JP2004131305A - シリコン結晶の液相成長方法、太陽電池の製造方法及びシリコン結晶の液相成長装置 - Google Patents

シリコン結晶の液相成長方法、太陽電池の製造方法及びシリコン結晶の液相成長装置 Download PDF

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Toshihito Yoshino
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    • Y02E10/546Polycrystalline silicon PV cells

Abstract

【課題】連続成長が可能で量産性の高いシリコン結晶の液相成長法、太陽電池の製造方法及びシリコン結晶の液相成長装置を提供する。
【解決手段】溶媒104に基板102を浸漬または接触させることにより、基板102上にシリコン結晶を成長させるシリコン結晶の液相成長法において、原料及び/又はドーパントを含むガスにエネルギーを付与することによりガスの少なくとも一部を分解した後に、溶媒104に供給する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコン結晶の液相成長法、太陽電池の製造方法及びシリコン結晶の液相成長装置に関し、特に連続成長が可能で量産性の高いシリコン結晶の液相成長法、それを用いた太陽電池の製造方法、及びこれらの方法に使用するシリコン結晶の液相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液相成長法は準平衡状態からの結晶成長であるため化学量論組成に近い良質の結晶が得られるという利点を有しており、GaAs等の化合物半導体で既に確立した技術としてLED(発光ダイオード)やレーザー・ダイオードなどの生産に用いられている。最近では、例えば、特開昭58−89874号公報に開示されているように、厚膜を得る目的でSiの液相成長も試みられ(特許文献1参照)、太陽電池への応用も検討されている。
【0003】
従来の液相成長法は、一般に成長用の物質を溶質として含有する溶液を冷却して過飽和状態とし、過剰溶質(成長用の物質)を基板上に析出させている。その際、基板上に溶質を析出(成長)させるに先立って、予め溶媒に溶質が飽和するまで溶解させる必要がある。
【0004】
通常、溶媒に溶質を溶解させる方法としては、溶かし込む時の温度で飽和になる分量の溶質を溶媒に混ぜておいて加熱する場合と、溶媒に溶質からなる多量の(飽和分以上の)基材を接触させた状態で加熱し、溶かし込み温度に保持して飽和させる場合とがある。前者の場合には、成長終了毎に新たに秤量した溶質を溶媒に投入するか、あるいは溶媒を溶かし込み済みの別なものと交換する。後者の場合には、成長前あるいは成長後で溶質となる基材の溶媒への出し入れが行われるが、基材が消費されて終いには出し入れに支障が生じたり、溶かし込み量が不足したりするので新たな基材との交換が必要となる。いずれにしても、原料がなくなった時点で補給のために装置を止める、あるいは成長を中断するために時間損失が生じてしまう。このように従来の方法では量産性の面で問題があった。
【0005】
気相中から直接溶媒中へ溶質を供給する方法として、Lertes(DE2238205号)はSiHガス(原料ガス)を溶媒表面に接触させることを開示している。しかしながら、この場合SiHガスは溶媒表面に平面的に接触して、かつ溶媒表面で分解/生成したSi原子が溶媒中を拡散して成長基板の表面まで到達することで、Siの供給が達成される。したがって実用的な成長レートを得るにはSiの供給量は十分であるとは言えない(特許文献3参照)。
【0006】
そこで、特開平11−292693号公報に開示されている方法、すなわち、溶媒に少なくともシリコン原子を含む原料ガスを吹き込んで該原料ガスを分解すると同時にシリコン原子を前記溶媒に溶解させることにより、前記溶媒中にシリコン原子を供給し、該溶媒に基板を浸漬または接触させることにより、該基板上にシリコン結晶を成長させることを特徴とするシリコン結晶の液相成長法、及びそれを用いた太陽電池の製造方法が提案され、連続して実用的な原料供給が可能となった(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−89874号公報
【特許文献2】
特開平11−292693号公報
【特許文献3】
独国特許発明第2238205号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−292693号公報に開示された液相成長法においても成長レートをさらに上げたり、ドーピングプロファイルを自在に変化させるためには原料及び/又はドーパントの溶媒への供給効率の向上が必要となる。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、原料及び/又はドーパントの溶媒への供給効率の向上を図ることができ、簡便で量産性の高いシリコン結晶の液相成長法、それを用いた太陽電池の製造方法、及びこれらの方法に使用するシリコン結晶の液相成長装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明に係るシリコン結晶の液相成長方法は、溶媒に基板を浸漬または接触させることにより、該基板上にシリコン結晶を成長させるシリコン結晶の液相成長法において、
原料及び/又はドーパントを含むガスにエネルギーを付与することにより前記ガスの少なくとも一部を分解した後に、前記溶媒に供給することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る太陽電池の製造方法は、シリコン層を液相成長により形成する工程を少なくとも有する太陽電池の製造方法であって、
原料及び/又はドーパントを含むガスにエネルギーを付与することにより前記ガスの少なくとも一部を分解した後に、前記溶媒に供給する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るシリコン結晶の液相成長装置は、シリコン原料を溶解する溶媒を保持する手段と、該溶媒に基板を浸漬または接触させる手段と、前記溶媒に少なくとも原料及び/又はドーパントを含むガスを供給する手段と、該ガスの供給手段の前段に前記原料及び/又はドーパントを含むガスの少なくとも一部を分解するエネルギー付与手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る第2の液相成長装置は、シリコン原子を溶解する溶媒を保持する溶媒溜と、該溶媒溜内に保持された溶媒内にガス吹き出し口を有する原料ガス導入管と、該原料ガス導入管に接続され、かつ溶媒溜の外部で該原料ガス導入管を通過するガスにエネルギーを付与するエネルギー付与室と、基板を保持するウエハカセットであって該溶媒溜内に保持された溶媒内に出し入れ自在のウエハカセットと、前記溶媒を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る第3の液相成長装置は、シリコン原子を溶解する溶媒を保持する溶媒溜と、基板上に液相成長を行う成長槽と、溶媒溜と成長槽との間で溶媒を循環させるためのパイプと、前記溶媒溜内に保持された溶媒内にガス吹き出し口を有する原料ガス導入管と、該原料ガス導入管に接続され、かつ溶媒溜の外部で該原料ガス導入管を通過するガスにエネルギーを付与するエネルギー付与室と、基板を保持するウエハカセットであって該成長槽内に保持された溶媒内に出し入れ自在のウエハカセットと、前記溶媒を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
そして、本発明に係る第4の液相成長装置は、シリコン原子を溶解する溶媒を保持する溶媒溜と、該溶媒溜に両端が接続され、両端以外に開口部を有し該溶媒を循環させるためのパイプと、該溶媒溜内に保持された溶媒内にガス吹き出し口を有する原料ガス導入管と、該原料ガス導入管に接続され、かつ溶媒溜の外部で該原料ガス導入管を通過するガスにエネルギーを付与するエネルギー付与室と、前記開口部で前記溶媒に基板が接するように該基板を保持する保持部材と、前記溶媒を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は本実施形態に限るものではない。
【0017】
図1は、本発明の液相成長法に用いられる液相成長装置の一例を模式的に示す断面図である。図1において、101はウエハカセット、102は基板(ウエハ)、103は溶媒溜(るつぼ)、104は溶媒(メルト)、105は反応生成ガス、106は原料ガス導入管、107は反応管、108は電気炉(ヒータ)、112は原料ガス導入管106に繋がるエネルギー付与手段である。また、109は原料ガス導入管106の先端部分に設けられたガス吹き出し口であり、110はゲートバルブ、111は排気口である。
【0018】
以下に、図1を用いて本発明の液相成長法及び液相成長装置について説明する。図1に示すように、カーボン製の溶媒溜(るつぼ)103内に金属からなる溶媒(以下、「金属溶媒」という)104が満たされており、るつぼ103の側壁および底面に沿って原料ガス導入管106が備えられており、原料ガス導入管の前段には原料ガス及び/又はドーパントガスを分解するためのエネルギー付与手段112が設置されている。るつぼ103の上方にはウエハ102を積載したウエハカセット101があり、上下動をすることにより金属溶媒104中へウエハ102を浸漬したり、あるいは金属溶媒104中からウエハ102を引き上げたりして成長開始処理/成長終了処理を行う。また、ウエハカセット101には回転機構も備わっており、成長中にウエハカセット101を回転させることによりウエハ面内およびウエハ間で成長膜厚を均一化させることができる。るつぼ103、原料ガス導入管106、およびウエハカセット101は反応管107内に収められ、反応管107の外側に配置された加熱手段としての電気炉108により加熱される。
【0019】
以下に、本発明の液相成長法の具体的な手順について述べる。まず、未飽和の金属溶媒104、あるいは成長終了後の金属溶媒104を所定の温度(成長温度よりも若干高い温度)にまで加熱し、安定するまで待つ。
【0020】
次に、Siの供給源として原料ガス、例えばSiHをエネルギー付与手段112を通して原料ガス導入管106に流し、るつぼ103の底面に配置された原料ガス導入管106の先端部分に開口しているガス吹き出し口109から分解された原料ガスを金属溶媒104内に噴出させ、分解された原料ガスと金属溶媒104とを接触させる。原料ガスとしてSiHを用い、エネルギー付与手段112として例えばプラズマ放電を用いた場合には、SiHはSiH、SiH、SiH、Si、H等に分解し、原料ガス導入管106を通して金属溶媒104中に供給され、すぐさまSi原子に分解して金属溶媒104に溶解する。このとき、発生するH分子により金属溶媒104が攪拌されてSi原子の溶媒中への溶解が促進されるが、攪拌機構(不図示)を別に設けて積極的に攪拌することも可能である。
【0021】
金属溶媒104中に一定時間分解された原料ガスを吹き出した後、原料ガスを止めて電気炉108を制御して徐冷を行う。成長開始温度に達したところで、ウエハカセット101を下降させて金属溶媒104中にウエハ102を浸漬させる。成長中には、ウエハカセット101を数rpmの速度で回転させて成長膜厚の均一化を図ることが好ましい。
【0022】
所定の成長時間を経たところで、ウエハカセット101を金属溶媒104から引き上げ、成長を終了する。本例では、ウエハ102はウエハカセット101内で一定の傾斜を持って配置されているので、金属溶媒104から引き上げられた時点でウエハ表面には殆ど金属溶媒104は残らないが、僅かにウエハ102とウエハカセット101が接する部分(支持部分)において金属溶媒104が残留する場合がある。このような場合、ウエハカセットを数十rpm以上の回転速度で回すことにより、残った金属溶媒104を振り切ることができる。
【0023】
続いて、ウエハカセット101を反応管107と別室の予備室(図示せず)に引き上げてウエハ102の交換を行い、上述の工程を繰り返すことで連続的に液相成長が行える。
【0024】
本発明の特徴は、原料ガス及び/又はドーパントガスと金属溶媒とを接触させて原料を溶媒中に連続的に供給する際に、予め原料ガス及び/又はドーパントガスにエネルギーを付与できるので、従来よりも分解効率が向上して溶媒への原料及びドーパントの供給効率が改善され、量産性をさらに高めることができる。
【0025】
また本発明においては、供給する原料ガスとドーパントガスの流量比を適宜変化させることによって、溶媒中のドーパント濃度を調整することができる。すなわち、結晶の成長条件によっては溶媒から成長したシリコン層中のドーパントの濃度が変化する場合があるが、このような場合にも原料ガスとドーパントガスの流量比を制御することによって、ドーパント濃度を一定の値にすることが可能である。また逆に、積極的にシリコン層中のドーパントプロファイルを変化させることもできる。
【0026】
本発明に使用される金属溶媒104を収容するための溶媒溜103の材料およびウエハ102を支持するウエハカセット101の材料としては、主に高純度カーボンあるいは高純度石英等が好適に用いられる。本発明に使用される原料ガス導入管106の材料としても、同様に高純度カーボンあるいは高純度石英等が好適に用いられ、反応管107の材料としては、高純度石英が好適に用いられる。
【0027】
使用される原料ガスとしては、SiH、Si、…Si2n+2(n:自然数)等のシラン類およびSiHCl、SiHCl、SiCl、SiH、Si等のハロゲン化シラン類が好適なものとして挙げられる。また原料ガスに添加されるドーピングガスとしては、PH、PF、AsH、SbH、B、BF、BCl、Ga(CH、Ga(C等が好適に用いられる。
【0028】
また、キャリアガスとして、あるいは結晶成長を促進させる還元雰囲気を得る目的で、前記の原料ガスに水素(H)を添加することが好ましい。前記原料ガスと水素との量の割合は、形成方法および原料ガスの種類、さらに形成条件により適宜決められるが、1:1000以上100:1以下(導入流量比)とすることが好ましく、1:100以上10:1以下とすることがさらに好ましい。
【0029】
本発明に用いられるエネルギー付与手段112としては、熱、プラズマ、触媒、光の中から選ばれる。熱としては、ヒーターを外側に配置した石英反応炉のようなものが好適に用いられる。また、プラズマをエネルギー付与手段とする場合には、通常のプラズマCVD装置のような放電装置及び反応室を備えたものが好適である。触媒を利用する場合には、電流を通して赤熱させたタングステンワイヤに原料ガス及び/又はドーピングガスを吹き付ける構造のものが好適に用いられる。さらに、光を利用する場合には、原料ガス及び/又はドーピングガスに対して光学的吸収係数が大きいような光(主に紫外光)を照射できるような石英反応炉のようなものが好適である。また、プラズマや光を用いる場合には、これらのエネルギーを原料ガス及び/又はドーピングガスに効率良く伝達するために必要に応じて他の原子や分子を反応室内に導入してもよい。このような原子や分子はプラズマや光エネルギーを一旦吸収し次に原料ガス及び/又はドーピングガスにエネルギーを受け渡して原料ガス及び/又はドーピングガスを分解させる。このようなエネルギー仲介物質として微量の水銀蒸気やアルゴンガス、Hガス等が好適に用いられる。
【0030】
本発明に用いられるエネルギー付与手段112による原料ガス及び/又はドーピングガスの分解効率の向上は、利用するエネルギー付与手段112の種類や装置構成によって変わるが、およそ数%から数十%(40〜50%以上)の範囲で可能である。
【0031】
本発明に用いられる溶媒としてはIn、Sn、Bi、Ga、Sb等の金属からなる溶媒が好適である。溶媒中に分解された原料ガス及び/又はドーピングガスを接触させてSi原子及び/又はドーパントを溶解させた後に溶媒を徐冷するか、あるいは分解された原料ガス及び/又はドーピングガスで溶媒にSi原子及び/又はドーパントを供給しながら溶媒間に温度差をつけることによりエピタキシャル成長を行う。
【0032】
また、本発明で使用される液相成長法における温度および圧力としては、形成方法および使用する原料(ガス)の種類等によって異なるが、例えば溶媒にSn,Inを用いてシリコンを成長させる場合には、600℃以上1050℃以下に溶媒の温度を制御することが望ましい。圧力については、概ね10−2Torr〜760Torrが適当であり、より好ましくは10−1Torr〜760Torrの範囲が望ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の液相成長方法により所望の結晶を成長させるところをより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0034】
〔実施例1〕
実施例1では、図1に示す構成の液相成長装置を用いて、Siのエピタキシャル層を成長させた。溶媒にIn、原料ガスにSiHを用いた。5”のSiウエハ102を5枚載置したウエハカセット101を予備室(図示せず)に待機させた状態で、In溶媒104を収容した溶媒溜103をヒータ108により加熱し、溶媒の温度を960℃一定に保った。なお、5”とは、ウエハの直径が5inchであることを意味する。
【0035】
次に、予備室に待機させていたウエハカセット101をゲートバルブ110を開いて反応管107内に導入し、溶媒溜103の直上で保持した。ゲートバルブは以後開いたままにした。
【0036】
原料ガスSiHをHガスとともに(ガス流量比 SiH:H=1:20)エネルギー付与手段112(プラズマ反応室)を通して原料ガス導入管106に流し、In溶媒104内に噴出させ、20分間これらのガスを流し続けた。プラズマ条件としては、大気圧で対向電極間に放電パワー350Wを印加した。
【0037】
ガスを流し終えた後、電気炉108を制御して反応管107内の溶媒を−1℃/minの速度で徐冷し始め、In溶媒104の温度が950℃になったところでウエハカセット101を10rpmの回転速度で回転させながら下降させてIn溶媒104中に入れ、完全にウエハカセット101がIn溶媒104中に浸漬したところで下降を止め、その位置を保持して回転させながら液相成長を60分間行った。
【0038】
その後、ウエハカセット101をIn溶媒104中から引き上げ、溶媒溜103の直上で一旦停止して、回転数を120rpmまで上げてウエハカセットに一部残留したInを振り切って液相成長を終了した。
【0039】
走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による断面観察の結果、成長したエピタキシャルシリコン層の厚さは約15μmであり、結晶性も良好であることが確認された。
【0040】
〔比較例1〕
比較のためエネルギー付与手段112を用いないで、その他は実施例1と同一条件で原料ガスをIn溶媒104内に噴出させた場合、20分では十分な量をIn溶媒に供給することはできず、溶媒をSiで飽和させるのに30分以上を要した。
【0041】
〔実施例2〕
実施例2では、図1に示す構成の液相成長装置を用いて、Siのエピタキシャル層を成長させると同時に不純物ドープを行った。溶媒にIn、原料ガスにSiH、不純物ドーピングガスにBを用いた。5”のSiウエハ102を5枚載置したをウエハカセット101を予備室(図示せず)に待機させた状態で、In溶媒104を収容した溶媒溜103を電気炉108により加熱し、溶媒の温度を960℃一定に保った。
【0042】
次に、予備室に待機させていたウエハカセット101をゲートバルブ110を開いて反応管107内に導入し、溶媒溜103の直上で保持した。ゲートバルブは以後開いたままにした。
【0043】
原料ガスSiH及びドーピングガスBをHガスとともに(ガス流量比 SiH:H=1:20、B/SiH=0.01)エネルギー付与手段112(プラズマ反応室)を通して原料ガス導入管106に流し、In溶媒104内に噴出させ、20分間これらのガスを流し続けた。プラズマ条件としては、大気圧で対向電極間に放電パワー350Wを印加した。
【0044】
ガスを流し終えた後、電気炉108を制御して反応管107内の溶媒を−1℃/minの速度で徐冷し始め、In溶媒104の温度が950℃になったところでウエハカセット101を10rpmの回転速度で回転させながら下降させてIn溶媒104中に入れ、完全にウエハカセット101がIn溶媒104中に浸漬したところで下降を止め、その位置を保持して回転させながら液相成長を60分間行った。
【0045】
その後、ウエハカセット101をIn溶媒104中から引き上げ、溶媒溜103の直上で一旦停止して、回転数を120rpmまで上げてウエハカセットに一部残留したInを振り切って液相成長を終了した。
【0046】
走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による断面観察の結果、成長したエピタキシャルシリコン層の厚さは約15μmであり、結晶性も良好であることが確認された。
【0047】
〔比較例2〕
比較のためエネルギー付与手段112を用いないで、その他は実施例2と同一条件で原料ガスをIn溶媒104内に噴出させた場合、20分では十分な量をIn溶媒に供給することはできず、溶媒をSiで飽和させるのに30分以上を要した。
【0048】
また、エネルギー付与手段112を用いて成長したシリコン層中に含まれる不純物(ドーパント)Bの量と、エネルギー付与手段112を用いないで成長したシリコン層中に含まれるそれとを2次イオン質量分析法により比較したところ、エネルギー付与手段を用いた方が2桁程高い濃度のBが検出された。このことから、本発明の液相成長方法により従来よりも成長シリコン層へのドーピング効率が向上することが明らかとなった。
【0049】
〔実施例3〕
実施例3では、図5に示す構成の液相成長装置を用いて、Siのエピタキシャル層を成長させると同時に不純物ドープを行った。溶媒にIn、原料ガスにSiH、不純物ドーピングガスにPHを用いた。5”のSiウエハ502を5枚載置したをウエハカセット501を予備室(図示せず)に待機させた状態で、In溶媒504を収容した溶媒溜503をヒータ508により加熱し溶媒の温度を960℃一定に保った。
【0050】
次に、予備室に待機させていたウエハカセット501をゲートバルブ510を開いて反応管507内に導入し、溶媒溜503の直上で保持した。ゲートバルブは以後開いたままにした。
【0051】
原料ガスSiHをHガスとともに(ガス流量比 SiH:H=1:20)エネルギー付与手段512(プラズマ反応室)を通して、またドーピングガスPHをHガスとともに(ガス流量比 PH:H=1:10、PHとSiHが合流した後の流量比PH/SiH=0.01)エネルギー付与手段513(プラズマ反応室)を通してそれぞれ原料ガス導入管506に流し、In溶媒504内に噴出させ、20分間これらのガスを流し続けた。プラズマ条件としては、エネルギー付与手段512(原料ガスSiH+Hガス)及びエネルギー付与手段513(ドーピングガスPH+Hガス)ともに大気圧で対向電極間に放電パワー350Wを印加した。
【0052】
ガスを流し終えた後、ヒータ508を制御して反応管507内の溶媒を−1℃/minの速度で徐冷し始め、In溶媒504の温度が950℃になったところでウエハカセット501を10rpmの回転速度で回転させながら下降させてIn溶媒504中に入れ、完全にウエハカセット501がIn溶媒504中に浸漬したところで下降を止め、その位置を保持して回転させながら液相成長を60分間行った。
【0053】
その後、ウエハカセット501をIn溶媒504中から引き上げ、溶媒溜503の直上で一旦停止して回転数を120rpmまで上げてウエハカセットに一部残留したInを振り切って液相成長を終了した。
【0054】
走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による断面観察の結果、成長したエピタキシャルシリコン層の厚さは約15μmであり、結晶性も良好であることが確認された。
【0055】
また、エネルギー付与手段513のプラズマ条件を変更して(放電パワー20W)その他は上述と同一条件でシリコン層の成長を行った。エネルギー付与手段512及び513のプラズマ条件を同一(放電パワー350W)にして成長したシリコン層中に含まれる不純物(ドーパント)Pの量と、エネルギー付与手段512と513のプラズマ条件を変えて(512の放電パワー350W、513の放電パワー20W)にして成長したシリコン層中に含まれるそれとを2次イオン質量分析法により比較したところ、前者の方が3桁程高い濃度のPが検出された。このことから、本発明の液相成長方法によれば、成長シリコン層へのドーピング濃度の制御が容易になり広範囲に渡ってドーピングプロファイルを付けることが可能となった。
【0056】
〔実施例4〕
実施例4では、図3に示す構成の液相成長装置を用いて、機械的攪拌手段(撹拌機構)を併用して溶質を溶媒に溶解させSiのエピタキシャル層を成長させた。溶媒にIn、原料ガスにSiHClを用いた。攪拌機構312を予備室(図示せず)に待機させた状態でIn溶媒304を収容した溶媒溜303を電気炉308により加熱し溶媒の温度を960℃一定に保った。
【0057】
次に、予備室に待機させていた攪拌機構312をゲートバルブ310を開いて反応管307内に導入し、溶媒溜303の直上で保持した。ゲートバルブは以後開いたままにした。
【0058】
原料ガスSiHClをHガスとともに(ガス流量比SiHCl:H=1:100)エネルギー付与手段314(ヒーターを外側に配置した石英反応炉)を通して原料ガス導入管306に流し、In溶媒304内に噴出させた。このとき、エネルギー付与手段314のヒーター温度は1050℃とした。
【0059】
攪拌機構312を20rpmの回転速度で回転させながら下降させてIn溶媒304中に入れ、その羽根313がIn溶媒中に充分に浸漬したところで下降を止め、その位置を保持して攪拌しながら15分間ガスを流し続けた。
【0060】
ガスを流し終えた後、攪拌機構312を引き上げて予備室まで引き上げた後、今度は5”のSiウエハ302を5枚載置したウエハカセット301を予備室から反応管307内に導入し、溶媒溜303の直上で10分間保持した。
【0061】
電気炉308を制御して反応管307の溶媒を−1.5℃/minの速度で徐冷し始め、In溶媒304の温度が950℃になったところでウエハカセット301を10rpmの回転速度で回転させながら下降させてIn溶媒304中に入れ、完全にウエハカセット301がIn溶媒304中に浸漬したところで下降を止め、その位置を保持して回転させながら液相成長を45分間行った。
【0062】
その後、ウエハカセット301をIn溶媒304中から引き上げ、溶媒溜303の直上で一旦停止して、回転数を120rpmまで上げてウエハカセットに一部残留したInを振り切って液相成長を終了した。なお、図3中、305は反応生成ガス、309はガス吹き出し口、311は排気口である。
【0063】
走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による断面観察の結果、成長したエピタキシャルシリコン層の厚さは約15μmであり、結晶性も良好であることが確認された。
【0064】
〔比較例3〕
比較のためエネルギー付与手段314を利用しないで、その他は実施例4と同一条件で原料ガスをIn溶媒304内に噴出させた場合、15分では十分な量をIn溶媒に供給することはできず、溶媒をSiで飽和させるのに20分以上を要した。
【0065】
〔実施例5〕
実施例5では、図2に示す装置を用いて、Siのエピタキシャル層を成長させた。溶媒にSn、原料ガスにSiHを用いた。
【0066】
図2に示す装置は、石英製の溶媒溜214と、この溶媒溜214の片側側面から出て、基板(ウエハ)202を載置したウエハカセット201が浸漬される成長槽203を通って再び溶媒溜214のもう一方の側面にもどる石英製のパイプ209a、210、209bとが電気炉207内に配置されている。パイプ209a、209bは熱交換器になっている。溶媒溜214と熱交換器209bはさらにヒータブロック208で囲まれ、独立に温度制御ができるようになっている。211は循環用のロータ、212はゲートバルブ、215はエネルギー付与手段、206は原料ガス導入管、213は排気口である。また、204は溶媒、205は反応生成ガスである。
【0067】
水素雰囲気中で十分純化したSnを溶媒204として溶媒溜214、成長槽203および石英パイプ209a、210、209b内に満たし、電気炉207内温度を950℃一定にしておき、ヒータブロック208により溶媒溜214の温度がヒータブロック208外の電気炉207内の温度よりも10℃高くなるように設定して溶媒204をロータ211を用いて循環させた。
【0068】
充分時間が経ったところで、予め5”のp(100)Siウエハ(p型ドーパントが比較的多くドープされており、主面が(100)の面方位を有するウエハ)202を5枚載置したウエハカセット201をゲートバルブ212を開いて予備室(図示せず)から成長槽203内に導入し、Sn溶媒204の直上で保持しながら、原料ガスSiHをHガスとともに(ガス流量比 SiH:H=1:30)エネルギー付与手段215(タングステンワイヤを配置した反応室)を通して原料ガス導入管206に流し、溶媒溜214内のSn溶媒204中に噴出させ、ガスを流し続けた。このとき、タングステンワイヤには電流を流して1600℃に加熱し、この加熱したワイヤに原料ガスSiHとHガスを吹き付けた。
【0069】
20分間経過したところで、ウエハカセット201を10rpmの回転速度で回転させながら下降させて成長槽203内のSn溶媒204中に入れ、完全にウエハカセット201がSn溶媒204中に浸漬したところで下降を止め、その位置を保持して回転させながら液相成長を60分間行った。
【0070】
ウエハカセット201をSn溶媒204中から引き上げ、Sn溶媒204の直上で一旦停止して、回転数を150rpmまで上げてウエハカセット201に一部残留したSnを振り切って液相成長を終了した。
【0071】
走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による断面観察の結果、成長したエピタキシャルシリコン層の厚さは約20μmであり、結晶性も良好であることが確認された。
【0072】
〔比較例4〕
比較のためエネルギー付与手段215を利用しないで、その他は実施例5と同一条件で液相成長を行ったところ、成長したエピタキシャルシリコン層の厚さは約15μm程度であり、上述のエネルギー付与手段215を用いた場合の方が成長膜厚は厚かった。
【0073】
〔実施例6〕
実施例6では、図4に示す装置を用いて、多結晶Si基板上にSi層を成長した。溶媒にIn+Ga(Ga含有量:0.1atm%)、原料ガスにSiを用いた。キャスト法により形成した多結晶Siを幅40mm、長さ250mm、厚さ0.6mmに加工し、表面研磨した後に洗浄したものを基板とした。
【0074】
図4に示す装置は、カーボン製の溶媒溜414と、この溶媒溜414の片側側面から出て、複数の基板401を載置したスライダ402に開口部403で接して、再び溶媒溜414のもう一方の側面にもどるカーボン製の平型のパイプ409a、410、409bとが電気炉407内に配置されている。パイプ409a、409bは熱交換器になっている。溶媒溜414と熱交換器409bはさらにヒータブロック408で囲まれ、独立に温度制御ができるようになっている。411は循環用のロータ、415はエネルギー付与手段、406は原料ガス導入管、413は排気口である。また、404は溶媒、405は反応生成ガスである。
【0075】
水素雰囲気中で十分純化したIn+Gaを溶媒404として溶媒溜414および平型パイプ409a、410、409b内に満たし、予めスライダ402の位置を調整してSi基板401が平型パイプの開口部403において溶媒404と接しないようにしておき、電気炉407内温度を950℃一定に保つと同時に、ヒータブロック408により溶媒溜414の温度がヒータブロック408外の電気炉407内の温度よりも10℃高くなるように設定して、溶媒404をロータ411を用いて循環させた。このときの開口部403の長さは100mm、溶媒404の循環速度は40mm/分とした。なお、本実施例では、3枚のSi基板をスライダ上においた。
【0076】
次に、原料ガスSiをエネルギー付与手段415(UV(紫外光)照射装置のついた合成石英反応室)を通して原料ガス導入管406に流し、In+Ga溶媒404内に噴出させ、ガスを流し続けた。このとき、合成石英反応室内にArFエキシマレーザーにより193nmの波長のUV(出力32W:パルスエネルギー180mJ)を原料ガスSiに照射した。30分間経ったところで、スライダ401を送り速度20mm/分で送りながら開口部403において多結晶Si基板402をIn+Ga溶媒404と接触させて液相成長を行った。複数の多結晶Si基板402が全て開口部403を通過し終わったところでスライダ401の送りを止め、液相成長を終了した。
【0077】
走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による断面観察の結果、成長したSi層の厚さは約20μmであった。また、成長したSi層の方位についてECP(Electron Channeling Pattern)法により調べたところ、下地の多結晶Si基板における各々のグレインの結晶方位を受け継いでいることが分かった。このように基板を送りながら、結晶Si層を連続して成長させられることが示された。
【0078】
なお、実施例6ではスライダ上に載置された基板を用いた場合を示したが、例えば表面にSi層を付着したウエブ状基板を溶媒に接触させてRoll−to−Rollで基板を一方向に送りながらSi層を連続成長させることも可能である。
【0079】
〔実施例7〕
実施例7では、n/p型薄膜単結晶太陽電池を本発明の液相成長法を用いて作製した。
【0080】
まず、図1に示す装置を用いて、実施例1と同様にして500μm厚のpSiウエハ(ρ=0.01Ω・cm)上にエピタキシャルSi層を成長した。原料ガスSiHにドーピングガスGa(CHを添加してHガスとともに(ガス流量比 SiH:H=1:20、Ga(CH/SiH=0.03)エネルギー付与手段112(プラズマ反応室)を通して原料ガス導入管106に流した点及びIn溶媒104の除冷速度を−2℃/minとした点以外は実施例1と全く同じにした。
【0081】
成長したSi層の膜厚を段差計等で評価したところ、約30μmであった。成長したSi層の一部を2次質量分析法により調べたところ、Si層中には2〜3×1016/cm程度のGaが検出された。
【0082】
次に、成長したSi層の表面にPOClを拡散源として900℃の温度でPの熱拡散を行ってn層を形成し、0.5μm程度の接合深さを得た。形成されたn層表面のデッド層をウェット酸化後、エッチングにより除去し、約0.2μmの適度な表面濃度をもった接合深さを得た。
【0083】
最後に、EB(Electron Beam)蒸着により集電電極(Ti/Pd/Ag(40nm/20nm/2μm))/SiN反射防止膜(82nm)をn層上に、また裏面電極(Al(1μm))を基板裏面にそれぞれ形成して太陽電池とした。
【0084】
このようにして得られた薄膜単結晶Si太陽電池について、AM1.5(100mW/cm)光照射下でのI−V特性について測定したところ、セル面積4cmで開放電圧0.61V、短絡光電流34mA/cm、曲線因子0.78となり、エネルギー変換効率16.2%を得た。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シリコン結晶液相成長法において、連続原料供給が可能でかつ原料ガス及び/又はドーパントを含むガスの分解効率を上げられるので結晶成長のスループットを向上させることができる。また、本発明は厚みを必要とするデバイス、特に太陽電池の量産方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液相成長装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明に係る液相成長装置の一例であるシリコンの溶かし込みと液相成長とを同時に行なうことができる装置を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明に係る液相成長装置の一例である機械的撹拌手段を有する装置を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明に係る液相成長装置の一例である基板と溶媒とが開口部で接する装置を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明に係る液相成長装置の一例である2つのエネルギー付与手段を有する装置を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
102、202、302、401 基板(ウエハ)
101、201、301 ウエハカセット
103、214、303、414 溶媒溜(るつぼ)
203 成長槽
104、204、304、404 溶媒(メルト)
105、205、305、405 反応生成ガス
106、206、306、406 原料ガス導入管
107、307 反応管
108、207、308、407 電気炉(加熱手段)
208、408 ヒータブロック
109、309 ガス吹き出し口
110、212、310 ゲートバルブ
111、213、311、413 排気口
112、215、314、415、512、513 エネルギー付与手段
209a、209b、409a、409b 熱交換器(パイプ)
210、410 パイプ
211、411 ロータ
312 攪拌機構
313 羽根
402 スライダ
403 開口部

Claims (33)

  1. 溶媒に基板を浸漬または接触させることにより、該基板上にシリコン結晶を成長させるシリコン結晶の液相成長法において、
    原料及び/又はドーパントを含むガスにエネルギーを付与することにより前記ガスの少なくとも一部を分解した後に、前記溶媒に供給することを特徴とするシリコン結晶の液相成長方法。
  2. 前記エネルギーが熱、プラズマ、触媒、光から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  3. 前記原料及び/又はドーパントを含むガス、該原料及び/又はドーパントを含むガスを分解することにより生じるガス、及び該原料及び/又はドーパントを含むガスとともに前記溶媒に供給されるガスのうち、少なくとも1種によって前記溶媒と前記原料及び/又はドーパントとを攪拌することを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  4. 機械的手段を用いて前記溶媒と前記原料及び/又はドーパントとを攪拌することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  5. 前記溶媒として金属からなる溶媒を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  6. 前記金属がIn、Sn、Bi、Ga、Sbの少なくとも1種から選ばれることを特徴とする請求項5に記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  7. 前記原料を含むガスがSiHからなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  8. 前記原料を含むガスがSi2n+2(nは2以上の整数)からなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  9. 前記原料を含むガスがハロゲン化シランからなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  10. 前記ドーパントを含むガスがPH、PF、AsH、B、BF、BCl、Ga(CH、Ga(Cから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のシリコン結晶の液相成長方法。
  11. シリコン層を液相成長により形成する工程を少なくとも有する太陽電池の製造方法であって、
    原料及び/又はドーパントを含むガスにエネルギーを付与することにより前記ガスの少なくとも一部を分解した後に、前記溶媒に供給する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  12. 前記エネルギーが熱、プラズマ、触媒、光から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項11に記載の太陽電池の製造方法。
  13. 前記原料及び/又はドーパントを含むガス、該原料及び/又はドーパントを含むガスを分解することにより生じるガス、該原料及び/又はドーパントを含むガスとともに前記溶媒に供給されるガスのうち、少なくとも1種によって前記溶媒と前記原料及び/又はドーパントとを攪拌することを特徴とする請求項11または12に記載の太陽電池の製造方法。
  14. 機械的手段を用いて前記溶媒と前記原料及び/又はドーパントとを攪拌することを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  15. 前記溶媒として金属からなる溶媒を用いることを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  16. 前記金属がIn、Sn、Bi、Ga、Sbから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項15記載の太陽電池の製造方法。
  17. 前記原料ガスがSiHからなることを特徴とする請求項11から16のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  18. 前記原料ガスがSi2n+2(nは2以上の整数)からなることを特徴とする請求項11から16のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  19. 前記原料ガスがハロゲン化シランからなることを特徴とする請求項11から16のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  20. 前記ドーパントを含むガスがPH、PF、AsH、B、BF、BCl、Ga(CH、Ga(Cから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項11から19のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  21. 前記シリコン層を液相成長により形成する工程の後に、n型層を形成する工程を有することを特徴とする請求項11から20のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  22. 前記シリコン層の一部にドーパントを拡散させることによりn型層を形成することを特徴とする請求項21に記載の太陽電池の製造方法。
  23. シリコン原料を溶解する溶媒を保持する手段と、該溶媒に基板を浸漬または接触させる手段と、前記溶媒に少なくとも原料及び/又はドーパントを含むガスを供給する手段と、該ガスの供給手段の前段に前記原料及び/又はドーパントを含むガスの少なくとも一部を分解するエネルギー付与手段と、を有することを特徴とするシリコン結晶の液相成長装置。
  24. シリコン原子を溶解する溶媒を保持する溶媒溜と、該溶媒溜内に保持された溶媒内にガス吹き出し口を有する原料ガス導入管と、該原料ガス導入管に接続され、かつ溶媒溜の外部で該原料ガス導入管を通過するガスにエネルギーを付与するエネルギー付与室と、基板を保持するウエハカセットであって該溶媒溜内に保持された溶媒内に出し入れ自在のウエハカセットと、前記溶媒を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とするシリコン結晶の液相成長装置。
  25. 前記溶媒内へ出し入れ自在の機械攪拌手段を有することを特徴とする請求項24に記載のシリコン結晶の液相成長装置。
  26. シリコン原子を溶解する溶媒を保持する溶媒溜と、基板上に液相成長を行う成長槽と、溶媒溜と成長槽との間で溶媒を循環させるためのパイプと、前記溶媒溜内に保持された溶媒内にガス吹き出し口を有する原料ガス導入管と、該原料ガス導入管に接続され、かつ溶媒溜の外部で該原料ガス導入管を通過するガスにエネルギーを付与するエネルギー付与室と、基板を保持するウエハカセットであって該成長槽内に保持された溶媒内に出し入れ自在のウエハカセットと、前記溶媒を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とするシリコン結晶の液相成長装置。
  27. 前記溶媒溜内の溶媒の温度と前記成長槽内の溶媒の温度とを異ならしめる手段を有することを特徴とする請求項26に記載のシリコン結晶の液相成長装置。
  28. 前記溶媒溜内の溶媒の温度と前記成長槽内の溶媒の温度とを異ならしめる手段が該溶媒溜を囲むヒータブロックからなることを特徴とする請求項27に記載のシリコン結晶の液相成長装置。
  29. 前記パイプの少なくとも一部が熱交換器となっていることを特徴とする請求項26から28のいずれかに記載のシリコン結晶の液相成長装置。
  30. シリコン原子を溶解する溶媒を保持する溶媒溜と、該溶媒溜に両端が接続され、両端以外に開口部を有し該溶媒を循環させるためのパイプと、該溶媒溜内に保持された溶媒内にガス吹き出し口を有する原料ガス導入管と、該原料ガス導入管に接続され、かつ溶媒溜の外部で該原料ガス導入管を通過するガスにエネルギーを付与するエネルギー付与室と、前記開口部で前記溶媒に基板が接するように該基板を保持する保持部材と、前記溶媒を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とするシリコン結晶の液相成長装置。
  31. 前記溶媒溜内の溶媒の温度と前記開口部近傍での溶媒の温度とを異ならしめる手段を有することを特徴とする請求項30に記載のシリコン結晶の液相成長装置。
  32. 前記溶媒溜内の溶媒の温度と前記開口部近傍での溶媒の温度とを異ならしめる手段が該溶媒溜を囲むヒータブロックからなることを特徴とする請求項31に記載のシリコン結晶の液相成長装置。
  33. 前記パイプの少なくとも一部が熱交換器となっていることを特徴とする請求項30から32のいずれかに記載のシリコン結晶の液相成長装置。
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