ミクロン〜2ミクロンであることを特
    徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の異方性
    希土類ボンド磁石。
  7. 【請求項7】 Nd−Fe−B合金系粉末のFeの一部
    をCoで置換することにより磁性を消失するキュリー温
    度を340℃以上としたことを特徴とする、請求項6記
    載の異方性希土類ボンド磁石。
  8. 【請求項8】 異方性希土類合金系磁性粉末がSm−F
    e−N合金系粉末であり、表面被覆金属層の金属がZn
    であり、その拡散層を含む厚みが0.05ミクロン〜
    0.2ミクロンであることを特徴とする、請求項1ない
    し5のいずれかに記載の異方性希土類ボンド磁石。
  9. 【請求項9】 表面被覆金属層の表面に撥水性シリル基
    が形成されていることを特徴とする、請求項1ないし8
    のいずれかに記載の異方性希土類ボンド磁石。
  10. 【請求項10】 表面被覆金属層を有する異方性希土類
    合金系磁性粉末と結晶性を有する熱可塑性樹脂との混合
    物を加熱して樹脂を溶融させ、270〜320℃で磁界
    を印加して磁性粉末を異方性配向させながら射出成形ま
    たは押し出し成形して空隙率が2%以下の成形体を形成
    することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに
    記載の異方性希土類ボンド磁石の製造方法。
  11. 【請求項11】 該混合物が、表面被覆金属層を有する
    異方性希土類合金系磁性粉末とシランカップリング剤を
    混合して表面被覆金属層の表面に撥水性シリル基を形成
    した異方性希土類合金系磁性粉末と結晶性を有する熱可
    塑性樹脂との混合物を加熱して樹脂を溶融させ、270
    〜320℃で磁界を印加して磁性粉末を異方性配向させ
    ながら射出成形または押し出し成形して空隙率が2%以
    下の成形体を形成することを特徴とする、請求項9記載
    の異方性希土類ボンド磁石の製造方法。
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