JP2003081690A - 薄板製造方法および太陽電池 - Google Patents

薄板製造方法および太陽電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄板の表面に生じる小さい突起を抑制し、平
坦表面を持つ薄板を低コストで安定して連続的に得るこ
と。 【解決手段】 成長面を有する基板を、金属材料もしく
は半導体材料等の融液に接触させ、前記材料を基板に成
長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板
製造方法において、基板の薄板成長面側から見たとき
に、融液が基板の薄板成長面側に向かって来るようにす
る。たとえば成長面5aを有する基板の移動体を移動さ
せることにより、成長面5aを、融液3に接触させ、そ
の後、成長面5aを融液3から離す一連の移動動作によ
って、材料の結晶を成長面5aに成長させる薄板製造方
法において、基板が融液3から離れるときの軌道が円軌
道であり、成長面5aの移動方向先端部と円軌道の回転
軸中心との距離が、成長面5aの移動方向末端部と円軌
道の回転軸中心との距離より小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として太陽電池
などに用いることができる薄板製造方法およびその薄板
製造方法によって得られた薄板を用いた太陽電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】溶融シリコンから直接シリコン薄板を引
き出す装置としては、特許第2575838号公報など
に開示されたシリコン・デンドライトウェブ結晶成長装
置がある。このデンドライトウェブ結晶成長装置の主要
部分としては、シリコン融液が入ったるつぼを収容する
サセプタとスロットを有したサセプタ蓋、コイル誘導加
熱器などの加熱要素から構成されている。この装置を用
いると、サセプタ蓋のスロットから、連続して(11
1)の結晶方向で成長した薄い薄板状のデンドライトウ
ェブを引き出すことが可能である。
【0003】この方法によると、デンドライトウェブは
薄い薄板状であり、デバイス製造に先立ってスライスな
どの二次加工がほとんど必要無いため、インゴットをワ
イヤーソーなどによりスライスしてウエハを得る従来の
シリコンウエハの製造法よりも、プロセスコストおよび
原料費の双方を低減することができるとされている。な
お、一般的には、150μmのシリコン薄板を得るため
には、引き出し速度は約1.3〜1.4cm/分の速度
で成長させることができる。
【0004】一方、回転冷却体を溶融シリコン中に浸漬
して、冷却体表面に固化成長する低コストなシリコン薄
板を得ようとする方法としては、特開平10―2989
5号公報などに開示されたシリコン薄板の製造装置があ
る。
【0005】このシリコン薄板の製造装置の主要部分と
しては、シリコンの加熱溶解部と回転冷却体を含む冷却
部とで構成されている。図22に示すように、耐熱材で
構成された回転体81の円筒面の一部を、上下可動るつ
ぼ84内の溶融シリコン中に浸漬し、該冷却体を回転さ
せながらカーボンネット88を引き出すことによって、
カーボンネット上に固化成長したシリコン薄板82を連
続的に取出す。
【0006】この方法によると、インゴットをワイヤー
ソーなどによりスライスしてウエハを得る従来のシリコ
ンウエハの製造法よりも、プロセスコストおよび原料費
の双方を低減することができるとされている。また、回
転冷却体がシリコンを強制冷却かつ引き出し、支持を行
なうため、引き出し速度を大幅に向上することが可能で
ある。なお、回転冷却体の大きさ、回転数によって、引
き出し速度は制御可能であるが、一般的に10cm/分
以上で引き出すことが可能である。
【0007】シリコン・デンドライトウェブ結晶成長装
置においては、成長速度が約1.3cm/分と遅い。そ
のため、生産性を向上させることが困難である。
【0008】一方、特開平10−29895号公報に開
示されたシリコン薄板の製造方法においては、一般的に
10cm/分以上の高速引き出しが可能である。しかし
ながら、回転冷却体を支持、回転し、また冷却媒体を導
排出させる回転軸のシリコン融液への浸漬を防止するた
めに、回転冷却体の浸漬深さを大きくするためには装置
の大型化が必要となる。このため、この方法によると、
融液から固化成長したシリコン薄板が融液から離れると
きの、成長面と融液面とのなす角度が小さいために、薄
板表面を平滑化することが困難になっている。
【0009】従来のシリコン薄板製造方法について図2
2を用いて詳細に説明する。るつぼ84内には融液が満
たされている。回転体81にはカーボンネット88が追
随するようになっており、このカーボンネット88に、
シリコン融液が這い上がる。這い上がったシリコン融液
82aは、冷却されたのち、液だまり82bとなる。こ
の方法によると、融液面から20mm程度の高さまで、
シリコン融液が表面張力によって這い上がっていること
によって、さらに回転が進むと、表面に這い上がったシ
リコン融液82aが融液内で固化成長している平滑薄板
上に残ることになり、この残ったシリコン融液は表面張
力が大きいために液が均一に分布せずに局在し、雫のよ
うな形状の液だまり82bが残る。これが徐々に固まる
ことによってシリコン薄板の表面うねりが大きくなる。
また、そのうねりの表面にも小さい突起が生じる。
【0010】また、取出したシリコン薄板の断面を確認
したところ、シリコン融液83内で成長した均一厚の柱
状結晶の上に、厚さ50〜500μm、粒径50〜10
0μm程度のランダム配向領域が確認された。これは、
均一柱状結晶の上に這い上った液だまりが固化したもの
であり、柱状結晶に比べて粒径が小さく、シリコン薄板
の厚み方向の結晶粒界も多いため、たとえば太陽電池と
して使用した場合、この部分の粒界がキャリアを再結合
させる要因となる欠陥になることがわかる。
【0011】同様に、図8のように、回転体21の表面
に、平面もしくは平面に加工を施した面(以下、略平面
と称する)の成長面を持つ多角柱型回転体を用いた場合
も、成長面が融液から離れるときの、成長面と融液面と
のなす角度を大きくすることは困難であり、表面に這い
上がったシリコン融液が融液内で固化成長している平滑
薄板上に残ることになり、シリコン融液の表面張力が大
きいために液が均一に分布せずに局在し、雫のような形
状の液だまりが残る。これが固まることによってシリコ
ン薄板の表面うねりが大きくなる。
【0012】このように、回転体をシリコン融液に浸漬
して、その表面にシリコン薄板を固化成長させる方法
は、高速引き出しが可能であるが、表面にシリコン融液
が這い上がり、表面の平滑性、結晶性を低下させる原因
となっている。この、這い上がり、液だまりを防止しつ
つ、高速で、平滑な薄板を連続して引き出すためには、
薄板表面に這い上がる融液の量を低減させるために、成
長面が融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす
角度を垂直に近づける必要がある。
【0013】このようなシリコン薄板を用いて太陽電池
を作製しようとすれば、新たに機械的な研磨などの平滑
化が必要となり、低コスト化を阻害する要因となってい
る。すなわち、かかる状況においては、勿論安定した連
続成長も困難である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
を解決するものであり、シリコン薄板の表面に生じる小
さい突起の発生を抑制し、平坦表面を持つ薄板を得ると
ともに、その薄板を低コストで安定して連続的に成長さ
せることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄板の製造
方法は、薄板成長面を有する基板を、金属材料もしくは
半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材
料の融液に接触させ、前記材料の薄板を基板に成長させ
ることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板製造方
法において、基板の薄板成長面側から見たときに、融液
が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてくる)
ことを特徴とする薄板製造方法である。
【0016】本発明に係る薄板の他の製造方法は、薄板
成長面を有する基板を配置された移動体を移動させるこ
とにより、前記基板の薄板成長表面を金属材料もしくは
半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する材
料の融液に接触させ、その後、前記基板の薄板成長面を
前記融液から離す一連の移動動作によって、前記材料の
薄板を前記基板に成長させることで、前記材料で形成さ
れた薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板成長
面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向か
って来る(近づいてくる)ことを特徴とするシート製造
方法である。
【0017】さらに本発明に係る薄板の製造方法は、薄
板成長面を有する基板を配置された移動体を移動させる
ことにより、前記基板の薄板成長面を、金属材料もしく
は半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有する
材料の融液に接触させ、その後、前記基板の薄板成長面
を前記融液から離す一連の移動動作によって、前記材料
の結晶を前記基板に成長させることで、前記材料で形成
された薄板を得る薄板製造方法において、前記基板が融
液から離れるときの軌道が円軌道であり、前記成長面の
移動方向先端部と前記円軌道の回転軸中心との距離R1
が、前記成長面の移動方向末端部と前記円軌道の回転軸
中心との距離R2より小さいことを特徴とする薄板製造
方法である。
【0018】また、薄板成長面の移動方向先端部が融液
から離れる時点における、前記薄板成長面と融液面との
なす角度が20度〜60度であるとともに、前記薄板成
長面の移動方向末端部が融液から離れる時点における、
前記薄板成長面と融液面とのなす角度が60度〜100
度とすることが好ましい。また、前記半導体材料はシリ
コン材料とすることが好ましい。
【0019】また、本発明に係る太陽電池は、本発明に
係る薄板製造方法によって製造された薄板を用いて製造
された太陽電池である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る製造方法では、基板
上に薄板を成長させる場合の、融液の移動方向と移動速
度、基板の移動方向と移動速度の関係を明確にすること
で、得られる薄板表面の小さい突起の減少と薄板の平坦
性を向上させるものである。
【0021】基板上に薄板を成長させる場合には、基板
側が移動する場合と融液側が移動する場合の2通りがあ
る。本発明では、融液が基板の薄板成長面側に向かって
来る(近づいてくる)ことを特徴とする。すなわち、相
対速度で定義することで実現可能となる。
【0022】図1および図2に、基板の移動方向と移動
速度、および融液の移動方向と移動速度を変化させた場
合を詳細に説明する。図番号200および210は基
板、201および211は融液面を示す。この図におい
て、融液面と基板とのなす角が鋭角になっている面が薄
板の成長面である。図では、説明のために、簡略化した
基板と融液面だけを示しており、図中の矢印は、その移
動の方向とその大きさを示している。この図の矢印は、
基板もしくは融液が移動方向の水平方向成分のみを示し
ている。すなわち、垂直方向成分については、任意で構
わない。
【0023】本発明では、基板の移動速度の大小と、融
液の移動速度の大小の場合に分けて、説明にする。ま
ず、図1の基板の移動速度が融液の移動速度よりも速い
場合(基板の移動速度>融液の移動速度)について説明
する。(a)は基板の移動方向と融液の移動方向が逆の
場合、(b)は基板の移動方向と融液の移動方向が同じ
場合、(c)は基板の移動方向と融液の移動方向が同じ
であるが(b)とは逆方向の場合、(d)は基板の移動
方向と融液の移動方向が逆であり(a)とは逆方向の場
合である。この図1において、得られる薄板に存在する
小さい突起を抑制する効果のある場合は、(a)および
(b)のような状態になるときである。
【0024】次に、図2の基板の移動速度が融液の移動
速度よりも遅い場合(基板の移動速度<融液の移動速
度)について説明する。(a)は基板の移動方向と融液
の移動方向が逆の場合、(b)は基板の移動方向と融液
の移動方向が同じ場合、(c)は基板の移動方向と融液
の移動方向が同じであるが(b)とは逆方向の場合、
(d)は基板の移動方向と融液の移動方向が逆であるが
(a)とは逆方向の場合である。この図において、得ら
れる薄板に存在する小さい突起を抑制する効果のある場
合は、(a)および(b)のような状態になるときであ
る。
【0025】図1および図2において、それぞれ(a)
および(b)の状態になるときに、小さい突起の抑制に
効果がある。これは、すなわち、基板の薄板成長面側か
ら見たときに、融液が基板の薄板成長面側に向かって来
る(近づいてくる)ことが共通している。逆に、小さい
突起の抑制に効果が少ないのは、基板の薄板成長面側か
ら見たときに、融液が基板の薄板成長面側から離れてい
く(遠ざかる)ことになる。
【0026】本発明は、言い換えれば、基板表面に融液
状態の材料が成長するときに、常に基板側に融液が供給
され続ける状態のときが小さな突起を抑制することが可
能となる。この状態は、基板と融液面との界面にできる
メニスカスの形状に起因している。
【0027】図3に、基板と融液との界面にできるメニ
スカス形状の模式図を示す。図中(a)は凸状のメニス
カス、(b)は凹状のメニスカスである。図番号220
は凸状のメニスカス、221は基板、222は融液面、
223は凸状のメニスカスである。この図において、メ
ニスカスができる面を薄板の成長面(図中右側)にのみ
図示しており、薄板の成長しない面(図3中、基板22
1の左側)には図示していない。図3において、基板表
面上で融液が固化して、薄板が形成されるとき、(a)
では、融液量が十分に供給され続けられているために、
常にメニスカス形状が凸形状を保持できるのに対して、
(b)では、融液量が不十分となり、メニスカス形状が
凹形状になる。
【0028】小さな突起が抑制できる場合、すなわち図
1の(a)(b)、図2の(a)(b)の場合、メニス
カス形状が凸の形状を維持できる状態が長く続くことが
可能になる。一方、図1の(c)(d)、図2の(c)
(d)の場合は、メニスカス形状が凹の形状になる確率
が高くなり、突起を完全に抑制するのが困難になった
り、薄板の均一性を損なう結果になる。これは、メニス
カス形状が凸から凹になるときに、一旦メニスカスが切
れる現象によるものである。基板の移動速度や融液の移
動速度や融液材料の表面張力にもよるが、メニスカスが
切れることで生じる融液表面の波打ちなどによって、得
られる薄板の表面に小さな突起や薄板のうねりをもたら
す。
【0029】本発明では、特に、基板や融液の移動方向
の水平方向の速度成分を定義することで、小さな突起の
抑制と、平坦性の向上の両立を図ることができるように
なる。これまでは、基板の移動方向と移動速度、融液の
移動方向と移動速度の関係について説明してきたが、次
に、基板の移動方向と融液の移動方向について、説明す
る。
【0030】基板の移動方向は、直線軌道、円軌道、楕
円軌道などが挙げられるが、上述してきたような、融液
の移動方向との関係を維持できる軌道であれば特に問題
はない。すなわち、直線軌道や円軌道などを含んだ複合
的な軌道を有するものであっても良い。特に好ましいの
は、基板の脱出時に円軌道を有するものが好ましい。円
軌道にすることによって、薄板回収機構が容易になるだ
けでなく、上述してきたような、基板の移動方向と移動
速度、融液の移動方向と移動速度の関係を容易に実現可
能であるためである。すなわち、後で詳述するが、基板
が融液から離れるときの軌道が円軌道であり、基板の成
長面の移動方向先端部と円軌道の回転軸中心との距離
(R1)が、基板の成長面の移動方向末端部と円軌道の
回転軸中心との距離(R2)より小さいことにより、実
現することが可能となる。このR1、R2二つの距離が同
じであるということは、円軌道を描いていることを意味
する。
【0031】このとき装置の一部分の概略断面図を、図
4に示す。図は簡略化した基板、融液面、および基板の
移動する軌跡などを示している。図番号230は傾斜の
ついた基板、231は基板取付け可能な固定台、232
は固定台と回転軸中心に取付けられた軸、233は融
液、234はるつぼ、235は基板の移動方向先端部が
移動する軌跡、236は基板の移動方向末端部が移動す
る軌跡である。また、図番号230、231、232を
合わせた基板を含む移動体(アセンブリ)が、融液への
進入前と融液に浸漬中と融液からの脱出直前で示してお
り、この図では反時計回りで回転を行なっている図であ
る。このような装置構成にすると、基板230の移動速
度、言い換えれば回転速度を制御するだけで、本発明の
条件を実現することが容易に可能になる。このような装
置構成であると、基板の移動速度や移動方向は、回転速
度と回転軸の方向によって制御できることになる。
【0032】一方、融液の移動速度や移動方向は、熱に
よって生じる融液の対流の仕方によって決まる。一般的
に、熱によって生じる融液の対流は、温度の高い部分か
ら低い部分に流れるが、るつぼ形状、加熱方法あるいは
抜熱方法によって融液の対流の仕方は異なる。図4に示
した構造であると、融液の制御温度によっても異なる
が、融液最表面は加熱されない状態であるため、融液面
からの抜熱が大きくなり、融液の移動方向も複雑になる
傾向がある。そのために、融液表面からの抜熱量も考慮
し、融液温度は融点以上の高めに保持しておくことが好
ましい。
【0033】均一性が高く、小さい突起の少ない薄板を
得るためには、基板の温度制御を精密に行なえる構成に
することが好ましい。すなわち、固定台231や回転軸
232の内部に冷却ガスや冷却水などの冷却媒体を通す
ことで、成長面を有する基板230の低温化制御が可能
になる。しかしながら、得られる薄板の品質を制御する
ためには、基板を加熱できる構造にすることも可能であ
る。その場合、浸漬前にヒータによって温度制御するこ
とが好ましい。より安定した薄板を得るのであれば、冷
却機構と加熱機構の両機構を備える方がより好ましい。
【0034】本発明において、基板の移動速度は、1c
m/sec以上が好ましい。1cm/sec以上である
と、基板が傾斜しているために、融液の移動速度をあま
り考慮せずに行なうことができるためである。一方、1
cm/sec以下であると、融液の移動速度と方向性を
厳密に考慮する必要がでてくるためである。装置構成の
簡素化から考えると、基板の移動速度のみで制御できる
構成にするのが好ましい。
【0035】これまでの説明においては、特に基板の移
動と融液の移動の両方が移動する場合について詳述して
きたが、本発明による薄板の製造方法では、必ずしも基
板が移動する必要はない。
【0036】図5を用いて、融液が移動するときについ
て説明する。図5は、融液が移動する際における装置の
一部の概略斜視図である。この装置は成長面を有する基
板240、該基板240を取付け脱着可能な固定基板2
41、242は上下動可能な軸242、融液を基板へ供
給する傾斜台243、融液を保持しておくためのるつぼ
244である。この図では、簡略化のために、上下動を
行なうためのモータや、融液を保持するためヒータなど
は示していない。るつぼ244内で保持された融液は、
傾斜台243に融液状態で供給される。
【0037】次に、この状態で基板240を融液に接触
させ、その後、基板240を上に移動させることで、融
液から切り離すことができる。このようにして、基板2
40上に薄板を成長させることができる。このとき、融
液が傾斜台を流れ落ちるため、基板240は上下動する
だけで、本発明の基板の薄板成長面側から見たときに、
融液が基板の薄板成長面側に向かって来る(近づいてく
る)ことを実現することが可能となる。
【0038】このとき、融液の移動速度は、傾斜台の傾
きによって調節可能であるために、基板を上下動させる
だけで、基板の成長面側から見ると、融液が向かって来
る(近づいてくる)状態を実現できる。また、このと
き、基板240、固定基板241、可動軸242のアセ
ンブリが上下動だけでなく、傾斜台243の傾きに沿っ
て移動できる構造であってもよい。
【0039】このような構造にすることで、融液の落下
方向に対して、移動体(アセンブリ)の移動速度を制御
することが可能となり、薄板の小さい突起や表面のうね
りを抑制することが可能となる。この図において、固定
基板241と基板240は脱着可能な構造であることが
好ましい。これは、基板240と得られる薄板を、その
まま系外へ取出せる構造にすることで、生産速度を大幅
に向上させることができるためである。また、傾斜台2
43は、傾斜台上で融液が固化しないようにヒータなど
加熱しておくことが好ましい。また、移動体(アセンブ
リ)を複数個連続して接続することで、さらに生産速度
を向上させることができ、結果として安価な薄板を提供
することが可能となる。
【0040】次に、薄板の製造装置の断面図を示す図6
を用いて薄板の作製方法について説明する。図番号25
0は傾斜を有する基板、251は得られた薄板、252
は基板を着脱可能な固定台、253は融液、254はる
つぼ、255はるつぼ台、256はヒータ、257は昇
降台、258は昇降軸、259は追加投入管、260は
密閉可能なチャンバ、261は取出し機構である。この
図において、基板250と固定台252を含めた移動体
(アセンブリ)は、チャンバ外に設けられているモータ
など(図示せず)によって回転制御が可能な構造になっ
ている。
【0041】また、昇降軸258もチャンバ外に設けら
れたモータなど(図示せず)によって上下方向に移動制
御が可能な構造になっている。さらに、基板250と得
られた薄板251は、基板毎チャンバ外へ搬出可能な構
造になっている。連続性を考えた場合には、基板250
の搬入経路と搬出経路を別にすることによって、より生
産性が向上することは言うまでもない。
【0042】次に、シリコン薄板を製造する方法につい
て説明する。図6は、密閉性の良好なチャンバで構成さ
れており、本発明を実現する機構を有する装置が内部に
設置されている。得られる薄板の原材料をるつぼ内に準
備し、仕込まれる原料は、高純度シリコンやそれよりも
純度の低い金属級のシリコンも使用できる。より好まし
くは、金属級シリコンを精製し、金属不純物量が低下し
た原料を用いることが好ましい。るつぼには、黒鉛製や
シリカ製のものなどが挙げられるが、シリカ製のものを
使用するとシリカが高温で保持されるとシリカに含有さ
れている酸素成分が得られるシリコン薄板に含有される
ことになるので、黒鉛製のるつぼを使用することがより
好ましい。
【0043】次に、装置内の真空引きを行ない、チャン
バ内を減圧する。減圧後不活性ガスであるArガスをチ
ャンバ内に導入する。Arガスの他に、Heガス、N2
ガスなども考えられるが、Arガスがより好ましい。さ
らにチャンバ内に導入されるArガスは、チャンバの上
部から導入し、下部から排気されるような構成にするこ
とが好ましい。これは、チャンバ内の炉材から発生する
微量の酸素成分とシリコン融液とが反応することで生じ
る酸化ケイ素を速やかにチャンバ外へ排出するためであ
る。
【0044】次に、チャンバ内の圧力を調節しながら、
昇温する。特に、昇温初期とシリコンの溶解初期には、
酸化ケイ素が比較的多く発生することから、このときに
は、真空度を上げておく方が好ましい。シリコンの融点
は、1410℃位であるが、完全に溶解するまでは融点
以上の1500℃くらいまで上げておき、完全に溶解し
たのを確認したのち、基板を浸漬させる温度まで降温す
る。このとき、浸漬時の融液温度は、融点近傍が好まし
いが、融点付近であると、基板の浸漬直後に湯面凝固が
始まる恐れがあるために、生産性を考慮して、融点より
は若干高い温度にすることがより好ましい。
【0045】また、シリコンは、固体の方が体積が大き
いために、完全に溶解すると、融液の嵩が減る。そのた
めに、湯面の高さが低くなるために、シリコンの塊、も
しくは、シリコンの融液状態での追加が必要になる。連
続生産性を考慮した場合、湯面調整のための追加投入
は、融液状態で行なうのが好ましい。これは、固体のま
まで、投入すると湯面が揺れたり、基板の移動を止めて
完全に溶解するのを待つ必要があるためである。湯面が
所望の位置に調整できたのち、るつぼを所定の位置まで
上昇させる。次に、最初の基板をチャンバ内に搬入す
る。
【0046】その後、図6に示す装置であると、120
°回転し、次の基板を搬入する。この状態では、最初に
入れた基板が融液直上の位置、すなわち浸漬直前の位置
にある。この位置で、基板の温度を調整する機構が存在
することが好ましい。すなわち、基板温度は、得られる
シリコン薄板の特性を左右する因子であるためである。
融液に浸漬される直前の基板温度は、200℃以上13
00℃以下が好ましい。これは、200℃以下に調整す
ることは、困難であるためである。すなわち、連続生産
を考えると、次々に搬入されてくる基板を200℃に保
つためには、固定台の方をさらに冷却する必要がある。
【0047】そのためには、冷却ガスや冷却水を大量に
流すことになり、チャンバ内の温度を常に一定に保持す
ることが困難になるだけでなく、熱効率が悪くなり、結
果として低コストの基板を提供するのが困難になる。一
方、1300℃以上に基板温度を保つことも困難とな
る。なぜなら、浸漬直前の位置で基板を1300℃以上
に保持するには、かなりの時間を要することになり、生
産性が劣るためである。
【0048】基板温度を調節するためには、冷却機構と
加熱機構を併用して温度制御する方が好ましい。これ
は、基板温度を常に一定温度で浸漬するためには必要で
ある。本装置においては、所定温度に制御された基板
は、円軌道で浸漬されることになる。しかしながら、基
板が傾斜されているために、本発明の効果をもたらすこ
とが可能となり、表面平滑性にすぐれたシリコン薄板を
得ることが可能になる。浸漬された基板と、その基板上
に付着したシリコン薄板は、チャンバ上部で回転機構を
有する回転軸から取外されて、系外へ搬出される。この
一連の操作によって、シリコン薄板を得ることが可能と
なる。
【0049】本発明に係る他の薄板製造方法では、基板
が融液から離れるときの軌道を円軌道とし、該成長面の
移動方向先端部と円軌道中心との距離R1が、成長面の
移動方向末端部と円軌道中心との距離R2より小さくな
るように、成長面を傾斜させて設け、成長面および成長
面に成長したシリコン薄板が融液から離れるときの、融
液面との角度を垂直に近づけることで、シリコン融液を
除去するのである。
【0050】本発明は、略平面を有する基板を、金属材
料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一つを
含有する物質の融液に浸漬し、続いて融液から離すこと
で、略平面の成長面に融液を固化成長させて薄板を作製
する方法において、該基板が融液から離れるときの軌道
が円軌道である場合を包含しているが、ここでは例とし
て、図7を用いて、多角柱型回転体を用い、回転体に取
付けられた基板が、回転軸によって円運動する場合につ
いて以下に説明する。
【0051】また、本発明では、完全に平滑な平面と、
微細成長状態を制御するため、表面に特定の形状が加工
された平面と、をあわせて略平面と呼ぶものとする。こ
こでは、これらを含めて、該平面が単に平滑な状態とし
て取扱い、説明する。
【0052】また、本発明での、融液からの固化成長に
より、その結晶状態としては、温度などの条件によっ
て、単結晶もしくは多結晶、非晶質、結晶質と非晶質が
混在した物質の薄板となることもある。
【0053】融液には、シリコン、ゲルマニウム、ガリ
ウム、ひ素、インジウム、リン、硼素、アンチモン、亜
鉛、すずなどの半導体材料を含む。またはアルミニウ
ム、ニッケル、鉄など金属材料を含む融液を使用するこ
とができる。例としてシリコン融液からシリコン多結晶
薄板を製造する場合について説明する。
【0054】成長面を構成する基板は、耐熱性に優れ、
かつシリコン薄板2を汚染しないものとして、カーボン
やSiC、高融点金属など、およびこれらの材質を他物
質で被覆したものが望まれる。
【0055】回転体上の成長面がシリコン融液から離れ
るときの、成長面と融液面とのなす角度は、回転体(お
よび基板)の形状と大きさ、成長面の大きさ、浸漬深さ
の3要素から決定される。従来の製造方法を示す図22
のように、円筒型の回転体81表面のように回転弧に沿
った成長面の場合、曲面が融液面から離れるときの、成
長面と融液面とのなす角度αは一定である。しかし、図
7のように、多角柱型の回転体1上に設置された基板上
の成長面を回転させた場合、面の各部分によって回転軸
中心からの距離(回転径)が異なるため、成長面がシリ
コン融液から離れるときの、成長面と融液面とのなす角
度β1は、面の各部によって異なる。
【0056】まず、図8のように、多角柱型の回転体2
1上に、多角柱の各面と並行になるように均一厚みの基
板50を設置し、基板表面(成長面)25aにシリコン
薄板を成長させる場合について説明する。
【0057】多角柱型の回転体21上の基板50の成長
面25aを200mm角の正方形とすると、回転体21
と基板50を含む複合回転体の高さ(対向する面と面の
距離=各成長面の中心部の回転直径)は約740mmと
なる。基板50の各成長面25a中心部が最も下に位置
した場所を基準とし、基板をシリコン融液23に20m
m浸漬して、成長面にシリコン薄板22を成長させる場
合、各面の移動方向先端部25d(成長面内で、最初に
融液から離れる部分)が融液から離れるときの、成長面
と融液面とのなす角度β2は約9度であり、ほとんど水
平である。
【0058】回転が進むにつれて、成長面と融液面のな
す角度β2は増加する。移動方向末端部25e(成長面
内で、最後に融液から離れる部分)が融液から離れると
きの、成長面と融液面とのなす角度β2は約40度であ
る。
【0059】一方、図7に示すように、この多面体型の
回転体1の各面上に、成長面5aの移動方向先端部5d
と回転軸中心との距離(移動方向先端部5dの回転半
径)が該成長面の移動方向末端部5eと回転軸中心との
距離(移動方向末端部5eの回転半径)より小さくなる
ように、末端部に向かうにつれて基板厚みを厚くするこ
とで成長面を傾斜させた基板(傾斜成長面基板5)を設
置し、この傾斜成長面基板5の成長面5aにシリコン薄
板2を成長させる場合について説明する。
【0060】まず、傾斜成長面基板の設計方法につい
て、図12を用いて説明する。本発明では、系統的に結
果を評価するために、成長面面積を一定になるように成
長面を傾斜させた。すなわち、図12において、移動方
向先端部5dと仮想移動方向末端部5f(すなわち、多
角柱型回転体表面と成長面とがなす角度=傾斜角度が0
度における移動方向末端部)の距離は200mmであ
り、この面を、直線5d−5fに対して任意の傾斜角度
5αだけ傾ける。すなわち、移動方向先端部5dと移動
方向末端部5fとの距離も200mmとなる。つまり、
傾斜角度0度の基板上に、5d、5e、5fの3点を頂
点とした二等辺三角形を設置した形状となる。これによ
り、成長面5aの大きさは変わらない。
【0061】上記の方法で設計した場合、様々な傾斜角
度に設定した傾斜成長面基板は、図13に示すような形
状に設計される。図13では、例として、傾斜角度が0
度、30度、45度、60度について示す。傾斜角度5
αが0度の場合、基板表面全面が成長面5aで覆われ
る。傾斜角度5αを大きくするにしたがい、非成長面
(成長させない面)5gが大きくなる。傾斜成長角度が
60度の場合、前記二等辺三角形が正三角形となるた
め、成長面5aと非成長面5gとは等しい大きさとな
る。傾斜角度5αが60度を超えると、非成長面の方が
成長面より大きくなる。
【0062】非成長面5gに薄板が成長してしまった場
合、非成長面が融液から離れるときの非成長面と融液面
とのなす角度は極端に小さいため、非常に平滑性が悪い
薄板となる。そのため、この部分に成長した薄板は材料
ロスとなるため、非成長面に薄板が成長しないように、
非成長面を融液との濡れ性がよくない窒化珪素や硼化珪
素で覆うこと、もしくは、融液の張力を超えるピッチの
溝をつけることなどの、成長防止構造をとることが望ま
しい。
【0063】傾斜角度5αを0度〜75度の範囲で傾斜
させて設けた場合、移動方向先端部5dおよび移動方向
末端部5eがシリコン融液3から離れるときの、成長面
と融液面とのなす角度β1である出湯角度は、図16に
示すように、ともに増加することがわかる。ここで、成
長面と融液面とのなす角度β1は、角度90度が完全に
垂直であり、90度を超えると成長面5aはシリコン融
液3と反対方向(融液から見て上方)を向きつつ融液か
ら離れることになる。
【0064】成長面5aを傾斜することで、成長面と融
液面とのなす角度β1は制御可能であるが、成長面の移
動方向先端部5dと移動方向末端部5eの回転径の差が
増大するため、図17に示すように、浸漬深さに違いが
生じる。移動方向末端部5eの成長面と融液面とのなす
角度が約90度に達する傾斜角度40度における浸漬深
さの差は約120mmである。浸漬深さの差が大きい場
合、シリコン融液3を保持するるつぼ4の大きさを低減
できないだけでなく、融液温度分布の影響や、浸漬時間
の違いなどによるシリコン薄板2の板厚むらが生じる。
傾斜角度5αは、浸漬深さによる影響を考慮しつつ最適
化する必要がある。
【0065】以上に示した方法によって、均一柱状結晶
の上に這い上がる融液量を低減することによって、シリ
コン薄板2が平滑になるため、研磨などの二次加工が必
要無くなるため、低コストのウエハを提供することが可
能である。また、柱状結晶に比べて粒径が小さく薄板の
厚み方向の結晶粒界も多い液だまり領域が低減するた
め、たとえば太陽電池として使用した場合、キャリアを
再結合させる要因となる欠陥が減少し、太陽電池の特性
を向上することが可能である。
【0066】基板の成長面を傾斜させる場合(傾斜角度
>0度)は、図10に示すように、傾斜角度5αを様々
に変更するため、傾斜成長面基板5をネジ穴5bとそれ
に対応するネジによって設置できる構造とした。これに
より、傾斜角度5αを様々に変化させた場合で、シリコ
ン薄板2を製造し、評価比較することが可能である。
【0067】傾斜成長面基板5の構造および取付け方法
について、図9を用いて説明する。傾斜成長面基板5
は、図9に示すように、12面体型の回転体1の各面に
1つずつ取付けることが可能である。
【0068】以下、本発明を実施の形態に基づいて説明
する。本実施の形態では、シリコン融液を固化すること
でシリコン多結晶薄板の製造を行なった。基板や回転
軸、回転体の材質は黒鉛とした。基板表面(成長面)は
平滑な平面とした。基板と基板を接続する基板連結機構
を用いる場合、その材質は黒鉛とし、表面を炭化珪素で
被覆した。
【0069】(実施の形態1)実施の形態1は、基板が
円軌道に沿って、円運動しながら融液に浸漬し、続いて
融液から離れることによって基板の成長面にシリコン薄
板を成長させる場合に対して、シリコン薄板表面を斜め
にした方法である。
【0070】図7は実施の形態1に沿ったシリコン薄板
製造装置である。シリコン薄板製造装置は、角型のるつ
ぼ4と、るつぼ4に供給されたシリコンを溶融する加熱
ヒータ、回転体1を支持する回転軸、12面体角柱型の
回転体1、該12面体角柱型の回転体1各面に取付け可
能な基板で構成される。これらは直方体の装置外壁およ
び断熱材の中に収納されている。装置内部は、断熱材に
囲まれて、内部をアルゴンガス雰囲気下に保持可能にシ
ールされている。
【0071】なお、基板の成長面を傾斜させない場合
(傾斜角度=0度)は、図8に示すように、基板の成長
面25aが12角柱を形成する構造とする。これら12
個の基板50は、ネジによって設置できる構造とした。
12面体角柱型の回転体21上の基板の成長面25aを
200mm角の正方形とすると、回転体21と基板を含
む複合回転体の高さ(対向する面と面の距離=各成長面
の中心部の回転直径)は約740mmとなる。
【0072】12個の傾斜成長面基板5は、傾斜角度を
変更する場合、12個の傾斜成長面基板をすべて取替え
た。傾斜成長面基板5を、図11のように、回転体1の
各面に押し当て、傾斜成長面基板5両端の耳部のネジ孔
5bと、該ネジ孔5bに対応する回転体1のネジ孔に、
ネジ6を締め付けることで、傾斜成長面基板5を回転体
1に固定した。
【0073】本実施の形態では、傾斜角度5αが0度〜
75度の傾斜成長面基板5を用意し、これらを用いてシ
リコン薄板2の製造を行なった。それぞれの傾斜成長面
基板5に対して、まず、回転体1を回転することで、傾
斜成長面基板5を円運動させ、次にるつぼ4を上昇し、
成長面5aをシリコン融液3に浸漬し、続いてシリコン
融液3から離れることで、成長面表面にシリコン薄板2
が成長する。本実施の形態では、傾斜角度0度の基板を
取付けたときの成長面の中心部が最も下に位置した場所
を基準とし、成長面をシリコン融液3に20mm浸漬し
て、成長面にシリコン薄板2を成長させた。その後、該
シリコン薄板2を装置から取出し、表面うねり、板厚の
評価を行なった。なお、表面うねりに関しては、JIS
B0601−1994によって定義される最大うねり
を用いて評価した。
【0074】取出したシリコン薄板2の表面うねりを測
定したところ、最大うねり(WCM)は、図18に示すよ
うに、傾斜角度0度において約400μmであるが、傾
斜角度5αが15度〜50度では200μm以下であ
り、この範囲で非常に平滑性を向上できることがわかっ
た。
【0075】これは、成長面が融液から離れるときの成
長面と融液面とのなす角度β1が増加するに従い、シリ
コン薄板に表面に這い上がるシリコン融液の量が減少す
るためである。傾斜角度40度以上では、最大うねりは
再び増加しはじめた。
【0076】先端部および末端部が融液を離れるときの
成長面と融液面とのなす角度の平均値が90度における
這い上がりシリコン融液量が最も少なくなると考えた
が、実際には傾斜角度40度を超えると、移動方向末端
部5e側の成長面は重力に抗して上方を向きながら融液
から離れるため、下方を向いて融液から離れるときより
も融液がシリコン薄板上に残留しやすいため、傾斜角度
60度(成長面と融液面とのなす角度が約90度)より
も低傾斜角度側で這い上がりシリコン融液量が最低とな
り、シリコン薄板の最大うねりも傾斜角度15度〜50
度において小さくなることがわかった。
【0077】本実施の形態においては、平面状のシリコ
ン薄板を得るために、多角柱型の回転体1の各面上に傾
斜成長面基板5を設置した回転体の成長面にシリコン薄
板を成長させたが、この方法を用いると、円筒型回転体
を用いた場合に比べて、成長面の各部位によってシリコ
ン融液に浸漬する深さが異なる。浸漬深さの差は、融液
温度分布の影響や、浸漬時間の違いなどによるシリコン
薄板の板厚むらを生じさせる原因となる可能性がある。
そこで、取出したシリコン薄板の様々な部位での板厚を
測定した。
【0078】板厚は、傾斜角度5αが0度に近い場合
は、中心部で最も薄く、移動方向先端部5dおよび移動
方向末端部5eで最も厚い傾向が得られた。また、傾斜
角度5αを増加させていくにつれて、移動方向末端部5
eに近い部位の方が板厚は増加するようになった。つま
り、傾斜角度0度の場合、成長面中央部と回転軸中心と
の距離(成長面中央部の浸漬深さ)が最も小さく、傾斜
角度が増加すると、移動方向末端部側と回転軸中心との
距離(移動方向末端部側の浸漬深さ)が大きくなるため
であり、浸漬深さが大きい部位ほど、浸漬時間増加によ
って板厚が大きくなった。
【0079】シリコン薄板各部位における板厚の最大値
と最小値との差(板厚差)は、シリコン薄板を用いて太
陽電池などのデバイスを作製するプロセスに影響を与え
るため、小さい(板厚の分布が少ない)方が望まれる。
【0080】図18に示すように、傾斜角度5αが50
度以内では、板厚差は150μm以下であるが、50度
を超えると板厚差が増加し、150μm以上になること
がわかった。太陽電池作製プロセスにおいては、板厚差
が150μm以上になると、シリコン薄板の電極印刷や
反射防止膜形成などにむらが生じるため、板厚差が15
0μm未満となるように、傾斜角度5αは50度以下に
設定することが望ましい。
【0081】以上から、シリコン薄板の平滑化を実現
し、かつ、板厚差の影響を大きく受けないことから、本
装置構成においては、傾斜角度は15度〜50度にする
ことが望ましい。
【0082】本実施の形態における、傾斜角度5αが1
5度〜50度とは、図16にて換算できるように、成長
面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と融
液面のなす角度が20度〜60度であり、かつ、末端部
が融液から離れるときの成長面と融液面のなす角度が6
0度〜100度であることに相当する。
【0083】本実施の形態では、単純に成長面を傾斜さ
せることのみで成長面と融液面とのなす角度を制御した
が、たとえば回転体の大きさを変更すること、成長面面
積を変更すること、浸漬深さを変更することおよび成長
面を傾斜させることの少なくともいずれか1つを含む方
法で、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの
成長面と融液面とのなす角度を20度〜60度、末端部
が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を
60度〜100度の範囲に制御することによって、平坦
表面を持つ低コストな結晶薄板を得ることが可能であ
る。
【0084】また、特に回転体を用いた場合について説
明したが、略平面の成長面を持つ基板を可動とする場
合、回転運動でない動作によって成長面が運動する場合
についても、成長面が融液に浸漬し、続いて融液から離
れることによって成長面に結晶薄板を成長させる方法を
とることが可能である。この場合も、前記と同様に、成
長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成長面と
融液面とのなす角度を20度〜60度、末端部が融液か
ら離れるときの成長面と融液面とのなす角度を60度〜
100度の範囲に制御することによって、平坦表面を持
つ低コストな結晶薄板を得ることが可能である。
【0085】(実施の形態2)実施の形態2は、基板が
円軌道ではない運動をするが、少なくとも融液への浸入
から融液を離れるまでは円軌道に沿った円運動をする場
合に対して、シリコン薄板表面を平滑にし、また、シリ
コン薄板の結晶性を改善する方法である。
【0086】図14は実施の形態2に沿ったシリコン薄
板製造装置である。シリコン薄板製造装置は、角型のる
つぼ34と、るつぼ34に供給されたシリコンを溶融す
る加熱ヒータ、回転体31を支持する回転軸、12面体
角柱型の回転体31、各々が一定間隔で連結された傾斜
成長面基板で構成される。これらは直方体の装置外壁お
よび断熱材の中に収納されている(図示せず)。装置内
部は、断熱材に囲まれて、内部をアルゴンガス雰囲気下
に保持可能にシールされている。
【0087】基板の成長面を傾斜させない場合(傾斜角
度=0度)は、図8に示したような基板50を使用し
た。基板の成長面を傾斜させる場合は、図14に示すよ
うに、傾斜しない場合に対して任意の角度で成長面を傾
斜させた傾斜型基板を使用した。
【0088】各基板は、連結器9によって連続的に連結
されており、基板を系外から連続して導入し、成長した
シリコン薄板32ごと基板を系外に排出することが可能
である。連結体が装置系外から導入される装置外壁およ
び排出される装置外壁には、基板導入口および排出口
(図示せず)が設けられており、装置系内の雰囲気圧力
を大気圧以上にすることで大気混入を防いでいる。装置
系内から排出される雰囲気ガスは、ただちに基板導入口
および排出口直近に配置された排気ダクトによって、排
気ガス処理施設に送られる。
【0089】この方式によって、連続的にシリコン薄板
を製造、取出しすることが可能となる。系外にて、シリ
コン薄板を基板から剥離し、収集する工程、基板(特に
成長面)の清掃や調整、基板の取替えなどが連続運転し
ながら行なうことが可能である。また、連結された基板
は、系外にてテンションを制御することにより、任意圧
力で基板を回転体31に押し当てることが可能となる。
基板が回転体31に接触してから、回転体31から離れ
るまでの間は、実施の形態1と同様に、回転体と一体化
している。つまり、融液に浸漬し、融液から離れるまで
の間は、円運動をするため、実施の形態1と同様のシリ
コン薄板の成長が可能である。
【0090】12面体角柱型の回転体上の傾斜させない
基板の成長面を200mm角の正方形とすると、回転体
と基板を含む複合回転体の高さ(対向する面と面の距離
=各成長面の中心部の回転直径)は約740mmとな
る。
【0091】本実施の形態では、傾斜角度5αが0度〜
75度の傾斜成長面基板35を用意し、これらを用いて
シリコン薄板32の製造を行なった。それぞれの傾斜成
長面基板35に対して、まず、回転体31を回転するこ
とで、傾斜成長面基板35を連続的に導入、排出させ、
次にるつぼ34を上昇し、成長面35aをシリコン融液
33に浸漬し、続いてシリコン融液33から離れること
で、成長面表面にシリコン薄板32が成長する。成長し
たシリコン薄板32は基板と一体化したまま系外へ排出
される。
【0092】本実施の形態では、傾斜角度0度の基板を
取付けたときの成長面の中心部が最も下に位置した場所
を基準とし、成長面をシリコン融液33に20mm浸漬
して、成長面にシリコン薄板32を成長させた。その
後、該シリコン薄板32を装置から取出し、表面うね
り、板厚の評価を行なった。
【0093】取出したシリコン薄板32の表面うねりを
測定したところ、最大うねり(WCM)は、図14に示す
ように、傾斜角度0度において約400μmであるが、
傾斜角度15度〜55度では200μm以下であり、こ
の範囲で非常に平滑性を向上できることがわかった。こ
れは、実施の形態1と同様の結果である。成長面35a
(および基板)が円運動しない場合でも、少なくとも融
液に浸入するときから、融液から離れるときまでの間、
成長面が円運動する場合は、実施の形態1と同様の効果
を得ることが可能である。
【0094】次に、取出したシリコン薄板の様々な部位
での板厚を測定した。板厚差も、実施の形態1と同様
に、図19に示すように、傾斜角度5αが50度以内で
は、板厚差は150μm以下であるが、50度を超える
と板厚差が増加し150μm以上になることがわかっ
た。板厚差が150μm未満となるように、傾斜角度5
αは55度以下に設定することが望ましい。
【0095】以上から、シリコン薄板の平滑化を実現
し、かつ、板厚差の影響を大きく受けないことから、本
装置構成においては、傾斜角度は15度〜50度にする
ことが望ましい。本実施の形態における、傾斜角度15
度〜50度とは、つまり、図16にて換算できるよう
に、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成
長面と融液面のなす角度が20度〜60度であり、か
つ、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面のな
す角度が60度〜100度であることに相当する。つま
り、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成
長面と融液面とのなす角度を20度〜60度、末端部が
融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を6
0度〜100度の範囲に制御することによって、平坦表
面を持つ低コストな結晶薄板を得ることが可能である。
【0096】(実施の形態3)実施の形態3は、基板が
融液に浸漬している間も円軌道ではない運動をするが、
少なくとも融液から離れる時点では円軌道に沿った円運
動をする場合に対して、シリコン薄板表面を平滑にし、
また、シリコン薄板の結晶性を改善する方法である。
【0097】図15は実施の形態3に沿ったシリコン薄
板製造装置である。シリコン薄板製造装置は、角型るつ
ぼ44と、るつぼ44に供給されたシリコンを溶融する
加熱ヒータ、融液面に対して並行に配置された同サイズ
の2つの12面体角柱型回転体12、13およびこれら
を支持する回転軸、各々が一定間隔で連結された基板で
構成される。これらは直方体の装置外壁および断熱材の
中に収納されている。装置内部は、断熱材に囲まれて、
内部をアルゴンガス雰囲気下に保持可能にシールされて
いる。
【0098】基板の成長面を傾斜させない場合(傾斜角
度=0度)は、図8に示したような基板50を使用し
た。基板の成長面を傾斜させる場合は、図15に示すよ
うに、傾斜しない場合に対して任意の角度で成長面を傾
斜させた傾斜型基板を使用した。
【0099】各基板は、連結器19によって連続的に連
結されており、基板を系外から連続して導入し、第1の
回転体12に押し当てられて融液に浸漬される。続い
て、融液内で回転体12を離れ、融液に浸漬した状態の
まま、第2の回転体13に向かって移動する。回転体1
3に押し当てられた基板は、回転体13に固定された状
態で融液から離れるため、成長面が融液から離れるとき
の基板の運動は、回転体13と同様に、円軌道となる。
基板は融液から離れた後に、回転体13からも離れ、成
長したシリコン薄板42ごと基板を系外に排出すること
が可能である。
【0100】実施の形態2と同様に、装置外壁には、基
板導入口および排出口が設けられており、装置系内の雰
囲気圧力を大気圧以上にすることで大気混入を防いでい
る。装置系内から排出される雰囲気ガスは、排気ダクト
によって、排気ガス処理施設に送られる。
【0101】この方式によって、連続的にシリコン薄板
を製造、取出しすることが可能となる。また、融液に浸
漬している時間(成長面が融液内を移動する距離)が長
いため、回転体の回転数(基板の移動速度)を早めたと
きに、浸漬時間不足による成長面への成長不足を解消す
ることが可能であり、結果的にシリコン薄板の製造時間
を短縮し、コスト低減が可能となる。
【0102】実施の形態2と同様に、系外にて、シリコ
ン薄板を基板から剥離し、収集する工程、基板(特に成
長面)の清掃や調整、基板の取替えなどが連続運転しな
がら行なうことが可能である。また、連結された基板
は、系外にてテンションを制御することにより、任意圧
力で基板を回転体12、13に押し当てることが可能と
なる。
【0103】12面体角柱型回転体12、13上の傾斜
させない基板の成長面を200mm角の正方形とする
と、回転体12もしくは13と基板を含む複合回転体の
高さ(対向する面と面の距離=各成長面の中心部の回転
直径)は約740mmとなる。
【0104】本実施の形態では、実施の形態2と同様の
傾斜しない基板もしくは傾斜型基板を用いた。傾斜角度
5αが0度〜75度の傾斜成長面基板45を用意し、こ
れらを用いてシリコン薄板42の製造を行なった。それ
ぞれの傾斜成長面基板45に対して、まず、回転体1
2、13を回転することで、傾斜成長面基板45を連続
的に導入、排出させ、次にるつぼ44を上昇し、成長面
45aをシリコン融液43に浸漬し、続いてシリコン融
液43から離れることで、成長面表面にシリコン薄板4
2が成長する。成長したシリコン薄板42は基板と一体
化したまま系外へ排出される。
【0105】本実施の形態では、傾斜角度0度の基板を
取付けたときの成長面の中心部が最も下に位置した場所
を基準とし、成長面をシリコン融液43に20mm浸漬
して、成長面にシリコン薄板42を成長させた。その
後、該シリコン薄板42を装置から取出し、表面うね
り、板厚の評価を行なった。
【0106】取出したシリコン薄板42の表面うねりを
測定したところ、最大うねり(WCM)は、図20に示す
ように、傾斜角度0度において約400μmであるが、
傾斜角度15度〜50度では150μm以下であり、こ
の範囲で非常に平滑性を向上できることがわかった。こ
れは、実施の形態1〜2と同様の結果である。
【0107】成長面45a(および基板)が円運動しな
い場合でも、少なくとも融液から離れるときに成長面が
円運動する場合は、実施の形態1〜2と同様の効果を得
ることが可能である。
【0108】次に、取出したシリコン薄板の様々な部位
での板厚を測定した。板厚差も、実施の形態1〜2と同
様に、図20に示すように、傾斜角度5αが50度以内
では、板厚差は150μm以下であるが、50度を超え
ると板厚差が増加し、150μm以上になる。板厚差が
150μm未満となるように、傾斜角度5αは50度以
下に設定することが望ましい。
【0109】以上から、シリコン薄板の平滑化を実現
し、かつ、板厚差の影響を大きく受けないことから、本
装置構成においては、傾斜角度は15度〜50度にする
ことが望ましい。本実施の形態における、傾斜角度15
度〜50度とは、つまり、図16にて換算できるよう
に、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成
長面と融液面のなす角度が20度〜60度であり、か
つ、末端部が融液から離れるときの成長面と融液面のな
す角度が60度〜100度であることに相当する。つま
り、成長面の移動方向先端部が融液から離れるときの成
長面と融液面とのなす角度を20度〜60度、末端部が
融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を6
0度〜100度の範囲に制御することによって、平坦表
面を持つ低コストな結晶薄板を得ることが可能である。
【0110】(比較例1)比較例1は、成長面を傾斜さ
せず、円筒型の回転体81を用いた、従来の方法を模擬
した例である。
【0111】図22は比較例1に沿ったシリコン薄板製
造装置である。装置構成は、実施の形態1における12
面体多角柱型の回転体1および傾斜成長面基板5の替わ
りに、直径740mmの円筒型の回転体81を用いてい
る。
【0112】まず、るつぼ84を上昇し、カーボンネッ
ト88を巻きつけた回転体81をシリコン融液83に2
0mm浸漬し、回転体81を回転しつつカーボンネット
88を引き出すことによって、つづいて回転体表面に成
長したシリコン薄板82を引き出した。円筒型回転体を
用いるため、成長面の各部位において、浸漬深さ、融液
から離れるときの成長面と融液面とのなす角度は一定で
ある。本比較例における、融液から離れるときの成長面
と融液面とのなす角度は約20度である。表面に這い上
がったシリコン融液82aは局在してシリコン薄板表面
に残り、表面に局在的に液だまり82bが発生した。さ
らに回転が進んだ位置では、液だまり82bが徐々に固
まることによって、シリコン薄板表面に大きなうねりが
できた。
【0113】取出したシリコン薄板の表面うねりを測定
したところ、最大うねり(WCM)は約450μmであっ
た。実施の形態1〜3と比較すると、平坦表面を持つシ
リコン薄板を得る条件である成長面先端部が融液から離
れるときの成長面と融液面のなす角度20度〜60度は
満たしているものの、成長面が融液から離れるときの成
長面と融液面のなす角度60度〜120度が満たせない
ため、平面状の成長面の場合のように、成長面が湯面か
ら離れるときの成長面と融液面とのなす角度が増加する
ことによるシリコン薄板上に這い上がる融液の低減が行
なわれないため、平面状の成長面を使用した場合に比べ
て最大うねりが増加した。
【0114】シリコン薄板各部位における板厚の最大値
と最小値との差(板厚差)は、各部位における浸漬深さ
の違いがないために小さく、約45μmであった。
【0115】(実施の形態4)実施の形態1〜3および
比較例1によって製造されたシリコン薄板を用いて、太
陽電池を作製した。作製の手順の一例は、洗浄、テクス
チャエッチング、拡散層形成、酸化膜除去、反射防止膜
形成、バックエッチ、裏面電極形成、受光面電極形成の
順序であり、一般的な手法である。各工程間は基本的に
は自動搬送機構による受け渡しを行なった。
【0116】実施の形態1および実施の形態2によるシ
リコン薄板に関しては、傾斜角度15度〜50度の傾斜
成長面基板を使用したシリコン薄板はすべて自動搬送が
できたが、その他のシリコン薄板に関しては、一部、液
だまりによる凹凸があることにより自動搬送機構が使用
できないものがあった。比較例1によるシリコン薄板に
関しては、湾曲が残ること、液だまりによる凹凸がある
ことにより自動搬送機構が使用できなかった。
【0117】次に、比較例1および実施の形態1〜3に
おける傾斜角度0度と40度の傾斜成長面基板を使用し
たシリコン薄板から製作した太陽電池の特性を、ソーラ
ーシミュレータによって測定した結果を下記表1に示
す。
【0118】
【表1】
【0119】実施の形態1、実施の形態2および実施の
形態3ともに、傾斜角度40度による太陽電池の短絡電
流密度は27〜28mA/cm2であり、比較例1の2
5mA/cm2、傾斜角度0度の26mA/cm2より大
きい。これは、液だまりによる微小粒径領域の欠陥がテ
クスチャエッチングによって除去されているためと考え
られる。曲線因子も欠陥低減のため向上しており、変換
効率は比較例1で10%に対し、実施の形態1〜3の傾
斜角度0度では11%、傾斜角度40度では12%と大
幅に改善できた。
【0120】(実施の形態5)得られる板状シリコンの
比抵抗が2Ω・cmになるようにボロンの濃度を調整し
たシリコン原料を、高純度黒鉛製るつぼに入れ、そのる
つぼを、図6に示す装置内に設置した。次に、チャンバ
内の真空引きを行ない、一旦5Pa以下まで減圧する。
その後、チャンバ内にArガスを導入し、700hPa
を保ちつつ、常に5L/minでチャンバ上部よりAr
ガスをフローしたままにする。
【0121】次に、シリコン溶解用のヒータ温度を14
80℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にする。こ
のとき、シリコン原料は溶解することで液面が低くなる
ことから、新たにシリコン原料を投入することで、湯面
位置を所定の位置にあわせる。その後、シリコン融液温
度を1420℃に設定し、30分間そのまま保持し、融
液温度の安定化を図る。このとき、湯面の凝固がないこ
とを確認した。
【0122】次に、冷却機構と加熱機構を併用して温度
制御された基体を、シリコン融液への浸漬させる。この
ときの、基板の制御温度は、300℃、600℃、90
0℃の3条件で行なった。
【0123】その後、るつぼを徐々に上昇させ、傾斜基
板が完全に浸漬できるような位置まで上昇してきた所
で、基体をシリコン融液に浸漬した。このときの傾斜基
板の傾斜角度は、10°であった。このときの基体の移
動速度は、300cm/minであった。このとき、得
られた板状シリコンは、基体から容易に剥離することが
でき、そのサイズは、75mm×75mmであった。こ
のような正方形の薄板シリコンを100枚作製し、重量
から板厚を換算した。得られた板厚の平均値を表2に示
す。
【0124】次に、得られた板状シリコンを用いて、太
陽電池の作製を行なった。得られた板状シリコンは、硝
酸とフッ酸との混合溶液でエッチングおよび洗浄を行な
い、その後、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエッチ
ングを行なった。その後、POCl3拡散によりp型基
板にn層を形成した。板状シリコン表面に形成されてい
るPSG膜をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面側
となるn層上にプラズマCVDを用いてシリコン窒化膜
を形成した。次に、太陽電池の裏面側となる面に形成さ
れているn層を硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチング
除去し、p基板を露出させ、その上に裏面電極およびp
+層を同時に形成した。次に、受光面側の電極をスクリ
ーン印刷法を用いて形成した。その後、半田コートを行
ない、太陽電池を作製した。
【0125】作製した太陽電池は、AM1.5、100
mW/cm2の照射下にてセル特性の測定を行なった。
得られた特性の平均値を表2に示す。
【0126】円軌道であっても基板の角度を変えること
で、向ってくる流れを作ることができる。
【0127】
【表2】
【0128】(実施の形態6)得られる板状シリコンの
比抵抗が0.5Ω・cmになるようにボロンの濃度を調
整したシリコン原料を、高純度黒鉛製るつぼに入れ、そ
のるつぼを、図21に示す装置内に設置した。この図に
おいて、図番号262は基板、263は固定台、264
は回転軸に接続された長さ可変軸、265は融液、26
6はヒータ、267はるつぼ台、268はるつぼ昇降軸
である。長さ可変軸264は、基板が融液から脱出時
に、基板と回転軸の中心からの距離が長くできるような
構造になっている。次に、チャンバ内の真空引きを行な
い、一旦10Pa以下まで減圧する。その後、チャンバ
内にArガスを導入し、700hPaを保ちつつ、常に
10L/minでチャンバ上部よりArガスをフローし
たままにする。
【0129】次に、シリコン溶解用のヒータ温度を15
00℃に設定し、完全にシリコンを溶融状態にする。こ
のとき、シリコン原料は溶解することで液面が低くなる
ことから、新たにシリコン原料を投入することで、湯面
位置を所定の位置にあわせる。その後、シリコン融液温
度を1410℃に設定し、30分間そのまま保持し、融
液温度の安定化を図る。このとき、湯面の凝固がないこ
とを確認した。
【0130】次に、冷却機構と加熱機構を併用して温度
制御された基体を、シリコン融液への浸漬させる。この
ときの基板の制御温度は、400℃で行なった。
【0131】その後、るつぼを徐々に上昇させ、基板が
完全に浸漬できるような位置まで上昇してきた所で、基
体をシリコン融液に浸漬した。このときの基体の移動速
度は、400cm/minであった。
【0132】このとき、得られた板状シリコンは、基体
から容易に剥離することができ、そのサイズは、100
mm×100mmであった。このような正方形のシリコ
ン薄板を10枚作製し、重量から板厚を換算した。得ら
れた板厚の平均値を表3に示す。また、シリコン薄板1
枚あたりの、表面に存在する小さな突起の数を表3に示
す。
【0133】(比較例2)長さ可変軸を用いずに基板と
回転軸の中心からの距離が一定になるようにしたこと以
外全て実施の形態6と全く同じ方法で、シリコン薄板を
作製し、重量から板厚を換算した。得られた板厚の平均
値を表3に示す。また、シリコン薄板1枚あたりの、表
面に存在する小さな突起の数を表3に示す。
【0134】
【表3】
【0135】なお、今回開示された実施の形態はすべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
【0136】
【発明の効果】本発明に係る薄板の製造方法は、成長面
を有する基板を、金属材料もしくは半導体材料のうち少
なくともいずれか一方を含有する材料の融液に接触さ
せ、前記材料を基板に成長させることで、前記材料で形
成された薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板
成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に
向かって来る(近づいてくる)ようにすることで、融液
のメニスカス形状を制御し、よって、小さい突起の少な
い平坦表面を持つ薄板を低コストで安定して連続的に成
長させることができた。
【0137】また、成長面を有する基板を配置された移
動体を移動させることにより、前記基板の表面を金属材
料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を
含有する材料の融液に接触させ、その後、前記基板の表
面を前記融液から離す一連の移動動作によって、前記材
料を前記基板の表面に成長させることで、前記材料で形
成された薄板を得る薄板製造方法において、基板の薄板
成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長面側に
向かって来る(近づいてくる)構成を採用することで、
小さい突起の少ない平坦表面を持つ薄板を低コストで安
定して製造できた。
【0138】本発明に係る薄板製造方法は、成長面の移
動方向先端部と円軌道回転軸中心との距離が、該成長面
の移動方向末端部と円軌道回転軸中心との距離より小さ
くなるように、成長面を傾斜させることによって、成長
面が融液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度
を増加させ、成長面に這い上がる融液量を減少すること
が可能であり、その結果、平坦表面を持つ薄板を低コス
トで安定して連続的に成長させることができた。
【0139】また、成長面を傾斜させる、回転体の大き
さを変更する、成長面面積を変更する、浸漬深さを変更
することなどによって、該成長面の移動方向先端部が融
液から離れるときの成長面と融液面とのなす角度を20
度〜60度、該成長面の移動方向末端部が融液から離れ
るときの成長面と融液面とのなす角度を60度〜100
度の範囲にすることにより、成長面に這い上がる融液量
と、成長した結晶薄板の板厚むらとの最適化を計ること
ができ、平滑でかつ板厚むらの少ない結晶薄板を得るこ
とができた。
【0140】また、前記材料としてシリコン材料を用い
ることによって、半導体デバイス(特に太陽電池)の材
料となる低コストシリコンウエハを得ることができた。
【0141】さらに、本発明に係る薄板製造方法によっ
て得られた薄板を用いることによって、材料の低コスト
化が可能であり、また、融液這い上がりによる微小粒径
領域が低減され、結晶性が向上するため、一般的な太陽
電池の製造方法を用いて変換効率が向上した太陽電池を
得ることができた。
【0142】以上のように、成長面を傾斜させる、回転
体の大きさを変更する、成長面面積を変更する、浸漬深
さを変更することなどによって、成長面が融液から離れ
るときの成長面と融液面とのなす角度を増加することに
よって、シリコン融液の這い上がりおよび液だまりを低
減することができ、シリコン薄板の表面が平滑になり、
研磨、スライス工程によらずシリコンウエハを形成でき
た。
【0143】回転体は円筒型に替わり、多面体を始めと
する平面状の成長面を持つ基板もしくは構造を適用でき
るため、平板平滑なシリコンウエハを形成することが可
能である。また、微小粒径領域が低減され、結晶性が向
上するため、一般的な太陽電池の製造方法を用いて変換
効率を向上することが可能である。これらの理由によっ
て、より低コストでシリコンウエハを提供することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る薄板製造方法の原理を説明する
概略図である。
【図2】 本発明に係る薄板製造方法の原理を説明する
概略図である。
【図3】 本発明に係る薄板製造方法の原理を説明する
概略図である。
【図4】 本発明に係る薄板製造方法を実施することが
できる製造装置を説明する概略断面図である。
【図5】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置
の概略斜視図である。
【図6】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置
の断面図である。
【図7】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装置
の概略図である。
【図8】 多角柱の各面と並行になるように基板を設置
した薄板製造装置の側面図である。
【図9】 傾斜成長面基板を多角柱型の回転体に取付け
る方法を説明する概略図である。
【図10】 傾斜成長面基板の構造の概略図である。
【図11】 傾斜成長面基板の構造の概略図である。
【図12】 傾斜成長面基板の構造の概略図である。
【図13】 傾斜成長面基板の構造の概略図である。
【図14】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装
置の概略図である。
【図15】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装
置の概略図である。
【図16】 傾斜角度と、傾斜成長面の移動方向先端部
および末端部が融液から離れるときの成長面と融液面と
のなす角度と、の関係を説明する図である。
【図17】 傾斜角度と、傾斜成長面の浸漬深さの最大
差と、の関係を説明する図である。
【図18】 傾斜角度と、シリコン薄板の最大うねり
と、の関係を説明する図である。
【図19】 傾斜角度と、シリコン薄板の最大うねり
と、の関係を説明する図である。
【図20】 傾斜角度と、シリコン薄板の最大うねり
と、の関係を説明する図である。
【図21】 本発明に係る薄板製造方法に用いられる装
置の概略側面図である。
【図22】 従来の薄板製造方法に用いられる装置の概
略図である。
【符号の説明】
1 回転体、2 シリコン薄板、3 シリコン融液、4
るつぼ、5 傾斜成長面基板、5a 成長面、5b
ネジ孔、5α 傾斜角度、5d 移動方向先端部、5e
移動方向末端部、5g 非成長面、6 ネジ、8 回
転軸、9 連結器、12,13 回転体、21 回転
体、22 シリコン薄板、23 シリコン融液、24
るつぼ、25a 成長面、25d 移動方向先端部、2
5e 移動方向末端部、26 ネジ、31 回転体、3
2 シリコン薄板、33 シリコン融液、34 るつ
ぼ、35 傾斜成長面基板、35a 成長面、35d
移動方向先端部、35e 移動方向末端部、42 シリ
コン薄板、43 シリコン融液、44 るつぼ、45
傾斜成長面基板、45a 成長面、45d 移動方向先
端部、45e 移動方向末端部、82a 這い上がった
シリコン融液、82b液だまり、83 シリコン融液、
84 るつぼ、85 成長面の移動方向先端部と回転軸
中心との距離、86 成長面の移動方向末端部と回転軸
中心との距離、88 カーボンネット、α,β1,β2
β3,β4 成長面と融液面とのなす角度、200 基
板、201 融液面、210 基板、211 融液面、
220 凸状のメニスカス、221 基板、222 融
液面、223 凸状のメニスカス、230 傾斜のつい
た基板、231 基板取付け可能な固定台、232 固
定台と回転軸中心に取付けられた軸、233 融液、2
34 るつぼ、235 基板の移動方向先端部が移動す
る軌跡、236 基板の移動方向末端部が移動する軌
跡、240 成長面を有する基板、241 基板を取付
け脱着可能な固定基板、242 上下動可能な軸、24
3 融液を基板へ供給する傾斜台、244 融液を保持
しておくためのるつぼ、250 傾斜を有する基板、2
51は得られた薄板、252 基板を着脱可能な固定
台、253 融液、254 るつぼ、255るつぼ台、
256 ヒータ、257 昇降台、258 昇降軸、2
59 追加投入管、260 密閉可能なチャンバ、26
1 取出し機構、262 基板、263 固定台、26
4 回転軸に接続された長さ可変軸、265 融液、2
66ヒータ、267 るつぼ台、268 るつぼ昇降
軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 浩司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA07 BA04 CF03 ED04 EG03 5F051 AA02 AA16 CB02 CB20 CB21 DA03 EA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板成長面を有する基板を、金属材料も
    しくは半導体材料のうち少なくともいずれか一方を含有
    する材料の融液に接触させ、前記材料の薄板を基板に成
    長させることで、前記材料で形成された薄板を得る薄板
    製造方法において、基板の薄板成長面側から見たとき
    に、融液が基板の薄板成長面側に向かって来ることを特
    徴とする薄板製造方法。
  2. 【請求項2】 薄板成長面を有する基板を配置された移
    動体を移動させることにより、前記基板の薄板成長面を
    金属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか
    一方を含有する材料の融液に接触させ、その後、前記基
    板の表面を前記融液から離す一連の移動動作によって、
    前記材料の薄板を前記基板に成長させることで、前記材
    料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、基板
    の薄板成長面側から見たときに、融液が基板の薄板成長
    面側に向かって来ることを特徴とする薄板製造方法。
  3. 【請求項3】 薄板成長面を有する基板を配置した移動
    体を移動させることにより、前記基板の薄板表面を、金
    属材料もしくは半導体材料のうち少なくともいずれか一
    方を含有する材料の融液に接触させ、その後、前記基板
    の薄板成長面を前記融液から離す一連の移動動作によっ
    て、前記材料の結晶を前記基板に成長させることで、前
    記材料で形成された薄板を得る薄板製造方法において、 前記基板が融液から離れるときの軌道が円軌道であり、 前記成長面の移動方向先端部と前記円軌道の回転軸中心
    との距離R1が、前記成長面の移動方向末端部と前記円
    軌道の回転軸中心との距離R2より小さいことを特徴と
    する薄板製造方法。
  4. 【請求項4】 薄板成長面の移動方向先端部が融液から
    離れる時点における、前記薄板成長面と融液面とのなす
    角度が20度〜60度であるとともに、 前記薄板成長面の移動方向末端部が融液から離れる時点
    における、前記薄板成長面と融液面とのなす角度が60
    度〜100度である、請求項1〜3のいずれかに記載の
    薄板製造方法。
  5. 【請求項5】 半導体材料がシリコン材料であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄板製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の薄板製
    造方法によって製造された薄板を用いた太陽電池。
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