JP2001223172A - シート製造方法、シート、シート製造装置および太陽電池 - Google Patents

シート製造方法、シート、シート製造装置および太陽電池

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JP2001223172A JP2000326977A JP2000326977A JP2001223172A JP 2001223172 A JP2001223172 A JP 2001223172A JP 2000326977 A JP2000326977 A JP 2000326977A JP 2000326977 A JP2000326977 A JP 2000326977A JP 2001223172 A JP2001223172 A JP 2001223172A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、所望の厚みの均一性が良い、平
坦性に優れたシートの製造方法を提供する。 【解決手段】 凹凸部を有する基板1を、金属材料もし
くは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有す
る結晶性物質の融液に接触させ、前記結晶性物質の結晶
を前記基板1の表面上に成長させることで、前記結晶性
物質で形成されたシートを得るシート製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料もしくは
半導体材料を含む融液からシート(板状の基体)を製造
するシート製造方法および製造装置などに関するもので
ある。特に、本発明は、低コスト太陽電池を作製する技
術に関するもので、シリコン融液から直接太陽電池用の
シリコンシートを作製するためのものである。特に、シ
リコンシートの断面形状において、少なくとも融液側に
凹凸または曲面を持ったシリコンシートを製造可能なシ
リコンシート製造装置とその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽電池に用いられている多結晶
シリコンウエハの作製方法は、たとえば特開平6−64
913号公報に開示されたシリコン等多結晶物体の鋳造
方法がある。すなわち、不活性雰囲気中でリンあるいは
ボロンなどのドーパントを添加した高純度シリコン材料
を坩堝中で加熱溶融させる。そして、このシリコン融液
を鋳型に流し込んで徐冷し、多結晶インゴットを得よう
としている。したがって、このようにして得られた多結
晶インゴットから太陽電池用に使用可能な多結晶シリコ
ンウエハを作製する場合には、上記インゴットをワイヤ
ーソーや内周刃法などを用いてスライシングすることに
なる。
【0003】他の方法としては、スライス工程のないシ
リコンシートを作製する特開平7−256624号公報
に開示されたシリコン板の連続鋳造方法がある。このシ
リコン板の鋳造方法においては、水平加熱鋳型に溶融シ
リコンを供給し、水平方向にダミーの黒鉛プレートを挿
入してその先端の厚みを制御板下のシリコン融液に直接
接触させる。そして、シリコンが黒鉛プレートの先端に
固着したところで、ローラーを用いてシリコン板を横に
引き出すようにしている。また、冷却装置のガス吹き出
し管からのガスによる冷却によって、シリコン板を連続
的に得ようとする構造になっている。
【0004】また、更に他の方法のシリコンシート製造
方法として、特開平10−29895号公報に開示され
たシリコンリボンの製造装置がある。このシリコンリボ
ンの製造装置においては、シリコンの加熱溶解部と耐熱
材で構成された回転冷却体とで概略構成されている。そ
して、カーボンネットの一端部が予め巻き付けた回転冷
却体をシリコン融液に直接接触させることによって、上
記回転冷却体の表面にシリコンリボンを形成するもので
ある。そして、上記形成されたシリコンリボンを取り出
す場合は、回転冷却体を回転させると同時に巻き付けら
れたカーボンネットを引き出すことによって、上記カー
ボンネットに固着されたシリコンに続くシリコンリボン
を連続的に取り出す構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシリコン板あるいはシリコンシートを製造する方法
や装置には、以下のような問題がある。先ず、特開平6
−64913号公報に開示されたシリコン等多結晶物体
の鋳造法においては、多結晶シリコンインゴットに対す
るスライス工程が必要となるため、ワイヤーや内周刃の
厚み分だけスライスロスが生ずることになる。そのた
め、全体としての歩留まりが悪くなり、結果として低価
格なウエハを提供することが困難となる。
【0006】また、特開平7−256624号公報に開
示されたシリコン板の連続鋳造方法においては、上記厚
み制御板の下からシリコン板を引き出すことによって、
シリコン板の厚みを制御しているため、太陽電池に使用
されているような600μm以下の厚みの制御は困難で
ある。
【0007】また、特開平10−29895号公報に開
示されたシリコンリボンの製造方法においては、上記回
転冷却体を回転させてカーボンネットを引き出すことに
よって、カーボンネットに固着されたシリコンに続くシ
リコンリボンを連続的に取り出している。ところが、成
長したシリコンの厚みが非常に薄い場合には、カーボン
ネットとシリコンとが反応してシリコンリボンが脆くな
っているために、引出し途中でシリコンリボンが切れて
落下する場合がある。その場合には、運転を中止しなけ
ればならず、生産性が悪くなる。
【0008】また、シリコン融液を噴流の圧力によって
回転冷却体の外周面に加圧供給する機構が設けられてい
る。ところが、シリコン融液を攪拌することにより圧力
を加えているため、成長したシリコンに圧力が加わり欠
陥が導入されるおそれがある。
【0009】また、シリコンの成長速度は、シリコンを
溶融状態に保持するためのヒーター温度、浸漬深さ、回
転冷却体を循環している冷却ガスの種類とその流量、お
よび、回転冷却体の回転速度などの多数の因子で制御さ
れている。そのために、成長速度を制御しながら安定し
てシリコンリボンを引き出すのは技術的に困難である。
【0010】さらに、上記回転冷却体の表面に残ったシ
リコン細片をかきとるために楔体を設けている。したが
って、成長面である回転冷却体表面に直接接する楔体に
よって、回転冷却体表面が傷つけられたり、塗布してい
る離型材が削り取られることによって、成長するシリコ
ンリボンの均一性が損なわれるという問題もある。
【0011】安価な太陽電池を提供するためには、スラ
イスロスがなく、厚み制御が容易で、平坦性に優れた基
板が要求されているが、いずれの場合も、低コストで大
量生産ができ、薄く、平坦性に優れた基板を提供するの
は困難である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシートの製
造方法は、凹凸部を有する基板を冷却し、冷却された前
記基板の凹凸部の表面を、金属材料もしくは半導体材料
のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に
接触させ、前記材料の結晶を凹凸部の表面に成長させる
ことで、前記材料で形成されたシートを得るシート製造
方法である。
【0013】また、本発明に係るシート製造方法は、外
周面状に凹凸部を有するとともに前記凹凸部を冷却する
ことができる冷却部を有する回転体を回転させることに
より、冷却された前記凹凸部の表面を、金属材料もしく
は半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する
材料の融液に接触させ、前記材料の結晶を凹凸部の表面
に成長させることで、前記材料で形成されたシートを得
るシート製造方法である。
【0014】また、本発明に係るシート製造方法は、前
記凹凸部は、点状の凸部もしくは線状の凸部のうち少な
くともいずれか一方を有するシート製造方法である。
【0015】また、本発明に係るシート製造方法は、前
記凹凸部は、点状の凸部もしくは線状の凸部のうち少な
くともいずれか一方を有するとともに面状の凸部を有す
るシート製造方法である。
【0016】また、本発明に係るシート製造方法は、前
記凹凸部が、炭化珪素、窒化硼素、窒化珪素、もしく
は、熱分解炭素のうち少なくともいずれか一つの被覆材
料で被覆されているシート製造方法である。
【0017】また、本発明に係るシート製造方法は、前
記材料の結晶の成長は、前記凹凸部における凸部からの
成長であるシート製造方法である。
【0018】また、本発明に係るシートは、凹凸部を有
する基板を冷却し、冷却された前記基板の凹凸部の表面
を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいず
れか一方を含有する材料の融液に接触させ、前記凹凸部
における凸部から前記材料の結晶を前記基板の表面上に
曲面形状に形成させることにより得られる曲面形状部を
有する、前記材料で形成されたシートである。
【0019】また、本発明に係るシートは、点状の凸部
もしくは線状の凸部のうち少なくともいずれか一方を有
するとともに面状の凸部を有する凹凸部を有する基板を
冷却し、冷却された前記基板の凹凸部の表面を、金属材
料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を
含有する材料の融液に接触させ、点状の凸部もしくは線
状の凸部から前記材料の結晶を前記基板の表面上に曲面
形状に形成させるとともに、面状の凸部から前記材料の
結晶を前記基板の表面上に平面形状に形成させることに
より得られる、曲面形状部および平面形状部を有する、
前記材料で形成されたシートである。
【0020】また、本発明に係るシート製造装置は、外
周面状に凹凸部を有するとともに前記凹凸部を冷却する
ことができる冷却部を有する回転体と、金属材料もしく
は半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する
材料の融液が貯溜され、前記回転体を回転させることに
より、前記凹凸部を前記融液に接触させることができる
坩堝と、を有するシート製造装置である。
【0021】また、本発明に係る太陽電池は、本発明に
係るシートに電極を形成することで得られる太陽電池で
ある。
【0022】また、本発明に係る太陽電池は、本発明に
係るシートの平面形状部に電極を形成することで得られ
る太陽電池である。
【0023】シリコンシートを形成する場合、シリコン
シートを形成する回転冷却体の表面形状を凹凸にし、そ
の凸部を点状あるいは線状に形成することで、凸部の先
端からシリコン融液を凝固させることで、シリコンシー
トの少なくとも片面に凹凸の曲面を形成する。本発明で
製造されるシリコンシートはシリコン融液側に曲面を持
ったことを特徴とし、その連続した凸形状がリブの働き
をすることで、シリコン材料の少量化が可能になった
り、シリコンシートの強度が保たれ薄いシリコンシート
の大量生産が可能になる。
【0024】本発明に係るシリコンシート製造装置は、
点状の凸部もしくは線状の凸部のうち少なくともいずれ
か一方を有する凹凸部を外周面状に有するとともに前記
凹凸部を冷却することができる冷却部を有する回転体
と、シリコン融液が貯溜され、前記回転体を回転させる
ことにより、前記凹凸部を前記シリコン融液に接触させ
ることができる坩堝と、を有するシリコンシート製造装
置とすることが可能である。
【0025】また、回転冷却体は、シリコン融液に浸漬
される回転冷却体表面の凹部がV字溝あるいはU字溝形
状であることを特徴とする。このように回転冷却体の表
面に設けられたV字溝あるいは、U字溝で形成される回
転冷却体表面の凸部が点状あるいは回転方向に対して線
状に設けられ、凸部の先端がシリコン融液に浸漬される
ともに、内部から冷却される。こうすることによって、
上記先端にシリコンの結晶核が発生して、隣り合った先
端から成長してきた結晶とV字溝あるいはU字溝上で接
触してシリコンシートが形成されるので、シリコンシー
トの安定成長を可能にする。
【0026】さらに、上記のV字溝あるいはU字溝構造
をした回転冷却体を用いると、シリコンシートの製造条
件によっては、コルゲート型あるいは波板状のシリコン
シートを直接、回転冷却体上に作製することが可能とな
る。これにより、融液側に曲面を持っているだけでな
く、回転冷却体と接する面も曲面を有し、上記凸部の点
状あるいは線状形状が反映したものになる。これは、V
字溝あるいはU字溝の先端部からのシリコン結晶の成長
方向によって形状が変化するためである。このような形
状にすることで、大幅なシリコン材料の少量化が可能に
なる。
【0027】上記に加えて、以下の方式採用は更に工業
化を容易にする。上記の回転冷却体表面には、シリコン
カーバイド(SiC)被膜を存在させる。上記構成によ
れば、上記回転冷却体表面にSiC膜が存在すること
で、回転冷却体に用いる材料からの汚染を防止する。上
記発明の回転冷却体表面のV字溝あるいはU字溝は、
0.05mm以上、5mm以下のピッチであるものを用
いる。上記構成によれば、シリコンの結晶核が回転冷却
体のV字溝あるはU字溝の先端部にのみ発生するため
に、結晶粒の制御やシリコンシートの厚みの制御を容易
にすることができる。
【0028】また、上記構成によれば、0.05mm以
下のピッチにすることで、シリコン融液との接点が多く
なるために、成長速度を稼ぐことは可能となるが、結晶
粒の大きさは非常に小さくなるために好ましくない。5
mm以上のピッチにすると、結晶粒の大きさは大きくな
るが、成長速度を上げることが事実上、困難になる。
【0029】また、上記によれば、回転冷却体表面の凹
凸の段差、つまりV字溝あるいはU字溝の段差は、0.
05mm以上、5mm以下のものを用いるのが望まし
い。
【0030】上記構成によれば、回転冷却体の表面をシ
リコンの加熱溶解部に浸漬した際に、確実にV字溝ある
いはU字溝の先端部のみがシリコン融液に浸漬される。
0.05mm以下になると、回転冷却体表面のV字溝あ
るいはU字溝の先端部だけではなく、V字溝あるいはU
字溝の谷の部分にまでシリコン融液に浸漬されることに
なるため、接触面積が大きくなり固着するため、剥離が
困難になる。
【0031】以上のように、回転冷却体の表面構造を制
御し、浸漬条件などを適宜選択することで、適度な厚み
のシリコンシート形成が可能になる。
【0032】また、シリコンシート製造装置には、上記
回転冷却体の谷の部分に棒状のシリコンシートのかきと
り部を備える。
【0033】上記構成によれば、上記回転冷却体のV字
溝あるいはU字溝の先端部にシリコンの結晶核が発生し
て成長し、隣り合った先端部からの成長してきた結晶と
谷部で接触してシリコンシートが形成される。そして、
こうして形成されたシリコンシートは、かきとり部によ
って、容易にかつ連続的に上記回転冷却体からのV字溝
あるいはU字溝構造からかきとられて、剥離される。
【0034】その場合、かきとり部は、上記回転冷却体
の谷の部分の位置に設けられている。したがって、結晶
成長面である上記V字溝あるいはU字溝の先端部を傷つ
けることはない。さらに、回転冷却体表面には、V字溝
あるいはU字溝が形成されているだけでなく、その表面
にはSiC被膜が存在していることから、谷部に接触し
た部分からの汚染物質の落下も抑制できる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明は、冷却された基板表面
に、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいず
れか一方を含有する材料の融液から、直接、前記材料の
結晶を成長させるシート製造方法であるが、特に基板の
表面構造に特徴を有するものである。すなわち、前記基
板表面は凹凸部を有しており、凹凸部における凸部の形
状が、点状もしくは線状で形成されている。
【0036】線状の凸部とは、平坦な基板表面に溝を形
成することで作製することができる基板表面の凸部のこ
とを指す。これは、機械加工によって形成された基板表
面の研磨あるいは切断などで生じる研磨痕や切断痕も含
んでいる。すなわち、基板表面に存在するすべての凹凸
部を含んでいる。線状の凸部や点状の凸部は、以下のよ
うな方法で作製することができる。たとえば、平坦な基
板表面に、機械加工により1mmの幅の溝を、1mmピ
ッチで形成することで、基板表面に線状の凸部を1mm
ピッチで形成することができる。さらに、その線状の凸
部が形成された基板を、たとえば90度回転させ、同様
に1mm幅の溝を、1mmピッチで形成することで、点
状の凸部を1mmピッチで形成することができる。すな
わち、平坦な基板表面に溝を形成することで、線状の凸
部や点状の凸部を得ることができる。さらに、このよう
な線状の凸部や点状の凸部は、研磨あるいは切断などで
生じる研磨痕や切断痕によっても形成されている。すな
わち、基板表面に存在する凹凸部におけるすべての凸部
を指す。
【0037】図1および図2を用いて、本発明における
基板の構造の特徴について説明する。図1および図2に
おける基板は、その基板表面に凹凸部を有する。図1に
示された基板は、線状の凸部を有する。図2に示された
基板は、点状の凸部を有する。
【0038】図1および図2において、1は凹凸部をも
った基板であり、2は凹凸部をもった基板の線状の凸部
であり、3は凹凸部をもった基板の凹部であり、4は凹
凸部をもった基板の点状の凸部である。なお、線状の凸
部2において先端部が丸みを帯びていることも可能であ
り、また、点状の凸部4において先端部が丸みを帯びて
いることも可能である。
【0039】基板1の表面に凹凸部が設けられていない
平面基板を用いた場合、平面基板上に結晶が成長するこ
とでシートは形成される。しかし、かかる場合、形成さ
れたシートと基板との接着強度が比較的強いため、基板
から形成されたシートを剥離することが困難になる場合
がある。さらに、平面基板からの結晶成長の場合、結晶
核が基板上にランダムに生成することがある。その結
果、デンドライト成長が支配的となり、シート表面の凹
凸が大きくなったり、デンドライト成長した結晶の周り
にシートの形成が困難となる。したがって、平面基板を
用いると凹凸形状が均一で、基板からの剥離性が良いシ
ートを得ることが困難となる。
【0040】線状の凸部2もしくは点状の凸部4のうち
少なくともいずれか一方を設けることで、形成されたシ
ートを基板から容易に剥離することが可能になるのであ
る。これは、線状の凸部2もしくは点状の凸部4のうち
少なくともいずれか一方を設けることで、結晶の成長開
始点(すなわち、結晶核の発生点)を限定・制御するこ
とが可能になるためである。また、線状の凸部2もしく
は、点状の凸部4のうち少なくともいずれか一方を設け
ることで、凸部が最初に融液と接触するために、凸部に
核発生が起こり易くなる。このように凸部を設けること
で、基板と形成されたシートとの剥離性を向上させるこ
とが可能になるとともに、形成されたシートの凹凸形状
の均一性を制御することが容易になるのである。
【0041】図1および図2に示す基板表面に存在する
凹凸部は、V字溝構造を示しているが、これは特に限定
されない。また、溝形状の深さも基板内で同一の深さで
あるが、限定されない。溝の深さは、特に使用する材料
などによって適宜変更すれば良い。
【0042】つぎに、図3および図4を用いて、本発明
における基板の構造の特徴について説明する。図3およ
び図4における基板は、その基板表面に凹凸部を有す
る。図3に示された基板7は、線状の凸部2と面状の凸
部6を有する。図4に示された基板は、点状の凸部4と
面状の凸部6を有する。面状の凸部6とは、基板表面に
溝を形成することで作製することができる基板表面に残
っている凸部のことを指す。
【0043】図3および図4において、6は面状の凸部
である。凹凸部の凸部の形状は、点状もしくは線状のう
ち少なくともいずれか一方を有する凸部であるととも
に、面状の凸部が存在することが必要である。本発明で
は、面状の凸部6の他に、線状の凸部2もしくは点状の
凸部4のうちすくなくともいずれか一方が設けられてい
る。
【0044】線状の凸部2もしくは点状の凸部4のうち
少なくともいずれか一方を設けることで、形成されたシ
ートを基板から容易に剥離することが可能になるのであ
る。面状の凸部6を設けることで、剥離性の制御がより
容易になる。
【0045】つぎに、図5を用いて、図1に示された凹
凸基板1を用いた場合に得られるシートについての形状
の特徴について説明する。図5は、線状の凸部2を設け
た基板1と、その基板1の表面に結晶を成長させること
で得られるシート9との位置関係を示した斜視図であ
る。
【0046】融液を凝固させ、基板1上表面に結晶を成
長させることで得られるシートの形状は、曲面形状部を
有する構造になる。これは、下記の理由によるものであ
る。すなわち、基板1の線状の凸部2から成長した結晶
は曲面形状を有する構造になる。そのため、得られたシ
ートには、曲面形状が存在することになるのである。
【0047】基板表面上の成長は、以下のようにして起
こる。すなわち、融液と接する基板表面には、線状の凸
部2が設けられているため、融液と最初に接する場所で
ある線状の凸部2に優先的に結晶核が発生する。つぎ
に、基板1が冷却されているため、発生した結晶核から
結晶成長が始まる。線状の凸部2から成長した曲面形状
の結晶は、隣り合った線状の凸部2から成長した結晶が
成長するにつれつながり、曲面形状部を有するシート9
が形成されることになる。
【0048】しかしながら、得られるシート9の形状
は、図5に示したように、基板1の凹凸形状と一致する
ような形状にはならない。得られるシート9の形状は、
融液の表面張力、冷却された基板の基板温度、基板の移
動速度または回転速度、基板の凹凸部の形状などの諸因
子によって、概略、図5に記載されたシート9の形状に
成長する。
【0049】これは、凹凸部の線状の凸部2における先
端部分(すなわち突起部分)から成長が始まり、融液が
凹凸部の凹部まで深く進入しないうちに固化し、シート
9が成長するためである。そのため、線状の凸部2を有
する基板1を用いてシート9を得た場合、平面基板を用
いてシートを得た場合と比較して、基板と形成されたシ
ートとの接触面積が小さくなる。基板と形成されたシー
トとの接触面積が小さくなるため、得られた基板から容
易に剥がすことが可能になるのである。
【0050】仮に、冷却された基板の温度が高い場合
や、融液の温度が高い場合や、基板の移動速度または回
転速度が遅い場合は、融液が若干凹部まで進入すること
になる。そのため、形成されたシートの基板からの剥離
性が劣ることになる場合がある。
【0051】また、基板が十分に冷却されている場合
や、基板の移動速度または回転速度が速く、融液温度が
低い場合は、結晶核が形成された後、速やかに結晶が成
長し、シートを得ることができる。しかしながら、基板
の移動速度が速すぎる場合などのように、シート状に成
長するまでの時間が十分でない場合は、図6に示すよう
に線状の凸部2にのみ結晶が成長し、棒状の結晶ができ
たり、図7に示すように溝の一部分には成長せずに隙間
がある結晶ができることもある。
【0052】反対に基板の冷却が不十分でも、基板の移
動速度をまたは冷却部を有する回転体の回転速度を遅く
したり、融液温度をさらに低くしたりすることでシート
を得ることができる。なお、図5に基づき、図1の基板
を用いてシート9を形成する場合について説明を行って
きたが、図2の基板を用いてシート9を形成する場合に
おいても、図8に示すように、最初に結晶核の発生する
部分が、線状の凸部2から点状の凸部4に変わるが、そ
の後の結晶成長は図1の基板を用いた時と同様である。
【0053】すなわち、冷却された点状の凸部4に優先
的に結晶核を発生させることができ、その結晶核から結
晶成長が始まる。そして、結晶成長が進行するにつれ
て、隣接する点状の凸部4から成長した結晶同士がつな
がってシート12が形成されるのである。得られたシー
ト12の形状は、湾曲形状をしている。
【0054】なお、線状の凸部2を有する基板1を用い
た場合と、点状の凸部4を有する基板5を用いた場合
の、基板とシートとの剥離性を比較すると、点状の凸部
4から成長したシート12の方が剥離性が高い。これ
は、基板とシートの接触面積に大きく関係している。
【0055】また、基板が十分に冷却されている場合
や、基板の移動速度または回転速度が速く、融液温度が
低い場合は、結晶核が形成された後、速やかに結晶が成
長し、シートを得ることができる。しかしながら、基板
の移動速度が速すぎる場合などのように、シート状に成
長するまでの時間が十分でない場合は、図9に示すよう
に点状の凸部4にのみ結晶が成長し、略球状の結晶がで
きたり、図10に示すように一部分に略球状の結晶が成
長し、隙間がある結晶ができることもある。
【0056】つぎに、図11を用いて、図3に示された
基板7を用いた場合に得られるシート形状の特徴につい
て説明する。図11は、面状の凸部と線状の凸部を設け
た基板と、その基板の表面に結晶を成長させることで得
られるシートとの位置関係を示した斜視図である。
【0057】融液を凝固させ、基板7上表面に結晶を成
長させることで得られるシート15の形状は、曲面形状
部と平面形状部とを有する構造になる。これは、下記の
理由によるものである。すなわち、基板表面の面状の凸
部から成長した結晶は平面形状を有しており、一方、基
板の線状の凸部から成長した結晶は曲面形状を有する。
そのため、得られた一枚のシートには、平面形状部と曲
面形状部とが存在することになるのである。
【0058】基板表面上のシートの成長は以下のように
して起こる。すわなち、融液と接する基板表面には、線
状の凸部と面状の凸部とが設けられているため、融液と
最初に接する場所である面状の凸部および線状の凸部に
優先的に結晶核が発生する。つぎに、基板が冷却されて
いるため、発生した結晶核から結晶成長が始まる。面状
の凸部から成長した平面形状の結晶と、線状の凸部から
成長した曲面形状の結晶とは、それぞれの結晶が成長す
るにつれつながり、平面形状部と曲面形状部とを有する
シートが形成されることとなる。
【0059】しかしながら、得られるシート15の形状
は、図11に示したように、基板の凹凸形状と一致する
ような形状にはならない。得られるシート15の形状
は、融液の表面張力、冷却された基板の基板温度、基板
の移動速度または回転速度、基板の凹凸部の形状などの
諸因子によって、概略、図11の形状に成長する。
【0060】なお、図11に基づき、図3の基板7を用
いてシートを形成するについて説明を行ってきたが、図
4の基板8を用いてシートを形成する場合においても、
図12のように、最初に結晶核の発生する部分が、線状
の凸部から、点状の凸部に変わるが、その後の結晶成長
は図3の基板を用いた時と同様である。
【0061】すなわち、冷却された面状の凸部6および
点状の凸部4に優先的に結晶核を発生させることがで
き、その結晶核から結晶成長が始まる。そして、結晶成
長が進行するにつれて、隣接する面状の凸部6および点
状の凸部4から成長した結晶同士がつながってシートが
形成されるのである。なお、線状の凸部や点状の凸部か
ら成長した結晶は湾曲形状であり、結晶粒が小さくなる
傾向があるため、面状の凸部を多く存在させる方が好ま
しい。
【0062】図3に例示した基板7もしくは図4に例示
した基板8のいずれの基板を用いた場合も、面状の凸部
から成長した結晶は平面形状となり、点状の凸部または
線状の凸部から成長した結晶は曲面形状をもった構造に
なる。そのため形成されたシートは、曲面形状部および
平面形状部を有するシートとなる。このように平面形状
部と曲面形状部とが存在しているシートは、平面形状部
が補強の役目を果たすので、シート自身の強度が向上す
るようになる。
【0063】つぎに、図13および図14を用いて、得
られたシートへの電極の形成方法を説明する。図13
は、得られたシート9の上に電極17を形成した場合の
斜視図であり、17は形成した電極である。また、図1
4は、平面形状をもったシートの平面形状部上に電極1
8を形成した場合の斜視図である。
【0064】図13は、シートに形成される凹部と平行
な4本の電極と、その電極と垂直に交わるようにさらに
1本の電極を形成しているが、電極の形成方法は、特に
限定されない。すなわち、シートに形成される凹部に電
極を形成することも可能である。
【0065】図14は、得られたシートの平面形状部に
電極18を形成することで、電極18の断線を防止しつ
つ、しかも電極を太くすることなく電極18をシート1
5上に形成できるのである。
【0066】基板が凹凸部をもっており、面状の凸部が
構成されているため、形成されたシートに平面形状部が
形成され、電極を容易に形成することが可能となる。電
極の形成方法は、たとえば、スクリーン印刷法や蒸着法
やめっき法などを使用することが可能であるが、特に限
定されない。
【0067】プロセス上、低コスト化が期待できるスク
リーン印刷法のようにスクリーンマスクが接触して電極
を形成するような方法であっても、本発明のシートで
は、補強リブが入った形状になっているために十分に使
用可能である。
【0068】得られたシートで太陽電池を作製する場
合、受光面電極は細くし、裏面電極は全面に作製するこ
とが好適である。凹凸部をもったシートは、表裏とも同
じような形状をしているため、どちらを受光面に用いて
も良いが、好ましくは、基板との剥離面を太陽電池の裏
面電極側にするのが好ましい。これは、凹凸部におけ
る、線状の凸部や点状の凸部、および面状の凸部で結晶
核の発生が起こり、非常に細かい結晶粒が形成されるた
めである。このように、電極を必要とするデバイスに
は、直接、平面形状部への電極が形成可能であるため、
本発明に係るシート製造方法で形成されたシートが非常
に有効である。
【0069】図14に示した形状のシート15は、太陽
電池を作製する基板として、光入射側にグリッド状の電
極を形成する部分をあらかじめ平面状にすることが可能
になる点で有用である。単結晶や多結晶のシートからこ
のような形状の基板を作製することは不可能ではない
が、酸化膜を用いたり、あるいはレジスト塗布によるパ
ターニングなどを行い、その後エッチングにより余分な
部分を除去しなければ得ることができない。しかも、本
発明で得られるシートは、多結晶であるため、様々な面
方位をもった結晶粒が存在し、パターニングを行っても
エッチング速度が面方位によって異なることから、図5
から図14のように得られるシートを成形するのは困難
である。すなわち、融液から図5から図14のような表
面形状や断面形状を有するシートを直接得る本発明に係
るシート製造方法は、低価格なシートを提供することが
可能である。
【0070】つぎに、基板上に設けられている凹凸部に
ついて、詳細に説明する。図1において、線状の凸部2
を有する基板1における、凹凸部の隣り合った線状の凸
部2の間隔は特に限定されない。しかしながら、線状の
凸部2の間隔を一定のピッチで設けると、得られるシー
トの均一性が高くなるため、より好ましい。線状の凸部
2の間隔が不規則であったとしても、図3に示すような
面状の凸部を形成したり、面状の凸部の幅(面積)を比
較的大きくすることで、得られるシートの均一性および
平坦性を確保することが可能になる。このように、適
宜、線状の凸部の間隔や、面状の凸部の有無、面状の凸
部の幅(面積)を選択することで、平坦性を制御するこ
とができ、所望の形状のシート得ることが可能となる。
また、図2および図4の場合も同様に、適宜、点状の凸
部の間隔や、面状の凸部の有無、面状の凸部の幅(面
積)を選択することで、平坦を制御することができ、所
望の形状のシートを得ることが可能になる。
【0071】さらに、凹凸基板の隣り合った凸部の間隔
は、凹凸部を設けた基板と得られるシートとの剥離性を
大きく左右する。すなわち、隣り合った線状の凸部の間
隔が狭すぎる場合、基板と形成されたシートとの接触部
分が増えるため、形成されたシートを基板から剥離する
のに要する力が比較的多くなる場合がある。一方、隣り
合った線状の凸部の間隔が広すぎると、基板上に結晶が
成長する時間を比較的長く要することになり、結晶が成
長する時間を短縮するためには、基板温度をさらに下げ
たり、融液温度を下げたり、基板の移動速度を遅くした
りすることが必要になり、その結果、生産性が若干劣る
ことになる。なお、同様に、凹凸部の隣あった点状の凸
部の間隔は、凹凸部を設けた基板と得られるシートの剥
離性を大きく左右する。
【0072】図3および図4に示す凹凸部の隣り合った
面状の凸部6の間隔は、特に限定されないが、面状の凸
部6の幅(面積)が大きければ大きいほど、得られるシ
ートの平坦性はあがる。その一方で、面状の凸部6の幅
(面積)が比較的大きい場合、形成されたシートの基板
との剥離性が悪くなる傾向になるため、適宜、面状の凸
部6の幅(面積)は、選択する必要がある。図3および
図4においては、隣り合った面状の凸部6と面状の凸部
6との間に、線状の凸部や点状の凸部が設けられている
が、その本数(個数)は、特に限定されず、適宜、平坦
性、剥離性などを考慮し、凸部の設計を行うことが可能
である。
【0073】得られたシートから太陽電池を作製する場
合、線状の凸部のピッチは0.05mm以上である方が
好ましい。また、同様に点状の凸部のピッチは0.05
mm以上である方が好ましい。0.05mmよりも細か
いピッチで、線状の凸部あるいは点状の凸部を設ける
と、形成されるシートの結晶粒が細かくなりすぎ、太陽
電池の特性がよくならないため、あまり好ましくない。
【0074】図1から図4における凹部の形状はV字溝
であるが、凹部の形状は、図15から図17に示すよう
にV字溝、U字溝、台形溝、斜めの溝などの形状に設定
することが可能であるが、特に限定されない。41はU
字溝形状をもった線状の凸部と面状の凸部をもった基
板、42は台形溝形状をもった線状の凸部と面状の凸部
をもった基板、43は斜めの溝形状をもった線状の凸部
と面状の凸部をもった基板である。凹部の溝の深さは、
0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であ
る。凹部の溝の深さが0.05mmよりも浅い場合、溝
の凹部で結晶が成長することにより、形成されたシート
を基板から剥離するのが困難になる場合があるからであ
る。しかしながら、溝の深さは、融液材料の表面張力に
よっても、効果が異なるため、基板の表面構造と融液材
料によって適宜選択する必要がある。図では、溝の深さ
はすべて同じ深さで示しているが、同じ深さにする必要
はなく、複数の深さの溝を有するものでもよい。すなわ
ち、凹凸部の溝の深さによっても、基板が冷却されてい
る場合においては、基板表面の温度分布が若干異なるた
めである。そのため、温度制御をする上では基板の表面
形状と溝の深さを適宜選択する必要がある。
【0075】さらに、図3および図4において、凹凸部
における、面状の凸部6は、直交した形態であるが、特
に直交している必要はない。図18から図23に面状の
凸部が直交していない場合と成長するシートの概観図を
示す。44、46、48、50、52、54はそれぞれ
凹凸部をもった基板であり、45、47、49、51、
53、55はそれぞれ凹凸部をもった基板から得られた
シートである。
【0076】図18および図19に示すように面状の凸
部が平行に形成されている場合や、図20に示すように
溝と平行に面状の凸部が形成されている場合や、図21
および図22に示すように溝と垂直に面状の凸部が形成
されている場合や、図22に示すように部分的に溝が形
成されている場合などが考えられる。しかしながら、得
られたシートから大面積の太陽電池を作製する場合に
は、面状の凸部は直交している形態である方が好まし
い。それは、太陽電池の特性を上げるため、できるだけ
多くの電流を取り出すことが必要であるためである。つ
まり、バスバー電極(メイン電極)とフィンガー電極
(サブ電極)を直交に設けることで、直列抵抗を低減で
きるように設計することが容易にできるからである。そ
のため、面状の凸部の幅も直列抵抗を低減するように設
計する方が、好ましい。すなわち、バスバー電極になる
部分は、凸部の幅を太くし、フィンガー電極になる部分
は凸部の幅を狭くする方が好ましい。このように、面状
の凸部の幅を目的にそって、適宜設計することで、特性
の良好な太陽電池を得ることが可能になるのである。
【0077】このように、凹凸部をもった基板の凸部
は、直接シートの成長起点になることから、凸部の形
状、凸部の幅、凸部のピッチ、融液材料、融液温度、基
板材質、基板温度などに依存するため、適宜選択するこ
とが好ましい。
【0078】以上のように、あらかじめ基板の凹凸部の
形状を制御することで、シートの成長起点となる結晶核
の分布を制御することができ、均一性、剥離性に優れた
シートを得ることが可能になる。
【0079】凹凸部をもった基板の材質は、熱伝導性、
耐熱性に優れた材料である方が好ましい。たとえば、高
純度黒鉛、炭化ケイ素、石英、窒化硼素、アルミナ、酸
化ジルコニウム、金属などを使用することが可能である
が、使用する融液に応じて最適な材質を選択すれば良
い。
【0080】高純度黒鉛は、比較的安価であり、加工性
に富む材質であるため凹凸部を作製するのが容易である
ためより好ましい。基板の材質は、工業的に安価である
こと、得られるシートの基板品質などの種々の特性を考
慮し、融液材料と基板の組み合わせは、適宜選択するこ
とが可能である。さらに、基板に金属を用いる場合、常
に冷却し続けるなど、基板の融点以下の温度で使用し、
得られたシートの特性にさほど影響を与えなければ、特
に問題はない。
【0081】基板の冷却手段は、大きく分けると直接冷
却と間接冷却とを使用することが可能である。直接冷却
は、基板に直接ガスを吹きかけて冷却する手段である。
一方、間接冷却は、基板を間接的にガスもしくは液体に
より冷却する手段である。冷却ガスの種類は特に限定さ
れないが、得られるシートの酸化を防ぐ目的で、不活性
ガスである窒素、アルゴン、ヘリウムなどを用いること
が好ましい。特に冷却能力を考慮すると、ヘリウムまた
はヘリウムと窒素との混合ガスが好ましいが、コストを
考慮すると窒素が好ましい。冷却ガスは、熱交換器など
を用いて循環させることで、さらなるコスト低減を図る
ことができる。
【0082】つぎに、凹凸部を有する基板を用いたシー
ト製造装置について説明する。図24の横引き法による
シート製造装置の概略図を用いて、基板を連続的に設置
した連続基板へのシートの形成方法を説明する。
【0083】図24において、19は凹凸部を有する連
続基板、20は坩堝、21は融液である。坩堝中の融液
は、ヒーターにより融点以上に加熱されており、融液状
態で安定している。融液には、シリコン、ゲルマニウ
ム、ガリウム、ひ素、インジウム、リン、硼素、アンチ
モン、亜鉛、すずなどの半導体材料を含む融液、また
は、アルミニウム、ニッケル、鉄など金属材料を含む融
液を使用することができる。
【0084】坩堝20の底面部の一部は開口されてお
り、その開口部から融液21が連続基板19上に連続し
て供給できる構造になっている。その連続基板19で結
晶が成長してシートが形成されるのである。坩堝の移動
速度、連続基板の基板温度、融液温度、などを制御する
ことにより、形成されるシートの厚みを容易に制御する
ことができる。
【0085】つぎに、図25の回転冷却体法を使用した
場合の基板上へのシートの作成方法を説明する。図25
は、可動の回転体を備えたシート製造装置の概略図であ
る。22は可動の回転体、23は回転体の表面に設けら
れた凹凸部である。ここでの凹凸部の表面形状は、線状
の凸部と面状の凸部を有する表面構造を示している。ま
た、回転体の表面に凹凸部をもった構造を示している
が、取り外せる構造であっても良い。凸部は、回転体の
外周面上に、回転体の回転中心に対して外方向に向くよ
うな構造になっている。
【0086】つぎに、図25における回転体の断面の内
部構造を図26を用いて説明する。図26は、冷却部を
有する回転体を備えたシート製造装置の冷却部の断面で
ある。24は冷却ガスノズルである。冷却ガスノズル2
4は、回転体22の内部から冷却するとともに、さらに
回転体22の表面に存在する凹凸部を間接的に冷却す
る。このように間接的に凹凸部を冷却する構造にするこ
とで、シートの連続生産も可能になるのである。回転体
22に設けられた内部の冷却手段は、基板を冷却するこ
とができる冷却手段であれば、特に限定されないが、回
転体に取り付けられた基板を均一に冷却できる構造にす
る必要がある。すなわち、気体や液体によって冷却する
構造が好ましい。
【0087】冷却ガスの種類は、不活性ガスである窒
素、アルゴン、ヘリウムなどを用いることが好ましい。
特に冷却能力を考慮するとヘリウムまたはヘリウムと窒
素との混合ガスが好ましいが、コストを考慮すると窒素
がより好ましい。さらに、冷却ガスや冷却水は熱交換器
などを用いて循環させることで、コスト低減を図ること
も可能になる。図25および図26を用いて、線状の凸
部と面状の凸部をもった表面構造について、説明を行っ
てきたが、図31に示すように線状の凸部のみで形成さ
れていても良い。さらには、図1から図4や図15から
図23に示される基板に設けられた凹凸部の形状にする
ことも可能である。
【0088】これまで、冷却体表面の構造について説明
してきたが、シートの成長する面に凹凸部が存在してい
れば良い。すなわち、図26および図31に示すよう
に、回転体の表面に凹凸部が存在していればよい。図2
6の表面には、線状の凸部と面状の凸部が形成されて
り、図31の表面には、線状の凸部が形成されている。
図では、示していないが点状の凸部であっても構わな
い。
【0089】つぎに、円筒の冷却体について、説明を行
ってきたが、多角柱の冷却体について説明する。成長面
が平坦であるために、得られるシートも平坦となり、太
陽電池を作製する上では、非常に有効である。
【0090】図27は、可動の多角柱型の回転体を備え
たシート製造装置の概略図である。56は線状の凸部を
持った冷却体である。この図では、4面がシートの成長
面となるが、特に4面である必要はない。生産性を考慮
すると、直径の大きな回転体を用い、一回転で複数枚の
シートを得ることができる構成にする方が好ましい。図
27は、平面を有する回転体の上に、線状の凸部が形成
された場合である。この時、線状の凸部は、回転体の回
転方向と平行になるように形成されている。
【0091】一方、図28は、線状の凸部が回転体の回
転方向と垂直になるように形成されている。57は線状
の凸部を持った冷却体である。線状の凸部を設けた凹凸
部上に、シートを形成する場合には、線状の凸部は、回
転体の回転方向と平行に形成されているほうが好まし
い。これは、回転方向と平行にすることで、凹凸形状を
もった基板表面を融液が通過しやすくなるためである。
すなわち、融液の移動がスムーズとなり、得られるシー
トに液だまりなどによって形成する突起などを形成せず
に済むからである。さらに、突起を抑制するために、融
液が基板内のある一ヶ所に集めるように凸部が一ヶ所に
集まるような溝形状にすることも可能になる。たとえば
図36に示すように、溝を斜めに入れ、凸部を中央に集
める構造にすることで、液だまりが中央部分に集まるよ
うになる。
【0092】このような、多角柱型の回転体において
も、そのシートの成長面の表面構造に図1から図4や図
15から図23に記載された基板に設けられた凹凸部の
形状にすることも可能である。図28のような場合で
も、突起を形成せずにシートは作製することは可能であ
る。これは、表面の溝構造や、多角柱型の平面と平面と
の間隔を制御することで、容易に改善できるからであ
る。
【0093】以上のように、凹凸部を持った基板が移動
する場合(図25〜図28および図31)や基板が移動
せず坩堝が移動する場合(図24)でも、基板が移動す
るしないに関わらず、シートの形状を考慮した上で、基
板の凹凸部の表面形状を設計することが可能である。
【0094】凹凸部を持った基板の表面には、高純度な
被膜が形成されていても良い。また、凹凸部の表面を高
純度な被膜で被覆してもよい。被膜材料には、炭化ケイ
素(SiC)、窒化硼素(BN)、窒化珪素(SiN
x)、熱分解炭素のうち少なくとも1種類以上の材料で
被覆されていることが好ましい。すなわち、基板表面に
高純度な被膜が存在することで、得られるシートへの汚
染も避けることができる。特に、得られる融液にシリコ
ンを用いる場合などでは、炭化ケイ素、窒化珪素、熱分
解炭素などを用いることが可能である。すなわち、凹凸
基板上に1種類以上の材料で被覆されることで、表面凹
凸の凹部への融液の進入を妨げることができる。すなわ
ちシリコン融液に対して、濡れ性の低い材料を用いるこ
とで凹部への進入を妨げる。また、シリコン融液に対し
て、濡れ性の高い材質でも熱分解炭素のように層状に成
膜されるような材料などでは、たとえ、平面基板上では
シートが固着するような条件でも、基板表面上に凹凸が
あることと表面被覆材料自身が層状であることから、基
板からシートを容易に剥離することが可能になる。
【0095】表面材料を1種類以上の材料で被覆する
が、熱膨張係数が極端に違わない方が好ましい。これ
は、高温に曝される基板表面と冷却される基板側との熱
膨張係数との差によって、被膜がはがれる可能性がある
からである。
【0096】以上のように、凹凸部の表面には、適宜、
被覆材料や被覆膜厚を制御することで、高品質なシート
を得ることができるようになる。このような方法で形成
されたシートは、マイクロカッターやYAGレーザーな
どを用いて所望の大きさ(長さ)に切断したり、そのま
ま使用することができる。
【0097】つぎに、図29の回転体を用いたシート製
造装置の内部の概略図を用いて、シート作製方法を説明
する。25は坩堝、26は昇降機構が設けられた坩堝
台、27は温度調節用ヒーターである。融液が入った坩
堝25は、坩堝台26上に設置されている。冷却部を有
する回転体は、坩堝上に設置されており、図ではその回
転体表面には、回転方向と同じ方向に線状の凸部が存在
しており、坩堝内の融液に接触できるような構造になっ
ている。
【0098】つぎに、図30のシート製造装置の概略図
を用いて、シートの製造方法を説明する。28は原料追
加投入管、29は断熱材、30はチャンバー、31はシ
ート搬送用のガイドローラーである。ここでは、円筒形
の回転体を設置しているが、図27および図28などの
多角柱型の冷却体も用いることができる。さらに、回転
体の表面形状は、図1から図4や図15から図23に記
載された基板の凹凸部の形状にすることも可能である。
【0099】このシート製造装置は密閉性の良好なチャ
ンバー30内に設置されており、真空排気後に不活性ガ
スでガス置換を行う。この不活性ガスとしては、アルゴ
ン、ヘリウムなどを使用することが可能であるが、コス
トを考慮するとアルゴンがより好ましい。
【0100】チャンバー30内には、融液温度を厳密に
制御するため、断熱材29と複数の温度調節用ヒーター
27を設置することが好ましい。これは、チャンバー3
0内の雰囲気温度と融液との温度を厳密に制御すること
で、より再現性よく、かつ安定してシートを得ることが
可能になるためである。融液の温度は、金属材料もしく
は半導体材料の融点以上であることが好ましい。融点近
傍であると、冷却されている基板が融液に接することで
湯面凝固を引き起こす可能性があるためである。
【0101】さらに、融液が入った坩堝25は、坩堝台
26上に設置されているが、この坩堝台26には昇降機
構が設けられていることが好ましい。これは、基板上で
シートを成長させるため、常に基板が融液に同じ深さで
浸漬されていることが好ましいからである。
【0102】なお、湯面位置を一定に保つ方法として、
融液と同じ材料の多結晶体を溶融させる、あるいは追加
投入管28を用いて、粉体を順次投入する方法などを用
いることが可能であるが、湯面位置を一定に保つ方法は
特に限定されない。ただし、できるだけ融液の湯面を乱
さないようにすることが好ましい。融液の湯面を乱す
と、得られるシートの均一性が損なわれる可能性がある
ためである。
【0103】以下、さらにこの発明を図31を用いなが
ら詳細に説明する。本装置は、シリコンシートを作製す
るのに好適である。図31は、本実施の形態の回転冷却
体における断面図である。本実施の形態における回転冷
却体は、その表面に凹凸を形成し、その凹部の断面形状
をV字溝あるいはU字溝とし、回転冷却体の凸部を点状
あるいは線状にして、その部分からシリコンシートを凝
固成長させることによって、シリコンシートを容易にか
つ連続的に引き出すことを可能にようにするものであ
る。以下、詳細に説明する。
【0104】図31において、32は回転冷却体、33
は回転冷却体のV字溝先端部(回転冷却体の凸部の先
端)、34はV字溝の谷部、35は冷却ガスを導入する
ガスノズルである。回転冷却体32の材質は、高温でも
耐久性のある材質であればよい。たとえば、高純度カー
ボン、耐火性のセラミックス、窒化珪素・窒化硼素など
の成形体などが考えられるが、上記カーボン材料は安価
である上に加工性に富んでいるためより好ましい。ま
た、回転冷却体32には、金属材料も使用可能である。
すなわち、シリコンの融点よりも高融点金属で、得られ
たシリコンシートの半導体特性にさほど影響を与えなけ
れば特に問題はない。あるいは、シリコンよりも低融点
であっても、その金属の融点以下まで常に冷却ガスや冷
却水を流すのであれば特に問題はない。V字溝先端部3
3は、回転冷却体32の表面に環状に複数形成されてお
り、所定ピッチで所定の深さを有するとともに、その内
部には冷却ガスや冷却水が導入できるように中空になっ
ている。
【0105】回転冷却体32の内部には、同軸でガスノ
ズル35が配設されており、外部から冷却ガスが吹き出
され、V字溝先端部33に向かうように設けられてい
る。上記冷却ガスの種類は、直接シリコン融液には接触
しないために特に限定はしないが、より好ましくは不活
性ガスであるN2、He、Arなどである。特に冷却能
力を考慮すると、HeまたはHeとN2との混合ガスが
好ましいが、コストを考慮するとN2がより好ましい。
上記冷却ガスは、回転冷却体1を内側から冷却した後は
外部に排気されるが、回転冷却体1を冷却体した後の排
気ガスを外部の熱交換器(図示せず)を循環させること
で、さらなるコスト低減を図ることが好ましい。
【0106】上述のごとく、本実施の形態における回転
冷却体32の表面には、図31に示すような断面でV字
溝構造が設けられている。回転冷却体32におけるV字
溝の先端部の厚みを薄くし、V字溝の谷部を厚くするこ
とで、冷却効果向上が期待できる。なお、更に冷却効果
を高めるには、回転冷却体32内部に凹凸を形成するな
どにより表面積を大きくすることが好ましい。つまり、
回転冷却体32内部に凹凸を設けることで、冷却ガスの
接触面積を大きくすることが好ましい。
【0107】回転冷却体32をシリコン融液に浸漬して
表面にシリコンシートを形成するのであるが、図32に
示すように、冷却されたV字溝先端部33をシリコン融
液に浸漬することによって、V字溝先端部33から優先
的にシリコンの結晶核を発生させることができ、その結
晶核から結晶成長が始まる。そして、結晶成長が進行す
るにつれて、隣接するV字溝先端部33から成長したシ
リコン結晶同士がつながってシリコンシート60が形成
される。
【0108】このような方法で作製されたシリコンシー
トは、融液側には湾曲面を持って成長する。すなわち、
結晶核の形成部分は、回転冷却体32のV字溝あるいは
U字溝の先端部になり、そこから成長する成長初期のシ
リコンシートは、十分に冷却された状況になり、ほぼ回
転冷却体面を反映した形状になる。しかしながら、シリ
コンシートを剥離することを考えると、回転冷却体の表
面構造と完全に一致しない方がよい。これは、回転冷却
体32と完全に一致したシリコンシートを得ようとする
と、回転冷却体32と完全に固着することになり、剥離
性が良好なシリコンシートを得ることは不可能となるか
らである。
【0109】一方、融液面側は、完全に冷却されずにシ
リコン融液状態で存在する部分が一部存在する。この融
液状態で存在するシリコンは、その重力によって融液側
に曲面をもった形状をとるようになる。このような形状
は、本発明に係る方法によって作製したシリコンシート
の特有な形状になる。この製造方法で作製したシリコン
シートは、スライス基板に対してスライス損失がないだ
けでなく、曲面形状を有している分だけシリコンの少量
化が図れるため、低コストでシリコンシートを提供でき
る。
【0110】さらには、回転冷却体32のV字溝あるい
はU字溝構造をした回転冷却体を用いると、シリコンシ
ートの製造条件により、コルゲート型あるいは、波板状
のシリコンシートを直接回転冷却体に上に形成すること
が可能になる。すなわち、融液側に曲面を持っているだ
けでなく、回転冷却体との接する面にも特徴が存在す
る。
【0111】回転冷却体32を冷却する冷却ガスが十分
であったり、回転速度が十分に早かったりすると、回転
冷却体32のV字溝あるいはU字溝の先端部分に発生し
たシリコン結晶核が速やかに発生する。つぎにシリコン
の結晶成長が始まり、冷却ガスの冷却能力あるいは回転
冷却体32の回転速度によって、その結晶成長の方向が
決定されることになる。冷却ガスの冷却ガス能力が十分
で、かつ回転冷却体32の回転速度が大きく、融液温度
が低い場合は、図32に示すように回転冷却体32のV
字溝あるいはU字溝構造の先端部33に沿って結晶核が
形成された後、シリコン結晶が成長するが、その結晶の
成長方向としては融液側への方向になる。逆に、冷却ガ
スの冷却ガス能力が不十分で、回転冷却体32の回転速
度が小さく、かつ融液温度が高い場合には、図33に示
すように回転冷却体32のV字溝あるいはU字溝構造の
先端部33に沿って結晶核が形成された後、シリコンが
結晶成長するが、その結晶の成長方向が回転冷却体の溝
構造の面に沿った方向になる。
【0112】いずれの場合も、回転冷却体の表面とシリ
コンシートの形状は、図32および図33に示すように
完全に一致することはない。すなわち、回転冷却体の表
面形状が転写されるようにシリコンシートの表面形状が
完全に一致すると、回転冷却体の表面とシリコンシート
との接着力が強くなり、剥離することが困難になり連続
生産という観点からは、好ましくない。以上のように、
シリコンシートの形成条件を適宜選択することで、所望
の形状をしたシリコンシートを得ることが可能になる。
【0113】さらに、コルゲート型や波板状の表面形状
を有するシリコンシートは、シリコンウエハを用いても
作製することは可能であるが、酸化膜あるいはレジスト
塗布によるパターニング工程などを行い、その後エッチ
ングしなければ得ることができない。さらに、得られる
シリコンシートは多結晶であるため、様々な面方位をも
った結晶粒が存在する。そのため、パターニングを行っ
てもエッチング速度が面方位によって異なることからコ
ルゲート型あるいは波板状に成形するのは困難である。
すなわち、シリコン融液からコルゲート型や波板状の表
面形状を有するシリコンを直接得るこの方法の方が、低
価格でシリコンシートを得ることが可能になる。
【0114】このように、冷却ガスの冷却能力、回転冷
却体の回転速度、シリコン融液の融液温度などを変化さ
せることによって、所望の形状のシリコンシートを容易
に得ることができる。いずれの場合も、本発明に示され
ているように融液側には湾曲面をもった構造になってい
る。
【0115】図31に示したガスノズル35は回転せ
ず、回転冷却体32のみが回転することが好ましい。ガ
スノズル35と回転冷却体32が共に回転すると、回転
冷却体32における冷却される個所が常に同じになるた
め、回転冷却体32の表面に一様にシリコンシートを成
長させることが困難になるからである。このような構造
を採用することによって回転冷却体32の内部を均一に
冷却することができ、均一な形状のシリコンシートを得
ることが可能になる。
【0116】また、図31において、ガスノズル35は
上下方向に設置されているが、特に限定するものではな
い。しかしながら、均一に冷却するという観点からすれ
ば、ガスノズル35が一方向に向いているよりも複数の
ノズルが放射方向に向いていることが好ましい。こうす
ることによって、回転冷却体32の表面に効果的に結晶
核を発生させることで、均一なシリコンシートを得るこ
とが可能になる。
【0117】回転冷却体32の表面に設けるV字溝もし
くはU字溝構造においては、その表面にSiC膜が形成
されていることが好ましい。回転冷却体32に黒鉛製の
回転冷却体を用いると、シリコンの結晶核が発生する部
分が黒鉛表面上になるため、シリコンシートが黒鉛表面
上に形成されることになる。そのため、シリコンシート
を剥離すると、シリコンシートが黒鉛と接していた部分
には、黒鉛が付着するようになる。シリコンシートに付
着している黒鉛は、硝酸とフッ酸の混合液によるエッチ
ングなどで容易に除去することが可能であるが、プロセ
スが増えコスト上昇の要因となる。また、黒鉛製の冷却
体を用いた場合は、黒鉛の成形体からの削り出しで作製
されるため削りかすを完全に除去することがほとんど不
可能なため、シリコン融液への削りかすが落下する恐れ
があり、シリコン融液の汚染につながる。
【0118】このような問題を解決するためには、Si
C膜などで冷却体表面を被覆する方が好ましい。このよ
うな表面構造にすることで、回転冷却体32からの黒鉛
粉末の落下や、シリコンシートへの汚染も軽減される。
特に、SiC膜はセラミックス膜であり、高純度の膜を
形成できる技術が確立されているためより好ましい。さ
らには、黒鉛冷却体とSiC膜との接着力が強いため、
シリコンシートを剥離するさい、形成されたシリコンシ
ートにSiCが付着することがなくなるためより好まし
い。
【0119】さらに、回転冷却体32の表面にはV字溝
あるいはU字溝が形成されており、その上にSiC膜が
形成されているが、シリコン融液に接する部分は、V字
溝あるいはU字溝の先端部のSiC膜上になる。すなわ
ち、シリコンの結晶核が形成される場所はSiC膜上に
なり、SiC膜上で結晶核が発生し、シリコンシートが
形成されることになる。このような構造にすることで、
回転冷却体32とシリコンシートが接する部分の接触面
積が非常に小さくなり、そのためシリコンシートと回転
冷却体との接着強度が弱くなり、回転冷却体32とシリ
コンシートの剥離性が良好になる。
【0120】回転冷却体32の表面に設けるV字溝構造
もしくはU字溝構造における溝のピッチは0.05mm
以上、5mm以下であることが好適である。ピッチが
0.05mmより小さいと、V字溝構造の先端部33か
らシリコンの結晶が成長し始め、隣あったV字溝構造の
先端部33から成長したシリコンとV字溝構造の谷部3
4でひろがりシリコンシートが成長するため、シリコン
シートの結晶粒の大きさはピッチの約半分になるため太
陽電池として用いる場合、好ましくない。さらには、直
接シリコンが接するV字溝あるいはU字溝構造の先端部
が多ければ多いほど、シリコンと回転冷却体32との接
着面積が増え、結果として、シリコンシートと回転冷却
体との接着力が大きくなり、剥離が困難になり好ましく
ない。
【0121】また、溝のピッチが5mmより大きくなる
と、隣り合ったV字溝構造もしくはU字溝構造の先端部
33から成長し始めたシリコンが繋がりシリコンシート
が成長するまでの時間が長くなる。そのために、回転冷
却体32の回転速度を遅くするなどの対処が必要とな
り、結果として生産性を下げるため、安価なシリコンシ
ートを提供できなくなるため、あまり好ましくない。
【0122】回転冷却体32のV字溝もしくはU字溝の
先端部と谷部の段差は0.05mm以上、5mm以下で
あることが好ましい。この深さは、回転冷却体32の浸
漬深さを制限することになる。すなわち、溝の深さを深
くすることで浸漬深さを深くすることができ、溝の深さ
が浅ければ浸漬深さが浅くなりあまり浸漬できなくな
る。シリコンシートは、シリコン融液中もしくはシリコ
ン融液面近傍で成長するため、浸漬深さは成長してくる
結晶シートの厚みを制限することになるため適宜選択す
る必要がある。
【0123】上述したように、回転冷却体表面にV字溝
もしくはU字溝構造にすることで、比較的容易に、結晶
粒の大きさ、シリコンシートの厚みを制御することが可
能となる。また、結晶粒の大きさやシリコンシートの厚
みは、ヒーターの温度、回転冷却体内を流れる冷却ガス
流量、回転冷却体の回転数などにも依存しており、これ
らの組み合わせにより所望の厚みのシリコンシートを得
ることができることになる。
【0124】本発明によれば、成長したシリコンシート
の引き出し機構に棒状のかきとり部を持つことも可能で
ある。これは、回転冷却体32がV字溝あるいはU字溝
を有しているため、その谷部34に沿うように棒状のか
きとり部の先端を設置することで可能となる。かきとり
部の形状は、くし状、棒状、角柱状などが挙げられるが
特に限定されないが、谷部34に一致することと、V字
溝もしくはU字溝の深さより小さい方がより好ましい。
すなわち、かきとり部が回転冷却体32の谷部34と一
致し、シリコン融液に浸漬しない大きさであればよい。
このような構造にすることで、装置を煩雑にすることな
く、容易にかつ連続的にシリコンシートを引き出すこと
が可能となる。たとえ、成長途中でシリコンシートが割
れたり、脱落したとしても、シリコンシートは融液中に
落下するだけで、装置を止める必要がなく、連続運転が
可能になる。
【0125】かきとり部の材質は、高温の不活性雰囲気
下で安定である材質である、カーボン、セラミックス、
タングステン、窒化珪素、窒化硼素などの成形体が挙げ
られるが、特に限定されない。シリコン融液近傍である
ため温度が高くなっていること、および回転冷却体の表
面形状に傷をつけないことが好ましいことから、回転冷
却体の材料と同じであることがより好ましい。また、V
字溝あるいはU字溝構造に一致するような形状であれ
ば、棒状に限定されることはなく、フォーク状のもので
あってもよい。
【0126】このように、回転冷却体32の表面にV字
溝あるいはU字溝構造を設け、さらにそれに一致するよ
うにかきとり部を設けることで、回転冷却体から成長し
たシリコンシートを容易に剥離することができる。ま
た、剥離されたシリコンシートは、ガイドローラーによ
り搬出され、チャンバー外に出されることになる。この
ようにして作製されたシリコンシートは、マイクロカッ
ターやYAGレーザーなどを用いて所望の大きさ(長
さ)に切断し、シリコンウエハが完成する。
【0127】つぎにシリコンシート製造装置の概略を図
34に示す。36はシリコン融液、37は坩堝、38は
温度制御用ヒーター、39は搬送用ガイドローラー、4
0はシリコンシートである。このシリコンシート製造装
置は、密閉性の良好なチャンバー内に設置されており、
真空排気後に不活性ガスでガス置換を行う。このガス
は、Ar、Heなどが挙げられるが、コストを考慮する
とArがより好ましい。また、チャンバー内には、シリ
コン融液温度を厳密に制御するため、複数のヒーターを
設置することが好ましい。このことは、シリコン融液の
温度を厳密に調節することで、より再現性よくシリコン
シートを得ることが可能となるためである。シリコン融
液の温度は、シリコンの融点温度(約1420℃)以上
であることが好ましい。融点近傍であると、冷却されて
いる回転冷却体が融液に接することで湯面凝固を引き起
こす可能性があるため、融液温度は1430℃以上がよ
り好ましい。
【0128】さらに、シリコン融液が入った坩堝は昇降
機構がついていることが好ましい。これは、回転冷却体
上でシリコンシートを成長させるため、常に回転冷却体
がシリコン融液に同じ深さに浸漬されていることが必要
とされるためである。また、湯面位置を一定に保つ方法
として、多結晶シリコンインゴットを溶融させる、ある
いは、シリコン粉を順次投入することなどが挙げられる
が、特に方法は限定されない。ただし、できるだけシリ
コン湯面を乱さないようにすることが好ましい。
【0129】
【実施例】(実施例1)ここでは、シートの作製方法の
一実施例を示すが、本発明の範囲は、これにより限定さ
れない。本実施例では、シリコンのシートの作製を行っ
た。
【0130】比抵抗が2Ω・cmになるようにボロンの
濃度を調整したシリコン原料を、高純度カーボン製坩堝
に保護された石英製坩堝内に入れ、その坩堝を図30に
示すようなチャンバー内に固定した。
【0131】チャンバー内の真空引きを行い、2×10
-5torr以下まで減圧する。その後、チャンバー内に
Arガスを導入し、常圧まで戻し、その後は常に2L/
minでチャンバー上部よりArガスをフローしたまま
にする。
【0132】つぎに、シリコン溶解用のヒーター温度を
1500℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にす
る。このときシリコン原料は溶解することで液面が低く
なることから、追加投入管により、新たにシリコン原料
を投入することで、湯面位置を所定の位置にあわせる。
その後、シリコン融液温度を1430℃に設定し、30
分間そのまま保持し、融液温度の安定化をはかる。つぎ
に、回転体を回転させずに、窒素ガス流量700L/m
inで回転体内部に吹き付け、冷却する。
【0133】この時用いた基板表面は、図3に示すよう
な凹凸部の凸部が線状の凸部と面状の凸部で構成されて
いる基板を用いた。線状の凸部のピッチは1mm、面状
の凸部の幅は1mmであり、溝の深さは1mmであり、
基板の外寸は50mm×50mmであった。この時、図
27に示すような多角柱型の冷却体を用いた。
【0134】その後、石英坩堝を徐々に上昇させ、基板
の3mmまで浸漬させた位置まで上昇してきた所で、冷
却体を0.5rpmで回転させ、シリコンのシートを作
成した。冷却体が1回転する直前に、坩堝台を下降さ
せ、浸漬を中止した。チャンバーが室温と同じ程度ま
で、下がったところでシリコンのシートを取り出した。
この時、得られたシリコンのシートは、基板から容易に
剥離することができた。シリコンのシートは、基板のサ
イズとほぼ一致しており、50mm×50mmであっ
た。得られたシリコンのシートは、ほぼ図11の形状で
あり、厚い部分で約0.4mm、薄い部分で約0.25
mmであった。
【0135】つぎに、得られたシリコンのシートを用い
て、太陽電池の作製を行った。得られたシリコンシート
は、硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチングおよび洗浄
を行い、その後、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエ
ッチングを行った。その後、POCl3拡散によりp型
基板にn層を形成した。シート表面に形成されているP
SG膜をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面側とな
るn層上にプラズマCVDを用いてシリコン窒化膜を形
成した。つぎに、太陽電池の裏面側となる面に形成され
ているn層を硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチング除
去し、p基板を露出させ、その上に裏面電極およびp+
層を同時に形成した。つぎに、受光面側の電極をスクリ
ーン印刷法を用いて形成した。この時、図14のように
シリコンのシートの平坦部に電極が形成されるようにス
クリーン印刷した。その後、半田ディップを行い、太陽
電池を作製した。作製した太陽電池は、AM1.5、1
00mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行っ
た。測定結果は、短絡電流30.3(mA/cm2)、
開放電圧590(mV)、フィルファクター0.69、
効率12.3(%)であった。
【0136】(実施例2)多角柱型の冷却体の表面構造
が、図1に示すような線状の凸部でのみ構成されている
こと以外、全て実施例1と同じ方法でシリコンのシート
を作製し、太陽電池の作製も行った。基板の線状の凸部
のピッチは1mmであり、溝の深さは1mmであった。
得られたシート表面には、平坦部が存在しないため、図
13のように溝と平行になるようにサブ電極を形成し
た。得られたシリコンのシートの形状は図5の形状であ
り、シートの厚みは約0.5mmであり、作製した太陽
電池の測定結果は、短絡電流28.3(mA/c
2)、開放電圧580(mV)、フィルファクター
0.61、効率10.0(%)であった。
【0137】(実施例3)多角柱型の冷却体の表面構造
が、図2に示すような点状の凸部でのみ構成されている
こと以外、全て実施例1と同じ方法でシリコンのシート
を作製し、太陽電池の作製も行った。基板の点状の凸部
のピッチは、0.1mmであり、溝の深さは0.1mm
であった。得られたシート表面には、平坦部が存在しな
いため、基板の辺と平行になるように電極を形成した。
得られたシリコンのシートの形状は図8の形状であり、
シートの厚みは、約0.5mmであり、作製した太陽電
池の測定結果は、短絡電流29.8(mA/cm2)、
開放電圧587(mV)、フィルファクター0.67、
効率11.7(%)であった。
【0138】(実施例4)多角柱型の冷却体の表面構造
が、図4に示すような点状の凸部と面状の凸部で構成さ
れていること以外、全て実施例1と同じ方法でシリコン
のシートを作製し、太陽電池の作製も行った。基板の点
状の凸部のピッチは、1.5mmであり、面状の凸部の
幅は1mmであり、溝の深さは0.5mmであった。得
られたシリコンのシートの形状は図12の形状であり、
シートの厚みは、約0.3mmであり、作製した太陽電
池の測定結果は、短絡電流30.4(mA/cm2)、
開放電圧588(mV)、フィルファクター0.69、
効率12.3(%)であった。
【0139】(実施例5)多角柱型の回転体の内部の冷
却ガス流量を1200L/minしたこと以外全て実施
例1と同じ方法でシリコンのシートを作製し、太陽電池
の作製も行った。
【0140】得られたシリコンシートの形状は、図11
の形状であり、シートの厚みは、約0.5mmであり、
作製した太陽電池の測定結果は、短絡電流29.9(m
A/cm2)、開放電圧588(mV)、フィルファク
ター0.68、効率12.0(%)であった。
【0141】(実施例6)多角柱型の回転体の内部の冷
却ガス流量を500L/minとしたこと以外全て実施
例1と同じ方法でシリコンのシートを作製し、太陽電池
の作製も行った。得られたシリコンシートの形状は、図
11の形状であり、シートの厚みは、約0.7mmであ
り、作製した太陽電池の測定結果は、短絡電流30.1
(mA/cm2)、開放電圧590(mV)、フィルフ
ァクター0.68、効率12.1(%)であった。
【0142】(比較例1)多角柱型の回転体の内部の冷
却ガス流量を50L/minとしたこと以外全て実施例
1と同じ方法でシリコンのシートを作製した。得られた
シリコンシートの表面形状は、図11のような形状であ
ったが、多角柱型の回転体からシリコンのシートを剥離
することができなかった。そのため、太陽電池を作製す
ることはできなった。
【0143】(比較例2)実施例1と同じ方法でシリコ
ンのシートを作製し、電極を平面形状部でないところに
作製したこと以外全て上述した実施例1と同じ方法で太
陽電池を作製した。得られたシートの厚みは、約0.5
mmであり、作製した太陽電池の測定結果は、短絡電流
29.1(mA/cm2)、開放電圧585(mV)、
フィルファクター0.64、効率10.9(%)であっ
た。
【0144】(比較例3)多角柱型の冷却体の表面構造
が、凹凸部のない平面でのみ構成されていること以外、
全て実施例1と同じ方法でシリコンのシートを作製し、
太陽電池の作製も行った。得られたシリコンのシート
は、デンドライト成長が主であり、得られたシリコンの
シートの表面形状は不均一であった。作製した太陽電池
の測定結果は、短絡電流28.3(mA/cm2)、開
放電圧580(mV)、フィルファクター0.65、効
率10.7(%)であった。
【0145】(実施例7)ここでは、シートの作製方法
の一実施例を示すが、本発明の範囲は、これにより限定
されない。本実施例では、シリコンのシートの作製を行
った。比抵抗が0.5Ω・cmになるようにボロンの濃
度を調整したシリコン原料を、高純度カーボン製坩堝に
保護された石英製坩堝内に入れ、その坩堝を図30に示
すようなチャンバー内に固定した。
【0146】チャンバー内の真空引きを行い、2×10
-5torr以下まで減圧する。その後、チャンバー内に
Arガスを導入し、常圧まで戻し、その後は常に2L/
minでチャンバー上部よりArガスをフローしたまま
にする。つぎに、シリコン溶解用のヒーター温度を15
00℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にする。こ
のときシリコン原料は溶解することで液面が低くなるこ
とから、追加投入管により、新たにシリコン原料を投入
することで、湯面位置を所定の位置にあわせる。その
後、シリコン融液温度を1450℃に設定し、30分間
そのまま保持し、融液温度の安定化をはかる。つぎに、
回転体を回転させずに、窒素ガス流量1000L/mi
nで回転体内部に吹き付け、冷却する。
【0147】この時用いた基板表面は、図4に示すよう
な凹凸部の凸部が線状の凸部と面状の凸部で構成されて
いる表面構造である円筒形の回転体を用いた。点状の凸
部のピッチは2mm、面状の凸部の幅は1mmであり、
回転体の直径は800mmであった。
【0148】その後、石英坩堝を徐々に上昇させ、基板
の4mm浸漬させた位置まで上昇してきた所で、冷却体
を5rpmで回転させ、シリコンのシートを作成した。
冷却体が1回転する直前に、坩堝台を下降させ、浸漬を
中止した。チャンバーが室温と同じ程度まで、下がった
ところでシリコンのシートを取り出した。この時、得ら
れたシリコンのシートは、基板から容易に剥離すること
ができた。シリコンのシートは、50mm×50mmに
切断した。得られたシリコンのシートは、ほぼ図12の
形状であり、厚い部分で約0.3mm、薄い部分で約
0.2mmであった。
【0149】つぎに、得られたシリコンのシートを用い
て、太陽電池の作製を行った。得られたシリコンシート
は、硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチングおよび洗浄
を行い、その後、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエ
ッチングを行った。その後、POCl3拡散によりp型
基板にn層を形成した。シート表面に形成されているP
SG膜をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面側とな
るn層上にプラズマCVDを用いてシリコン窒化膜を形
成した。つぎに、太陽電池の裏面側となる面に形成され
ているn層を硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチング除
去し、p基板を露出させ、その上に裏面電極およびp+
層を同時に形成した。つぎに、受光面側の電極をスクリ
ーン印刷法を用いて形成した。その後、半田ディップを
行い、太陽電池を作製した。作製した太陽電池は、AM
1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性の測
定を行った。測定結果は、短絡電流30.5(mA/c
2)、開放電圧589(mV)、フィルファクター
0.70、効率12.6(%)であった。
【0150】(比較例4)円筒形の回転体の回転速度を
15rpmにしたこと以外すべて実施例7と同じ方法で
シリコンのシートを作製した。得られたシリコンのシー
トは、完全なシートとして得られず、シートの溝部分に
結晶が成長せず、穴が空いた状態であった。
【0151】(実施例8)円筒形の回転体の表面構造
が、図18に示すような線状の凸部と面状の凸部でのみ
構成されていること以外、全て実施例7と同じ方法でシ
リコンのシートを作製し、太陽電池の作製も行った。基
板の線状の凸部のピッチは2mm、溝の深さは0.1m
m、面状の凸部の幅は10mmであった。得られたシリ
コンのシートの形状は図18の形状であり、シートの厚
みは、約0.4mmであり、作製した太陽電池の測定結
果は、短絡電流29.8(mA/cm2)、開放電圧5
88(mV)、フィルファクター0.68、効率11.
9(%)であった。
【0152】(実施例9)円筒形の回転体の表面構造
が、図19に示すような点状の凸部と面状の凸部でのみ
構成されていること以外、全て実施例7と同じ方法でシ
リコンのシートを作製し、太陽電池の作製も行った。基
板の線状の凸部のピッチは2mm、溝の深さは1mm、
面状の凸部の幅は10mmであった。得られたシリコン
のシートの形状は図19の形状であり、シートの厚み
は、約0.4mmであり、作製した太陽電池の測定結果
は、短絡電流29.9(mA/cm2)、開放電圧58
9(mV)、フィルファクター0.67、効率11.8
(%)であった。
【0153】(実施例10)ここでは、シートの作製方
法の一実施例を示すが、本発明の範囲は、これにより限
定されない。本実施例では、シリコンのシートの作製を
行った。
【0154】比抵抗が1Ω・cmになるようにボロンの
濃度を調整したシリコン原料を、高純度カーボン製坩堝
に保護された石英製坩堝内でシリコンを十分に溶融させ
た。つぎに、図24に示すように、底面部が開口された
角型坩堝を、凹凸部を形成した基板上に設置した。この
時用いた基板の表面は、図3に示すような線状の凸部と
面状の凸部を有する基板を用いた。線状の凸部のピッチ
は2mm、面状の凸部の幅は2mm、溝の深さは0.1
mmであった。この時、凹凸基板を冷却ガス流量500
L/minで冷却した。その後、角型坩堝内に溶融した
シリコンに注ぎ入れると同時に、坩堝を1m/分の速度
で移動させてシリコンのシートを作製した。得られたシ
ートは、基板サイズとほぼ一致しており、50mm×5
0mmであった。得られたシートの厚みは、厚い部分で
約0.3mm、薄い部分で約0.15mmであった。
【0155】つぎに、得られたシリコンのシートを用い
て、太陽電池の作製を行った。得られたシリコンシート
は、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエッチングを行
った。その後、POCl3拡散によりp型基板にn層を
形成した。シート表面に形成されているPSG膜をフッ
酸で除去した後、太陽電池の受光面側となるn層上にT
iO2膜を形成した。つぎに、太陽電池の裏面側となる
面に形成されているn層を硝酸とフッ酸との混合溶液で
エッチング除去し、p基板を露出させ、その上に裏面電
極およびp+層を同時に形成した。つぎに、受光面側の
電極をスクリーン印刷法を用いて形成した。この時、シ
リコンのシートの平坦部に電極が形成されるようにスク
リーン印刷した。その後、半田ディップを行い、太陽電
池を作製した。作製した太陽電池は、AM1.5、10
0mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行った。
測定結果は、短絡電流25(mA/cm2)、開放電圧
571(mV)、フィルファクター0.65、効率9.
3(%)であった。
【0156】(実施例11)原材料にニッケルを用いた
こと以外、全て実施例10と同じ方法でシートを作製し
た。得られたニッケルのシートの形状は図11の形状で
あり、シートの厚みは約0.4mmであった。
【0157】(実施例12)原材料にアルミニウムを用
い、また図2の基板を用いたこと以外、全て実施例10
と同じ方法でシートを作製した。点状の凸部のピッチは
1mm、溝の深さは、0.6mmであった。得られたア
ルミニウムのシートの形状は図8の形状であり、シート
の厚みは、約0.3mmであった。
【0158】(実施例13)ここでは、シリコンシート
の作製方法と太陽電池特性の一実施例を示すが、本発明
の範囲は、これにより限定されない。本実施例では、回
転冷却体表面にV字溝を施したものを使用し、回転速度
により成長するシリコンシートの形状の変化を確認する
ことを目的として行った。
【0159】高純度シリコン(純度99.999999
999%)とそのドーパントとしてボロンの入ったマス
ターアロイを準備し、比抵抗が2Ω・cmになるように
ボロンの濃度を調整したシリコン原料を、高純度カーボ
ン製坩堝に保護された石英製坩堝内に入れた。その坩堝
を図34に示す装置のチャンバー内(チャンバー壁は図
示せず)に固定し、チャンバー内の真空引きを行い、2
×10-5torr以下まで減圧する。その後、チャンバ
ー内にArガスを導入し、常圧まで戻し、その後は常に
2L/minでチャンバー上部よりArガスをフローし
たままにする。つぎに、シリコン溶解用のヒーター温度
を1500℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にす
る。このときシリコン原料は溶解することで液面がかな
り低くなることから、新たにシリコン原料を投入するこ
とで、湯面位置を所定の位置にあわせる。その後、シリ
コン融液温度を1430℃に設定し、30分間そのまま
保持し、温度の安定化をはかる。つぎに、SiC膜を1
0μm製膜してある回転冷却体を回転させずに、窒素ガ
ス流量700L/minで回転冷却体内部に吹き付け冷
却する。この時用いた回転冷却体のV字溝のピッチは1
mm、V字溝の深さは1mmであった。その後、石英坩
堝を徐々に上昇させ、冷却体のV字溝の先端部を3mm
浸漬させた位置まで上昇してきた所で、回転速度0.5
rpm、5rpm、10rpmで回転させ、シリコンシ
ートを作成した。得られたシリコンシートのシート厚
み、平均粒径を表1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】回転速度の増加にしたがい、シリコンシー
ト厚みは薄くなり、さらに平均粒径も小さくなる。すな
わち、回転冷却体の回転数を制御することで、回転冷却
体上に成長するシリコンシートの厚みを容易に制御する
ことが可能になる。また、得られたシリコンシートの形
状は、回転数が0.5rpmでは図33のシリコンシー
トの断面形状を有し、5rpm、10rpmは図32の
シリコンシートの断面形状を有していた。
【0162】つぎに、得られたシリコンシートを用い
て、図35の手順に従って太陽電池の作製を行った。得
られたシリコンシートは、硝酸とフッ酸との混合溶液で
エッチングおよび洗浄を行い、その後、水酸化ナトリウ
ムを用いてアルカリエッチングを行った。その後、PO
Cl3拡散によりp型基板にn層を形成した。基板表面
に形成されているPSG膜をフッ酸で除去した後、太陽
電池の受光面側となるn層上に反射防止膜として酸化チ
タン膜を形成した。つぎに、太陽電池の裏面側となる面
に形成されているn層を硝酸とフッ酸との混合溶液でエ
ッチング除去し、p基板を露出させ、その上に裏面電極
およびp+層を同時に形成した。つぎに、受光面側の電
極をスクリーン印刷法を用いて形成した後、半田ディッ
プを行い、太陽電池を作製した。作製した太陽電池は、
AM1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性
の測定を行った。試作した太陽電池のセル特性を表2に
示す。
【0163】
【表2】
【0164】回転数により、太陽電池の特性の違いはあ
るものの、簡単なセルプロセスにも関わらず、太陽電池
特性を示すことから、安価な太陽電池を提供することが
可能になる。
【0165】(実施例14)ここでは、シリコンシート
の作製方法と太陽電池特性の一実施例を示すが、本発明
の範囲は、これにより限定されない。本実施例では、回
転冷却体表面にU字溝を施したものを使用し、冷却ガス
流量により成長するシリコンシートの形状の変化を確認
することを目的として行った。
【0166】高純度シリコン(純度99.999999
999%)とそのドーパントとしてボロンの入ったマス
ターアロイを準備し、比抵抗が3Ω・cmになるように
ボロンの濃度を調整したシリコン原料を、高純度カーボ
ン製坩堝に保護された石英製坩堝内に入れた。その坩堝
を図34に示す装置のチャンバー内(チャンバー壁は図
示せず)に固定し、チャンバー内の真空引きを行い、2
×10-5torr以下まで減圧する。その後、チャンバ
ー内にArガスを導入し、常圧まで戻し、その後は常に
5L/minでチャンバー上部よりArガスをフローし
たままにする。つぎに、シリコン溶解用のヒーター温度
を1500℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にす
る。このときシリコン原料は溶解することで液面がかな
り低くなることから、新たにシリコン原料を投入するこ
とで、湯面位置を所定の位置にあわせる。その後、シリ
コン融液温度を1450℃に設定し、30分間そのまま
保持し、温度の安定化をはかる。つぎに、SiC膜を1
00μm製膜してある回転冷却体を回転させずに、窒素
ガス流量1000L/minで回転冷却体内部に吹き付
け冷却する。この時用いた回転冷却体のU字溝のピッチ
は5mm、U字溝の深さは3mmであった。その後、石
英坩堝を徐々に上昇させ、冷却体のU字溝の先端部を3
mm浸漬させた位置まで上昇してきた所で、回転速度
0.5rpmで回転させ、シリコンシートを作成した。
また、同様の操作で、窒素ガス流量を800L/mi
n、500L/minでシリコンシートを作製した。得
られたシリコンシートのシート厚み、平均粒径を表3に
示す。
【0167】
【表3】
【0168】表に示すように、冷却ガス流量が減るに従
い、シリコンシートの厚みは、減少する傾向であった。
すなわち、冷却ガス流量を制御することで、回転冷却体
上に成長するシリコンシートの厚みを容易に制御するこ
とが可能になる。また、得られたシリコンシートの形状
は、冷却ガス流量が1000L/min、800L/m
inでは図32のシリコンシートの断面形状を有し、5
00L/minは図33のシリコンシートの断面形状を
有していた。
【0169】つぎに、得られたシリコンシートを用い
て、図35の手順に従って太陽電池の作製を行った。得
られたシリコンシートは、硝酸とフッ酸との混合溶液で
エッチングおよび洗浄を行い、その後、水酸化ナトリウ
ムを用いてアルカリエッチングを行った。その後、PS
G拡散によりp型基板にn層を形成した。基板表面に形
成されているPSG膜をフッ酸で除去した後、太陽電池
の受光面側となるn層上に反射防止膜としてシリコン窒
化膜を形成した。つぎに、太陽電池の裏面側となる面に
形成されているn層を硝酸とフッ酸との混合溶液でエッ
チング除去し、p基板を露出させ、その上に裏面電極お
よびp+層を同時に形成した。つぎに、受光面側の電極
をスクリーン印刷法を用いて形成した後、半田ディップ
を行い、太陽電池を作製した。作製した太陽電池は、A
M1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性の
測定を行った。試作した太陽電池のセル特性を表4に示
す。
【0170】
【表4】
【0171】冷却ガス流量により太陽電池の特性の違い
はあるものの、簡単なセルプロセスにも関わらず、太陽
電池特性を示すことから、安価な太陽電池を提供するこ
とが可能になる。
【0172】(実施例15)ここでは、シリコンシート
の作製方法と太陽電池特性の一実施例を示すが、本発明
の範囲は、これにより限定されない。本実施例では、回
転冷却体表面にV字溝を施したものを使用し、V字溝の
ピッチの違いにより成長するシリコンシートの形状の変
化を確認することを目的として行った。
【0173】高純度シリコン(純度99.999999
999%)とそのドーパントとしてボロンの入ったマス
ターアロイを準備し、比抵抗が2Ω・cmになるように
ボロンの濃度を調整したシリコン原料を、高純度カーボ
ン製坩堝に保護された石英製坩堝内に入れた。その坩堝
を図34に示す装置のチャンバー内(チャンバー壁は図
示せず)に固定し、チャンバー内の真空引きを行い、2
×10-5torr以下まで減圧する。その後、チャンバ
ー内にArガスを導入し、常圧まで戻し、その後は常に
3L/minでチャンバー上部よりArガスをフローし
たままにする。つぎに、シリコン溶解用のヒーター温度
を1500℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にす
る。このときシリコン原料は溶解することで液面がかな
り低くなることから、新たにシリコン原料を投入するこ
とで、湯面位置を所定の位置にあわせる。その後、シリ
コン融液温度を1435℃に設定し、30分間そのまま
保持し、温度の安定化をはかる。つぎに、SiC膜を2
00μm製膜してある回転冷却体を回転させずに、窒素
ガス流量500L/minで回転冷却体内部に吹き付け
冷却する。この時用いた回転冷却体のV字溝のピッチは
0.05mm、V字溝の深さは1mmであった。その
後、石英坩堝を徐々に上昇させ、冷却体のV字溝の先端
部を3mm浸漬させた位置まで上昇してきた所で、回転
速度10rpmで回転させ、シリコンシートを作成し
た。また、同様の操作で回転冷却体のピッチを2mm、
5mmでシリコンシートを作製した。得られたシリコン
シートのシート厚み、平均粒径を表5に示す。
【0174】
【表5】
【0175】回転冷却体のピッチの増加にしたがい、平
均粒径も大きくなる。すなわち、回転冷却体表面のピッ
チを制御することで、回転冷却体上に成長するシリコン
シートの結晶粒径を容易に制御することが可能になる。
【0176】つぎに、得られたシリコンシートを用い
て、図35の手順に従って太陽電池の作製を行った。得
られたシリコンシートは酸によるエッチングを行い、基
板洗浄を行った。その後、POCl3拡散によりp型基
板にn層を形成した。基板表面に形成されているPSG
膜をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面側となるn
層上に反射防止膜としてシリコン窒化膜を形成した。つ
ぎに、太陽電池の裏面側となる面に形成されているn層
を硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチング除去し、p基
板を露出させ、その上に裏面電極およびp+層を同時に
形成した。つぎに、受光面側の電極をスクリーン印刷法
を用いて形成した後、半田ディップを行い、太陽電池を
作製した。作製した太陽電池は、AM1.5、100m
W/cm2の照射下にてセル特性の測定を行った。試作
した太陽電池のセル特性を表6に示す。
【0177】
【表6】
【0178】特に、アルカリエッチングを用いなくて
も、太陽電池特性を示すことから、安価なシリコンシー
トを提供することができる。冷却体表面のV字溝のピッ
チの違いにより、太陽電池の特性の違いはあるものの、
簡単なセルプロセスにも関わらず、太陽電池特性を示す
ことから、安価な太陽電池を提供することが可能にな
る。
【0179】(実施例16)多角柱型の冷却体の凹凸部
の表面にBN膜とSiC膜との2層を設けたこと以外、
全て実施例1と同じ方法でシリコンシート作製した。得
られたシートは、剥離性も良好であった。また、得られ
たシートは、ほぼ図14の形状をしていた。
【0180】(比較例5)多角柱型の冷却体の面が凹凸
部を持たず平面であり、その平面にBN膜とSiC膜と
の2層を設けたこと以外、全て実施例1と同じ方法でシ
リコンシート作製した。得られたシートは、部分的にだ
け剥離することが可能であった。
【0181】なお、今回開示された実施の形態および実
施例はすべての点で例示であって制限的なものではない
と考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明
ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の
範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含ま
れることが意図される。
【0182】
【発明の効果】以上より明らかなように、凹凸部をもっ
た基板における凸部の先端に、優先的に結晶核を発生・
成長させて、隣り合った先端部から成長してきた結晶が
つながって成長することでシートを形成できるため、所
望の厚みと形状のシートが制御よく、安価に高速に成長
できるようになる。また、さらに以上より明らかなよう
に、回転冷却体の凸部の先端に優先的にシリコンの結晶
核を発生・成長させて、隣り合った先端部から成長して
きた結晶と凹部の谷部上で接触させてシリコンシートを
形成できるので。所望の厚みと結晶粒径のシリコンシー
トが制御性よく、安価に高速成長できるようになる。ま
た、回転冷却体の表面にSiC膜を被覆すれば、回転冷
却体からシリコンシートへの汚染を抑制することがで
き、高品質なシリコンシートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の線状の凸部をもった凹凸部を有する
基板の斜視図である。
【図2】 本発明の点状の凸部をもった凹凸部を有する
基板の斜視図である。
【図3】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった凹
凸部を有する基板の斜視図である。
【図4】 本発明の点状の凸部と面状の凸部をもった凹
凸部を有する基板の斜視図である。
【図5】 本発明の線状の凸部をもった凹凸部を有する
基板とシートの概略斜視図である。
【図6】 本発明の線状の凸部をもった凹凸部を有する
基板とシートの概略斜視図である。
【図7】 本発明の線状の凸部をもった凹凸部を有する
基板とシートの概略斜視図である。
【図8】 本発明の点状の凸部をもった凹凸部を有する
基板とシートの概略斜視図である。
【図9】 本発明の点状の凸部をもった凹凸部を有する
基板とシートの概略斜視図である。
【図10】 本発明の点状の凸部をもった凹凸部を有す
る基板とシートの概略斜視図である。
【図11】 本発明の線状と面状の凸部をもった凹凸部
を有する基板とシートの概略斜視図である。
【図12】 本発明の点状と面状の凸部をもった凹凸部
を有する基板とシートの概略斜視図である。
【図13】 本発明のシート上に電極を設けた太陽電池
の概略斜視図である。
【図14】 本発明のシート上に電極を設けた太陽電池
の概略斜視図である。
【図15】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板の斜視図である。
【図16】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板の斜視図である。
【図17】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板の斜視図である。
【図18】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板とシートの斜視図である。
【図19】 本発明の点状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板とシートの斜視図である。
【図20】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板とシートの斜視図である。
【図21】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板とシートの斜視図である。
【図22】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板とシートの斜視図である。
【図23】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板とシートの斜視図である。
【図24】 本発明における横引き法によるシート製造
装置の概略斜視図である。
【図25】 本発明における回転法によるシート製造装
置の概略斜視図である。
【図26】 本発明における冷却部を備えたシート製造
装置の断面図である。
【図27】 本発明における冷却部を備えたシート製造
装置の概略斜視図である。
【図28】 本発明における冷却部を備えたシート製造
装置の概略斜視図である。
【図29】 本発明における冷却部を備えたシート製造
装置の概略斜視図である。
【図30】 本発明におけるシート製造装置の全体構成
を示す断面図である。
【図31】 本発明における冷却部を備えたシート製造
装置の断面図である。
【図32】 本発明における作製されたシリコンシート
の断面図と回転冷却体のV字溝の断面図である。
【図33】 本発明における作製されたシリコンシート
の断面図と回転冷却体のV字溝の断面図である。
【図34】 シリコンシート製造装置の概略断面図であ
る。
【図35】 本発明に係る太陽電池の製造工程を示す図
である。
【図36】 本発明の線状の凸部と面状の凸部をもった
凹凸部を有する基板の斜視図である。
【符号の説明】
1 線状の凸部をもった凹凸基板、2 線状の凸部、3
凹部、4 点状の凸部、5 点状の凸部をもった凹凸
基板、6 面状の凸部、7 線状の凸部と面状の凸部を
もった基板、8 点状の凸部と面状の凸部をもった基
板、9 シート、10 棒状結晶、11 不完全なシー
ト、12 シート、13 略球状結晶、14 不完全な
シート、15 シート、16 シート、17 電極、1
8 電極、19 連続基板、20 坩堝、21 融液、
22 回転体、23 凹凸部、24ノズル、25 坩
堝、26 坩堝台、27 ヒーター、28 追加投入
管、29 断熱材、30 チャンバー、31 ガイドロ
ーラー、32 回転冷却体、33 V字溝の先端部、3
4 V字溝の谷部、35 ノズル、36 シリコン融
液、37 坩堝、38 ヒーター、39 ガイドローラ
ー、40 シリコンシート、41 線状の凸部と面状の
凸部をもった基板、42 線状の凸部と面状の凸部をも
った基板、43 線状の凸部と面状の凸部をもった基
板、44 線状の凸部と面状の凸部をもった基板、45
シート、46 点状の凸部と面状の凸部をもった基
板、47 シート、48 線状の凸部と面状の凸部をも
った基板、49シート、50 線状の凸部と面状の凸部
をもった基板、51 シート、52 線状の凸部と面状
の凸部をもった基板、53 シート、54 線状の凸部
と面状の凸部をもった基板、55 シート、56,57
冷却体、60 シート、61シート、62 線状の凸
部と面状の凸部をもった基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 光三郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 五十嵐 万人 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 光安 秀美 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 布居 徹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA03 CB06 GA04 HA07 5F053 AA15 BB04 BB08 DD01 FF01 GG02 HH02 LL05 RR05

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸部を有する基板を冷却し、冷却され
    た前記基板の凹凸部の表面を、金属材料もしくは半導体
    材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融
    液に接触させ、前記材料の結晶を凹凸部の表面に成長さ
    せることで、前記材料で形成されたシートを得るシート
    製造方法。
  2. 【請求項2】 外周面状に凹凸部を有するとともに前記
    凹凸部を冷却することができる冷却部を有する回転体を
    回転させることにより、冷却された前記凹凸部の表面
    を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいず
    れか一方を含有する材料の融液に接触させ、前記材料の
    結晶を凹凸部の表面に成長させることで、前記材料で形
    成されたシートを得るシート製造方法。
  3. 【請求項3】 前記凹凸部は、点状の凸部もしくは線状
    の凸部のうち少なくともいずれか一方を有する請求項1
    または2記載のシート製造方法。
  4. 【請求項4】 前記凹凸部は、点状の凸部もしくは線状
    の凸部のうち少なくともいずれか一方を有するとともに
    面状の凸部を有する請求項1または2記載のシート製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記凹凸部が、炭化珪素、窒化硼素、窒
    化珪素、もしくは、熱分解炭素のうち少なくともいずれ
    か一つの被覆材料で被覆されている請求項1〜4のいず
    れかに記載のシート製造方法。
  6. 【請求項6】 前記材料の結晶の成長は、前記凹凸部に
    おける凸部からの成長である請求項1〜5のいずれかに
    記載のシート製造方法。
  7. 【請求項7】 凹凸部を有する基板を冷却し、冷却され
    た前記基板の凹凸部の表面を、金属材料もしくは半導体
    材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融
    液に接触させ、 前記凹凸部における凸部から前記材料の結晶を前記基板
    の表面上に曲面形状に形成させることにより得られる曲
    面形状部を有する、前記材料で形成されたシート。
  8. 【請求項8】 点状の凸部もしくは線状の凸部のうち少
    なくともいずれか一方を有するとともに面状の凸部を有
    する凹凸部を有する基板を冷却し、冷却された前記基板
    の凹凸部の表面を、金属材料もしくは半導体材料のうち
    少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触さ
    せ、 点状の凸部もしくは線状の凸部から前記材料の結晶を前
    記基板の表面上に曲面形状に形成させるとともに、面状
    の凸部から前記材料の結晶を前記基板の表面上に平面形
    状に形成させることにより得られる、曲面形状部および
    平面形状部を有する、前記材料で形成されたシート。
  9. 【請求項9】 外周面状に凹凸部を有するとともに前記
    凹凸部を冷却することができる冷却部を有する回転体
    と、 金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか
    一方を含有する材料の融液が貯溜され、前記回転体を回
    転させることにより、前記凹凸部を前記融液に接触させ
    ることができる坩堝と、を有するシート製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項7または8記載のシートに電極
    を形成することで得られる太陽電池。
  11. 【請求項11】 請求項8記載のシートの平面形状部に
    電極を形成することで得られる太陽電池。
  12. 【請求項12】 回転冷却体を回転させてシリコン融液
    から凝固成長させてシリコンシートを製造するシリコン
    シート製造装置において、 上記回転冷却体の表面に凹凸を有し、凸部が点状あるい
    は線状に設けられていることを特徴とするシリコンシー
    ト製造装置。
  13. 【請求項13】 凹部の形状がV字溝、またはU字溝形
    状であることを特徴とする請求項12記載のシリコンシ
    ート製造装置。
  14. 【請求項14】 上記回転冷却体の表面がSiC膜で被
    覆されていることを特徴とする請求項12記載のシリコ
    ンシート製造装置。
  15. 【請求項15】 V字溝、またはU字溝のピッチが0.
    05mm以上、5mm以下であることを特徴とする請求
    項13記載のシリコンシート製造装置。
  16. 【請求項16】 上記凹凸の段差が0.05mm以上5
    mm以下であることを特徴とする請求項12記載のシリ
    コンシート製造装置。
  17. 【請求項17】 回転冷却体を回転させてシリコン融液
    から凝固成長させてシリコンシートを製造するシリコン
    シート製造方法において、 点状あるいは線状に設けられた回転冷却体の凸部から凝
    固成長させることを特徴とするシリコンシート製造方
    法。
  18. 【請求項18】 点状の凸部もしくは線状の凸部のうち
    少なくともいずれか一方を有する凹凸部を外周面上に有
    するとともに前記凹凸部を冷却することができる冷却部
    を有する回転体を回転させることにより、冷却された前
    記凹凸部の表面をシリコン融液に接触させ、シリコン結
    晶を凹凸部の表面に成長させることで得られるシリコン
    シートに電極を形成することで得られる太陽電池。
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