JP2013073892A - 燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応ガスの拡散性、電極反応で生成した水の除去などを阻害せずに保水性を高め、低加湿条件下でも高い発電特性を示す電極触媒層を備える膜電極接合体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】膜電極接合体12は、高分子電解質膜1と、高分子電解質膜1を狭持する一対の電極触媒層2及び3とを備える。電極触媒層2及び3は、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で直径1.0μm以下の細孔を有する。細孔容積は、外側の電極触媒層2及び3の表面から、内側の高分子電解質膜1に向かって増加する。
【選択図】図1B

Description

本発明は、膜電極接合体及びその製造方法、並びに、その膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池に関するものであり、さらに詳しくは低加湿条件下で高い発電特性を示す膜電極接合体及び製造方法、並びに、その膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池に関するものである。
燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとを、触媒を含む電極で反応させ、熱と同時に電気を生み出す発電システムである。この発電システムは、従来の発電方式と比較して高効率、低環境負荷、低騒音などの特徴を有し、将来のクリーンなエネルギー源として注目されている。燃料電池には、用いるイオン伝導体の種類によっていくつかのタイプがあり、プロトン伝導性高分子膜を用いたものは、固体高分子形燃料電池と呼ばれる。
燃料電池の中でも固体高分子形燃料電池は、室温付近で使用可能なことから、車載用電源や家庭据置用電源などへの使用が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。固体高分子形燃料電池は、膜電極接合体(Membrane and Electrode Assembly;MEA)と呼ばれる高分子電解質膜の両面に一対の電極触媒層を配置させた接合体を、電極の一方に燃料ガスを供給するためのガス流路が形成されたセパレーター板と、電極の他方に酸化剤ガスを供給するためのガス流路が形成されたセパレーター板とで挟持した電池である。ここで、燃料ガスを供給する電極を燃料極、酸化剤を供給する電極を空気極と呼んでいる。これらの電極は、白金系の貴金属などの触媒物質を担持したカーボン粒子と高分子電解質とを積層してなる電極触媒層と、ガス通気性と電子伝導性を兼ね備えたガス拡散層からなる。
ここで、電極触媒層に対しては、燃料電池の出力密度を向上させるため、ガス拡散性を高める取り組みがなされてきた。電極触媒層中の細孔は、セパレーターからガス拡散層を通じた先に位置し、複数の物質を輸送する通路の役割を果たす。燃料極の細孔は、酸化還元の反応場である三相界面に燃料ガスを円滑に供給するだけでなく、生成したプロトンを高分子電解質膜内で円滑に伝導させるための水を供給する機能を果たす。空気極の細孔は、酸化剤ガスの供給と共に、電極反応で生成した水を円滑に除去する機能を果たす。物質輸送の妨げで発電反応が停止するという、いわゆる「フラッディング」と呼ばれる現象を防止するため、これまで排水性を高める手法が行われてきた(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
固体高分子形燃料電池の実用化に向けての課題は、出力密度や耐久性の向上などが挙げられるが、最大の課題は低コスト化である。
この低コスト化の手段の一つに、加湿器の削減が挙げられる。膜電極接合体の中心に位置する高分子電解質膜には、パーフルオロスルホン酸膜や炭化水素系膜が広く用いられているが、優れたプロトン伝導性を得るためには飽和水蒸気圧雰囲気に近い水分管理が必要とされており、現在、加湿器によって外部から水分供給を行っている。そこで、低消費電力やシステムの簡略化のために、加湿器を必要としないような、低加湿で十分なプロトン伝導性を示す高分子電解質膜の開発が進められている。
しかし、排水性を高めた電極触媒層には、低加湿では高分子電解質がドライアップするという問題があるため、電極触媒層構造の最適化を行い、保水性を向上させる必要がある。これまで、低加湿における燃料電池の保水性を向上させるため、例えば、触媒電極層とガス拡散層の間に、湿度調整フィルムを挟み込む方法が考案されている。
特許文献5には、導電性炭素質粉末とポリテトラフルオロエチレンから構成された湿度調整フィルムが、湿度調節機能を発揮してドライアップを防止する方法が記載されている。
特許文献6には、高分子電解質膜と接する触媒電極層の表面に溝を設ける方法が記載されている。具体的には、0.1〜0.3mmの幅の溝を形成することで、低加湿における発電性能の低下を抑制する方法が開示されている。
特開2006−120506号公報 特開2006−332041号公報 特開2007−87651号公報 特開2007−80726号公報 特開2006−252948号公報 特開2007−141588号公報
しかしながら、特許文献5及び6に記載の膜電極接合体では、部材間の接合が従来品よりも低下するため、満足できる発電性能を発揮できないという問題があった。また、製造方法が煩雑であるという問題もあった。
そこで、本発明の第1の目的は、反応ガスの拡散性及び電極反応で生成した水の除去性などを阻害することなく保水性を高めることができ、低加湿条件下でも高い発電特性を示す電極触媒層を備える膜電極接合体を提供することである。
本発明の第2の目的は、そのような膜電極接合体を効率よく経済的に容易に製造できる膜電極接合体の製造方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、そのような膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池を提供することである。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、上記課題を解決することができ、本発明を完成するに至った。
本発明は、高分子電解質膜を、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で直径1.0μm以下の細孔を有する一対の電極触媒層で狭持してなり、細孔の容積が外側の電極触媒層表面から内側の高分子電解質膜に向かって増加する膜電極接合体を製造するための膜電極接合体の製造方法に関する。本発明に係る膜電極接合体の製造方法は、(1)触媒物質担持粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させた触媒インクを作製する工程と、(2)ガス拡散層及び転写シートから選択される基材上に触媒インクを塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて塗膜中の溶媒を除去し、電極触媒層を形成する工程であって、基材上に形成された塗膜を乾燥させて溶媒を除去する際に、塗膜の厚さ方向において、塗膜の表面に対し、塗膜の基材側の面よりも高い温度を付与する工程と、(3)基材上に形成された電極触媒層を高分子電解質膜に接合する工程とを備える。
また、本発明に係る膜電極接合体は、高分子電解質膜と、高分子電解質膜を狭持する一対の電極触媒層とを備える。電極触媒層は、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で直径1.0μm以下の細孔を有する。当該細孔の容積は、外側の電極触媒層表面から内側の高分子電解質膜に向かって増加する。
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、上記の膜電極接合体と、膜電極接合体を狭持する一対のガス拡散層と、ガス拡散層の外面に設けられる一対のセパレーターとを備える。
本発明の膜電極接合体にあっては、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で直径1.0μm以下の細孔の容積が、外側である電極触媒層表面から内側である前記高分子電解質膜に向かって増加しているため、触媒利用率を低下させることなく保水性を高め、低加湿条件下でも高い発電特性を実現できる。
実施の形態1に係る膜電極接合体の断面模式図 実施の形態2に係る膜電極接合体の断面模式図 実施の形態に係る固体高分子形燃料電池の分解模式図 実施の形態1に係る膜電極接合体の製造方法の説明図 実施の形態2に係る膜電極接合体の製造方法の説明図
以下に、本発明の実施の形態に係る膜電極接合体及びその製造方法、固体高分子形燃料電池について説明する。なお、本発明は、以下に記載する実施の形態に限定されうるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
<1.膜電極接合体の構成>
まず、本発明の実施の形態に係る膜電極接合体について説明する。
図1Aは、実施の形態1に係る膜電極接合体の断面模式図であり、図1Bは、実施の形態2に係る膜電極接合体の断面模式図である。
膜電極接合体12は、基本的な構成として、高分子電解質膜1と、高分子電解質膜1を狭持する電極触媒層2、3とを備える。電極触媒層2及び3は、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で直径1.0μm以下の細孔を有する。
(実施の形態1)
図1Aを参照して、実施の形態1に係る膜電極接合体12は、厚さ方向において、外側である電極触媒層表面から内側である高分子電解質膜に向かって細孔容積が連続的に増加する電極触媒層2及び3を備える。すなわち、電極触媒層2及び3のうち、内側に位置する部分は、外側に位置する部分と比べて相対的に大きな細孔容積を有する。尚、電極触媒層2及び3の少なくとも一方は、触媒物質担持粒子と高分子電解質とを含む。
実施の形態1に係る膜電極接合体12にあっては、電極触媒層2及び3を厚さが均等な2層に分割し、各層について求めた細孔容積(ただし、細孔の直径は、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で1.0μm以下)の差が、0.1mL/g(電極触媒層)以上1.0mL/g(電極触媒層)以下の範囲内であることが好ましい。厚さ方向に分割した2つの層の細孔容積の差が0.1mL/g(電極触媒層)に満たない場合にあっては、電極反応で生成した水の排水性と低加湿条件下における保水性を両立することが困難となる場合がある。また、厚さ方向に分割した2つの層の細孔容積の差が1.0mL/g(電極触媒層)を超える場合にあっても、電極反応で生成した水の排水性と低加湿条件下における保水性を両立することが困難となる場合がある。
実施の形態1に係る膜電極接合体にあっては、電極触媒層2及び3の厚さ方向における細孔容積の分布が改善されている。すなわち、外側である電極触媒層2及び3の表面から内側である高分子電解質膜1に向かって、厚さ方向に細孔容積を連続的に増加させることによって、反応ガスの拡散性及び電極反応で生成した水の除去性などを阻害することなく、電極触媒層の保水性を高めることができる。この結果、フラッディングを防止しつつ、低加湿条件下でも十分な水分が確保され高い発電特性を備える膜電極接合体12を実現できる。
実施の形態1に係る膜電極接合体にあっては、電極触媒層2及び3の内側部分の細孔容積を外側部分の細孔容積より大きくすることで、電極触媒層2及び3の外側に細孔分布が相対的に疎な層が形成され、電極触媒層2及び3の内側に細孔分布が相対的に密な層が形成される。このような細孔分布の疎密構造により、電極反応で生成した水の排水性と低加湿条件下における保水性とを両立することが可能となる。
本実施の形態に係る膜電極接合体にあっては、湿度調整フィルムを用いたり、触媒電極層表面に溝を形成したりすることによって低加湿状態に対応した従来技術の構成とは異なり、界面抵抗の増大による発電特性の低下が見られない。それ故、従来の触媒電極触媒層を備えた固体高分子形燃料電池に比べ、本実施の形態に係る電極触媒層を備える固体高分子形燃料電池は、低加湿条件下でも高い発電特性を示すという顕著な効果を奏する。
(実施の形態2)
図1Bを参照して、実施の形態2に係る膜電極接合体12においては、電極触媒層2が高分子電解質膜1上に形成される電極触媒層2aと、電極触媒層2a上に積層される電極触媒層2bとから構成されている。高分子電解質膜1側の電極触媒層2aの細孔容積は、外側の電極触媒層2bの細孔容積より大きい。同様に、電極触媒層3は、高分子電解質膜1上に形成される電極触媒層3aと、電極触媒層3a上に積層される電極触媒層3bとから構成されている。高分子電解質膜1側の電極触媒層3aの細孔容積は、外側の電極触媒層3bの細孔容積より大きい。
また、実施の形態2に係る膜電極接合体にあっては、細孔容積(ただし、細孔の直径は、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で1.0μm以下)の最大値と最小値との差が、0.1mL/g(電極触媒層)以上1.0mL/g(電極触媒層)以下であることが好ましい。電極触媒層の細孔容積の最大値及び最小値の差が0.1mL/g(電極触媒層)に満たない場合にあっては、電極反応で生成した水の排水性と低加湿条件下における保水性を両立することが困難となる場合がある。また、細孔容積の最大値及び最小値の差が1.0mL/g(電極触媒層)を超える場合にあっても電極反応で生成した水の排水性と低加湿条件下における保水性を両立することが困難となる場合がある。
実施の形態2に係る電極触媒層12にあっては、細孔容積が相対的に大きい電極触媒層2aの層厚は、細孔容積が相対的に小さい電極触媒層2bの層厚よりも大きいことが好ましい。電極触媒層2aの層厚を電極触媒層2bの層厚よりも大きくすることにより、電極反応で生成した水の排水性と低加湿条件下における保水性をより好適に両立することができる場合がある。
実施の形態2に係る膜電極接合体は、実施の形態1に係るものと同様に、高分子電解質膜1側の電極触媒層2a及び3aの細孔容積を、外側の電極触媒層2b及び3bの細孔容積より大きくすることで、外側に細孔分布が相対的に疎な層が形成され、内側に細孔分布が相対的に密な層が形成される。このような細孔分布の疎密構造により、電極反応で生成した水の排水性と低加湿条件下における保水性とを両立することが可能となる。また、従来技術のようにフィルムや溝を設ける構成とは異なり、界面抵抗の増大による発電特性の低下が見られない。それ故、従来の触媒電極触媒層を備えた固体高分子形燃料電池に比べ、本実施の形態に係る電極触媒層を備える固体高分子形燃料電池は、低加湿条件下でも高い発電特性を示すという顕著な効果を奏する。
尚、上記の各実施の形態に係る膜電極接合体において、触媒物質担持粒子に対し、高分子電解質を包埋させることによって、触媒物質担持粒子表面のプロトン伝導性を高め、反応活性点を増加させることができる。高分子電解質の包埋を行わない従来の電極触媒層の製造方法を、本実施の形態に係る膜電極接合体12の製造に適用すると、電極触媒層の厚さ方向における細孔容積の分布により高分子電解質の包埋状態が影響し、細孔容積の大きい電極触媒層では触媒物質担持粒子表面のプロトン伝導性が低く、反応活性点を増加させることはできない。また、従来の製造方法でも、高分子電解質を高濃度にすることで導電粒子表面のプロトン伝導性を高めることもできるが、細孔容積の小さい電極触媒層では高分子電解質が過剰な量の添加となり、出力性能を向上させることは困難である。
<2.固体高分子型燃料電池の構成>
次に、実施の形態1に係る膜電極接合体12を用いた固体高分子形燃料電池について説明する。
図2は、固体高分子形燃料電池の分解模式図である。図2に示す固体高分子形燃料電池は、実施の形態1に係る膜電極接合体12と、膜電極接合体12の電極触媒層2及び3のそれぞれに対して設けられるガス拡散層4及び5と、一対のセパレーター10とを備える。電極触媒層2とガス拡散層4とによって空気極(カソード)6が構成され、電極触媒層3とガス拡散層5とによって燃料極(アノード)7が構成される。そして、ガス供給用のガス流路8と、これに相対する主面に冷却水供給用の冷却水流路9とが設けられた一組のセパレーター10が配置される。セパレーター10は、導電性かつ不透過性の材料よりなる。燃料極7側のセパレーター10のガス流路8からは燃料ガスとして、例えば水素ガスが供給される。一方、空気極6側のセパレーター10のガス流路8からは、酸化剤ガスとして、例えば酸素を含むガスが供給される。そして、燃料ガスの水素と酸素ガスとを触媒の存在下で電極反応させることにより、燃料極と空気極の間に起電力を発生させることができる。
図2に示した固体高分子形燃料電池は、一組のセパレーター10によって、固体高分子電解質膜1、電極触媒層2、3、ガス拡散層4、5が狭持された、いわゆる単セル構造の固体高分子形燃料電池であるが、セパレーター10を介して複数のセルを積層した燃料電池を構成することもできる。
尚、図2では、実施の形態1(図1A)に係る膜電極接合体を用いた固体高分子形燃料電池を例示したが、実施の形態2(図1B)に係る膜電極接合体を用いて固体高分子形燃料電池を構成しても良い。
また、上記の各実施の形態に係る膜電極接合体12にあっては、高分子電解質膜1の両面に形成される電極触媒層2及び3のうち、いずれか一方の電極触媒層のみが、直径1.0μm以下(ただし、水銀圧入法で求められる細孔の円筒近似による換算値)の細孔の容積が、外側の電極触媒層表面から内側の高分子電解質膜1に向かって増加するように構成されていても構わない。このとき、厚さ方向に細孔容積が変化する電極触媒層は、電極反応により水が発生する空気極(カソード)側に配置される。
<3.実施の形態1に係る膜電極接合体の製造方法>
次に、実施の形態1に係る膜電極接合体の製造方法について説明する。
実施の形態1に係る膜電極接合体の製造方法は、以下の工程(1)〜(3)を備える。
・工程(1) 触媒物質担持粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させた触媒インクを作製する工程。
・工程(2) ガス拡散層及び転写シートから選択される基材上に、工程(1)出作成した触媒インクを塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて塗膜中の溶媒を除去し電極触媒層を形成する工程。ここで、基材上に形成された塗膜を乾燥させて溶媒を除去する際に、塗膜の厚さ方向において、塗膜の基材側の面よりも塗膜の表面側に対して高い温度を付与する工程。
・工程(3) 基材上に形成された電極触媒層を高分子電解質膜に接合する工程。
図3は、実施の形態1に係る膜電極接合体の製造方法の説明図である。まず、工程(1)として、工程(1)は、触媒物質担持粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させた触媒インク2´´、3´´を作製する(図3(a))。
次に、工程(2)として、基材上に触媒インクを塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて塗膜中の溶媒を除去することによって、電極触媒層を形成する(図3(b)、(c)、(d))。
具体的には、触媒物質担持粒子と、高分子電解質とを溶媒を含む触媒インク2´´、3´´を基材22に塗布する(図3(b))。次に、基材22上の塗膜2´、3´を冷却機構24を備える冷却ステージ23上に載置し、冷却ステージ23ごとオーブン25内で乾燥を行う。冷却ステージ23を用いることによって、触媒インクの塗膜には、厚さ方向において、温度差が生じる(図3(c))。具体的には、塗膜2´、3´の表面温度が、塗膜塗膜2´、3´の基材22側の温度より高くなる。
このように、基材22上に形成される塗膜に対し、厚さ方向に温度差を与えながら溶媒を除去し、電極触媒層を形成することで、電極触媒層の厚さ方向で細孔容積が変化する。具体的には、基材22側から基材22と反対側である表面に向かって細孔容積が増加する電極触媒層2、3を形成することができる(図3(d))。尚、このような細孔容積の変化が生じる原因は明らかではないが、塗膜の表面(基材22と反対側)と比べて、基材22側の塗膜中の溶媒の蒸発速度を遅くすることで、形成される電極触媒層中の高分子電解質の含有割合が変化し、この結果、基材22側から表面に向かって細孔容積が連続的に増加する電極触媒層2、3が形成されるものと考えられる。
なお、基材22としては、転写シートもしくはガス拡散層を用いることができる。
また、基材22上に形成される塗膜に対し厚さ方向で温度差を与えながら塗膜を乾燥する方法としては、図3(c)で説明したものに限定されるわけではなく、例えば、冷却ステージ上に塗膜が形成された基材22を載置し、塗膜表面に温風をあてることにより塗膜の厚さ方向で温度差を生じさせながら乾燥させる方法を用いることができる。また、冷却ステージ23の冷却機構24としては、ステージ23中に張り巡らせた配管に冷媒を循環させる機構のものを用いることができるが、これに限定されるものではない。
次に、工程(3)として、基材22上に形成された電極触媒層2、3を前記高分子電解質膜1に接合する(図3(e))。接合方法としては、ホットプレス(熱プレス)を用いることができる。基材22として、転写シートを用いた場合にあっては、ホットプレスによる接合後、基材22は剥離される。また、基材22としてガス拡散層を用いた場合にあっては、基材22は剥離されない。
工程(1)は、以下の工程(1−1)〜(1−3)を含んでも良い。
・工程(1−1) 触媒物質担持粒子と、第1の高分子電解質とを溶媒に分散させた第1の触媒インクを作製する工程。
・工程(1−2) 第1の触媒インクを乾燥させ、第1の高分子電解質で包埋した触媒物質担持粒子を形成する工程。
・工程(1−3) 第1の高分子電解質で包埋した前記触媒物質担持粒子と、第2の高分子電解質とを溶媒に分散させた第2の触媒インクを作製する工程。
上記のように、触媒物質担持粒子に対して高分子電解質を包埋する場合、触媒物質担持粒子と、第1の高分子電解質を溶媒に分散させた第1の触媒インクを作製する工程にあっては、触媒物質担持粒子における粒子と、高分子電解質との重量比を、インク組成の設定で制御することができる。触媒物質担持粒子における粒子と、高分子電解質との重量比は、1:0.1〜1:5の範囲内であることが好ましい。触媒物質担持粒子における粒子に対して、高分子電解質の重量比が0.1に満たない場合にあっては、粒子表面のプロトン伝導性が変化せず、反応活性点を増加せることが困難であることから、出力性能が向上しない場合がある。また、触媒物質担持粒子における粒子に対して、高分子電解質の重量比が5を超える場合にあっては、反応活性点へのガス拡散性が阻害され、出力性能が向上しない場合がある。
また、触媒物質担持粒子と、第1の高分子電解質を溶媒に分散させた第1の触媒インクを乾燥する工程にあっては、温度が30℃以上180℃以下であることが好ましい。乾燥させる温度が30℃に満たない場合にあっては、第2の触媒インクを作製する工程で、触媒物質担持粒子を包埋する多くの高分子電解質が溶媒に溶解し、出力性能が向上しない場合がある。また、乾燥させる温度が180℃を超える場合にあっても、触媒物質担持粒子を包埋する高分子電解質のプロトン伝導性が阻害され、出力性能が向上しない場合がある。
工程(2)で行う塗膜の乾燥の際、塗膜表面(基材と反対側の面)の温度が、{(基材側部分の温度)+5℃}以上150℃以下であることが好ましい。塗膜表面の温度を{(基材側部分の温度)+5℃}よりも低くした場合にあっては、形成された電極触媒層の細孔容積の差がなくなって、形成される電極触媒層の細孔容積が均一になる傾向となり、本発明の効果が十分に得られなくなってしまう。また、塗膜表面の温度を150℃よりも高くすると、電極触媒層の乾燥ムラの発生や、高分子電解質膜に与える熱処理の影響も大きくなるため、適切でない。
また、塗膜の基材側温度を低くすることによって溶媒の蒸発速度が遅くなり、より細孔容積の小さい電極触媒層が形成されるため、低加湿条件下における保水性を高めることができる。塗膜の基材側温度は、温度制御のしやすさから0℃以上であることが好ましい。また、塗膜の加熱温度は溶媒の沸点未満であることが好ましい。塗膜に付与される温度が溶媒の沸点より大きい場合には、蒸発速度が著しく大きくなり、厚さ方向で細孔容積の変化する電極触媒層を形成することができなくなってしまう場合がある。
また、実施の形態1に係る製造方法にあっては、触媒インクを基材に塗布する際にも、冷却ステージを用いることが好ましい。その理由は、触媒インクの塗膜中の溶媒の除去は、触媒インクを基材上に塗布した直後から開始しているからである。
以上の工程を経ることによって、実施の形態1に係る膜電極接合体、すなわち、直径1.0μm以下(ただし、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値)の細孔の容積が外側の電極触媒層表面から内側の高分子電解質膜に向かって増加する電極触媒層製造することができる。特に、第1の実施形態に係る製造方法では、触媒インクの塗布が1回で済むので、効率的かつ低コストで電極触媒層を形成することができる。
<4.実施の形態2に係る膜電極接合体の製造方法>
次に、実施の形態2に係る膜電極接合体の製造方法について説明する。
実施の形態2に係る膜電極接合体の製造方法は、以下の工程(1)〜(3)を備える。
・工程(1) 触媒物質担持粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させた触媒インクであって、電極触媒層中に形成される細孔の容積が異なる少なくとも2種類の触媒インクを作製する工程。
・工程(2) ガス拡散層、転写シートおよび高分子電解質膜から選択される基材上に、工程(1)で作成した触媒インクを順に塗布して、基材上に細孔容積が厚さ方向に段階的に変化する多層構造の電極触媒層を形成する工程。より詳細には、塗布対象となる基材がガス拡散層もしくは転写シートの場合は、電極触媒層中に形成される細孔の容積が段階的に大きくなる順に、触媒インクを塗布する。一方、塗布対象となる基材が高分子電解質膜の場合は、電極触媒層中に形成される細孔の容積が段階的に小さくなる順で、触媒インクを塗布する。
・工程(3) 工程(2)で選択した基材がガス拡散層もしくは転写シートの場合に、基材上に形成された電極触媒層を高分子電解質膜の両面に接合する工程。
以下に、基材としてガス拡散層もしくは転写シートを用いた場合の膜電極接合体の製造方法を詳細に説明する。
図4は、実施の形態2に係る膜電極接合体の製造方法の説明図である。まず、工程(1)として、細孔容積が異なる電極触媒層を形成するための複数種類の触媒インク2a´´、2b´´、3a´´、3b´´を作製する(図4(a))。触媒インクは、触媒物質担持粒子と高分子電解質とを溶媒に分散させることにより調整される。
より詳細には、上記の工程(1)は、以下の工程(1−1)〜(1−3)を含む。
・工程(1−1) 触媒物質担持粒子と、第1の高分子電解質とを溶媒に分散させた第1の触媒インクを作製する工程。
・工程(1−2) 第1の触媒インクを乾燥させ、第1の高分子電解質で包埋した前記触媒物質担持粒子を形成する工程。
・工程(1−3) 第1の高分子電解質で包埋した触媒物質担持粒子と、第2の高分子電解質とを溶媒に分散させた第2の触媒インクを作製する工程。
電極触媒層中に形成される細孔の容積を異ならせるためには、触媒インクに含まれる触媒物質担持粒子に対する高分子電解質の量を変化させたり、分散剤を使用したり、触媒インクの分散処理の方法を変えたりすれば良い。触媒インク中の触媒物質担持粒子の量に対する高分子電解質の量を多くすることにより細孔容積を小さくすることができる。これに対して、高分子電解質の量に対して触媒物質担持粒子の量を多くすることにより、形成される電極触媒層の細孔容積を大きくすることができる。また、触媒インクに分散剤を添加することにより、形成される電極触媒層の細孔容積を小さくすることができる。また、触媒インクの分散状態を変化させることにより、細孔容積を変化させた触媒インクを作製することができる。例えば、分散時間が長くなるのに伴い、触媒物質担持粒子の凝集体が破壊されるので、形成される電極触媒層の細孔容積を小さくすることができる。
次に、工程(2)として、基材上に、工程(1)で作成した触媒インクを順に塗布して、基材上に細孔容積が厚さ方向に段階的に変化する多層構造の電極触媒層を形成する(図4(b)〜(f))。
ここでは、基材22としては、ガス拡散層もしくは転写シートを用いる例を説明する。まず、基材22上に、電極触媒層中に形成される細孔の容積が小さくなる触媒インク2a´´、3a´´を塗布し、基材22上に塗膜2a´、3a´を形成する(図4(b)、(c))。次に、必要に応じて乾燥工程を行い、塗膜中の溶媒を除去して、基材22上に細孔容積が小さい電極触媒層2a、3aを形成する。次に、細孔容積が相対的に小さい電極触媒層2a、3a上に、電極触媒層中に形成される細孔容積が大きくなる触媒インク2b´´、3b´´を塗布し(図4(d))、電極触媒層2a、3a上に塗膜2b´、3b´を形成する(図4(e))。そして、乾燥工程により塗膜中の溶媒を除去し、基材22側から順に、細孔容積が相対的に小さい電極触媒層2aと、細孔容積が相対的に大きい電極触媒層2bとを順に備える基材22と、基材22側から順に、細孔容積が相対的に小さい電極触媒層3aと細孔容積が相対的に大きい電極触媒層3bとを順に備える基材とが作成される。
2層以上の電極触媒層を形成するにあっては、必要に応じて塗膜中の溶媒を除去する乾燥工程が設けられる。このとき、1層目の触媒インクを基材上に塗布して塗膜を形成した後、塗膜を乾燥させて1層目の電極触媒層を形成し、2層目の触媒インクを1層目の電極触媒層上に塗布した後、塗膜を乾燥させて2層目の電極触媒層を形成することにより多層構造の電極触媒層を形成することができる。また、1層目の触媒インクを塗布して塗膜を形成し、乾燥工程を行わずに、続けて2層目の触媒インクを塗布し塗膜を形成し、これらの塗膜を乾燥させて、多層構造の電極触媒層を形成することもできる。また、1層目の触媒インクを塗布して塗膜を形成し、塗膜中に溶媒の一部を残して半乾燥状態とした後、2層目の触媒インクを塗布して塗膜を形成し、これらの塗膜を乾燥させて多層構造の電極触媒層を形成することもできる。このように、塗膜を乾燥する乾燥工程は必要に応じて変更することができる。
次に、工程(3)として、基材22上に形成された電極触媒層2、3を高分子電解質膜1に接合する(図4(e))。接合方法としては、ホットプレス(熱プレス)を用いることができる。基材22として転写シートを用いた場合にあっては、ホットプレスによる転写後、基材は剥離される。また、基材22としてガス拡散層を用いた場合にあっては、基材22は剥離されない。
以上の工程を経ることにより、実施の形態2に係る膜電極接合体を製造できる。
また、上記の実施の形態2に係る製造方法において、1種類の触媒インクを用い、1層目の電極触媒層の形成方法と2層目の電極触媒層の形成方法とを変化させることにより、細孔容積の異なる多層構造の電極触媒層を基材上に形成することもできる。例えば、触媒インクを基材上に塗布した後の、塗膜の乾燥条件を変化させることにより、細孔容積の異なる電極触媒層を形成することができる。
具体的には、1回目に触媒インクを基材上に塗布した後の塗膜の乾燥工程と、2回目に触媒インクを基材上に塗布した後の塗膜の乾燥工程とで、溶媒の蒸発速度を異ならせることにより細孔容積の異なる電極触媒層を形成することができる。具体的には、塗膜中の溶媒の蒸発速度を速くすることにより、細孔容積を大きくすることができる。一方、塗膜中の溶媒の蒸発速度を遅くすることにより、細孔容積を小さくすることができる。溶媒の蒸発速度は、乾燥温度を高くすることにより速くすることができ、乾燥温度を低くすることにより遅くすることができる。
また、基材として高分子電解質膜を用いる場合、高分子電解質膜の両面に直接触媒インクを塗布し、膜電極接合体を形成することもできる。このとき、高分子電解質膜に対して、電極触媒層中に形成される細孔容積が大きくなる触媒インクから、電極触媒層中に形成される細孔容積が小さくなる触媒インクへと順に塗布を行うことにより電極触媒層を形成すれば良い。
また、基材として転写シートを用いる場合、転写シート上に多層構造の電極触媒層を形成し、一旦、転写シート上の電極触媒層をガス拡散層上に転写し、ガス拡散層上の電極触媒層を高分子電解質膜に接合することにより、膜電極接合体を形成することもできる。この場合、転写シート上の電極触媒層は、電極触媒層中に形成される細孔容積が大きくなる触媒インクから、電極触媒層中に形成される細孔容積が小さくなる触媒インクへと順に塗布を行うことによって形成される。
なお、膜電極接合体は、実施の形態1及び2に係る製造方法以外の製造方法により製造することもできる。また、実施の形態1及び2に係る製造方法を組み合わせた形で電極触媒層を形成し、膜電極接合体を製造してもよい。
以下、上記の各実施の形態に係る膜電極接合体および固体高分子形燃料電池について更に詳細に説明する。
上記の各実施の形態に係る高分子電解質膜としては、プロトン伝導性を有するものであればよく、フッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)などを用いることができる。炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜を用いることができる。中でも、高分子電解質膜としてデュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜を用いることができる。
上記の各実施の形態に係る膜電極接合体において高分子電解質膜の両面に形成される電極触媒層は、触媒インクを用いて高分子電解質膜の両面に形成される。触媒インクは、少なくとも高分子電解質及び溶媒を含む。
触媒インクに含まれる高分子電解質としては、プロトン伝導性を有するものであれば良く、高分子電解質膜と同様の材料を用いることができる。フッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)系材料などを用いることができる。また、炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質膜を用いることができる。中でも、高分子電解質膜としてデュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。なお、電極触媒層と高分子電解質膜の密着性を考慮すると、高分子電解質膜と同一の材料を用いることが好ましい。
触媒物質(以下、触媒粒子あるいは触媒と称すことがある)としては、白金やパラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属又はこれらの合金、または酸化物、複酸化物等が使用できる。また、これらの触媒の粒径は、大きすぎると触媒の活性が低下し、小さすぎると触媒の安定性が低下するため、0.5〜20nmが好ましい。更に好ましくは1〜5nmが良い。触媒粒子が、白金、金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、および、イリジウムから選ばれた1種または2種以上の金属であると、電極反応性に優れ、電極反応を効率よく安定して行うことができ、本発明の電極触媒層を備えて成る固体高分子形燃料電池が高い発電特性を示すので、本発明において好ましく使用できる。
これらの触媒物質を担持する電子伝導性の粉末は、一般的にカーボン粒子が使用される。カーボン粒子の種類は、微粒子状で導電性を有し、触媒におかされないものであればどのようなものでも構わないが、カーボンブラックやグラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンが使用できる。カーボン粒子の粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると電極触媒層のガス拡散性が低下したり、触媒の利用率が低下したりするので、10〜1000nm程度が好ましい。更に好ましくは、10〜100nmが良い。
触媒インクに含まれる高分子電解質としては、プロトン伝導性を有するものであれば良く、高分子電解質膜と同様のフッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)系材料などを用いることができる。また、炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜を用いることができる。中でも、高分子電解質膜としてデュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。
また、上記の各実施の形態で用いられる高分子電解質には、触媒物質担持粒子を包埋する第1の高分子電解質と、第1の高分子電解質で包埋した前記触媒物質担持粒子と混合される第2の高分子電解質とがあるが、両者はともに同一の高分子電解質でもよく、また、異なる高分子電解質でもよい。
触媒インクの分散媒として使用される溶媒は、触媒物質担持粒子や高分子電解質を浸食することがなく、高分子電解質を流動性の高い状態で溶解または微細ゲルとして分散できるものあれば特に制限はない。ただし、揮発性の有機溶媒が少なくとも含まれることが望ましく、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、1−プロパノ―ル、2−プロパノ―ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノ−ルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどの極性溶剤などが使用される。また、これらの溶剤のうち二種以上を混合させたものも使用できる。
また、溶媒として低級アルコールを用いたものは発火の危険性が高く、このような溶媒を用いる際は水との混合溶媒にするのが好ましい。高分子電解質となじみがよい水が含まれていてもよい。水の添加量は、高分子電解質が分離して白濁を生じたり、ゲル化したりしない程度であれば特に制限はない。
また、本発明で使用される溶媒には、第1の触媒インクの溶媒と、第2の触媒インクの溶媒とがあるが、両者はともに同一の溶媒でもよく、また、異なる溶媒でもよい。
電極触媒層の細孔容積は、触媒インクの組成、分散条件に依存し、高分子電解質の量、分散溶媒の種類、分散手法、分散時間などによって変化するので、これらの少なくとも1つ、好ましくは2つ以上を組み合わせて用いて電極触媒層の細孔容積が、ガス拡散層に近い側から高分子電解質膜に向かって、増加するように制御して形成することが好ましい。
触媒物質担持粒子を分散させるために、触媒インクに分散剤が含まれていても良い。分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などを挙げることができる。
上記アニオン界面活性剤としては、具体的には、例えば、アルキルエーテルカルボン酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルカノイルザルコシン、アルカノイルグルタミン酸塩、アシルグルタメート、オレイン酸・N−メチルタウリン、オレイン酸カリウム・ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、特殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成燐酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムなどのカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホサクシネート、スルホこはく酸ジアルキル塩、1,2−ビス(アルコキシカルボニル)−1−エタンスルホン酸塩、アルキルスルホネート、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホネート、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ポリナフチルメタンスルホネート、ポリナフチルメタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネート−ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホネート、アルカノイルメチルタウリド、ラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩、オレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などのスルホン酸型界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩、硫酸アルキル塩、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、アルキルポリエトキシ硫酸塩、ポリグリコールエーテルサルフェート、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、硫酸化油、高度硫酸化油などの硫酸エステル型界面活性剤、リン酸(モノまたはジ)アルキル塩、(モノまたはジ)アルキルホスフェート、(モノまたはジ)アルキルりん酸エステル塩、りん酸アルキルポリオキシエチレン塩、アルキルエーテルホスフェート、アルキルポリエトキシ・りん酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、りん酸アルキルフェニル・ポリオキシエチレン塩、アルキルフェニルエーテル・ホスフェート、アルキルフェニル・ポリエトキシ・りん酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルフェニル・エーテルホスフェート、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコールリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛などのりん酸エステル型界面活性剤などが挙げられる。
上記カチオン界面活性剤としては、具体的には、例えば、ベンジルジメチル{2−[2−(P−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル−2−牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプタデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物などが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、具体的には、例えば、ジメチルヤシベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、3−[ω−フルオロアルカノイル−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタインなどが挙げられる。
上記非イオン界面活性剤としては、具体的には、例えば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、オレイン酸ジエタノールアミド(1:1型)、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールヤシアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコール牛脂アミン、ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、ポリビニルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステルなどが挙げられる。
上記界面活性剤の中でもアルキルベンゼンスルホン酸、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などのスルホン酸型の界面活性剤は、カーボンの分散効果、分散剤の残存による触媒性能の変化などを考慮すると、好適である。
触媒インク中の高分子電解質の量を多くすると細孔容積は一般に小さくなる。これに対してカーボン粒子を多くすると、細孔容積を大きくすることができる。また、分散剤を使用すると、細孔容積を小さくすることができる。
触媒インクは必要に応じて分散処理がおこなわれる。触媒インクの粘度、粒子のサイズは、触媒インクの分散処理の条件によって制御することができる。分散処理は、様々な装置を用いておこなうことができる。例えば、分散処理としては、ボールミルやロールミルによる処理、せん断ミルによる処理、湿式ミルによる処理、超音波分散処理などが挙げられる。また、遠心力で攪拌を行うホモジナイザーなどを用いても良い。分散時間が長くなるのに伴い、触媒物担持粒子の凝集体が破壊されるので、細孔容積は小さくなる。
触媒インク中の固形分含有量は、多すぎると触媒インクの粘度が高くなるため電極触媒層表面にクラックが入りやすくなり、また逆に少なすぎると成膜レートが非常に遅く、生産性が低下してしまうため、1〜50質量%であることが好ましい。固形分は、触媒物質担持粒子と高分子電解質からなるが、触媒物質担持粒子を多くすると同じ固形分含有量でも粘度は高くなり、少なくすると粘度は低くなる。そのため、固形分に占める触媒物質担持粒子の割合は10〜80質量%が好ましい。また、このときの触媒インクの粘度は、0.1〜500cP程度が好ましく、さらに好ましくは5〜100cPが良い。また触媒インクの分散時に分散剤を添加することで、粘度の制御をすることもできる。
また、触媒インクに造孔剤が含まれても良い。造孔剤は、電極触媒層の形成後に除去することで、細孔を形成することができる。酸やアルカリ、水に溶ける物質や、ショウノウなどの昇華する物質、熱分解する物質などを挙げることができる。温水で溶ける物質であれば、発電時に発生する水で取り除いても良い。
酸やアルカリ、水に溶ける造孔剤としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの酸可溶性無機塩類、アルミナ、シリカゲル、シリカゾルなどのアルカリ水溶液に可溶性の無機塩類、アルミニウム、亜鉛、スズ、ニッケル、鉄などの酸またはアルカリに可溶性の金属類、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸一ナトリウムなどの水溶性無機塩類、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの水溶性有機化合物類などが挙げられ、二種以上併用することも有効である。
上記の各実施の形態に係る電極触媒層の製造方法において、第1の高分子電解質で包埋した触媒物質担持粒子は、触媒物質担持粒子と第1の高分子電解質とを溶媒に分散させた第1の触媒インクを、転写シートに塗布し、乾燥させることで得られる。または、第一の触媒インクを、乾燥雰囲気中にスプレーすることでも高分子電解質で包埋した触媒物質担持粒子が直接得られる。
触媒インクは、基材上に塗布され、乾燥工程を経て電極触媒層が形成される。基材として、ガス拡散層もしくは転写シートを用いた場合には、電極触媒層は、接合工程において高分子電解質膜の両面に接合される。また、上記の各実施の形態に係る膜電極接合体にあっては、基材として高分子電解質膜を用い、高分子電解質膜の両面に直接触媒インクを塗布し、高分子電解質膜両面に直接電極触媒層を形成することもできる。
触媒インクの塗布方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などを用いることができる。例えば、加圧スプレー法、超音波スプレー法、静電噴霧法などのスプレー法は、塗工された触媒インクを乾燥させる際に凝集が起こりにくく、均質で空孔率の高い触媒層を得ることができる。
上記の各実施の形態に係る電極触媒層の製造方法において、基材としては、ガス拡散層、転写シートもしくは高分子電解質膜を用いることができる。
基材として用いられる転写シートとしては、転写性がよい材質であればよく、例えばエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を用いることができる。また、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子シート、高分子フィルムを転写シートとして用いることができる。基材として転写シートを用いた場合には、高分子電解質膜に電極触媒層を接合後に転写シートを剥離し、高分子電解質膜の両面に触媒層を備える膜電極接合体とすることができる。
ガス拡散層としては、ガス拡散性と導電性とを有する材質のものを用いることができる。具体的にはガス拡散層としてはカーボンクロス、カーボンペーパー、不織布などのポーラスカーボン材を用いることができる。ガス拡散層は基材として用いることもできる。この場合、接合工程後にガス拡散層である基材を剥離する必要は無い。
ガス拡散層を基材として用いる場合には、触媒インクを塗布する前に、予め、ガス拡散層上に目止め層を形成してもよい。目止め層は、触媒インクがガス拡散層の中に染み込むことを防止する層であり、触媒インクの塗布量が少ない場合でも目止め層上に堆積して三相界面を形成する。このような目止め層は、例えばフッ素系樹脂溶液にカーボン粒子を分散させ、フッ素系樹脂の融点以上の温度で焼結させることにより形成することができる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが利用できる。
セパレーターとしては、カーボンタイプあるいは金属タイプのものなどを用いることができる。なお、ガス拡散層とセパレーターは一体構造となっていても構わない。また、セパレーターもしくは電極触媒層が、ガス拡散層の機能を果たす場合にはガス拡散層は省略されていても構わない。燃料電池としては、ガス供給装置、冷却装置などその他付随する装置を組み立てることにより製造される。
本発明に係る燃料電池用膜電極接合体を具体的に実施した実施例及び比較例を説明する。ただし、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
〔第1の触媒インクの調製〕
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液(ナフィオン:登録商標、デュポン社製)とを溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。触媒インクの組成比は、白金担持カーボン触媒のカーボンと、高分子電解質との質量比で1:0.2とした。第1の溶媒としては、超純水及び1−プロパノ−ルを体積比1:1で混合したものを用いた。また、固形分含有量は14質量%とした。PTFEシートを第1の触媒インクの乾燥用の基材として使用した。
〔高分子電解質で包埋した導電粒子の形成方法〕
ドクターブレードにより、第1の触媒インクを基材上に塗布し、そして大気雰囲気中80℃で乾燥させた。その後、高分子電解質で包埋した白金担持カーボン触媒を基材上から回収した。
〔第2の触媒インクの調製〕
高分子電解質で包埋した白金担持カーボン触媒と、20質量%高分子電解質溶液を溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。分散時間を30分間としたものを触媒インク3とした。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。触媒インクの組成比は、白金担持カーボン触媒のカーボンと、高分子電解質との質量比で1:1とした。第2の溶媒は超純水及び1−プロパノ−ルを体積比1:1で混合したものを用いた。また、固形分含有量は14質量%とした。
〔基材〕
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートを転写シートとして使用した。
〔電極触媒層の作製方法〕
25℃の水を循環させたプレート上に基材を固定し、ドクターブレードにより触媒インクを基材上に塗布し、70℃に設定したオーブン内でプレートにより基材温度を25℃としたまま30分間乾燥させることで電極触媒層を作製した。電極触媒層の厚さは、白金担持量が0.3mg/cm2になるように調節した。
作製した膜電極接合体の電極触媒層を厚さ方向に2つに分割し、水銀ポロシメータを用いて細孔測定を行った。その結果、高分子電解質膜側の電極触媒層の細孔容積は、電極触媒層表面の電極触媒層の細孔容積よりも増加し、その差は0.19mL/g(電極触媒層)であった。
(比較例1)
〔触媒インクの調整〕
実施例1で用いたものと同じ触媒インクを使用した。
〔基材〕
実施例1で用いたものと同じ基材を使用した。
〔電極触媒層の作製方法〕
温度変化に追従しやすいアルミ板(厚さ5mm)の上に基材を固定し、大気雰囲気中70℃で30分間乾燥させることで電極触媒層を作製した。電極触媒層の厚さは、白金担持量が0.3mg/cm2になるように調節した。
(比較例2)
〔触媒インクの調整〕
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液(ナフィオン:登録商標、デュポン社製)を溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。分散時間を30分間としたものを触媒インク4とした。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。実施例1と同様に、触媒インクの組成比は、白金担持カーボン触媒のカーボンと、高分子電解質との質量比で1:1とし、分散溶媒として、超純水及び1−プロパノ−ルを体積比1:1で混合したものを用いた。また、固形分含有量は14質量%とした。
〔基材〕
実施例1で用いたものと同じ基材を使用した。
〔電極触媒層の作製方法〕
実施例1と同様に、25℃の水を循環させたプレート上に基材を固定し、ドクターブレードにより触媒インクを基材上に塗布し、70℃に設定したオーブン内でプレートにより基材温度を25℃としたまま30分間乾燥させることで電極触媒層を作製した。電極触媒層の厚さは、白金担持量が0.3mg/cm2になるように調節した。
実施例1と同様に、作製した膜電極接合体の電極触媒層を厚さ方向に2つに分割し、水銀ポロシメータを用いて細孔測定を行った。その結果、高分子電解質膜側の電極触媒層の細孔容積は、電極触媒層表面の電極触媒層の細孔容積よりも増加し、その差は0.20mL/g(電極触媒層)であった。
(膜電極接合体の作製)
実施例1、比較例1、比較例2で作製した電極触媒層が形成された基材を25cm2の正方形に打ち抜き、高分子電解質膜(ナフィオン(登録商標名)、デュポン社製)の両面に対面するように転写シートを配置してホットプレスを行い、膜電極接合体を得た。
(評価)
〔発電特性〕
実施例1および比較例1、比較例2の膜電極接合体にガス拡散層としてのカーボンペーパーを挟持するように貼りあわせ、発電評価セル内に設置した。燃料電池測定装置を用いて、セル温度80℃で、以下に示す2つの運転条件で電流電圧測定を行った。燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気を用い、利用率一定による流量制御を行った。なお、背圧は100kPaとした。
フル加湿:アノード100%RH、カソード100%RH
低加湿:アノード40%RH、カソード40%RH
(測定結果)
実施例1で作製した膜電極接合体は、比較例1および比較例2で作製した膜電極接合体よりも、低加湿で優れた発電性能を示し、フル加湿と同等レベルであった。特に0.7V付近の発電性能が向上し、実施例1は比較例1と比べて2.4倍、比較例2と比べて1.3倍の発電特性を示した。実施例1、比較例1、比較例2の膜電極接合体の発電特性の結果から、電極触媒層の細孔容積を、ガス拡散層に近い側から前記高分子電解質膜に向かって厚さ方向に増加させた膜電極接合体は、電極触媒層の保水性が高まり、低加湿の発電特性がフル加湿と同等の発電特性を示していることが確認された。
また、フル加湿では、実施例1は比較例2と比べて1.3倍の発電特性を示した。実施例1、比較例1、比較例2の膜電極接合体の発電特性の結果から、白金担持カーボン触媒を高分子電解質で包埋することで、カーボン表面のプロトン伝導性が高められ、反応活性点が増加したためと推察した。
(実施例2)
〔第1の触媒インクの調製〕
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液(ナフィオン:登録商標、デュポン社製)を溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。触媒インクの組成比は、白金担持カーボン触媒のカーボンと、高分子電解質との質量比で1:0.2とした。第1の溶媒として、超純水及び1−プロパノ−ルを体積比1:1で混合したものを用いた。また、固形分含有量は14質量%とした。PTFEシートを第1の触媒インクの乾燥用の基材として使用した。
〔高分子電解質で包埋した導電粒子の形成方法〕
ドクターブレードにより、第1の触媒インクを基材上に塗布し、そして大気雰囲気中80℃で乾燥させた。その後、高分子電解質で包埋した白金担持カーボン触媒を基材上から回収した。
〔第2の触媒インクの調製〕
高分子電解質で包埋した白金担持カーボン触媒と、20質量%高分子電解質溶液を溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。分散時間を30分間としたものを触媒インク1Aとした。また、分散時間を2時間としたものを触媒インク1Bとした。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。触媒インクの組成比は、白金担持カーボン触媒のカーボンと高分子電解質との質量比で1:1とした。第2の溶媒としては、超純水及び1−プロパノ−ルを体積比1:1で混合したものを用いた。また、固形分含有量は14質量%とした。
〔基材〕
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートを転写シートとして使用した。
〔基材上への電極触媒層の形成方法〕
ドクターブレードにより、触媒インク1Bを基材上に塗布し、そして5分間乾燥させた。その後、同様にしてその上に触媒インク1Aを積層させて塗布し、大気雰囲気中90℃で30分間乾燥させることで2層構造の電極触媒層を作製した。触媒インク1Aと触媒インク1Bの単位面積あたりの塗布量は、質量比で3:2とした。電極触媒層の厚さは、白金担持量が0.3mg/cm2になるように調節した。
それぞれの触媒インクによる触媒層の細孔測定を、水銀ポロシメータを用いて行った。その結果、触媒インク1Bを用いて形成した電極触媒層の細孔容積は、触媒インク1Aを用いて形成した電極触媒層の細孔容積よりも減少し、その差は0.23mL/g(電極触媒層)であった。
(比較例3)
〔触媒インクの調整〕
実施例2で用いたものと同じ触媒インク1Aを使用した。
〔基材〕
実施例2で用いたものと同じ基材を使用した。
〔電極触媒層の作製方法〕
ドクターブレードにより触媒インク1Aを基材上に塗布し、5分間乾燥させた。その後、同一の触媒インク1Aをさらに塗布し、大気雰囲気中90℃で30分間乾燥させることで電極触媒層を作製した。1回目と2回目の塗布量は、質量比で3:2とした。電極触媒層の厚さは、白金担持量が0.3mg/cm2になるように調節した。
実施例2と同様に、触媒インク1によるそれぞれの触媒層の細孔測定を、水銀ポロシメータを用いて行った。その結果、触媒インク1Aを用いた電極触媒層の細孔容積は、実施例2の触媒インク1を用いた電極触媒層の細孔容積と同じであった。
(比較例4)
〔触媒インクの調整〕
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液(ナフィオン:登録商標、デュポン社製)を溶媒中で混合し、遊星型ボールミルで分散処理を行った。分散時間を30分間としたものを触媒インク2Aとした。そして、分散時間を2時間としたものを触媒インク2Bとした。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。実施例2と同様に、触媒インクの組成比は、白金担持カーボン触媒のカーボンと、高分子電解質との質量比で1:1とし、分散溶媒は超純水及び1−プロパノ−ルを体積比1:1で混合したものを用いた。また、固形分含有量は14質量%とした。
〔基材〕
実施例2で用いたものと同じ基材を使用した。
〔基材上への電極触媒層の形成方法〕
実施例2と同様に、ドクターブレードにより、触媒インク2Bを基材上に塗布し、そして5分間乾燥させた。その後、同様にしてその上に触媒インク2Aを積層させて塗布し、大気雰囲気中90℃で30分間乾燥させることで2層構造の電極触媒層を作製した。触媒インク2Aと触媒インク2Bの単位面積あたりの塗布量は、質量比で3:2とした。電極触媒層の厚さは、白金担持量が0.3mg/cm2になるように調節した。
実施例2と同様に、触媒インク2によるそれぞれの触媒層の細孔測定を、水銀ポロシメータを用いて行った。その結果、触媒インク2Bを用いて形成した電極触媒層の細孔容積は、触媒インク2Aを用いて形成した電極触媒層の細孔容積よりも減少し、その差は0.21mL/g(電極触媒層)であった。
(膜電極接合体の作製)
実施例2、比較例3及び比較例4で作製した電極触媒層が形成された基材を25cm2の正方形に打ち抜き、高分子電解質膜(ナフィオン(登録商標名)、デュポン社製)の両面に対面するように転写シートを配置してホットプレスを行い、膜電極接合体を得た。
(評価)
〔発電特性〕
実施例2、比較例3及び比較例4の膜電極接合体にガス拡散層としてのカーボンペーパーを挟持するように貼りあわせ、発電評価セル内に設置した。燃料電池測定装置を用いて、セル温度80℃で、以下に示す2つの運転条件で電流電圧測定を行った。燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気を用い、利用率一定による流量制御を行った。なお、背圧は100kPaとした。
フル加湿:アノード100%RH、カソード100%RH
低加湿:アノード40%RH、カソード40%RH
(測定結果)
実施例2で作製した膜電極接合体は、比較例3および比較例4で作製した膜電極接合体よりも、低加湿で優れた発電性能を示し、フル加湿と同等レベルであった。特に0.7V付近の発電性能が向上し、実施例2は比較例3と比べて2.1倍、比較例4と比べて1.1倍の発電特性を示した。実施例2、比較例3、比較例4の膜電極接合体の発電特性の結果から、電極触媒層の細孔容積を、ガス拡散層に近い側から前記高分子電解質膜に向かって厚さ方向に増加させた膜電極接合体は、電極触媒層の保水性が高まり、低加湿の発電特性がフル加湿と同等の発電特性を示していることが確認された。
また、フル加湿では、実施例2は比較例4と比べて1.2倍の発電特性を示した。実施例2、比較例3、比較例4の膜電極接合体の発電特性の結果から、白金担持カーボン触媒を高分子電解質で包埋することで、カーボン表面のプロトン伝導性が高められ、反応活性点が増加したためと推察した。
本発明に係る膜電極接合体は、車載用電源や家庭据置用電源等に用いられる燃料電池に利用できる。
1 固体高分子電解質膜
2 電極触媒層
3 電極触媒層
12 膜電極接合体
4 ガス拡散層
5 ガス拡散層
6 空気極(カソード)
7 燃料極(アノード)
8 ガス流路
9 冷却水流路
10 セパレーター
2a´´ (電極触媒層に形成される細孔容積が小さくなる)触媒インク
2b´´ (電極触媒層に形成される細孔容積が大きくなる)触媒インク
3a´´ (電極触媒層に形成される細孔容積が小さくなる)触媒インク
3b´´ (電極触媒層に形成される細孔容積が大きくなる)触媒インク
2a´ (電極触媒層に形成される細孔容積が小さくなる)触媒インクの塗膜
2b´ (電極触媒層に形成される細孔容積が大きくなる)触媒インクの塗膜
3a´ (電極触媒層に形成される細孔容積が小さくなる)触媒インクの塗膜
3b´ (電極触媒層に形成される細孔容積が大きくなる)触媒インクの塗膜
22 基材
23 冷却ステージ
24 冷却機構
25 オーブン

Claims (12)

  1. 高分子電解質膜を、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で直径1.0μm以下の細孔を有する一対の電極触媒層で狭持してなり、前記細孔の容積が外側の電極触媒層表面から内側の前記高分子電解質膜に向かって増加する膜電極接合体を製造するための膜電極接合体の製造方法であって、
    (1)触媒物質担持粒子と、高分子電解質とを溶媒に分散させた触媒インクを作製する工程と、
    (2)ガス拡散層及び転写シートから選択される基材上に前記触媒インクを塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて塗膜中の溶媒を除去し、前記電極触媒層を形成する工程であって、前記基材上に形成された塗膜を乾燥させて溶媒を除去する際に、塗膜の厚さ方向において、前記塗膜の表面に対し、前記塗膜の基材側の面よりも高い温度を付与する工程と、
    (3)前記基材上に形成された電極触媒層を前記高分子電解質膜に接合する工程とを備える、膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記工程(1)は、
    (1−1)触媒物質担持粒子と、第1の高分子電解質とを溶媒に分散させた第1の触媒インクを作製する工程と、
    (1−2)前記第1の触媒インクを乾燥させ、前記第1の高分子電解質で包埋した前記触媒物質担持粒子を形成する工程と、
    (1−3)前記第1の高分子電解質で包埋した前記触媒物質担持粒子と、第2の高分子電解質とを溶媒に分散させた第2の触媒インクを作製する工程とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記工程(1−2)において、前記触媒物質担持粒子における粒子と、前記第1の高分子電解質との重量比が1:0.1〜1:5の範囲内であることを特徴とする、請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記工程(1−2)において、第1の触媒インクを乾燥させる熱処理温度が、30℃以上180℃以下の範囲内であることを特徴とする、請求項3に記載の膜電極接合体の製造方法。
  5. 前記工程(2)の塗膜の乾燥において、前記塗膜の表面に付与される温度が、{(前記と膜の基材側部分に付与される温度)+5℃}以上150℃以下であることを特徴とする、請求項1記載の膜電極接合体の製造方法。
  6. 前記工程(2)において、温度制御機構を有するプレート上に前記基材を固定した状態で、前記塗膜に温度を付与することを特徴とする、請求項5記載の膜電極接合体の製造方法。
  7. 前記温度制御機構が、冷却機構であることを特徴とする、請求項6記載の膜電極接合体の製造方法。
  8. 前記塗膜の基材側部分に付与する温度が、0℃以上であることを特徴とする、請求項7記載の膜電極接合体の製造方法。
  9. 前記工程(2)において、前記プレートに前記基材を固定した状態で前記触媒インクを塗布することを特徴とする、請求項8記載の膜電極接合体の製造方法。
  10. 前記工程(2)において、前記プレートの温度が一定に維持されることを特徴とする、請求項9記載の膜電極接合体の製造方法。
  11. 高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜を狭持する一対の電極触媒層とを備え、
    前記電極触媒層は、水銀圧入法で求められる円筒近似による換算値で直径1.0μm以下の細孔を有し、
    前記細孔の容積が、外側の電極触媒層表面から内側の前記高分子電解質膜に向かって増加する、膜電極接合体。
  12. 請求項11記載の前記膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を狭持する一対のガス拡散層と、
    前記ガス拡散層の外面に設けられる一対のセパレーターとを備える、固体高分子形燃料電池。
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