JP2001338654A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池

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JP2001338654A JP2000158667A JP2000158667A JP2001338654A JP 2001338654 A JP2001338654 A JP 2001338654A JP 2000158667 A JP2000158667 A JP 2000158667A JP 2000158667 A JP2000158667 A JP 2000158667A JP 2001338654 A JP2001338654 A JP 2001338654A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動初期において大電流を流す場合であって
もフラッディングの発生が十分に防止され、高い電池特
性を起動初期から長期間にわたり安定して得ることので
きる固体高分子型燃料電池を提供する。 【解決手段】 燃料電池FCは、アノード8と、カソー
ド5と、アノードとカソードとの間に配置された高分子
電解質膜PEMとを有しており、更に、カソードが、ガ
ス拡散層4と、ガス拡散層と高分子電解質膜との間に配
置される触媒層1と触媒層2とを備えており、高分子電
解質膜に接する触媒層1に含有されているイオン交換樹
脂のイオン交換容量X[ミリ当量/g乾燥樹脂]及びガ
ス拡散層に接する触媒層2に含有されているイオン交換
樹脂のイオン交換容量Y[ミリ当量/g乾燥樹脂]が、
それぞれ下記式(1)〜(3)の条件:0.88≦X≦
1.50…(1),0.70≦Y≦1.32…(2),
0.18≦(X−Y)≦0.70…(3)を同時に満た
すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、電池反応による生成物が原
理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないク
リーンな発電システムとして注目されている。
【0003】特に、高分子電解質膜を有する固体高分子
型燃料電池は、(1)高いイオン導電性を有する高分子
電解質膜が開発されたこと、(2)高分子電解質膜と同
種或いは異種のイオン交換樹脂(高分子電解質)で被覆
した触媒担持カーボン微粒子を電極触媒層の構成材料と
して使用し、いわゆる触媒層内の反応サイトの3次元化
が図られるようになったこと等によって、電池特性が飛
躍的に向上した。そして、このような高い電池特性を得
られることに加え、小型軽量化が容易であることから、
固体高分子型燃料電池は、電気自動車等の移動車両や、
小型コジェネレーションシステムの電源等としての実用
化が期待されている。
【0004】そして、現在検討されている固体高分子型
燃料電池は、その作動温度領域が高分子電解質膜の耐熱
性やイオン伝導性等の制約により一般的に50〜120
℃と低く、その排熱を利用しにくいので、その実用化に
向けて、特に、純水素等のアノード反応ガス利用率及び
空気等のカソード反応ガス利用率の高い作動条件下にお
いて、高い発電効率、高い出力密度を得ることのできる
性能が要求されている。
【0005】通常、固体高分子型燃料電池に使用される
ガス拡散電極は、上記のイオン交換樹脂で被覆された触
媒担持カーボン微粒子を含有する触媒層と、この触媒層
に反応ガスを供給すると共に触媒層において発生する電
荷を集電するガス拡散層とからなる。そして、ガス拡散
電極の触媒層内には、上記の構成材料となるカーボン微
粒子の二次粒子間に形成される微少な細孔からなる空隙
部が存在し、当該空隙部が反応ガスの拡散流路として機
能している。
【0006】しかし、上記のような電池反応の反応速度
が比較的高い作動条件のもとでは、アノードからカソー
ドに向けて高分子電解質膜中を移動するプロトンに伴っ
て移動する水(以下、プロトン同伴水という)の量と、
カソードの電極反応により生成し凝縮する生成水の量と
が多くなる。そのため、これらの水がカソードから外部
に速やかに排出されず、カソードの触媒層内の空隙部が
これらの水により閉塞されてしまう現象、いわゆるフラ
ッディングの現象が起こり易かった。このようなフラッ
ディングが起こると、カソード反応ガスの触媒層の反応
サイトへの供給が妨げられ、所望の電池出力を安定的に
得られなくなる。そのため、フラッディングの発生を防
止して所望の電池出力を長期間にわたり安定して得るた
めには、カソードの良好な排水性の確保が必要となる。
【0007】そのため、特開平5−36418号公報に
は、撥水化剤として、ポリテトラフルオロエチレン(以
下、PTFEという)、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレ
ン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体
等の含フッ素樹脂等を、カソード触媒層中に含有させた
固体高分子型燃料電池が提案されている。しかし、この
ように触媒層中に撥水化剤を含有させると、撥水化剤に
より撥水性の高い空隙部を構築できるものの、撥水化剤
の絶縁性による電極の電気抵抗の増大や、触媒層の層厚
の増大による触媒層内のガス拡散性の低下により、かえ
って電池出力が低下する場合があるという問題があっ
た。なお、本明細書中において、「A/B共重合体」と
は、Aに基づく重合単位とBに基づく重合単位とからな
る共重合体を示す。
【0008】また、特開平11−288727号公報に
は、イオン交換容量の異なるイオン交換樹脂で被覆した
2種類の触媒担持カーボン微粒子を構成材料として用い
て、イオン交換容量(以下、ARという)が1.10ミ
リ当量/g乾燥樹脂(以下、meq./gとする)であ
るイオン交換樹脂を含有する触媒層と、ARが0.97
meq./gであるイオン交換樹脂を含有する触媒層と
を調製し、前者を高分子電解質膜の側に配置し、後者を
ガス拡散層の側に配置した二層構造のカソード触媒層を
有する固体高分子型燃料電池が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らは、上記特開平11−288727号公報に記載の
固体高分子型燃料電池であっても、起動初期の電池特性
を高くして大電流を流そうとすると起動から比較的短時
間で電池特性が低下し、更にはカソード触媒層における
フラッディングが発生してしまうという問題、或いは、
カソード触媒層におけるフラッディングを防止しようと
すると起動初期の電池特性が低くなり、従って高い電池
特性を長期間にわたり得ることができなくなるという問
題があり、未だ十分なものではないことを見出した。
【0010】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、起動初期において大電流を流
す場合であってもフラッディングの発生が十分に防止さ
れ、高い電池特性を起動初期から長期間にわたり安定し
て得ることのできる固体高分子型燃料電池を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、かかる特開平1
1−288727号公報に記載の固体高分子型燃料電池
が有する問題の原因は、高分子電解質膜の側に配置され
る触媒層に含有させるイオン交換樹脂のARとガス拡散
層の側に配置される触媒層に含有させるイオン交換樹脂
のARとの差が、0.13meq./gと小さいことに
あることを見出した。
【0012】そこで、本発明は、アノードと、カソード
と、アノードとカソードとの間に配置された高分子電解
質膜とを有しており、アノード反応ガスをアノードに供
給すると共にカソード反応ガスをカソードに供給し、電
気化学反応によって電力を発生する固体高分子型燃料電
池であって、カソードが、ガス拡散層と、当該ガス拡散
層と高分子電解質膜との間に配置される複数の触媒層
と、を備えており、高分子電解質膜に接する最内部の触
媒層に含有されているイオン交換樹脂のイオン交換容量
X[ミリ当量/g乾燥樹脂]、及びガス拡散層に接する
最外部の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のイオ
ン交換容量Y[ミリ当量/g乾燥樹脂]が、それぞれ下
記式(1)〜(3)の条件:0.88≦X≦1.50…
(1),0.70≦Y≦1.32…(2),0.18≦
(X−Y)≦0.70…(3)を同時に満たしているこ
と、を特徴とする固体高分子型燃料電池を提供する。
【0013】このように、上記のXとYの値が(1)及
び(2)の条件を満たす範囲内において、(X−Y)の
値を0.18meq./g以上とすることで、最内部の
触媒層と最外部の触媒層とのそれぞれに対して異なる機
能を明確に差別化して持たせることができる。すなわ
ち、反応生成水の累積量が少ない最内部の触媒層には、
高いARを有するイオン交換樹脂を分布させることによ
り当該最内部の触媒層を効率よく高含水率状態とさせ、
多数の反応サイトを持たせて電極反応を主として担う機
能を持たせることができる。一方、反応生成水の累積量
が多い最外部の触媒層には、低いARを有するイオン交
換樹脂を分布させることにより当該最外部の触媒層を効
率よく低含水率状態とさせ、その離水性を高くして優れ
た排水性を持たせて反応生成水やプロトン同伴水の外部
への排水を主として担う機能を持たせることができる。
【0014】その結果、高分子電解質膜の近傍の触媒層
領域においては、多数の反応サイトが有効に利用される
ので電池の高出力密度化を図ることができ、一方、ガス
拡散層の近傍の触媒層領域においては、反応生成水やプ
ロトン同伴水をスムーズに外部に排水することができる
ので、フラッディングの発生の防止を図ることができ
る。従って、このように固体高分子型燃料電池を構成す
ることにより、作動中の固体高分子型燃料電池の電極に
おいて、フラッディングの発生を防止しつつ反応サイト
への反応ガス及びプロトンの十分な供給を長期間にわた
り保持できる、良好な排水構造を有する触媒層を構築す
ることができる。
【0015】ここで、最内部の触媒層に含有されている
イオン交換樹脂のARXの値が、0.88meq./g
未満となると樹脂の含水率が低くなり、十分なプロトン
伝導経路を確保することが困難となるので電池特性が低
下する。一方、このXの値が、1.50meq./gを
超えると、樹脂中のイオン交換基の密度が増大し、結晶
性が著しく低下する。このように結晶性の著しく低下
し、固体高分子型燃料電池の作動中に当該イオン交換樹
脂が触媒層中から溶出したり、触媒層の構造自体を維持
することが困難となる不具合が生じる。また、このXの
値は、上記と同様の観点から、1.00〜1.35me
q./gであることがより好ましい。
【0016】また、最外部の触媒層に含有されているイ
オン交換樹脂のARYの値が、0.70meq./g未
満となると、著しくプロトン伝導性が低下して抵抗が増
大するため電池出力が低下する。また、触媒層を調製す
る際にイオン交換樹脂が溶液に溶解しにくくなり触媒層
を形成しにくくなる。一方、このYの値が、1.32m
eq./gを超えると、イオン交換樹脂の含水率が高く
なってその離水性が低くなるため、当該最外部の触媒層
における排水性が低下し、フラッディングが発生し易く
なる。更に、このYの値は、上記と同様の観点から、
0.85〜1.15meq./gであることがより好ま
しい。
【0017】更に、最内部の触媒層に含有されているイ
オン交換樹脂のARXと最外部の触媒層に含有されてい
るイオン交換樹脂のARYとの差(X−Y)の値が、
0.18meq./g未満であると、最内部の触媒層と
最外部の触媒層とのそれぞれに対して、前者には電極反
応を主として担う機能、後者には反応生成水やプロトン
同伴水の外部への排水を主として担う機能を明確に差別
化して持たせることが困難となる。
【0018】一方、この(X−Y)の値が、0.70m
eq./gを超えると、最内部の触媒層に含有されてい
るイオン交換樹脂中のイオン交換基の密度が増大し、結
晶性が著しく低下する問題、及び/又は、最外部の触媒
層に含有されているイオン交換樹脂のプロトン伝導性が
著しく低下し抵抗が増大して電池特性が低下すると共
に、触媒層を調製する際にイオン交換樹脂が溶液に溶解
しにくくなり触媒層を形成しにくくなる問題が発生す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の固体高分子型燃料電池の好適な実施形態について詳細
に説明する。なお、以下の説明においては、同一又は相
当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】図1は、本発明の固体高分子型燃料電池の
好適な実施形態にかかる単位セル及びセパレータを示す
断面図である。同図に示す燃料電池FCは、移動車両や
小型コジェネレーションシステムの電源として採用する
と好適な固体高分子型燃料電池である。この燃料電池F
Cは、アノード反応ガスと、カソード反応ガスとを利用
した電気化学反応によって電気エネルギーを発生する。
【0021】この燃料電池FCは、平板状の単位セルU
Cと、単位セルUCの両側に配置された2つのセパレー
タSP1とSP2とから構成されている。更に、単位セ
ルUCは、カソード5と、アノード8と、プロトン伝導
性を有する高分子電解質膜PEMから構成されている。
【0022】この燃料電池FCの電極活物質としては、
例えばメタノールや天然ガスといった炭化水素系原燃料
を水蒸気改質して生成される水素含有ガス(燃料ガス)
がアノード反応ガスとして用いられ、例えば空気等の酸
素含有ガスがカソード反応ガスとして用いられる。この
場合、アノード8においては、以下の(4)式に、カソ
ード5においては以下の(5)式に、それぞれ示す電極
反応が進行し、全体として(6)式に示す全電池反応が
進行して起電力が発生する。 H2→2H++2e- …(4) (1/2)O2+2H++2e-→H2O …(5) H2+(1/2)O2→H2O …(6) 以下、図1に基づいて本実施形態の各構成要素の詳細に
ついて説明する。
【0023】高分子電解質膜PEMは、例えば、含フッ
素重合体等の固体高分子材料によって形成されており、
湿潤状態下で良好なイオン伝導性を示すイオン交換膜で
ある。高分子電解質膜PEMを構成する固体高分子材料
としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン
重合体(以下、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合
体という)、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカル
ボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用い
ることができる。中でも、スルホン酸型パーフルオロカ
ーボン重合体が好ましく、商品としては例えば、ナフィ
オン(デュポン社製)、フレミオン(旭硝子社製)等が
挙げられる。
【0024】一方、ガス拡散電極であるカソード5及び
アノード8は、何れもガス拡散層4及び7と、これらの
ガス拡散層上に形成された触媒層3及び6とからなる。
【0025】ガス拡散層4及び7は、単セルUCに供給
された燃料ガス又は空気を触媒層側に円滑かつ均一に供
給すると共に、触媒層3及び8における上記(4)及び
(5)式に示す電極反応によって生じる電荷を単セルU
Cの外部に放出させる役割や反応生成水や未反応ガス等
を外部に放出する役割を担うものである。ガス拡散層4
及び7の構成材料としては、例えば、電子伝導性を有す
る多孔質体(例えば、撥水化剤とカーボン粉末とからな
る層が表面に形成されたカーボンクロスやカーボンペー
パー)が使用される。
【0026】燃料電池FCのカソード触媒層3は、上記
(5)式に示す電極反応が起こる反応場となる。カソー
ド触媒層3は、イオン交換樹脂を被覆した表面積の大き
な触媒担持カーボンブラック微粒子を主体として構成さ
れている。
【0027】図1に示すように、この触媒層3は、高分
子電解質膜PEM側に配置される触媒層1と、ガス拡散
層4側に配置された触媒層2とから構成されている。
【0028】これらの触媒層1と触媒層2とは、高分子
電解質膜PEMに接する触媒層1に含有されているイオ
ン交換樹脂のARXmeq./g、及びガス拡散層に接
する触媒層2に含有されているイオン交換樹脂のAR
meq./gが、それぞれ下記式(1)〜(3)の条
件:0.88≦X≦1.50…(1),0.70≦Y≦
1.32…(2),0.18≦(X−Y)≦0.70…
(3)を同時に満たすようにして形成されている。
【0029】この(1)〜(3)式の条件を同時に満た
す時に、触媒層3におけるイオン、反応ガス、及び電子
の反応サイトへの供給路のうち、電池反応の生成水及び
プロトン同伴水の影響を受けるイオン伝導経路とガス拡
散経路とを燃料電池FCの作動中にバランスよく確保す
ることができる。
【0030】上記の(1)及び(2)式に示す条件の下
で、(3)式に示すように触媒層1に含有されているイ
オン交換樹脂のARXと触媒層2に含有されているイオ
ン交換樹脂のARYとの差(X−Y)を十分にとること
で、主として電極反応を担う役割を触媒層1に行わせる
ことと、主として触媒層3全体に存在する水の外部への
排水を担う役割を触媒層2に行わせることとを明確に区
別することができる。
【0031】つまり、触媒層1は、含有されているイオ
ン交換樹脂の含水率が高く、十分にプロトンが移動でき
る経路を確保し、反応サイトを広く設けることができ
る。また、触媒層1においては、高分子電解質膜PEM
中を移動してくるプロトン同伴水の凝縮分と、高分子電
解質膜PEMと触媒層1との界面から触媒層1の厚さ方
向に向けて移動しながら累積される反応生成水とが存在
しているが、これらを合わせた水量は、反応生成水の累
積分が少ないだけ触媒層2中の水量に比較して少量であ
り、含水率が高くともガス拡散性に大きな支障はきたさ
ない。しかも、高分子電解質膜PEM近傍ではカソード
3からアノード8への水の濃度勾配を駆動力とする逆拡
散水もあるため、さらに排水の負担は軽減されることに
なる。
【0032】その一方で、触媒層2は、イオン交換樹脂
の含水率が低く離水し易くなるため排水性が良好となり
十分にガスが拡散する経路を確保することができる。ま
た、触媒層2においても、触媒層1と同様にプロトン同
伴水の凝縮分と、反応生成水の累積分とが存在してい
る。これらのうち累積生成水が非常に多くなり触媒層1
中の水量に比較して非常に多量となる。しかし、触媒層
2は、イオン交換樹脂の含水率が低いため多量の水を効
率よく外部に排出することができる。
【0033】このように触媒層3内には、十分多く確保
された反応サイトへのスムーズな反応ガスの供給を、長
期間にわたり保持することのできる良好な排水構造が構
築されている。そのため、作動中の触媒層3におけるフ
ラッディングの発生を防止して当該触媒層3内の反応サ
イトを有効に利用することが可能となるので、高い電池
特性を起動初期から長期間にわたり安定して得ることが
できる。
【0034】更に、上記の触媒層1に含有されているイ
オン交換樹脂のARXと触媒層2に含有されているイオ
ン交換樹脂のARYとの差(X−Y)を十分に大きくと
ることにより生じる作用効果を効果的に発揮させる観点
から、触媒層1に含有されているイオン交換樹脂の含有
量と触媒層2に含有されているイオン交換樹脂の含有量
との差は、0〜0.6mg/cm3であることが好まし
い。
【0035】また、触媒層1及び触媒層2に含有される
イオン交換樹脂の含有量については、触媒層1及び触媒
層2のいずれにおいても、触媒とイオン交換樹脂との比
率(質量比)の範囲が、触媒の質量:イオン交換樹脂の
質量=0.40:0.60〜0.95:0.05である
ことが好ましく、触媒の質量:イオン交換樹脂の質量=
0.60:0.40〜0.80:0.20であることが
より好ましい。
【0036】ここで、イオン交換樹脂に対する触媒の含
有率が、触媒の質量:イオン交換樹脂の質量=0.4
0:0.60の比率より低いと、触媒量が不足するので
反応サイトが少なくなる傾向がある。また、触媒を被覆
するイオン交換樹脂の被覆層の厚みが大きくなり樹脂中
における反応ガスの拡散速度が小さくなる傾向がある。
更に、反応ガスの拡散に必要な細孔が樹脂により塞がれ
てしまいフラッディングが生じ易くなるおそれがある。
一方、イオン交換樹脂に対する触媒の含有率が、触媒の
質量:イオン交換樹脂の質量=0.95:0.05の比
率を超えると、触媒に対して当該触媒を被覆するイオン
交換樹脂の量が不足して反応サイトが少なくなり電池出
力が低下する傾向がある。また、イオン交換樹脂は、カ
ソード5のバインダ及びカソード5と高分子電解質膜P
EMとの接着剤としても機能するが、その機能が不十分
となり触媒層構造を安定に維持できなくなる傾向が大き
くなる。なお、ここでいう触媒は、触媒担持カーボンな
どの担体に担持された担持触媒の場合にはその担体の質
量も含むものとする。
【0037】更に、触媒層1及び触媒層2に含有される
イオン交換樹脂は、スルホン酸型パーフルオロカーボン
重合体であることが好ましい。スルホン酸型パーフルオ
ロカーボン重合体は、触媒層1及び触媒層2内において
長期間化学的に安定であり速やかなプロトン伝導を可能
にする。
【0038】このようなスルホン酸型パーフルオロカー
ボン重合体は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単
位とCF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(C
2n−SO3Hで表されるフルオロビニル化合物に基
づく重合単位(式中、mは0〜3の整数、nは1〜12
の整数、pは0又は1であり、XはF又はCF3であ
る)とからなる共重合体が好ましい。
【0039】上記フルオロビニル化合物の好ましい例と
しては、以下(i)〜(iv)の化合物が挙げられる。た
だし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整
数、sは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。 CF2=CFO(CF2qSO3H (i) CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2rSO3H (ii) CF2=CF(CF2sSO3H (iii) CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF22SO3H (iv) なお、上記共重合体には、ヘキサフルオロプロピレン等
の含フッ素オレフィン又はパーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)に基づく重合単位が、テトラフルオロエチ
レンに基づく重合単位の25質量%以下であればテトラ
フルオロエチレンに基づく重合単位と置き換わって含ま
れていてもよい。
【0040】更に、本発明の触媒層1における全細孔容
積に対する細孔径0.1μm以下の細孔容積の割合は、
10.0〜90.0vol.%であることが好ましい。
なお、以下の説明においては、全細孔容積に対する細孔
径0.1μm以下の細孔容積の割合を「微細孔割合」と
いい、細孔径が0.1μmを超える細孔から構成された
ガス拡散性と排水性に優れた空隙部を「ガス拡散有効空
隙部」という。触媒層1における微細孔割合を上記の範
囲とすることで、触媒層1における反応ガスの反応界面
面積を十分に確保することができる。
【0041】ここで、触媒層1における微細孔割合が1
0.0vol.%未満であると、触媒層1における細孔
内の表面積が著しく減少し、反応ガスの接触し得る面積
が小さくなり電池出力が低下する傾向がある。すなわ
ち、電池特性が低下してしまう傾向がある。一方、触媒
層1における微細孔割合が90.0vol.%を超える
と、触媒層1内のガス拡散経路の割合が少なくなり、高
電流密度領域のように多量の水が生成する条件の下で燃
料電池FCを作動させる場合に、フラッディングが発生
する傾向が大きくなる。また、この触媒層1における微
細孔割合は、上記と同様の観点から、15.0〜70.
0vol.%であることがより好ましい。
【0042】そして、触媒層2における微細孔割合は、
10.0〜70.0vol.%であることが好ましい。
触媒層2における微細孔割合を上記の範囲とすること
で、触媒層2における反応ガスの反応界面面積を十分に
確保することができる。ここで、触媒層2内の微細孔割
合が10.0vol.%未満であると、触媒層2におけ
る反応ガスの細孔内の表面積が著しく減少し反応界面面
積が減少する傾向が大きくなる。一方、触媒層2内の微
細孔割合が70vol.%を超えると、触媒層2におい
て累積生成水や凝縮水を外部に十分に排水させるための
ガス拡散経路を確保しにくくなる傾向が大きくなる。ま
た、この触媒層2における微細孔割合は、上記と同様の
観点から、13.0〜60.0vol.であることがよ
り好ましい。
【0043】また、触媒層1の微細孔割合と触媒層2の
微細孔割合とがそれぞれ上記の数値範囲で示される条件
を満たすと同時に、触媒層2の微細孔割合は触媒層1の
微細孔割合より小さいことが好ましく、触媒層2の微細
孔割合と触媒層1の微細孔割合との差が5.0〜45.
0vol.%であることがより好ましい。
【0044】このように、触媒層1及び触媒層2のそれ
ぞれに含有させるイオン交換樹脂のARに着目すること
に加え、触媒層1及び触媒層2のそれぞれに形成されて
いる細孔の細孔径を制御することにより、触媒層1にお
いては反応サイトの密度を高くし、触媒層2においては
排水性を高くすることができるので各触媒層中の反応サ
イトへのスムーズな反応ガスの供給を、長期間にわたり
保持することのできる良好な排水構造を有する触媒層を
より確実に構築することが可能となる。
【0045】特に、上記のように、触媒層1内の微細孔
割合と触媒層2内の微細孔割合との差を5.0vol.
%以上とすることで、触媒層1と触媒層2とがそれぞれ
有する機能をより明確に差別化することができる。触媒
層1内の微細孔割合と触媒層2内の微細孔割合との差が
5.0vol.%未満となると、先に述べた触媒層1と
触媒層2とがそれぞれ有する機能を明確に差別化するこ
とが徐々に困難となる傾向がある。一方、触媒層1内の
微細孔割合と触媒層2内の微細孔割合との差が45.0
vol.%を超えると、触媒層の構造を維持することが
徐々に困難となる傾向が大きくなる。また、触媒層1に
おいてフラッディングが発生し易くなる傾向も大きくな
る。
【0046】また、触媒層1及び2内の細孔の細孔径は
大部分が0.01〜100μmであることが好ましく、
0.01〜50μmであることが更に好ましい。細孔径
が0.01μm未満である細孔は、反応ガスを反応サイ
トに向けて拡散させる機能を果せず、特に、触媒層2内
にこのような細孔が多数分布しているとフラッディング
が発生する傾向が大きくなる。一方、細孔径が100μ
mを超える細孔は、反応ガスの反応面積を十分に確保す
ることが困難である。
【0047】このように、各触媒層内に形成される空隙
部の細孔構造を制御する方法としては、例えば、少なく
ともイオン交換樹脂及び触媒を溶媒に溶解又は分散した
液(以下、触媒層形成インクという)の溶媒の種類を変
化させればよい。例えば、水よりもエタノール、トルエ
ン、ジクロロペンタフルオロプロパン等の有機溶媒を用
いる方がより多孔質の触媒層構造を得ることが可能であ
る。
【0048】また、その他の方法として、造孔剤や発泡
剤を用いてもよい。造孔剤としては、例えば、樟脳(昇
華性を有する)や酸に可溶な炭酸カルシウムなどが適用
できる。発泡剤としては少量で効率よく発泡されるもの
が好ましく、例えばアゾ化合物、ニトロソ化合物、スル
ホニルヒドラジド化合物に代表される有機系物質、また
金属炭酸塩、重炭酸塩、亜硝酸塩、水素化物に代表され
る無機系物質などがある。発泡剤は、加熱処理により分
解させ、ガスを発生させるために200〜280℃の温
度で10秒〜30分保持する加熱処理を施す必要があ
る。なお、この加熱処理において、触媒被覆用樹脂が分
解してしまう場合があるため、処理時間は短い方が好ま
しい。
【0049】また、触媒層1及び触媒層2のそれぞれの
層厚の総和は1.0〜150μmであることが好まし
く、5.0〜100μmであることがより好ましい。触
媒層1及び触媒層2のそれぞれの層厚の総和が1.0μ
m未満であると、薄すぎて実質的に二層の複数層構造の
形成が困難であると共に十分な反応サイトを有する触媒
層を形成しにくくなる傾向にある。一方、触媒層1及び
触媒層2のそれぞれの層厚の総和が150μmを超える
と、触媒層3全体の厚みが大きくなり、触媒層1及び触
媒層2のガス拡散性が著しく低下すると共に、触媒層1
及び触媒層2を合わせた触媒層3全体のオーム抵抗(電
圧損失)が増大してしまう傾向にある。
【0050】更に、触媒層1の層厚は、高分子電解質膜
PEMの近傍に反応サイトの密度の高い領域を局在化さ
せる観点と、その反応サイトの密度の高い領域に十分に
反応ガスを供給し得る反応ガス経路を確保する観点と、
この領域から水を効率よく排水してフラッディングを確
実に防止する観点とから、ガス拡散層4側に接する触媒
層2の層厚よりも薄いほうが好ましい。具体的には、触
媒層1の層厚は0.5〜70μmであることが好まし
く、2.0〜50μmであることがより好ましい。触媒
層1の層厚が0.5μm未満であると、薄すぎて実質的
に形成が困難であると共に十分な反応サイトを有する触
媒層を形成しにくくなる傾向にある。一方、触媒層1の
層厚が70μmを超えると、触媒層1内のガス拡散性が
低下し、十分に反応ガスを供給し得る反応ガス経路を確
保しにくくなると共に触媒層1から水を効率よく排水し
にくくなる傾向にある。
【0051】また、触媒層2は、触媒層1に十分な反応
ガスを供給し得るガス拡散経路を有すると共に触媒層3
全体の厚み方向に累積された生成水等の水を外部に効率
よく排水するという観点から、その層厚は触媒層1同様
に薄いほうが好ましい。ただし、触媒層2の層厚は、触
媒層2の抵抗が大きくならない範囲で上記の良好なガス
拡散性が確保できれば、触媒層1の場合よりも厚くても
よく、調製の際のハンドリング性の観点から決定しても
よい。具体的には、触媒層2の層厚は0.5〜80μm
であることが好ましく、3.0〜60μmであることが
より好ましい。触媒層2の層厚が0.5μm未満である
と、薄すぎて実質的に形成が困難となる傾向がある。一
方、触媒層2の層厚が80μmを超えると、ガス拡散性
が低下すると共に、触媒層の抵抗が大きくなる傾向があ
る。
【0052】更に、触媒層3の各層の空隙率は20〜9
5%であることが好ましく、40〜80%であることが
より好ましい。触媒層3の各層の空隙率が20%未満で
は触媒層内の構成材料間に形成される細孔の細孔容積が
著しく低下すると共に、空隙を構成する細孔の細孔径も
著しく小さくなるので、細孔内の表面積が著しく低下し
反応ガスと接する面積が小さくなる上にガス拡散性およ
び排水性が著しく低下してしまう。また、触媒層3の各
層の空隙率が95%を超えると触媒層自体の構造維持が
困難となる。
【0053】一方、燃料電池FCのアノード8の触媒層
6も、イオン交換樹脂を被覆した表面積の大きな触媒担
持カーボンブラック微粒子により構成されている。アノ
ード8の触媒層6は、上記(4)式に示す電極反応を進
行させる役割を担う。
【0054】アノード8の触媒層6に含まれるイオン交
換樹脂は、カソード5と同様にスルホン酸型パーフルオ
ロカーボン重合体であることが好ましい。また、アノー
ド8では反応生成水が生じないため、カソード5ほどの
排水性は必要ない。従って、十分な反応サイトを確保す
るためにアノード8中のイオン交換樹脂は含水率が高い
ものが好ましい。
【0055】以上のような観点から、触媒層6に含有さ
れるイオン交換樹脂のARは、0.85〜1.40me
q./gであることが好ましい。触媒層6に含有される
イオン交換樹脂のARが、0.85meq./g未満で
あると、触媒層6内に十分なプロトン伝導経路を構築す
ることが困難となり十分な反応サイトが確保できない。
一方、触媒層6に含有されるイオン交換樹脂のARが、
1.40meq./gを超えると、触媒層6内の排水性
が低下し、加湿水の凝縮による触媒層6内にフラッディ
ングが発生する傾向が大きくなる。また、図1では触媒
層6は、単層からなるが複数の層から構成されていても
よい。
【0056】なお、触媒層3及び触媒層6には、必要に
応じて撥水化剤を含有させてもよい。特に、触媒層3中
に撥水化剤を含有させることは、触媒層3中の排水性を
向上させることができ、フラッディングの抑制効果が高
まるので好ましい。ただし、撥水化剤は絶縁体であるた
めその量は少量であるほど望ましく、その添加量は0.
01〜15質量%が好ましい。このような撥水化剤とし
ては、PTFEや溶媒に可溶な含フッ素樹脂等が使用で
きる。
【0057】このようなガス拡散層と触媒層とからなる
カソード5とアノード8の形成方法は特に限定されるも
のではなく、例えば、以下のような形成方法に従って製
造される。
【0058】先ず、触媒層形成インクを調製する。次
に、この触媒層形成インクを、高分子電解質膜PEM、
或いは撥水化剤とカーボンとからなる層が表面に形成さ
れたカーボンクロス等のガス拡散層となる材料表面に、
噴霧、塗布、濾過転写するなどして、高分子電解質膜P
EM、或いはガス拡散層となる材料表面上に所定の構造
を有する触媒層を厚さが均一になるように形成する。
【0059】次に、触媒層を形成した高分子電解質膜P
EMとガス拡散層となる材料との接合、或いは、高分子
電解質膜PEMと触媒層を形成したガス拡散層となる材
料との接合を行う。上記の両者の接合は、例えば、ホッ
トプレスやロールプレスにより行ってもよい。このと
き、特開平7−220741号公報等に開示されている
ように、特殊な接着剤を用いて非加熱により両者を接合
させてもよい。また、予め用意したPTFEやポリエチ
レンテレフタレートなどの基材平板上に触媒層を塗布等
により形成した後、これを高分子電解質膜PEMにホッ
トプレスにより転写する、いわゆる転写法を用いてもよ
い。このようにして、カソード5、アノード8、及び単
位セルUCが完成する。
【0060】ここで、二層構造の触媒層3の形成を行う
場合には、例えば高分子電解質膜PEM上にカソード形
成用の触媒層形成インクを直接二回塗布することによっ
て行ってもよい。この場合には、一回目の塗布は、触媒
層1を形成する工程となり、二回目の塗布は、触媒層2
を形成する工程となる。
【0061】更に、上記の触媒層形成インクの粘度は、
電極の形成方法により好ましい範囲が異なり、数十cP
程度の分散液状のものから2万cP程度のペースト状の
ものまで、広い粘度範囲のものが使用できる。粘度を調
節するために、触媒層形成インクには増粘剤や希釈溶媒
が含まれていてもよい。
【0062】セパレータSP1及びSP2は、図1に示
すように、1体の単セルUCに対して、アノード8側と
カソード5側とにそれぞれ1体ずつ装着される。セパレ
ータSP1及びSP2は、例えば、カーボンを圧縮して
ガス不透過とした緻密質カーボンといったようなガス不
透過の電子伝導性部材により形成され、図1に示すよう
に、矩形薄板状を呈する。
【0063】また、セパレータSP1のカソード接触面
に形成された各溝9は、各単セルUCのカソード5の表
面とにより、空気流路9を画成する(図1参照)。更
に、セパレータSP2のアノード8との接触面に形成さ
れた各溝10は、各単セルUCのアノード8の表面とに
より、燃料ガス流路10を画成する。これにより、燃料
ガスは、セパレータSP1の各溝10とアノード8の表
面とによって画成される燃料ガス流路10に流れ込む。
【0064】以上、本発明の好適な実施形態について詳
細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではない。
【0065】例えば、上記の実施形態においては、二層
の触媒層構造を有するカソードを備えた固体高分子型燃
料電池について説明したが、本発明の固体高分子型燃料
電池はこれに限定されるものではなく、三層以上の触媒
層構造を有するカソードを備えるものであってもよい。
【0066】この場合には、複数の触媒層にそれぞれ含
有されているイオン交換樹脂のARが、最内部の触媒層
から最外部の触媒層にかけて減少していくようになって
いることが好ましい。このように、最内部の触媒層から
最外部の触媒層にかけてそれぞれの触媒層中のイオン交
換樹脂のARに負の傾斜を設けることにより、最内部の
触媒層と最外部の触媒層とが、それぞれに意図された効
率の良い電極反応の役割と効率の良い排水の役割を効果
的に発揮することができる。
【0067】また、複数の触媒層それぞれにおける微細
孔割合が、最内部の触媒層から最外部の触媒層にかけて
減少していくようになっていることが好ましい。このよ
うに微細孔割合を、最内部の触媒層から最外部の触媒層
にかけて減少させることは、ガス拡散有効空隙部を最内
部の触媒層から最外部の触媒層にかけて増加させること
にもなる。従って、このようにすることにより、各触媒
層中の反応サイトへのバランスのとれた反応ガス及びプ
ロトンの供給を、長期間にわたり保持することのできる
良好な排水構造を有する触媒層を更に確実に構築するこ
とが可能となる。
【0068】また、上記の実施形態においては、単位セ
ルのみの構成を有する固体高分子型燃料電池について説
明したが、本発明の固体高分子型燃料電池はこれに限定
されるものではなく、単位セルを複数積層したいわゆる
スタック構造を有するものであってもよい。
【0069】更に、上記の実施形態においては、単位セ
ルとしていわゆる電極・膜接合体について説明したが、
本発明の固体高分子型燃料電池はこれに限定されるもの
ではない。例えば、熱処理によりアノードとカソードと
をそれぞれ高分子電解質膜に接合させず、高分子電解質
膜に対してアノードとカソードとを当該高分子電解質膜
に接触させ、高分子電解質膜に対するアノードとカソー
ドとのそれぞれの接触抵抗が最小値となるようにして、
高分子電解質膜をアノードとカソードとで外側から力学
的に加圧した状態で挟持させてもよい。
【0070】更に、上記の実施形態においては、アノー
ド反応ガスとして水素を主成分とするガスを用いる場合
の固体高分子型燃料電池について説明したが、本発明の
固体高分子型燃料電池はこれに限定されるものではな
く、例えば、アノード反応ガスとしてメタノールをアノ
ードに直接導入する構成のものであってもよい。
【0071】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の固
体高分子型燃料電池の内容を更に詳しく説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、以下に示す実施例及び比較例の固体高分子型燃料電
池について、各々のカソードの触媒層の構造の特徴を示
すAR、層厚、及び微細孔割合を表1に示す。 (実施例1)実施例1の単位セルは、以下に説明する手
順により作製した。
【0072】触媒層内に含有させるイオン交換樹脂の前
駆体を先ず以下の手順で調製した。すなわち、ステンレ
ス鋼製オートクレーブに、重合開始剤としてジイソプロ
ピルパーオキシカーボネートと、CF2=CF−OCF2
CF(CF3)−OCF2CF 2SO3Fとを仕込んだ。次
に、このオートクレーブ内の気体を液体窒素で十分にパ
ージした後、CF2=CF2を仕込み、オートクレーブ内
の温度を40℃に保持して、バルク重合を開始した。な
お、重合反応中のオートクレーブ内の圧力は、系外から
CF2=CF2を追加導入することにより一定に保持し
た。次に、重合開始から10時間後に未反応のCF2
CF2をパージして重合を終了させ、得られたポリマー
溶液をメタノールで凝集し、洗浄、乾燥させてイオン交
換樹脂の前駆体となるCF2=CF2/CF2=CF−O
CF2CF(CF3)−OCF2CF2SO3F共重合体を
得た。
【0073】次に、上記のイオン交換樹脂の前駆体を、
ジメチルスルホキシド30質量%及びKOHを15質量
%含む混合水溶液中に混入させて加水分解させ、水洗
後、1mol/Lの塩酸中に浸漬することでスルホン酸
型パーフルオロカーボン重合体を得た。ここで、重合開
始剤の量、重合時の圧力を調整することにより、AR
1.10meq./gと、0.90meq./gである
2種類のイオン交換樹脂を合成した。
【0074】触媒層形成インクは次のようにして調製し
た。すなわち、触媒層形成インクAとして、40質量%
白金担持カーボン微粒子と、ARが1.10meq./
gのイオン交換樹脂とを質量比で2:1となるようにし
て、エタノール/水の混合溶媒(質量比で1:1)に分
散させた液を調製した。また、触媒層形成インクBとし
て、ARを0.90meq./gとしたイオン交換樹脂
を使用した以外の調製条件は触媒層形成インクAと同様
とした液を調製した。更に、触媒層形成インクCとし
て、溶媒をエタノールのみとした以外の調製条件は触媒
層形成インクAと同様とした溶液を調製した。
【0075】電極のガス拡散層は、アノード、カソード
ともに撥水性カーボンクロス(繊維織布)を撥水性カー
ボン粉末層(カーボンブラックとPTFEの混合物)で
目詰めした厚さ350μmのものを用いた。
【0076】更に、二層構造を有するカソード触媒層は
以下の手順により形成した。すなわち、先ず、ガス拡散
層側の触媒層として、触媒層形成用の触媒層形成インク
Cを上記ガス拡散層シートの撥水性カーボン粉末層側に
白金担持量が0.3mg/cm2となるように1回塗布
して乾燥させた。次に、その上に高分子電解質膜側の触
媒層として触媒層形成インクAを白金担持量が0.3m
g/cm2となるように1回塗布して乾燥させた。この
ようにして二層構造のカソード触媒層を形成した。ここ
で、作製したカソード用ガス拡散電極に担持された白金
の量は0.6mg/cm2であり、触媒層の厚みは50
μm(高分子電解質膜側の触媒層;20μm、ガス拡散
層側の触媒層;30μm、)であった。なお、カソード
の膜側の触媒層は、その微細孔割合が62vol.%で
あり、ガス拡散層側の触媒層は、その微細孔割合が33
vol.%であった。
【0077】一方、アノードの触媒層は、触媒形成用の
触媒層形成インクA(樹脂のAR=1.10meq./
g)を1回あたり白金の担持量が0.3mg/cm2
なるように塗布、乾燥させ、同工程を2回繰り返すこと
で形成した。ここで、作製したアノード用ガス拡散電極
に担持された白金の量は0.6mg/cm2であった。
【0078】また、作製したガス拡散電極は、アノー
ド、カソードともに、有効電極面積が25cm2となる
ように切り出した。更に、高分子電解質膜としては、ス
ルホン酸型パーフルオロカーボン重合体(商品名:フレ
ミオンHR、旭硝子(株)社製、AR=1.10meq.
/g、乾燥膜厚50μm)を使用した。
【0079】上記のようにして作製した、アノード、カ
ソードと、高分子電解質膜を、以下のようにして接合
し、いわゆる電極・膜接合体を作製した。すなわち、カ
ソード及びアノードを触媒層形成インクが塗布された面
を内側に向けて対向させ、その間に高分子電解質膜を挟
み込んだ状態でホットプレスを行い接合させた。 (実施例2)触媒層形成インクDとして、40質量%白
金担持カーボン触媒と、ARが1.10meq./gの
イオン交換樹脂と、造孔剤としての炭酸カルシウムとを
質量比で2:1:0.05となるようにして、エタノー
ル/水の混合溶媒(質量比で1:1)に分散させた溶液
を調製した。
【0080】この触媒層形成インクDをガス拡散層シー
トに白金担持量が0.3mg/cm 2となるように塗布
後、酸による洗浄処理を施して造孔剤を除去させること
によって造孔させガス拡散層側の触媒層を作製した以外
は、実施例1と同様にして電極・膜接合体を得た。 (実施例3〜5及び比較例1〜8)カソード触媒層の二
層構成を、表1に示すAR、層厚、及び微細孔割合とな
るようにした以外は、実施例1と同様にして電極・膜接
合体を作製した。 [電池特性試験]上記の実施例1〜5及び比較例1〜8の
各単位セル(電極・膜接合体)にセパレータを装着して
測定セルとし、カレントパルスジェネレータ(高砂製作
所社製,FK400L及びEX750L)を用いてカレ
ントインタラプタ法による電池特性試験を行った。測定
条件は、水素導入口圧力;0.15MPa、空気導入口
圧力;0.15MPa)、測定セルの作動温度;80℃
とし、電流密度;1.0A/cm2における測定セルの
分極特性の1000時間にわたる経時変化を測定した。
これらの各単位セルの試験結果を表1に示す。
【0081】なお、表1においてΔARの値は、二層構
造を有するカソードの触媒層における、高分子電解質膜
側の触媒層に含有されているイオン交換樹脂のAR
と、ガス拡散層側の触媒層に含有されているイオン交換
樹脂のARYとの差を示す。また、ΔVの値は、起動初
期(測定開始から約250分後)の測定セルの電池電圧
(端子間電圧)と、1000時間経過後の各測定セルの
電池電圧との差を示す。更に、「−」と表記してあるデ
ータは「測定不能」であったことを示す。
【0082】
【表1】
【0083】表1に示した結果から明らかなように、実
施例1〜実施例5の本発明の固体高分子型燃料電池は、
実用的な作動条件(電池電圧条件)の下で、比較例1〜
比較例8の固体高分子型燃料電池に比べて高い起動初期
の電池特性を有しており、更には、大きな電池特性の低
下を招くことなく1000時間という長時間にわたり安
定して作動することが確認された。
【0084】これに対し、比較例1〜比較例6の固体高
分子型燃料電池においては、起動初期の電池特性が高い
場合には1000時間後の電池特性が大きく低下してし
まうという欠点が、他方、起動初期から1000時間後
の電池特性の低下が抑制される場合には起動初期の電池
特性が低く長期にわたり高い電池出力を得ることができ
ないという欠点があることが確認された。特に、特願平
11−288727の固体高分子型燃料電池に対応する
比較例3の固体高分子型燃料電池は、起動初期の電池電
圧に対して、1000時間作動させた後の電池電圧は5
0mVも低下してしまうことが確認された。
【0085】更に、比較例7の固体高分子型燃料電池は
作製することができず、カソードのガス拡散層側の触媒
層として触媒層内に含有されるイオン交換樹脂のAR
非常に小さな値の場合には触媒層を形成できないことが
確認された。また、比較例8の固体高分子型燃料電池
は、開回路電圧を測定することができたものの、固体高
分子型燃料電池を作動させはじめると急激に電池電圧が
降下して発電不能状態に陥った。この時、カソードのガ
ス拡散層側の触媒層からイオン交換樹脂が溶出していた
ことが確認された。このことから、カソードのガス拡散
層側の触媒層として触媒層内に含有されるイオン交換樹
脂のARが非常に大きな値の場合には触媒層内のイオン
交換樹脂が固体(結晶)状態を安定して保持できないこ
とが確認された。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体高分
子型燃料電池によれば、十分に多く確保された反応サイ
トへの反応ガスの供給を、長期間にわたり保持すること
のできる良好な排水構造を有する触媒層を構築すること
が可能となる。そのため、作動中の触媒層内、特に、カ
ソード触媒層内におけるフラッディングの発生を防止し
て当該触媒層内の反応サイトを有効に利用することが可
能となる。従って、本発明によれば、起動初期の電池特
性を高くして大電流を流す場合であってもフラッディン
グの発生が十分に防止され、高い電池特性を起動初期か
ら長期間にわたり安定して得ることのできる固体高分子
型燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による固体高分子型燃料電池の好適な
一実施形態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…高分子電解質膜側の触媒層、2…ガス拡散層側の触
媒層、3…カソード触媒層、4…ガス拡散層、5…カソ
ード、6…アノード触媒層、7…ガス拡散層、8…アノ
ード、9…カソード反応ガス流路、10…アノード反応
ガス流路、FC…燃料電池、PEM…高分子電解質膜、
SP1,SP2…セパレータ、UC…単位セル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 栄治 神奈川県横浜市羽沢町1150番地 旭硝子株 式会社内 (72)発明者 石崎 豊暁 神奈川県横浜市羽沢町1150番地 旭硝子株 式会社内 (72)発明者 寺園 真二 神奈川県横浜市羽沢町1150番地 旭硝子株 式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS03 DD06 DD10 EE03 EE05 EE18 HH00 HH04 5H026 AA06 EE19 HH00 HH04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノードと、カソードと、前記アノード
    と前記カソードとの間に配置された高分子電解質膜とを
    有しており、アノード反応ガスを前記アノードに供給す
    ると共にカソード反応ガスを前記カソードに供給し、電
    気化学反応によって電力を発生する固体高分子型燃料電
    池であって、 前記カソードが、ガス拡散層と、当該ガス拡散層と前記
    高分子電解質膜との間に配置される複数の触媒層と、を
    備えており、 前記高分子電解質膜に接する最内部の触媒層に含有され
    ているイオン交換樹脂のイオン交換容量X[ミリ当量/
    g乾燥樹脂]、及び前記ガス拡散層に接する最外部の触
    媒層に含有されているイオン交換樹脂のイオン交換容量
    Y[ミリ当量/g乾燥樹脂]が、それぞれ下記式(1)
    〜(3)の条件を同時に満たしていること、を特徴とす
    る固体高分子型燃料電池。 0.88≦X≦1.50 (1) 0.70≦Y≦1.32 (2) 0.18≦(X−Y)≦0.70 (3)
  2. 【請求項2】 前記イオン交換樹脂がスルホン酸基を有
    するパーフルオロカーボン重合体であることを特徴とす
    る請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記最内部の触媒層における全細孔容積
    に対する細孔径0.1μm以下の細孔容積の割合は、1
    0.0〜90.0vol.%であり、かつ、 前記最外部の触媒層の前記割合は、前記最内部の触媒層
    の前記割合より小さいことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の固体高分子型燃料電池。
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