JP5019398B2 - 薄板の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池用などに用いられる薄板の製造方法、製造装置、薄板および太陽電池に関し、さらに詳しくは、原料融液に下地板を浸漬させた後に該下地板を原料融液から脱出させて、原料融液の凝固により下地板上に薄板を形成する薄板の製造方法、製造装置、薄板および太陽電池に関する。
太陽電池の作製などに用いられるシリコン基板(薄板)は、例えば、特開平11−21120号公報(特許文献1)、特開平11−92284号公報(特許文献2)に開示されているようなキャスト法により製造されている。キャスト法は、坩堝内で溶融したシリコンを坩堝底面から徐々に冷却することによってシリコン融液を固化させ、坩堝底面から上方に向けて成長した長い柱状結晶構造を主体とするインゴット(凝固塊)を製造する方法である。
しかし、キャスト法は、インゴットにクラックを生じさせないようにして成長させるために、また半導体品質確保の観点から、一つのシリコンインゴットの製造には数十時間もの長時間を要する。そして、インゴットからシリコン基板を切り出すスライス工程にも長時間を要し、マルチワイヤーソーによるスライス技術を用いても数十時間を要する。したがって、キャスト法を利用したシリコン基板の作製において、大幅なコストの低減を行うことは困難な状況にある。
他方、スライスが不要なウエブ(web)法やEFG(edge-defined film-fed growth)法によるシリコンリボンの成長方法も研究されている。また、近年ではより速い成長を目指して、シリコン融液から直接的に薄板状のシリコンリボンを作製するRGS(ribbon growth on substrate)法が注目されるようになっている(26thPVSC,1997,pp.91−93)。
RGS法の原理は、凝固成長面に近い面からの高速熱移動(抜熱)によってシリコンリボンの高速成長を行うものである。具体的には、溶融シリコンの側部周囲を支える側部支持枠に対してその開放下面を支える下面支持平板を冷却しながら相対的に横方向に移動させることにより、その下面支持平板上にシリコンリボンを高速成長させる。しかし、RGS法などのリボン製造方法では、凝固相の安定成長自体に課題が多く、シリコンリボンの結晶化状態の制御の問題をも含み、太陽電池などに実用化され得る安定な半導体特性を有するシリコンリボンが得られる段階にはない。
さらに別のシリコン基板の製造方法としては、シリコン融液に下地板を浸漬させて液相からの凝固によって直接的にシート状のシリコン基板を得る方法(シート形成法)が知られており、例えば、特開2006−176382号公報(特許文献3)、特開2004−250282号公報(特許文献4)、特開2001−247396号公報(特許文献5)、特開2001−223172号公報(特許文献6)、特開2002−289544号公報(特許文献7)、特開平10−29895号公報(特許文献8)等に種々の基板を用いたシート形成法が開示されている。しかし、図9に示すように、従来のシリコン基板の製造方法においては、シリコン融液4に下地板1を浸漬した後、下地板1をシリコン融液4から脱出させる際に、最後にシリコン融液と接触している下地板の端部において液だれ401が生じるため薄板2の形成に悪影響を与える場合があった。
特開平11−21120号公報 特開平11−92284号公報 特開2006−176382号公報 特開2004−250282号公報 特開2001−247396号公報 特開2001−223172号公報 特開2002−289544号公報 特開平10−29895号公報
本発明は、シート形成法を用いた薄板の製造において、下地板を原料融液から脱出させる際に、形成途中の薄板が融液液面から受ける影響を小さくし、薄板を効率よく製造する方法を提供することを課題とする。
本発明は、シリコン融液に下地板を浸漬させた後に該下地板をシリコン融液から脱出させて、シリコン融液の凝固により該下地板上に薄板を形成する薄板の製造装置であって、前記下地板の表面に形成された薄板がシリコン融液から脱出し終えるときの下地板の移動速度が、前記下地板がシリコン融液に没入し始めるときの下地板の移動速度に比べて大きくなるように、前記下地板の速度を制御する制御手段を備えた薄板の製造装置である。
前記下地板の表面に形成された薄板がシリコン融液から脱出し終えるときの下地板の移動速度は、前記下地板がシリコン融液に没入し始めるときの下地板の移動速度の1.1から5倍であることが好ましい。
前記下地板が少なくともシリコン融液に没入し始めてから前記下地板の表面に形成された薄板がシリコン融液から脱出し終えるまでの間、該下地板が円弧状の軌道を移動することが好ましい。
前記下地板がシリコン融液に没入し始めるときから前記下地板の表面に形成された薄板がシリコン融液から脱出し終えるときまでの間において、該下地板の加速度を800mm/S2から2000mm/S2にすることが好ましい。
前記下地板が前記原料融液に浸漬されており、前記下地板が水平となっている状態から、前記下地板の表面に形成された薄板が原料融液から脱出し終えるときの間において前記下地板を加速させることが好ましい。
前記下地板の表面に形成された薄板がシリコン融液から脱出し終えるときの該下地板の移動速度を100mm/S以上にすることが好ましい。
また、本発明は、シリコン融液に下地板を浸漬させた後に該下地板をシリコン融液から脱出させて、シリコン融液の凝固により下地板上に薄板を形成する薄板の製造方法であって、前記下地板の表面に形成された薄板がシリコン融液から脱出し終えるときの下地板の移動速度が、前記下地板がシリコン融液に没入し始めるときの下地板の移動速度に比べて大きい、薄板の製造方法である。
本発明は、さらに、上記の製造装置を用いて得られる薄板およびその薄板を備えた太陽電池にも関する。
本発明の製造装置を用いることによって、形成途中の薄板が液面から受ける影響を小さくすることができ、効率的に良質な薄板を製造することが可能となる。
シート形成法を用いた基板製造装置の一例を示す側断面図である。 図2に示される基板製造装置の動作状態を示す側断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る浸漬軌道を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る浸漬軌道を示す図である。 本発明の第三の実施形態の一例を説明するための断面模式図である。 本発明の第三の実施形態の別の例を説明するための断面模式図である。 本発明の第四の実施形態の一例を説明するための図である。(A)、(B)は同じ下地板の斜視図であり、(C)は薄板の斜視図である。 本発明の第四の実施形態に係る浸漬軌道を示す図である。 従来のシート形成法を説明するための模式図である。
<第一の実施形態>
本発明の薄板の製造装置および製造方法は、主として、シリコン融液に下地板を浸漬させた後に該下地板をシリコン融液から脱出させて、シリコン融液の凝固により下地板上に薄板を形成する薄板の製造方法(シート形成法)において適用されるものである。
(シート形成法)
シート形成法の一例について基本的な手順を図1および図2を用いて以下に説明する。
図1に示す薄板製造装置は、主室15内に、坩堝3および坩堝を加熱して原料となるシリコンを溶融するための加熱機構(図示せず)を有する。坩堝3には、加熱機構によって溶融したシリコン融液4が貯留され、そのシリコン融液4に下地板1の表層部を浸漬させる浸漬機構6が配置されている。主室15には不活性ガスが導入される。
主室15の外壁に取り付けられた昇降機構9には懸垂支柱10が接続されている。昇降機構9内のモータによって、懸垂支柱10は昇降動作を行なうことが可能である。懸垂支柱10は、主室15内へと貫通している。貫通部は、パッキンや磁性流体シールなどによって、主室内外を隔離し、主室内に外気が混入することを防いでいる。懸垂支柱10の先には、回転モータ軸8を有する回転機構11が接続されている。回転機構11の下には、主軸支柱12が2本接続されており、主軸支柱12の下端には主軸13が水平方向に貫通している。この主軸13と、回転機構内のモータ軸とは、動力伝達機構14によって接続されているため、主軸13は回転機構11によって回転動作を行なうことが可能である。動力伝達機構14は、チェーンや、ベルト、ギアなどを使用することができる。主軸13には台座支持部7が接続しており、その先に台座5が接続されている。台座5は、下地板1を保持する部材である。
次に、図1および2を用いて、下地板1をシリコン融液4に浸漬し、下地板表面に薄板2を製造する方法を説明する。浸漬機構6が下地板1を把握した後、昇降機構9によって浸漬機構6全体を下降しつつ、回転機構11によって台座5を回転させることで、下地板1を矢印602のように動作させ、下地板交換位置601からシリコン融液4に浸す位置へ移動させる。そのまま、昇降機構9の昇降動作と回転機構11の回転動作を用いて、矢印603のように下地板1をシリコン融液4へ浸し、下地板1の表面に薄板2を形成する。この後、薄板2を付着させた下地板1は矢印604のようにシリコン融液4から取出される。この後、薄板2を付着させた下地板1は、矢印605のように昇降動作および回転動作によって、下地板交換位置601に戻る。
一連の動作のうち、昇降動作は矢印606によって示される。
また、シート形成法においては、薄板を形成させる下地板の初期温度はシリコン融点(1415℃)よりも低い温度範囲であること、適当な厚さのグラファイト材料を用いることによって下地板の熱容量を適切にすること、シリコン融液への下地板の浸漬時間を最適厚さの薄板が得られるよう制御すること、さらには、下地板の表面の微細凹凸形状によりシリコン溶液の固化を制御する等の基本的条件を設定することが好ましく、これらの条件を設定することにより、下地板の表面上に多結晶薄板を高速かつ安定に形成することができる。
シート形成法に用いられる下地板の材質としては、例えば、グラファイトや、その表面に炭化珪素を熱CVD法で形成した下地板を用いることができ、このほかにも、窒化珪素のようなセラミックスや高温に耐える耐熱性金属や、セラミックスを部分的もしくは全面的にコートしたカーボン、セラミックス、または耐熱金属も使用することができる。
下地板の表面には、下地板の回転方向に沿った溝、または規則的もしくは不規則に配置した微細凹凸面などが形成されていてもよい。下地板の表面に形成された溝や微細凹凸面は、薄板の成長を制御する機能を有する。
薄板製造時におけるシリコン融液の温度は、シートの成長条件との兼ね合い等に応じて、通常、過冷却温度の1380℃以上からより高温の1600℃までの範囲内(例えば、1450℃)に設定され得る。シリコン融液液面が規定の高さになった後に、下地板の表面がシリコン融液に浸漬される。
本発明の薄板の製造装置は、上述したようなシート形成法において、前記下地板の表面に形成された薄板がシリコン融液から脱出し終えるときの下地板の移動速度が、前記下地板がシリコン融液に没入し始めるときの下地板の移動速度に比べて大きくなるように、前記下地板の速度を制御する制御手段を備えたことを特徴としている。制御手段は、上記の制御を実行できる手段であれば特に限定されないが、例えば、図1の浸漬機構6における回転機構11や昇降機構9による軌道制御などが挙げられる。本発明の特徴について、図3を用いて説明する。
図3は、シート形成法における下地板1の浸漬工程を示す模式的な図面である。図3に示すように下地板1は台座5に取り付けられ、シリコン融液4に浸漬されることで必要な厚さの薄板2が形成された後に、シリコン融液4から取り出される。
本発明は、このような工程において、下地板1の移動速度を変化させるように制御することを特徴とするものである。具体的には、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるとき(下地板が1(c)の状態のとき)の下地板1の移動速度が、下地板1がシリコン融液4に没入し始めるとき(下地板が1(a)の状態のとき)における下地板1の移動速度よりも早くなるように制御される。
なお、下地板1がシリコン融液4に没入し始めるときとは、下地板1の一部がシリコン融液4に接触するときであり、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるときとは、薄板2の後端がシリコン融液4から離脱したときを意味するものとする。
なお、ここで定義する「とき」とは厳密にその瞬間を意味するものではなく、下地板1をある特定の加速度によって望むべき移動速度にできる範囲内で、その前後の一定の時間の幅を有するものである。つまり、下地板1がその状態となった瞬間に移動速度を制御する必要は無く、下地板1がシリコン融液4に没入後、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるまでの間に下地板1を加速させればよい。
このような制御を行うことにより、薄板2がシリコン融液4から脱出する速度が早くなるため、シリコン融液4の液切れがよくなり、液だれから受ける悪影響が小さくなる。よって、液だれの影響によって下地板上の形成途中の薄板2がシリコン融液4の張力により引っ張られ、下地板1から剥がれ落ちてしまったり、薄板末端部に融液が固まってしまい、薄板2の形状が悪化するなどの薄板の形成において液だれによって生じる悪影響を小さくすることができる。
また本発明の製造装置においては、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるときの下地板1の移動速度をどの程度大きくするかは、シート形成法に用いる下地板1の全体形状、表面形状および冷却温度、シリコン融液の温度等の種々の条件に応じて、変動するものであり一律に規定することはできない。
しかし、その速度は液だれから受ける影響が小さくなるように(太陽電池製造時において薄板特性の悪化がみられたり、製造工程での不具合が発生しない程度)速度(加速)を各々の条件での試作実験等により適宜設定することができる。
一般的な条件のシート形成法においては、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるときの下地板1の移動速度が、下地板1がシリコン融液4に没入し始めるときの移動速度の1.1〜3倍であることが好ましく、さらに好ましくは1.1〜5倍である。また、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるときの下地板1の移動速度は100mm/S以上が望ましい。
また本発明の製造装置において、下地板1をシリコン融液4に没入させてから脱出させるまでの間(下地板1がシリコン融液4と接触している間(1(b)の状態のとき)に下地板1を移動させる軌道は、特に限定されるものではなく、直線状の軌道であっても曲線状の軌道であってもよい。
下地板1を移動するための機構を簡略化するためには、下地板1が円弧状の軌道を移動することが好ましく、通常、その円弧の中心はシリコン融液4と間隔を空けた上部に位置する。また、特開2000−176382号公報(特許文献6)に開示された機構のように下地板1をシリコン融液4中で直線的に移動させる方法等においても、本発明の製造装置を適用することが可能である。
また下地板1がシリコン融液4に没入し始めるときから薄板2がシリコン融液4を脱出し終えるときまでの間において、シリコン融液液面402に揺れが生じるのを防ぐため、また薄板2を安定した状態で結晶成長させるために、下地板1の移動速度の変化は緩やかであることが好ましい。シリコン融液液面402に揺れが生じることによっても薄板2の特性は悪化してしまうためである。よってこの間の下地板1の加速度は1500mm/S2以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1000mm/S2以下であればよい。
また、本発明の製造装置において、大きな速度で下地板1がシリコン融液4に接触すると、シリコン融液液面402に生じる揺れが大きくなることから、下地板1がシリコン融液4に没入し始めるときの下地板1の移動速度は80mm/S以下であることが好ましい。
<第二の実施形態>
次に第一の実施形態と浸漬工程において下地板の移動速度を調整する点では一致するが、その移動速度を制御するタイミングが異なるものを説明する。
本実施形態の薄板の製造装置は、形成された薄板がシリコン融液から脱出し終えるときの下地板の移動速度が、下地板がシリコン融液から脱出する準備状態に入ったときの下地板の移動速度に比べて大きいことを特徴としている。以下、本実施形態の特徴について、図4を用いて説明する。
図4に示すように下地板1は1(d)の状態でシリコン融液4に浸漬され始め、1(e)の状態で下地板1を水平に維持し、薄板2を下地板1の表面に形成しながら、1(f)においてシリコン融液4から薄板2を取り出すための準備状態に入り、1(g)において薄板2をシリコン融液4から脱出させ、薄板2を取り出す。
本実施形態は、このような浸漬工程において、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるとき(下地板が1(g)の状態の時)の下地板1の移動速度が、下地板1がシリコン融液4から脱出する準備状態(1(e)から1(g)の間)の間に下地板1を加速させるように制御される。
なお、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるときとは、薄板2の後端がシリコン融液4から離脱したときを意味するものとする。下地板1がシリコン融液4から脱出する準備状態になるときとは、薄板形成工程(1(e))において下地板1が水平となっている状態から、薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるとき(1(g))の間である。
このような制御を行うことにより、薄板形成工程(1(e))において、第一の実施形態に比して下地板1の移動速度を小さくすることによって良好な結晶を成長させることができる。
本実施形態においても薄板2がシリコン融液4から脱出し終えるときの下地板の移動速度は様々な条件によって適宜決定されるものであるが、一般的な条件のシート形成法においては、第一の実施形態に比して大きな加速度が必要である。
これより、薄板がシリコン融液から脱出し終えるときの下地板の移動速度は、下地板がシリコン融液から脱出する準備状態となったときの下地板の移動速度の1.1〜3倍であることが好ましく、さらに好ましくは1.1〜5倍である。
以上に説明したように、本実施形態においても、液だれの影響によって生じる薄板の形成における悪影響を小さくすることができる。
<第三の実施形態>
本発明の製造装置は種々のシート形成法に適用することができ、バッチ処理、連続処理のいずれにも適用することができる。例えば、上記特許文献3(特開2006−176382号公報)および図1、2に記載される装置や、特許文献4(特開2004−250282号公報)に記載される装置のように、単独の下地板をシリコン融液に浸漬させる装置を用いたシート形成法に適用できる。また、上記特許文献5〜7(特開2001−247396号公報、特開2001−223172号公報、特開2002−289544号公報)に記載されるような、回転体上に設けた複数の下地板を順次シリコン融液に浸漬させる装置を用いたシート形成法に適用することもできる。
具体例として、図5に本発明が適用されるシート形成法に用いられる製造装置の一例の断面模式図を示す。図5に示す製造装置は、回転軸に接続された3本の支持体を備えた三本足型回転体16の各支持体の先端に下地板(1A、1Bなど)が設けられており、三本足型回転体16が矢印の方向に回転することにより、下地板が順次坩堝3内のシリコン融液4に浸漬されるようになっている。
本発明の製造装置においては、この三本足型回転体16の回転速度を一定とするのではなく、周期的に変化させるように調整する。例えば、前述した第二の実施形態のように下地板の移動速度を制御するのであれば、図5(a)に示すように下地板がシリコン融液4から脱出する準備状態に入ったときから、図5(b)に示すように下地板がシリコン融液4から脱出し終える状態までの間において、三本足型回転体16の回転速度を上げ(加速する)、図5(b)の状態の後に三本足型回転体16の回転速度を下げて、再び図5(a)の状態となるまでの間は一定の速度を保つといった回転速度の制御を行う。
ここで、このような複数の下地板が回転体に装着され、各下地板について独自にその移動速度を制御することができず、全ての下地板が同一の移動速度で移動する場合は制御を行うタイミングとその隣接する下地板間の間隔が重要となってくる。つまり下地板1Aと1Bの間隔が接近しており、下地板1Aがシリコン融液4から脱出し終える前に下地板1Bがシリコン融液4に没入してしまうほど接近している場合は適用できなくなってしまう。
よって隣接する下地板1Aと1Bの間隔は、先行する下地板1Aがシリコン融液4から脱出し終えるときに、追走する下地板1Bの移動速度を制御するタイミング(第一の実施形態であればシリコン融液4に没入してからの一定期間、第二の実施形態であればシリコン融液4からの脱出準備の状態)にならないように適宜設計される必要がある。
また、図6に示すドラム状等の回転体上に複数の下地板が設けられた薄板製造装置を用いる場合であっても同様に、隣接する下地板の間に十分な間隔を有するように下地板が配置されていることが必要である。
図6は、ドラム型回転体17に複数の下地板(1C、1Dなど)が設けられた装置を示しており、矢印の方向にドラム型回転体17が回転することにより下地板が順次坩堝3内のシリコン融液4に浸漬される。ここで、図6は下地板1Cがシリコン融液から脱出し終えるときの状態を示しており、このときに次の下地板1Dはシリコン融液4に浸漬されていない状態にあり、このように各下地板が十分な間隔を有するものであれば第一の実施形態に係る発明を適用することが可能である。
<第四の実施形態>
本実施形態は、特定の形状を有する下地板を用いることにより第二面を有する薄板を形成させ、形成後に第二面をレーザー等で切除して薄板を得るものである。
ここで、特定の形状を有する下地板とは、例えば、図7(A)、(B)の斜視図に示した形状の下地板1であり、この下地板を図4(A)の矢印Pの方向を進行方向とし下地板第一面101と下地板第2面102をシリコン融液4に浸漬させる。
図8に示すように、特定の形状を有する下地板1を坩堝3内のシリコン融液4に浸漬させ、下地板1の表面に薄板2を形成させる。このとき、図7(C)に示すような第二面202を有する薄板2が得られる。
このような形状の下地板を用いることにより、下地板第1面と下地板第2面に薄板2が形成され、形成された薄板2が下地板1に引っかかった状態になるため、大きな加速度をかけても形成された薄板2が脱落することなくシリコン融液4から脱出させることができる。上記特定の形状を有する下地板とは、このように形成された薄板を引っ掛けることができる種々の形状を意味する。
本実施形態において、下地板1を浸漬させる浸漬軌道は、下地板第一面101は完全に全体がシリコン融液4に浸漬されているものの、下地板第二面102は全体がシリコン融液4に浸漬していても良いし、一部がシリコン融液4に浸漬するように浸漬軌道を調整しても良い。
下地板第二面102を完全にシリコン融液4に浸漬させることによっては、薄板第二面202が下地板に引っかかる強さを強くすることができ、また下地板第二面102の一部をシリコン融液4に浸漬させることによっては、ある一定の薄板2が下地板1に引っかかる強さを維持しつつも、最終的に切断される薄板第二面202を少なくすることができ、余分なシリコン融液を消耗しなくてよくなる。
このような形状の下地板を用いる場合、シリコン融液中を下地板が移動する速度の大小や加速度の大きさを幅広く設定することができ、別の観点からすれば、下地板の速度制御を厳密に行わずとも安定して薄板を製造することができる。
また、薄板第二面はシートを下地板から剥がす際に把持具で掴むために利用することもできる。下地板から剥がされた後、薄板第二面はレーザー等を用いて切断されることにより、薄板の製品を得ることができる。
本発明は、さらに上記の製造方法を用いて得られる薄板およびその薄板を備えた太陽電池にも関するものであり、本発明の方法を用いて得られる薄板は、種々公知の方法により太陽電池の製造に用いることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B,1C,1D 下地板、101 下地板第1面、102 下地板第2面、2 薄板、201 薄板第一面、202 薄板第二面、3 坩堝、4 シリコン融液、401 液だれ、402 シリコン融液液面、5 台座、6 浸漬機構、601 下地板交換位置、7 台座支持部、8 回転モータ軸、9 昇降機構、10 懸垂支柱、11 回転機構、12 主軸支柱、13 主軸、14 動力伝達機構、15 主室、16 三本足型回転体、17 ドラム型回転体。

Claims (7)

  1. 原料融液に下地板を浸漬させた後に該下地板を原料融液から脱出させて、原料融液の凝固により該下地板上に薄板を形成する薄板の製造装置であって、
    前記下地板の表面に形成された薄板が原料融液から脱出し終えるときの前記下地板の移動速度が、前記下地板が原料融液に没入し始めるときの下地板の移動速度に比べて大きくなるように、前記下地板の速度を制御する制御手段を備えた薄板の製造装置。
  2. 前記下地板の表面に形成された薄板が原料融液から脱出し終えるときの下地板の移動速度は、前記下地板が原料融液に没入し始めるときの下地板の移動速度の1.1から5倍であることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
  3. 前記下地板が少なくとも原料融液に没入し始めてから前記下地板の表面に形成された薄板が原料融液から脱出し終えるまでの間、該下地板が円弧状の軌道を移動することを特徴とする請求項1または2に記載の製造装置。
  4. 前記下地板が原料融液に没入し始めるときから前記下地板の表面に形成された薄板が原料融液から脱出し終えるときまでの間において、該下地板の加速度を800mm/S2か
    ら2000mm/S2に制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造
    装置。
  5. 前記下地板が原料融液に浸漬されており、前記下地板が水平となっている状態から、前記薄板が原料融液から脱出し終えるときの間において前記下地板を加速させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造装置。
  6. 前記下地板が原料融液から脱出し終えるときの該下地板の移動速度を100mm/S以上に制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造装置。
  7. 原料融液に下地板を浸漬させた後に該下地板を原料融液から脱出させて、原料融液の凝固により下地板上に薄板を形成する薄板の製造方法であって、
    前記下地板の表面に形成された薄板が原料融液から脱出し終えるときの下地板の移動速度が、前記下地板が原料融液に没入し始めるときの下地板の移動速度に比べて大きくなるように、前記下地坂の速度を制御することを特徴とする薄板の製造方法。
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