JPH06342667A - 高分子型燃料電池 - Google Patents

高分子型燃料電池

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JPH06342667A
JPH06342667A JP6050582A JP5058294A JPH06342667A JP H06342667 A JPH06342667 A JP H06342667A JP 6050582 A JP6050582 A JP 6050582A JP 5058294 A JP5058294 A JP 5058294A JP H06342667 A JPH06342667 A JP H06342667A
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JP
Japan
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functional group
core material
fuel cell
membrane
gas diffusion
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Application number
JP6050582A
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English (en)
Inventor
Kazuo Okuyama
和雄 奥山
Yoshio Suzuki
良雄 鈴木
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力性能が大幅に向上された固体高分子型燃
料電池を提供する。 【構成】 厚みが10〜100μm、交換容量が0.9
〜2ミリ当量/gである官能基を有する含フッ素化合物
成分と、複合前の空孔率が70〜95%の炭化水素高分
子芯材との複合物であるイオン交換膜を電解質として用
いることを特徴とする固体高分子型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子電解質型燃料電
池(以下、PEFCという。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、低公害性と高効率性という特徴に
より、燃料電池が注目されている。燃料電池とは、水素
やメタノール等の燃料を酸素または空気を用いて電気化
学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを電
気エネルギーに変換して取り出すものである。
【0003】このような燃料電池は、用いる電解質の種
類によって、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型お
よび高分子電解質型等に分類される。このうち、陽イオ
ン交換膜を電解質として用いる高分子電解質型燃料電池
(PEFC)は、低温における作動性がよいことと出力
密度が高いことから、最近特に注目されている。このP
EFC本体の基本構造は、図2に示すように、陽イオン
交換膜からなる電解質膜1と、その両面に接合された正
負の各ガス拡散電極2、3とで構成される。ガス拡散電
極2、3の少なくとも電解質膜1側には触媒が担持して
あり、このガス拡散電極2、3における触媒層と電解質
膜1との界面において電池反応が生じる。
【0004】そして、ガス拡散電極2には例えば水素ガ
スを、ガス拡散電極3には例えば酸素ガスをそれぞれ供
給し、ガス拡散電極2、3間に外部負荷回路を接続する
と、ガス拡散電極2の触媒層と電解質膜1との界面で、
2H2 →4H+ +4e- の反応が起きる。この反応によ
り生じたH+ (プロトン)は電解質膜1を通って、e-
(電子)は負荷回路を通ってそれぞれ対極のガス拡散電
極3に移動し、電解質膜1とガス拡散電極3の触媒層と
の界面で、O2 +4H+ +4e- →2H2 Oの反応が起
きて、水が生じると同時に電気エネルギーが得られる。
【0005】燃料電池用高分子電解質としては、ナフィ
オン(商標)やダウ膜などのパーフルオロカーボンスル
フォン酸膜が一般的に使われている。また、電解質膜と
しては、超高分子量ポリエチレン多孔膜の空孔中にイオ
ン交換樹脂を充填した物(特開昭64−22932号公
報)や超高分子量ポリエチレン多孔膜の表面を界面活性
剤で処理して親水化し、その後イオン交換樹脂溶液を含
ませる方法(特開平4−204522号公報)が知られ
ている。
【0006】しかしながら、従来の方法によっても用途
によってはその出力性能が不十分となることがあるた
め、出力性能のより高いPEFCの出現が切望されてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い出力性
能を備えたPEFCを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、鋭意検討した結果、電解質膜として用いる官能基を
有する成分の厚さが、PEFCの出力特性に対して、そ
の厚さの変化から予想される抵抗値の変化に起因する影
響以上の影響を及ぼすこと、また、膜厚が薄くなると強
度低下のため実用的でなくなるが、芯材を複合させるこ
とに加えて、燃料電池用途ではガス拡散電極と接合して
使用するため実用的になることを見いだし、本発明に至
った。
【0009】すなわち、本発明は、電解質となるイオン
交換膜と、触媒層を有するガス拡散電極とを有する高分
子電解質型燃料電池において、上記イオン交換膜が官能
基を有する成分と炭化水素高分子から成る芯材との複合
物であって、該官能基を有する成分が交換容量0.9〜
2ミリ当量/gの含フッ素化合物で、かつ電極と接合前
の厚みが10〜100μmであり、上記芯材の複合前に
おける空孔率が70〜95%であることを特徴とする固
体高分子型燃料電池である。
【0010】本発明のPEFCにおいて、電解質となる
イオン交換膜の官能基を有する成分としては、含フッ素
高分子を骨格とし、官能基として、スルホン酸基、カル
ボン酸基、リン酸基およびホスホン酸基のいずれか一つ
または複数を有するものが挙げられる。このような官能
基を有する成分としては、例えば、下記(1)式で表さ
れるモノマーの一種以上を必須成分とし、これに後述の
モノマー群から選ばれた一種類または二種類以上のモノ
マーとの共重合体がある。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、−Yは、−SO3 H、−SO
2 F、−SO2 NH2 、−SO2 NH4、−COOH、
−CN、−COF、−COOR(Rは炭素数1〜10の
アルキル基)、−PO3 2 または−PO3 Hである。
aは0〜6の整数、bは0〜6の整数、cは0または1
であり、且つa+b+c≠0であり、nは0〜6の整数
である。Xは、n≧1のときCl、BrおよびFのいず
れか一種または複数種の組合せである。Rt および
t ′は独立に、F、C1、1〜10個の炭素原子を有
するパーフルオロアルキル基および1〜10個の炭素原
子を有するフルオロクロロアルキル基から選択されるも
のである。)そして、これに共重合させるモノマー群と
しては、テトラフルオロエチレン、トリフルオロモノク
ロロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、1,1−ジフルオロ−2,2−ジクロロエチレン、
1,1−ジフルオロ−2−クロロエチレン、ヘキサフル
オロプロピレン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プピレン、オクタフルオロイソブチレン、エチレン、塩
化ビニルおよびアルキルビニルエステル等が挙げられ
る。
【0013】共重合後、必要であれば例えば加水分解等
の後処理にてプロトン移動性の官能基へと変換させる。
官能基を有する成分の交換容量は、1g当たりの官能基
のモル数で定義され、通常、滴定法により測定される。
本発明の官能基を有する成分の交換容量は、0.9〜2
ミリ当量/gであり、好ましくは1〜2ミリ当量/g、
より好ましくは1.1〜2ミリ当量/gである。0.9
ミリ当量/gより小さいと抵抗が大きくなり性能が低下
する。また、2ミリ当量/gより大きいと、膜の構造物
としての強度低下が大きくなる。
【0014】前記した共重合体に、官能基を有する低分
子量化合物を混合して本発明のイオン交換膜の官能基を
有する成分を形成する方法は、交換容量を制御するのに
有効である。特に、一般的に行われている共重合法では
困難であるような高い交換容量物でも、低分子量化合物
を混合する方法では容易に達成できる。低分子量化合物
の混合量は特に制限はないが、好ましくは50重量%以
下であり、50重量%より多いと燃料電池運転中に低分
子量化合物が除去される場合がある。
【0015】低分子量化合物としては、プロトンを伝導
できる官能基を有する化合物であればいずれのものでも
よいが、含フッ素化合物を骨格とし、プロトンを伝導で
きる官能基として、スルホン酸基、カルボキシル基、リ
ン酸基およびホスホン酸基のいずれか一つまたは複数を
有するものが好ましい。例えば、前記官能基を有する
(1)式で表されるモノマーなどが挙げられる。
【0016】本発明のイオン交換膜における官能基を有
する成分の厚みとは、電極と接合する前の乾燥した複合
物断面を走査型電子顕微鏡により観察した時の官能基を
有する成分の存在する膜部分の最大厚みであって、10
〜100μmであることが必要であり、好ましくは10
〜80μmである。燃料電池出力特性に対する官能基を
有する成分の厚さ変化の影響は単に抵抗の変化によるも
のでないことが本発明者らの研究の結果明かとなった。
PEFCにおいて電解質膜中をH+ が移動する時には、
膜中に存在する水を同伴する。換言すると膜中に水が存
在しないとH+は移動できない。H+ に同伴する水は水
素極から酸素極へ移動することになり、結果として、水
素極では水が不足し、一方、酸素極では生成水も含めて
水が過剰な状態となる。このため出力性能が低下する。
ところが、官能基を有する成分の厚みが100μm以下
では、酸素極側にある水の水素極側への、この官能基を
有する成分を通した拡散量が急激に増大することを見い
だした。図3は、パーフルオロカーボンスルフォン酸膜
であるアシプレックス膜(旭化成工業(株)製、商標、
交換容量1.00ミリ当量/g)を用いたPEFCの8
0℃における水蒸気透過性の結果を示す。
【0017】電解質膜の厚さが薄くなると、実用上強度
の低下につながる。燃料電池として使用している時や製
造工程での膜の破れは、安全上および膜のコスト上好ま
しくない。電解質膜自体の強度を向上させるためには、
芯材と前述の官能基を有する成分を複合させることが有
効である。燃料電池に用いる場合には、ガス拡散電極2
枚と接合した状態とするため、電解質膜自体の強度の実
用的な強度の許容範囲が広くなる。つまり、電解質膜自
体は実用的な強度がなくとも接合体とすることで使用可
能となる。
【0018】芯材の空孔率は出力性能に直接影響する。
ここで空孔率とは芯材体積に対する空孔の体積の割合で
ある。本発明の芯材の空孔率は70〜95%であること
が必要であり、好ましくは80〜95%、より好ましく
は80〜90%である。70%より小さいと出力性能の
低下が激しくなり、95%より大きいと複合した膜の強
度が不十分となる。
【0019】芯材用材料としては炭化水素高分子が用い
られる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−
1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ
塩化ビニル、ポリビニルアルコール等のビニル重合によ
り合成される物や、ポリアミド類、ポリエステル類、ポ
リスルフォン類、ポリエーテルケトン類、ポリエーテル
エーテルケトン類等の開環重合、重縮合により合成され
る物がある。
【0020】また、芯材用材料の重量平均分子量は通常
の分子量である50000から500000である。5
0000より小さいと分子鎖の絡み合いが不十分のため
か薄膜が上手く形成できず、また500000より大き
い超高分子量物では高強度および高弾性が期待されるが
分子鎖の絡み合いが著しく薄膜への延伸加工が困難であ
る。本発明の芯材は超高分子量物に比べて強度的に低い
可能性があるが、本発明では芯材と官能基を有する成分
の複合化を行うと同時に、2枚のガス拡散電極ではさみ
一体化するため、従来欠点と考えられていた強度が低い
ことは全く問題にならない。
【0021】また、芯材の表面にイオン交換膜と同様な
官能基を有することは、芯材と膜の接着状態を良好にす
る上で有効であり、例えば、芯材の表面に前述の官能基
を有する化合物、例えばフルオロアルキル(C2
10)カルボン酸、パーフルオロアルキル(C4
12)スルフォン酸等の水溶液で処理して表面にコーテ
ィングする方法等がある。空孔を有する芯材の作り方に
は特に限定はないが、例えば芯材用材料のファイバーを
撚糸した後織っても良いし、分相現象を利用したり薄膜
状にした芯材用材料を延伸させても良い。芯材の厚さを
薄くするためホットプレスする方法は有効である。
【0022】本発明のイオン交換膜となる、官能基を有
する成分と芯材とを複合する方法について、特に限定さ
れないが、例えば官能基を有する成分の薄膜と芯材を重
ね合わせ加温加圧する方法がある。この場合、薄膜と芯
材の間の気体を除去するために、減圧状態下で実施する
ことが有効である。また、官能基を有する成分を、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、N,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホシキド、スルホラン等の極性溶媒、テトラヒド
ロフラン等の環状エーテル類などの親水性溶媒から選ば
れた一種以上の溶媒、またはこれらの溶媒と水との混合
溶媒に溶解したものを、芯材に含浸させた後乾燥する方
法などがある。含浸させる方法は特に限定されないが、
たとえば上述の溶液に芯材を浸漬した後引き上げたり、
また、芯材に上述の溶液を塗布する方法などがある。
【0023】本発明におけるガス拡散電極は、触媒金属
の微粒子を担持した導電材により構成される触媒層を含
むものであり、触媒層には必要に応じてプロトン伝導材
や撥水剤や結着剤が含まれていてもよい。また、触媒を
担持していない導電材および必要に応じて撥水剤や結着
剤が含まれる層が、触媒層の外側(電解質膜に接しない
側)に形成してあるものでもよい。
【0024】触媒層の空孔率は好ましくは65〜90%
であり、より好ましくは70〜85%である。空孔率が
65%より小さいと反応ガス供給が不十分となり、一方
90%より大きいと導電性が低下し、結果として電解質
膜の厚さを小さくした効果が相殺されてしまう。このガ
ス拡散電極に使用される触媒金属としては、水素の酸化
反応および酸素の還元反応を促進する金属であればいず
れのものでもよく、例えば、鉛、鉄、マンガン、コバル
ト、クロム、ガリウム、バナジウム、タングステン、ル
テニウム、イリジウム、パラジウム、白金、ロジウムま
たはそれらの合金が挙げられる。また、炭化タングステ
ンも用いることができる。
【0025】触媒となる金属の粒径は10〜300Åが
好ましい。粒径が小さいほど触媒性能は高くなるが、1
0Å未満のものは現実的に作製が困難であり、300Å
より大きいと必要な触媒性能が得られない。さらに好ま
しい触媒金属の粒径は15〜100Åである。触媒の担
持量は、電極が成形された状態で0.01〜10mg/
cm2 が好ましい。0.01mg/cm2 未満では触媒
の性能が発揮されず、10mg/cm 2 を越えるとコス
トが大きくなる。さらに好ましくは0.1〜0.5mg
/cm 2 である。
【0026】導電材としては、電気導伝性物質であれば
いずれのものでもよく、例えば各種金属や炭素材料など
が挙げられる。炭素材料としては、例えば、ファーネス
ブラック、チャンネルブラックおよびアセチレンブラッ
ク等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛、カーボンファ
イバー等が挙げられ、これらが単独であるいは混合して
使用される。
【0027】撥水剤としては、例えばフッ素化カーボン
等が使用される。結着剤としては、各種樹脂が用いられ
るが、撥水性をも有するフッ素樹脂が好ましい。そし
て、フッ素樹脂のうちでも融点が400℃以下のものが
より好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニル
エーテルの共重合体が挙げられる。これらを用いる場
合、撥水剤と結着剤を兼ねる。
【0028】プロトン伝導材としては、プロトンを伝導
できる官能基を有する化合物であればいずれのものでも
よいが、含フッ素高分子を骨格とし、プロトンを伝導で
きる官能基として、スルホン酸基、カルボン酸基、リン
酸基およびホスホン酸基のいずれか一つまたは複数を有
するものが好ましい。このようなプロトン伝導材となる
材料としては、例えば、前記(1)式で表されるモノマ
ーの一種類以上を必須成分とし、これに前述のモノマー
群から選ばれた一種類または二種類以上のモノマーを組
み合わせた構造の共重合体等がある。
【0029】プロトン伝導材を触媒層に存在させる方法
としては、上記プロトン伝導材を溶液状態または粉末状
態で、触媒層をなす原料粉末と混合し、これを成形して
触媒層を形成してもよいし、予め形成されたガス拡散電
極の触媒層に、プロトン伝導材の溶液を含浸させてもよ
い。電解質であるイオン交換膜とガス拡散電極との接合
は、加温、加圧できる装置を用いて実施される。一般的
には、例えばホットプレス機、ロールプレス機等により
行われる。その際のプレス温度は特に制限がないが、好
ましくは120〜250℃である。プレス圧力は、使用
するガス拡散電極の固さに依存するが、好ましくは5〜
200kg/cm2 である。5kg/cm2 未満ではイ
オン交換膜と電極との接合が不十分となり、200kg
/cm2 を越えるとガス拡散電極の空孔が少なくなりす
ぎる。さらに好ましくは20〜100kg/cm2 であ
る。
【0030】なお、ホットプレス時に電極の厚さよりわ
ずかに薄いスペーサを入れると、ガス拡散電極の空孔が
少なくなることを防止できることから好ましい。また、
水や溶媒等でイオン交換膜を湿潤させた状態でホットプ
レスすると、出力性能が向上するため好ましい。この理
由は明確ではないが、イオン交換膜内の含水率が増加す
るためであると考えられる。
【0031】また、必要であれば接合時にガス拡散電極
の片面あるいはイオン交換膜の面あるいは両者にプロト
ン伝導材を塗布してから塗布した面で接合してもよい。
これにより、膜と電極の間の接触がより良好になるため
か燃料電池出力性能が向上する。反応ガスとしては、メ
タノール、天然ガス、ナフサ等を改質した水素主体のガ
スあるいは水素そのものを燃料として、また、空気ある
いは酸素そのものを酸化剤として用いる。両ガスは必要
に応じて、水の添加や水中へのガス吹き込み等の方法を
用いて加湿する。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0033】
【実施例1】多孔性ポリエチレン膜(ハイポア−210
0 旭化成工業(株)製 商標)厚さ100μm、空孔
率65%を110℃で2軸延伸して、厚さ40μm 空
孔率78%の芯材とした。空孔率は細孔分布測定装置ポ
アサイザー9320((株)島津製作所製)で測定し
た。
【0034】パーフルオロカーボンスルホン酸膜(アシ
プレックス 旭化成工業(株)製商標 交換容量1.0
0m当量/g)をエタノールと水の重量で50対50混
合溶媒に溶解し、5重量%の溶液とした。一方、芯材と
して用いる上記多孔性ポリエチレン膜を内径100mm
φのポリスチレン製の円形ワクに固定し、これを上記溶
液に浸漬し、室温中で2時間放置した。その後、液中よ
り芯材を引き上げ、過剰な溶液を除き、風乾した。この
操作を10回繰り返すことにより、官能基を有する成分
と芯材との複合物を得た。この複合物を円形ワクより取
りはずし、テトラフルオロエチレンテープ(ナフロン
ニチアス(株)製 商標)にはさみ、400kg/cm
2 、110℃で5分間プレスした。ナフロンより取り出
した複合物膜の厚さは39μmであった。この複合物膜
断面を走査型電子顕微鏡JSM−T20(日本電子
(株)製)で観察したところ、官能基を有する成分の存
在する膜部分の最大膜厚も39μmであった。この複合
物膜を純水中80℃1時間保持した。
【0035】本実施例で使用したガス拡散電極(米国E
−TEK Inc.社製 合金担持量0.40mg/c
2 )は、触媒層とカーボンファイバー織布部から成っ
ており、触媒層のみの空孔率が74%であることを細孔
分布測定装置ポアサイザー9320((株)島津製作所
製)にて測定した。この電極から10cm2 を切り出
し、上述の5重量%アシプレックス溶液を0.162m
l含浸させ減圧下70℃で2時間乾燥した。作製した2
枚の電極に複合物をはさんで卓上プレス器(テスター産
業(株)製)にて140℃、80Kg/cm2 、90秒
間接合処理を行った。
【0036】
【実施例2】多孔性ポリエチレン膜(ハイポア−210
0 旭化成工業(株)製 商標)厚さ100μm、空孔
率65%を110℃で2軸延伸して、厚さ40μm、空
孔率78%の薄膜とした。一方、パーフルオロカーボン
スルフォン酸化合物であるFT−100((株)ネオス
製 商品名)の2重量%水溶液を調整し、上述のポリエ
チレン薄膜を浸漬後、50℃減圧下で乾燥した。得られ
た薄膜を芯材に用いて、パーフルオロカーボンスルホン
酸膜(アシプレックス 旭化成工業(株)製商標 交換
容量1.00ミリ当量/g)をエタノールと水の重量で
50対50混合溶媒に溶解して5重量%とした溶液に実
施例1と同様にして浸漬し乾燥して複合物を得た。この
複合物をナフロンにはさみ、400kg/cm2 、11
0℃で5分間プレスした。得られた複合物膜の厚さは3
8μm、官能基を有する成分の厚さも38μmであっ
た。実施例1と同じガス拡散電極、アシプレックス溶液
を用いて実施例1と同様に接合体を作製した。
【0037】
【比較例1】石英ガラス板(日本板ガラス(株)製)上
に、実施例1で用いた交換溶量1.00m当量/gのア
シプレックス5重量%溶液をキャストし室温にてゆっく
り風乾した。石英ガラス板上のにはヒビ割れが発生し、
高分子膜が出来なかった。
【0038】
【比較例2】芯材として空孔率62%のポリエチレンテ
レフタレート不織布(不織布A020 旭化成工業
(株)製 商品名)厚さ40μmを用いた。実施例1と
同じ5重量%のアシプレックス(交換容量1.00m当
量/g)のエタノール/ 水混合溶液中に、芯材の不織布
A020を浸漬し1時間保持後、引き上げて室温で風乾
した。この操作を15回繰り返し、得られた膜をナフロ
ンではさみ400kg/cm2 、40℃で5分間プレス
した。これにより厚さ38μmの官能基を有する成分と
芯材との複合物を得た。官能基を有する成分の厚さも3
8μmであった。
【0039】実施例1と同じガス拡散電極(米国E−T
EK社製)10cm2 に上述の5重量%アシプレックス
溶液を0.168ml含浸させ減圧下70℃で2時間乾
燥した。このガス拡散電極2枚に複合物をはさみ、卓上
プレス器にて140℃、80kg/cm2 、90秒間接
合処理を行った。
【0040】
【比較例3】電解質膜としてパーフルオロカーボンスル
フォン酸膜であるナフィオン117(デュポン社製 商
品名 交換容量0.91ミリ当量/g、厚さ175μ
m)を用いた。実施例1と同じガス拡散電極、アシプレ
ックス溶液を用いて、実施例1と同様に接合体を作製し
た。
【0041】実施例1〜2、比較例2〜3の接合体を用
いて、図4に示す評価装置にて出力評価をおこなった。
圧力1気圧、セル温度55℃、加湿温度55℃、反応ガ
スは酸素、水素を用い、流量は各々200ml/mi
n、400ml/minの条件で行った。得られた電流
密度対電圧曲線を図1に、また、0.8A/cm2 の電
流密度における各々の出力電圧の値を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】電解質膜として官能基を有する成分と芯
材との複合物を用いることにより、従来得られなかった
使用に耐える強度を有する薄膜が得られ、その結果、出
力の大幅な向上が達成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜2および比較例2〜3における出力
評価の結果を示すグラフである。
【図2】固体高分子型燃料電池の基本構造を示す概要図
である。
【図3】水分透過性の膜厚依存性を示すグラフである。
【図4】実施例および比較例において使用した評価装置
を示す概要図である。
【符号の説明】
1 電解質膜 2 ガス拡散電極 3 ガス拡散電極 4 燃料電池セル 5 加湿器 6 純水 7 実施例1 8 実施例2 9 比較例2 10 比較例3

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質となるイオン交換膜と、触媒層を
    有するガス拡散電極とを有する高分子電解質型燃料電池
    において、上記イオン交換膜が官能基を有する成分と炭
    化水素高分子から成る芯材との複合物であって、該官能
    基を有する成分が交換容量0.9〜2ミリ当量/gの含
    フッ素化合物で、かつ電極と接合前の厚みが10〜10
    0μmであり、上記芯材の複合前における空孔率が70
    〜95%であることを特徴とする高分子型燃料電池。
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