JP4134036B2 - 板状シリコン、板状シリコンの製造方法および板状シリコン製造用基板 - Google Patents

板状シリコン、板状シリコンの製造方法および板状シリコン製造用基板 Download PDF

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Description

本発明は、板状シリコン、板状シリコンの製造方法、その板状シリコンを用いた太陽電池、さらに板状シリコン製造用基板に関する。
特に、本発明はシリコンの融液に基板を浸漬し、その基板の浸漬表面に結晶成長される板状シリコンであって、基板の浸漬される主要面に結晶成長される第一面と、それと連続し、基板の側面等に結晶成長される少なくとも一つのその他の面を有し、その他の面の法線ベクトルが第一面の法線ベクトルと反平行、あるいは鈍角をなし、第一面とその他の面は基板との間に係合部を形成することで、板状シリコンを製造する際に、板状シリコンが基板から落下するのを防止するものである。さらに本発明は、板状シリコンの製造方法、その板状シリコンを用いた太陽電池、および板状シリコン製造用基板に関する。
従来、多結晶シリコンはシリコン融液を鋳型に流し込んで徐冷し、得られた多結晶インゴットをスライスし、製造されていたため、スライスによるシリコンの損失が大きいことが問題となっていた。このスライス損失をなくし、低コストで多結晶シリコンウェハの大量生産が可能な方法として本発明者らは、スライス工程を必要とせず、低コストで大量生産が可能な板状シリコン製造方法を開発した(特開2001−247396号公報)。この製造方法は、原料の融液に基板を浸漬し、基板上に板状シリコンを成長するというものである。
本発明は基板をシリコン融液に浸漬させて、該基板表面に形成される板状シリコンであって、該板状シリコンは主要面となる第一面と、該第一面に連続して形成される他の面を有する板状シリコンにおいて、該他の面は、その法線ベクトルが前記第一面の法線ベクトルと、反平行あるいは鈍角をなす少なくとも1つの面を含み前記第一面とその他の面は前記基板と係合部を形成することを特徴とする板状シリコンである。
前記第一面および該第一面と連続する他の面は、略平面で形成されていることが望ましい。
また本発明は、シリコン融液に基板表面を浸漬させ、その後基板をシリコン融液から引き離して、基板表面上に薄膜の板状シリコンを成長させる前記板状シリコンの製造方法であって、前記基板は板状シリコンの第1面を形成する基板第一面と、該基板第一面に連続し、板状シリコンの他の面を形成する基板他面を有し、該基板他面の法線ベクトルは前記基板第一面の法線ベクトルと、反平行あるいは鈍角をなす面を少なくとも1つ含むことを特徴とする板状シリコンの製造方法である。ここで、基板の基板第一面の周縁部には、シリコン融液浸漬方向に平行な少なくとも2本の溝で堀構造が形成されていることが望ましい。
また板状シリコンの製造方法において前記板状シリコンの第一面と連続する他の面は、基板の進行方向の前方部から形成されることが望ましい。
更に本発明は、前記板状シリコンの第一面を用いて作製したことを特徴とする太陽電池である。
また本発明は、板状シリコンの第一面を形成する基板第一面と、該基板第一面に連続し、板状シリコンの他の面を形成する基板他面を有する板状シリコン製造用基板において、該基板他面の法線ベクトルは前記基板第一面の法線ベクトルと、反平行あるいは鈍角をなす面を少なくとも1つ含むことを特徴とする板状シリコン製造用基板である。ここで基板の基板第一面の周縁部には、好ましくはシリコン融液浸漬方向に平行な少なくとも2本の溝で堀構造が形成されている。該堀構造は基板第一面の周縁部に沿って溝が3本形成されているいることが好ましい。
従来の板状シリコン製造方法で板状シリコンを製造した場合、板状シリコンが坩堝中や坩堝外に落下してしまうという問題があった。本発明は基板の形状を基板他面の法線ベクトルは前記基板第一面の法線ベクトルと、反平行あるいは鈍角をなす面を少なくとも1つ含む構成にすることで、基板表面に成長する板状シリコンと、基板が係合部を形成して板状シリコンの製造時に基板から落下するのを防止することができる。
また板状シリコンは、基板の板状シリコンの成長面だけでなく、成長基板前後面および側面にも成長するため、板状シリコン成長後の降温時に、板状シリコンと成長基板材質の膨張係数の違いおよび、温度変化の時間的な遅れのために、板状シリコン面内に残留応力が残る場合があるが、基板表面に突起を形成したり、堀構造を採用することで、かかる問題を解決し板状シリコンにクラックが生じるのを軽減できる。
図1は、本発明の板状シリコンの概略斜視図である。
図2は、本発明の板状シリコンの概略斜視図である。
図3は、本発明の板状シリコンの概略斜視図である。
図4Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いる基板の概略斜視図であり、図4Bは、同じ基板を他方向から見たときの概略斜視図である。
図5は、本発明の板状シリコンの作製に用いる基板の概略斜視図である。
図6は、本発明の板状シリコンの作製に用いる基板の概略斜視図である。
図7Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いる基板の概略斜視図であり、図7Bは、その部分拡大図である。
図8Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いる基板の概略斜視図、図8Bは図8AにおいてVIIIB−VIIIBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図8Cは図8AにおいてVIIIC−VIIICに沿って成長した板状シリコンの断面図、図8Dは図8AにおいてVIIIB−VIIIBに沿った基板の断面図、図8Eは、その部分拡大図である。
図9は、本発明の板状シリコンの製造に用いられる装置の概略断面図である。
図10Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いられる基板の概略斜視図、図10Bは図10AにおいてXB−XBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図10Cは図10AにおいてXC−XCに沿って成長した板状シリコンの断面図である。図10Dは図10AにおいてXB−XBに沿った基板の断面図である。
図11Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いる基板の概略斜視図、図11Bは図11AにおいてXIB−XIBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図11Cは図11AにおいてXIC−XICに沿って成長した板状シリコンの断面図、図11Dは図11AにおいてXIB−XIBに沿った基板の断面図である。
図12Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いる基板の概略斜視図、図12Bは図12AにおいてXIIB−XIIBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図12Cは図12AにおいてXIIC−XIICに沿って成長した板状シリコンの断面図、図12Dは図12AにおいてXIIB−XIIBに沿った基板の断面図である。
図13Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いる基板の概略斜視図、図13Bは図13AにおいてXIIIB−XIIIBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図13Cは図13AにおいてXIIIC−XIIICに沿って基板に板状シリコンが成長した状態の断面図である。
図14Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いられる基板の概略斜視図、図14Bは図14AにおいてXIVB−XIVBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図14Cは図14AにおいてXIVC−XIVCに沿った基板の断面図である。
図15Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いられる基板の概略斜視図、図15Bは図15AにおいてXVB−XVBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図15Cは図15AにおいてXVC−XVCに沿った基板の断面図である。
図16Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いられる基板の概略斜視図、図16Bは図16AにおいてXVIB−XVIBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図16Cは図16AにおいてXVIC−XVICに沿った基板の断面図である。
図17Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いられる基板の概略斜視図、図17Bは図17AにおいてXVIIB−XVIIBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図17Cは図17AにおいてXVIIB−XVIIBに沿って基板に板状シリコンが成長した状態の断面図である。
図18Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いられる基板の概略斜視図、図18Bは図18AにおいてXVIIIB−XVIIIBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図18Cは図18AにおいてXVIIIB−XVIIIBに沿って基板に板状シリコンが成長した状態の断面図である。
図19Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いられる基板の概略斜視図、図19Bは図19AにおいてXIXB−XIXBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図19Cは図19AにおいてXIXC−XIXCに沿った成長した板状シリコンの断面図、図19Dは図19AにおいてXIXC−XIXCに沿った基板の断面図である。
図20Aは、本発明の板状シリコンの作製に用いられる基板の概略斜視図、図20Bは図20AにおいてXXB−XXBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図20Cは図20AにおいてXXC−XXCに沿って成長した板状シリコンの断面図である。
図21Aは、板状シリコンの作製に用いられる比較例の基板の概略斜視図、図21Bは図21AにおいてXXIB−XXIBに沿って成長した板状シリコンの断面図、図21Cは図21AにおいてXXIC−XXICに沿った基板の断面図である。
図22Aは、板状シリコンの作製に用いられる比較例の基板の概略斜視図、図22Bは図22AにおいてXXIIB−XXIIBに沿って成長した板状シリコンの断面図である。
本発明は、板状シリコン、板状シリコンの製造方法、その板状シリコンを用いた太陽電池、および板状シリコン製造用基板に関するものである。
(板状シリコン)
本発明は、基板をシリコン融液に浸漬させて、該基板表面に形成される板状シリコンであって、該板状シリコンは主要面となる第一面と、該第一面に連続して形成される他の面を有する。ここで他の面は少なくとも1つの面で構成され、少なくとも1つの面は、前記第一面の法線ベクトルと、その他の面の法線ベクトルが反平行あるいは鈍角をなすことで、第一面と他の面は前記基板の係合部を形成する。
図1を用いて、本発明における板状シリコンの特徴について説明する。本発明による板状シリコンS1は端部においてレ字型の断面形状を呈する部分を有しており、第一面11Aと他の面としての第二面12Aで構成され、第一面11Aと第二面12Aが境界線13Aで屈曲し、連続して形成されている。ここで第一面11A上の法線ベクトルV11Aと、第二面2A上の法線ベクトルV12Aのなす角度は、鈍角を形成している。
本発明において、法線ベクトルV11A及びV12Aは、連続した面上に、法線ベクトルを定義することとしている。すなわち、ベクトルを定義する際には、板状シリコンを製造するときの基板に接している面であれば、両ベクトルとも基板に接している面からの法線ベクトルを選択する。こうすることにより、法線ベクトルV11AとV12Aの角度を定義することが可能となる。
本発明による法線ベクトルが反平行であるということは、この2本の法線ベクトルが反対方向を向いていることを示す。また、本発明での略平面とは、板状シリコン面内に部分的に存在する凹凸を有するものも含む。例えば略平面として、小さい凹凸、板厚むらまたは反りなどを含む。ここで小さい凹凸とは板状シリコン表面の200μm程度の凹凸、規則性の良好な凹凸を含む。また反りは、全体で300μm程度の反りまでを含む。
なお、図1の符号番号に付記している添え字Aは、符号番号部分が略平面形状であることを示している。本発明において、第一面の法線ベクトルとそれと連続した他の面をなす第二面の法線ベクトルが反平行、あるいは鈍角をなす。ここで法線ベクトルがなす角度は、120°以上で180°以下が望ましい。図1において、法線ベクトルのなす角は、第一面と第二面とのなす角αと同じとなる。この角度αは、90°以上、120°未満の場合にも目的を達することは可能であるが、120°以上にすることで、さらに効果が増し、歩留まりがさらに向上する。また、後述するが融液に成長基板を浸漬させて板状シリコンを作製する場合、角度αが180°以上の面がある場合には、板状シリコンを基板から取り外すためには、無理な力を加えることになり、得られる板状シリコンを破損したり、あるいは成長基板を破損するなどの問題がある。
図1では、第一面11Aと第二面12Aとも平面で示しているが、必ずしも平面である必要はなく、得られた板状シリコンのうち、製品として用いる部分が少なくとも略平面であればよい。すなわち、上述のように板状シリコンの略平面部分に凹凸があったり、反っていたりしていても良い。得られた板状シリコンから、太陽電池などの平面的なデバイスを作製するのであれば、板状シリコンは平面である方がより好ましい。
次に図2は本発明の他の実施形態における板状シリコンの概略斜視図を示す。図2において、板状シリコンS2は、端部がレ字型の断面形状を呈する部分を有しており、第一面21Aと他の面をなす第二面22Bで構成され、第一面21Aと第二面22Bが境界23Aで湾曲し、連続して形成されている。図において、第一面21A上の法線ベクトルV21Aと第二面22B上の法線ベクトルV22Bは、鈍角を形成している。ここにおいても、法線ベクトルV21A及びV22Bは、連続した面上に法線ベクトルを定義することとしている。このような形状の板状シリコンにおいて、法線ベクトルV21AとV22Bの定義する位置を境界線23Aの周縁部にすると、法線ベクトルのなす角は、鋭角になる場合がある。しかしながら、本発明では法線ベクトルのなす角が、鈍角もしくは、反平行になる部分が少なくとも一つあればよい。すなわち、法線ベクトルのなす角が鋭角となる部分を含んでいても構わない。言い換えれば、法線ベクトルのなす角が、鈍角もしくは反平行になる他の面が存在していれば良い。図2の符号番号の付記している添え字Bは、略平面形状を示している。
図1および図2は、板状シリコンが第一面と第二面が連続して2面存在している場合の板状シリコンの概略斜視図であったが、本発明の板状シリコンにおいて他の面の数は少なくとも1面は必要であり、それ以上であってもよい。特に、基板との安定した係合部を形成し歩留まりを向上するため、他の面は複数面で構成することがより好ましい。
図3において、本発明の板状シリコンS3は、端部にコ字型の断面形状を呈する部分を有しており、第一面31A、境界線33A、第二面32Aと第三平面34Aとが連続して形成されている。これらの3つの面に対応した法線ベクトルの一つが、それぞれV31A、V32A、V34Aであり、第一面のベクトルV31Aと第三平面のベクトルV34Aが反平行にある。これは連続した面上からの法線ベクトルが、反対方向であることになる。このように第一面31A、第二面32Aおよび第三平面34Aを三面構造にすることによって、これらの部分が基板との係合部を形成し、融液に基板を浸漬させて板状シリコンを作製する場合においても、大幅に歩留まりが向上する。ここで他の面は第二面32Aおよび第三平面34Aで構成される。
(基板)
次に、前述の板状シリコンを作製するための基板について説明する。図1から図3に示した板状シリコンS1からS3は、それぞれ図4A、図5および図6に示した基板C4からC6を用いることで作製可能となる。
すなわち、図1の板状シリコンS1は、図4Aの基板C4を用いることで容易に作製可能である。図4Aおよび図4Bはそれぞれ異なる方向からの基板の概略斜視図である。図1の板状シリコンの第一面11Aは基板C4の基板第一面45Aで成長し、第二面12Aは境界線47Aを介して形成された基板第二面46Aから成長することになる。同様に、図2の板状シリコンS2の第一面21Aは図5の基板C5の基板第一面55Aから成長し、第二面22Bは基板他面を構成する基板第二面56Bから成長することになる。また、図3の板状シリコンS3の第一面31Aは図6の基板C6の基板第一面65Aから成長し、第二面32Aは基板第二面66Aから成長し、第三面34Aは基板第三面68Aから成長することになる。ここで基板第二面66Aおよび基板第三面68Aは基板他面を構成する。このように、基板の形状を変更することにより、得られる板状シリコンは異なった形状の係合部を形成して、板状シリコンの落下を防止し、歩留まり向上に繋がる。
本発明における板状シリコンと、その板状シリコンを作製する基板とは形状が全く対応している必要はない。完全に対応した形状であると、板状シリコンと基板が密着していることになり、得られた板状シリコンから太陽電池などのデバイスを作製するのが困難になるためである。
一方、基板においても同様なことが言える。基板第一面と、該基板第一面に連続して形成される基板他面を有する板状シリコン製造用基板において、該基板他面は、その法線ベクトルが前記第一面の法線ベクトルと、反平行あるいは鈍角をなす少なくとも1つの面を含むことを特徴とする。これは、少なくとも第一面と、他面とが連続してなる板状シリコン作製用の基板において、前記第一面を有する板状シリコンが成長する基板第一面の法線ベクトルと、前記他面が成長する基板の法線ベクトルとが反平行、あるいは鈍角をなす。すなわち本発明の板状シリコンを作製するための基板において、前記基板他面は複数の面で構成されるが、これらの面のうち、少なくとも1つの法線ベクトルが、前記基板第一面の法線ベクトルと鈍角もしくは、反平行になることを意味する。
図7Aは本発明の基板の概略斜視図を示す。図において基板第一面75Aの法線ベクトルV75Aと、基板第二面76Aの法線ベクトルV76Aと、基板第三面78Aの法線ベクトルV78Aにおいて、法線ベクトルV75AとV78Aが鈍角をなしている。一方、法線ベクトルV75AとV76Aとのなす角は鋭角であるが、基板他面を構成する複数の法線ベクトルの中で、反平行もしくは鈍角をなす面が含まれていればよい。図7Bにおいて、基板第一面75Aと基板第二面76Aのなす角度γ7Aは鈍角であり、基板第二面76Aと基板第三面78Aのなす角度γ7Bは鋭角となる。
さらに、本発明の板状シリコンを作製する基板は、図8Aおよび、図10A、図11Aおよび図12Aに概略斜視図が示されている形状であってもよい。
図8Aは図8Bおよび図8Cの板状シリコンS8を作製するための基板C8の概略斜視図である。図8Dは、図8Aの基板のVIIIB−VIIIBに沿った概略断面図であり、図8Eは、図8Dの部分拡大図である。そして図8Bは図8Dの表面に形成された板状シリコンの概略断面図である。同様に、図8Cは、図8Aの基板のVIIIC−VIIICに沿った断面上に形成された板状シリコンの概略断面図である。
図8Eにおいて、基板第二面86Aと基板第三面88Aのなす角度γ8Aは鈍角であり、基板第三面88Aと基板第四面89Aのなす角度γ8Bも鈍角となる。
図8Bの板状シリコンは、図6の基板を用いて作製したときの板状シリコンの断面図とほぼ同じ断面形状で、第一面81A、第二面82A及び第三面83Aの3面構造を有しており、図8Cでは第一面81Aと第二面82Cの2面構造を有する断面形状となる。すなわち、一枚の板状シリコンにおいて、断面形状が異なるように本発明の板状シリコンおよび基板を構成することもできる。つまり板状シリコンのある断面では2面構造であっても、他の断面において3面構造になっても構わないことを意味する。この図においては、第一面、第二面、第三面を有する板状シリコンは、すべて平面構造で示しているが、曲面構造を有していてもよい。
図10Bには断面が三面構造、図11Bには断面が四面構造、図12Bには断面が三面構造であり、その一部の1面は曲面形状を有する板状シリコンを示している。このような複数の面で構成された基板を用いることで、さらに高い歩留まりで板状シリコンが得ることができる。
図10Aは図10Bおよび図10Cの板状シリコンS10を作製するための基板C10の概略斜視図である。図10Dは、図10Aの基板のXB−XBに沿った概略断面図である。そして図10Bは図10Dの表面に形成された板状シリコンの概略断面図である。同様に、図10Cは、図10Aの基板のXC−XCに沿った断面上に形成された板状シリコンの概略断面図である。
図10Bでは、第一面101Aと、第二面102Aと、第三面103Aとの3面で構成されており、第一面101Aは、第二面102Aと連続しており、角度α10を形成している。この図において、第一面101Aと第二面102Aの法線ベクトルが鈍角を形成していることになる。ここで第一面101Aは基板第一面105A上に形成される。
また、図10Cでは、第一面101Aと、第二面102Cとの2面で構成されており、第一面101Aは、第二面102Cと連続しており、角度β10を形成している。
図10Bにおいて、第一面の長さL101Aは、第二面の長さL102Aや、第三面の長さL103Aよりも長い。これは、第一面に形成された板状シリコンを太陽電池などのデバイスとして用いるためであり、製品に使用する部分の長さL101Aを一番長く、すなわち第一面101Aの面積を一番大きくすることで生産効率を高くできるためである。
また、第一面の長さL101Aは、50mm以上が好ましい。より好ましくは、100mm以上である。これは、第一面の長さL101Aが長ければ長いほど、一回の浸漬で得られる板状シリコンが大きくなり、原料ロスが少なくなり、低コストの板状シリコンを提供することが可能となる。同様に、図10Cにおける第一面の長さL101Aは、第二面の長さL102Cよりも長いのが好ましい。
第二面の長さL102Aは、1mm以上、20mm以下が好ましい。より好ましくは、2mm以上、15mm以下である。これは、第二面の長さL102Aは、得られる板状シリコンの歩留まりに大きく影響を及ぼすためである。第二面の長さが1mm以下の場合は、板状シリコンS10が成長しても基板C10から容易に剥離してしまい、シリコン融液中に落下する恐れが生じる。1mm以上の長さがあると、第一面101Aと第二面102Aとで、基板を掴んだ状態になり、落下する恐れが少なくなる。
板状シリコンS10の落下は、板状シリコンの第一面101Aと第二面102Aとのなす角度α10によっても、大きな影響を及ぼす。すなわち、角度α10が小さければ小さいほど、板状シリコンS10が引っかかる確率が大きくなる。好ましくは、角度α10は、80°以下、より好ましくは、10°以上、60°以下である。10°以下になると、基板C10の先端部分も、先が尖った形状になり、融液からの熱の影響を受けやすい形状になり、余り好ましくない。先端部が尖っていると、融液からの熱影響を受けて、基板の再利用が困難になるためである。
さらに、板状シリコンの落下を防ぐには、第一面101Aと第二面102Cとのなす角度β10によっても影響される。これは、角度α10で図示された部分の掴み部分が、上手く引っ掛からなかった場合には、角度β10で図示された部分が、第二の掴み部分として作用する。そのために、角度α10と角度β10との角度は、異なっていることが好ましい。より好ましくは、角度α10は、角度β10よりも小さいことが好ましい。
また、より落下を抑制するために、掴み部分を複数有するような場合は、複数の面で構成される角度の小さい掴み部分を、基板の中央部に配置することが好ましい。
さらに、本発明の板状シリコンを作製する基板は、図11Aに概略斜視図が示されている形状であってもよい。図11Aは図11Bおよび図11Cの板状シリコンS11を作製するための基板C11の概略斜視図である。図11Dは、図11Aの基板のXIB−XIBに沿った概略断面図である。そして図11Bは図11Dの基板表面に形成された板状シリコンの概略断面図である。同様に、図11Cは、図11Aの基板のXIC−XICに沿った断面上に形成された板状シリコンの概略断面図である。
図11Bに示す板状シリコンは、第一面111Aと、他の面として第二面112A、第三面113Aおよび第四面114Aを含み合計4面で構成されている。これは、第一面111Aと第三面113Aの法線ベクトルが鈍角を形成している場合である。図11B、図11Cにおいても、第一面の長さL111Aは、第二面の長さL112Aや第三面の長さL113Aよりも長い方が好ましい。ここで第一面の長さL111Aは基板C11の基板第一面115の長さに対応する。このように、法線ベクトルが鈍角を形成する第一面111Aと第三面113A、113Cの間に、他の面112Aが存在していても良い。
また、本発明の板状シリコンを作製する基板は、図12Aに概略斜視図が示されている形状であってもよい。図12Aは図12Bおよび図12Cの板状シリコンS12を作製するための基板C12の概略斜視図である。図12Dは、図12Aの基板のXIIB−XIIBに沿った概略断面図である。そして図12Bは図12Dの基板表面に形成された板状シリコンの概略断面図である。同様に、図12Cは、図12Aの基板のXIIC−XIICに沿った断面上に形成された板状シリコンの概略断面図である。
図12Bに示す板状シリコンは、第一面121Aと、他の面として第二面122Bおよび第三面123Aを含み、合計3面で構成されている。この図において、第一面121Aと第二面122Bの法線ベクトルが鈍角を形成することになる。第二面122Bは曲面構造であるために、複数本の法線ベクトルが考えられるが、この図においては、第三面に近い側をベクトルの始点とすることで、第一面121Aの法線ベクトルと鈍角を形成することになる。このように、第一面と他の面の法線ベクトルが鈍角を形成するためには、平面であってもいいし、曲面であっても構わない。ここで第一面の長さL121Aは基板C12の基板第一面125Aの長さに対応する。
さらに、本発明の板状シリコンを作製する基板は、図13から図16に示すように基板の周縁部に沿った堀構造を有することが好ましい。図13Aは板状シリコンS13を作製するための基板C13の概略斜視図であり、図13Cは、図13Aの基板C13上でXIIIC−XIIICに沿ってシリコンS13が作製された状態の断面図である。ここで第一面131Aは両側の堀構造F13でその周縁部と分離されている。図13Bは、図13Aの基板C13上に形成されたXIIIB−XIIIBに沿って作成された板状シリコンS13の断面図である。図13Aの基板は、基板第一面135Aおよび第二面136Aに堀構造F13が形成されている点を除き、図8の基板と形状は同じである。この堀構造F13は、板状シリコンの主として製品として用いる部分と、基板第一面135Aの周縁部分135aおよび基板第二面136Aの周縁部分136aとに成長したシリコンを分離するものである。この堀構造F13の周縁部分に成長したシリコンも容易に剥離することが可能であるため、連続生産にも支障をきたすことはなく、さらに、製品となる板状シリコンの品質のバラツキを抑制する。
ここで、堀構造F13の機能について簡単に説明する。シリコン融液と基板の表面張力は大きいため、図13Cに示すように、シリコン融液は基板第一面135A及び周縁部分135aと接触するが、適切な寸法の堀構造F13とシリコン融液とは接触しない。そのために、基板第一面135Aの表面で結晶成長した板状シリコンと周縁部分135aの表面で結晶成長した基板周縁部のシリコンとは堀構造F13を挟んで分離される。
また、堀構造F13は、基板周縁部のシリコンと第一面とのシリコンとが、分離する機能を果たせばどのような形状であっても構わない。堀構造の溝の断面形状は矩形、台形あるいは三角形等が採用できるが、特に、溝の加工の簡便さから、矩形の断面形状が好ましい。また、堀構造F13の溝幅W13は、1mm以上、20mm以下が好ましい。より好ましくは、2mm以上、10mm以下である。溝幅W13が1mm未満であると、基板周縁部のシリコンと、第一面のシリコンの分離が確実ではなくなるためであり、溝幅W13が20mmを超えると、材料の利用効率が悪くなるためである。また、堀構造F13の溝深さD13は、1mm以上10mm以下が好ましい。より好ましくは、2mm以上、5mm以下である。溝深さD13が2mm未満であると、基板周縁部のシリコンと、第一面のシリコンの分離が確実ではなくなるためであり、溝深さD13が10mmを超えると、堀構造にシリコンが埋まるだけでなく、基板の強度が弱くなり、基板が破損する可能性も生じるためである。
しかしながら、基板サイズが大きくなると、第一面のシリコンと基板周縁部のシリコンとが分離しにくくなる傾向があるため、シリコン融液の表面張力や、シリコン成長時の雰囲気、基板の移動速度などの板状シリコンの成長の諸条件によっても、分離状態は変化するため、適宜変更する必要がある。
図13Aにおいては堀構造は、基板の浸漬方向に沿った2本の溝と、浸漬後方部分に前記溝と直角に設けられた1本溝の合計3本の溝が示されているが、基板の浸漬方向に沿った2本の溝のみで構成することもできる。また図13Aに示す堀構造は、第一面135Aにコの字型で形成されているが、太陽電池は、正方形もしくは長方形の形状であることが多いため、材料の利用効率からこの形状が好ましい。また、意匠性の向上のためには、4本以上の堀で形成しても特に問題はない。すなわち、得られる板状シリコンの形状が五角形や、六角形であっても構わない。
図14から図16においても基板堀構造を設けており、板状シリコンの製品となる部分と周縁部分とを分離することが可能となる。
図14Aは板状シリコンS14を作製するための基板C14の概略斜視図であり、図14Cは、図14AのXIVC−XIVCに沿った断面図である。図14Bは、図14Aの基板C14上で図14AのXIVB−XIVBに沿って形成された板状シリコンS14の断面図である。図14Aの基板は、基板第一面145Aおよび第二面146Aに堀構造F14が形成されている点を除き、図10Aの基板と形状は同じである。
図14Bは、第一面141Aと第二面142Aと第三面143Aとの3面で構成された板状シリコンの断面図である。この図において、第一面141Aの法線ベクトルと第二面142Aの法線ベクトルとが鈍角を形成している。この場合においても、3本の溝で堀構造を形成し、基板周縁部のシリコンと、第一面141Aとを分離することが可能となる。このとき第二面142Aと第三面143Aは、堀構造F14で挟まれた位置に存在することになる。すなわち、堀構造F14は、第一面141Aや第二面142Aや第三面143Aには影響を与えない位置に設けられている。このように、堀構造によって分離された領域は、基板C14から剥離することができ、容易に製品に用いることができる。ここで堀構造の溝幅W14、溝深さD14は、前述の堀構造と同様にすることができる。
図15Aは板状シリコンS15を作製するための基板C15の概略斜視図であり、図15Cは、図15AのXVC−XVCに沿った断面図である。図15Bは、図15Aの基板C15上で図15AのXVB−XVBに沿って形成された板状シリコンS15の断面図である。図15Aの基板は、基板第一面155Aおよび第二面156Aに堀構造F15が形成されている点を除き、図11Aの基板と形状は同じである。
図15Bでは、第一面151Aと、第二面152Aと、第三面153Aと、第四面154Aの4面で構成された板状シリコンS15の断面図である。この図において、第一面151Aの法線ベクトルと第三面153Aの法線ベクトルとが鈍角を形成している。図15Cに示される如く、堀構造F15の溝の断面図は、三角形状を有している。このような断面形状であっても、堀構造として十分な機能を発揮し、板状シリコンを周縁部と第一面との分離が可能となる。三角形の断面を有する堀構造F15を用いた場合でも、矩形を用いた時と同様に、溝幅W15や溝深さD15は前述した寸法が採用できる。
図16Aは板状シリコンS16を作製するための基板C16の概略斜視図であり、図16Cは、図16AのXVIC−XVICに沿った断面図である。図16Bは、図16Aの基板C16上で図16AのXVIB−XVIBに沿って形成された板状シリコンS16の断面図である。図16Aの基板は、基板第一面165Aに堀構造F16が形成されている点を除き、図12Aの基板と形状は同じである。
図16Bは、第一面161Aと、第二面162Bと、第三面163Aとの3面で構成された板状シリコンの断面図である。この図において、第一面161Aの法線ベクトルと第二面162Bの法線ベクトルとが鈍角を形成している。第二面162Bは、曲面構造であるために、複数本の法線ベクトルが考えられるが、この図においては、第三面163Aに近い側をベクトルの始点とすることで、第一面121Aの法線ベクトルと鈍角を形成することになる。
図16Cに示される如く堀構造F16の溝の断面図は、台形状を有している。このような断面形状であっても、堀構造として十分な機能を発揮し、周縁部のシリコンと第一面との分離が可能となる。台形の断面を有する堀構造F16を用いた場合でも、矩形を用いた時と同様に、溝幅W16や溝深さD16は、前述した寸法が採用できる。しかしながら、図16Cに示す台形状の堀構造F16を有する基板C16を用いる場合の堀構造の溝幅W16は、矩形の溝の堀構造を有する基板を用いるよりも若干幅が狭い方が好ましい。
図13から図16に示したように、第一面と、他の面が連続してなる板状シリコンにおいて、第一面の法線ベクトルと、他の面を構成する少なくとも1つの面の法線ベクトルとが反平行、あるいは鈍角をなしており、さらには、第一面の周縁部に堀構造を設けることにより、格段に板状シリコンの回収率が向上することになる。
なお本発明において基板の周縁部に堀構造を設けることで、基板表面に成長した板状シリコンは、基板第一面に形成される板状シリコンと、周縁部に形成される板状シリコンは、前記堀構造で容易に分離される。したがって太陽電池を作製する際、厚さむらが存在する板状シリコンの縁部を切り取る手数をかけることなく製品として用いることができる。また基板第一面に形成される板状シリコンは堀構造で縁部から容易に分離されるため、冷却時の熱収縮で応力歪が発生するのが軽減できる。
次に、図17から図19に示す如く、基板に堀構造と突起構造を有する形状でも、本発明の板状シリコンは作製可能となる。
図17Aは板状シリコンS17を作製するための基板C17の概略斜視図である。図17Bは、図17AのXVIIB−XVIIBに沿って作製された板状シリコンS17の断面図である。図17Cは、図17AのXVIIB−XVIIBに沿って基板C17の上に板状シリコンS17が作製された状態の断面図である。図17Bにおいて、板状シリコンS17の第一面171Aの法線ベクトルV171Aと、第二面172Aの法線ベクトルV172Aは、鈍角を形成している。
図17Aにおいて、基板の結晶成長面には融液の浸漬方向(図においてPで示す)に対して、平行な2本の突起K17が基板の周縁部に形成されている。一対の突起K17は、基板断面図が示される図17Cにおいて、突起内面で構成される基板第二面176Aは、基板第一面175Aと鋭角、好ましくは30度〜60度で形成される。そして突起K17の高さHK17は、好ましくは2mm以上、特に、2mm〜10mmの範囲に設定される。
かかる突起K17を有する基板C17上でシリコン融液を固化し、板状シリコンが形成する場合、シリコンは融点から急激に温度が下がり熱収縮を起こす。一方、基板側は、シリコン融液から熱を受け熱膨張を起こす。ここで、板状シリコンと基板が完全に係合する構造であれば、両者は相互に反対方向の力が作用し、基板からの剥離が困難になったり、板状シリコンが割れたり、クラックを生じさせたりする。図17Aに示す形状の基板C17を用いると、熱によるシリコンの収縮と基板の膨張が生じても、両者は反対方向の力が作用せず、板状シリコンに歪を生じることなく、基板から板状シリコンを容易に剥離することができる。
図17Aに示す基板に板状シリコンを成長させ、これを基板から分離する場合、基板側を固定しておき、板状シリコンを基板の浸漬方向に移動させることで容易に分離できる。
このように得られる板状シリコンには、応力が加わらないために、高品質で、ばらつきの少ない板状シリコンを得ることが可能となる。その結果、板状シリコンから太陽電池などのデバイスを作製した場合、高性能でしかも安価な太陽電池を作製することが可能となる。
かかる形状の基板C17に堀構造F17を適用することで、製品に用いられる板状シリコンの第一面171Aと、基板の周縁部に形成されるシリコンとの分離が容易となる。ここで堀構造F17における、溝幅W17および溝深さD17は、前述と同様な形状が採用できる。かかる堀構造により、品質のばらつきのある基板周縁部に成長したシリコンを製品に用いる必要がなく、板状シリコン製造時において基板やシリコン融液から受ける熱応力が少なくなる。そのために、板状シリコンの第一面171Aには、品質の低下や、ばらつきが少なくなる。これは、シリコン融液から直接板状シリコンを作製したときに顕著である。
なお図17Bでは、板状シリコンの第一面171Aの左右に突起K17に形成された第二面172Aが2個形成された場合を図示しているが、これに限定されない。
図18Aは板状シリコンS18を作製するための基板C18の概略斜視図である。図18Bは、図18AのXVIIIB−XVIIIBに沿って作製された板状シリコンS18の断面図である。図18Cは、図18AのXVIIIB−XVIIIBに沿って基板C18の上に板状シリコンS18が作製された状態の断面図である。
図18Aにおいて、基板の結晶成長面には融液の浸漬方向(図においてPで示す)に対して、平行な2対の突起K18a、突起K18bが基板の周縁部に形成されている。突起K18は基板断面図が示される図18Cにおいて、突起内面で構成される基板第二面186Aは、基板第一面185Aと鋭角を形成する。
図18Aに示す基板C18を用いた場合は、板状シリコンの第一面181Aと連続して形成される第二面は4個形成される。この第二面は基板C18からの板状シリコンS18の落下を抑制する働きをすることから、左右に複数個存在する方がより好ましい。このような基板C18を用いた場合においても、板状シリコンは基板から受ける応力が少ないために、板状シリコンS18を浸漬方向に移動させることで容易に剥離することができる。ここで、堀構造F18の溝幅W18、溝深さD18は前述の形状、寸法が採用できる。
図19Aは板状シリコンS19を作製するための基板C19の概略斜視図である。図19Bは、図19Aの基板C19上でXIXB−XIXBに沿って作製される板状シリコンS19の断面図であり、図19Cは、図19Aの基板C19上でXIXC−XIXCに沿って作製される板状シリコンの断面図であり、図19Dは、図19Aの基板のXIXC−XIXCに沿った断面図である。
図19Aにおいて、基板の結晶成長面には融液の浸漬方向(図においてPで示す)に対して、平行な一対の突起K19が基板の周縁部に形成されている。突起K19は基板断面図が示される図19Cにおいて、突起内面で構成される基板第二面196Aは、基板第一面185Aと鋭角を形成する。
このような基板C19を用いることで、さらに、落下を抑制する働きが大きくなる。図において基板の浸漬方向中央部に形成される板状シリコンは、第一面191Aを含めて4面構造になっており、さらに、基板の浸漬方向左右に形成される板状シリコンは第一面191Aを含めて3面の構造になっている。このように、得られる板状シリコンの形状を多面構造にすることで、さらなる歩留まりの向上を期待できる。なお、図から明らかな如く、基板第一面195Aに、板状シリコンの第一面191Aが形成される。また堀構造F19の溝幅W19、溝深さD19は前述の形状、寸法が採用できる。
図20Aは板状シリコンS20を作製するための基板C20の概略斜視図である。図20Bは、図20Aの基板C20上でXXB−XXBに沿って作製された板状シリコンS20の断面図であり、図20Cは、図20Aの基板C20上でXXC−XXCに沿って作製された板状シリコンS20の断面図である。
前述の基板の形状は、四辺のうち一辺のみに基板第二面を含む多面形状としたが、図20Aに示す基板形状では、基板上部の他に側面も多面構造が形成されている。すなわち、このような構造にすることで、得られる板状シリコンが基板に引っかかる部分が多くなり、シリコンの成長時の落下が少なくなる。このような形状の基板C20から、板状シリコンS20を剥離する場合には、板状シリコンS20と基板の各二辺が引っかかっているために、図20Aにおいては、基板の斜め上方向に板状シリコンを移動させることで、基板C20から板状シリコンを剥離することが可能となる。ここで、図20B、図20Cにおいて、板状シリコンの第一面201Aと係合部を形成する第二面の幅L202A、L201Cの幅は適宜調整できる。なお第一面201Aは基板第一面205Aの表面に形成される。
次に、図4A〜図8Aおよび図10A〜図20Aに示した基板において、板状シリコンの第一面が成長する部分には、少なくとも微小な凹凸が形成されていることが好ましい。これは、基板の表面に、シリコンの結晶核が発生しやすいように規則性のある凹凸をあらかじめ設けておくことで、得られる板状シリコンの形状の安定化を図ることができるようになるためである。規則性のある凹凸は、基板表面に意図的に形成しており、その凸部間の距離は、精密に制御されている方がより好ましい。最も近接する凸部間の距離は、0.5mm以上、2mm以下であることが好ましい。0.5mm未満であると得られる板状シリコンの結晶粒が小さくなりすぎ、十分な太陽電池の特性の向上が期待できない。一方、2mmよりも大きくなると、得られる板状シリコンの表面凹凸が大きくなり、安価なプロセスを用いての太陽電池の作製が困難になるためである。また、この凹凸の高低差は、0.1mm以上、1mm以下が好ましい。0.1mm未満の高低差であると、凸部間の距離にもよるが、凸部の先端角が大きくなることで凸部の周縁部分にも結晶核が発生してしまうために、好ましくない。1mmを超える高低差であると、凹部にもシリコン融液が入り込み易くなり、得られる板状シリコンの凹凸が大きくなるためである。
このように、微小な凸部を設けることで、得られる板状シリコンの形状が安定するだけでなく、品質の安定化にも大きく寄与するが、得られる板状シリコンの表面には、小さな凹凸を含むことがある。すなわち、本発明で、略平面としているのは、このような微小な凹凸を形成した基板を用いたときに、顕著に生じる規則性のある凹凸を含んだ面を含んでいるものとしている。
(板状シリコンの製造装置)
次に、本発明の板状シリコンの製造装置を、その概略断面図を示す図9において説明する。本発明の板状シリコンの製造はこの装置に限定されることはない。図9において、板状シリコンの製造装置は基板C、坩堝93、シリコン融液94、加熱用ヒーター95、坩堝台96、断熱材97、坩堝昇降軸98、基板に固定された軸99を備えている。板状シリコンSは基板Cの表面に成長する。この図において、基板Cを移動させる手段、坩堝台96を昇降させる手段、加熱用ヒーターを制御する手段、シリコンを追加投入する手段、真空排気ができるようなチャンバーなどの装置の外部については記載していない。しかしながら、装置は、密閉性の良好なチャンバーを備えており、真空排気後に不活性ガスなどでガス置換を行なえる構造にする必要がある。このとき、不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウムなどを使用することが可能であるが、コスト面を考慮するとアルゴンがより好ましく、循環式のシステムを構築しておくことが、より低コスト化に繋がる。また、酸素成分を含むガスを用いると、シリコン酸化物が生成し、基板表面やチャンバー壁に付着するため、酸素成分はできる限り除去する必要がある。さらには、ガスの循環式システムを用いる場合においても、フィルタなどを通して、シリコン酸化物の粒子の除去を行なうことが好ましい。
図9に示すように、シリコン融液温度以下の基板Cが、図中左側から、坩堝93中にあるシリコン融液94中に進入し、シリコン融液94に浸漬される。このとき、シリコン融液は、融点以上に加熱用ヒーター95で保持されている。安定した板状シリコンを得るためには、融液温度の調節と、チャンバー内の雰囲気温度と、基板Cの温度を厳密に制御できるような装置構成にする必要がある。このような装置構成にすることで、さらに再現性よく、板状シリコンを得ることができる。
基板には、温度制御が容易に制御できる構造を設けることが好ましい。基板の材質は、特に限定されないが、熱伝導性の良い材料や耐熱性に優れた材料であることが好ましく、より好ましくは高純度処理など施された黒鉛が好ましい。例えば、高純度黒鉛、炭化ケイ素、石英、窒化硼素、アルミナ、酸化ジルコニウム、窒化アルミ、金属などを使用することが可能であるが、目的に応じて最適な材質を選択すれば良い。高純度黒鉛は、比較的安価であり、加工性に富む材質であるためより好ましい。基板の材質は、工業的に安価であること、得られる板状シリコンの基板品質などの種々の特性を考慮し、適宜選択することが可能である。さらに、基板に金属を用いる場合、常に冷却し続けるなど、基板の融点以下の温度で使用し、得られたシートの特性にさほど影響を与えなければ、特に問題はない。
温度制御を容易にするには、銅製の固定基板を用いると好都合である。固定基板とは、軸99と基板Cを連結する部分のことを指し、ここでは図示していない。固定基板や基板Cの冷却手段は、大きく分けると直接冷却と間接冷却とを2種類の手段が考えられる。直接冷却は、基板に直接ガスを吹きかけて冷却する手段であり、間接冷却は、基板を間接的にガスもしくは液体により冷却する手段である。冷却ガスの種類は特に限定されないが、板状シリコンの酸化を防ぐ目的で、不活性ガスである窒素、アルゴン、ヘリウムなどを用いることが好ましい。特に、冷却能力を考慮すると、ヘリウムまたはヘリウムと窒素との混合ガスが好ましいが、コストを考慮すると窒素が好ましい。冷却ガスは、熱交換器などを用いて循環させることで、さらなるコスト低減を図ることができ、結果として安価な板状シリコンを提供できることになる。
さらに基板の温度は、冷却機構とともに加熱機構で調整されることが好ましい。シリコン融液中へ進入した基板は、その基板表面に板状シリコンが成長する。ここで基板はシリコン融液中に所定の深さまで浸漬するが、好適には基板全体がシリコン融液中に浸漬されないように調整される。
その後、基板は融液から脱出するが、基板側はシリコン融液から熱を受け、基板の温度が上昇する傾向にある。しかし、次にその基板を同じ温度でシリコン融液へ浸漬させようとすると、基板の温度を下げるための冷却機構が必要である。しかしながら、直接冷却や間接冷却でも、冷却速度すなわち基板温度を随時制御するのは困難であるため、加熱機構も備わっている方が好ましい。
すなわち、一度シリコン融液から脱出した基板は、冷却機構で冷却され、次にシリコン融液に浸漬される前までに、加熱機構を用いて、基板の温度制御を行なう方が良い。加熱機構は、高周波誘導加熱方式でも、抵抗加熱方式でも構わない。但し、シリコンの融液状態を保持するための加熱用ヒーターに影響を与えないことが条件となる。このように、冷却機構と加熱機構を併用することで、板状シリコンの安定性は格段に上昇する。
基板の温度制御と共に重要なのはシリコン融液の温度管理である。融液の温度を融点近傍で設定していると、基板が融液に接することでシリコンの湯面が凝固を起こす可能性があるため、融液の温度は、融点以上であることが好ましい。これは複数の熱電対もしくは、放射温度計などを用いて厳密に制御するのが好ましい。
融液温度を厳密に制御するには、熱電対を融液中に浸漬させるのが直接的で好ましいが、熱電対の保護管などからの不純物が融液に混入されるためにあまり好ましくない。制御部位は、坩堝などに熱電対を挿入するなどして、間接的に温度を制御するか、放射温度計によりシリコン融液の温度を制御できるような構造にすることが好ましい。
融液が入った坩堝93は、断熱材97の上に設置されている。これは、融液温度を均一に保持するためと、坩堝底からの抜熱を最小限に抑制するために用いられている。その断熱材97の上には、坩堝台96が設置されている。この坩堝台96には、坩堝昇降軸98が接続されており、昇降機構が設けられていることが必要である。これは、基板C上で板状シリコンを成長させるため、常に基板Cが融液94に、同じ深さで浸漬できるように上下動させるためである。
なお、湯面位置を一定に保つ、すなわち、シリコン融液から、板状シリコンとして取り出された分および、蒸気としてロスした分だけのシリコンを補充する方法として、シリコンの多結晶体(塊)を溶融させて投入したり、融液のまま順次投入したり、粉体を順次投入する方法などを用いることが可能であるが、湯面位置を一定に保つ方法は特に限定されない。但し、できるだけ融液の湯面を乱さないようにすることが好ましい。融液の湯面を乱すと、そのときに発生する波形状が、得られる板状シリコンの融液面側に反映され、得られるシートの均一性を損なう可能性があるためである。
(板状シリコンの製造方法)
次に、図9に示す板状シリコン製造装置を用いて、本発明による板状シリコンの製造方法について説明する。
まず、得られる板状シリコンの比抵抗が所望の濃度になるようにボロンの濃度を調整したシリコン塊を、高純度黒鉛製の坩堝93に一杯になるまで充填する。
次に、チャンバー内の真空引きを行ない、チャンバー内を所定の圧力まで減圧する。その後、チャンバー内にArガスを導入し、常に10L/minでチャンバー上部よりArガスを流したままにする。このように常にガスを流し続けるのは、清浄なシリコン湯面を得るためである。
次に、シリコン溶融用のヒーター95の温度を1500℃に設定し、坩堝93内のシリコン塊を完全に溶融状態にする。このとき、シリコン原料は溶融することで液面が低くなることから、シリコン融液の湯面が、坩堝93上面から約1cm下の位置になるように、新たにシリコン粉末を投入する。シリコン溶融用のヒーターは、一度に1500℃に上げるのではなく、約1300℃位まで10〜50℃/minの昇温速度で加熱し、その後、所定温度まで上げるのが好ましい。これは、急激に温度を上げると、坩堝の角部などに熱応力が集中的にかかり、坩堝の破損に繋がるためである。
その後、シリコン融液温度を1410℃に設定し、30分間そのまま保持し、融液温度の安定化を図り、坩堝昇降軸98を用いて、坩堝93を所定の位置に移動させる。このときのシリコン融液温度は、1400℃以上で1500℃以下が好ましい。シリコンの融点が1410℃付近であるため、1400℃以下に設定すると、坩堝壁から徐々に湯面が固まってくるためである。しかしながら、シリコン融液は熱による対流が存在するために、長時間の生産を行わない時は、1400℃に設定することも可能である。また、1500℃以上に設定すると、得られる板状シリコンの成長速度が遅くなり、生産性が悪くなるため余り好ましくない。
次に、板状シリコンを成長させるが、例えば図4A〜図8Aに示す基板を、図9中の矢印の方向に、左側から右側へ移動させる。このとき、各基板の第一面(45A、55A、65A、75A、85A)が、シリコン融液に接触するように移動させる。このように、基板の表面がシリコン融液に接することで、基板の表面に板状シリコンが成長する。基板上に板状シリコンを作製するための軌道は、図9に示す軌道でもいいし、円軌道、楕円軌道であってもよい。特に、任意の軌道を実現できるような構造が好ましい。
シリコン融液への進入時の基板の表面温度は、200℃以上、1100℃以下が好ましい。これは、基板の温度が200℃以下であると、安定した制御が困難となる。すなわち、連続生産する場合、チャンバー内で、浸漬待ちの基板はシリコン融液からの輻射熱を受け、常に200℃以下に維持することが困難となり、得られる板状シリコンの品質にばらつきが生じることに繋がるためである。また、基板の温度が1100℃以上であると、板状シリコンの成長速度が遅くなるだけでなく、基板とシリコンが固着したり、生産性が悪くなるおそれが生じる。このように、基板の温度によって、得られる板状シリコンのばらつきが生じやすくなるため、冷却機構と加熱機構の両方を備えている方が好ましい。
本発明の板状シリコンの製造方法において、例えば板状シリコンの第一面と連続する他の面が、基板の進行方向の前方部から形成される。シリコン融液に基板を浸漬させる方法で板状シリコンを得る場合には、第一面の法線ベクトルと反平行、あるいは鈍角をなす他の面が、基板の進行方向側にある。具体的には、図4A、図5、図6、図7Aおよび図8Aに示した基板の上部を進行方向にする(図中進行方向はPとして示している)。その結果、基板前方部にシリコンが成長し、図1〜図3および図8Aに示した板状シリコンのように、そのシリコンは基板前方部に係合部を形成することとなり、重力に逆らいやすい形状になる。そのため、板状シリコンが基板から落下することがなくなり、歩留まりよく、板状シリコンを作製することが可能となり、チャンバー外へも容易に搬出することが可能となる。
上述してきたように、製品の歩留まり向上、さらには品質の安定化を図るためには、できる限り温度制御を厳密に制御できる構造にしておく方が好ましい。
(板状シリコンの作製)
比抵抗が1.5Ω・cmになるようにボロン濃度を調整したシリコン原料を、高純度カーボン製坩堝に保護された石英製坩堝内に入れ、図9に示すチャンバー内に装着した。
まずチャンバー内を10−5torr(1.33×10−3Pa)程度まで真空引きし、常圧のArガスで置換し、その後、チャンバー内にArガスを導入し、常圧まで戻し、その後は、2L/minでArガスを常時チャンバー上部から流したままにしておく。次に、シリコン原料をヒーターにより溶融するが、シリコン溶解用ヒーターを10℃/minの昇温速度で1500℃まで昇温し、シリコン原料が完全に溶解したことを確認したのち、坩堝温度を1425℃に保持し、安定化を図る。
次に、図4Aに示した形状の成長基板を、融液に10mm浸漬し、100枚の板状シリコンを成長させた。基板のシリコン融液への侵入時の温度は、600℃とした。なお基板第一面45Aと基板第二面46Aの角度γ4は50度、基板第二面の幅L46Aは10mmである。
得られた板状シリコンは、図1に示した形状であり、第一面が75mm角の大きさであり、第二面の長さは10mmである。また、第一面の厚さは、平均値で約0.35mmである。基板から板状シリコンを分離するのにレーザーを用いて切断した。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、5%であった。ここで、落下率とは、基板の浸漬回数に対してのチャンバー外まで取り出せなかった枚数の割合とした。
(太陽電池の作製)
次に、得られた板状シリコンを用いて、太陽電池を作製した。得られた板状シリコンをレーザーで切断し、第一面から70mm×70mmの板状シリコンを切り出した。次に、硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチングおよび洗浄を行い、その後、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエッチングを行った。その後、POCl拡散によりp型基板にn層を形成した。板状シリコン表面に形成されているPSG膜をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面側となるn層上にプラズマCVD装置を用いて窒化シリコン膜を形成した。次に、太陽電池の裏面側となる面にも形成されているn層を硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチング除去し、p基板を露出させ、その上に裏面電極およびp層を同時に形成した。次に、受光面側の電極を、スクリーン印刷法にて形成した。その後、銀電極部分に半田ディップを行い、太陽電池を作製した。
得られた太陽電池は、AM1.5、100mW/cmの照射下にて、「結晶系太陽電池セル出力測定方法(JIS C 8913(1988))」に従って、セル特性の評価を行った。
測定結果は、完成したセルの平均値で短絡電流30.33(mA/cm)、開放電圧574(mV)、フィルファクター0.741、効率12.9(%)であった。
図5に示した成長基板を用いたこと、および基板の融液への侵入時の表面温度を300℃としたこと以外全て実施例1と同じ方法で板状シリコンを作製した。
なお基板第二面56Bの幅L56Bは4mm、高さH56Bは5mmである。
得られた板状シリコンは、図2に示したような形状であり、第一面21Aが75mm角の大きさであり、第二面の長さL22Bが4mmの幅を有していた。また、第一面21Aの厚さは、平均値で約0.41mmである。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、4%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果は平均値で、短絡電流29.68(mA/cm)、開放電圧571(mV)、フィルファクター0.730、効率12.39(%)であった。
図6に示した成長基板を用いたこと、および基板の融液への侵入時の温度を450℃とした以外全て実施例1と同じ方法で板状シリコンを作製した。なお基板第二面66Aの幅L66Aは5mm、基板第三面68Aの高さH68Aは3mmである。
得られた板状シリコンは、図3に示した形状であり、第一面31Aが75mm角の大きさであり、第二面の幅L32Aが5mmで、第三面の幅L34Aが3mmであった。また、第一面31Aの厚さは、平均値で約0.38mmである。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、4%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果は平均値で、短絡電流29.32(mA/cm)、開放電圧562(mV)、フィルファクター0.750、効率12.37(%)であった。
図7Aに示した成長基板を用いたこと以外全て実施例1と同じ方法で板状シリコンを作製した。用いた基板は、基板第一面75Aが75mm角の大きさであり、基板第二面76Aの幅L76Aが2mmで、基板第三面78Aの幅L78Aが3mmであった。また基板第一面75Aと基板第二面76Aの角度γ7Aは150度、基板第二面76Aと基板第三面78Aの角度γ7Bは80度である。
得られた板状シリコンの第一面が75mm角の大きさであり、第二面の幅は2mm、第三面の長さは3mmを有していた。また、第一面の厚さは、平均値で約0.33mmであった。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、4%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果は平均値で、短絡電流28.83(mA/cm)、開放電圧560(mV)、フィルファクター0.747、効率12.05(%)であった。
図8A、図8Dに示した成長基板を用いたこと、および坩堝温度を1415℃にしたこと以外全て実施例1と同じ方法で板状シリコンを作製した。
用いた成長基板は、第一面85Aが75mm角の大きさであった。基板第二面86Aの幅L86Aが2mmで、基板第三面88Aの幅L88Aが8mmであった。また基板第二面86Aと基板第三面88Aの角度γ8Aは120度、基板第三面88Aと基板第四面89Aの角度γ8Bは120度である。また図8Aにおいて基板第三面の長さL88Aは25mm、基板第二面の長さL86Aは25mmである。
得られた板状シリコンの第二面82Aの幅L82Aが2mmで、第三面83Aの幅L83Aが3mmであった。また、板状シリコンの第一面81Aの厚さは、平均値で約0.4mmである。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、3%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。
作製した太陽電池の測定結果は平均値で、短絡電流29.43(mA/cm)、開放電圧570(mV)、フィルファクター0.760、効率12.75(%)であった。
図10A、図10Dに示した成長基板を用いたこと、および坩堝温度を1410℃にしたこと以外全て実施例1と同じ方法で板状シリコンを作製した。
用いた成長基板は、第一面105Aが75mm角の大きさであった。基板第二面106Aの幅L106Aが2mmで、基板第二面の長さL106は25mm、基板第三面の長さL108は25mmでる。また基板第一面105Aと基板第三面の角度γ10は50度である。
得られた板状シリコンの第二面102Aの幅W102Aが2mmで、第三面103Aの幅W103Aが1mmであった。また、板状シリコンの第一面101Aの厚さは、平均値で約0.43mmである。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、3%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。
作製した太陽電池の測定結果は平均値で、短絡電流30.02(mA/cm)、開放電圧569(mV)、フィルファクター0.750、効率12.81(%)であった。
図11A、図11Dに示した成長基板を用いたこと、浸漬深さを8mmにしたこと以外全て実施例1と同じ方法で板状シリコンを作製した。
基板第二面の幅W116Aが1mmで、基板第二面の長さL116は25mm、基板第三面の幅W118Aは2mm、基板第三面118Aの長さL118は25mmである。また基板第一面115Aと基板第二面の角度は150度、基板第二面と基板第三面の角度は80度である
用いた成長基板は、第一面115Aが75mm角の大きさであった。得られた板状シリコンの第二面112Aの幅L112Aが1mmで、第三面113Aの幅L113Aが2mmであった。また、板状シリコンの第一面111Aの厚さは、平均値で約0.33mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、3%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。
作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流28.60(mA/cm)、開放電圧560(mV)、フィルファクター0.743、効率11.91(%)であった。
図12A、図12Dに示した成長基板を用いたこと、浸漬深さを5mmにしたこと以外全て実施例1と同じ方法で板状シリコンを作製した。基板第二面126Aの幅W126Aが1mmで、基板第二面の長さL126は28mm、基板第三面の高さH128Aは2mm、基板第三面の長さL128は19mmである。
用いた成長基板は、第一面125Aが75mm角の大きさであった。得られた板状シリコンの第三面123Aの幅L123Aが1mmであった。また、板状シリコンの第一面121Aの厚さは、平均値で約0.27mmである。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、3%であった。
また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。
作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流29.48(mA/cm)、開放電圧556(mV)、フィルファクター0.742、効率12.16(%)であった。
(板状シリコンの作製)
比抵抗が2.0Ω・cmになるようにボロン濃度を調整したシリコン原料を、高純度カーボン製坩堝に入れ、図9に示すチャンバー内に固定した。
まずチャンバー内を10−5Torr程度まで真空引きし、常圧のArガスで置換し、その後、チャンバー内にArガスを導入し、常圧まで戻し、その後は、5L/minでArガスを常時チャンバー上部から流したままにしておく。次に、シリコン原料をヒーターにより溶融するが、シリコン溶解用ヒーターを20℃/minの昇温速度で1500℃まで昇温し、シリコン原料が完全に溶解したことを確認したのち、3時間そのままの温度で保持した。その後、坩堝温度を1415℃に保持し安定化を図る。
次に、図13Aに示した形状の成長基板を、融液に9mm浸漬し、100枚の板状シリコンを成長させた。
基板第二面の長さL136は35mm、基板第三面の長さL138は45mmである。また堀の溝幅W13は5mm、溝深さD13は8mmとした。板状シリコンは基板の堀構造により、中央部分と周縁部は容易に分離された。
基板のシリコン融液への侵入時の温度は、450℃とした。得られた板状シリコンは、第一面135Aが115mm角の大きさであった。また、第一面135A部分に成長したシリコン131Aの厚さは、平均値で約0.35mmでる。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、2%であった。
(太陽電池の作製)
次に、得られた板状シリコンを用いて、太陽電池を作製した。得られた板状シリコンをレーザーで切断し、第一面から100mm×100mmの板状シリコンを取り出した。次に、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエッチングを行った。その後、スピンコート法にてPSG(リンシリケートガラス)を塗布し、その後乾燥し、熱拡散によりp型基板にn層を形成した。その後、板状シリコン表面に形成されているPSG膜をフッ酸で除去した後、n層上にプラズマCVD装置を用いて窒化シリコン膜を形成した。
次に、太陽電池の裏面側となる面に、アルミペーストを印刷焼成することで、裏面電極およびp層を同時に形成した。次に、銀ペーストを印刷焼成することで、受光面側の電極を形成した。その後、銀電極部分に半田ディップを行い、太陽電池を作製した。
得られた太陽電池は、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。
測定結果は、完成したセルの平均値で短絡電流31.33(mA/cm)、開放電圧584(mV)、フィルファクター0.751、効率13.7(%)であった。
図14A、図14Cに示した成長基板を用いたこと、および基板の侵入時の温度を300℃としたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。
用いた成長基板は、基板第一面145Aが115mm角の大きさであった。基板第二面の長さL146は40mm、基板第三面の長さL148は35mmである。また堀構造の溝幅W14は3mmで、溝深さD14は2mmであった。
得られた板状シリコンの第二面142Aの幅L142Aが2mmであった。また、板状シリコンの第一面141Aの厚さは、平均値で約0.41mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、2%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池の作製を行い、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流31.05(mA/cm)、開放電圧592(mV)、フィルファクター0.747、効率13.7(%)であった。
図15A、図15Cに示した成長基板を用いたこと、および基板の侵入時の温度を200℃としたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。
用いた成長基板は、基板第一面155Aが115mm角の大きさであった。
基板第二面156Aの幅が2mmで、基板第二面の長さL156は40mm、基板第三面の幅は3mmで、基板第三面の長さL158は35mmである。また基板第一面と基板第二面の角度は150度、基板第二面と基板第三面の角度は80度である
堀構造の溝幅W15は2mmであり、溝深さD15は1mmであった。
得られた板状シリコンの第二面152Aの幅L152Aが2mmであった。また、板状シリコンの第一面151Aの厚さは、平均値で約0.43mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、2%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。
作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流31.77(mA/cm)、開放電圧595(mV)、フィルファクター0.749、効率14.2(%)であった。
図16A、図16Cに示した成長基板を用いたこと、および坩堝温度1410℃にしたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。
用いた成長基板は、基板第一面165Aが115mm角の大きさであった。基板第二面の幅は3mmで、基板第二面の長さL166は45mm、基板第三面の高さは4mm、基板第三面の長さL168は25mmである。また堀構造の溝幅W16は3mmであり、溝深さD16は2mmであった。
得られた板状シリコンの第二面162Bの幅L162Bは3mmである。また、板状シリコンの第一面161Aの厚さは、平均値で約0.37mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、1%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流32.03(mA/cm)、開放電圧586(mV)、フィルファクター0.748、効率14.0(%)であった。
図17A、図17Cに示した成長基板を用いたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。突起K17の長さLK17は85mm、基板縁部から突起までの長さLK17aは15mm、突起K17の表面幅は3mm、突起の高さHK17は4mmである。また、基板第一面の表面に凹凸があり、凸部が1mm間隔で、その凹部の深さは、1mmであった。基板第一面175Aが115mm角の大きさであった。堀構造の溝幅W17は2.5mmであり、溝深さD17は2.5mmであった。
得られた板状シリコンの第二面172Aの幅L172Aが3mmであった。また、板状シリコンの第一面171Aの厚さは、平均値で約0.32mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、7%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流30.9(mA/cm)、開放電圧582(mV)、フィルファクター0.738、効率13.3(%)であった。
図18A、図18Cに示した成長基板を用いたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。突起K18a、突起K18bの長さLK18は15mm、基板縁部から突起までの長さLK18aは15mm、浸漬方向の突起間の距離は55mm、突起K18の表面幅は3mm、突起の高さHK18は4mmである。また、基板第一面の表面に凹凸があり、凸部が1.5mm間隔で、その凹部の深さは、0.5mmであった。基板第一面185Aが115mm角の大きさであった。堀構造の溝幅W18は2.5mmであり、溝深さD18は2.5mm、周縁部の幅は3mmである。
得られた板状シリコンの第二面182Aの幅L182Aが3mmであった。また、板状シリコンの第一面181Aの厚さは、平均値で約0.38mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、8%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。
作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流31.5(mA/cm)、開放電圧584(mV)、フィルファクター0.741、効率13.6(%)であった。
図19A、図19Dに示した成長基板を用いたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。基板第二面196Aの幅W196Aが1mmで、基板第一面195Aと基板第二面の角度は150度、基板第二面と基板第三面の角度は80度である。突起K19の長さLK19は15mm、基板縁部から突起までの短いほうの長さは15mm、突起K19の表面幅は3mm、突起の高さHK19は4mmである。また、基板第一面の表面に凹凸があり、凸部が0.5mm間隔で、その凹部の深さは、0.3mmであった。基板第一面195Aが115mm角の大きさであった。堀構造の溝幅W19は2.5mmであり、溝深さD19は2.5mmであった。
得られた板状シリコンの第二面192Aの幅L192Aが3mmであった。また、板状シリコンの第一面191Aの厚さは、平均値で約0.32mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、1%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流30.1(mA/cm)、開放電圧577(mV)、フィルファクター0.748、効率13.0(%)であった。
図20Aに示した成長基板を用いたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。基板第一面205Aと基板第二面の角度は90度、基板第二面と基板第三面の角度は130度である。基板第二面及び基板第三面の幅は何れも3mmである。また、基板第一面205Aの表面に凹凸があり、凸部が2.0mm間隔で、その凹部の深さは、0.1mmであった。基板第一面205Aが115mm角の大きさであった。得られた板状シリコンの第二面202Aの幅L202Aが3mmであった。また、板状シリコンの第一面201Aの厚さは、平均値で約0.32mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、1%であった。また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流30.5(mA/cm)、開放電圧574(mV)、フィルファクター0.738、効率12.9(%)であった。
(比較例1)
図21A、図21Cに示した成長基板を用いたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。
用いた成長基板は、基板第一面215Aが115mm角の大きさであった。基板第二面及び基板第三面の幅は何れも5mmである。また堀構造の溝幅W21は2mmであり、溝深さD21は2mmである。
得られた板状シリコンは第一面の長さL211Aが115mm角の大きさで、第二面212Aの幅L212Aが5mmであり、第三面213Aの幅L213Aが2mmであった。また、板状シリコンの第一面211Aの厚さは、平均値で約0.36mmであり、基板からは容易に剥離することが出来た。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、90%であった。これは、板状シリコンの第一面上の法線ベクトルと、反平行もしくは鈍角を形成するような法線ベクトルがないためである。
(比較例2)
図22に示した成長基板を用いたこと以外全て実施例9と同じ方法で板状シリコンを作製した。成長基板の基板第一面には、実施例16と同じ凹凸加工が施されている。凸部が2.0mm間隔で、凹部の深さは、0.1mmであり、表面は115mm角の大きさである。
得られた板状シリコンの第二面の幅は3mmであり、板状シリコンの第一面の厚さは平均値で約0.35mmである。
このような基板を用いることで、板状シリコンの落下率は、47%であった。また降温時の割れ落ちやクラック発生率は32%である。
また、得られた板状シリコンを用いて太陽電池を作製し、実施例1と同様にセル特性の評価を行った。作製した太陽電池の測定結果の平均値は、短絡電流25.9(mA/cm)、開放電圧552(mV)、フィルファクター0.726、効率10.4(%)であった。太陽電池としての効率が劣るのは、板状シリコン中の残留応力が原因と考えられる。
なお、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点の例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述の如く、本発明の基板を用いて該基板と係合する板状シリコンを製造することで、板状シリコン落下の問題を回避し、板状シリコンを安定して低価格で供給することが出来るようになる。また前記基板に堀構造を採用することで、板状シリコンが基板から容易に剥離でき、残留歪を軽減できる。そしてこの板状シリコンを用いて太陽電池を作製することで、低価格で高品質の太陽電池を供給することが可能になる。

Claims (9)

  1. 基板をシリコン融液に浸漬させて、該基板表面に形成される板状シリコンであって、該板状シリコンは主要面となる第一面と、該第一面に連続して形成される他の面を有し、該他の面は、その法線ベクトルが前記第一面の法線ベクトルと、反平行あるいは鈍角をなす少なくとも1つの面を含み、前記第一面と他の面は前記基板と係合部を形成することを特徴とする板状シリコン。
  2. 前記第一面は、略平面で形成されていることを特徴とする請求項1記載の板状シリコン。
  3. 他の面は略平面、もしくは第一面との境界で湾曲して連続する曲面で形成されていることを特徴とする請求項1記載の板状シリコン。
  4. シリコン融液に基板表面を浸漬させ、その後基板をシリコン融液から引き離して、基板表面上に板状シリコンを成長させる請求項1記載の板状シリコンの製造方法であって、
    前記基板は板状シリコンの第1面を形成する基板第一面と、該基板第一面に連続し、板状シリコンの他の面を形成する基板他面を有し、該基板他面の法線ベクトルは前記基板第一面の法線ベクトルと、反平行あるいは鈍角をなす面を少なくとも1つ含むことを特徴とする板状シリコンの製造方法。
  5. 基板の基板第一面の周縁部には、シリコン融液浸漬方向に平行な少なくとも2本の溝で堀構造が形成されていることを特徴とする請求項4記載の板状シリコンの製造方法。
  6. 板状シリコンの第一面と連続する他の面は、基板の進行方向の前方部から形成されることを特徴とする請求項4記載の板状シリコンの製造方法。
  7. 板状シリコンの第1面を形成する基板第一面と、該基板第一面に連続し、板状シリコンの他の面を形成する基板他面を有する板状シリコン製造用基板において、該基板他面の法線ベクトルは前記基板第一面の法線ベクトルと、反平行あるいは鈍角をなす面を少なくとも1つ含むことを特徴とする板状シリコン製造用基板。
  8. 基板の基板第一面の周縁部には、シリコン融液浸漬方向に平行な少なくとも2本の溝で堀構造が形成されていることを特徴とする請求項記載の板状シリコン製造用基板。
  9. 堀構造は基板第一面の周縁部に沿って溝が3本形成されていることを特徴とする請求項記載の板状シリコン製造用基板。
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