JP4132786B2 - 薄板製造方法および太陽電池 - Google Patents

薄板製造方法および太陽電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4132786B2
JP4132786B2 JP2001346225A JP2001346225A JP4132786B2 JP 4132786 B2 JP4132786 B2 JP 4132786B2 JP 2001346225 A JP2001346225 A JP 2001346225A JP 2001346225 A JP2001346225 A JP 2001346225A JP 4132786 B2 JP4132786 B2 JP 4132786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin plate
melt
substrate
growth surface
silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001346225A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003081690A (ja
Inventor
修二 胡間
至弘 佃
浩司 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2001346225A priority Critical patent/JP4132786B2/ja
Priority to PCT/JP2002/006189 priority patent/WO2003002457A1/ja
Priority to TW091114013A priority patent/TW546848B/zh
Publication of JP2003081690A publication Critical patent/JP2003081690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4132786B2 publication Critical patent/JP4132786B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B19/00Liquid-phase epitaxial-layer growth
    • C30B19/06Reaction chambers; Boats for supporting the melt; Substrate holders
    • C30B19/064Rotating sliding boat system
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B19/00Liquid-phase epitaxial-layer growth
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B19/00Liquid-phase epitaxial-layer growth
    • C30B19/06Reaction chambers; Boats for supporting the melt; Substrate holders
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/02Elements
    • C30B29/06Silicon

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として太陽電池などに用いることができる薄板製造方法およびその薄板製造方法によって得られた薄板を用いた太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶融シリコンから直接シリコン薄板を引き出す装置としては、特許第2575838号公報などに開示されたシリコン・デンドライトウェブ結晶成長装置がある。このデンドライトウェブ結晶成長装置の主要部分としては、シリコン融液が入ったるつぼを収容するサセプタとスロットを有したサセプタ蓋、コイル誘導加熱器などの加熱要素から構成されている。この装置を用いると、サセプタ蓋のスロットから、連続して(111)の結晶方向で成長した薄い薄板状のデンドライトウェブを引き出すことが可能である。
【0003】
この方法によると、デンドライトウェブは薄い薄板状であり、デバイス製造に先立ってスライスなどの二次加工がほとんど必要無いため、インゴットをワイヤーソーなどによりスライスしてウエハを得る従来のシリコンウエハの製造法よりも、プロセスコストおよび原料費の双方を低減することができるとされている。なお、一般的には、150μmのシリコン薄板を得るためには、引き出し速度は約1.3〜1.4cm/分の速度で成長させることができる。
【0004】
一方、回転冷却体を溶融シリコン中に浸漬して、冷却体表面に固化成長する低コストなシリコン薄板を得ようとする方法としては、特開平10―29895号公報などに開示されたシリコン薄板の製造装置がある。
【0005】
このシリコン薄板の製造装置の主要部分としては、シリコンの加熱溶解部と回転冷却体を含む冷却部とで構成されている。図22に示すように、耐熱材で構成された回転体81の円筒面の一部を、上下可動るつぼ84内の溶融シリコン中に浸漬し、該冷却体を回転させながらカーボンネット88を引き出すことによって、カーボンネット上に固化成長したシリコン薄板82を連続的に取出す。
【0006】
この方法によると、インゴットをワイヤーソーなどによりスライスしてウエハを得る従来のシリコンウエハの製造法よりも、プロセスコストおよび原料費の双方を低減することができるとされている。また、回転冷却体がシリコンを強制冷却かつ引き出し、支持を行なうため、引き出し速度を大幅に向上することが可能である。なお、回転冷却体の大きさ、回転数によって、引き出し速度は制御可能であるが、一般的に10cm/分以上で引き出すことが可能である。
【0007】
シリコン・デンドライトウェブ結晶成長装置においては、成長速度が約1.3cm/分と遅い。そのため、生産性を向上させることが困難である。
【0008】
一方、特開平10−29895号公報に開示されたシリコン薄板の製造方法においては、一般的に10cm/分以上の高速引き出しが可能である。しかしながら、回転冷却体を支持、回転し、また冷却媒体を導排出させる回転軸のシリコン融液への浸漬を防止するために、回転冷却体の浸漬深さを大きくするためには装置の大型化が必要となる。このため、この方法によると、融液から固化成長したシリコン薄板が融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度が小さいために、薄板表面を平滑化することが困難になっている。
【0009】
従来のシリコン薄板製造方法について図22を用いて詳細に説明する。るつぼ84内には融液が満たされている。回転体81にはカーボンネット88が追随するようになっており、このカーボンネット88に、シリコン融液が這い上がる。這い上がったシリコン融液82aは、冷却されたのち、液だまり82bとなる。この方法によると、融液面から20mm程度の高さまで、シリコン融液が表面張力によって這い上がっていることによって、さらに回転が進むと、表面に這い上がったシリコン融液82aが融液内で固化成長している平滑薄板上に残ることになり、この残ったシリコン融液は表面張力が大きいために液が均一に分布せずに局在し、雫のような形状の液だまり82bが残る。これが徐々に固まることによってシリコン薄板の表面うねりが大きくなる。また、そのうねりの表面にも小さい突起が生じる。
【0010】
また、取出したシリコン薄板の断面を確認したところ、シリコン融液83内で成長した均一厚の柱状結晶の上に、厚さ50〜500μm、粒径50〜100μm程度のランダム配向領域が確認された。これは、均一柱状結晶の上に這い上った液だまりが固化したものであり、柱状結晶に比べて粒径が小さく、シリコン薄板の厚み方向の結晶粒界も多いため、たとえば太陽電池として使用した場合、この部分の粒界がキャリアを再結合させる要因となる欠陥になることがわかる。
【0011】
同様に、図8のように、回転体21の表面に、平面もしくは平面に加工を施した面(以下、略平面と称する)の成長面を持つ多角柱型回転体を用いた場合も、成長面が融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度を大きくすることは困難であり、表面に這い上がったシリコン融液が融液内で固化成長している平滑薄板上に残ることになり、シリコン融液の表面張力が大きいために液が均一に分布せずに局在し、雫のような形状の液だまりが残る。これが固まることによってシリコン薄板の表面うねりが大きくなる。
【0012】
このように、回転体をシリコン融液に浸漬して、その表面にシリコン薄板を固化成長させる方法は、高速引き出しが可能であるが、表面にシリコン融液が這い上がり、表面の平滑性、結晶性を低下させる原因となっている。この、這い上がり、液だまりを防止しつつ、高速で、平滑な薄板を連続して引き出すためには、薄板表面に這い上がる融液の量を低減させるために、成長面が融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度を垂直に近づける必要がある。
【0013】
このようなシリコン薄板を用いて太陽電池を作製しようとすれば、新たに機械的な研磨などの平滑化が必要となり、低コスト化を阻害する要因となっている。すなわち、かかる状況においては、勿論安定した連続成長も困難である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解決するものであり、シリコン薄板の表面に生じる小さい突起の発生を抑制し、平坦表面を持つ薄板を得るとともに、その薄板を低コストで安定して連続的に成長させることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄板の製造方法は、薄板成長面を有する基板を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触させ、前記材料の薄板を基板に成長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてくる)ことを特徴とする薄板製造方法である。
【0016】
本発明に係る薄板の他の製造方法は、薄板成長面を有する基板を配置された移動体を移動させることにより、前記基板の薄板成長表面を金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触させ、その後、前記基板の薄板成長面を前記融液から離す一連の移動動作によって、前記材料の薄板を前記基板に成長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてくる)ことを特徴とするシート製造方法である。
【0017】
さらに本発明に係る薄板の製造方法は、薄板成長面を有する基板を配置された移動体を移動させることにより、前記基板の薄板成長面を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触させ、その後、前記基板の薄板成長面を前記融液から離す一連の移動動作によって、前記材料の結晶を前記基板に成長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、前記基板が融液から離れるときの軌道が円軌道であり、前記成長面の移動方向先端部と前記円軌道の回転軸中心との距離R1が、前記成長面の移動方向末端部と前記円軌道の回転軸中心との距離R2より小さいことを特徴とする薄板製造方法である。
【0018】
また、薄板成長面の移動方向先端部が融液から離れる時点における、前記薄板成長面と融液面とのなす角度が20度〜60度であるとともに、前記薄板成長面の移動方向末端部が融液から離れる時点における、前記薄板成長面と融液面とのなす角度が60度〜100度とすることが好ましい。また、前記半導体材料はシリコン材料とすることが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る太陽電池は、本発明に係る薄板製造方法によって製造された薄板を用いて製造された太陽電池である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係る製造方法では、基板上に薄板を成長させる場合の、融液の移動方向と移動速度、基板の移動方向と移動速度の関係を明確にすることで、得られる薄板表面の小さい突起の減少と薄板の平坦性を向上させるものである。
【0021】
基板上に薄板を成長させる場合には、基板側が移動する場合と融液側が移動する場合の2通りがある。本発明では、融液が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてくる)ことを特徴とする。すなわち、相対速度で定義することで実現可能となる。
【0022】
図1および図2に、基板の移動方向と移動速度、および融液の移動方向と移動速度を変化させた場合を詳細に説明する。図番号200および210は基板、201および211は融液面を示す。この図において、融液面と基板とのなす角が鋭角になっている面が薄板の成長面である。図では、説明のために、簡略化した基板と融液面だけを示しており、図中の矢印は、その移動の方向とその大きさを示している。この図の矢印は、基板もしくは融液が移動方向の水平方向成分のみを示している。すなわち、垂直方向成分については、任意で構わない。
【0023】
本発明では、基板の移動速度の大小と、融液の移動速度の大小の場合に分けて、説明にする。まず、図1の基板の移動速度が融液の移動速度よりも速い場合(基板の移動速度>融液の移動速度)について説明する。(a)は基板の移動方向と融液の移動方向が逆の場合、(b)は基板の移動方向と融液の移動方向が同じ場合、(c)は基板の移動方向と融液の移動方向が同じであるが(b)とは逆方向の場合、(d)は基板の移動方向と融液の移動方向が逆であり(a)とは逆方向の場合である。この図1において、得られる薄板に存在する小さい突起を抑制する効果のある場合は、(a)および(b)のような状態になるときである。
【0024】
次に、図2の基板の移動速度が融液の移動速度よりも遅い場合(基板の移動速度<融液の移動速度)について説明する。(a)は基板の移動方向と融液の移動方向が逆の場合、(b)は基板の移動方向と融液の移動方向が同じ場合、(c)は基板の移動方向と融液の移動方向が同じであるが(b)とは逆方向の場合、(d)は基板の移動方向と融液の移動方向が逆であるが(a)とは逆方向の場合である。この図において、得られる薄板に存在する小さい突起を抑制する効果のある場合は、(a)および(b)のような状態になるときである。
【0025】
図1および図2において、それぞれ(a)および(b)の状態になるときに、小さい突起の抑制に効果がある。これは、すなわち、基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてくる)ことが共通している。逆に、小さい突起の抑制に効果が少ないのは、基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側から離れていく(遠ざかる)ことになる。
【0026】
本発明は、言い換えれば、基板表面に融液状態の材料が成長するときに、常に基板側に融液が供給され続ける状態のときが小さな突起を抑制することが可能となる。この状態は、基板と融液面との界面にできるメニスカスの形状に起因している。
【0027】
図3に、基板と融液との界面にできるメニスカス形状の模式図を示す。図中(a)は凸状のメニスカス、(b)は凹状のメニスカスである。図番号220は凸状のメニスカス、221は基板、222は融液面、223は凸状のメニスカスである。この図において、メニスカスができる面を薄板の成長面(図中右側)にのみ図示しており、薄板の成長しない面(図3中、基板221の左側)には図示していない。図3において、基板表面上で融液が固化して、薄板が形成されるとき、(a)では、融液量が十分に供給され続けられているために、常にメニスカス形状が凸形状を保持できるのに対して、(b)では、融液量が不十分となり、メニスカス形状が凹形状になる。
【0028】
小さな突起が抑制できる場合、すなわち図1の(a)(b)、図2の(a)(b)の場合、メニスカス形状が凸の形状を維持できる状態が長く続くことが可能になる。一方、図1の(c)(d)、図2の(c)(d)の場合は、メニスカス形状が凹の形状になる確率が高くなり、突起を完全に抑制するのが困難になったり、薄板の均一性を損なう結果になる。これは、メニスカス形状が凸から凹になるときに、一旦メニスカスが切れる現象によるものである。基板の移動速度や融液の移動速度や融液材料の表面張力にもよるが、メニスカスが切れることで生じる融液表面の波打ちなどによって、得られる薄板の表面に小さな突起や薄板のうねりをもたらす。
【0029】
本発明では、特に、基板や融液の移動方向の水平方向の速度成分を定義することで、小さな突起の抑制と、平坦性の向上の両立を図ることができるようになる。これまでは、基板の移動方向と移動速度、融液の移動方向と移動速度の関係について説明してきたが、次に、基板の移動方向と融液の移動方向について、説明する。
【0030】
基板の移動方向は、直線軌道、円軌道、楕円軌道などが挙げられるが、上述してきたような、融液の移動方向との関係を維持できる軌道であれば特に問題はない。すなわち、直線軌道や円軌道などを含んだ複合的な軌道を有するものであっても良い。特に好ましいのは、基板の脱出時に円軌道を有するものが好ましい。円軌道にすることによって、薄板回収機構が容易になるだけでなく、上述してきたような、基板の移動方向と移動速度、融液の移動方向と移動速度の関係を容易に実現可能であるためである。すなわち、後で詳述するが、基板が融液から離れるときの軌道が円軌道であり、基板の成長面の移動方向先端部と円軌道の回転軸中心との距離(R1)が、基板の成長面の移動方向末端部と円軌道の回転軸中心との距離(R2)より小さいことにより、実現することが可能となる。このR1、R2二つの距離が同じであるということは、円軌道を描いていることを意味する。
【0031】
このとき装置の一部分の概略断面図を、図4に示す。図は簡略化した基板、融液面、および基板の移動する軌跡などを示している。図番号230は傾斜のついた基板、231は基板取付け可能な固定台、232は固定台と回転軸中心に取付けられた軸、233は融液、234はるつぼ、235は基板の移動方向先端部が移動する軌跡、236は基板の移動方向末端部が移動する軌跡である。また、図番号230、231、232を合わせた基板を含む移動体(アセンブリ)が、融液への進入前と融液に浸漬中と融液からの脱出直前で示しており、この図では反時計回りで回転を行なっている図である。このような装置構成にすると、基板230の移動速度、言い換えれば回転速度を制御するだけで、本発明の条件を実現することが容易に可能になる。このような装置構成であると、基板の移動速度や移動方向は、回転速度と回転軸の方向によって制御できることになる。
【0032】
一方、融液の移動速度や移動方向は、熱によって生じる融液の対流の仕方によって決まる。一般的に、熱によって生じる融液の対流は、温度の高い部分から低い部分に流れるが、るつぼ形状、加熱方法あるいは抜熱方法によって融液の対流の仕方は異なる。図4に示した構造であると、融液の制御温度によっても異なるが、融液最表面は加熱されない状態であるため、融液面からの抜熱が大きくなり、融液の移動方向も複雑になる傾向がある。そのために、融液表面からの抜熱量も考慮し、融液温度は融点以上の高めに保持しておくことが好ましい。
【0033】
均一性が高く、小さい突起の少ない薄板を得るためには、基板の温度制御を精密に行なえる構成にすることが好ましい。すなわち、固定台231や回転軸232の内部に冷却ガスや冷却水などの冷却媒体を通すことで、成長面を有する基板230の低温化制御が可能になる。しかしながら、得られる薄板の品質を制御するためには、基板を加熱できる構造にすることも可能である。その場合、浸漬前にヒータによって温度制御することが好ましい。より安定した薄板を得るのであれば、冷却機構と加熱機構の両機構を備える方がより好ましい。
【0034】
本発明において、基板の移動速度は、1cm/sec以上が好ましい。1cm/sec以上であると、基板が傾斜しているために、融液の移動速度をあまり考慮せずに行なうことができるためである。一方、1cm/sec以下であると、融液の移動速度と方向性を厳密に考慮する必要がでてくるためである。装置構成の簡素化から考えると、基板の移動速度のみで制御できる構成にするのが好ましい。
【0035】
これまでの説明においては、特に基板の移動と融液の移動の両方が移動する場合について詳述してきたが、本発明による薄板の製造方法では、必ずしも基板が移動する必要はない。
【0036】
図5を用いて、融液が移動するときについて説明する。図5は、融液が移動する際における装置の一部の概略斜視図である。この装置は成長面を有する基板240、該基板240を取付け脱着可能な固定基板241、242は上下動可能な軸242、融液を基板へ供給する傾斜台243、融液を保持しておくためのるつぼ244である。この図では、簡略化のために、上下動を行なうためのモータや、融液を保持するためヒータなどは示していない。るつぼ244内で保持された融液は、傾斜台243に融液状態で供給される。
【0037】
次に、この状態で基板240を融液に接触させ、その後、基板240を上に移動させることで、融液から切り離すことができる。このようにして、基板240上に薄板を成長させることができる。このとき、融液が傾斜台を流れ落ちるため、基板240は上下動するだけで、本発明の基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてくる)ことを実現することが可能となる。
【0038】
このとき、融液の移動速度は、傾斜台の傾きによって調節可能であるために、基板を上下動させるだけで、基板の成長面側から見ると、融液が向かって来る(近づいてくる)状態を実現できる。また、このとき、基板240、固定基板241、可動軸242のアセンブリが上下動だけでなく、傾斜台243の傾きに沿って移動できる構造であってもよい。
【0039】
このような構造にすることで、融液の落下方向に対して、移動体(アセンブリ)の移動速度を制御することが可能となり、薄板の小さい突起や表面のうねりを抑制することが可能となる。この図において、固定基板241と基板240は脱着可能な構造であることが好ましい。これは、基板240と得られる薄板を、そのまま系外へ取出せる構造にすることで、生産速度を大幅に向上させることができるためである。また、傾斜台243は、傾斜台上で融液が固化しないようにヒータなど加熱しておくことが好ましい。また、移動体(アセンブリ)を複数個連続して接続することで、さらに生産速度を向上させることができ、結果として安価な薄板を提供することが可能となる。
【0040】
次に、薄板の製造装置の断面図を示す図6を用いて薄板の作製方法について説明する。図番号250は傾斜を有する基板、251は得られた薄板、252は基板を着脱可能な固定台、253は融液、254はるつぼ、255はるつぼ台、256はヒータ、257は昇降台、258は昇降軸、259は追加投入管、260は密閉可能なチャンバ、261は取出し機構である。この図において、基板250と固定台252を含めた移動体(アセンブリ)は、チャンバ外に設けられているモータなど(図示せず)によって回転制御が可能な構造になっている。
【0041】
また、昇降軸258もチャンバ外に設けられたモータなど(図示せず)によって上下方向に移動制御が可能な構造になっている。さらに、基板250と得られた薄板251は、基板毎チャンバ外へ搬出可能な構造になっている。連続性を考えた場合には、基板250の搬入経路と搬出経路を別にすることによって、より生産性が向上することは言うまでもない。
【0042】
次に、シリコン薄板を製造する方法について説明する。図6は、密閉性の良好なチャンバで構成されており、本発明を実現する機構を有する装置が内部に設置されている。得られる薄板の原材料をるつぼ内に準備し、仕込まれる原料は、高純度シリコンやそれよりも純度の低い金属級のシリコンも使用できる。より好ましくは、金属級シリコンを精製し、金属不純物量が低下した原料を用いることが好ましい。るつぼには、黒鉛製やシリカ製のものなどが挙げられるが、シリカ製のものを使用するとシリカが高温で保持されるとシリカに含有されている酸素成分が得られるシリコン薄板に含有されることになるので、黒鉛製のるつぼを使用することがより好ましい。
【0043】
次に、装置内の真空引きを行ない、チャンバ内を減圧する。減圧後不活性ガスであるArガスをチャンバ内に導入する。Arガスの他に、Heガス、N2ガスなども考えられるが、Arガスがより好ましい。さらにチャンバ内に導入されるArガスは、チャンバの上部から導入し、下部から排気されるような構成にすることが好ましい。これは、チャンバ内の炉材から発生する微量の酸素成分とシリコン融液とが反応することで生じる酸化ケイ素を速やかにチャンバ外へ排出するためである。
【0044】
次に、チャンバ内の圧力を調節しながら、昇温する。特に、昇温初期とシリコンの溶解初期には、酸化ケイ素が比較的多く発生することから、このときには、真空度を上げておく方が好ましい。シリコンの融点は、1410℃位であるが、完全に溶解するまでは融点以上の1500℃くらいまで上げておき、完全に溶解したのを確認したのち、基板を浸漬させる温度まで降温する。このとき、浸漬時の融液温度は、融点近傍が好ましいが、融点付近であると、基板の浸漬直後に湯面凝固が始まる恐れがあるために、生産性を考慮して、融点よりは若干高い温度にすることがより好ましい。
【0045】
また、シリコンは、固体の方が体積が大きいために、完全に溶解すると、融液の嵩が減る。そのために、湯面の高さが低くなるために、シリコンの塊、もしくは、シリコンの融液状態での追加が必要になる。連続生産性を考慮した場合、湯面調整のための追加投入は、融液状態で行なうのが好ましい。これは、固体のままで、投入すると湯面が揺れたり、基板の移動を止めて完全に溶解するのを待つ必要があるためである。湯面が所望の位置に調整できたのち、るつぼを所定の位置まで上昇させる。次に、最初の基板をチャンバ内に搬入する。
【0046】
その後、図6に示す装置であると、120°回転し、次の基板を搬入する。この状態では、最初に入れた基板が融液直上の位置、すなわち浸漬直前の位置にある。この位置で、基板の温度を調整する機構が存在することが好ましい。すなわち、基板温度は、得られるシリコン薄板の特性を左右する因子であるためである。融液に浸漬される直前の基板温度は、200℃以上1300℃以下が好ましい。これは、200℃以下に調整することは、困難であるためである。すなわち、連続生産を考えると、次々に搬入されてくる基板を200℃に保つためには、固定台の方をさらに冷却する必要がある。
【0047】
そのためには、冷却ガスや冷却水を大量に流すことになり、チャンバ内の温度を常に一定に保持することが困難になるだけでなく、熱効率が悪くなり、結果として低コストの基板を提供するのが困難になる。一方、1300℃以上に基板温度を保つことも困難となる。なぜなら、浸漬直前の位置で基板を1300℃以上に保持するには、かなりの時間を要することになり、生産性が劣るためである。
【0048】
基板温度を調節するためには、冷却機構と加熱機構を併用して温度制御する方が好ましい。これは、基板温度を常に一定温度で浸漬するためには必要である。本装置においては、所定温度に制御された基板は、円軌道で浸漬されることになる。しかしながら、基板が傾斜されているために、本発明の効果をもたらすことが可能となり、表面平滑性にすぐれたシリコン薄板を得ることが可能になる。浸漬された基板と、その基板上に付着したシリコン薄板は、チャンバ上部で回転機構を有する回転軸から取外されて、系外へ搬出される。この一連の操作によって、シリコン薄板を得ることが可能となる。
【0049】
本発明に係る他の薄板製造方法では、基板が融液から離れるときの軌道を円軌道とし、該成長面の移動方向先端部と円軌道中心との距離R1が、成長面の移動方向末端部と円軌道中心との距離R2より小さくなるように、成長面を傾斜させて設け、成長面および成長面に成長したシリコン薄板が融液から離れるときの、融液面との角度を垂直に近づけることで、シリコン融液を除去するのである。
【0050】
本発明は、略平面を有する基板を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一つを含有する物質の融液に浸漬し、続いて融液から離すことで、略平面の成長面に融液を固化成長させて薄板を作製する方法において、該基板が融液から離れるときの軌道が円軌道である場合を包含しているが、ここでは例として、図7を用いて、多角柱型回転体を用い、回転体に取付けられた基板が、回転軸によって円運動する場合について以下に説明する。
【0051】
また、本発明では、完全に平滑な平面と、微細成長状態を制御するため、表面に特定の形状が加工された平面と、をあわせて略平面と呼ぶものとする。ここでは、これらを含めて、該平面が単に平滑な状態として取扱い、説明する。
【0052】
また、本発明での、融液からの固化成長により、その結晶状態としては、温度などの条件によって、単結晶もしくは多結晶、非晶質、結晶質と非晶質が混在した物質の薄板となることもある。
【0053】
融液には、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム、ひ素、インジウム、リン、硼素、アンチモン、亜鉛、すずなどの半導体材料を含む。またはアルミニウム、ニッケル、鉄など金属材料を含む融液を使用することができる。例としてシリコン融液からシリコン多結晶薄板を製造する場合について説明する。
【0054】
成長面を構成する基板は、耐熱性に優れ、かつシリコン薄板2を汚染しないものとして、カーボンやSiC、高融点金属など、およびこれらの材質を他物質で被覆したものが望まれる。
【0055】
回転体上の成長面がシリコン融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度は、回転体(および基板)の形状と大きさ、成長面の大きさ、浸漬深さの3要素から決定される。従来の製造方法を示す図22のように、円筒型の回転体81表面のように回転弧に沿った成長面の場合、曲面が融液面から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度αは一定である。しかし、図7のように、多角柱型の回転体1上に設置された基板上の成長面を回転させた場合、面の各部分によって回転軸中心からの距離(回転径)が異なるため、成長面がシリコン融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度β1は、面の各部によって異なる。
【0056】
まず、図8のように、多角柱型の回転体21上に、多角柱の各面と並行になるように均一厚みの基板50を設置し、基板表面(成長面)25aにシリコン薄板を成長させる場合について説明する。
【0057】
多角柱型の回転体21上の基板50の成長面25aを200mm角の正方形とすると、回転体21と基板50を含む複合回転体の高さ(対向する面と面の距離=各成長面の中心部の回転直径)は約740mmとなる。基板50の各成長面25a中心部が最も下に位置した場所を基準とし、基板をシリコン融液23に20mm浸漬して、成長面にシリコン薄板22を成長させる場合、各面の移動方向先端部25d(成長面内で、最初に融液から離れる部分)が融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度β2は約9度であり、ほとんど水平である。
【0058】
回転が進むにつれて、成長面と融液面のなす角度β2は増加する。移動方向末端部25e(成長面内で、最後に融液から離れる部分)が融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度β2は約40度である。
【0059】
一方、図7に示すように、この多面体型の回転体1の各面上に、成長面5aの移動方向先端部5dと回転軸中心との距離(移動方向先端部5dの回転半径)が該成長面の移動方向末端部5eと回転軸中心との距離(移動方向末端部5eの回転半径)より小さくなるように、末端部に向かうにつれて基板厚みを厚くすることで成長面を傾斜させた基板(傾斜成長面基板5)を設置し、この傾斜成長面基板5の成長面5aにシリコン薄板2を成長させる場合について説明する。
【0060】
まず、傾斜成長面基板の設計方法について、図12を用いて説明する。本発明では、系統的に結果を評価するために、成長面面積を一定になるように成長面を傾斜させた。すなわち、図12において、移動方向先端部5dと仮想移動方向末端部5f(すなわち、多角柱型回転体表面と成長面とがなす角度=傾斜角度が0度における移動方向末端部)の距離は200mmであり、この面を、直線5d−5fに対して任意の傾斜角度5αだけ傾ける。すなわち、移動方向先端部5dと移動方向末端部5fとの距離も200mmとなる。つまり、傾斜角度0度の基板上に、5d、5e、5fの3点を頂点とした二等辺三角形を設置した形状となる。これにより、成長面5aの大きさは変わらない。
【0061】
上記の方法で設計した場合、様々な傾斜角度に設定した傾斜成長面基板は、図13に示すような形状に設計される。図13では、例として、傾斜角度が0度、30度、45度、60度について示す。傾斜角度5αが0度の場合、基板表面全面が成長面5aで覆われる。傾斜角度5αを大きくするにしたがい、非成長面(成長させない面)5gが大きくなる。傾斜成長角度が60度の場合、前記二等辺三角形が正三角形となるため、成長面5aと非成長面5gとは等しい大きさとなる。傾斜角度5αが60度を超えると、非成長面の方が成長面より大きくなる。
【0062】
非成長面5gに薄板が成長してしまった場合、非成長面が融液から離れるときの非成長面と融液面とのなす角度は極端に小さいため、非常に平滑性が悪い薄板となる。そのため、この部分に成長した薄板は材料ロスとなるため、非成長面に薄板が成長しないように、非成長面を融液との濡れ性がよくない窒化珪素や硼化珪素で覆うこと、もしくは、融液の張力を超えるピッチの溝をつけることなどの、成長防止構造をとることが望ましい。
【0063】
傾斜角度5αを0度〜75度の範囲で傾斜させて設けた場合、移動方向先端部5dおよび移動方向末端部5eがシリコン融液3から離れるときの、成長面と融液面とのなす角度β1である出湯角度は、図16に示すように、ともに増加することがわかる。ここで、成長面と融液面とのなす角度β1は、角度90度が完全に垂直であり、90度を超えると成長面5aはシリコン融液3と反対方向(融液から見て上方)を向きつつ融液から離れることになる。
【0064】
成長面5aを傾斜することで、成長面と融液面とのなす角度β1は制御可能であるが、成長面の移動方向先端部5dと移動方向末端部5eの回転径の差が増大するため、図17に示すように、浸漬深さに違いが生じる。移動方向末端部5eの成長面と融液面とのなす角度が約90度に達する傾斜角度40度における浸漬深さの差は約120mmである。浸漬深さの差が大きい場合、シリコン融液3を保持するるつぼ4の大きさを低減できないだけでなく、融液温度分布の影響や、浸漬時間の違いなどによるシリコン薄板2の板厚むらが生じる。傾斜角度5αは、浸漬深さによる影響を考慮しつつ最適化する必要がある。
【0065】
以上に示した方法によって、均一柱状結晶の上に這い上がる融液量を低減することによって、シリコン薄板2が平滑になるため、研磨などの二次加工が必要無くなるため、低コストのウエハを提供することが可能である。また、柱状結晶に比べて粒径が小さく薄板の厚み方向の結晶粒界も多い液だまり領域が低減するため、たとえば太陽電池として使用した場合、キャリアを再結合させる要因となる欠陥が減少し、太陽電池の特性を向上することが可能である。
【0066】
基板の成長面を傾斜させる場合(傾斜角度>0度)は、図10に示すように、傾斜角度5αを様々に変更するため、傾斜成長面基板5をネジ穴5bとそれに対応するネジによって設置できる構造とした。これにより、傾斜角度5αを様々に変化させた場合で、シリコン薄板2を製造し、評価比較することが可能である。
【0067】
傾斜成長面基板5の構造および取付け方法について、図9を用いて説明する。傾斜成長面基板5は、図9に示すように、12面体型の回転体1の各面に1つずつ取付けることが可能である。
【0068】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
本実施の形態では、シリコン融液を固化することでシリコン多結晶薄板の製造を行なった。基板や回転軸、回転体の材質は黒鉛とした。基板表面(成長面)は平滑な平面とした。基板と基板を接続する基板連結機構を用いる場合、その材質は黒鉛とし、表面を炭化珪素で被覆した。
【0069】
(実施の形態1)
実施の形態1は、基板が円軌道に沿って、円運動しながら融液に浸漬し、続いて融液から離れることによって基板の成長面にシリコン薄板を成長させる場合に対して、シリコン薄板表面を斜めにした方法である。
【0070】
図7は実施の形態1に沿ったシリコン薄板製造装置である。シリコン薄板製造装置は、角型のるつぼ4と、るつぼ4に供給されたシリコンを溶融する加熱ヒータ、回転体1を支持する回転軸、12面体角柱型の回転体1、該12面体角柱型の回転体1各面に取付け可能な基板で構成される。これらは直方体の装置外壁および断熱材の中に収納されている。装置内部は、断熱材に囲まれて、内部をアルゴンガス雰囲気下に保持可能にシールされている。
【0071】
なお、参考の形態1Aとして示される基板の成長面を傾斜させない場合(傾斜角度=0度)は、図8に示すように、基板の成長面25aが12角柱を形成する構造とする。これら12個の基板50は、ネジによって設置できる構造とした。12面体角柱型の回転体21上の基板の成長面25aを200mm角の正方形とすると、回転体21と基板を含む複合回転体の高さ(対向する面と面の距離=各成長面の中心部の回転直径)は約740mmとなる。
【0072】
12個の傾斜成長面基板5は、傾斜角度を変更する場合、12個の傾斜成長面基板をすべて取替えた。傾斜成長面基板5を、図11のように、回転体1の各面に押し当て、傾斜成長面基板5両端の耳部のネジ孔5bと、該ネジ孔5bに対応する回転体1のネジ孔に、ネジ6を締め付けることで、傾斜成長面基板5を回転体1に固定した。
【0073】
本実施の形態では、参考の形態を含め、傾斜角度5αが0度〜75度の傾斜成長面基板5を用意し、これらを用いてシリコン薄板2の製造を行なった。それぞれの傾斜成長面基板5に対して、まず、回転体1を回転することで、傾斜成長面基板5を円運動させ、次にるつぼ4を上昇し、成長面5aをシリコン融液3に浸漬し、続いてシリコン融液3から離れることで、成長面表面にシリコン薄板2が成長する。本実施の形態では、傾斜角度0度の基板(参考の形態)を取付けたときの成長面の中心部が最も下に位置した場所を基準とし、成長面をシリコン融液3に20mm浸漬して、成長面にシリコン薄板2を成長させた。その後、該シリコン薄板2を装置から取出し、表面うねり、板厚の評価を行なった。なお、表面うねりに関しては、JIS B0601−1994によって定義される最大うねりを用いて評価した。
【0074】
取出したシリコン薄板2の表面うねりを測定したところ、最大うねり(WCM)は、図18に示すように、傾斜角度0度において約400μmであるが、傾斜角度5αが15度〜50度では200μm以下であり、この範囲で非常に平滑性を向上できることがわかった。
【0075】
これは、成長面が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度β1が増加するに従い、シリコン薄板に表面に這い上がるシリコン融液の量が減少するためである。傾斜角度40度以上では、最大うねりは再び増加しはじめた。
【0076】
先端部および末端部が融液を離れるときの成長面と融液面とのなす角度の平均値が90度における這い上がりシリコン融液量が最も少なくなると考えたが、実際には傾斜角度40度を超えると、移動方向末端部5e側の成長面は重力に抗して上方を向きながら融液から離れるため、下方を向いて融液から離れるときよりも融液がシリコン薄板上に残留しやすいため、傾斜角度60度(成長面と融液面とのなす角度が約90度)よりも低傾斜角度側で這い上がりシリコン融液量が最低となり、シリコン薄板の最大うねりも傾斜角度15度〜50度において小さくなることがわかった。
【0077】
本実施の形態においては、平面状のシリコン薄板を得るために、多角柱型の回転体1の各面上に傾斜成長面基板5を設置した回転体の成長面にシリコン薄板を成長させたが、この方法を用いると、円筒型回転体を用いた場合に比べて、成長面の各部位によってシリコン融液に浸漬する深さが異なる。浸漬深さの差は、融液温度分布の影響や、浸漬時間の違いなどによるシリコン薄板の板厚むらを生じさせる原因となる可能性がある。そこで、取出したシリコン薄板の様々な部位での板厚を測定した。
【0078】
板厚は、傾斜角度5αが0度に近い場合は、中心部で最も薄く、移動方向先端部5dおよび移動方向末端部5eで最も厚い傾向が得られた。また、傾斜角度5αを増加させていくにつれて、移動方向末端部5eに近い部位の方が板厚は増加するようになった。つまり、傾斜角度0度の場合、成長面中央部と回転軸中心との距離(成長面中央部の浸漬深さ)が最も小さく、傾斜角度が増加すると、移動方向末端部側と回転軸中心との距離(移動方向末端部側の浸漬深さ)が大きくなるためであり、浸漬深さが大きい部位ほど、浸漬時間増加によって板厚が大きくなった。
【0079】
シリコン薄板各部位における板厚の最大値と最小値との差(板厚差)は、シリコン薄板を用いて太陽電池などのデバイスを作製するプロセスに影響を与えるため、小さい(板厚の分布が少ない)方が望まれる。
【0080】
図18に示すように、傾斜角度5αが50度以内では、板厚差は150μm以下であるが、50度を超えると板厚差が増加し、150μm以上になることがわかった。太陽電池作製プロセスにおいては、板厚差が150μm以上になると、シリコン薄板の電極印刷や反射防止膜形成などにむらが生じるため、板厚差が150μm未満となるように、傾斜角度5αは50度以下に設定することが望ましい。
【0081】
以上から、シリコン薄板の平滑化を実現し、かつ、板厚差の影響を大きく受けないことから、本装置構成においては、傾斜角度は15度〜50度にすることが望ましい。
【0082】
本実施の形態における、傾斜角度5αが15度〜50度とは、図16にて換算できるように、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度が20度〜60度であり、かつ、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度が60度〜100度であることに相当する。
【0083】
本実施の形態では、単純に成長面を傾斜させることのみで成長面と融液面とのなす角度を制御したが、たとえば回転体の大きさを変更すること、成長面面積を変更すること、浸漬深さを変更することおよび成長面を傾斜させることの少なくともいずれか1つを含む方法で、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を20度〜60度、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を60度〜100度の範囲に制御することによって、平坦表面を持つ低コストな結晶薄板を得ることが可能である。
【0084】
また、特に回転体を用いた場合について説明したが、略平面の成長面を持つ基板を可動とする場合、回転運動でない動作によって成長面が運動する場合についても、成長面が融液に浸漬し、続いて融液から離れることによって成長面に結晶薄板を成長させる方法をとることが可能である。この場合も、前記と同様に、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を20度〜60度、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を60度〜100度の範囲に制御することによって、平坦表面を持つ低コストな結晶薄板を得ることが可能である。
【0085】
(実施の形態2)
実施の形態2は、基板が円軌道ではない運動をするが、少なくとも融液への浸入から融液を離れるまでは円軌道に沿った円運動をする場合に対して、シリコン薄板表面を平滑にし、また、シリコン薄板の結晶性を改善する方法である。
【0086】
図14は実施の形態2に沿ったシリコン薄板製造装置である。シリコン薄板製造装置は、角型のるつぼ34と、るつぼ34に供給されたシリコンを溶融する加熱ヒータ、回転体31を支持する回転軸、12面体角柱型の回転体31、各々が一定間隔で連結された傾斜成長面基板で構成される。これらは直方体の装置外壁および断熱材の中に収納されている(図示せず)。装置内部は、断熱材に囲まれて、内部をアルゴンガス雰囲気下に保持可能にシールされている。
【0087】
参考の形態2Aとして示される基板の成長面を傾斜させない場合(傾斜角度=0度)は、図8に示したような基板50を使用した。基板の成長面を傾斜させる場合は、図14に示すように、傾斜しない場合に対して任意の角度で成長面を傾斜させた傾斜型基板を使用した。
【0088】
各基板は、連結器9によって連続的に連結されており、基板を系外から連続して導入し、成長したシリコン薄板32ごと基板を系外に排出することが可能である。連結体が装置系外から導入される装置外壁および排出される装置外壁には、基板導入口および排出口(図示せず)が設けられており、装置系内の雰囲気圧力を大気圧以上にすることで大気混入を防いでいる。装置系内から排出される雰囲気ガスは、ただちに基板導入口および排出口直近に配置された排気ダクトによって、排気ガス処理施設に送られる。
【0089】
この方式によって、連続的にシリコン薄板を製造、取出しすることが可能となる。系外にて、シリコン薄板を基板から剥離し、収集する工程、基板(特に成長面)の清掃や調整、基板の取替えなどが連続運転しながら行なうことが可能である。また、連結された基板は、系外にてテンションを制御することにより、任意圧力で基板を回転体31に押し当てることが可能となる。基板が回転体31に接触してから、回転体31から離れるまでの間は、実施の形態1と同様に、回転体と一体化している。つまり、融液に浸漬し、融液から離れるまでの間は、円運動をするため、実施の形態1と同様のシリコン薄板の成長が可能である。
【0090】
12面体角柱型の回転体上の傾斜させない基板の成長面を200mm角の正方形とすると、回転体と基板を含む複合回転体の高さ(対向する面と面の距離=各成長面の中心部の回転直径)は約740mmとなる。
【0091】
本実施の形態では、参考の形態を含め、傾斜角度5αが0度〜75度の傾斜成長面基板35を用意し、これらを用いてシリコン薄板32の製造を行なった。それぞれの傾斜成長面基板35に対して、まず、回転体31を回転することで、傾斜成長面基板35を連続的に導入、排出させ、次にるつぼ34を上昇し、成長面35aをシリコン融液33に浸漬し、続いてシリコン融液33から離れることで、成長面表面にシリコン薄板32が成長する。成長したシリコン薄板32は基板と一体化したまま系外へ排出される。
【0092】
本実施の形態では、傾斜角度0度の基板を取付けたときの成長面の中心部が最も下に位置した場所を基準とし、成長面をシリコン融液33に20mm浸漬して、成長面にシリコン薄板32を成長させた。その後、該シリコン薄板32を装置から取出し、表面うねり、板厚の評価を行なった。
【0093】
取出したシリコン薄板32の表面うねりを測定したところ、最大うねり(WCM)は、図14に示すように、傾斜角度0度において約400μmであるが、傾斜角度15度〜55度では200μm以下であり、この範囲で非常に平滑性を向上できることがわかった。これは、実施の形態1と同様の結果である。成長面35a(および基板)が円運動しない場合でも、少なくとも融液に浸入するときから、融液から離れるときまでの間、成長面が円運動する場合は、実施の形態1と同様の効果を得ることが可能である。
【0094】
次に、取出したシリコン薄板の様々な部位での板厚を測定した。板厚差も、実施の形態1と同様に、図19に示すように、傾斜角度5αが50度以内では、板厚差は150μm以下であるが、50度を超えると板厚差が増加し150μm以上になることがわかった。板厚差が150μm未満となるように、傾斜角度5αは55度以下に設定することが望ましい。
【0095】
以上から、シリコン薄板の平滑化を実現し、かつ、板厚差の影響を大きく受けないことから、本装置構成においては、傾斜角度は15度〜50度にすることが望ましい。本実施の形態における、傾斜角度15度〜50度とは、つまり、図16にて換算できるように、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度が20度〜60度であり、かつ、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度が60度〜100度であることに相当する。つまり、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を20度〜60度、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を60度〜100度の範囲に制御することによって、平坦表面を持つ低コストな結晶薄板を得ることが可能である。
【0096】
(実施の形態3)
実施の形態3は、基板が融液に浸漬している間も円軌道ではない運動をするが、少なくとも融液から離れる時点では円軌道に沿った円運動をする場合に対して、シリコン薄板表面を平滑にし、また、シリコン薄板の結晶性を改善する方法である。
【0097】
図15は実施の形態3に沿ったシリコン薄板製造装置である。シリコン薄板製造装置は、角型るつぼ44と、るつぼ44に供給されたシリコンを溶融する加熱ヒータ、融液面に対して並行に配置された同サイズの2つの12面体角柱型回転体12、13およびこれらを支持する回転軸、各々が一定間隔で連結された基板で構成される。これらは直方体の装置外壁および断熱材の中に収納されている。装置内部は、断熱材に囲まれて、内部をアルゴンガス雰囲気下に保持可能にシールされている。
【0098】
参考の形態3Aとして示される、基板の成長面を傾斜させない場合(傾斜角度=0度)は、図8に示したような基板50を使用した。基板の成長面を傾斜させる場合は、図15に示すように、傾斜しない場合に対して任意の角度で成長面を傾斜させた傾斜型基板を使用した。
【0099】
各基板は、連結器19によって連続的に連結されており、基板を系外から連続して導入し、第1の回転体12に押し当てられて融液に浸漬される。続いて、融液内で回転体12を離れ、融液に浸漬した状態のまま、第2の回転体13に向かって移動する。回転体13に押し当てられた基板は、回転体13に固定された状態で融液から離れるため、成長面が融液から離れるときの基板の運動は、回転体13と同様に、円軌道となる。基板は融液から離れた後に、回転体13からも離れ、成長したシリコン薄板42ごと基板を系外に排出することが可能である。
【0100】
実施の形態2と同様に、装置外壁には、基板導入口および排出口が設けられており、装置系内の雰囲気圧力を大気圧以上にすることで大気混入を防いでいる。装置系内から排出される雰囲気ガスは、排気ダクトによって、排気ガス処理施設に送られる。
【0101】
この方式によって、連続的にシリコン薄板を製造、取出しすることが可能となる。また、融液に浸漬している時間(成長面が融液内を移動する距離)が長いため、回転体の回転数(基板の移動速度)を早めたときに、浸漬時間不足による成長面への成長不足を解消することが可能であり、結果的にシリコン薄板の製造時間を短縮し、コスト低減が可能となる。
【0102】
実施の形態2と同様に、系外にて、シリコン薄板を基板から剥離し、収集する工程、基板(特に成長面)の清掃や調整、基板の取替えなどが連続運転しながら行なうことが可能である。また、連結された基板は、系外にてテンションを制御することにより、任意圧力で基板を回転体12、13に押し当てることが可能となる。
【0103】
12面体角柱型回転体12、13上の傾斜させない基板の成長面を200mm角の正方形とすると、回転体12もしくは13と基板を含む複合回転体の高さ(対向する面と面の距離=各成長面の中心部の回転直径)は約740mmとなる。
【0104】
本実施の形態では、実施の形態2および参考の形態2Aと同様に、参考の形態3Aとして傾斜しない基板もしくは実施の形態3として傾斜型基板を用いた。傾斜角度5αが0度〜75度の傾斜成長面基板45を用意し、これらを用いてシリコン薄板42の製造を行なった。それぞれの傾斜成長面基板45に対して、まず、回転体12、13を回転することで、傾斜成長面基板45を連続的に導入、排出させ、次にるつぼ44を上昇し、成長面45aをシリコン融液43に浸漬し、続いてシリコン融液43から離れることで、成長面表面にシリコン薄板42が成長する。成長したシリコン薄板42は基板と一体化したまま系外へ排出される。
【0105】
本実施の形態では、傾斜角度0度の基板を取付けたときの成長面の中心部が最も下に位置した場所を基準とし、成長面をシリコン融液43に20mm浸漬して、成長面にシリコン薄板42を成長させた。その後、該シリコン薄板42を装置から取出し、表面うねり、板厚の評価を行なった。
【0106】
取出したシリコン薄板42の表面うねりを測定したところ、最大うねり(WCM)は、図20に示すように、傾斜角度0度において約400μmであるが、傾斜角度15度〜50度では150μm以下であり、この範囲で非常に平滑性を向上できることがわかった。これは、実施の形態1〜2、参考の形態1A〜2Aと同様の結果である。
【0107】
成長面45a(および基板)が円運動しない場合でも、少なくとも融液から離れるときに成長面が円運動する場合は、実施の形態1〜2と同様の効果を得ることが可能である。
【0108】
次に、取出したシリコン薄板の様々な部位での板厚を測定した。板厚差も、実施の形態1〜2と同様に、図20に示すように、傾斜角度5αが50度以内では、板厚差は150μm以下であるが、50度を超えると板厚差が増加し、150μm以上になる。板厚差が150μm未満となるように、傾斜角度5αは50度以下に設定することが望ましい。
【0109】
以上から、シリコン薄板の平滑化を実現し、かつ、板厚差の影響を大きく受けないことから、本装置構成においては、傾斜角度は15度〜50度にすることが望ましい。本実施の形態における、傾斜角度15度〜50度とは、つまり、図16にて換算できるように、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度が20度〜60度であり、かつ、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度が60度〜100度であることに相当する。つまり、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を20度〜60度、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を60度〜100度の範囲に制御することによって、平坦表面を持つ低コストな結晶薄板を得ることが可能である。
【0110】
(比較例1)
比較例1は、成長面を傾斜させず、円筒型の回転体81を用いた、従来の方法を模擬した例である。
【0111】
図22は比較例1に沿ったシリコン薄板製造装置である。装置構成は、実施の形態1における12面体多角柱型の回転体1および傾斜成長面基板5の替わりに、直径740mmの円筒型の回転体81を用いている。
【0112】
まず、るつぼ84を上昇し、カーボンネット88を巻きつけた回転体81をシリコン融液83に20mm浸漬し、回転体81を回転しつつカーボンネット88を引き出すことによって、つづいて回転体表面に成長したシリコン薄板82を引き出した。円筒型回転体を用いるため、成長面の各部位において、浸漬深さ、融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度は一定である。本比較例における、融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度は約20度である。表面に這い上がったシリコン融液82aは局在してシリコン薄板表面に残り、表面に局在的に液だまり82bが発生した。さらに回転が進んだ位置では、液だまり82bが徐々に固まることによって、シリコン薄板表面に大きなうねりができた。
【0113】
取出したシリコン薄板の表面うねりを測定したところ、最大うねり(WCM)は約450μmであった。実施の形態1〜3と比較すると、平坦表面を持つシリコン薄板を得る条件である成長面先端部が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度20度〜60度は満たしているものの、成長面が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度60度〜120度が満たせないため、平面状の成長面の場合のように、成長面が湯面から離れるときの成長面と融液面とのなす角度が増加することによるシリコン薄板上に這い上がる融液の低減が行なわれないため、平面状の成長面を使用した場合に比べて最大うねりが増加した。
【0114】
シリコン薄板各部位における板厚の最大値と最小値との差(板厚差)は、各部位における浸漬深さの違いがないために小さく、約45μmであった。
【0115】
(実施の形態4)
実施の形態1〜3および比較例1によって製造されたシリコン薄板を用いて、太陽電池を作製した。作製の手順の一例は、洗浄、テクスチャエッチング、拡散層形成、酸化膜除去、反射防止膜形成、バックエッチ、裏面電極形成、受光面電極形成の順序であり、一般的な手法である。各工程間は基本的には自動搬送機構による受け渡しを行なった。
【0116】
実施の形態1および実施の形態2によるシリコン薄板に関しては、傾斜角度15度〜50度の傾斜成長面基板を使用したシリコン薄板はすべて自動搬送ができたが、その他のシリコン薄板に関しては、一部、液だまりによる凹凸があることにより自動搬送機構が使用できないものがあった。比較例1によるシリコン薄板に関しては、湾曲が残ること、液だまりによる凹凸があることにより自動搬送機構が使用できなかった。
【0117】
次に比較例1、傾斜角度が0度の傾斜成長面基板を使用した参考の形態1A〜3Aおよび傾斜角度が40度の傾斜成長面基板を使用した実施の形態1〜3について、シリコン薄板から製作した太陽電池の特性を、ソーラーシミュレータによって測定した結果を下記表1に示す。
【0118】
【表1】
Figure 0004132786
【0119】
実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3ともに、傾斜角度40度による太陽電池の短絡電流密度は27〜28mA/cm2であり、比較例1の25mA/cm2、傾斜角度0度の26mA/cm2より大きい。これは、液だまりによる微小粒径領域の欠陥がテクスチャエッチングによって除去されているためと考えられる。曲線因子も欠陥低減のため向上しており、変換効率は比較例1で10%に対し、参考の形態1A〜3Aの傾斜角度0度では11%、実施の形態1〜3の傾斜角度40度では12%と大幅に改善できた。
【0120】
参考の形態5A
得られる板状シリコンの比抵抗が2Ω・cmになるようにボロンの濃度を調整したシリコン原料を、高純度黒鉛製るつぼに入れ、そのるつぼを、図6に示す装置内に設置した。次に、チャンバ内の真空引きを行ない、一旦5Pa以下まで減圧する。その後、チャンバ内にArガスを導入し、700hPaを保ちつつ、常に5L/minでチャンバ上部よりArガスをフローしたままにする。
【0121】
次に、シリコン溶解用のヒータ温度を1480℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にする。このとき、シリコン原料は溶解することで液面が低くなることから、新たにシリコン原料を投入することで、湯面位置を所定の位置にあわせる。その後、シリコン融液温度を1420℃に設定し、30分間そのまま保持し、融液温度の安定化を図る。このとき、湯面の凝固がないことを確認した。
【0122】
次に、冷却機構と加熱機構を併用して温度制御された基体を、シリコン融液への浸漬させる。このときの、基板の制御温度は、300℃、600℃、900℃の3条件で行なった。
【0123】
その後、るつぼを徐々に上昇させ、傾斜基板が完全に浸漬できるような位置まで上昇してきた所で、基体をシリコン融液に浸漬した。このときの傾斜基板の傾斜角度は、10°であった。このときの基体の移動速度は、300cm/minであった。このとき、得られた板状シリコンは、基体から容易に剥離することができ、そのサイズは、75mm×75mmであった。このような正方形の薄板シリコンを100枚作製し、重量から板厚を換算した。得られた板厚の平均値を表2に示す。
【0124】
次に、得られた板状シリコンを用いて、太陽電池の作製を行なった。得られた板状シリコンは、硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチングおよび洗浄を行ない、その後、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエッチングを行なった。その後、POCl3拡散によりp型基板にn層を形成した。板状シリコン表面に形成されているPSG膜をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面側となるn層上にプラズマCVDを用いてシリコン窒化膜を形成した。次に、太陽電池の裏面側となる面に形成されているn層を硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチング除去し、p基板を露出させ、その上に裏面電極およびp+層を同時に形成した。次に、受光面側の電極をスクリーン印刷法を用いて形成した。その後、半田コートを行ない、太陽電池を作製した。
【0125】
作製した太陽電池は、AM1.5、100mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行なった。得られた特性の平均値を表2に示す。
【0126】
円軌道であっても基板の角度を変えることで、向ってくる流れを作ることができる。
【0127】
【表2】
Figure 0004132786
【0128】
参考の形態6A
得られる板状シリコンの比抵抗が0.5Ω・cmになるようにボロンの濃度を調整したシリコン原料を、高純度黒鉛製るつぼに入れ、そのるつぼを、図21に示す装置内に設置した。この図において、図番号262は基板、263は固定台、264は回転軸に接続された長さ可変軸、265は融液、266はヒータ、267はるつぼ台、268はるつぼ昇降軸である。長さ可変軸264は、基板が融液から脱出時に、基板と回転軸の中心からの距離が長くできるような構造になっている。次に、チャンバ内の真空引きを行ない、一旦10Pa以下まで減圧する。その後、チャンバ内にArガスを導入し、700hPaを保ちつつ、常に10L/minでチャンバ上部よりArガスをフローしたままにする。
【0129】
次に、シリコン溶解用のヒータ温度を1500℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にする。このとき、シリコン原料は溶解することで液面が低くなることから、新たにシリコン原料を投入することで、湯面位置を所定の位置にあわせる。その後、シリコン融液温度を1410℃に設定し、30分間そのまま保持し、融液温度の安定化を図る。このとき、湯面の凝固がないことを確認した。
【0130】
次に、冷却機構と加熱機構を併用して温度制御された基体を、シリコン融液への浸漬させる。このときの基板の制御温度は、400℃で行なった。
【0131】
その後、るつぼを徐々に上昇させ、基板が完全に浸漬できるような位置まで上昇してきた所で、基体をシリコン融液に浸漬した。このときの基体の移動速度は、400cm/minであった。
【0132】
このとき、得られた板状シリコンは、基体から容易に剥離することができ、そのサイズは、100mm×100mmであった。このような正方形のシリコン薄板を10枚作製し、重量から板厚を換算した。得られた板厚の平均値を表3に示す。また、シリコン薄板1枚あたりの、表面に存在する小さな突起の数を表3に示す。
【0133】
(比較例2)
長さ可変軸を用いずに基板と回転軸の中心からの距離が一定になるようにしたこと以外全て参考の形態6Aと全く同じ方法で、シリコン薄板を作製し、重量から板厚を換算した。得られた板厚の平均値を表3に示す。また、シリコン薄板1枚あたりの、表面に存在する小さな突起の数を表3に示す。
【0134】
【表3】
Figure 0004132786
【0135】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0136】
【発明の効果】
本発明に係る薄板の製造方法は、成長面を有する基板を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触させ、前記材料を基板に成長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてくる)ようにすることで、融液のメニスカス形状を制御し、よって、小さい突起の少ない平坦表面を持つ薄板を低コストで安定して連続的に成長させることができた。
【0137】
また、成長面を有する基板を配置された移動体を移動させることにより、前記基板の表面を金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触させ、その後、前記基板の表面を前記融液から離す一連の移動動作によって、前記材料を前記基板の表面に成長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてくる)構成を採用することで、小さい突起の少ない平坦表面を持つ薄板を低コストで安定して製造できた。
【0138】
本発明に係る薄板製造方法は、成長面の移動方向先端部と円軌道回転軸中心との距離が、該成長面の移動方向末端部と円軌道回転軸中心との距離より小さくなるように、成長面を傾斜させることによって、成長面が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を増加させ、成長面に這い上がる融液量を減少することが可能であり、その結果、平坦表面を持つ薄板を低コストで安定して連続的に成長させることができた。
【0139】
また、成長面を傾斜させる、回転体の大きさを変更する、成長面面積を変更する、浸漬深さを変更することなどによって、該成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を20度〜60度、該成長面の移動方向末端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を60度〜100度の範囲にすることにより、成長面に這い上がる融液量と、成長した結晶薄板の板厚むらとの最適化を計ることができ、平滑でかつ板厚むらの少ない結晶薄板を得ることができた。
【0140】
また、前記材料としてシリコン材料を用いることによって、半導体デバイス(特に太陽電池)の材料となる低コストシリコンウエハを得ることができた。
【0141】
さらに、本発明に係る薄板製造方法によって得られた薄板を用いることによって、材料の低コスト化が可能であり、また、融液這い上がりによる微小粒径領域が低減され、結晶性が向上するため、一般的な太陽電池の製造方法を用いて変換効率が向上した太陽電池を得ることができた。
【0142】
以上のように、成長面を傾斜させる、回転体の大きさを変更する、成長面面積を変更する、浸漬深さを変更することなどによって、成長面が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を増加することによって、シリコン融液の這い上がりおよび液だまりを低減することができ、シリコン薄板の表面が平滑になり、研磨、スライス工程によらずシリコンウエハを形成できた。
【0143】
回転体は円筒型に替わり、多面体を始めとする平面状の成長面を持つ基板もしくは構造を適用できるため、平板平滑なシリコンウエハを形成することが可能である。また、微小粒径領域が低減され、結晶性が向上するため、一般的な太陽電池の製造方法を用いて変換効率を向上することが可能である。これらの理由によって、より低コストでシリコンウエハを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る薄板製造方法の原理を説明する概略図である。
【図2】 本発明に係る薄板製造方法の原理を説明する概略図である。
【図3】 本発明に係る薄板製造方法の原理を説明する概略図である。
【図4】 本発明に係る薄板製造方法を実施することができる製造装置を説明する概略断面図である。
【図5】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置の概略斜視図である。
【図6】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置の断面図である。
【図7】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置の概略図である。
【図8】 多角柱の各面と並行になるように基板を設置した薄板製造装置の側面図である。
【図9】 傾斜成長面基板を多角柱型の回転体に取付ける方法を説明する概略図である。
【図10】 傾斜成長面基板の構造の概略図である。
【図11】 傾斜成長面基板の構造の概略図である。
【図12】 傾斜成長面基板の構造の概略図である。
【図13】 傾斜成長面基板の構造の概略図である。
【図14】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置の概略図である。
【図15】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置の概略図である。
【図16】 傾斜角度と、傾斜成長面の移動方向先端部および末端部が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度と、の関係を説明する図である。
【図17】 傾斜角度と、傾斜成長面の浸漬深さの最大差と、の関係を説明する図である。
【図18】 傾斜角度と、シリコン薄板の最大うねりと、の関係を説明する図である。
【図19】 傾斜角度と、シリコン薄板の最大うねりと、の関係を説明する図である。
【図20】 傾斜角度と、シリコン薄板の最大うねりと、の関係を説明する図である。
【図21】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置の概略側面図である。
【図22】 従来の薄板製造方法に用いられる装置の概略図である。
【符号の説明】
1 回転体、2 シリコン薄板、3 シリコン融液、4 るつぼ、5 傾斜成長面基板、5a 成長面、5b ネジ孔、5α 傾斜角度、5d 移動方向先端部、5e 移動方向末端部、5g 非成長面、6 ネジ、8 回転軸、9 連結器、12,13 回転体、21 回転体、22 シリコン薄板、23 シリコン融液、24 るつぼ、25a 成長面、25d 移動方向先端部、25e 移動方向末端部、26 ネジ、31 回転体、32 シリコン薄板、33 シリコン融液、34 るつぼ、35 傾斜成長面基板、35a 成長面、35d 移動方向先端部、35e 移動方向末端部、42 シリコン薄板、43 シリコン融液、44 るつぼ、45 傾斜成長面基板、45a 成長面、45d 移動方向先端部、45e 移動方向末端部、82a 這い上がったシリコン融液、82b 液だまり、83 シリコン融液、84 るつぼ、85 成長面の移動方向先端部と回転軸中心との距離、86 成長面の移動方向末端部と回転軸中心との距離、88 カーボンネット、α,β1,β2,β3,β4 成長面と融液面とのなす角度、200 基板、201 融液面、210 基板、211 融液面、220 凸状のメニスカス、221 基板、222 融液面、223 凸状のメニスカス、230 傾斜のついた基板、231 基板取付け可能な固定台、232 固定台と回転軸中心に取付けられた軸、233 融液、234 るつぼ、235 基板の移動方向先端部が移動する軌跡、236 基板の移動方向末端部が移動する軌跡、240 成長面を有する基板、241 基板を取付け脱着可能な固定基板、242 上下動可能な軸、243 融液を基板へ供給する傾斜台、244 融液を保持しておくためのるつぼ、250 傾斜を有する基板、251は得られた薄板、252 基板を着脱可能な固定台、253 融液、254 るつぼ、255るつぼ台、256 ヒータ、257 昇降台、258 昇降軸、259 追加投入管、260 密閉可能なチャンバ、261 取出し機構、262 基板、263 固定台、264 回転軸に接続された長さ可変軸、265 融液、266ヒータ、267 るつぼ台、268 るつぼ昇降軸。

Claims (5)

  1. 薄板成長面を有する基板を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触させ、前記材料の薄板を基板に成長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来るように前記基板と前記材料を相対的に移動させ
    薄板成長面の移動方向先端部が融液から離れる時点における、前記薄板成長面と融液面とのなす角度が20度〜60度であり
    前記薄板成長面の移動方向末端部が融液から離れる時点における、前記薄板成長面と融液面とのなす角度が60度〜100度である
    ことを特徴とする薄板製造方法。
  2. 薄板成長面を有する基板配置された移動体を移動させることにより、前記基板の薄板成長面を金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触させ、その後、前記基板の表面を前記融液から離す一連の移動動作によって、前記材料の薄板を前記基板に成長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来るように前記移動体を移動させ
    薄板成長面の移動方向先端部が融液から離れる時点における、前記薄板成長面と融液面とのなす角度が20度〜60度であり
    前記薄板成長面の移動方向末端部が融液から離れる時点における、前記薄板成長面と融液面とのなす角度が60度〜100度である
    ことを特徴とする薄板製造方法。
  3. 薄板成長面を有する基板を配置した移動体を移動させることにより、前記基板の薄板表面を、金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触させ、その後、前記基板の薄板成長面を前記融液から離す一連の移動動作によって、前記材料の結晶を前記基板に成長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、
    前記基板が融液から離れるときの軌道が円軌道であり、
    前記成長面の移動方向先端部と前記円軌道の回転軸中心との距離R1が、前記成長面の移動方向末端部と前記円軌道の回転軸中心との距離R2より小さいことを特徴とする薄板製造方法。
  4. 半導体材料がシリコン材料であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄板製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の薄板製造方法によって製造された薄板を用いた太陽電池。
JP2001346225A 2001-06-29 2001-11-12 薄板製造方法および太陽電池 Expired - Fee Related JP4132786B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001346225A JP4132786B2 (ja) 2001-06-29 2001-11-12 薄板製造方法および太陽電池
PCT/JP2002/006189 WO2003002457A1 (fr) 2001-06-29 2002-06-20 Procede de production de feuilles minces, et pile solaire
TW091114013A TW546848B (en) 2001-06-29 2002-06-26 Method of manufacturing thin sheet and solar battery

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-198366 2001-06-29
JP2001198366 2001-06-29
JP2001346225A JP4132786B2 (ja) 2001-06-29 2001-11-12 薄板製造方法および太陽電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003081690A JP2003081690A (ja) 2003-03-19
JP4132786B2 true JP4132786B2 (ja) 2008-08-13

Family

ID=26617854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001346225A Expired - Fee Related JP4132786B2 (ja) 2001-06-29 2001-11-12 薄板製造方法および太陽電池

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP4132786B2 (ja)
TW (1) TW546848B (ja)
WO (1) WO2003002457A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7148382B2 (ja) 2018-12-12 2022-10-05 Ykk Ap株式会社 分割枠材、及び分割枠材の製造方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4712677B2 (ja) * 2006-11-14 2011-06-29 シャープ株式会社 薄板製造方法および薄板製造装置
JP2009054769A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Sharp Corp 薄板製造装置および薄板製造方法
JP4998488B2 (ja) * 2009-02-12 2012-08-15 トヨタ自動車株式会社 溶液法によるSiC単結晶製造装置
JP5019398B2 (ja) * 2009-03-06 2012-09-05 シャープ株式会社 薄板の製造装置および製造方法
JP6865431B2 (ja) 2017-02-16 2021-04-28 国立大学法人埼玉大学 エッチング方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3437034B2 (ja) * 1996-07-17 2003-08-18 シャープ株式会社 シリコンリボンの製造装置及びその製造方法
JP3656821B2 (ja) * 1999-09-14 2005-06-08 シャープ株式会社 多結晶シリコンシートの製造装置及び製造方法
JP4121697B2 (ja) * 1999-12-27 2008-07-23 シャープ株式会社 結晶シートの製造方法およびその製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7148382B2 (ja) 2018-12-12 2022-10-05 Ykk Ap株式会社 分割枠材、及び分割枠材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003081690A (ja) 2003-03-19
WO2003002457A1 (fr) 2003-01-09
TW546848B (en) 2003-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6946029B2 (en) Sheet manufacturing method, sheet, sheet manufacturing apparatus, and solar cell
JP4121697B2 (ja) 結晶シートの製造方法およびその製造装置
KR101457504B1 (ko) 복합 도가니, 그 제조 방법, 및 실리콘 결정의 제조 방법
JP2003128411A (ja) 板状シリコン、板状シリコンの製造方法および太陽電池
JP4132786B2 (ja) 薄板製造方法および太陽電池
WO2007093082A1 (fr) Procédé de production de tranche de silicium utilisant la méthode du flottage et appareil correspondant
JP4060106B2 (ja) 一方向凝固シリコンインゴット及びこの製造方法並びにシリコン板及び太陽電池用基板及びスパッタリング用ターゲット素材
JP4451556B2 (ja) シリコンリボン製造装置及びそれによるシリコンリボンを用いた太陽電池
JP4011335B2 (ja) 固相シートの製造方法
US6824609B2 (en) Liquid phase growth method and liquid phase growth apparatus
JP4807914B2 (ja) シリコンシートとそれを含む太陽電池
JP2005277186A (ja) シートおよびその製造方法、ならびにシートを用いた太陽電池
US6951585B2 (en) Liquid-phase growth method and liquid-phase growth apparatus
JP4282278B2 (ja) 基板、その基板を用いた板状体の製造方法、板状体およびその板状体から作製した太陽電池
JP2003054932A (ja) 半導体基板の製造装置、半導体基板およびその製造方法ならびに太陽電池
JP4434837B2 (ja) 太陽電池
JP2004266214A (ja) 板状シリコンの製造方法、板状シリコン製造用下地板、板状シリコンおよび該板状シリコンを用いた太陽電池
JP2004149375A (ja) 薄板製造方法および薄板製造装置
JP2004262732A (ja) 板状シリコン製造用基板、板状シリコンの製造方法および板状シリコンを用いた太陽電池
JP2002057116A (ja) 結晶シートの製造装置及び製造方法
JP2004161583A (ja) 薄板の製造方法および太陽電池
JP2012012277A (ja) 消波構造付容器、およびそれを用いた板状半導体の製造方法
JP2005119955A (ja) 結晶シリコンの連続製造方法、及び製造装置
JP2005200240A (ja) 板状シリコンおよびその製造方法ならびに板状シリコン製造用下地板、ならびに太陽電池
JP2013147389A (ja) 板状シリコン、基板、板状シリコンの製造方法、および太陽電池用シリコンウェハ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080513

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080602

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees