JP2003055086A - 液相成長方法、液相成長装置及び半導体装置 - Google Patents

液相成長方法、液相成長装置及び半導体装置

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JP2003055086A
JP2003055086A JP2001242447A JP2001242447A JP2003055086A JP 2003055086 A JP2003055086 A JP 2003055086A JP 2001242447 A JP2001242447 A JP 2001242447A JP 2001242447 A JP2001242447 A JP 2001242447A JP 2003055086 A JP2003055086 A JP 2003055086A
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liquid phase
phase growth
melt
container
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JP2001242447A
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Tetsuo Saito
哲郎 齊藤
Makoto Iwagami
誠 岩上
Tatsumi Shoji
辰美 庄司
Noritaka Ukiyo
典孝 浮世
Akiyuki Nishida
彰志 西田
Toshihito Yoshino
豪人 吉野
Katsumi Nakagawa
克己 中川
Masaki Mizutani
匡希 水谷
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Canon Inc
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板101の枚数に拘わらずムラなく高速で
被成長材を基板101に成長させる。 【解決手段】 被成長材を含む溶融金属104が充填さ
れている容器105と、溶融金属104に基板101を
浸漬させる浸漬手段103,113と、容器105の周
辺に備えられた磁石109と、磁石109と容器105
とを相対的に移動させる移動手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液相成長方法、液
相成長装置及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境に対する意識の高まりととも
に、太陽電池が民生用にも広く使用される様になってき
た。民生用の太陽電池としては、半導体材料として主と
して単結晶または多結晶のシリコンが用いられている。
【0003】現在、これらの結晶は、大きなインゴット
から300μm程度の厚さのウエハとして切り出されて
いる。この方法では、切り出しに伴い200μm程度の
切り代が出るため材料の使用効率が悪い。今後さらに生
産量を増やし低価格化を進めるには、数10から100
μm程度の電気的・光学的に必要とされる最小限の厚さ
の結晶を成長して使用することが望まれる。
【0004】その様な薄い結晶シリコンを成長するため
の方法としては、シリコンを含む気体を熱やプラズマの
作用で分解する気相成長法がこれまで主に検討されてき
た。
【0005】しかし、太陽電池の量産においては1バッ
チで数10〜数100枚の4〜5インチ角基板に1μm
/分以上の速度でシリコンが成長できる装置が求められ
る。この様な仕様に対応できる気相成長装置は市販され
ていない。
【0006】結晶の成長法としては、この他に液相成長
法と呼ばれる方法が古くから知られており、実際にLE
D用の化合物半導体結晶、電気光学素子用の光学結晶の
製造に利用されている。最近では特開平10−1899
24号公報等により開示されているように、結晶シリコ
ン基板やセラミック基板上に成長したシリコン結晶膜を
太陽電池の製造に利用する例が報告されている。
【0007】液相成長法とは、まず、錫、インジウム、
ガリウム等の金属や、リチウム酸やニオブ酸等の酸化物
を加熱して溶かし、メルトとする。このメルトの中に必
要に応じてさらに砒素やシリコン等の結晶を構成するた
めの材料を溶かし込み、基板をその中に浸漬し、このメ
ルトを冷却等の手段で過飽和として基板上に結晶を析出
させる方法である。
【0008】液相成長法は良質の結晶が成長できる上
に、気相成長法に比べ結晶の成長に寄与せずに無駄にな
る原料が少ないので、太陽電池などの低価格であること
が強く求められるデバイスや、ガリウムやニオブ等の高
価な原料を使用する電気光学デバイスへの応用に好適で
ある。
【0009】しかし、液相成長法はこれまで用途が限ら
れていたため、主に直径3インチ以下の基板に化合物半
導体を成長するための装置が市販されていたに過ぎず、
特にシリコンの成長に対しての応用は少なかった。
【0010】本発明者らは、これまでの液相成長法及び
液相成長装置における問題点を踏まえ、太陽電池の量産
において求められる様なスループットを得るのに必要な
方法、及びその方法を実施するのに好適な装置を検討し
た。
【0011】図2は、従来の液相成長装置の模式的な断
面図である。図2には、複数の基板上に結晶を成長する
ものである。
【0012】図2では、基板支持手段202により4枚
の成長用基板201と1枚のシリコン等の結晶の原料か
らなる溶かし込み用の基板201’が所定の間隔を保っ
て水平に支持され、円筒状の坩堝203に充填されたメ
ルト204に浸漬されている。以上が成長炉205に収
容されている。
【0013】メルト204の温度は電気炉206により
適宜制御できる。成長炉にはゲート弁207が取り付け
られており、必要に応じて開閉できる。
【0014】溶かし込み用の基板201’を、基板支持
手段202にて支持し、電気炉206にて所定の温度に
加熱された錫、インジウム、ガリウム等の低融点金属
や、リチウム酸やニオブ酸等の酸化物の融液に浸漬し、
その温度における飽和状態まで結晶原料を溶かし込み、
メルト204を調整する。
【0015】その後、上下機構209を上側に移動させ
ることによって、溶かし込み用の基板201’をメルト
204から引き上げ、成長用基板201と交換する。こ
の後、メルト204を徐冷し所定の温度となったところ
でその中に成長用基板201を浸漬すると、メルト20
4に溶けきれなくなった原料が基板201の表面に析出
し始め、基板上にシリコン等の結晶が成長する。
【0016】この時に使用する基板201が多結晶シリ
コンやガラスやセラミックスだと成長する結晶も多結晶
となるが、基板201が単結晶シリコンだと単結晶膜を
成長することができる。
【0017】所望の厚さの結晶が成長したところで基板
201を引き上げる。ゲート弁207を閉じた状態で基
板支持手段202への基板201の取り付けや取り外し
を行い、ロードロック室208内で事前に雰囲気を大気
から不活性ガス等に置換してからゲート弁207を開
き、基板201を成長炉205内に下降させると、メル
ト204が酸素や水と反応を起こしたり汚染されたりす
るのを防止できる。
【0018】また、基板201の枚数は、例示であり、
必要に応じて増やすこともできる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術
は、基板201の枚数を必要に応じて増やそうとする
と、面内で一様に高い成長速度を得るのには不十分なこ
とが分かった。
【0020】図3は、図2のメルト204をインジウ
ム、成長する結晶をシリコンとして、φ5インチのシリ
コンウエハ5枚を1cm間隔に保って成長を行った時の
成長速度の面内分布を示す図である。
【0021】ここで、「○」はメルト204の底に近い
基板上での分布、「●」はメルト204の表層部に近い
基板上での分布を示している。基板間の違いはあまり見
られないが、各基板の中央部では周辺部の1/3程度の
成長速度しか得られていない。
【0022】メルト204の冷却速度を下げると面内の
不均一性は改善されるが全体的に成長速度が低下する。
また、基板201の間隔を広げても不均一性が改善され
るが1バッチあたりの投入可能な基板の枚数が減少し、
いずれもスループットが低下する。
【0023】成長速度が面内で不均一になるのは、基板
201間のメルト204に溶けている半導体原料が析出
した後に新鮮なメルト204が充分補充できないためで
あり、堆積速度が速い程、また、基板201の間隔が狭
いほど不均一性は顕著になると考えられる。
【0024】図2の装置で成長中に基板201を回転さ
せると、シリコンを高濃度で含んだメルト204が基板
201間に補充され、成長速度の均一性を得やすくな
る。しかし、基板支持手段202を上下運動及び回転運
動をさせ、さらに成長炉内部の気密を保とうとすると、
その基板支持手段202及び上下機構209の機構が大
型化・複雑化してしまう。
【0025】メルト204と基板201とを相対的に運
動させるためには、基板201を静止し坩堝203を回
転させても良い。高温度の坩堝203を回転することは
チョクラルスキー法の単結晶引き上げ装置では一般的に
行われている。
【0026】特開平7−315983号公報には、坩堝
203の回転を液相成長装置に適用した例が提案されて
いる。基板を静止し坩堝203のみを回転させることに
すると、基板支持手段202が大幅に簡素化できるの
で、特に大型の液相成長装置では有利である。
【0027】しかし、坩堝203を回転させる方式で
は、坩堝203の回転に対しメルト204の追従性が充
分でなく、装置が複雑になる割にはメルト204を攪拌
する効果は小さかった。
【0028】そこで、本発明は、基板の枚数に拘わらず
ムラなく高速で被成長材であるシリコン等を基板に成長
させることを課題とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の液相成長方法は、容器内に充填されている
被成長材を含む溶融金属に基板を浸漬した状態で、前記
容器の周辺に備えた磁力発生体と前記容器との位置を相
対的に変えることによって溶融金属を磁力によって撹拌
しながら当該基板に前記被成長材を液相成長させること
を特徴とする。
【0030】また、本発明の液相成長装置は、被成長材
を含む溶融金属が充填されている容器と、前記溶融金属
に基板を浸漬させる浸漬手段と、前記容器の周辺に備え
られた磁石と、前記磁石と前記容器とを相対的に移動さ
せる移動手段とを有することを特徴とする。
【0031】さらに、本発明の液相成長装置は、被成長
材を含む溶融金属が充填されている容器と、前記溶融金
属に基板を浸漬させる浸漬手段と、前記容器の周辺に設
けられた複数の電磁石と、前記各電磁石に順次電磁力を
発生させる発生手段とを有することを特徴とする。
【0032】さらにまた、本発明の半導体装置は、上記
液相成長装置を用いて製造されている。
【0033】すなわち、本発明は、基板内或いは基板間
で成長速度の差は、溶融金属に溶け込んでいる被成長材
が基板上に成長し、溶融金属内の基板付近の被成長材が
少なくなることで生じることを考慮し、被成長材が基板
に成長中に溶融金属を充分攪拌し、溶融金属内の基板付
近の被成長材が少なくなるのを防止するようにしてい
る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0035】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1の液相成長装置の模式的な構成図である。図1におい
て、101はφ125mm程度の大きさのシリコン単結
晶基板、102は約2cmの間隔で配置されている5枚
の基板101からなるウエハ群である。図1には、4組
ウエハ群102を等間隔に配置している。
【0036】ここで、基板101は水平に対し5〜10
°程度傾けて保持している。基板101を若干傾けると
基板101間へのメルト104への出入りがスムーズに
なる。
【0037】また、103は石英などからなる基板支持
手段、104は被成長材であるシリコンが溶け込んだメ
ルト(溶融金属)、105はメルト104が充填される
坩堝、107は成長炉、108は成長炉107の外から
メルト104が入った坩堝105を加熱する加熱手段、
109は磁力線が坩堝105内を通るように坩堝105
を挟んで対向配置されており磁石である。
【0038】磁石109は、図示しない鉄片で連結さ
れ、一体で成長炉107の周りを回転することができる
ようにしている。
【0039】また、成長炉107には開閉可能なゲート
弁110が取り付けられ、基板支持手段103を成長炉
107内部に収容する際に開く。基板支持手段103は
上下機構113の動作により基板101をメルト104
から引き上げ基板支持手段103をゲート弁110より
も下位の中間位置114で保持することもできる。
【0040】基板101をメルト104に浸漬する前
に、中間位置114に保持し、基板101の温度を所定
の温度にしてからメルト104に浸漬すると、液相成長
の初期状態を再現性良く制御できる。
【0041】また、基板101をメルト104から引き
上げた後、中間位置114でしばらく保持して、基板1
01表面に残留したメルト104を充分の除くようにす
るとよい。
【0042】つぎに、図1に示す液相成長装置の動作に
ついて説明する。まず、図1に示す状態から、基板上下
機構113により基板支持手段103を引き上げてゲー
ト弁110を閉じ、ロードロック室111をゲート弁1
10の上部から図示しない基板交換位置まで移動する。
【0043】そして、基板上下機構113によりロード
ロック室111から基板支持手段103を引き下げて、
基板支持手段103に支持されている基板101に代え
て、メルト104へのシリコン溶かし込み用のφ125
mm程度の大きさp型多結晶シリコンウエハを基板支持
手段103に装着し、基板上下機構113によりロード
ロック室111に戻す。
【0044】一方、成長炉107は、内部に水素ガスを
流しつつ電気炉108で加熱し温度を900℃位とす
る。この状態でロードロック室111をゲート弁110
の上に戻し、ゲート弁110と密着させる。
【0045】つぎに、ロードロック室111内部を一旦
真空排気してから水素をフローしてゲート弁110を開
く。続いて基板支持手段103を徐々に降下させ、多結
晶シリコンウエハをメルト104中に浸漬する。
【0046】その間、磁石109が電気炉108の外側
を毎分例えば6回転で回転し、磁力線によりメルト10
4を動かし攪拌している。攪拌を30分程度続け、シリ
コンをメルト104内に溶かし込み、メルト104にシ
リコンを飽和させる。
【0047】その後、ゲート弁110を開いて基板支持
手段103をメルト104から引き上げ、ロードロック
室111内部に収納してからゲート弁110を閉じる。
【0048】次いで、ロードロック室内部を窒素ガスで
置換してから、基板交換位置で多結晶シリコンウエハを
基板101に代える。
【0049】再び、ロードロック室111をゲート弁1
10の上に移動し、ゲート弁110に密着させてから、
ロードロック室111内部を真空排気し、水素をフロー
しゲート弁110を開く。
【0050】続いて、基板支持手段103を徐々に降下
させ、中間位置114まで降下させ900℃位まで加熱
する。次いで、毎分1℃/分程度の速度でメルト104
の冷却を始める。
【0051】メルト104が例えば895℃となったと
ころで、基板支持手段103をさらに降下させ、シリコ
ンで過飽和となったメルト104の中にウエハ102を
浸漬し、引き続きメルト104を冷却し続ける。
【0052】磁石109を毎分例えば3回転で電気炉1
08の周りを回転させながら30分経過したところで、
基板支持手段103を中間位置114まで引き上げ1分
ほど停止し、ウエハ102面に残留しているメルト10
4を切り、さらに基板支持手段103をロードロック室
111の内部まで引き上げ、ゲート弁110を閉じる。
【0053】ロードロック室111内部を窒素で置換し
てから図示しない基板交換位置に移動し、基板101を
外す。基板101にはシリコン層がエピタキシャル成長
しており、マイクロメーターでその厚さを測定したとこ
ろ、基板間の差は面内平均値で20枚の中で30μm±
10%に分布しており、1枚の基板101の中でも端か
ら5mmより内側では±10%に分布していた。
【0054】図4は、図1に示す液相成長装置で基板1
01にシリコンをエピタキシャル成長させるときの成長
速度の面内分布図である。ここで「○」はメルト104
の底に近い部分の基板101上での分布、「●」はメル
ト104の表層部に近い部分の基板101上での分布を
示している。
【0055】図4に示すように、各基板101での成長
速度のバラツキが少なく、また、基板101毎のバラツ
キも少なくなる。
【0056】[比較例]比較のため、メルト104にシ
リコンの溶かし込みを行う際に、磁石109の回転を停
止し、他は上記の動作と同様にした。エピタキシャル層
の厚さの平均値は20μmであった。溶かし込みの工程
でメルト104にシリコンが充分溶け込んでいなかった
ものと推測される。
【0057】図5は、図1に示す液相成長装置で磁石1
09の回転を停止した状態で基板101にシリコンをエ
ピタキシャル成長させるときの成長速度の面内分布図で
ある。図5に示すようにエピタキシャル層の厚さは20
枚の面内平均値で25μm±15%の分布を示し、1枚
の基板の中では端から5mmより内側では±30%の分
布を示した。これは、メルト104の流れの不足により
成長速度に著しい分布を生じたものと考えられる。
【0058】なお、例えば基板支持手段103を上下に
移動させることによって基板101をメルト104中で
動かして撹拌しようとすると、成長炉107内で空気の
対流が生じることでパーティクルが発生し、メルト10
4が汚染されることも考えられるが、本実施形態のよう
に、成長炉107外部からの磁石109の力でメルト1
04を撹拌すると、パーティクルが発生せずメルト10
4が汚染されにくい。
【0059】(実施形態2)図6は、本発明の実施形態
2の液相成長装置の模式的な構成図である。図6に示す
ように本実施形態の液相成長装置は、図1に示すもの
に、さらに、坩堝105を回転させる回転機構を加える
とともに、磁石109が上下に揺動しながら回転するよ
うにしている。なお、図6において、図1に示す部分と
同様の部分には、同一符号を付している。
【0060】実施形態1と同様の手順で基板101にシ
リコンをエピタキシャル成長する。実施形態1との違い
は、メルト104の攪拌時と結晶成長時とに、坩堝10
5及び磁石109の回転、揺動を行うようにしている。
【0061】図7は、図6に示す液相成長装置で基板1
01にシリコンをエピタキシャル成長させるときの成長
速度の面内分布図である。
【0062】基板101上にエピタキシャル成長したシ
リコン層の厚さをマイクロメーターで測定したところ、
面内平均値は20枚の中で30μm±9%に分布してお
り、1枚の基板の中でも端から5mmより内側では±9
%に分布しており、実施形態1の場合よりも若干エピタ
キシャル成長速度のバラツキが少なくなった。
【0063】(実施形態3)図8は、本発明の実施形態
3の液相成長装置の模式的な構成図である。図8に示す
ように本実施形態の液相成長装置は、図1に示す磁石1
09に代えて、対向させた電磁石801を3組配置して
いる。
【0064】電磁石801はデルタ結線しており、電磁
石801に周波数0.5Hz程度の三相交流を与え、メ
ルト104を貫通している磁力線を回転磁界となるよう
にしている。また、電磁石801は上下方向に揺動速度
毎分10回で50mmほどのストロークで揺動できるよ
うにしている。
【0065】ちなみに、上記条件で電磁石801に三相
交流を与えると、回転磁界の回転数は毎分10回転にな
るが、メルト104はそれより遅れて動いているものと
推測できる。
【0066】図9は、図8に示す液相成長装置で基板1
01にシリコンをエピタキシャル成長させるときの成長
速度の面内分布図である。
【0067】基板101上にエピタキシャル成長したシ
リコン層の厚さをマイクロメーターで測定したところ、
基板間の膜厚差は面内平均値で20枚の中で30μm±
9%に分布しており、1枚の基板の中でも端から5mm
より内側では±10%に分布しており、実施形態1の場
合よりも若干エピタキシャル成長速度のバラツキが少な
くなった。
【0068】(実施形態4)図10は、本発明の実施形
態4の薄型単結晶シリコン太陽電池の模式的な製造工程
図である。本実施形態では、太陽電池を、以下説明する
ように例えば特開平10−189924号公報に記載さ
れているような手法によって製造する。
【0069】まず、125mm角程度の面方位(11
1)のp+型シリコンウエハ1001を用意する(図1
0(a))。
【0070】つぎに、用意したp+型シリコンウエハ1
001をエタノールなどで希釈したフッ酸溶液に漬け、
正の電圧をかけて陽極化成を行い、p+型シリコンウエ
ハ1001の表面に、厚さ5μmほどの多孔質層100
2を形成する(図10(b))。
【0071】多孔質層1002には複雑に絡み合った微
細孔が形成されているが、単結晶性を保持しておりこの
上にエピタキシャル成長をすることができる。なお、図
10には、多孔質層1002の厚さを実際のものよりも
極端に厚く示している。
【0072】また、エピタキシャル成長を行うのに先立
って水素雰囲気中でp+型シリコンウエハ1001を1
050℃でアニールして、多孔質層1002の表面の原
子を再配列している。
【0073】つづいて、多孔質層1002の上に、後述
する液相成長法で厚さ30μmのp -型層1003を成
長する(図10(c))。
【0074】さらに接合を形成するため、液相成長法で
厚さ0.3μm位のn+層1004を成長する(図10
(d))。
【0075】ただし、n+層1004は不純物の熱拡散
等によって形成してもよい。
【0076】つぎに、n+層1004の表面にパシベー
ション層として熱酸化膜1005を形成し、さらに表面
側の電極として銀ペーストを櫛形のパターンに印刷した
後焼成して、グリッド電極1006を形成する(図10
(e))。
【0077】焼成により銀のパターンは熱酸化膜100
5を突き抜け、n+層1004と接触する。ここまで形
成した上に接着剤1007でガラス板1008を貼り付
ける(図10(f))。
【0078】その後、p+型シリコンウエハ1001を
固定しガラス基板1008に力を加えて、微細孔が形成
されて弱くなっている多孔質層1002の部分を破壊
し、p -型層1003とp+型シリコンウエハ1001と
を分離する(図10(g))。
【0079】分離したp-型層1003の裏面には多孔
質層1002の残渣があるので、これをエッチングで除
去した後、導電性の接着剤1009でニッケルメッキし
た銅板1010を貼り付ける(図10(h))。
【0080】一方、分離したp+型シリコンウエハ10
01の表面にも多孔質層1002の残渣があるので、こ
れをエッチングで除去し鏡面を回復し、p+型シリコン
ウエハ1011を再生する(図10(i))。
【0081】再生したp+型シリコンウエハ1011
は、厚さが5μm強減少したが、それ以外は図10
(a)に示すp+型シリコンウエハと同等になったの
で、p+型シリコンウエハ1001として、再度、使用
することができる。
【0082】図11は、本発明の実施形態4の液相成長
装置の模式的な構成図である。図11において、110
1は125mm角程度の大きさのp+型シリコンウエ
ハ、1102はp+型シリコンウエハ1101が1cm
間隔で50枚縦に並べられた基板群、1103は例えば
4組の基板群1102を支持する基板支持手段である。
【0083】また、1104はターンテーブル1106
上に置かれた石英ガラス製の坩堝1105に充填されて
いるメルト、1107は石英ガラス製の成長炉、111
0は成長炉1107の上部に設けており外気と遮断する
ゲート弁、1108はメルト1104の温度を調整する
電気炉、1109は電気炉1108の外側に磁力線がメ
ルト1104を貫通するように設けている電磁石であ
る。
【0084】基板支持手段1103が成長炉1107に
入る時には、ゲート弁1110が開く。ここでゲート弁
1110は図面の背面の方向に移動する様に取り付けら
れている。
【0085】また、本実施形態の装置では成長炉110
7と同等の図示しない成長炉が独立して設けられてお
り、図10のn+層1004の成長に使用する。
【0086】さらに、多孔質層1002を形成したp+
型シリコンウエハ1101を水素アニールするための水
素アニール炉1117と、p+型シリコンウエハと溶か
し込み用基板とを交換する基板交換室1118とを設け
ている。
【0087】図11では基板支持手段1103を、上下
機構1113により成長炉1107の内部に移動した状
態を示している。
【0088】また、成長炉1107、水素アニール炉1
117及び基板交換室1118のゲート弁1110、1
110’、1110”と、ロードロック室1112のゲ
ート弁1111との連結室1116、1116’、11
16”を設けられている。
【0089】ロードロック室1112と成長炉1107
や水素アニール炉1117の間で基板支持手段1103
を移動する場合に、予め連結室1116、1116’、
1116”の内部を排気してからゲート弁1110、1
110’、1110”を開くと、p+型シリコンウエハ
1101が外気による汚染を受けずに移動できる。
【0090】つぎに、多孔質層1002が形成されたp
+型シリコンウエハ1101にエピタキシャル成長を行
うプロセスを説明する。
【0091】まず、p+型シリコンウエハ1101に代
えて溶かし込み用のp-型の多結晶シリコン基板を装着
した基板支持手段1103を基板交換室1118の所定
位置にセットする。
【0092】次いで、基板交換室1118のゲート弁1
110”を閉じて内部を真空排気する。この直上に内部
を真空としたロードロック室1112を移動し、連結室
1116”も真空排気してからロードロック室1112
のゲート弁1111を開く。
【0093】それから、ロードロック室内部の上下機構
1113を動作させ、基板支持手段1103をロードロ
ック室1112に格納し、ゲート弁1111を閉じてか
らロードロック室1112を水素アニール炉1117の
直上に移動する。
【0094】ロードロック室1112と連結室111
6’の内部を真空排気したのち、水素をフローする。一
方、水素アニール炉1117の内部は1050℃程度に
保持し水素をフローする。
【0095】ロードロック室1112と水素アニール炉
1117と連結室1116’の内部の圧力バランスがと
れたところで、ロードロック室1112のゲート弁11
11と水素アニール炉1117のゲート弁1110’を
開き、基板支持手段1103を降下させ10分位保持す
る。
【0096】これにより、溶かし込み用の多結晶シリコ
ン基板の表面に存在する自然酸化膜が除去される。その
後、基板支持手段1103を引き上げ、水素アニール炉
1117のゲート弁1110’とロードロック室111
2のゲート弁1111とを閉じる。
【0097】ここで、連結室1116’の内部を窒素に
置換した後に、大気に開放しロードロック室1112を
分離する。引き続きロードロック室1112を成長炉1
107の直上に移動する。
【0098】ここでも連結室1116の内部を真空排気
した後、水素をフローし、ロードロック室1112のゲ
ート弁1111と成長炉1107のゲート弁1110を
開き、基板支持手段1103を成長炉1107内の基板
予熱1105まで降下し、955℃程度に加熱した後、
955℃に保持されたメルト1104に浸漬する。
【0099】この状態で、電磁石1109による磁界を
例えば毎分10回で1分毎に正回転、逆回転を交互に繰
り返し、また、ターンテーブル1106は毎分6回転で
1分毎に正回転、逆回転を磁界の回転と同期させて行い
ながら、30分間保持し、シリコンをメルト1104に
溶かし込む。
【0100】その後、基板支持手段1103を、基板交
換室1118に搬送し、溶かし込み用多結晶シリコン基
板を取り外す。
【0101】その間、n+型の溶かし込み用の多結晶シ
リコンを装着した別の基板支持手段を基板交換室110
8にセットし、以下同様の手順で図示しないn+型シリ
コンの成長炉のメルトにシリコンとドーパントを溶かし
込む。
【0102】通常1回の成長で消費するシリコンの量
は、n+型の方がp―型の場合よりはるかに少なく溶か
し込みも短時間で終了する。
【0103】つぎに、表面に多孔質層1002が形成さ
れた面方位(111)のp+型単結晶シリコンウエハ1
101を装着済みのさらに別の基板支持手段1103’
を基板交換室1108にセットする。
【0104】メルト1104にシリコンを溶かし込む時
と同様に、まず、水素アニール炉1117で水素アニー
ルを行う。引き続き成長炉でp-型層1003の成長を
行う。その場合、中間位置1115で基板を955℃程
度に加熱した後、メルト1104を1℃/分の割合で冷
却する。
【0105】メルト1104が950℃となったところ
で、p+型シリコンウエハ1101をメルト1104に
浸漬し、約30分間成長を行う。その間、電磁石110
9による回転磁界を例えば毎分5回で1分毎に正回転、
逆回転を繰り返す。また、同時にターンテーブル110
6も磁界の回転に同方向に毎分3回転で正回転、逆回転
を繰り返す。
【0106】その後、基板支持手段1103’をメルト
1104から引き上げ、図示しないn+型用の成長炉に
おいてn+型層1004を成長する。この場合、メルト
1104は855℃から−0.5℃/分の割合で冷却を
開始し、850℃となったところでp+型シリコンウエ
ハ1101をメルト1104に浸漬して、基板成長を開
始し3分間で終了する。
【0107】一方、n+型層1004の成長を行ってい
る間に、次のp-型層の成長炉1107でシリコンの溶
かし込みを開始し次の成長に備えることができる。
【0108】こうしてシリコンを成長したp+型シリコ
ンウエハ1101の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)
で観察して評価し、n+型層1004の厚さはSIMS
(2次イオン質量分析法)で測定した。
【0109】その結果、p+型シリコンウエハ1101
の中央と周辺から5mmの位置の厚さの差が、p-型層
1003については±10%以内に、n+型層1004
については±5%以内に収まっていた。
【0110】また、本実施形態の太陽電池の変換効率の
分布は±1%に収まり極めて良好だった。さらに本実施
形態の液相成長装置によれば、アニール炉や成長炉間の
基板の移動を大気と隔絶した状態で行えるため、大気か
ら不要な汚染を受けない。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な機構によって、基板の枚数に拘わらずムラなく高
速で被成長材を基板に成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の液相成長装置の模式的な
構成図である。
【図2】従来の液相成長装置の模式的な断面図である。
【図3】図2のメルト204をインジウム、成長する結
晶をシリコンとして、φ5インチのシリコンウエハ5枚
を1cm間隔に保って成長を行った時の成長速度の面内
分布を示す図である。
【図4】図1に示す液相成長装置で基板101にシリコ
ンをエピタキシャル成長させるときの成長速度の面内分
布図である。
【図5】図1に示す液相成長装置で磁石109の回転を
停止した状態で基板101にシリコンをエピタキシャル
成長させるときの成長速度の面内分布図である。
【図6】本発明の実施形態2の液相成長装置の模式的な
構成図である。
【図7】図6に示す液相成長装置で基板101にシリコ
ンをエピタキシャル成長させるときの成長速度の面内分
布図である。
【図8】本発明の実施形態3の液相成長装置の模式的な
構成図である。
【図9】図8に示す液相成長装置で基板101にシリコ
ンをエピタキシャル成長させるときの成長速度の面内分
布図である。
【図10】本発明の実施形態4の薄型単結晶シリコン太
陽電池の模式的な製造工程図である。
【図11】本発明の実施形態4の液相成長装置の模式的
な構成図である。
【符号の説明】
101,201,1101 基板 102,1102 基板群 103,202,1103,1103’ 基板支持手段 104,204,1104 メルト 105,203,1105 坩堝 601,1106 ターンテーブル 107,205,1107 成長炉 108,206,1108 電気炉 110,207,1110,1110’,1110”,
1111 ゲート弁 111,208,1112 ロードロック室 113,1113 基板支持手段の上下機構 1001 単結晶シリコンウエハ 1002 多孔質層 1003 エピタキシャル成長したp-層 1004 n+層 1005 熱酸化膜 1006 グリッド電極 1007 接着剤 1008 支持基板 1009 導電性の接着剤 1010 裏面電極 1011 再生されたウエハ 1117 水素アニール炉 1118 基板交換室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 庄司 辰美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浮世 典孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 西田 彰志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉野 豪人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中川 克己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 水谷 匡希 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CG02 CG05 EG05 EJ02 QA04 QA11 QA29 RA03 5F051 AA01 AA07 BA14 CB11 GA01 5F053 AA03 BB21 BB25 DD01 FF01 GG01 HH04 JJ01 LL05 RR01 RR20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に充填されている被成長材を含む
    溶融金属に基板を浸漬した状態で、前記容器の周辺に備
    えた磁力発生体と前記容器との位置を相対的に変えるこ
    とによって溶融金属を磁力によって撹拌しながら当該基
    板に前記被成長材を液相成長させることを特徴とする液
    相成長方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液相成長方法におい
    て、前記容器の周辺に磁石を備え、前記磁石と前記容器
    とを相対的に移動させることによって前記溶融金属を撹
    拌することを特徴とする液相成長法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の液相成長方法におい
    て、前記容器の周辺に複数の電磁石を備え、前記各電磁
    石に順次電磁力を生じさせることによって前記溶融金属
    を撹拌することを特徴とする液相成長法。
  4. 【請求項4】 被成長材を含む溶融金属が充填されてい
    る容器と、前記溶融金属に基板を浸漬させる浸漬手段
    と、前記容器の周辺に備えられた磁石と、前記磁石と前
    記容器とを相対的に移動させる移動手段とを有すること
    を特徴とする液相成長装置。
  5. 【請求項5】 被成長材を含む溶融金属が充填されてい
    る容器と、前記溶融金属に基板を浸漬させる浸漬手段
    と、前記容器の周辺に設けられた複数の電磁石と、前記
    各電磁石に順次電磁力を発生させる発生手段とを有する
    ことを特徴とする液相成長装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の液相成長装置を
    用いて製造された半導体装置。
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