JP2001270320A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JP2001270320A
JP2001270320A JP2000086805A JP2000086805A JP2001270320A JP 2001270320 A JP2001270320 A JP 2001270320A JP 2000086805 A JP2000086805 A JP 2000086805A JP 2000086805 A JP2000086805 A JP 2000086805A JP 2001270320 A JP2001270320 A JP 2001270320A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユニットのコンパクト化を図りつつ、ユニッ
ト内に2つ以上の風路を形成し、各小風路を流れる空気
流をそれぞれ独立に温調することができる車両用空気調
和装置を提供する。 【解決手段】 ユニットの下流側風路11を空気流の流
れ方向に沿って伸延された複数の仕切板21,22によ
り、少なくとも2つ以上の独立した小風路11r,11
l,11bに仕切り、各小風路11r,11l,11b
にそれぞれドアDr,Dl,Dbを設け、個々の小風路
11r,11l,11bがそれぞれ独立に温調した空気
を配風することができるようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケース内に複数の
独立した風路を有する車両用空気調和装置、特に車室内
の複数箇所をそれぞれ独立に温調できるようにした車両
用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用空気調和装置には、前席の
左右を独立に温調するようにしたものはあるが、近頃で
は、前席のみでなく後席までも独立に温調することが要
求されるようになっている。
【0003】この要請は、複数台の車両用空気調和装置
を用いて行なうと簡単に実現できるが、車室内が狭小
で、余剰スペースも少ないことを考慮すれば、1台の車
両用空気調和装置により行なうことが望ましい。
【0004】1台で前後席も独立に温調することは、前
席前方に設けられた車両用空気調和装置内に温調する部
分が1つ独立に存在しなければならないことを意味する
が、この独立に温調する部分をユニットとして、車両用
空気調和装置に別個に独立に設けることは、比較的簡単
にできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したよう
に、車室内が狭小で、余剰スペースも少なく、コンパク
ト化の要請が強い現状では、このようなユニットを1台
の車両用空気調和装置に別個独立に設けることはでき
ず、早期の改良が待たれているというのが実状である。
【0006】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
ためになされたものであり、ユニットのコンパクト化を
図りつつ、ユニット内に2つ以上の風路を形成し、各小
風路を流れる空気流をそれぞれ独立に温調することがで
きる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0008】(1) 請求項1に記載の発明は、エバポ
レータが設けられた上流側風路と、このエバポレータに
より冷却された空気流が流れる下流側風路とをケース内
に形成し、この下流側風路に、前記上流側風路からの空
気流を下流側風路に設けられたヒータコアと該ヒータコ
アをバスパスするバスパス通路とに選択的に流したりあ
るいは所定の比率で流すようにしたドアを設け、当該ド
アが前記空気流を遮断する方向にスライドし得るように
配置してなる車両用空気調和装置において、前記下流側
風路を前記空気流の流れ方向に沿って伸延された複数の
仕切板により、少なくとも2つ以上の独立した小風路を
形成するように仕切り、各小風路にそれぞれ前記ドアを
設け、各ドアを前記ケースの外部からそれぞれ独立にス
ライドさせ得るように構成したことを特徴とする車両用
空気調和装置。
【0009】(2) 請求項2に記載の発明は、ケース
内に形成された上流側風路と下流側風路との間に、前記
上流側風路からの空気流を1つ又は2つの流れに分岐し
て下流側風路に流すドアを設け、当該ドアを駆動機構に
より駆動するように構成してなる車両用空気調和装置に
おいて、前記駆動機構は、前記ドアの移動方向に沿うよ
うに当該ドアの両側部に形成された歯部と、当該歯部に
噛合される歯車と、前記ケースの外部に設けられた駆動
源とを有し、前記ドアの歯部に噛合される歯車の一方を
前記駆動源により駆動される駆動歯車とし、他方を当該
ドアの歯部により回動される従動歯車としたことを特徴
とする車両用空気調和装置。
【0010】(3) 請求項3に記載の発明は、前記各
ドアは、前記空気流を遮断する方向に伸びる面上に配置
されいることを特徴とする車両用空気調和装置。
【0011】(4) 請求項4に記載の発明は、前記駆
動機構は、3つ以上設けられた前記風路の内の中間に位
置する小風路に設けられたドアの歯車が、前記仕切板に
回動可能に軸支されていることを特徴とする車両用空気
調和装置。
【0012】(5) 請求項5に記載の発明は、前記駆
動機構は、前記駆動源より直接力を受ける外部歯車と、
前記各ドアの歯部に噛合された駆動歯車とを同一軸線上
に配置し、当該駆動歯車を駆動する軸と前記外部歯車の
軸を二重構造の軸としたことを特徴とする車両用空気調
和装置。
【0013】(6) 請求項6に記載の発明は、前記仕
切板は、前記ドアをスライド可能に支持するための、前
記ドアの側端部に設けられた案内部材が挿入されるスラ
イド用溝部を有することを特徴とする車両用空気調和装
置。
【0014】(7) 請求項7に記載の発明は、前記仕
切板は、前記案内部材を前記スライド用溝部内に導入す
るための、前記スライド用溝部を形成する壁部のうちの
一部が外方に向けて開放された導入部を有することを特
徴とする車両用空気調和装置。
【0015】(8) 請求項8に記載の発明は、前記ド
アの移動方向に沿うように当該ドアの両側部に形成され
た歯部にそれぞれ噛合される歯車と、当該歯車が設けら
れた回転軸と、前記仕切板あるいは前記ケースに形成さ
れた孔部に取り付けられ、前記回転軸の少なくとも一端
を回転可能に支持する回転軸支持部材と、を有すること
を特徴とする車両用空気調和装置。
【0016】(9) 請求項9に記載の発明は、前記仕
切板の両面に設けられたスライド用溝部は、それぞれ相
互に前記空気流の流れ方向にずらされて段違いに形成さ
れていることを特徴とする車両用空気調和装置。
【0017】(10) 請求項10に記載の発明は、前
記ドアの両側端部に設けられた案内部材は、スライド用
溝部に対応して、それぞれ相互に前記空気流の流れ方向
にずらされて段違いに形成されていることを特徴とする
車両用空気調和装置。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
につき説明する。
【0019】図1は本発明の実施の形態に係る車両用空
気調和装置を示す全体概略斜視図、図2は図1の2−2
線に沿う断面図、図3は図1の3−3線に沿う断面図、
図4は図2の4−4線に沿う断面図である。
【0020】本実施の形態の車両用空気調和装置は、図
1に示すように、車室内空気あるいは車室外空気を選択
的に導入するインテークユニット1と、一体化されたク
ーラユニット2とヒータユニット3とを連結したもので
ある。このクーラユニット2とヒータユニット3を一体
化したのは、両ユニットを車両の前後方向に並べると、
車両の前後方向の寸法Lを短くでき、コンパクト化を図
ることができるからである。
【0021】ケースCの外部には、窓の曇りを晴らすデ
フロストモード時に開放されるデフ口4a、乗員の上半
身に冷風を吹き出すベントモード時に開放されるベント
口5a、乗員の下半身に温風を吹き出すフットモード時
に開放されるフット口6a、後席に向けて冷風を吹き出
すリヤーベント口7a、後席に向けて温風を吹き出すリ
ヤーフット口8aが設けられている。
【0022】このケースCの内部には、図2,3に示す
ように、1つの上流側風路10を有し、この上流側風路
10内には冷却媒体が内部を流通するエバポレータ12
が設けられ、インテークユニット1から取り込まれた内
外気をこのエバポレータ12に導いて冷却するようにし
ている。また、下流側風路11内には車両のエンジンか
ら導かれた高温のエンジン冷却水が内部を流通するヒー
タコア13等が設けられている。
【0023】そして、このエバポレータ12とヒータコ
ア13との間には、上下にスライドするミックスドア
(以下、単にドアDと称す)が設けられ、エバポレータ
12からの冷風をヒータコア13側とバイパス通路14
側に分岐して流し、ミックスゾーン15でエバポレータ
12からの冷風とヒータコア13からの温風とをミック
スし、温調空気をつくっている。
【0024】この温調された空気流は、各モードに応じ
て回動制御される各ドア(デフドア4、ベントドア5、
フットドア6、前後ドア9あるいは後席用のベント−フ
ットドア8)により配風先が決定され、デフ口4a、ベ
ント口5a、フット口6a、リヤーベント口7aあるい
はリヤーフット口9aより車室内に配風される。
【0025】なお、これら風路10,11は、一対のケ
ース部材C1 ,C2 を最中合わせすることにより形成さ
れるが、この最中合わせのときに内部に、後述するドア
本体21や前記エバポレータ12あるいはヒータコア1
3等が挟持され、保持される。
【0026】特に、本実施の形態では、図4に示すよう
に、前記エバポレータ12以降の下流側通路11に、ケ
ースC内を流れる空気流に沿って2枚の仕切板21,2
2が設けられている。
【0027】これら仕切板21,22は、エバポレータ
12の下端から前記ケースCの下流壁20(図1参照)
まで伸び、この下流側通路11を3つの独立した小風路
11r,11l,11bにほぼ等分に仕切っている。こ
れら小風路は、前席の左右の小風路11r,11lと、
後席用の小風路11bである。
【0028】これら各小風路11r,11l,11bに
は、それぞれドアDr,Dl,Dbが設けられ、各ドア
Dr,Dl,Dbには駆動機構Mが設けられ、各ドアD
r,Dl,Dbがそれぞれ独立に作動されるようになっ
ている。
【0029】つまり、上流側風路10から流下した空気
流は、仕切板21,22により各小風路11r,11
l,11bに分岐され、各小風路11r,11l,11
b毎のドアDr,Dl,Dbにより、ヒータコア13側
とバイパス通路14側に選択的に流したり、あるいはヒ
ータコア13側とバイパス通路14側の各小風路に所定
の比率で分岐して流すようになっている。
【0030】ここにおいて、温調された空気流が小風路
11r,11lを流れた後に前席に吹き出される状態は
前記図2に、図3温調された空気流が小風路11bを流
れた後に後席に導かれる状態は前記図3に、それぞれ良
好に示されている。
【0031】さらに、ドアDと駆動機構Mについて詳述
する。
【0032】図5はドアと駆動機構の関係を略示した斜
視図、図6はドアを示す斜視図、図7はドアと駆動機構
の取り付け状態を示す断面図、図8はカム溝の説明図、
図9は図7の9−9線に沿う断面図、図10は図9の要
部拡大図である。
【0033】これらドアDr,Dl,Dbは、図5,6
に示すように、ケースC内に形成された上流側風路10
と下流側風路11との間に、前記上流側風路10からの
空気流を1つ又は2つの流れに分岐して下流側風路11
に流すように構成されているが、これらドアDは、空気
流を遮断する方向に伸びる面上に配置されている。
【0034】このように複数のドアDが、同一平面上に
配置されると、歯車を用いて駆動する場合、駆動機構の
回転軸を同軸的に配置することができ、制御が容易でス
ペース的にもコンパクトなものとなる。
【0035】各ドアDr,Dl,Dbは、上流側風路1
0からの空気流を遮断する方向に伸延されたドア本体2
3を有している。このドア本体23は、図2に示すよう
に、上下方向が上流側風路10と下流側風路11との間
の開口部24のほぼ半分程度であり、幅方向が、図4に
示すように、各小風路11r,11l,11bの幅であ
る。
【0036】このドア本体23は、図6に示すように、
外周部分に形成された平坦部23aと、内部のドーム状
の膨出部23bとを有し、平坦部22aの外面には発泡
ウレタンなどからなるシール部材Sが貼着されている。
ただし、このシール部材Sは、膨出部23bの背面側の
みでなく、腹面側に設けても良い。
【0037】また、当該ドア本体23の側端部位には、
ドア本体23の補強と空気流のガイド機能を有する一対
の補強プレート25が設けられている。これら補強プレ
ート25とドア本体23の側端との間は断面円弧状とさ
れ、ここには後に詳述する駆動機構Mにおける歯車31
(厳密には本実施の形態では部分歯車であるが簡便のた
めに単に歯車と称す、また図5においても簡便のために
部分歯車とせず円形の歯車としている)と噛合される歯
部26が上端から下端まで連続して形成されている。つ
まり、歯部26は、ドアDの移動方向に沿うように当該
ドアDの両側部に形成されている。
【0038】ドア本体23の上下4つの側端部には、後
に詳述するケースCの内側壁あるいは仕切板21,22
より突出したスライド用溝部としての溝カム30内に転
動自在に嵌挿される案内部材としての案内ローラ27
(上方の案内ローラ27uと下方の案内ローラ27dの
総称)が突出されている。この案内ローラ27は、場合
によっては転動しない円柱状のピンであっても良い。こ
のようにして、ドアDは、溝カム30によって支持され
るとともに、溝カム30にガイドされて、あらかじめ決
められた軌跡を描くようにスライド移動することが可能
となる。
【0039】なお、ドア本体23は、駆動源32により
回動される歯車31と転がり接触するような円弧状とし
ているが、この円弧状は、図示するように、空気の流れ
方向に向かって「凹」のみでなく「凸」でもよい。例え
ば、「凸」とすれば、空気流の分配特性が向上し、また
ヒータコア13やバイパス通路Bへ導くガイド特性も向
上するとともに空気抵抗の少ないものとなり、「凹」と
すれば、空気流をヒータコア13に導く場合やバイパス
通路Bへ導くときのガイドとなり、通気抵抗なくガイド
機能を発揮するので、空気流のガイド特性がより一層向
上する。
【0040】このスライド式のドアDの場合、ユニット
の小形化を図ることができるのみでなく、当該ドアDが
どのような開度状態であっても、流れる空気流の軸(風
軸)が変化せず、風軸を一定にすることができるという
特徴もある。
【0041】つまり、従来のように回動軸を中心として
回動されるドアの場合には、ドアの開度により当該とド
ア自体により空気の流れ方向が大幅に変動し、その風軸
が変化することになり、結果的に冷風と温風とのミック
ス状態が予期しない状態になり、往々にして温調リブを
設けたり、ケース自体の形状を変えたりして、所望の温
調状態が得られるようにする必要が生じるが、スライド
式ドアDの場合には、スムーズに空気の流れを変更する
ので、風軸が変化せず一定にできる。
【0042】風軸が一定にできれば、各吹出口への空気
の流れを考慮したレイアウトが可能となり、またこれを
ミックスドアに用いれば、温風と冷風が一定の角度で衝
突させることができるので、安定したミックス性が可能
となる。さらに一方向の風軸に基づいて配風やミックス
性の対策を取れば良いので、円滑な配風ができ、温調特
性も所期の設計通りのものとすることができ、温調リブ
の設置や、ケース形状の変更も行なうことなく、配風や
ミックス性を向上させることができる。
【0043】前記駆動機構Mは、図7に示すように、ケ
ースCの内側壁あるいは仕切板21,22に形成された
溝カム30と、前記ドア本体23の一面に形成された歯
部26に噛合する歯車31と、前記ケースCの外部に設
けられたモータあるいはモータアクチュエータ等からな
る駆動源32とを有し、前記各ドアDr,Dl,Dbの
歯部26に噛合される歯車31の一方を、当該ドアの歯
部26により回動される従動歯車31jとし、他方を駆
動源32により駆動される駆動歯車31dとしている。
【0044】この歯車31と駆動源32との連結状態
は、個々の小風路ごとに相違しているが、これは、図
4,5に良好に示されている。
【0045】まず、前席右用の小風路11rでは、駆動
歯車31dは、回転軸R1 を介して外部歯車34rと連
結され、この外部歯車34rは、駆動源32rより直接
力を受けて回転駆動されるようになっている。また、従
動歯車31jは、仕切板21に設けられた支持軸35に
回転可能に支持されている。
【0046】後席用の小風路11bでは、駆動歯車31
dは、前席左用の小風路11lを挿通して伸びる回転軸
R2 を介して外部歯車34bと連結され、この外部歯車
34bは、駆動源32bより直接力を受けて回転駆動さ
れるようになっている。また、従動歯車31jは、仕切
板21に設けられた前記支持軸35に回転可能に支持さ
れている。
【0047】前席左用の小風路11lでは、駆動歯車3
1dは、回転軸R3 を介して外部歯車34lと連結さ
れ、この外部歯車34lは、駆動源32lより直接力を
受けて回転駆動されるようになっている。また、従動歯
車31jは、前記回転軸R2 に回転可能に支持されてい
る。
【0048】このようにすれば、回転軸Rを全ての歯車
に取り付けなくても確実にドアDをスライドさせること
ができ、構成も簡素化でき、部品点数、組み立て工数及
びコストの低減、重量の軽減のみでなく、不必要な回転
軸Rを回転させなくてよいために、アクチュエータも不
必要に大きくすることもなく、動力的にも好ましい。
【0049】また、前記回転軸R3 は、回転軸R2 の外
部に設けられ、当該回転軸R2 と同軸的に設けられてい
るが、このように同一軸線上に配置された回転軸を二重
構造とすれば、複数の駆動源32と複数の前記駆動歯車
31dとを同一軸線上に配置された二重構造の軸により
それぞれ独立に作動することができ、スペース的に有利
となるのみでなく、空気もれも少なく、シールも容易と
なる。
【0050】前記溝カム30は、図8に示すように、ド
アDの曲率半径とほぼ同じ曲率半径rを有するように形
成され、ドア本体23の4つの案内ローラ27を支持
し、ドア本体23が風圧を受けてもガタつくことなく作
動するようにしたものである。この溝カム30は、内側
壁若しくは仕切板21,22に円弧状に形成されたもの
が上下一対形成され、上部の案内ローラ27uは上部の
溝カム30uに、下部の案内ローラ27dは下部の溝カ
ム30dにそれぞれ嵌挿されているが、各溝カム30
u,30dの終端部36は、ドア本体23がスライドの
終端位置で当該スライドの方向と交差する方向、つまり
図示実施の形態では所定の円弧状のスライド方向から斜
め後方に移動するように形成されている。
【0051】これにより前記シール部材SがケースCよ
り突出された仕切壁37などに当接し、加圧され、シー
ル性の向上を図るようにしている。つまり、シール部材
Sは、常時仕切壁37と当接せず、必要な時にのみ当接
することになるので、長期にわたりシール性の低下が防
止され、シール性が向上する。しかも、ドアを作動する
時の摩擦もなく、操作力も少なく好ましいものとなる。
なお、本実施の形態では、シール部材Sが当接する部分
は、ケースCの仕切壁37を利用したものであるが、別
途設けても良い。
【0052】本実施の形態の溝カム30は、個々別々に
上下一対形成されているが、本発明は、これのみに限定
されるものではなく、前記案内ローラ27が終端位置で
スライド方向と交差する方向に移動するものであればど
のようなものでも良く、例えば、上下一対の溝カム30
の終端部36を相互に連続した形状でも良い。このよう
にすれば、合成樹脂により成形する場合に成形性が向上
する。
【0053】また、前記駆動機構Mは、溝カム30、歯
車31,34及び軸R,35からなるが、これらと前記
ドアDとを1つのユニットとし、当該ユニットをケース
Cの側壁に形成された開口部から挿入し取り付けるよう
にしても良い。このようにした場合には、各機種により
種々異なるユニットを形成でき、主たる部分を共用化し
た組み付けができる。
【0054】前記歯車31及び歯部26の詳細は、図
9,10に示すように、前記ドア本体23がスライドの
終端位置で当該スライドの方向と交差する方向に移動さ
せるために、端部に形成された歯若しくはその近傍の歯
を他の歯よりも歯丈が高い高歯31aとし、駆動源32
が歯車31を回動することにより高歯31aがドア本体
23に形成された歯部26を介してドア本体23を押圧
し、溝カム30に沿って移動するようにしている。
【0055】一方、ドア本体23に形成された歯部26
も、上下端部若しくはその近傍の歯部が他の歯26bよ
りも歯丈が高い高歯26aとしている。つまり、歯部2
6の端部に形成された高歯26aの歯先が、回動中心O
からの半径が、図10に示すように、r1 ,r2 ,r3
,r4 と徐々に変化するようにし、前記歯車31の高
歯31aと確実に噛合し、ドア本体23を溝カム30に
沿うようにしている。なお、図中「rp 」は、ピッチ円
である。
【0056】次に、実施の形態の作用を説明する。
【0057】(フルホットモード)暖房モードにおい
て、冷風を全量加熱して車室内に吹き出すフルホットモ
ードの場合には、ドア本体23を図2において上端に位
置させ、インテークユニット1から取り込まれ、クーラ
ユニット2において冷却された空気を全量ヒータコア1
3内を通過させる。
【0058】この場合、図外のコントローラからの信号
により所望の部分の駆動源32、例えば、前席右用の場
合には駆動源32r、後席用の場合には駆動源32b、
前席左用の場合には駆動源32lをそれぞれ独立に動作
することができる。
【0059】これら駆動源32の動作にともなって各歯
車31を回動し、所望のドア本体23が、溝カム30に
沿って上昇し、冷却された空気を全量ヒータコア13内
を通過させる。
【0060】例えば、前席左側暖房を指定した場合に
は、図2のように、フット口6aより温風が乗員の足元
に配風される。また、後席側暖房を指定した場合には、
前後ドア9が図3のように開き、ベント−フットドア8
はリヤーベント口7aを閉じている状態(一点鎖線の状
態)となるので、フット口8aより温風が乗員の足元に
配風される。
【0061】なお、ドア本体23が上昇し、終端位置ま
で到達すると、歯車31の高歯31aがドア本体23の
高歯26aを噛合するので、ドア本体23は歯車31に
より後方に押圧されると共に溝カム30に沿って後方に
移動し、シール部材Sが仕切壁13に当接し、加圧され
る。
【0062】この結果、ドア本体23のシール性が向上
し、風漏れが生じないので温調特性も優れたものとな
る。しかも、歯車駆動によりドア移動が行なわれるの
で、作動が円滑になり、ドアの操作性も向上し、異音が
生じない快適なドア制御が可能となる。
【0063】(温調モード)冷風と温風とをミックスし
所定温度にして車室内に吹き出す温調モードの場合に
は、ドア本体23を図2において上下方向中間位置にセ
ットされる。したがって、クーラユニット1からの冷風
の一部は、ドア本体23の上部空間域を通過し、残りの
冷風は、ドア本体23の下部空間域を通過し、ヒータコ
ア13に導びかれる。
【0064】この場合も、コントローラにより駆動源3
2が選択的に動作され、選択された歯車31の回動によ
りドア本体23の案内ローラ27が溝カム30に沿って
移動し、上下方向中間位置となる。この状態は、案内ロ
ーラ27と溝カム30との接触のみであるため、摺動抵
抗は極めて小さく、作動は円滑に行なわれる。また、こ
の状態では、歯車31とドア本体23側の歯部26との
噛合により保持され、位置ずれを起こす可能性は少な
い。仮に位置ずれを起こすとしても、歯車31とドア本
体23側の歯部26との間のバックラッシュ分程度であ
り、極めて正確にドア位置がセットされる。
【0065】そして、前記冷風と温風とは、合流してミ
ックスされ、所定の温度となって車室内に吹き出され
る。
【0066】(フルクールモード)冷房モード時に、冷
風を全量加熱せず車室内に吹き出すフルクールモードの
場合には、前記ドア本体23の位置を上下方向最下端に
位置する以外は、実質的にドア本体23の作動はフルホ
ットモードの場合と同様である。
【0067】なお、前記実施の形態では、2つの仕切板
21,22により3つの小通路を形成したものである
が、これのみに限定されるものではなく、仕切板の枚数
により適宜分割された3つ以上の小通路を有するものに
適用できることは言うまでもなく、また、1つの仕切板
により2つの小通路を形成することも可能である。
【0068】前記ドアは、円弧状にしたものであるが、
場合によっては直状としても良く、また、前記部分歯車
やドア側の歯部の形状、特に高歯部分は、図示する実施
の形態のみに限定されるものではなく、ドアとの関係で
適宜変更することができるものである。
【0069】さらに、前記駆動機構は、エバポレータや
ヒータコアを備えた車両用空気調和装置のエアーミック
スドアに用いられているが、本発明は、これのみに限定
されるものではなく、上流側風路からの空気流を1つ又
は2つの流れに分岐して下流側風路に流すドアであれ
ば、種々のドアに適用可能である。
【0070】また、前記実施の形態では複数のドアを駆
動するものであるが、1つのドアを駆動する場合でも有
効なものである。つまり、1つのドア本体23の両側端
部位に形成された歯部26の一方に駆動歯車を噛合し、
他方に従動歯車を噛合すれば、ドア本体23の前面を軸
が横切ることはなく、空気の流れ抵抗とならず円滑に空
気流の制御ができ、風切り音が生じることもない。
【0071】図11は、他の実施の形態に係る車両用空
気調和装置の組立手順を示す概略斜視図、図12は、ド
アと駆動機構の取り付け状態を示す断面図である。
【0072】図11および図12に示す車両用空気調和
装置は、1つの仕切板21により形成された2つの小通
路を有している。但し、適宜枚数の仕切板により分割さ
れた3つ以上の小通路を有するものに適用できることは
言うまでもない。
【0073】この実施の形態では、図11に示すよう
に、仕切板21は、ドアDの案内ローラ27を溝カム3
0内に導入するために、溝カム30を形成する壁部のう
ちの一部が外方に向けて開放された導入部41aを有し
ている。また、ケース部材C1,C2 には、溝カム30
の一部から仕切板21の導入部41aに対応する方向に
向けて延長され、略T字形状を呈した導入用溝部41b
を形成することが望ましい。図中符号51は、エバポレ
ータ12を外部からケース内に装着可能とするために開
設された開口部であり、エバポレータ12を装着後、図
示しない蓋部材により閉じられるようになっている。
【0074】一方、図11に示すように、ドアDを駆動
するための駆動機構は、ドアDの移動方向に沿うように
ドアDの両側部に形成された歯部26にそれぞれ噛合さ
れる歯車31と、歯車31が設けられた回転軸Ra,R
bと、仕切板21あるいはケースCに形成された孔部4
2に取り付けられ、回転軸Ra,Rbの少なくとも一端
を回転可能に支持する回転軸支持部材43と、を有して
いる。つまり、回転軸Ra,Rbは、一端が回転軸支持
部材43を介して、ケースCあるいは仕切板21の孔部
42に取り付られるので、回転軸Ra,Rbの軸方向長
さは、仕切板21により分割形成された2つの小通路の
幅寸法よりも小さくすることが可能である。なお、その
他の点は、上記した実施形態とほぼ同様であり、上記実
施形態と共通する機能を有する部材には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0075】この実施形態にあっては、図11に示すよ
うに、ドアとその駆動機構を取り付ける前に、仕切板2
1を間に位置させてケース部材C1 ,C2 を合わせるこ
とにより、ケースCの組み立てを行う。次いで、エバポ
レータ装着用の開口部51より、2つのドアDを挿入す
る。そして、導入部41aおよび導入用溝部41bを利
用し、案内ローラ27が溝カム30に嵌挿されるように
して、ドアDをケースCおよび仕切板21に取り付け
る。この場合、一側端部の案内ローラ27を導入用溝部
41bにまず挿入してから、他側端部の案内ローラ27
を導入部41aに外方から滑り込ませることにより、案
内ローラ27を溝カム30に容易に嵌挿することができ
る。
【0076】次に、歯車31が設けられた回転軸Raを
開口部51より挿入し、図示のように、一端をケースC
の孔部42に取り付けるとともに、他端を回転軸支持部
材43を介して仕切板21の孔部42に取り付ける。同
様にして、歯車31が設けられた回転軸Rbを開口部5
1より挿入し、一端を仕切板21のボス部44に取り付
けるとともに、他端を回転軸支持部材43を介してケー
スCの孔部42に取り付ける。なお、例えば駆動源32
から歯車31への動力伝達機構は、図示省略してある。
【0077】このように本実施形態によれば、ユニット
ケースを組み立てた後から、その状態のままで、例えば
エバポレータ装着用の開口部51より、スライドドアD
と、歯車31が設けられた回転軸Ra,Rbとを組み込
むことが可能となる。
【0078】例えば、スライドドア、歯車および回転軸
等をサブアセンブリケースに収容してサブアセンブリ化
し、これを後付けすることによりユニット自体の組み立
て工数を削減することも可能ではあるが、気密用パッキ
ン、サブアセンブリケース等、部品点数が増加し、製造
コストが増加してしまう。これに対し、本実施形態で
は、簡単な構成で、部品点数をあまり増加させることな
く、ユニットケース組み立て後にスライドドアや回転軸
を組み付けることができるので、組み立て工数を削減す
ることができ、製造コストの低減が可能となる。なお、
歯車31および回転軸Ra,Rbは、図12に示したも
のに限定されるものではなく、例えば図7に示したよう
なものを採用することも可能である。
【0079】図13および図14は、さらに他の実施の
形態に係る車両用空気調和装置のドアの取り付け状態を
示す断面図、図15は、ドアを示す斜視図である。
【0080】図13および図14に示す車両用空気調和
装置もまた、1つの仕切板21により形成された2つの
小通路を有しているが、3つ以上の小通路を有するもの
に適用できることは言うまでもない。
【0081】この実施形態では、図13に示すように、
仕切板21の両面に設けられたスライド用溝部としての
溝カム30a,30bは、それぞれ相互に空気流の流れ
方向にずらされて段違いに形成されている。また、2枚
のドアDのうちの一方(図中右側のドア)は、上記した
実施形態のドアと異なって、両側端部に設けられた案内
ローラ27が空気流の流れ方向の上流側にずれて形成さ
れている。なお、その他の点は、上記した実施形態とほ
ぼ同様であり、上記実施形態と共通する機能を有する部
材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0082】一般に、複数の小通路を有する場合のドア
Dの開口面積は、案内ローラ27の内側に貼着されたシ
ール部材Sが当接される、仕切板21の当接部52によ
って、縮小される。これに対し、本実施形態によれば、
仕切板21の両面の溝カム30a,30bは空気流の流
れ方向から見て重なる位置に配置させられることにな
り、仕切板21の当接部52の幅寸法W1を、図12の
幅寸法W1と比べて小さくすることが可能となる。した
がって、ドアDの開口面積が縮小されるのを最小限に抑
えて通気抵抗を低減し、風量を増加させることができ
る。
【0083】また、図14および図15に示すように、
ドアDの両側端部に設けられた案内ローラ27は、それ
ぞれ相互に空気流の流れ方向にずらされて段違いに形成
するのが好ましい。図14では、各ドアDの左側の側端
部に設けられた案内ローラ27のみが空気流の流れ方向
の上流側にずれて形成されている。このようにすれば、
2枚のドアの形状を同一にして共用化することができ、
部品点数が削減され、製造コストも低減される。
【0084】なお、仕切板の両面に段違いに形成された
スライド用溝部としての溝カムは、例えば図16に示す
ようなドアDaの平板62の両側端部に設けられた案内
ローラ27が嵌挿される場合にも適用することが可能で
ある。ドアDaは、回転軸60に取り付けられた平板6
1がヒンジ部63を介して平板62と回動可能に連結さ
れたドアであり、回転軸60が回転されると、案内ロー
ラ27が溝カム30に沿って移動させられるため、全体
として所望の折り曲げ形態でかつ軌道を一定に保つこと
が可能となっている。
【0085】本発明は、上述した実施の形態に限定され
ることなく、特許請求の範囲内において種々変形するこ
とができる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明は、下流側風路を複数の仕切板により、少なくとも
2つ以上の独立した小風路に仕切り、各小風路にそれぞ
れドアを設け、各ドアをケース外から独立にスライドさ
せ得るように構成したので、ユニットのコンパクト化を
図ることができ、しかも所望の領域に独立に温調した空
気を配風することができる。
【0087】請求項2に記載の発明は、ドアの歯部に噛
合される歯車の一方を駆動源により駆動される駆動歯車
とし、他方をドア及びドアの歯部を介して回動される従
動歯車とした駆動機構であるため、回転軸を全ての歯車
に取り付けなくても確実にドアをスライドさせることが
でき、構成も簡素化でき、部品点数、組み立て工数及び
コストの低減、重量の軽減のみでなく、アクチュエータ
も不必要に大きくすることもない。
【0088】請求項3に記載の発明は、各ドアを所定の
面に配置したので、歯車を用いて駆動する場合、駆動機
構の回転軸を同軸的に配置することができ、制御が容易
でスペース的にもコンパクトなものとなる。
【0089】請求項4に記載の発明では、風路の内の中
間に位置する風路に設けられたドアに噛合される歯車
が、仕切板に回動可能に軸支されているので、回転軸が
短くなり、構成も簡素化でき、部品点数、組み立て工数
及びコストの低減、重量の軽減のみでなく、回転軸を不
必要に回転させなくてよいために、ユニットのコンパク
ト化軽量化を図ることができ、ドアの操作性も向上し、
異音が生じない快適なドア制御が可能となる。
【0090】請求項5に記載の発明では、駆動源より直
接力を受ける外部歯車と、各ドアの歯部に噛合された駆
動歯車とを同一軸線上に配置された二重構造の軸により
連結したので、スペース的に有利となるのみでなく、空
気もれも少なく、シールも容易となる。
【0091】請求項6に記載の発明では、仕切板はスラ
イド用溝部を有するので、ドアは、スライド用溝部によ
って支持されるとともに、スライド用溝部にガイドされ
て、あらかじめ決められた軌跡を描くようにスライド移
動することが可能となる。
【0092】請求項7に記載の発明では、仕切板は、ド
アの案内部材をスライド用溝部内に導入するための導入
部を有するので、簡単な構成で、部品点数を増加させる
ことなく、ケース組み立て後にスライドドアを組み付け
ることができるので、組み立て工数を削減することがで
き、製造コストの低減が可能となる。
【0093】請求項8に記載の発明では、仕切板あるい
はケースに形成された孔部に取り付けられ、回転軸の少
なくとも一端を回転可能に支持する回転軸支持部材を有
するので、回転軸の軸方向長さを仕切板により仕切られ
た小通路の幅寸法よりも小さくすることができ、簡単な
構成で、部品点数をあまり増加させることなく、ケース
組み立て後に回転軸を組み付けることができるので、組
み立て工数を削減することができ、製造コストの低減が
可能となる。
【0094】請求項9に記載の発明では、仕切板の両面
に設けられたスライド用溝部は、それぞれ相互に前記空
気流の流れ方向にずらされて段違いに形成されているの
で、ドアの開口面積が縮小されるのを最小限に抑えて通
気抵抗を低減し、風量を増加させることができる。
【0095】請求項10に記載の発明では、ドアの両側
端部に設けられた案内部材は、それぞれ相互に前記空気
流の流れ方向にずらされて段違いに形成されているの
で、複数枚のドアの形状を同一にして共用化することが
でき、部品点数を削減して、製造コストを低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す全体概略斜視図で
ある。
【図2】 図1の2−2線に沿う断面図である。
【図3】 図1の3−3線に沿う断面図である。
【図4】 図2の4−4線に沿う断面図である。
【図5】 ドアと駆動機構の関係を略示した斜視図であ
る。
【図6】 ドアを示す斜視図である。
【図7】 ドアと駆動機構の取り付け状態を示す断面図
である。
【図8】 カム溝の説明図である。
【図9】 図7の9−9線に沿う断面図である。
【図10】 図9の要部拡大図である。
【図11】 他の実施の形態に係る車両用空気調和装置
の組立手順を示す概略斜視図である。
【図12】 ドアと駆動機構の取り付け状態を示す断面
図である。
【図13】 さらに他の実施の形態に係る車両用空気調
和装置のドアの取り付け状態を示す断面図である。
【図14】 さらに他の実施の形態に係る車両用空気調
和装置のドアの取り付け状態を示す断面図である。
【図15】 ドアを示す斜視図である。
【図16】 他のドアおよび溝カムを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
10…上流側風路、 11…下流側風路、 11r,11l,11b…小風路、 12…エバポレータ、 13…ヒータコア、 14…バスパス通路、 21,22…仕切板、 23…駆動部、 26…歯部、 30,30a,30b…溝カム(スライド用溝部)、 31…歯車、 31d…駆動歯車、 31j…従動歯車、 32…駆動源、 34…外部歯車、 41a…導入部、 42…孔部、 43…回転軸支持部材、 C…ケース、 D(Dr,Dl,Db)…ドア、 M…駆動機構、 Ra,Rb…回転軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤羽 勝 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 Fターム(参考) 3L011 BA01 BH01 BH02 3L081 AA03 AB03 EA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エバポレータ(12)が設けられた上流側風
    路(10)と、このエバポレータ(12)により冷却された空気
    流が流れる下流側風路(11)とをケース(C)内に形成し、
    この下流側風路(11)に、前記上流側風路(10)からの空気
    流を下流側風路(11)に設けられたヒータコア(13)と該ヒ
    ータコア(13)をバスパスするバスパス通路(14)とに選択
    的に流したりあるいは所定の比率で流すようにしたドア
    (D)を設け、当該ドア(D)が前記空気流を遮断する方向
    にスライドし得るように配置してなる車両用空気調和装
    置において、 前記下流側風路(11)を前記空気流の流れ方向に沿って伸
    延された仕切板(21,22)により、少なくとも2つ以上の
    独立した小風路(11r,11l,11b)を形成するように仕切
    り、各小風路(11r,11l,11b)にそれぞれ前記ドア(D)を
    設け、各ドア(Dr,Dl,Db)を前記ケース(C)の外部からそ
    れぞれ独立にスライドさせ得るように構成したことを特
    徴とする車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】 ケース(C)内に形成された上流側風路(1
    0)と下流側風路(11)との間に、前記上流側風路(10)から
    の空気流を1つ又は2つの流れに分岐して下流側風路(1
    1)に流すドア(D)を設け、当該ドア(D)を駆動機構(M)
    により駆動するように構成してなる車両用空気調和装置
    において、 前記駆動機構(M)は、前記ドア(D)の移動方向に沿うよ
    うに当該ドア(D)の両側部に形成された歯部(26)と、当
    該歯部(26)に噛合される歯車(31)と、前記ケース(C)の
    外部に設けられた駆動源(32)とを有し、前記ドア(Dr)の
    歯部(26)に噛合される歯車(31)の一方を前記駆動源(32)
    により駆動される駆動歯車(31d)とし、他方を当該ドア
    の歯部(26)により回動される従動歯車(31j)としたこと
    を特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 【請求項3】 前記各ドア(Dr,Dl,Db)は、前記空気流を
    遮断する方向に伸びる面上に配置されていることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の車両用空気調和装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動機構(M)は、3つ以上設けられ
    た前記小風路(11r,11l,11b)の内の中間に位置する小風
    路(11b)に設けられたドア(D)の歯車(31)が、前記仕切
    板(21,22)に回動可能に軸支されていることを特徴とす
    る請求項2又は3に記載の車両用空気調和装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動機構(M)は、前記駆動源(32)よ
    り直接力を受ける外部歯車(34)と、前記各ドア(Dr,Dl,D
    b)の歯部(26)に噛合された駆動歯車(31d)とを同一軸線
    上に配置し、当該駆動歯車(31d)を駆動する軸と前記外
    部歯車(34)の軸を二重構造の軸としたことを特徴とする
    請求項4に記載の車両用空気調和装置。
  6. 【請求項6】 前記仕切板(21)は、前記ドア(D)をスラ
    イド可能に支持するための、前記ドア(D)の側端部に設
    けられた案内部材(27)が挿入されるスライド用溝部(30)
    を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気
    調和装置。
  7. 【請求項7】 前記仕切板(21)は、前記案内部材(27)を
    前記スライド用溝部(30)内に導入するための、前記スラ
    イド用溝部(30)を形成する壁部のうちの一部が外方に向
    けて開放された導入部(41a) を有することを特徴とする
    請求項6に記載の車両用空気調和装置。
  8. 【請求項8】 前記ドア(D)の移動方向に沿うように当
    該ドア(D)の両側部に形成された歯部(26)にそれぞれ噛
    合される歯車(31)と、当該歯車(31)が設けられた回転軸
    (Ra,Rb) と、前記仕切板(21)あるいは前記ケース(C)に
    形成された孔部(42)に取り付けられ、前記回転軸(Ra,R
    b) の少なくとも一端を回転可能に支持する回転軸支持
    部材(43)と、を有することを特徴とする請求項7に記載
    の車両用空気調和装置。
  9. 【請求項9】 前記仕切板(21)の両面に設けられたスラ
    イド用溝部(30a,30b) は、それぞれ相互に前記空気流の
    流れ方向にずらされて段違いに形成されていることを特
    徴とする請求項6に記載の車両用空気調和装置。
  10. 【請求項10】 前記ドア(D)の両側端部に設けられた
    案内部材(27)は、それぞれ相互に前記空気流の流れ方向
    にずらされて段違いに形成されていることを特徴とする
    請求項9に記載の車両用空気調和装置。
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