JP2005277186A - シートおよびその製造方法、ならびにシートを用いた太陽電池 - Google Patents

シートおよびその製造方法、ならびにシートを用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 低コストで大量生産することが可能であり、かつキャリアトラップが少ないシートおよびその製造方法、ならびに当該シートを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】 金属材料および半導体材料のうち少なくともいずれかを含有する融液に基板を接触させて、前記基板上にシートを成長させるシートの製造方法であって、少なくとも基板の核発生位置が単結晶からなることを特徴とするシートの製造方法、およびそれで得られたシート、ならびに当該シートを用いた太陽電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属材料および半導体材料のうちの少なくともいずれかを含む融液に基板を接触させて、成長させてなるシートおよびその製造方法、ならびにそのシートから作製した太陽電池に関するものであり、特に、成長核の方位を制御して成長したシートであって、前記基板とシートとの間に空隙部分が形成されることを特徴とするシートおよびその製造方法、ならびにそのシートを用いた太陽電池に関するものである。
従来、多結晶シリコンのウエハ製造方法として、たとえば特許文献1に開示されたシリコンなど多結晶物体の鋳造方法がある。この方法では、シリコン融液を鋳型に流し込んで除冷しインゴットを作製後、スライスによりウエハとするため、スライスによるシリコンの損失が大きいことが問題となっていた。このスライスによるシリコンの損失を回避するために、融液から直接シートを製造する方法も提案されている(たとえば、特許文献2、3を参照。)。
特許文献2に開示されたシリコン板の連続鋳造方法では、水平面上にシリコン鋳塊の厚みを制御するための厚み制御板を設けてなる水平加熱鋳型に溶融シリコンを供給し、水平方向にダミーの黒鉛プレートを挿入してその先端の厚みを制御板下のシリコン融液に直接接触させる。そして、シリコンが黒鉛プレートの先端に固着したところで、ローラを用いてシリコン板を引き出すようにしている。しかしながら、この特許文献2に開示された方法では、冷却装置のガス吹き出し管からのガスにより冷却しながらシリコン板を引き出すことによってシリコン板の厚みを制御しているため、安定的に得られるシリコン板の最低厚みは1〜3mm程度であり、太陽電池に使用されているような600μm以下の厚みの制御は困難であるという問題がある。
また、特許文献3に開示されたシリコンリボンの製造装置は、シリコンの加熱溶解部と耐熱材とで構成された回転冷却体とで概略構成されており、カーボンネットの一端部が予め巻き付けた回転冷却体をシリコン融液に直接接触させることによって、上記回転冷却体の表面にシリコンリボンを形成するものである。そして、上記形成されたシリコンリボンを取り出す場合は、回転冷却体を回転させると同時に巻きつけられたカーボンネットを引き出すことによって、上記カーボンネットに固着されたシリコンに続くシリコンリボンを連続的に取り出す構成となっている。しかしながらこの特許文献3に開示された方法では、成長したシリコンの厚みが非常に薄い場合には、カーボンネットとシリコンとが反応してシリコンリボンが脆くなっているために、引き出し途中でシリコンリボンが切れて落下する場合がある。その場合には、運転を中止しなければならず、生産性が悪くなるという問題があった。
本発明者らは、この問題を解決するため、スライス工程を必要とせず、低コストで大量生産が可能なシートの製造方法を、特許文献4において提案した。これは、凹凸部を有する基板を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくとも一方を含有する融液に接触させ、基板上に前記物質からなるシートを作製するというものである。この方法は、所望の厚みと形状のシートを制御性よく、安価に高速に成長できるという利点を有している。
特開平6−64913号公報 特開平7−256624号公報 特開平10−29895号公報 特開2001−223172号公報
上述したシートの製造方法を用いることにより、所望の厚みと形状のシートを制御性よく、安価に高速に成長でき、低コストで大量生産することが可能となった。しかしながら、この方法では特に成長核の方位を制御していないために、異なる成長核から成長した結晶粒間の粒界には多数キャリアや少数キャリアのトラップ準位が存在する。特に太陽電池などでは、粒界が少数キャリアトラップとして働くため、セル効率を下げる直接的な原因になる可能性がある。太陽電池以外の電子デバイスに、このシートを応用する場合にも、この粒界は好ましくないため、キャリアトラップが少ないシートが望まれる。
したがって、本発明の目的は、低コストで大量生産することが可能であり、かつキャリアトラップが少ないシートおよびその製造方法、ならびに当該シートを用いた太陽電池を提供することである。
本発明は、金属材料および半導体材料のうち少なくともいずれかを含有する融液に基板を接触させて、前記基板上にシートを成長させるシートの製造方法であって、少なくとも基板の核発生位置が単結晶からなることを特徴とするシートの製造方法である。
ここにおいて、前記基板は、単結晶で形成されたものを用いるのが好ましい。
本発明のシートの製造法において、基板の単結晶は、<001>もしくは<111>から±15°以下であるのが好ましい。
本発明のシートの製造方法においては、基板の表面が凹凸構造を有しているのが好ましい。当該基板は、パターン状のマスクを施したものであるのがより好ましい。
さらに、基板上に成長させたシートにおいて、基板とシートとの間に空隙部分が形成されることが好ましい。
本発明は、また、ある特定の方位の結晶粒と、その特定の方位の結晶粒と双晶関係にある結晶粒の面積の和が、シート表面の全結晶粒の面積の30%以上であるシートを提供する。
かかるシートにおいて、シートの法線方向からみたときの結晶粒の方位が、<001>もしくは<111>から±15°以下であることが好ましい。
また、本発明のシートは、シリコンを含有するものであることが、好ましい。
本発明は、さらに、上記シートを用いて作製した太陽電池も提供するものである。
本発明によれば、低コストで大量生産することが可能であり、かつキャリアトラップが少ないシートおよびその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、電池特性に優れ、安価に大量生産可能な太陽電池を提供することができる。
本発明のシートの製造方法は、金属材料および半導体材料のうち少なくともいずれかを含有する融液に基板を接触させて、前記基板上にシートを成長させることをその前提とするシートの製造方法である。ここで、本発明に用いる金属材料としては、たとえば、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタン、タンタル、タングステンなどから選ばれる少なくともいずれかが挙げられる。本発明に用いる半導体材料としては、たとえば、シリコン、ゲルマニウム、砒化ガリウムなどから選ばれる少なくともいずれかが挙げられる。本発明においては、上述した金属材料および半導体材料のうちの少なくともいずれかが融液に含有されていればよいが、圧延などの機械加工で薄板化できるような材料よりも、シリコンなどの脆性を有する材料が含有された融液を用いるのが好ましい。
本発明に用いる基板としては、当分野にて従来より広く用いられている適宜の材料、たとえば、シリコン、サファイア、アルミニウム、ゲルマニウム、リン化ガリウム、砒化ガリウム、ニッケル、チタン、タンタル、タングステンなどが挙げられ、特に制限されるものではないが、得ようとするシートの材料と同じ材料で形成された基板を用いるのが好ましい。得ようとするシートの材料と基板の材料が同じであると、融液材料と基板との界面での核発生が生じやすくなり、その結果、シートが容易に成長しやすくなるという利点がある。
本発明のシートの製造方法においては、前記金属材料および半導体材料のうちの少なくともいずれかを含有する融液に接触させてシートを成長させる基板として、少なくともその核発生位置が単結晶からなるものであることをその特徴とするものである。このように核発生位置が単結晶からなる基板を前記融液に接触させてシートを成長させることによって、従来と比較して、得られるシートの品質が飛躍的に向上される。これは、核発生位置が単結晶からなる基板を用いることで、得られるシートが核発生位置の単結晶の方位を反映する割合が多くなるためである。すなわち、核発生位置が単結晶であることにより、得られるシートの方位も制御することが可能となる。
本発明において用いられる基板としては、少なくとも核発生位置が単結晶からなるもの、換言すれば、その少なくとも一部が単結晶からなるものであればよいが、それ自体が単結晶で形成された基板を用いるのが好ましい。特に、シリコンシートを得るような場合には、単結晶のシリコンウエハは、ICなどの電子デバイス用として市販されており、容易に入手可能であるため好ましい。
またシリコンシートを形成する場合、用いる基板としては、その単結晶が<001>もしくは<111>から±15°以下であるものを用いるのが好ましく、<001>もしくは<111>から±10°以下であるものを用いるのがより好ましい。本発明のシートの製造方法において<001>から±15°以下である基板を用いると、得られるシリコンシートも<001>が優先して配向し、アルカリエッチングにより、容易にテクスチャ構造(光閉じ込め構造)を形成することができ、高性能な太陽電池を作製することが可能となるという利点がある。また、<111>から±15°以下である基板を用いると、得られるシリコンシートも<111>が優先して配向し、最も成長速度の遅い面であるシート表面が略平面となり、シリコンシートの平滑性が向上し、低コストな太陽電池作製プロセスを用いることが可能となり、安価な太陽電池を提供することが可能となるという利点がある。これらの単結晶が<001>もしくは<111>から±15°以下である基板は、従来公知の方法によって容易に入手することができる。なお、基板の単結晶が<001>もしくは<111>から±15°以下であるか否かは、X線回折装置(XRD)や後方散乱電子線回折装置(EBSD)などを用いて確認することができる。
図1は、本発明のシートの製造方法の好ましい一例を模式的に示す図である。本発明のシートの製造方法においては、基板はその表面に凹凸構造を有するものであることが好ましい。図1において、図1(A)は、表面に凹凸構造を有する基板2および基板2上に成長したシート1を示す概略斜視図であり、図1(B)はシート1が形成される前の基板2を示す概略斜視図である。表面に凹凸構造を有する基板を用いることで、基板の凸部3から結晶成長が優先的に進行するため、基板の凹部4は結晶が成長しないことになる。このように基板の凸部からの結晶成長が支配的に行われることによって、得られたシートと基板とが接触する部分は、凸部のみ、もしくは、凸部周辺だけに限定される。これによって、得られたシートを基板から容易に剥離することが可能となる。
表面に凹凸構造を有しない基板を用いた場合、基板上に結晶が成長することでシートが形成される。しかしかかる場合、形成されたシートと基板との接着強度が比較的強いため、基板から形成されたシートを剥離することが困難になる場合がある。さらに、平面基板からの結晶成長の場合、結晶核が基板上にランダムに成長することがある。その結果、デンドライト成長が支配的となり、シート表面の凹凸が大きくなったり、デンドライト成長した結晶の周りにシートの形成が困難となる。したがって、平面基板を用いると凹凸形状が均一で、基板からの剥離性がよいシートを得ることが困難となってしまう虞がある。本発明の好ましい態様によれば、表面に凹凸構造を有する基板を用いることで、形成されたシートを基板から容易に剥離することができる。これは、基板が表面に凹凸構造を有することで、結晶の成長開始点(すなわち、結晶核の発生位置)を限定・制御することが可能になるためである。また、基板が表面に凹凸構造を有することで、凸部が最初に融液と接触するために、凸部に核発生が起こり易くなる。このように表面に凹凸構造を有する基板を用いることで、基板と形成されたシートとの剥離性を向上させることが可能となるとともに、形成されたシートの凹凸形状の均一性を制御することができるという利点がある。
基板表面の凹凸構造は、その形成のされ方に特に制限されるものではなく、凸部の先端形状が点状、線状、面状、あるいはそれらの組み合わせの形状に形成されたものであってもよい。また、基板表面の凹凸構造は、基板表面に機械加工を施すことによって形成してもよいし、後述するように基板表面のパターン状のマスクを施すことによって形成してもよい。図1にはたとえば、断面方形状の基板の一表面に、幅方向一方の全域に延びた凸部が規則的に配置されて、複数個の矩形状の面状の先端形状を形成してなる凹凸構造を有する基板2を示している。本発明における基板表面の凹凸構造は、基板表面に存在する全ての凹凸を含み、機械加工によって形成された基板表面の研磨あるいは切断などで生じる研磨痕や切断痕も含む。図1に示すような凹凸構造は、たとえば、厚み350μmの平坦な基板表面に、500μmの幅を、1.2mmのピッチで、深さ200μmの溝を形成するようにNC加工装置を用いて機械加工を施すことで、形成することができる。
図2は、本発明のシートの製造方法の好ましい他の例を模式的に示す図である。図2において、図2(A)は、表面に凹凸構造を有する基板2’および基板2’上に成長したシート1’を示す概略斜視図であり、図2(B)はシート1’が形成される前の基板2’を示す概略斜視図である。図2に示す例においては、断面方形状の基板の一表面に、凸部が正方行列状に配置されて、複数個の方形状の面状の先端形状を形成してなる凹凸構造を有する基板2’を示している。このような凹凸構造を有する場合の基板2’を用いても、基板2’の凸部3’から結晶成長が優先的に進行し、基板2’の凹部4’には結晶成長しないことになる。このように基板2’においても、凹部4’の存在により、得られたシートを基板2’から容易に剥離することが可能となる。これは、図1に示した例の基板2と同様に、基板2’の凸部3’からの結晶成長が支配的であるために、シート1’が基板2’と接触する部分は、凸部のみ、もしくは、凸部周辺だけに限定されているためである。図1に示した例の基板2では結晶成長の起点となる凸部の先端形状は矩形状の面状であったが、図2に示す例では、正方形に近い面状である。したがって、図2に示す例の基板2’を用いて得られるシートの表面形状としては、曲面形状部分が多くなり複雑な形状となるが、基板2’の凸部3’とシート1’との接触面積は小さくなるため、シート1’と基板2’との剥離性は向上される。また、図2に示すような基板形状とすることによって、結晶粒の大きさもある程度均一に制御することができるという利点がある。図2に示すような凹凸構造は、たとえば、厚み15mmの平坦な基板表面に、0.8mmの幅を、1.2mmのピッチで、深さ250μmの溝を形成するようにNC加工装置を用いて機械加工を施した後、基板を幅方向に90度回転させて、0.8mmの幅を、1.2mmのピッチで、深さ250μmの溝を形成するように同様に機械加工を施すことで、形成することができる。
図3は、本発明のシートの製造方法の好ましいさらに他の例を模式的に示す図である。図3において、図3(A)は、パターン状のマスク6を施した基板2’’および基板2’’上に成長したシート1’’の概略斜視図であり、図3(B)は、シート1’’が形成される前の基板2’’を示す概略斜視図である。このようにパターン状のマスク6を施した基板2’’を用いて表面に凹凸構造を形成した基板2’’を用いることによって、マスク6の開口部分7より部分的に露出した基板表面部分が核発生位置となり、当該各核発生位置の面方位が反映されシートが基板上に成長し、結晶方位が制御されたシート1’’が得られることになる。
本発明に用いられるマスクは略規則的に開口を有するものであればそのパターンは特に制限されるものではない。図1には、四角形の開口部分が正方行列状に配置されたパターンのマスクを例示しているが、マスクの開口部分の形状は、円形状や六角形状、菱形状、三角形状などであってもよく、また開口部分の配置は、千鳥格子状などの4回対称形や3回対称形や6回対称形などであってもよい。
マスク6としては、融液材料と濡れにくい材質で形成されたものを用いるのが好ましい。マスクの材質が融液に濡れ易いと、マスク6の開口部分7からの成長だけでなく、マスク表面からの成長も起こり、その結果、得られるシートの表面形状が不均一な形状になったり、急峻な突起が成長したり、不安定な形状のシートが形成されることになる。また、マスク表面で核発生し、その後、結晶成長した部分は、基板とシートの剥離が困難になる場合が多くなる。この結果、基板の耐久性が悪くなり、連続生産に支障をきたすことに繋がる。
マスク6の形成材料としては、基板の形成材料や融液材料との組み合わせによって、適宜選択することができる。ただし、得られるシートの品質や形状に影響を及ぼさない組み合わせが好ましい。このようなマスク6の形成材料としては、基板の形成材料として上記で例示したシリコン、サファイア、アルミニウム、ゲルマニウム、リン化ガリウム、砒化ガリウム、ニッケル、チタン、タンタル、タングステンなどの酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物などが挙げられる。
特に、シリコンシートを作製する場合には、基板の形成材料がシリコンであり、マスク6の形成材料が酸化シリコン、窒化ホウ素、窒化シリコン、高純度黒鉛、グラッシーカーボン、炭化ケイ素、ダイアモンドライクカーボン、窒化アルミニウムなどが好ましい。基板表面へのマスクの形成方法は特に限定されないが、微粒子などを用いた塗布膜であっても構わない。微粒子の塗布膜であると、最表面部分は、微粒子による微小な凹凸によって、さらに濡れ性を変化させることが可能となる。また、マスクと融液との濡れ性を向上させるために、マスクの形成材料に微量の添加物を加えたり、サンドブラスト処理を施すことによって、マスク表面の平滑性を変化させるようにしてもよい。
上述したように、本発明のシートの製造方法においては、基板上に成長させたシートにおいて、基板とシートとの間に空隙部分が形成されるのが好ましい。基板と基板上に成長させたシートとの間に空隙部分が形成されることにより、基板からシートを容易に剥離することが可能となる。このようにして、剥離されたシートを太陽電池などのデバイスなどに使用することが可能となる。
図4は、本発明のシートの製造方法に好適に用いられる製造装置の一例を模式的に示す図である。本発明のシートの製造方法は、具体的には、図4に示すような装置を用いることによって実施することができる。図4に示す装置は、たとえばシリコンシートを製造する場合の製造装置の例を示し、シリコン融液を収容するための坩堝(高純度黒鉛製)93と、その先端に取り付けられた基板92を坩堝内の融液に接触させるように移動可能な機構を有する手段91とが、チャンバ(図示せず)内に設けられてなる構成を基本的に備える。
まず、得られるシリコンシートの比抵抗が所望の濃度になるようにボロンの濃度を調整したシリコンの塊を、坩堝93内に一杯になるまで充填する。次に、チャンバ内の真空引きを行い、チャンバー内を所定の圧力まで減圧する。その後、チャンバー内にArガスを導入し、たとえば10L/minの流量のArガスをチャンバー上部より流したままにする。このように常にガスを流しつづけるのは、清浄なシリコン湯面を得るためである。
次に、シリコン溶融用のヒータ95の温度を1500℃に設定し、坩堝93内のシリコン塊を完全に溶融状態にする。このとき、シリコン原料は溶融することで液面が低くなることから、シリコン融液の湯面が、坩堝93上面から1cm程度下の位置となるように、新たにシリコン粉末を投入する。シリコン溶融用のヒータは、一度に1500℃に上げるのではなく、1300℃くらいまで10〜100℃/minの昇温速度で加熱し、その後、所定温度まで上げるのが好ましい。これは、急激に温度を上げると、坩堝の角度などに熱応力が集中的にかかり、坩堝の破損に繋がるためである。
その後、シリコン融液94の温度を1410℃に設定し、30分間そのまま保持し、融液温度の安定化を図り、坩堝昇降機構98を用いて、坩堝93を所定の位置に移動させる。このシリコン融液94の温度は、1400〜1500℃が好ましい。シリコンの融点が1410℃付近であるため、1400℃未満に設定すると、坩堝93の壁から徐々に湯面が固まってくるためである。しかしながら、シリコン融液94は熱による対流が存在するために、長時間の生産を行わないときなどには、1400℃に設定することも可能である。また、1500℃を超える温度に設定すると、得られるシリコンシートの成長速度が極端に遅くなり、生産性が悪くなるため好ましくない。
次に、基板92を、図4中の矢印の方向に、基板の表面がシリコン融液に接触するように移動させる。このように基板の表面がシリコン融液と接することで、基板の表面にシリコンシートが成長する。基板上にシリコンシートを作製するための軌道は、図4に示したような軌道であってもいいし、円軌道、楕円軌道であっても構わない。特に、任意の軌道を実現できるような装置構成にするのがより好ましい。
シリコン融液94への進入時の基板92の表面温度は、200〜1100℃が好ましい。基板の温度が200℃未満であると、安定した制御が困難となる虞がある。すなわち、連続生産する場合、チャンバ内で、浸漬待ちの基板はシリコン融液からの輻射熱を受け、常に200℃未満に維持することが困難となり、得られるシリコンシートの品質にばらつきが生じることに繋がるためである。また、基板の温度が1100℃を超えると、シリコンシートの成長速度が遅くなるだけでなく、基板とシリコンが固着したり、生産性が悪くなる虞が生じる。このように、基板の温度によって、得られるシリコンシートのばらつきが生じやすくなるため、冷却機構と加熱機構の両方を備えている方が好ましい。
図5は、本発明のシートの製造方法によって得られるシートの表面を模式的に示す図である。図5には、たとえば、図2に示した例の基板を用いて製造した場合のシートを示している。本発明の製造方法にて得られるシートは、多結晶体となり、比較的結晶方位が揃ったシートとなる。このように本発明の製造方法にて得られるシートは、基板の結晶の成長起点が単結晶であるために、その単結晶の方位を反映することが多くなり、ある特定の方位の結晶粒と、その特定の方位の結晶粒と双晶関係にある結晶粒の面積の和が、シート表面の全結晶粒の面積の30%以上であることを特徴としている。本発明は、このような特徴を有するシートをも提供するものである。
図5は、基板側に6個の成長起点となる単結晶部分が存在していた場合の模式図であり、その6個の成長起点から成長した結晶粒群(8A、8B、8C、8D、8E、8F)が、略正方形となる。本発明のシートは、単結晶の起点からの結晶成長により、起点の方位を反映した方位になるが、表面もしくは裏面側からみると、1個の起点から発生した結晶粒は、複数の結晶粒から形成されている。
たとえば、結晶粒群8Aの場合では、3個の結晶粒(8A1、8A2、8A3)から構成されている。このとき、結晶粒8A1と結晶粒8A3とは、境界である結晶粒界LAによって仕切られている。この結晶粒界LAの線は、直線的ではなく、曲線的である。2つの直線状Σ3粒界の交点から伸びるこのような結晶粒界LAの線は、直線的である場合には対応粒界Σ9を形成し、ほとんど少数のキャリアトラップや多数キャリアトラップを形成しないことがわかっている。しかし、曲線的な場合には厳密な対応粒界にはなっておらず、ランダム粒界より影響は少ないものの、セル効率を下げる直接的な原因になる可能性があり、さらには太陽電池以外の電子デバイスを用いる場合にも、影響を及ぼす可能性が生じる。
一方、結晶粒群8Fは、結晶粒8F1と8F2とから構成されているが、このときの、結晶粒8F1と8F2を分離している粒界LBの線は、直線状となる。この直線状の結晶粒界LBは、基板からの成長起点が単結晶であるために、起点からの方位を反映する。このような結晶粒界LBは、<111>の積層欠陥あるいは<111>について結晶が対称に積まれたΣ3対応粒界であり、太陽電池特性にほとんど影響を与えない粒界である。
また、隣り合う成長起点から成長した結晶粒8F1、8E1はどちらも成長基板の結晶方位をもつため、これら2つの結晶間にみられる界面は、若干の転位を含むもののほとんど格子整合しており、少数キャリアトラップ、多数キャリアトラップの密度は、ランダム粒界と比較して桁違いに少ない。また、結晶粒8E2は8F1と同一方位をもつ8E1と同一方位、あるいは双晶の方位になっていることから、2つの結晶粒8F1と8E2との界面もランダム界面と比較して、少数キャリアトラップ、多数キャリアトラップの密度が小さい。
また、成長起点付近からみられる曲線状粒界LCについては、断面方向の詳しい評価を行わないとどのようにしてこのような粒界が形成されたかは明らかではないが、大部分は成長起点から成長するうちに、双晶粒界がいくつか入り、結果的にランダム粒界を形成したものと考えられる。このような粒界では少数キャリアトラップ、多数キャリアトラップの密度が高く、セル効率を下げる直接的な原因になる可能性があり、さらには太陽電池以外の電子デバイスを用いる場合にも、影響を及ぼす可能性が生じる。
このように本発明のシートは、ある特定の方位の結晶粒と、その特定の方位の結晶粒と双晶関係にある結晶粒の面積の和が、シート表面の全結晶粒の面積の30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であることを特徴とする。ここで、「特定の方位」とは、基板に用いるのが好適な<001>あるいは<111>などを指すものである。本発明のシートは、このような前記結晶粒の面積の和を有するものであれば、上述した本発明のシートの製造方法によって製造されたものに制限されるものではない。
本発明のシートは、その法線方向からみたときの結晶粒の方位が、<001>もしくは<111>から±15°以下であることが好ましく、±10°以下であることがより好ましい。前記結晶粒の方位が<001>から±15°以下であるシートは、アルカリエッチングにより、容易にテクスチャ構造(光閉じ込め構造)を形成することができ、高性能な太陽電池を作製することが可能となるという利点がある。また、前記結晶粒の方位が<111>から±15°以下であるシートは、最も成長速度の遅い面であるシート表面が略平面で平滑性に優れたものであり、低コストな太陽電池作製プロセスを用いることが可能となり、安価な太陽電池を提供することが可能となるという利点がある。
本発明のシートは、金属材料および半導体材料のうちの少なくともいずれかによって形成されるが、太陽電池に好適に適用可能な、シリコンを含有するシリコンシートであるのが特に好ましい。
なお、本発明においては半導体材料にてシートを形成する場合、基板としてリン化ガリウムを用い、融液として砒化ガリウムなど、III−V族化合物にてシートを形成することもでき、また二元系だけでなく、三元系、四元系、五元系、六元系まで同様の方法にてシートを作製することが可能である。
本発明では、上述した本発明のシートを用いた太陽電池をも提供する。本発明の太陽電池によれば、容易に、低コストで高性能な太陽電池を提供することが可能となる。
本発明の太陽電池は、上述した本発明のシートを用い、従来公知の工程を経て作製することができる。まず、シリコンシート(たとえば、100mm角)を硝酸とフッ化水素酸(フッ酸:HF)との混酸で洗浄も兼ねてエッチングを行った後、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエッチングを行う。その後、PSG(リンシリケートガラス)拡散により、得られたシリコンシートにn+層を形成する。n+層形成は、この方法に限定されず、POCl3を用いた気相拡散であってもよい。n+層形成時に形成されたPSG膜をフッ化水素酸により除去した後、プラズマCVD法により、反射防止膜となるシリコン窒化膜を形成した。次に、太陽電池の裏面側となる面にも、形成されているn層を硝酸とフッ化水素酸の混合溶液でエッチング除去し、p型基板を露出させた。その上に、Alペーストをスクリーン印刷することにより、裏面電極およびp層を同時に形成した。次に、Agペーストを印刷することにより、受光面電極を形成した。その後、半田コートを行い、太陽電池を得ることができる。
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
<実施例1>
図4に示した製造装置を用いて、シートを製造した。
基板としては、機械加工によって幅200ミクロンの凸部を残すように、幅1ミリ、深さ20ミクロンの溝を形成した単結晶シリコン基板を用いた。比抵抗が2Ω・cmとなるようにボロン濃度を調整したシリコン融液を、高純度カーボン製坩堝に保護された石英製坩堝内に入れ、チャンバー内に固定した。
まずチャンバーを常圧のArガスで置換後、シリコンをヒータにより溶融し、融液温度を1425℃で30分間安定させた。次に、上記基板を、シリコン融液に3mm浸漬し、シリコンシートを成長させた。シリコン融液は表面張力のため基板の凹部までは入ることができず、凸部のみでエピタキシャル成長する。
結晶粒の方位の評価をEBSDを用いて行ったところ、異なる凸部から成長した結晶同士は約75%が整合していることが確認された。その他の部分は結晶の成長中に積層欠陥あるいは双晶粒界が入ったためにΣ3粒界やΣ9粒界であった。
<実施例2>
まず、図4に示した製造装置を用いて、シートを製造した。
基板としては、シリコン単結晶基板上に厚さ50ミクロンの窒化ホウ素膜を成膜し、2mm×2mmピッチで100ミクロン角のシリコン露出部(開口部)を形成したものを用いた。比抵抗が2Ω・cmとなるようにボロン濃度を調整したシリコン融液を、高純度カーボン製坩堝に保護された石英製坩堝内に入れ、チャンバー内に固定した。
まず、チャンバーを常圧のArガスで置換後、シリコンをヒータにより溶融し、融液温度を1430℃で10分間安定させた。次に上記成長基板を、シリコン融液に3mm浸漬し、シリコンシートを成長させた。窒化ホウ素はシリコン融液と濡れ性が悪く、シリコンが核発生しないという特徴を有しているため、シリコンシートは、2mm間隔で露出した単結晶シリコンの部分からのみエピタキシャル成長し、異なる露出部から成長した結晶同士も約70%が整合していることが確認された。その他の部分は結晶の成長中に積層欠陥あるいは双晶粒界が入ったためにΣ3粒界やΣ9粒界であった。この実施例では核発生部の面積が小さいため、成長したシリコンシートは基板から容易に剥離することができた。
次に、剥離したシリコンシートを用いて、太陽電池を作製した。得られたシリコンシートから50mm×50mmを取り出した。そのときの重量換算板厚は300ミクロンであった。太陽電池のセル化工程では、まず硝酸とフッ化水素酸(フッ酸)との混酸(硝酸:フッ化水素酸=1:3)で、25℃で1分間のエッチングおよび洗浄を行い、その後、水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液(水酸化ナトリウムを5wt%含有)を用いて、85℃で30分間のアルカリエッチングを行った。
その後、POCl3拡散によりシリコンシート表面にn+層を形成した。シート表面に形成されているPSG膜をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面側となるn+層上にプラズマCVDを用いてシリコン窒化膜を形成した。次に、受光面側の電極をスクリーン印刷法を用いて形成した。その後、半田ディップを行い、太陽電池を作製した。
得られた太陽電池について、太陽電池測定用ソーラーシミュレーターで、AM1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行った。測定結果は、短絡電流32.10(mA/cm2)、開放電圧595(mV)、フィルファクター0.745、効率14.2(%)であった。
<実施例3>
基板として2ミリピッチで高さ0.3ミリの100ミクロン角の点状の凸部を有する単結晶シリコン基板を用いた以外は、全て実施例2と同様にしてシリコンシートを作製し、太陽電池の作製も行った。
基板を浸漬させたとき、シリコン融液は表面張力のため成長基板の凸部のみに接触し、エピタキシャル成長は凸部のみから起こる。その結果、隣り合う凸部から成長した結晶粒の75%は方位整合していることが確認された。その他の部分は結晶の成長中に積層欠陥あるいは双晶粒界が入ったためにΣ3粒界やΣ9粒界であった。この実施例でも実施例2と同様、核発生部の面積が小さいため、成長したシリコンは成長基板から容易に剥離することができた。
次に、剥離したシリコンシートを用いて、太陽電池を作製した。得られたシリコンシートから50mm×50mmを取り出した。そのときの重量換算板厚は280ミクロンであった。実施例2と同様のセルプロセスで太陽電池を作製し、得られた太陽電池についてAM1.5、100mW・cm2の照射下にてセル特性の測定を行った。測定結果は、短絡電流31.91(mA/cm2)、開放電圧605(mV)、フィルファクター0.760、効率14.7(%)であった。
<実施例4>
基板として、単結晶シリコン<001>基板表面をNaOHで異方性エッチングを行い、<111>面で囲まれたピラミッド形状の突起をもたせた基板(図6)を用いた以外は、全て実施例2と同様にしてシリコンシートを作製し、太陽電池の作製も行った。
このとき用いた基板の表面には、ピラミッド状の凹凸が無数に存在しているが、そのピラミッドの高さは必ずしも均一ではない。得られたシートと、基板の断面をみると、得られるシートの成長起点は、ピラミッド高さの高い部分からの成長が主であり、エピタキシャル成長は一部のピラミッド状突起の先端のみで起こった。
成長したシリコンの方位についての評価を行ったところ、隣り合う凸部から成長した結晶粒の80%は方位整合していることが確認された。その他の部分は結晶の成長中に積層欠陥あるいは双晶粒界が入ったためにΣ3粒界やΣ9粒界であった。またこの実施例も実施例2と同様、核発生部の面積が小さいため、成長したシリコンは基板から容易に剥離することができた。
次に、剥離したシリコンシートを用いて、太陽電池を作製した。得られたシリコンシートから50mm×50mmを取出した。そのときの重量換算板厚は320ミクロンであった。実施例2と同様のセルプロセスで太陽電池を作製し、得られた太陽電池についてAM1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行った。測定結果は、短絡電流31.77(mA/m2)、開放電圧592(mV)、フィルファクター0.749、効率14.1(%)であった。
<実施例5>
基板として、純度が99.99%の単結晶シリコン基板であって、2ミリピッチで高さ0.3ミリの100ミクロン角の点状の凸部を有するものを用いた以外は、全て実施例2と同様にしてシリコンシートを作製して、太陽電池の作製も行った。
成長したシリコンの方位についての評価を行ったところ、隣り合う凸部から成長した結晶粒の60%は方位整合していることが確認された。またこの実施例で得られたシートも、核発生部の面積が小さいため、成長したシリコンは基板から容易に剥離することができた。
次に、剥離したシリコンシートを用いて、太陽電池を作製した。得られたシリコンシートから50mm×50mmを取出した。そのときの重量換算板厚は315ミクロンであった。実施例2と同様のセルプロセスで太陽電池を作製し、得られた太陽電池についてAM1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行った。測定結果は、短絡電流32.27(mA/m2)、開放電圧594(mV)、フィルファクター0.755、効率14.1(%)であった。
<実施例6>
基板として、純度が99.9999%の単結晶シリコン基板であって、2ミリピッチで高さ0.3ミリの100ミクロン角の点状の凸部を有するものを用いた以外は、全て実施例2と同様にしてシリコンシートを作製して、太陽電池の作製も行った。成長したシリコンシートは、基板から容易に剥離することができた。
成長したシリコンの方位についての評価を行ったところ、隣り合う凸部から成長した結晶粒の64%は方位整合していることが確認された。またこの実施例で得られたシートも、核発生部の面積が小さいため、成長したシリコンは基板から容易に剥離することができた。
次に、剥離したシリコンシートを用いて、太陽電池を作製した。得られたシリコンシートから50mm×50mmを取出した。そのときの重量換算板厚は315ミクロンであった。実施例2と同様のセルプロセスで太陽電池を作製し、得られた太陽電池についてAM1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行った。測定結果は、短絡電流32.09(mA/m2)、開放電圧592(mV)、フィルファクター0.758、効率14.4(%)であった。
<実施例7>
基板として、サファイアからなる基板であって、2ミリピッチで高さ0.3ミリの100ミクロン角の点状の凸部を有するものを用いた以外は、全て実施例2と同様にしてシリコンシートを作製して、太陽電池の作製も行った。
成長したシリコンの方位についての評価を行ったところ、隣り合う凸部から成長した結晶粒の50%は方位整合していることが確認された。またこの実施例で得られたシートも、核発生部の面積が小さいため、成長したシリコンは基板から容易に剥離することができた。
次に、剥離したシリコンシートを用いて、太陽電池を作製した。得られたシリコンシートから20mm×20mmを取り出した。そのときの重量換算板厚は360ミクロンであった。実施例2と同様のセルプロセスで太陽電池を作製し、得られた太陽電池についてAM1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行った。測定結果は、短絡電流31.83(mA/m2)、開放電圧593(mV)、フィルファクター0.760、効率14.3(%)であった。
<実施例8>
基板を680℃に保持されたアルミニウム融液に浸漬した以外は、全て実施例1と同様にして、シリコン基板上にアルミニウムシートを作製した。得られたアルミニウムシートと基板との間には空隙が形成された。
<実施例9>
基板を970℃に保持されたゲルマニウム融液に浸漬した以外は、全て実施例1と同様にして、シリコン基板上にゲルマニウムシートを作製した。得られたゲルマニウムシートと基板との間には空隙が形成された。
<実施例10>
基板として、単結晶リン化ガリウムからなる基板であって、2ミリピッチで高さ0.3ミリの100ミクロン角の点状の凸部を有するものを用い、この基板を1250℃に保持された砒化ガリウム融液に浸漬した以外は、全て実施例2と同様にして、砒化ガリウムシートを作製した。
<実施例11>
基板として単結晶シリコン基板であって、2ミリピッチで高さ0.3ミリの100ミクロン角の点状の凸部を有するものを用いたこと以外は、全て実施例10と同様にして、砒化ガリウムシートを作製した。
本発明のシートの製造方法の好ましい一例を模式的に示す図であって、図1(A)は、表面に凹凸構造を有する基板2および基板2上に成長したシート1を示す概略斜視図であり、図1(B)はシート1が形成される前の基板2を示す概略斜視図である。 本発明のシートの製造方法の好ましい他の例を模式的に示す図であって、図2(A)は、表面に凹凸構造を有する基板2’および基板2’上に成長したシート1’を示す概略斜視図であり、図2(B)はシート1’が形成される前の基板2’を示す概略斜視図である。 本発明のシートの製造方法の好ましいさらに他の例を模式的に示す図であって、図3(A)は、パターン状のマスク6を施した基板2’’および基板2’’上に成長したシート1’’の概略斜視図であり、図3(B)は、シート1’’が形成される前の基板2’’を示す概略斜視図である。 本発明のシートの製造方法に好適に用いられる製造装置の一例を模式的に示す図である。 本発明のシートの製造方法によって得られるシートの表面を模式的に示す図である。 本発明の製造方法に用いる基板の一例を示す図である。
符号の説明
1,1’,1’’ シート、2,2’,2’’ 基板、3 基板の凸部、4 基板の凹部、5 基板とシートの空隙部分、6 マスク、7 開口部、8 結晶粒。

Claims (10)

  1. 金属材料および半導体材料のうち少なくともいずれかを含有する融液に基板を接触させて、前記基板上にシートを成長させるシートの製造方法であって、少なくとも基板の核発生位置が単結晶からなることを特徴とするシートの製造方法。
  2. 基板が、単結晶で形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 基板の単結晶が、<001>もしくは<111>から±15°以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 基板の表面が凹凸構造を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 基板が、パターン状のマスクを施したものである、請求項4に記載の方法。
  6. 基板上に成長させたシートにおいて、基板とシートとの間に空隙部分が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. ある特定の方位の結晶粒と、その特定の方位の結晶粒と双晶関係にある結晶粒の面積の和が、シート表面の全結晶粒の面積の30%以上であることを特徴とするシート。
  8. シートの法線方向からみたときの結晶粒の方位が、<001>もしくは<111>から±15°以下であることを特徴とする請求項7に記載のシート。
  9. シリコンを含有することを特徴とする請求項7または8に記載のシート。
  10. 請求項9に記載のシートを用いて作製した太陽電池。

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