JP2010278402A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸のあるシリコン基板に電極を印刷する際のワレを防止し、低いコストで、高い歩留まりの太陽電池を提供すること。
【解決手段】本発明の太陽電池は、一方の面に第1の凹凸を有する第1の主面と、その反対側の面に第2の凹凸を有する第2の主面を具備し、前記第1の凹凸が前記第2の凹凸よりも大きいものであるシリコン基板を用いた太陽電池であって、前記シリコン基板の前記第1の主面は、周囲端に接する部位である周縁部および太陽電池の電気出力を取り出す部位である出力取出部を有し、前記第1の主面の、前記周縁部と前記出力取出部を除くほぼ全面に裏面電極が形成されたことを特徴とする太陽電池である。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池およびその製造方法に関するものである。
太陽電池セルの材料としては、化合物半導体や有機材料やアモルファスシリコンなどが用いられることもあるが、最も多く用いられているのは結晶シリコンである。結晶シリコン太陽電池は、現在のところ最も量産の技術が確立されており、また市場にも普及している。
結晶シリコン太陽電池の材料となる、結晶シリコンウエハ(結晶シリコン基板)は通常シリコンインゴットから切り出すことによって作製されている。しかしながら、インゴットからシリコン基板を切り出す作業には、シリコンの切りしろが発生し、これが材料の無駄となってしまう。
そこで、こうしたインゴットから切り出す工程を経ずにシリコン基板を作製する方法として、リボン法が一般に知られている。リボン法とは、溶融したシリコンから直接シリコン基板を作製する方法全般の名称として使用されるが、実際には複数の方法があり、このことに関しては、例えば非特許文献1に詳しく記載されている。リボン法は、インゴットからシリコン基板を作製する際に発生するような材料の無駄がない点が優れている。
しかしながら、非特許文献2や非特許文献3および特許文献1に記載されているように、リボン法によって製造されたシリコン基板の面内厚みは一般的に不均一となることが知られている。こうしたシリコン基板の面内の厚みの不均一性は、太陽電池製造工程において歩留まりを低くする原因となる。具体的には、太陽電池の電極を形成する工程において、量産レベルで最も多く用いられているスクリーン印刷法を適用しようとすると、シリコン基板のワレが発生してしまうことがあった。
非特許文献3および特許文献1においては、このようなシリコン基板のワレを、あらかじめシリコン基板を平坦化することによって抑制している。しかしながら、このような付加的な工程は高コストにつながる。
特開2003−152201号公報
G.Hahnほか,「Review on ribbon silicon techniques for cost reduction in PV」,4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion、2006年,p.972 J.Horzelほか,「Towards optimum wafer thickness, area throughput, average efficiency and yield in EFG wafer and solar cell processing」,21st European photovoltaic Solar Energy Conference,2006年,p.655 U.Hessほか,「Impact of the crystal structure on solar cell parameters of ribbon growth on substrate (RGS) solar cells」,23rd European photovoltaic Solar Energy Conference,2008年,2CV.4.59
本発明は、凹凸のあるシリコン基板に電極を印刷する際のワレを防止し、低いコストで、高い歩留まりの太陽電池を提供することを課題とする。
本発明の太陽電池は、表面に凹凸を持ったシリコン基板を用いており、このシリコン基板のより凹凸の大きい面側に、ほぼ全面に渡って金属電極が被覆されていることを特徴とする。
すなわち本発明の太陽電池は、一方の面に第1の凹凸を有する第1の主面と、その反対側の面に第2の凹凸を有する第2の主面を具備し、上記第1の凹凸が上記第2の凹凸よりも大きいものであるシリコン基板を用いた太陽電池であって、上記シリコン基板の上記第1の主面は、周囲端に接する部位である周縁部および太陽電池の電気出力を取り出す部位である出力取出部を有し、上記第1の主面の、上記周縁部と上記出力取出部を除くほぼ全面に裏面電極が形成されたことを特徴とする太陽電池である。
ここで、上記第1の凹凸と第2の凹凸の大小関係が、算術平均粗さRaによる値の大小関係であることが好ましく、第1の凹凸の算術平均粗さRaが30μm以上60μm以下であることが特に好ましい。
また、本発明の太陽電池の製造方法は、一方の面に第1の凹凸を有する第1の主面と、その反対側の面に第2の凹凸を有する第2の主面を具備し、上記第1の凹凸が上記第2の凹凸よりも大きいものであるシリコン基板を準備する工程と、上記シリコン基板の上記第1の主面に、周囲端に接する部位である周縁部および太陽電池の電気出力を取り出す部位である出力取出部を除く、ほぼ全面に裏面電極を形成する裏面電極形成工程と、上記第2の主面に受光面電極を形成する受光面電極形成工程とを含む、太陽電池の製造方法であって、上記裏面電極形工程が、上記第1の主面の、上記周縁部と上記出力取出部を除くほぼ全面に金属ペーストを塗布する裏面電極塗布工程と、上記金属ペーストを少なくとも乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴とする、太陽電池の製造方法である。
ここで、上記第1の凹凸と第2の凹凸の大小関係が、算術平均粗さRaによる値の大小関係であることが好ましく、金属ペーストを塗布する裏面電極塗布工程がスクリーン印刷によるものであることが特に好ましい。
本発明によれば、凹凸のあるシリコン基板を用いて太陽電池を作製する場合でも電極印刷時のワレを防ぐことができ、歩留まりを向上させ、結果的に製造コストを低くすることが出来る。また、従来必要であったような凹凸を平坦化する工程を必要としないため製造コストを削減することができる。
本発明の太陽電池の製造方法における一実施形態の製造工程を示す概略断面図である。 本発明の実施例でシリコン基板の製造に用いられる下地板とシリコン基板の概略斜視図である。
<太陽電池の製造方法>
本発明の太陽電池の製造方法を、図面を用いて説明するが、この説明により本発明が限定されるものではない。
図1(a)〜(f)は、本発明の太陽電池の製造方法における一実施形態の製造工程を示す概略断面図である。以下、各工程について詳細に説明する。
(1) シリコン基板を準備する工程
(シリコン基板の製造)
本発明に用いられるシリコン基板は、一方の主面であり第1の凹凸を有する第1の主面と、その反対側の主面であり第2の凹凸を有する第2の主面を具備し、上記第1の凹凸が上記第2の凹凸よりも大きいものであるシリコン基板である。シリコン基板の製造方法は、このようなシリコン基板を得ることができる方法であれば特に限定されないが、例えば、特開2001−223172号公報に記載される製造方法などを用いることができる。
得られたシリコン基板には、必要に応じてエッチング処理を施し、シリコン基板1の表面にテクスチャと呼ばれる微細な凹凸構造を形成してもよい。ここで、テクスチャは、入射した光を太陽電池の受光面側で多重反射させることで、より効果的に光を取り込むための構造である。
(シリコン基板表面の凹凸の評価)
本発明においては、図1(a)に示すような、表面に凹凸を持ったp型結晶シリコン基板1が使用される。ここで、p型結晶シリコン基板1の凹凸は周期的なものであることが好ましい。リボン法によって製造されるシリコン基板の場合には、意図的に凹凸構造を周期的にすることで結晶成長を制御することが可能となる場合があるためである。
まず、表面に凹凸を持ったp型結晶シリコン基板1において、2つの主面のうち、どちらの面がより凹凸が大きいかを判断する。2つの主面とは、結晶シリコン基板の表裏の両面のことであり、例えば、図1の1aおよび1bの面である。
ここで、シリコン基板の凹凸の大きさを評価するために、算術平均粗さRaという指標を用いた。算術平均粗さRaはJIS規格で規定されており、それによれば、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さ(L)だけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、次の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 2010278402
また、粗さ曲線を測定する方法としては、プローブ等をシリコン基板に直接接触させる接触式の測定器を用いてもよいし、非接触式の測定器を用いてもよい。非接触式の測定器として、静電容量方式やレーザ干渉方式などがあるが、どの測定方法を用いてもよい。また、シリコン基板をダイサー等で切断し、断面を直接光学顕微鏡で観察することによって評価を行なってもよい。
p型結晶シリコン基板は、結晶シリコン基板であれば特に限定されず、例えば単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板のいずれであってもよい。シリコン基板の抵抗値や結晶方位などは特に限定されない。
また、様々な製造工程を経る前に、p型結晶シリコン基板の表面の洗浄や表面ダメージ層の除去を目的として、強アルカリ水溶液、強酸水溶液などでp型結晶シリコン基板を処理するのが好ましい。さらに、入射した光を光電変換素子の受光面側で多重反射させることで、より効果的に光を取り込むためのテクスチャ構造を形成することを目的として、あらかじめ、アルカリ溶液あるいは酸溶液でp型結晶シリコン基板を処理するのが好ましい。なお、テクスチャ構造によるシリコン基板の面内の凹凸は一般にせいぜい10μm程度の大きさであり、本発明で取り扱うシリコン基板の面内の凹凸よりもずっと小さく、それ自体が電極形成プロセスを困難にすることはない。
(pn接合形成工程)
次に、図1(b)に示すように、p型結晶シリコン基板1の表面上に、n型半導体層2を形成してpn接合とする。このとき、シリコン基板の凹凸がより小さい面(第2の主面1a)にn型半導体層2を形成する。
n型半導体層2は、公知の方法、例えばp型結晶シリコン基板にn型の不純物をドーピングするか、CVD法などによりp型結晶シリコン基板上に別途n型半導体層を形成することによって形成することができる。n型の不純物は、リン、ヒ素のような5族元素が挙げられる。n型半導体層のシート抵抗は、20〜200Ω/□の範囲にあるのが好ましい。
n型の不純物のドーピング方法は、特に限定されないが、例えば、オキシ塩化リン(POCl3)などの5族の化合物を含んだ溶液を700〜1000℃の高温炉中でガス状にしてp型結晶シリコン基板に拡散させる方法(気相拡散法)、五酸化リン(P2O5)などの5族元素の化合物を含んだ溶液(例えば、五酸化リンのイソプロピルアルコール溶液)をp型結晶シリコン基板上に滴下し、スピンコーターにより均一に塗布し、その後温度700〜1000℃の高温炉に投入し、表面に付着した5族元素をp型結晶シリコン基板に拡散させる方法などが挙げられる。
(反射防止膜形成工程)
次に、図1(c)に示すように、太陽光などの光を有効に取り込むために、n型半導体層上に、反射防止膜3を形成する。反射防止膜3の材料および形成方法は、公知の材料および方法を適用できるが、量産レベルで最も広く用いられているのは窒化シリコン膜である。窒化シリコン膜の厚さは、膜の屈折率やp型結晶シリコン基板の表面凹凸の大きさにより適宜設定すればよいが、通常60〜100nm程度である。
(2) 裏面電極形成工程
次に、図1(d)に示すように、p型結晶シリコン基板1の2つの主面のうち凹凸が大きい面(第1の主面1b)上に、裏面電極4を形成する。この裏面電極4は、p型結晶シリコン基板1内で発生したキャリアを電流として取り出すために利用される。
(裏面電極塗布工程)
その材料および形成方法は、公知の材料および方法を適用できる。量産レベルにおいて、コストを低減できるという観点からは、アルミニウムペーストをスクリーン印刷方で塗布するのが望ましい。
スクリーン印刷は次のように行なう。所望の電極パターンの部分だけ網目が貫通しており、他の部分では網目は硬化した乳剤によって塞がれているスクリーンマスク上にペースト材料を広げ、プラスチック、ゴムなどからなるスキージで押圧し、走査する。すると、スクリーンマスクに形成されたパターン形状に応じてシリコン基板上にアルミニウムペーストが押し出される。なお、アルミニウムペーストとは、アルミニウム粉末などを含んだ導電性ペーストのことである。
これらの方法で、アルミニウムペーストを太陽電池の裏面(第1の主面1b)のほぼ全面に塗布(印刷)する。なお、ここで言う「ほぼ全面」とは、p型結晶シリコン基板1の第1の主面1bのうち周縁部および出力取出部を除いた領域のことであり、通常はp型結晶シリコン基板1の第1の主面1bの面積の90%以上を占める。本発明において、周縁部とは、シリコン基板の周囲端に接する部位であり、例えば、周囲端から1〜3mm程度の領域などである。また、出力取出部とは、太陽電池の電気出力を取り出す部位であり、通常は周縁部内に位置する部位である。
(乾燥工程)
次に、アルミニウムペーストが塗布されたp型結晶シリコン基板1を温度100〜400℃で乾燥させることにより、裏面電極4を得ることができる。得られる裏面電極の厚さは、通常10〜60μm程度である。
(3) 受光面電極形成工程
次に、図1(e)に示すように、反射防止膜3上に、受光面電極5を形成する。その材料および形成方法は、公知の材料および方法を適用できる。例えば、スクリーン印刷法により、銀粉末、ガラス粉末、有機質ビヒクルおよび有機溶媒とを主成分とする導電性ペーストを反射防止膜3上に塗布(印刷)し、温度100〜400℃で乾燥させることにより、受光面電極5を得る。
受光面電極5のパターンは特に限定されず、一般に太陽電池に用いられるパターンであれば特に限定されない。例えば、魚骨型(櫛形状)が挙げられる。受光面電極の厚さは、通常10〜60μm程度である。
(4) 受光面電極のファイアスルーおよび裏面電界層形成工程
上記工程の後、図1(f)に示すように、p型結晶シリコン基板1を焼成して、受光面電極5をファイアスルーさせ、かつp型結晶シリコン基板と裏面電極との界面に裏面電界層6を形成するのが好ましい。上記工程の後、図1(f)に示すように、p型結晶シリコン基板1を焼成して、受光面電極5をファイアスルーさせ、かつp型結晶シリコン基板と裏面電極との界面に裏面電界層6を形成するのが好ましい。
ファイアスルーとは、p型結晶シリコン基板1を焼成する際に、受光面電極5に添加されているガラス粉末の作用で反射防止膜3が破られることによって起こる現象である。これにより受光面電極5をp型結晶シリコン基板1に接触させることができる。
裏面電界層6は、基板1を焼成する際に、裏面電極4に含まれるアルミニウムの一部がp型結晶シリコン基板1に拡散された領域のことであり、これによりp型結晶シリコン基板1内部で発生したキャリアの収集効率を向上させることができる。焼成条件は、温度600〜900℃の範囲、焼成時間1〜300秒間程度が好ましい。
<太陽電池>
上述のように、本発明の太陽電池は、一方の主面であり第1の凹凸を有する第1の主面と、その反対側の主面であり第2の凹凸を有する第2の主面を具備し、上記第1の凹凸が上記第2の凹凸よりも大きいものであるシリコン基板を用いた太陽電池である。なお、上記シリコン基板は、周囲端に接する部位である周縁部および太陽電池の電気出力を取り出す部位である出力取出部を有している。
本発明の太陽電池は、上記第1の主面の、周縁部と出力取出部を除くほぼ全面に裏面電極が形成されたことを特徴としている。
第1の凹凸と第2の凹凸の大小関係を評価する基準は特に限定されず、種々公知の評価方法を用いることができるが、算術平均粗さRaによる値の大小関係で評価することが好ましい。第1の凹凸の算術平均粗さRaは、30μm以上60μm以下であることが好ましい。また、第2の凹凸の算術平均粗さRaは、15μm以上28μm以下であることが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、実施例により本発明が限定されるものではない。
<実施例>
本実施例では、p型結晶シリコン基板1を用いて、図1(a)〜(f)に示される製造工程により、太陽電池を作製した。そして、本発明は太陽電池の歩留まりを改善することを目的とするものであるため、以下に示す製造工程によって10枚の太陽電池を作製し、その歩留まりを評価した。
(1) シリコン基板を準備する工程
(シリコン基板の製造)
まず、特開2001−223172号公報の実施例3に記載の方法で作製されたp型結晶シリコン基板1(面積:150mm×150mm、厚さ:350μmの)を準備した。この時、表面に結晶シリコンを成長させるために用いる下地板としては、その表面が図2(b)に示すような凹凸部の凸部が点状の凸部71のみで構成されている下地板7を用い、図2(a)に示すような周期的な凹凸を有する形状のp型結晶シリコン基板1が得られた。該下地板の点状の凸部のピッチは、0.1mmであり、溝の深さは0.1mmであった。
次に、上記のp型多結晶シリコン基板1をHNO3/HF混合溶液で処理して、両面合わせて10μm程度をエッチングして、表面の洗浄を行なった(図示せず)。次いで、NaOH水溶液による異方性エッチングを行い、p型多結晶シリコン基板1の表面にテクスチャと呼ばれる微細な凹凸構造を形成した(図示せず)。
(凹凸の評価)
次に、得られた結晶シリコン基板の凹凸の大きさを評価した。シリコン基板の凹凸を測定するのには、触針式表面形状測定器を用い、算術平均粗さRaを得た。この方法でシリコン基板の凹凸の大きさを評価したところ、本実施例に使用した10枚のシリコン基板の一方の面(第2の主面1a)の算術平均粗さRaは15μm以上28μm以下の範囲であり、他方の面(第1の主面1b)の算術平均粗さRaは30μm以上60μm未満の範囲であった。
(n型半導体層形成工程)
次いで、五酸化リンのイソプロピルアルコール溶液(濃度15g/L)をp型結晶シリコン基板1の主面のうち、より凹凸の小さい方の面(第2の主面1a)に滴下し、スピンコーターにより均一に塗布した。その後、p型結晶シリコン基板1を900℃の高温炉に15分間投入し、図1(b)に示すように、光電変換素子(p型結晶シリコン基板1)の受光面(第2の主面1a)側にn型半導体層2を形成した。
(反射防止膜形成工程)
次いで、p型結晶シリコン基板1をプラズマCVD装置の真空室内に搬入し、図1(c)に示すように、n型半導体層2上に反射防止膜3として、膜厚約80nmの窒化シリコン膜を形成した。
窒化シリコン膜の成膜時の混合ガス流量比は、モノシラン:アンモニア:窒素=1:2:12とした。
(2) 裏面電極形成工程
(裏面電極塗布工程)
次いで、図1(d)に示すように、スクリーン印刷法によりp型結晶シリコン基板1の裏面(第1の主面1b)上にアルミニウムペーストを印刷した。スクリーン印刷時のスキージの押圧は0.12MPa、スキージの移動速度は60mm/sとした。このとき、裏面電極のパターンは、p型結晶シリコン基板1外周より1.5mm内側に入った148.5mm角の矩形とした。なお、ここで用いたアルミニウムペーストは、導体物質としてアルミニウムを70重量パーセント含み、印刷性を付与するための樹脂ならびに溶剤を混合、分散したものである。
(乾燥工程)
その後、p型結晶シリコン基板1を温度150℃で十分に乾燥させて、厚さ40μmのアルミニウムの裏面電極4を得た。
(3) 受光面電極形成工程
次いで、図1(e)に示すように、スクリーン印刷法によりp型結晶シリコン基板1に製膜された反射防止膜4上に、銀粉末、ガラス粉末、有機質ビヒクルおよび有機溶媒を主成分とする銀ペーストを魚骨型のパターンで印刷し、温度150℃で十分に乾燥させて、厚さ30μmの銀の受光面電極5を得た。なお、魚骨型のパターンは、バスバー電極(メイングリッド)とフィンガー電極(サブグリッド)とで形成されており、フィンガー電極が2本のバスバー電極に垂直に配置されているものを用いた。
(4) ファイアスルーおよび裏面電界層形成工程
次いで、近赤外線炉を用いてp型結晶シリコン基板1を温度850℃で120秒間焼成して、図1(f)に示すように、受光面電極5をファイアスルーさせ、かつp型結晶シリコン基板1と裏面電極4との界面に裏面電界層6を形成し、太陽電池を得た。
<比較例>
本比較例では、上記実施例とは逆の面に裏面電極を形成した太陽電池を10枚作製した。すなわち、まず実施例と同様の方法で凹凸の大きさを評価し、n型半導体層をp型結晶シリコン基板1の凹凸の大きい方の面(第1の主面1b)に形成した。その後の裏面電極の形成工程においては、凹凸の小さい方の面(第2の主面1a)にスクリーン印刷を行なった。その他は実施例と同じ製造工程を用いて太陽電池を作製した。
上記の、本実施例により10枚の太陽電池を作製し、製造工程においてシリコン基板のワレが発生したかどうかを調べた。シリコン基板のワレが発生した場合にはその工程も調べ、それらの結果を表1にまとめた。
Figure 2010278402
表1の結果から、表面に凹凸を持った結晶シリコン基板であっても、実施例のように、凹凸の大きい面(第1の主面)のほぼ全面に金属電極を被覆した場合には、製造工程においてワレを抑制できることがわかる。
一方、より凹凸の小さい面(第2の主面)のほぼ全面に金属電極を被覆した場合には、ほとんどのシリコン基板でワレが発生し、太陽電池を作製することができなかった。
実施例のような太陽電池の場合、より凹凸の大きい面(第1の主面)に金属電極をスクリーン印刷等によって被覆する際は、より凹凸の小さい面(第2の主面)が印刷ステージに接することになるため、ワレが発生する確率が低くなる。さらに、その反対側の面に電極を形成する際には、金属電極が全面にわたって被覆された面が印刷ステージに接することになるため、金属電極がクッションの役割をはたすことによって、凹凸のあるシリコン基板のワレを防ぐことができる。
比較例の場合は、より凹凸の小さい面(第2の主面)に金属電極を印刷する際には、より凹凸の大きい面(第1の主面)が印刷ステージに接することになるため、印刷の際にシリコン基板にかかる圧力が、シリコン基板の凸部分に集中的にかかることになり、ワレの発生する確立が高くなってしまう。
以上より、表面に凹凸を持ったシリコン基板の、より凹凸の大きい面(第1の主面)側に、ほぼ全面に渡って金属電極が被覆している太陽電池およびその製造方法によって、製造コストを高くすることなく、歩留まりを向上させることができることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 p型結晶シリコン基板、1a 第2の主面、1b 第1の主面、2 n型半導体層、3 反射防止膜、4 裏面電極、5 受光面電極、6 裏面電界層。

Claims (6)

  1. 一方の面に第1の凹凸を有する第1の主面と、その反対側の面に第2の凹凸を有する第2の主面を具備し、前記第1の凹凸が前記第2の凹凸よりも大きいものであるシリコン基板を用いた太陽電池であって、
    前記シリコン基板の前記第1の主面は、周囲端に接する部位である周縁部および太陽電池の電気出力を取り出す部位である出力取出部を有し、
    前記第1の主面の、前記周縁部と前記出力取出部を除くほぼ全面に裏面電極が形成されたことを特徴とする太陽電池。
  2. 前記第1の凹凸と第2の凹凸の大小関係が、算術平均粗さRaによる値の大小関係である、請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記第1の凹凸の算術平均粗さRaが30μm以上60μm以下である、請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 一方の面に第1の凹凸を有する第1の主面と、その反対側の面に第2の凹凸を有する第2の主面を具備し、前記第1の凹凸が前記第2の凹凸よりも大きいものであるシリコン基板を準備する工程と、
    前記シリコン基板の前記第1の主面に、周囲端に接する部位である周縁部および太陽電池の電気出力を取り出す部位である出力取出部を除く、ほぼ全面に裏面電極を形成する裏面電極形成工程と、
    前記第2の主面に受光面電極を形成する受光面電極形成工程とを含む、太陽電池の製造方法であって、
    前記裏面電極形工程が、前記第1の主面の、前記周縁部と前記出力取出部を除くほぼ全面に金属ペーストを塗布する裏面電極塗布工程と、前記金属ペーストを少なくとも乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴とする、太陽電池の製造方法。
  5. 前記第1の凹凸と第2の凹凸の大小関係が、算術平均粗さRaによる値の大小関係である、請求項4に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記金属ペーストを塗布する裏面電極塗布工程がスクリーン印刷によるものである請求項4または5に記載の太陽電池の製造方法。
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