JP2009084149A - 板状シリコン製造用直線加工部材、下地板製造方法ならびに下地板、板状シリコンならびに太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコン融液に下地板1を接触させて、該下地板表面上にシリコン結晶を成長させるための下地板の加工部材であって、凹凸形状部3を下地板上に形成可能な刃7を有する直線加工部材6を用いて、下地板1の頂部表面を60°の角度を付けられた2つの直線状に切削することにより、凹凸形状部を形成することができる。例えば、互いに60度の角をなす2方向(α1,β1方向)への直線状加工を行うことで作製した下地板1の凸部4の形状は四角錐となり、前記2方向(α1,β1)と互いに60度の角をなす方向(γ1)にも直線状加工を施すことで、六角錐形状の凸部4を持つ下地板1が作製可能である。
【選択図】図3
Description
本発明における、板状シリコンの製造用下地板について、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明における板状シリコンの製造用下地板の概略図であって、(A)は、当該下地板の斜視図であり、(B)は、当該下地板の拡大正面図であり、(C)は、当該下地板表面の凹凸形状部の拡大斜視図である。
本発明の板状シリコンの製造方法で用いる製造装置の一例を、図4を用いて説明する。しかしながら、本発明の板状シリコンを得る装置は、これに限定されるものではない。
次に、図4を用いて、上記本発明における板状シリコンの製造装置を用いた板状シリコンの製造方法について説明する。
比抵抗が2.0Ω・cmになるようにボロン濃度を調整したシリコン原料を、高純度カーボン製るつぼに保護された石英製るつぼ内に入れ、図4に示されるように、チャンバー内に当該るつぼを固定した。
次に得られた板状シリコンを用いて、低コスト太陽電池作製プロセスで、太陽電池の作製を行った。ここでいう低コスト太陽電池作製プロセスとは、電極形成をアルミペーストや銀ペーストのスクリーン印刷で形成するプロセスを意味している。ここではpn接合を持った太陽電池の例を示すが、他の構造、たとえばMIS構造などにも応用可能である。得られた板状シリコンをレーザーで切断し、50mm×50mmの板状シリコンを取り出した。次に、硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチングおよび洗浄を行い、その後、水酸化ナトリウムを用いてアルカリエッチングを行った。その後、POCl3拡散によりp型下地板にn+層を形成した。板状シリコン表面に形成されているPSG膜をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面側となるn層上にプラズマCVD装置を用いて窒化シリコン膜を形成した。次に、太陽電池の裏面側となる面にも形成されているn層を弗硝酸でエッチング除去し、p下地板を露出させ、その上に裏面電極およびp+層を同時に形成した。次に、受光面側の電極を、スクリーン印刷法にて形成した。その後、銀電極部分に半田ディップを行い、太陽電池を作製した。
下地板の成長起点凸部の配置を正方格子状(比較例1)、および長短の比が2対1である長方格子状(比較例2)とした以外は、すべて上記実施例1と同様の手順および条件で板状シリコンを作製した。次いで、それぞれの板状シリコンを用いて太陽電池を作製した。得られた太陽電池は、同様にAM1.5、100mW/cm2の照射下にて、「結晶系太陽電池セル出力測定方法(JIS C 8913(1988))」に準拠して、セル特性の評価を行った。それぞれの太陽電池のセル効率縦軸にとり、成長起点凸部の数密度を横軸に取り、両者の関係を、図5にグラフを用いて示す。
下地板として、図3(B)に示した形状の銅製下地板を用い、隣り合う成長起点凸部間の距離を0.3mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mmと変化させた以外は、すべて実施例1と同様にして板状シリコンを作製した。この場合も実施例1同様、得られた板状シリコンは、図1(C)のような形状となっていた。この板状シリコンは下地板の成長起点となる凸部が配置された対称性を維持しているため、各核発生位置Cの周りに6回対称の形状であった。つまり、1つの核発生位置Cを基準(中心)として、当該位置Cと最近接の核発生位置Cとの距離を半径とした円を描写した場合に、当該円周上に略等間隔に核発生位置Cが6つ存在した。本実施例では、シリコン融液と接触させる際の下地板の表面温度を500℃とした。また、成長起点凸部の高さは0.3mmとしたものを用いた。
次に得られた板状シリコンを用いて、実施例1と同じ手順にて太陽電池を作製した。
下地板を、実施例2と同様の成長起点凸部形状にし、その成長起点凸部の配置が正方格子状のものを比較例1、長短の比が2対1である長方格子状のものを比較例2とした。その他の板状シリコン作製条件、太陽電池作製条件は、実施例2と全く同じとした。得られた太陽電池は、同様にAM1.5、100mW/cm2の照射下にて、「結晶系太陽電池セル出力測定方法(JIS C 8913(1988))」に従って、セル特性の評価を行った。各太陽電池のセル効率を縦軸にとり、成長起点凸部の数密度を横軸に取り、これらの関係を図6にグラフを用いて示す。
Claims (16)
- シリコン融液に下地板を接触させて、該下地板表面上にシリコン結晶を成長させるための下地板の加工部材であって、前記下地板上に凹凸部形状を形成可能な刃を有する直線加工部材。
- 前記直線加工部材が、前記凹凸部形状を前記下地板上に形成可能な複数の刃を有し、該複数の刃間距離が0.5mm以上5.0mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の直線加工部材。
- 前記複数の刃間距離が1.0mm以上3.0mm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の直線加工部材。
- 前記直線加工部材が、前記凹凸部形状を前記下地板上に形成可能な複数の刃を有し、該複数の刃の長さが前記凹凸部における凸部の高さ以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の直線加工部材。
- シリコン融液に下地板を接触させて、該下地板表面上にシリコン結晶を成長させる板状シリコンの製造用下地板の製造方法であって、該下地板が凹凸部形状を有し、該凹凸部形状が、請求項1〜4のいずれか1つに記載の直線加工部材を用いて製造されることを特徴とする下地板製造方法。
- 前記下地板上にある1つの凸部を基準とし、該凸部と最近接する凸部との距離を半径とした、前記基準とする凸部の頂部を中心とする円周上に、複数の凸部が略等間隔に存在することを特徴とする、請求項5に記載の下地板製造方法。
- 前記下地板上にある1つの凸部を基準とし、該凸部と最近接する凸部との距離が1.0mm以上3.0mm以下であることを特徴とする、請求項5または6に記載の下地板製造方法。
- 前記凸部の形状が、四角錘または六角錘であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1つに記載の下地板製造方法。
- 前記下地板の凹凸部形状は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の直線加工部材を用いて、下地板上の互いに60度あるいは90度の角度をなす2つの方向へ切削することにより、製造されることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1つに記載の下地板製造方法。
- シリコン融液に下地板を接触させて、該下地板表面上にシリコン結晶を成長させる板状シリコンの製造用下地板であって、該下地板が凹凸部形状を有し、該凹凸部形状が、請求項1〜4のいずれか1つに記載の直線加工部材を用いて製造されることを特徴とする下地板。
- 前記下地板上にある1つの凸部を基準とし、該凸部と最近接する凸部との距離を半径とした、前記基準とする凸部の頂部を中心とする円周上に、複数の凸部が略等間隔に存在することを特徴とする、請求項10に記載の下地板。
- 前記下地板上にある1つの凸部を基準とし、該凸部と最近接する凸部との距離が1.0mm以上3.0mm以下であることを特徴とする、請求項10または11に記載の下地板。
- 前記凸部の形状が、四角錘または六角錘であることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1つに記載の下地板。
- 前記下地板の凹凸部形状は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の直線加工部材を用いて、下地板上の互いに60度あるいは90度の角度をなす2つの方向へ切削することにより、製造されることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1つに記載の下地板。
- 請求項10〜14のいずれか1つに記載の下地板を用いて作製した板状シリコン。
- 請求項15に記載の板状シリコンを用いて製造した太陽電池。
板。
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