JP2001247396A - 結晶シートの製造方法およびその製造装置ならびに太陽電池 - Google Patents

結晶シートの製造方法およびその製造装置ならびに太陽電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質な結晶シートを提供する。 【解決手段】 結晶シートの製造装置50aは、結晶シ
ートが形成されるべき主表面を有する基板3と、融液8
を保持するるつぼ9と、基板3の主表面が融液8に接触
した後、融液8から離れるように基板3を移動させるた
めに基板3を保持する可動部材2と、可動部材2を冷却
するための冷却手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体または金
属の融液から結晶シートを製造する結晶シートの製造方
法および製造装置に関し、特に、太陽電池の基板として
使用されるシリコンのシートを製造する方法および装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、結晶シリコン基板は、チョコラル
スキー法またはキャスティング法により作製したインゴ
ットをワイヤソーなどでスライスして製造されていた。
しかし、スライス工程にはコストがかかり、また、切り
代はシリコン原料の損失になる。そのため、低コスト化
が重要な課題である太陽電池の分野では、シリコン融液
からシート状のシリコンを直接引出すことにより、スラ
イス工程を不要としたシリコンリボン法の開発が注目さ
れている。
【0003】シリコンリボン法のうち、広い凝固界面を
持つ結晶成長法が、たとえば特開昭61−275119
号公報に開示されている。図49は、上記公報に開示さ
れたシリコンリボン法によるシリコン製造方法の概略図
である。図49を参照して、円筒形状をした回転冷却体
902の側面の一部を溶融シリコン903に浸漬し、回
転冷却体902を回転させながら円筒面に凝固するシリ
コンリボン901を連続的に引出す。なお、溶融シリコ
ン903は容器904により保持されている。
【0004】また、特開平10−29895号公報に
も、シリコンリボンの製造装置が開示されている。図5
0は、上記公報に開示されたシリコンリボンの製造装置
の概略図である。図50を参照して、この装置は、円筒
形状の回転冷却体931と、溶融シリコン932を保持
する容器934と、シリコンリボン933を案内するロ
ーラ935とにより構成される。
【0005】円筒形状の回転冷却体931の円筒側面の
一部を溶融シリコン932に浸漬する。回転冷却体93
1を回転させながら円筒側面に凝固成長するシリコンリ
ボン933が連続的に引出される。
【0006】また、融液から直接結晶シートを製造する
方法として、スリット状の開口部を有するダイを用いて
毛管現象で融液を上昇させ、その上端部で種結晶を用い
てシリコンリボンを引き出すEFG(Edge-defined Film
-fed Growth)法や、融液表面を過冷却状態に保って結晶
シートを製造するデントライトWeb法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、円筒形
状の回転冷却体を利用する方法では、円筒の外側を覆う
ようにシリコンが凝固成長するため、成長したシリコン
は円筒に沿った曲率を持ち、曲がった形状となる。この
ため、シリコンを太陽電池基板として使用する際には、
電極のスクリーン印刷、ラミネート、真空チャックなど
の、基板が平らであることが要求される工程で不都合が
生じる。また、従来の基板トレイなども平坦な形状の基
板を想定しているために従来の基板トレイを使用できな
いという問題があった。また、成長したシリコンを回転
冷却体から剥離しながら連続して一定方向に引出すため
には、引出し方向へかける張力に微妙なコントロールが
要求される。また、成長したシリコン結晶シートの形状
自体が反っているために、連続して一定方向に引出すこ
とが困難であるという問題があった。
【0008】さらに、EFG法、デントライトWeb法
では、結晶シートの成長速度は、発生する凝固熱と、結
晶シートと融液の間の固液界面近傍の温度分布によって
定まる熱の移動量に大きく影響される。したがって、結
晶シートを連続的に安定して製造するためには、固液界
面の温度およびその近傍の温度分布を精密に制御するこ
とが必要となる。しかしながら、現状の温度制御系で
は、一般に結晶成長の速度に比例してその応答性は十分
とは言えない。また、上述の方法における結晶シートの
成長時の冷却は徐冷または自然放熱によるため、結果と
して結晶シートの成長速度は低く抑えなければならない
という問題があった。
【0009】さらに、回転冷却体からシリコンリボンを
剥離する場合には、シリコンリボン自体が後続のシリコ
ンリボンを回転冷却体から引張って剥離することにな
り、多大な負担がシリコンリボンにかかるため、シリコ
ンリボンが破損しやすい。また、シリコンリボンの破損
時には、即時にシリコンリボンを引出すことが再開でき
ず、安定した連続引出しが困難である。
【0010】また、従来の方法では、結晶シートの面内
の温度分布を制御することが難しく、熱伝導率などを考
慮して基板および周辺部材の材質を選択し、かつヒータ
などの加熱部または冷却部の配置および形状を最適化す
る必要があった。しかし、熱伝導率だけでなく結晶シー
トとの濡れ性および剥離性、熱膨張率のマッチング、耐
熱性および耐久性さらにはコストなどを考慮して部材を
選ぶ必要があるため、温度分布を最適化することは難し
い。また、加熱部および冷却部を、結晶シートの結晶品
質および剥離性の両者について最適化することは技術的
だけでなく装置機構的にも非常に難しいケースが多い。
特に、剥離性は基板材料に大きく依存するパラメータで
あり、微妙な制御を行なうのは極めて困難である。その
ため、連続して、かつ安定して高品質な結晶シートを製
造することは困難であった。
【0011】そこで、この発明は上述のような問題点を
解決するためになされたものである。この発明の目的
は、安定して、連続的に結晶シートを取出すことができ
る結晶シートの製造方法およびその製造装置ならびにそ
の結晶シートを用いた太陽電池を提供することである。
【0012】さらに、この発明の別の目的は、高品質な
結晶シートを製造することができる結晶シートの製造方
法およびその製造装置ならびにその結晶シートを用いた
太陽電池を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に従った結晶シ
ートの製造装置は、結晶シートが形成されるべき主表面
を有する板状体と、融液を保持する容器と、板状体の主
表面が融液に接触した後、融液から離れるように板状体
を移動させるために板状体を保持する可動部材と、可動
部材を冷却するための冷却手段とを備える。
【0014】このように構成された結晶シートの製造装
置では、結晶シートは板状体の主表面に形成され、その
板状体を保持する可動部材は冷却手段により冷却され
る。このため、板状体の主表面に形成された結晶シート
を可動部材を介して最適な速度で冷却することが可能と
なり、品質の高い結晶シートを提供することができる。
さらに、板状体の主表面に結晶シートを形成するため、
反りがなく、品質の高い結晶シートを製造することがで
きる。
【0015】また好ましくは、結晶シートの製造装置
は、可動部材から搬送された板状体の主表面に形成され
た結晶シートを主表面から剥離する剥離手段をさらに備
える。板状体には貫通孔が形成されており、剥離手段は
貫通孔に嵌まり合う第1の突起を有する。
【0016】この場合、剥離手段の第1の突起を板状体
の貫通孔に嵌め合わせることにより、板状体から結晶シ
ートを剥離することができる。
【0017】また好ましくは、可動部材は、板状体の貫
通孔に嵌まり合う第2の突起を有する。この場合、貫通
孔に第2の突起を嵌め合わせた状態で主表面に結晶シー
トを成長させれば、板状体の貫通孔には結晶が形成され
ない。その結果、板状体の貫通孔を用いて板状体の主表
面から結晶シートを剥離させることが容易となる。
【0018】また好ましくは、第2の突起が貫通孔に嵌
まり合ったとき第2の突起の頂面と主表面の高さとがほ
ぼ等しくなる。この場合、第2の突起の頂面と主表面の
高さとがほぼ等しいため、平坦な面を有する結晶シート
を製造することができる。
【0019】さらに好ましくは、第1の突起の長さは、
第2の突起の長さよりも長い。この場合、板状体上に成
長した結晶シートを第1の突起で確実に剥離させること
ができる。
【0020】また好ましくは、板状体の材質と第2の突
起の材質とは異なる。これにより、たとえば板状体の材
質として結晶シートが剥離しやすい材質を選び、第2の
突起の材質として、結晶シートが成長しやすい材質を選
ぶことにより、容易に板状体から結晶シートを剥離させ
ることができる。
【0021】また好ましくは、剥離手段には、板状体の
移動方向に沿って第1の突起が設けられており、可動部
材には、板状体の移動方向に沿って第2の突起が設けら
れている。この場合、可動部材および剥離手段を回転さ
せて第1の突起および第2の突起のそれぞれを貫通孔に
嵌め合わせることにより、効率よく結晶シートを製造す
ることができる。
【0022】また好ましくは、結晶シートの製造装置
は、板状体を可動部材から剥離手段に案内するベルト状
の案内部材をさらに備える。案内部材により複数の板状
体が連結されてキャタピラ状に形成されている。この場
合、案内部材が、順次、板状体を案内するため効率よく
結晶シートを製造することができる。さらに案内部材が
連結されてキャタピラ状に形成されているため結晶シー
トの成長および剥離を繰返して行なうことができる。
【0023】また好ましくは、板状体の両端部に立設部
が設けられており、隣り合う板状体を案内部材に締結す
るための締結部が立設部に設けられている。
【0024】また好ましくは、結晶シートの製造装置
は、板状体を可動部材から剥離手段に案内するレール状
の案内部材をさらに備える。この場合、レール状の案内
部材が設けられているため、可動部材から剥離手段へ板
状体を搬送することができ、効率よく結晶シートを製造
することができる。さらに案内部材がレール状であり、
このレール上を移動させることにより滑らかに板状体を
移動させることができる。
【0025】また好ましくは、可動部材は多角柱形状で
ある。この場合、多角柱の各々の面が各々の基板に接触
することができ、効率よく結晶シートを製造することが
できる。
【0026】また好ましくは、可動部材と板状体とは、
互いに嵌合し合う凹凸形状を有する。この場合、可動部
材と板状体との接触面積が大きくなるため可動部材が効
率よく板状体を冷却することができる。
【0027】また好ましくは、板状体の主表面は平坦で
ある。この場合、平坦な面を有する結晶シートを製造す
ることができる。
【0028】また好ましくは、板状体の主表面に凹凸が
形成されている。この場合、凹凸面を有する結晶シート
を製造することができる。
【0029】さらに好ましくは、可動部材内に冷却手段
が設けられている。この場合、装置を小型化できるとと
もに、冷却手段が効率よく可動部材を冷却することがで
きる。
【0030】この発明に従った結晶シートの製造方法
は、冷却された状態の板状体を融液に接触させる工程
と、融液に接触した板状体の主表面を融液から離すこと
によって主表面に結晶シートを凝固成長させる工程と、
板状体から結晶シートを剥離する工程とを備える。
【0031】このように構成された結晶シートの製造方
法に従えば、板状体の主表面に結晶シートを凝固成長さ
せる。そのため、板状体の主表面での温度制御が容易と
なり、品質の高い結晶シートを製造することができる。
また、板状体に結晶シートを成長させるため、結晶シー
トが曲率を有することなく、板状の結晶シートを製造す
ることが容易となる。
【0032】また好ましくは、結晶シートを剥離する工
程は、板状体上に成長した結晶シートを加熱室外に案内
して剥離回収することを含む。
【0033】また好ましくは、結晶シートを凝固成長さ
せる工程は、可動部材を用いて板状体の主表面を融液に
接触させた後、融液から離れるように板状体を移動させ
ることを含む。
【0034】また好ましくは、板状体を融液に接触させ
る工程は、貫通孔が形成された板状体に融液を接触させ
ることを含む。結晶シートを剥離する工程は、第1の突
起が設けられた剥離手段を用いて、結晶シートが形成さ
れた板状体の主表面の反対側から剥離手段の第1の突起
を板状体の貫通孔に嵌め合わせることにより結晶シート
を板状体から剥離することを含む。この場合、貫通孔に
第1の突起を嵌め合わせて容易に板状体から結晶シート
を剥離することができる。
【0035】また好ましくは、剥離手段は回転可能であ
り、剥離手段の回転方向に沿って複数の第1の突起が設
けられ、結晶シートを剥離する工程は、剥離手段を回転
させることにより複数の板状体の貫通孔の1つ以上に複
数の第1の突起を嵌め合わせて、結晶シートを板状体か
ら剥離することを含む。
【0036】この場合、剥離手段を回転させることによ
り連続的に第1の突起を貫通孔に嵌め合わせることがで
き、効率よく板状体から結晶シートを剥離することがで
きる。
【0037】また好ましくは、板状体を融液に接触させ
る工程は、第2の突起が形成された可動部材を用いて、
可動部材の第2の突起が貫通孔に嵌め合わされた状態で
板状体を融液に接触させることを含む。この場合、第2
の突起を貫通孔に嵌め合わせた状態で板状体を融液に接
触させるため、融液は貫通孔内には入り込まず貫通孔に
は結晶シートは形成されない。その結果、結晶シートを
剥離しやすくなる。
【0038】また好ましくは、可動部材は回転可能であ
り、可動部材の回転方向に沿って複数の第2の突起が設
けられ、板状体を融液に接触させる工程は、可動部材を
回転させることにより複数の板状体の貫通孔の各々に複
数の第2の突起の各々を嵌め合わせて、板状体に融液を
接触させることを含む。
【0039】この場合、可動部材を回転させて第2の突
起の各々を貫通孔の各々に嵌め合わせることにより、効
率よく板状体を融液に接触させることができる。
【0040】また好ましくは、結晶シートを凝固成長さ
せる工程は、シリコンの結晶シートを凝固成長させるこ
とを含む。
【0041】さらに好ましくは、この発明に従った太陽
電池は、上述のいずれかの方法で製造した結晶シートを
用いて製造される。
【0042】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は、この発
明の実施の形態1に従った結晶シート製造装置の模式的
な断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形
態1に従った結晶シートの製造装置50aは、本体チャ
ンバ1と、本体チャンバ1内の断熱材7と、断熱材7内
の可動部材2と、板状体としての基板3と、ヒータ4
と、るつぼ台5と、原料投入ポート6と、融液8と、融
液8を保持する容器としてのるつぼ9とを有する。
【0043】この実施の形態では、基板3の材質には黒
鉛を使用し、融液8にはシリコン融液を使用して、それ
らからシリコンシートを製造する結晶シート製造装置に
ついて説明を行なう。
【0044】結晶シートの製造装置50aでは、板状体
としての基板3は、結晶シートが形成されるべき主表面
を有する。容器としてのるつぼ9は、融液8を保持す
る。可動部材2は、基板3の主表面が融液8に接触した
後、融液8から離れるように基板3を移動させるために
基板3を保持する。冷却手段(図1では図示せず)は、
可動部材2を冷却する。
【0045】本体チャンバ1の内部には断熱材で構成し
た加熱室が設けられる。抵抗加熱を用いたヒータ4によ
り、るつぼ9内の原料を融点以上に加熱できる。るつぼ
9は、昇降機構を備えたるつぼ台5上に設けられる。シ
リコン原料は溶融すると体積が減るため、原料投入ポー
ト6を設け、原料の追加投入を行ない湯面高さの調整が
できる構造となっている。可動部材2は矢印Rで示す方
向に回転することが可能である。
【0046】図2は、可動部材を拡大して示す斜視図で
ある。図2を参照して、可動部材2は、十二角柱型であ
る。厚さが5mmの「コ」の字形をした基板3が可動部
材2に接触するように設けられる。基板3の側面と可動
部材2とがボルト10で固定されている。可動部材2は
軸100に固定され、軸100は矢印Rで示す方向に回
転することが可能である。
【0047】図3は、図2中のIII−III線に沿っ
て見た断面を示す図である。図3を参照して、可動部材
2の内部には、可動部材2を冷却するための冷却手段と
してのノズル110が設けられている。可動部材2の内
側は図3で示すように中空構造となっており、ノズル1
10が設けられている。ノズル110の孔111から矢
印112で示す方向に吹き出した冷却ガスが可動部材2
の内側に吹き付けられることで可動部材2が冷却され
る。基板3には孔31が設けられ、この孔31にボルト
10が差し込まれて、主表面を有する基板3が可動部材
2に固定される。
【0048】融液8を構成する元素は、この実施の形態
ではシリコンであるが、ゲルマニウム(Ge)、ガリウ
ム(Ga)、砒素(As)、インジウム(In)、リン
(P)、ボロン(B)、アンチモン(Sb)、亜鉛(Z
n)、錫(Sn)の半導体または金属の融液を使用する
ことができる。すなわち、いずれの場合でも、各元素の
融点よりも融液が十分に過冷却となって基板3表面に初
晶が生成されるよう基板3の温度を制御することで、上
述の元素についても結晶シートを成長させることが可能
である。
【0049】また、可動部材2および基板3の素材とし
ては、熱伝導性、耐熱性に優れた黒鉛を用いたが、融液
に対して耐性があればよい。融液と反応などを起こしに
くい炭化ケイ素、石英、窒化ケイ素、窒化ホウ素、アル
ミナ、酸化ジルコニウムといった素材を、使用する融液
に応じて最適なものを選択すればよい。特に、シリコン
融液は高温であり、反応性に富むため、部材の選定は極
めて難しく、熱伝導率、膨張率およびコストなどの多く
の観点から、いずれの部材にも黒鉛が極めて優れてい
る。すなわち、基板の材質については、工業的に低コス
トかどうか、成長シートの品質、特性などを考慮して選
択される。成長元素と基板の幅広い材質の組合せが可能
である。また、可動部材2はこの実施の形態のように内
部を不活性ガスによって冷却するものの他に水冷された
金属の表面を黒鉛や石英などでコートしたものを用いて
もよい。
【0050】次に、結晶シート製造装置を用いたシリコ
ンシートの製造方法の例について説明する。
【0051】まず、本体チャンバ1内をアルゴンで置換
する。原料投入ポート6からるつぼ9にシリコンを充填
しながら、約3時間でシリコンの融点よりも70℃高い
温度1500℃までるつぼ9を昇温する。シリコン原料
を完全に溶融させてシリコンの湯面は、るつぼ9上端か
ら10mm低い位置になるように保持した。この状態で
設定温度を下げ、融点よりも30℃高い温度に融液8を
保持した。一方、可動部材2には、ノズル110から窒
素ガスを導入して冷却状態とした。窒素ガスの代わりに
ヘリウムガス、アルゴンガスなどの他のガスで冷却する
ことも可能である。また、構造の工夫次第で水冷も可能
である。
【0052】温度が安定したところで、冷却ガスを流し
た可動部材2を1rpmで回転させ湯面と基板3との距
離が10mmの位置となるまでるつぼ台5を上昇させ
た。さらに温度が平衡状態に達するまで待った。るつぼ
台5をさらに上昇させ、5mmの厚さの基板3を、その
表面から3mm程度の深さでシリコンの融液8に浸漬し
て凝固成長を行なった。可動部材2が1回転する直前に
るつぼ台5を下降させて浸漬を中止し、ヒータ4への電
力の供給を停止した。本体チャンバ1が放冷して室温と
同程度まで温度が下がったところで、得られたシリコン
シートの回収を行なった。基板3は可動部材2によって
冷却されているため、シリコン融液の浸透や反応がほと
んど起こっておらず、手で軽く触れる程度の軽いショッ
クで基板3からシリコンシートを剥離し、回収すること
ができた。
【0053】得られたシリコンシートは基板寸法に沿っ
たサイズであり縦×横が70mm×25mmで厚みが
0.4mmのサイズであった。最後に浸漬したために融
液の液垂れができてしまった1枚を除く11枚を太陽電
池セル基板として用いることができた。得られたシリコ
ンシートを、プラズマCVD(化学気相蒸着法)による
SiN膜反射防止膜形成を含む多結晶太陽電池セルプロ
セスで太陽電池を作製したところ、その太陽電池の縦×
横が2cm×2cmのセルサイズであり、変換効率が1
3%であった。
【0054】この実施の形態では、可動部材2が1回転
した後に回転を止めてから剥離および回収を行なってい
るが、真空チャンバなどの装置を利用することにより回
転中に剥離および回収作業を行なうことも可能である。
【0055】(実施の形態2)図4はこの発明の実施の
形態2に従った可動部材の断面図である。実施の形態2
と実施の形態1との異なる点は、図4で示すように、可
動部材2と基板3との接触面に凹凸形状21および32
を設け、互いに嵌合し合うような構造を採用した点であ
る。すなわち、可動部材2と基板3とは互いに嵌合し合
う凹凸形状21および32を有している。
【0056】図4で示すような装置を用いて、実施の形
態1と同様のプロセスでシリコン結晶シートの製造を行
なった。接触面に凹凸形状21および32を施すこと
で、可動部材2と基板3の熱伝導が向上し、基板3の冷
却効率が向上した。その結果、冷却ガスの流量を実施の
形態1の8〜9割にしても、実施の形態1と同様の効果
を得ることができた。
【0057】(実施の形態3)図5は、この発明の実施
の形態3に従った基板の断面図である。実施の形態3と
実施の形態1との異なる点は、図5で示すように、基板
3の平坦な成長面に凹凸部33が形成されている点であ
る。
【0058】図5で示すような基板を用いて、実施の形
態1と同様のプロセスでシリコンの結晶シートの製造を
行なった。基板3の表面に凹凸部33を設けない場合に
は、基板3に沿って数センチ程度の長さを持つ樹枝状晶
が見られたが、凹凸部33を形成した場合には、基板3
の凸部の先端が結晶成長の起点となった。凸の部分は厚
く、凹の部分は逆に薄くなり、溝加工に沿った周期的な
凹凸形状(コルゲート型)のシリコンシートを得ること
ができた。このシリコンシートは実施の形態1で製造さ
れたシリコンシートに比べ、薄い部分では膜厚は200
μm以下と薄くなっているが、周期的な凹凸形状を有す
るため、ピンセットなどでハンドリングしても割れない
程度の機械的強度を得ることができた。
【0059】図6〜図8は、この発明の実施の形態3の
別の局面に従った基板の斜視図である。図6で示すよう
に、凹凸部33aを、ピッチが1mmで深さが1mmの
線状のV字形の溝で構成してもよい。また、図7で示す
ように、凹凸部33bを線状のU字形の凹凸部33bで
構成しても同様の効果が得られる。また、線状の溝は可
動部材2の回転方向に対し平行に形成されるが、回転方
向に対し直角に形成しても同様の効果が得られる。ま
た、図8で示すように、凹凸部33cを山状に形成して
もよい。図8で示すように、V字形の点状の溝を形成し
た場合には、結晶成長の起点となる凸の部分が均一に分
散するため、結晶粒径の揃った均一な柱状結晶が成長
し、シリコンシートの成長を乱す樹枝状晶の発生をさら
に抑制することができる。
【0060】(実施の形態4)図9は、この発明の実施
の形態4に従った結晶シートの製造装置の模式的な断面
図である。実施の形態4に従った装置と実施の形態1に
従った装置の主な相違点は、図9で示すように、実施の
形態4に従った製造装置50bでは、キャタピラ状に連
結した基板3を可動部材2に案内するような構造を採用
し、シリコンシートを連続的に成長および回収できるよ
うにしている点である。
【0061】実施の形態4に従った結晶シートの製造装
置50bは、本体チャンバ1と、本体チャンバ内の断熱
材7と、可動部材2と、基板3と、断熱材7内のヒータ
4と、原料投入ポート6と、融液8と、融液8を保持す
るるつぼ9と、るつぼを支持するるつぼ台5と、上部扉
14と、ローラ15と、取出しチャンバ16とで構成さ
れる。実施の形態4では、実施の形態1と同様に基板3
は黒鉛で構成し、融液8としてシリコン融液を用いた。
それらからシリコンシートを製造する結晶シートの製造
装置について説明を行なう。
【0062】すなわち、結晶シートの製造装置50b
は、結晶シートが形成されるべき主表面を有する板状体
としての基板3と、融液8を保持する容器としてのるつ
ぼ9と、基板3の主表面30が融液8に接触した後、融
液8から離れるように基板3を移動させるために基板3
を保持する可動部材2と、可動部材2を冷却するための
冷却手段(図9では示さず)とを備える。なお、冷却手
段は図4で示すノズル110と同様のものであり、軸1
00内に設けられる。結晶シートの製造装置50bは、
基板3の主表面30に形成された結晶シートを主表面3
0から剥離する剥離手段としてのローラ15をさらに備
える。ローラ15は軸102に固定されている。
【0063】キャタピラ状に連結された基板3が、可動
部材2と、上方の取出しチャンバ16に設置したローラ
15とに掛けられる。可動部材2とローラ15を同期し
て回転させることで融液8と取出しチャンバ16の間を
連続して基板3が移動できるように構成されている。取
出しチャンバ16は、上部扉14を閉じた状態で気密性
を保つことができる。本体チャンバ1をアルゴンガスで
置換した後は上部扉14を開放し、真空チャッキング1
7により、シリコンシートを回収することができる構造
となっている。なお、本体チャンバ1のスリットをアル
ゴンガスでシールしている。これにより、取出しチャン
バ16を開放系にした場合にも外気に対して取出しチャ
ンバ16を不活性ガス雰囲気に保つことができる。可動
部材2は矢印Rで示す方向に回転するため、基板3は矢
印Lで示す方向に移動する。
【0064】図10は、図9で示す可動部材を拡大して
示す斜視図である。図11は、図10中のXI−XI線
に沿って見た断面を示す図である。図12は、キャタピ
ラ状に連結された基板の構成を示す斜視図である。
【0065】図10を参照して、軸100に多角柱形状
の可動部材2が設けられている。可動部材2には爪10
1が設けられており、爪101が隣り合う基板3の間に
嵌まり合う。爪101は、軸100および可動部材2と
ともに矢印Rで示す方向に回転するため、爪101に引
っ掛かった基板3も矢印Rで示す方向に回転する。
【0066】図11を参照して、可動部材2内には冷却
手段としてのノズル110が設けられている。ノズル1
10の孔111からは矢印112で示す方向に冷却ガス
が吹き出す。ノズル110はパイプ120と接続されて
いる。基板3は可動部材2と接触するように設けられ
る。基板3は結晶シートを成長させるための主表面30
を有する。基板3には立設部34が設けられている。立
設部34にはボルト10とナット18とプレート119
が設けられている。
【0067】図12を参照して、耐熱性および潤滑性に
優れた黒鉛製のナット18、プレート119およびボル
ト10で基板3同士が連結されている。ボルト10は、
基板3およびプレート119の孔に挿入される。基板3
はプレート119に対して回動可能な構造となってい
る。また、立設部34には締結部としての孔34aが設
けられている。ボルト10は、基板3およびプレート1
19の孔に挿入されて、基板3がプレート119に対し
て回動可能な構造となっている。複数のプレート119
がボルト10およびナット18により連結されて案内部
材19を構成している。
【0068】連結された基板3は、図10で示すよう
に、可動部材2に対しキャタピラのように巻き付けるこ
とができる。ボルト10、ナット18およびプレート1
19は、可動部材2を融液に浸漬したときに融液面より
も高い位置となるように位置決めされ、結晶成長後も可
動部が固着しないようにする。基板同士の連結はこのよ
うな方法の他に、カーボンワイヤなどの耐熱性の高いワ
イヤで連結した構成とすることも可能である。すなわ
ち、結晶シートの製造装置50bは、基板3を可動部材
2およびローラ15に案内するベルト状の案内部材19
をさらに備える。案内部材19はボルト10、ナット1
8およびプレート119からなる。案内部材19により
複数の基板3が連結されてキャタピラ状に形成されてい
る。基板3の両端に立設部34が設けられており、隣り
合う基板を案内部材19に締結するための締結部として
の孔34aが立設部34に設けられている。
【0069】実施の形態1と同様のプロセスでシリコン
を溶融した後、可動部材2とローラ15を同期回転さ
せ、基板3を順次融液8に含浸させて結晶成長を行なっ
た。また、基板3を、ガスシールされたスリットを通過
させて取出しチャンバ16まで搬送した。このときに真
空チャッキング17により基板3からシリコンシートを
順次剥離および回収した。上記プロセスを経て、実施の
形態1と同様のシリコンシートを1分間に12枚ずつ連
続的に作製することができた。
【0070】この実施の形態では、回転機構を有する可
動部材2を使用したが、連結した基板が順次冷却体に案
内される構造であれば、可動部材が回転する必要はな
く、固定型のものでもよい。また、可動部材2を十二角
柱型のものとし、基板3に平坦な形状をそれぞれ用いた
が、基板3と可動部材2が接触する構成であれば、他の
形状でもよい。また、可動部材2に基板3を案内する手
段として、基板3がキャタピラ状に連結した構成を示し
たが、基板3を連結して構成したものを冷却された可動
部材2に接触させながら移動させて巻き取るような構成
を採用することができる。
【0071】また、実施の形態4において、基板3と可
動部材2の接触面に凹凸加工を施したところ、実施の形
態2で示した基板冷却効果の向上が見られた。さらに、
凹凸が噛み合うために、基板3と可動部材2とが横滑り
することを防止する効果が見られた。また、基板3の表
面に凹凸部13を形成することにより、実施の形態3と
同様の効果が得られた。
【0072】本発明によれば、可動部材を回転させて可
動部材の外周面に設けられた基板が融液に浸漬している
ときに結晶を成長させる。融液から引き上げられたとき
結晶を基板から剥離することにより、平らで反りのない
結晶シートを連続的に製造することができる。
【0073】基板に耐熱性の黒鉛材料を用いて、シリコ
ン融液からシリコンシートを製造する場合には次のよう
になる。すなわち、シリコン融液が焼結体である黒鉛の
気孔にシリコン融液が浸透または基板表面が化学変化を
起こして強固なSiC層を形成する。基板シリコン層が
浸漬したSiやSiCによって強固に結合するため基板
に成長層であるSi層が固着する。
【0074】これに対し、基板をシリコンの融点よりも
さらに200℃程度低い温度まで冷却している場合に
は、最初にシリコン融液が黒鉛に浸透する前に凝固して
基板表面がシリコンの固体層で覆われる。その後、さら
にシリコンの厚みを増加するようにシリコンが成長す
る。次に、基板が融液より引き上げられたときには、急
速にシリコン層の温度低下が進行する。シリコンの場
合、温度500℃程度までシリコンが冷却されると黒鉛
との熱膨張係数差により、機械的な力をほとんど加える
ことなしにシリコン層は基板から剥離して板状のシリコ
ンが容易に得られるようになる。
【0075】また、この発明によれば、案内部材によ
り、順次基板を可動部材に供給することができるため生
産性が向上する。また、本発明では、基板はキャタピラ
状に連結した構成である。本発明によれば、案内部材が
たとえばキャタピラ状に連結した基板を順次送り出す構
成を採用しているため、効率よく結晶シートを製造する
ことができる。
【0076】また本発明では、基板は両端に立設部を有
し、基板を連結するための連結部を立設部に設ける。本
発明によれば、基板連結のための連結部を融液に浸漬さ
せないようにすることができるため、連結部の破損を防
止することができる。
【0077】また本発明では、可動部材は多角柱の形状
である。本発明によれば、多角柱形状の冷却体に平坦な
基板を組合せることで、基板は可動部材に対し面接触
し、冷却体である可動部材と基板との接触面積が広くな
る。その結果、基板の冷却効率を高めることができる。
【0078】また、本発明では、可動部材と基板とは凹
凸形状で嵌合し合う構造である。本発明によれば、基板
と冷却体としての可動部材の接触面に凹凸構造を設ける
ことで、平面接触の場合よりも接触面積が増え、冷却効
率をさらに高めることができる。また、連続して基板を
可動部材に案内する場合には、動作中に基板が可動部材
から外れることを防止する効果が得られる。
【0079】また、本発明では、平坦な基板の結晶成長
面に凹凸部が形成され、凸部が点状または線状に設けら
れる。本発明によれば、基板の成長面を凹凸形状にする
ことで、凸部の先端に結晶核を発生させることができ
る。その結果、容易に結晶粒の大きさやシリコンシート
の厚みを制御でき、所望の厚みおよび形状のシートを得
ることができる。
【0080】また、本発明によれば、冷却体としての可
動部材を回転させて可動部材の外周面に設けられた基板
が融液に浸漬しているときに結晶を成長させる。融液か
ら引き上げられたときに結晶を基板から剥離することに
より、平らで反りのない結晶シートを連続的に製造する
ことができる。また、基板を可動部材に連続的に案内す
ることにより、基板を可動部材に連続的に供給すること
ができるため、生産性が向上する。
【0081】また、本発明によれば、案内部材を用いて
多数の基板を順次可動部材へ搬送させて融液に含浸して
結晶成長を行ない、基板が可動部材から離れた後結晶シ
ートの剥離を加熱室外で行なうことができるため剥離し
やすくなる。また、剥離のために使用される機構が高温
にさらされることがなくなる。
【0082】(実施の形態5)図13は、この発明の実
施の形態5に従った結晶シートの製造装置の模式的な断
面図である。図13を参照して、この発明の実施の形態
5に従った結晶シートの製造装置50cは、結晶シート
が形成されるべき主表面を有する板状体としての基板3
と、融液8を保持する容器としてのるつぼ9と、基板3
の主表面30が融液8に接触した後融液8から離れるよ
うに基板3を移動させるために基板3を保持する可動部
材2と、可動部材2を冷却するための冷却手段(図13
では示さず)とを備える。また、結晶シートの製造装置
50cは、基板3の主表面に形成された結晶シートを主
表面から剥離する剥離手段としてのローラ15をさらに
備える。
【0083】基板3には貫通孔が形成されており、ロー
ラ15は貫通孔に嵌り合う第1の突起15aを有する。
第1の突起15aが貫通孔に嵌り合ったとき第1の突起
15aは貫通孔から突出する。
【0084】図13で示すこの発明の実施の形態5に従
った結晶シートの製造装置50cは、融液8および表面
に第2の突起2aを有する可動部材2を備える。可動部
材2の周囲には貫通孔を有する基板3が配置される。基
板3が可動部材2の周囲を通過する際に、その一部また
は全体が融液8内に浸漬されて基板3表面に結晶シート
が成長する。可動部材2から基板3を移動させた際に基
板3の貫通孔から第1の突起15aを挿入することによ
り結晶シートを基板から容易かつ連続的に剥離すること
が可能となる。
【0085】可動部材2、第2の突起2a、基板3の材
質として、高温下で十分な耐久性のある材質が要求され
る。たとえば、高純度の黒鉛、酸化アルミニウム、酸化
ジルコニウム、炭化ケイ素および窒化ケイ素または窒化
ホウ素などが考えられるが、価格および加工性の観点か
ら黒鉛材料がより望ましい。また、中空状の可動部材2
の内部には、ガスなどの冷媒を流し可動部材2を冷却す
る冷却手段が設けられる。そのため、より低融点の材料
により可動部材2等を構成することも可能である。
【0086】結晶シートの製造装置50cは、密閉可能
なチャンバ(図示せず)内に設置されており、排気して
チャンバ内を真空にした後に不活性ガスがチャンバ内に
充填されてガスの置換が行なわれる。その場合の不活性
ガスには、融液8と反応しないという条件が必要であ
り、アルゴンやヘリウムなどを用いることができる。値
段の点において、アルゴンがより望ましい。チャンバ内
では、精度よく温度分布を制御するために、複数の加熱
装置を設置することが望ましい。これにより、るつぼ9
内の融液8の温度分布を精度よく制御することができ、
より再現性よく結晶シートを製造することが可能とな
る。なお、可動部材2が融液8に接した際には、急激に
融液8の温度が下がるため、融液8の温度が凝固点近傍
であると可動部材2の浸漬時に融液8が凝固してしまう
ことがある。そのため、融液8の温度はその融点より数
十度高いことが望ましい。
【0087】るつぼ9は、可動部材2などと同様に高温
下での耐久性が要求されるため通常可動部材2と同様の
材質とすることが好ましい。さらに、るつぼ9には昇降
機構(図示せず)が備えられていることが望ましい。こ
れは、可動部材2の表面で結晶シートを成長させるため
には、常に可動部材2が融液8に対して同じ深さで浸漬
していることが必要だからである。上述のような昇降機
構によって、るつぼ10を昇降させて浸漬時の深さを一
定に保つことができる。これは、原料融液または原料粉
末などを融液8に順次追加していくことでも実現でき
る。このような装置構成とすることで、連続的に結晶シ
ートを形成することが可能となる。
【0088】次に、結晶シートの製造装置50cのそれ
ぞれの構成部分について詳細に説明する。
【0089】図14は、図13で示す可動部材を拡大し
て示す斜視図である。また、図15は、図14で示す可
動部材に対応した基板の斜視図である。なお、図15で
示す基板には実施の形態4と同様の立設部が設けられる
が、この立設部は図15では省略している。図14およ
び図15を参照して、可動部材2の表面には第1の突起
2aが複数設けられる。第1の突起2aは、可動部材2
の回転方向に沿って設けられる。基板3は結晶シートが
成長すべき主表面30を有する。基板3に貫通孔3aが
設けられている。第1の突起2aに対応した位置に貫通
孔3aが設けられる。基板3が可動部材2の周囲に配置
されたときには、すべての貫通孔3aに第1の突起2a
が挿入されることになる。本発明の基板3は貫通孔3a
を有する構造であり、その貫通孔3aに冷却体としての
可動部材2の第1の突起2aが挿入されることになる。
このような構造とすることにより、基板3に貫通孔があ
っても、可動部材2側に貫通孔3aと一致した第1の突
起2aが存在することで、可動部材2に金属材料や半導
体材料のうち少なくとも一部の融液材料が可動部材2側
に浸透することはない。第1の突起2aと貫通孔3aの
形状は、必ずしも図14および図15で示すような円柱
である必要はない。
【0090】図16から図19は、別の局面に従った可
動部材の斜視図である。図16で示すように、第1の突
起2bを角柱形状としてもよい。図17で示すように、
第1の突起2cを円錐台形状とし、上面と下面で面積ま
たは形状が異なるものとしてもよい。図18で示すよう
に、第2の突起2dを一方向に延びる柱状としてもよ
い。また、図19で示すように、第2の突起2eが非常
に大きな面積を占めるものとしてもよく、第2の突起は
さまざまな形状とすることが可能である。これらの第2
の突起を用いる場合には、それぞれの突起形状に対応し
て、基板側の貫通孔も対応した同様の形状とすることが
できる。すなわち、基板側の貫通孔の形状は、円錐台の
貫通孔や、角柱形の貫通孔や、非常に大きな面積を占め
る貫通孔とすればよい。しかしながら、基板の高温化で
の強度や基板上に成長する結晶シートの剥離性などを考
慮して設計する必要がある。
【0091】また、基板3の貫通孔の形状、径、数など
によって、基板の温度制御を容易に行なうことができ
る。基板3において貫通孔3aの配置された付近は、貫
通孔3aのない部位と比べて可動部材2との接触面積が
増加または減少しており、可動部材2による基板3の冷
却能力を各部位ごとに制御することが可能である。特
に、可動部材2の表面の突起が直接融液8に接触する部
位においては、冷却効果が著しく高い。そのため、この
貫通孔3aの配置によって基板3の成長面内の温度を均
一化するだけでなく、任意の温度分布を形成することも
可能である。
【0092】図20〜図23は、別の局面に従った基板
の斜視図である。なお、以下に示す基板には実施の形態
4と同様の立設部が設けられるが、この立設部は省略し
ている。図15で示した基板の表面は平坦であるが、図
20〜図23のように、基板表面に微細な凹凸を形成す
ることも可能である。図20で示す基板3では、線状の
凸部3bが形成されている。図21で示す基板3では、
点状の凸部3cが形成されている。ここでの線状の凸部
および点状の凸部は、貫通孔3aを有する基板の表面に
溝を形成することで得ることができる。線状の凸部およ
び点状の凸部とは、そのときの基板表面に存在する凸部
のことを示す。
【0093】このように、基板表面に凹凸構造を設ける
ことで、結晶シートの成長面で結晶核の発生する起点を
容易に制御することが可能になる。基板表面が平坦であ
ると、結晶核の起点を制御するのが困難なために、他の
成長条件(たとえば設定温度、冷却速度など)で結晶核
の起点を制御する必要がある。再現性という観点から
は、凸部を設けることで、結晶成長の制御が非常に容易
となる。これは、成長基板が平面であると、結晶核が発
生する位置が不規則であるためデンドライト成長が支配
的となり、成長する結晶シートの凹凸が大きくなる傾向
があるためである。線状の凸部や点状の凸部を形成する
ことで、デンドライト成長を抑制できるようになり、平
滑性が良好になる。さらには、得られる結晶シートと基
板3とが線接触あるいは点接触することにより剥離性が
向上する。
【0094】また、図22で示すように、基板3の表面
に線状の凸部3bと面状の凸部3dを形成してもよい。
また、図23で示すように、基板3の表面に点状の凸部
3cと面状の凸部3dが形成されてもよい。面状の凸部
3dを設けることで、平坦性が向上する。平坦部だけの
基板とは異なり、線状の凸部3bや点状の凸部3cが設
けられ、さらに面状の凸部3dが部分的に設けられてい
るため、デンドライト成長も抑制できるようになる。部
分的に面状の凸部3dを有する基板3を用いることで、
電極形成が必要なデバイスを作成する場合には、そのデ
バイスに適した結晶シートを形成することができる。こ
れは、平坦部に電極を設けることで、断線せずに細い電
極を形成することができるからである。さらに、面状の
凸部3dを設けることで、微妙なシートの剥離性も容易
に制御できるようになる。
【0095】図22および図23では、面状の凸部3d
が形成されている部分に基板の貫通孔3aを設けている
が、貫通孔3aの位置は特に限定されない。すなわち、
貫通孔3aは基板3内に存在していればよく、平坦部に
設ける必要はない。平坦部に設けることで、基板3から
成長した平坦なシート部分に剥離用突起部を挿入するこ
とができるため、基板が破損することがなくなるため好
ましい。
【0096】いずれの場合であっても、基板3の表面に
凹凸構造を設けることで、融液8に接触する部分である
凹凸構造の凸部に優先的に結晶核が発生する。基板3が
冷却されているために、発生した結晶核から結晶成長が
始まる。凸部から成長した曲面状の結晶は隣り合った凸
部から結晶が成長するにつれてつながり、曲面形状部を
有する結晶シートが形成されることになる。
【0097】図24は基板の一部分を示す斜視図であ
り、図25は、図24で示す基板を用いて得られた結晶
シートの斜視図である。図24および図25で示すよう
に、基板3の線状の凸部3bおよび面状の凸部3dから
結晶核が発生し、それから結晶成長が始まる。そのた
め、得られるシートにおいて、成長が開始する部分は曲
面形状を有することになる。このように凸部が存在する
シートでは曲面形状を有する。一方、基板の平面形状の
部分から成長した結晶シートは、平面状に形成する。こ
のように、結晶シートの平面部は、電極を必要とする電
子デバイスでは電極を形成するのに非常に最適な場所と
なる。
【0098】図26および図27はさらに別の局面に従
った基板の断面図である。図26および図27を参照し
て、貫通孔を有する基板の凹凸構造の断面構造を説明す
る。図26および図27の違いは、基板の貫通孔3eお
よび3fの深さである。すなわち、図26では、線状の
凸部3dおよび点状の凸部よりも低い位置に貫通孔3e
がある。図27では、線状の凸部3b(点状の凸部でも
よい)よりも高い位置に貫通孔3fがある。貫通孔3e
および3fはそれぞれテーパ形状である。図26で示す
基板では、線状の凸部が形成されている場合もある。図
27では、線状の凸部3bと平坦な凸部3dとを設けた
基板3を示す。円錐台形状の第2の突起を有する可動部
材を用いた場合には、図26および図27で示すよう
に、円錐台形状の貫通孔3eおよび3fを用いれば、貫
通孔3eおよび3fと第2の突起とが一致し、融液材料
が浸透することはなくなる。
【0099】なお、上述のような、基板表面の凹凸構造
は、平坦な基板に溝を形成することで容易に作製するこ
とができる。この溝の凹部は、図26および図27で
は、V字溝の形状となっているが、U字溝、台形溝など
の形状であってもよい。また、溝のピッチや深さは、シ
ートの成長速度、剥離性などを考慮して調整することが
可能である。これは、使用する金属材料または半導体材
料の融液の表面張力、基板3の温度、基板3の移動速度
によって成長形態がかわったり、基板3表面への接着性
または剥離性に影響を及ぼすためである。
【0100】特に、溝のピッチ、すなわち、凸部の頂点
から隣りの凸部の頂点までの距離は0.05mm以上で
あることが望ましい。溝の溝のピッチが0.05mmよ
りも小さくなると、得られるシートの結晶粒が細かくな
り、電子デバイスを作製した際には、電気特性が悪化す
る傾向にある。
【0101】図28〜図30は、基板表面に形成される
結晶シートの断面図である。これらの図を用いて、基板
の厚みと、可動部材の第2の突起の高さの関係を説明す
る。図28では、可動部材の第2の突起と、基板の貫通
孔3aが一致して設けられており、さらに、平坦な基板
3上に結晶シート300が形成されている。
【0102】図28で示したように、可動部材2の第2
の突起2aの高さと基板3の厚みを等しくすることによ
って、得られる結晶シート300の成長面を平面にする
ことができる。しかしながら、必ずしも結晶シート30
0の成長面が平板になる必要はなく、図29および図3
0で示す可動部材2の第2の突起2aのように、第2の
突起2aの高さを基板3の厚さより小さくしたり(図2
9)または第2の突起2aの高さを基板3の厚さより大
きくする(図30)ことにより結晶シート300の成長
面に、任意の凹凸を形成することができる。これによ
り、任意形状の結晶シート300を製造することが可能
である。
【0103】図31〜33は、それぞれ図28〜図30
で示した基板と可動部材との組合せで作製した結晶シー
トの斜視図である。図31で示すように、第2の突起2
aの高さと基板3の厚みが同じ場合(図28)には、図
31で示すようにほぼ平坦な結晶シート300を作成す
ることが可能となる。第2の突起2aの長さが基板3の
厚みよりも小さい場合(図29)には、図32で示すよ
うに、結晶シート300の表面に凸部301を形成する
ことができる。逆に、第2の突起2aの長さが基板3の
厚みよりも大きい(図30)場合には、図33で示すよ
うに、結晶シート300の表面に凹部302を形成する
ことができる。
【0104】これにより、上述の基板表面に凹凸を設け
ることで得られる結晶シートの凹凸(図25参照)より
も大きい凹凸を持った結晶シートを得ることができる。
また、可動部材2の第2の突起2aの高さを変化させた
り、基板3表面に凹凸構造を形成することにより、所望
の形状のシートを得ることが可能となる。
【0105】図34および35は、結晶シートを基板か
ら剥離する工程を示す断面図である。基板上に成長した
シートの剥離方法を図34および図35を用いて説明す
る。図34で示すように、まず可動部材2の第2の突起
2aが基板3の貫通孔3aに嵌め合された状態で基板3
が融液に浸される。これにより基板3表面に結晶シート
300が成長する。なお、基板3の主表面30には凹凸
溝は形成されていない。さらに、第2の突起2aの高さ
と基板3の厚みはほぼ等しい。つまり、第2の突起2a
が貫通孔3aに嵌まり合ったとき、第2の突起2aの頂
面2tと基板3の主表面30の高さとはほぼ等しい。可
動部材2が基板3を融液から引き上げて結晶シート30
0が成長する。その後、可動部材2の第2の突起2aを
貫通孔3aから引き抜く。なお、基板3と結晶シート3
00とは一体となっており、第2の突起2aが貫通孔3
aから引き抜かれてもそのまま搬送することが可能とな
る。
【0106】次に、図35を参照して、貫通孔3aにロ
ーラ15の第1の突起15aを挿入する。これにより基
板3から結晶シート300を剥離することができる。す
なわち、基板3の厚みよりも高い第1の突起15aを挿
入することにより直接結晶シート300を押すことがで
き、基板3から結晶シート300を剥がすことができ
る。第1の突起15aが貫通孔3aに嵌まり合ったと
き、第1の突起15aの頂面15tは貫通孔3aから突
出する。第1の突起15aの高さを基板3の厚みの10
5〜120%とすることで、第1の突起15aの高さを
最低限に抑えることができる。第1の突起15aは高温
条件下で非常に弱い部分であり、その高さが大きいほど
高温条件下で強度が低くなる。そのために第1の突起1
5aの高さを最低限に抑えることで装置の耐久性を向上
させ、本発明における結晶シートの製造装置の歩留りを
向上させることができる。
【0107】また、主に融液付近は非常に高温にさらさ
れるため、装置のそれぞれの機構には耐高温性が必要と
されるが、本発明における剥離機構には機械的可動部が
ほとんど必要ないため、高温下でも問題なく動作を続け
ることができる。この際、第1の突起15aは最低1つ
あればよく、可動部材2の第2の突起2aのように基板
の貫通孔3aと同じ数である必要はない。しかしなが
ら、第1の突起15aの位置は貫通孔3aのいずれかの
位置に対応している必要がある。
【0108】図36および図37は、別の局面に従った
結晶シートを基板から剥離する工程を示す断面図であ
る。図36および図37で示すように、基板3の表面に
線状の凸部3dのような溝が形成されていてもよい。こ
の場合でも、図36で示すように基板3の表面に結晶シ
ート300を成長させる。その後第2の突起2aを貫通
孔3aから引き抜き、図37で示すように、第1の突起
15aを貫通孔3aに差し込むことにより基板3から結
晶シート300を剥離することができる。この場合に
は、基板3の主表面が平坦である場合よりもより少ない
力で剥離することができる。これは、上述のように、得
られた結晶シート300と基板3との接着力によるもの
である。すなわち、基板3表面に線状の凸部3bまたは
点状の凸部が形成されることにより、基板3と結晶シー
ト300との接触が点接触または線接触になる。その結
果、平坦な基板を用いた場合よりも接触面積が少なくな
るためである。
【0109】このように、基板3の表面に貫通孔3aを
形成し、成長面に凹凸構造を設けることで、基板3表面
に容易に結晶シート300を成長させるだけでなく、さ
らに容易に剥離することもできる。
【0110】以上のことから明らかなように、基板3の
表面と結晶シート300との接着力は、結晶シート30
0を成長させ剥離するのに重要な因子である。
【0111】次に、その密着力の制御方法について説明
する。図38は、ある材質で構成した基板の斜視図であ
り、図39は、別の材質で構成された突起を有する可動
部材の斜視図である。すなわち、図38では、窒化ホウ
素板3xにより基板3が構成されている。なお、基板3
は主表面30と貫通孔3aとを有する。図39を参照し
て、可動部材2の第2の突起2aは炭化ケイ素柱2xに
より構成される。すなわち、第2の突起2aの先端と基
板3の表面とを異なる材質で構成することによって、同
一の結晶シートの成長面内において複数の異なる剥離性
および接着性を持つ材質を用いることが可能となる。こ
れにより、接着性を制御することが可能となる。たとえ
ば、図38および図39における主表面30で結晶シー
トとの接着性の低い材質を選定し、一方で、第2の突起
2a先端部で結晶シートとの接着性の高い物質を選定す
ることにより、これらの2種類の物質の中間的な接着性
を実現することが可能となる。これは、基板3の開孔率
すなわち、貫通孔3aの径および数によってさらに制御
することが可能となる。
【0112】また、上述のような組合せの際には、基板
3が可動部材2から移動し第2の突起2aの先端部が結
晶シート300から離れることによって基板3と結晶シ
ート300との接着性が極端に下がることになる。その
ため、条件によっては、搬送中に結晶シート300が基
板3から不意に剥離し落下することがある。しかしなが
ら、基板3における開孔率および貫通孔3aの配置を最
適化することで基板3と結晶シート300との接着性を
制御することが可能となる。
【0113】逆に、基板3の主表面3aを結晶シート3
00との接着性の高い物質で構成し、第2の突起2aの
先端部に結晶シート300との接着性の低い物質を選ぶ
ことにより落下を防止することができる。
【0114】基板3の主表面3aおよび第2の突起2a
の先端には、結晶シート300との適度な接着性も要求
される。結晶シート300との接着性が高い基板3を用
いた際には、結晶シート300が基板3に固着し剥離が
難しくなる。一方で、結晶シート300との接着性が低
い基板3を用いた場合には、結晶シート300が成長し
にくくまた搬送中に結晶シート300が落下してしまい
回収できなくなるおそれがある。そのため、基板3には
微妙な接着性が要求されるが、第2の突起2aの先端と
基板3の主表面30とを異なる材質で構成することで、
非常に容易に剥離性と接着性の両立が実現可能となる。
【0115】基板3を構成する材質および第2の突起2
aを構成する材質として、炭化ケイ素、窒化ケイ素およ
び窒化ホウ素が挙げられる。これらの材質は、融液の材
料および使用温度によって適宜選択することが可能であ
る。融液としてシリコンを用いる場合には、基板3およ
び第2の突起2aを炭化ケイ素、窒化ケイ素または窒化
ホウ素で形成することがよい。
【0116】さらに、基板3の主表面30および可動部
材2の第2の突起2aの先端部だけ、上述の材料を被覆
するだけでも十分剥離性および接着性を制御することが
可能となる。このときには、可動部材2の第2の突起2
aの材料および基板3の主表面30の材料と被覆材料と
の熱膨張係数の差をできるだけ近い値にしておく必要が
ある。すなわち、あまりにも熱膨張係数が違いすぎると
被覆材料が剥離するおそれがあるためである。また、被
覆材料は単層である必要はなく、多層構造にすることも
可能である。また、このような被覆をすることにより、
第2の突起2aからの汚染を防ぐことが可能となる。し
かも、熱伝導性の制御も容易となる。
【0117】次に、図40を用いて搬送機構を説明す
る。図40は、剥離工程を説明するための図である。剥
離手段としてのローラ15は、基板3の貫通孔3aに嵌
り合う第1の突起15aを有する。第1の突起15aが
貫通孔に嵌り合ったとき第1の突起15aは貫通孔3a
から突出する。ローラ15は回転可能でありローラ15
の回転方向に沿って第1の突起15aが設けられてい
る。ローラ15は矢印Rで示す方向に回転することが可
能である。
【0118】第1の突起15aが基板3の貫通孔3aに
嵌め合されると基板3からは結晶シート300が剥離す
る。剥離された結晶シート300は何らかの搬送機構を
用いて装置外部へ取出す必要があるが、この実施の形態
では、ある角度を持たせた滑り台状のガイド200によ
り取出される。これにより、剥離された結晶シート30
0は、自重または後から送り出される結晶シート300
によって押出され、滑り台状のガイド200上をすべ
り、径外へ持ち出すことが可能となる。また、剥離部分
の温度にもよるが、ベルトコンベアを用いて剥離された
結晶シート300を取出すことも可能である。また、剥
離された結晶シート300は、ある程度チャンバ内にス
トックされて、複数枚取出される方法でもよい。いずれ
の方法においても、結晶シートの製造装置の密閉性を保
持するため、エアカーテンや2段階式取出し室などを設
ける必要がある。
【0119】(実施の形態6)図41は、この発明の実
施の形態6に従った結晶シートの製造装置の模式的な断
面図である。図41を参照して、この発明の実施の形態
6に従った結晶シートの製造装置50dでは、基板13
0のそれぞれが連結されていない点で実施の形態5で示
す装置と異なる。複数の基板130はそれぞれ連結され
ておらず案内部材としてのレール140上を滑る。
【0120】この実施の形態においては、基板130が
装置内で循環するのではなく、外部から順次送り込みお
よび送り出しをされている点で実施の形態5と異なる。
実施の形態5と比較した場合に、本体チャンバ1の開孔
部が増えるため、空気を含む不純物が本体チャンバ1内
へ入りやすくなる。これを防ぐために、より精度の高い
密閉性を保持するための機構が必要となる。
【0121】また、基板130を本体チャンバ1の外に
取出すために、基板130に与える温度差が大きくな
り、基板130の連続耐用回数が下がる。しかしなが
ら、結晶シート300の剥離および剥離後の搬送を低温
下で行なえるため歩留まりが高いという利点がある。ま
た、実施の形態5では基板3のすべてが数珠つなぎにな
っていたために1つの基板3が破損すると運転が完全に
停止してしまうが、実施の形態6の結晶シートの製造装
置50dでは基板130はレール140上に配置されて
いるだけでありそれぞれの基板130は連結していない
ため基板130が1つまたは複数破損してもそれによっ
て運転を停止する必要は必ずしもない。そのため、連続
生産性および量産性に優れている。なお、この実施の形
態6で示す結晶シートの製造装置50dの主要な構成に
ついては、上述の実施の形態5と同様である。すなわ
ち、軸100内には冷却手段としてのノズル110が設
けられており、可動部材2および基板3を冷却する。
【0122】製造装置に導入された基板130は、レー
ル140上を滑り、可動部材2に達する。可動部材の第
2の突起2aが基板130の貫通孔(図41では示さ
ず)に嵌め合わされて基板130が送り出される。ま
た、基板130の主表面が冷却されて融液に接触するこ
とで、融液成分が主表面に凝固成長する。
【0123】送り出された基板130と基板の主表面1
33に成長した結晶シートは、加熱室から外部に出され
た後に、ローラ15を通過する際に、貫通孔に第1の突
起15aが差し込まれて主表面から結晶シート300が
剥離する。その後、結晶シート300は滑り台またはベ
ルトコンベアなどの搬送機構によって取出され結晶シー
ト300を得ることができる。なお、ベルトコンベア
は、ベルト330とローラ320とにより構成される。
【0124】また、基板130は必要であれば、洗浄お
よび/または研磨等の処理をした後、再びレール140
に載せられて結晶シートの製造装置50d内に順次送り
込まれる。
【0125】図42および図43は、実施の形態6に従
った基板の斜視図である。図42を参照して、1つの局
面に従った基板130は、コの字状のベース部分132
と、ベース部分132の両側に形成されたフック型のガ
イド131とを有する。ガイド131により溝部131
aが形成されており、この溝部131aに2本のレール
140が嵌め合される。レール140に嵌め合された基
板130は、重力、可動部材2の駆動力およびローラ1
5の駆動力によって順次送り出される。また、ベース部
分132には貫通孔130aが形成されており、主表面
133は融液に浸漬される。
【0126】さらに、図43で示すように、基板130
の表面には線状の凸部130bおよび点状の凸部(図4
3では図示せず)および面状の凸部130dを形成する
ことも可能となる。この基板130の表面の凹凸機構
は、上述の図20〜23で示したような形状とすること
が可能である。また、貫通孔も円錐台形状や角柱形状に
することができる。貫通孔130aの形状、径、数、平
坦部の有無、突起の被覆材料などは適宜に選択して使用
することができる。
【0127】このような本発明によれば、搬送機構によ
り基板を移動させた後に、連続的に結晶シートを基板か
ら剥離することができる。本発明においては極めて簡易
な機構による剥離が可能であり、高度の設備および制御
が必要なく、剥離プロセスの低コスト化が可能である。
【0128】また、主に融液付近は非常に高温にさらさ
れるためそれらの装置のそれぞれの機構には耐高温性が
必要とされるが、本発明における連続剥離機構には、機
械的可動部がほとんど必要ない。その結果、高温下でも
問題なく動作を続けることができる。
【0129】なお、剥離用の第1の突起の数は、基板の
貫通孔の数以下であればよく、必ずしも基板の貫通孔の
数と同じ数の突起は必要ない。これにより、高温下で機
械的強度の低い部分である突起の数を減らすことができ
る。また、突起が何らかの原因により結晶シート作製中
に破損した場合も最低1つの突起が残っていれば結晶シ
ートを剥離させることが可能であり、本発明により歩留
りの高い剥離機構を提供することができる。
【0130】また本発明によれば、結晶シートの成長面
である基板の平面を平坦に構成することが可能であり平
坦な結晶シートを基板表面上に成長させることが可能で
ある。これにより、電極接地部分などの良好な接触が要
求される部分の平坦化が可能である。また、凹凸を約8
0μm程度として基板を平坦化することによって搬送に
真空チャックなどのプロセスを使用することも可能であ
る。これにより、プロセスコストの低減および歩留りの
向上などに大きく貢献することができる。
【0131】さらに、可動部材の第2の突起の高さを基
板の厚みより大きくすることまたは小さくすることで、
基板表面の結晶シート成長面に凹部または凸部を形成
し、任意形状の結晶シートが得られる。さらに、基板か
ら結晶シートを剥離するためには、剥離用の第1の突起
の高さは第2の突起の高さよりも大きい必要がある。ま
た同時に、剥離用の第1の突起の高さを第2の突起の高
さの105〜120%程度とすることにより、剥離用の
第1の突起の高さを最低限に抑えることができる。第1
の突起は高温条件下で機械的強度が低い。その高さが大
きいほど機械的強度が低くなる。第1の突起の高さを最
低限に抑えることで装置の耐久性を向上させ、本発明に
おける結晶シート製造装置の歩留りを向上させることが
できる。
【0132】また、本発明によれば、第2の突起の先端
部と基板の主表面とを異なる材質で構成することによっ
て、同一の結晶シートの成長面内において複数の異なる
接着性を持つ材質を用いることが可能となる。また、本
発明によれば、基板の表面に凹凸を設けることで、結晶
シートの基板表面側に任意形状の凹凸を作製することが
可能である。これにより、たとえば結晶シートの任意の
箇所にのみピラミッド状の凹凸形状やV溝のような任意
形状の表面を作製することが可能となる。結晶シートを
太陽電池として用いる場合には、光閉込め構造のために
結晶シートの表面の一部に凹凸を形成する一方で電極接
地部には、電極と結晶シートとの良好な接触のために接
触面を平坦化するということも可能である。
【0133】本発明によれば、太陽電池の重要な課題で
ある低コスト化が可能となる。つまり、原料損失の低
減、スライスコスト低減および剥離性の制御による歩留
りの向上を図ることができる。さらに、研磨やグルーブ
加工などのプロセスによらずに結晶シート表面に任意形
状の凹凸を作製することができる。また、温度分布制御
を用いた結晶核発生の制御による結晶品質の向上を図る
こともできる。
【0134】
【実施例】以下、この発明の実施例について具体的に説
明するなお、以下の実施例においては、融液の温度は1
430〜1450℃の範囲とし、可動部材の回転数は毎
分0.1〜20回転の範囲とした。冷却ガスの流量は毎
分0〜800dm3とした。
【0135】可動部材2および基板3の形状について
は、それぞれ図14および図28から図30で示すもの
を用いた。また、基板3表面の開孔率(主表面30の面
積に対する貫通孔3aの面積の割合)は5〜75%とし
た。またそれぞれについて、第2の突起2aの高さが基
板3の厚みよりも大きいもの、小さいものおよび等しい
ものを用いた。第2の突起2aの先端および基板3の表
面について被覆層が有るものおよび無いものでの実験を
行なった。また、被覆層を構成する場合には、炭化ケイ
素、窒化ケイ素または窒化ホウ素のいずれかで被覆を行
なった。さらに、各実施例において得られた結晶シート
から簡単なプロセスで太陽電池を作製した。
【0136】(実施例1)まず、実施の形態5で説明し
た結晶シートの製造装置50cを用いて結晶シートを作
製した。基板3を50枚連結し、循環系を構成した。循
環系をほぼ1周させて実験を行なった。実験条件は上述
の範囲とした。詳細な条件および手順を以下に示す。
【0137】まず、図17で示すような第2の突起2c
を有する可動部材2を用意した。また、この第2の突起
2cに対応した形状の貫通孔を有する基板3を準備し
た。基板3表面での開孔率を50%とした。基板3の主
表面30を窒化ケイ素で被覆した。第2の突起2cの先
端は特に被覆を行なわなかった。また、基板3の結晶シ
ートの成長面は平面のものとした。つまり、表面に溝を
形成しなかった。質量10kgのシリコン原料(純度9
9.999999999%)を高純度の黒鉛製のるつぼ
内に入れた。チャンバ内を圧力6.7×10-3Paまで
減圧した。チャンバ内にアルゴンガスを導入して常圧に
した。以後は毎分10dm3でチャンバ上部よりアルゴ
ンガスを流し続けた。
【0138】続いて、チャンバ内を温度1500℃まで
昇温して完全にシリコンを融解した。さらに新たにシリ
コン原料を投入して湯面位置を所定の位置に設定した。
その後、チャンバ内を温度1430℃まで温度を下げ
た。30分間その状態のまま保持してチャンバ内部およ
びシリコンの融液8の温度を安定化させた。続いて、図
13で示す可動部材2を毎分0.5回転の速度で回転さ
せながら可動部材2の内部に冷却ガスとして窒素ガスを
毎分700dm3で導入し、内部から可動部材2を冷却
した。その後、るつぼ9を徐々に上昇させて可動部材2
をシリコンの融液8に浸漬しほぼ循環系を1周させた。
それと同時に、基板3の主表面にシリコンの結晶シート
が成長した。この基板3を順次可動部材2から送り出
し、ローラ15で基板3からシリコンの結晶シートを剥
離させた。
【0139】図44は、太陽電池の製造プロセスを示す
工程図である。まず、上述の工程で製造したシリコンの
結晶シート(基板)を洗浄した(ステップS501)。
次に、シリコンの結晶シートをアルカリエッチングした
(ステップS502)。結晶シートにn+層を拡散して
形成した(ステップS503)。結晶シートの表面に反
射防止膜を形成した(ステップS504)。結晶シート
の裏面をエッチングした(ステップS505)。結晶シ
ートの裏面にアルミニウムをペースト印刷し、焼成した
(ステップS506)。受光面に銀ペーストを印刷し焼
成した(ステップS507)。これにより、太陽電池を
作製した。この太陽電池の寸法は縦×横が2cm×2c
mとした。この太陽電池の変換効率を測定したところ1
2%であった。
【0140】(実施例2)ここでは、実施の形態6にし
たがった装置で結晶シートを作製した。基板130を順
次送り込み60枚の基板130を融液8に浸漬させて実
施例1と同様の条件で結晶シートを作製し、その結晶シ
ートを元に太陽電池を作製したところ実施例1と同様の
結果を得た。
【0141】(実施例3〜実施例6)実施例3〜実施例
6では、基板3の表面に凹凸形状を形成したこと以外は
実施例1と同様の方法で行なった。すなわち、実施例3
では図20で示す基板3を用いた。実施例4では図21
で示す基板を用いた。実施例5では図22で示す基板を
用いた。実施例6では図23で示す基板を用いた。それ
ぞれの溝のピッチは1mmとした。溝の深さは1mmと
した。図22および23において、面状の凸部3dの幅
は5mmとした。それぞれの基板3を用いて作製した太
陽電池の特性を表1に示す。
【0142】
【表1】
【0143】(実施例7)まず、比抵抗が2Ω・cmと
なるようにボロンの濃度を調整したシリコン原料を用意
した。このシリコン原料を高純度のカーボン製のるつぼ
に保護された石英製のるつぼに入れた。そのるつぼを図
41で示す本体チャンバ1内に固定した。本体チャンバ
1内を減圧し、圧力を6.7×10-1Pa以下とした。
その後、本体チャンバ1内にアルゴンガスを導入し、常
圧とした。その後は、常に1dm3/分でチャンバ上部
よりアルゴンガスを流出させた。
【0144】次に、シリコンを溶解させるためにヒータ
4の温度を1550℃とした。これにより、完全にシリ
コンを溶融状態とした。このとき、シリコン原料は溶解
することで液面が低くなったため、追加投入管(図示せ
ず)により、新たにシリコン原料を投入して、湯面位置
を所定の位置とした。その後、シリコン融液の温度を1
450℃とし30分間そのまま保持し、融液温度の安定
化を図った。
【0145】次に、可動部材2を回転させずに窒素ガス
の流量を700dm3/分で可動部材2に吹き付け冷却
した。このとき用いた基板130の表面には、図43で
示すような線状の凸部130bと面状の凸部130dを
形成した。基板130の貫通孔130aが面状の凸部1
30dに形成される。線状の凸部130bのピッチは
0.5mmとし、面状の凸部130dの幅は2mmとし
た。基板130の外寸法は30mm×30mmとした。
その後、るつぼ9を徐々に上昇させ、基板130表面が
深さ5mmまで浸漬する位置にまでるつぼ9を上昇させ
た。可動部材2を5rpm(毎分の回転数)で回転さ
せ、シリコンの結晶シートを作製した。
【0146】次に、連続的に基板130を投入すること
により、シリコンの結晶シートが成長した基板130も
順次送り出された。その後、基板130ごと本体チャン
バ1の外へ搬送し、剥離用のローラ15も回転させるこ
とにより、基板130からシリコンの結晶シート300
を剥離した。このとき得られたシリコンの結晶シート3
00は基板130から容易に剥離することができた。
【0147】シリコンの結晶シート300は、基板13
0のサイズとほぼ一致しており、縦×横が30mm×3
0mmであった。得られたシリコンの結晶シート300
の厚みは厚い部分で約0.4mm、薄い部分で約0.2
5mmであった。
【0148】次に、得られたシリコンの結晶シート30
0を用いて、太陽電池の作製を行なった。得られたシリ
コンの結晶シートを、硝酸とフッ酸との混合溶液でエッ
チングおよび洗浄を行ない、その後、水酸化ナトリウム
を用いてアルカリエッチングを行なった。その後、PO
Cl3を拡散させてp型基板にn型層を形成した。結晶
シート表面に形成されるPSG(リンシリケイトガラス
膜)をフッ酸で除去した後、太陽電池の受光面となるn
型層上にプラズマCVDを用いてシリコン窒化膜を形成
した。次に、太陽電池の裏面側となる面に形成されてい
るn型層を硝酸とフッ酸との混合溶液でエッチング除去
した。これにより、p型基板を露出させた。その上に裏
面電極およびp+層を同時に形成した。
【0149】次に受光面側の電極をスクリーン印刷法を
用いて形成した。このとき、図25で示すようにシリコ
ンの結晶シートの平坦部に電極が形成されるようにスク
リーン印刷を行なった。その後、はんだディップを行な
い太陽電池を作製した。作製した太陽電池について、A
Mが1.5、100mW/cm2の照射条件でセル特性
を測定した。測定結果は、短絡電流が29.8mA/c
2、開放電圧が594mV、フィルファクタが0.7
3、効率が12.9%であった。
【0150】(実施例8)実施例8では、ニッケルシー
トの作製を行なった。ニッケル原料を高純度アルミナ製
のるつぼ9内に入れ、そのるつぼ9を図13で示す結晶
シートの製造装置50cのチャンバ内に固定した。チャ
ンバ内の圧力を6.7×10-2Pa以下とした。その
後、チャンバ内にアルゴンガスを導入し、常圧とした。
その後は常に1dm3/分でチャンバ上部よりアルゴン
ガスを流出させた。
【0151】次に、ニッケル溶解用のヒータの温度を1
560℃とし、完全にニッケルを溶融状態とした。この
とき、ニッケル原料は溶融することで液面が低くなるこ
とから、追加投入管により、新たにニッケル原料を導入
することで湯面位置を所定の位置とした。その後、ニッ
ケルの融液8の温度を1470℃とし、30分間そのま
ま保持し、融液8の温度の安定化を図った。
【0152】次に、可動部材2を5rpmで回転させた
まま、窒素ガスの流量を1400dm3/分として可動
部材2の内部に吹き付け可動部材2を冷却した。このと
き用いた基板3の表面には、図21で示すように点状の
凸部3cを形成した。点状の凸部3cのピッチは0.0
7mmであり、溝の深さは0.07mmであり、基板3
の外寸法は縦×横が20mm×20mmとした。
【0153】その後、るつぼ9を徐々に上昇させ、基板
3が深さ5mmまで浸漬する位置までるつぼ9を上昇さ
せた。これによりニッケルシートを作製した。得られた
ニッケルのシートの厚みは、厚い部分で600μm、薄
い部分で450μmであった。
【0154】(実施例9)実施例9では、アルミニウム
のシートの作製を行なった。アルミニウム原料を高純度
の黒鉛製のるつぼ9内に入れ、そのるつぼ9を図13で
示すような結晶シートの製造装置50cのチャンバ内に
固定した。チャンバ内の圧力を1.3Pa以下とした。
その後、チャンバ内にアルゴンガスを導入し常圧とし
た。その後は、常に流量0.5dm3/分でチャンバ上
部からアルゴンガスを流出させた。
【0155】次に、ヒータの温度を800℃とし、完全
にアルミニウムを溶融状態とした。このとき、アルミニ
ウム原料は溶解することで液面が低くなるため、追加投
入管により新たにアルミニウム原料を投入することで湯
面位置を所定の位置に合わせた。
【0156】その後、アルミニウム融液の温度を700
℃とし、5分間そのまま保持し、融液温度の安定化を図
った。
【0157】次に、可動部材2を10rpmで回転させ
たまま、窒素ガスの流量を800dm3/分として可動
部材2内部に吹き付け可動部材2を冷却した。このとき
用いた基板3には、図20で示すような線状の凸部3b
が形成されていた。凸部3bのピッチは0.07mmで
あり、溝の深さは0.07mmであり、基板3の外寸は
縦×横が15mm×15mmであった。
【0158】その後、るつぼ9を徐々に上昇させ、基板
3が5mmの深さまで浸漬する位置にまでるつぼ9を上
昇させアルミニウムのシートを作製した。
【0159】これにより得られたシートの厚みは厚い部
分で300μm、薄い部分で150μmであった。
【0160】(実施例10)図45は、実施例10で用
いた結晶シートの製造装置の模式的な断面図である。実
施例10では、図45に示す装置を用い、結晶シートの
製造装置50e以外の条件はすべて実施例7とすべて同
じ条件としてシリコン結晶シートを作製した。図45を
参照して、本実施例においては剥離手段402および可
動部材401が回転しない。剥離手段402および可動
部材401は、矢印402aおよび401aで示す方向
に上下動する。可動部材401内には冷却手段としての
ノズルが設けられており、ノズルから噴出する冷却ガス
が可動部材401および可動部材401に接する基板を
冷却する。
【0161】まず、可動部材401について説明する。
図46を参照して、ベルト状の案内部材19によりキャ
タピラ状に基板3が連結され順次送られてくる。テンシ
ョンロール400によってキャタピラには一定のテンシ
ョンがかかっている。
【0162】図47を参照して、回転しない可動部材4
01が上部から基板3を押込み、基板3をシリコン融液
8に浸漬させる。その後、可動部材401が上昇し、図
46で示す状態に戻る。基板3が1枚分だけ矢印403
で示す方向に送り出され、続いて可動部材401は下降
して次の基板3をシリコン融液8に浸漬させる。これを
繰返すことにより、順次シリコンシートを作製すること
ができた。
【0163】次に、剥離手段402について説明する。
図48を参照して、キャタピラ上に連結されて基板3が
順次送られる。回転しない剥離手段402が上下動する
ことによって基板3から結晶シート300を剥離させ、
ベルト330を有するベルトコンベアを用いて矢印31
0で示す方向に結晶シート300を運搬して取出すこと
ができた。剥離手段402は、図48で示すように1つ
でも十分であるが、複数設置した場合も同様に効率よく
結晶シート300を取出すことができた。
【0164】また、基板3を順次動かし続けるために
は、可動部材401および剥離手段402が、基板3に
同期して基板3の移動方向へも可動することが望まし
い。なお、剥離手段402は突起402bを有する。ま
た、図48では案内部材19は省略している。
【0165】以上、この発明の実施の形態および実施例
について説明したが、本発明の範囲はこれらに限定され
るものではない。
【0166】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0167】
【発明の効果】この発明に従えば、基板を冷却された可
動部材に接触させて冷却しながら結晶シートを成長させ
ることで、基板と融液が反応することを防ぎ、基板に沿
った平面形状を有する結晶シートを得ることができる。
また、基板をキャタピラ状に連結し、冷却体と接触して
いる部分で結晶成長させ、基板ごと加熱室外へ搬送する
ことで加熱室外への搬送が容易になる。また、剥離回収
を加熱室外で行なうため、結晶シートの基板からの剥離
が容易となる。さらに、真空チャッキングなどの回収治
具も温度が低い領域に設置されるため、耐熱性を考慮し
なくてもよく設計しやすい。さらに、基板を冷却体に連
続的に供給するため生産効率が向上する。
【0168】また、キャタピラ状に連結した基板の連結
部を融液に浸漬させないことにより、融液が可動部に浸
透することによる破損を防止することができる。
【0169】また、冷却体である可動部材と基板との接
触面を凹凸形状とすることで、その接触面積を広くする
ことができ、効率よく基板を冷却することができる。
【0170】また、可動部材の周囲に配置した基板に貫
通孔を設け、可動部材にはそれに対応した突起を設ける
ことで、連続的に基板から結晶シートを剥離することが
可能となった。機械的可動部分をほとんど必要としない
ため、シリコン融液を用いるような高温下でも問題なく
動作させることができる。
【0171】また、上述の突起によって任意の凹凸形状
を持った結晶シートの作製が可能である。これにより製
造される結晶シートの形状が大まかに定められること
で、結晶シートを加工する際の手間が省け、低コスト化
が望まれる。また、基板表面と突起先端部とを結晶シー
トとの接着性の異なる2種類以上の材質で被覆すること
で、基板と結晶シートとの接着性の制御を容易に行なう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に従った結晶シート
の製造装置の模式的な断面図である。
【図2】 可動部材を拡大して示す斜視図である。
【図3】 図2中のIII−III線に沿って見た断面
を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に従った可動部材の
断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に従った基板の断面
図である。
【図6】 この発明の実施の形態3の別の局面に従った
基板の斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態3のさらに別の局面に
従った基板の斜視図である。
【図8】 この発明の実施の形態3のさらに別の局面に
従った基板の斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態4に従った結晶シート
の製造装置の模式的な断面図である。
【図10】 図9で示す可動部材を拡大して示す斜視図
である。
【図11】 図10中のXI−XI線に沿って見た断面
を示す図である。
【図12】 キャタピラ状に連結された基板の構成を示
す斜視図である。
【図13】 この発明の実施の形態5に従った結晶シー
トの製造装置の模式的な断面図である。
【図14】 図13で示す可動部材を拡大して示す斜視
図である。
【図15】 図14で示す可動部材に対応した基板の斜
視図である。
【図16】 この発明の別の局面に従った可動部材の斜
視図である。
【図17】 この発明のさらに別の局面に従った可動部
材の斜視図である。
【図18】 この発明のさらに別の局面に従った可動部
材の斜視図である。
【図19】 この発明のさらに別の局面に従った可動部
材の斜視図である。
【図20】 この発明の別の局面に従った基板の斜視図
である。
【図21】 この発明のさらに別の局面に従った基板の
斜視図である。
【図22】 この発明のさらに別の局面に従った基板の
斜視図である。
【図23】 この発明のさらに別の局面に従った基板の
斜視図である。
【図24】 基板の一部分を示す斜視図である。
【図25】 図24で示す基板を用いて得られた結晶シ
ートの斜視図である。
【図26】 この発明のさらに別の局面に従った基板の
断面図である。
【図27】 この発明のさらに別の局面に従った基板の
断面図である。
【図28】 基板表面に形成される結晶シートの断面図
である。
【図29】 基板表面に形成される結晶シートの断面図
である。
【図30】 基板表面に形成される結晶シートの断面図
である。
【図31】 図28で示す基板の斜視図である。
【図32】 図29で示す基板の斜視図である。
【図33】 図30で示す基板の斜視図である。
【図34】 結晶シートを基板から剥離する工程を示す
断面図である。
【図35】 結晶シートを基板から剥離する工程を示す
斜視図である。
【図36】 別の局面に従った結晶シートを基板から剥
離する工程を示す断面図である。
【図37】 別の局面に従った結晶シートを基板から剥
離する工程を示す断面図である。
【図38】 ある材質で構成された基板の斜視図であ
る。
【図39】 別の材質で形成された突起を有する可動部
材の斜視図である。
【図40】 剥離工程を説明するための図である。
【図41】 この発明の実施の形態6に従った結晶シー
トの製造装置の模式的な断面図である。
【図42】 この発明の実施の形態6の1つの局面に従
った基板の斜視図である。
【図43】 実施の形態6の別の局面に従った基板の斜
視図である。
【図44】 太陽電池の製造プロセスを示す工程図であ
る。
【図45】 実施例10で用いた結晶シートの製造装置
の模式的な断面図である。
【図46】 図45で示す装置の動作を説明するための
図である。
【図47】 図45で示す装置の動作を説明するための
図である。
【図48】 剥離手段の動作を説明するための図であ
る。
【図49】 従来のシリコンリボン法によるシリコンの
製造方法の概略図である。
【図50】 従来のシリコンリボン製造装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
2 可動部材、2a,2b,2c,2d 第2の突起、
3,130 基板、3a 貫通孔、3b,3c,3d
凸部、8 融液、9 るつぼ、15 ローラ、15a
第1の突起、19 案内部材、30 主表面、110
ノズル、140レール、300 結晶シート。
フロントページの続き (72)発明者 布居 徹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 五十嵐 万人 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 佃 至弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 光安 秀美 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 谷口 浩 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 AA03 BA04 CF03 EG30 5F051 AA01 BA11 CB01

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶シートが形成されるべき主表面を有
    する板状体と、 融液を保持する容器と、 前記板状体の主表面が融液に接触した後、融液から離れ
    るように前記板状体を移動させるために前記板状体を保
    持する可動部材と、 前記可動部材を冷却するための冷却手段とを備えた、結
    晶シートの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記可動部材から搬送された前記板状体
    の主表面に形成された結晶シートを前記主表面から剥離
    する剥離手段をさらに備え、前記板状体には貫通孔が形
    成されており、前記剥離手段は前記貫通孔に嵌まり合う
    第1の突起を有する、請求項1に記載の結晶シートの製
    造装置。
  3. 【請求項3】 前記可動部材は、前記貫通孔に嵌まり合
    う第2の突起を有する、請求項2に記載の結晶シートの
    製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の突起が前記貫通孔に嵌まり合
    ったとき前記第2の突起の頂面と前記主表面の高さとが
    ほぼ等しくなる、請求項3に記載の結晶シートの製造装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第1の突起の長さは前記第2の突起
    の長さよりも長い、請求項3に記載の結晶シートの製造
    装置。
  6. 【請求項6】 前記板状体の材質と前記第2の突起の材
    質とが異なる、請求項4または5に記載の結晶シートの
    製造装置。
  7. 【請求項7】 前記剥離手段には前記板状体の移動方向
    に沿って前記第1の突起が設けられており、前記可動部
    材には前記板状体の移動方向に沿って前記第2の突起が
    設けられている、請求項4から6のいずれか1項に記載
    の結晶シートの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記板状体を前記可動部材から前記剥離
    手段に案内するベルト状の案内部材をさらに備え、前記
    案内部材により複数の前記板状体が連結されてキャタピ
    ラ状に形成されている、請求項2から7のいずれか1項
    に記載の結晶シートの製造装置。
  9. 【請求項9】 前記板状体の両端部に立設部が設けられ
    ており、隣り合う前記板状体を前記案内部材に締結する
    ための締結部が前記立設部に設けられている、請求項8
    に記載の結晶シートの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記板状体を前記可動部材から前記剥
    離手段に案内するレール状の案内部材をさらに備えた、
    請求項2から7のいずれか1項に記載の結晶シートの製
    造装置。
  11. 【請求項11】 前記可動部材は多角柱形状である、請
    求項1から10のいずれか1項に記載の結晶シートの製
    造装置。
  12. 【請求項12】 前記可動部材と前記板状体とは、互い
    に嵌合し合う凹凸形状を有する、請求項1から11のい
    ずれか1項に記載の結晶シートの製造装置。
  13. 【請求項13】 前記板状体の主表面は平坦である、請
    求項1から12のいずれか1項に記載の結晶シートの製
    造装置。
  14. 【請求項14】 前記板状体の主表面に凹凸が形成され
    ている、請求項1から12のいずれか1項に記載の結晶
    シートの製造装置。
  15. 【請求項15】 前記可動部材内に前記冷却手段が設け
    られている、請求項1から14のいずれか1項に記載の
    結晶シートの製造装置。
  16. 【請求項16】 冷却された状態の板状体を融液に接触
    させる工程と、 融液に接触した前記板状体の主表面を融液から離すこと
    によって前記主表面に結晶シートを凝固成長させる工程
    と、 前記板状体から結晶シートを剥離する工程とを備えた、
    結晶シートの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記結晶シートを剥離する工程は、前
    記板状体上に成長した結晶シートを加熱室外に案内して
    剥離回収することを含む、請求項16に記載の結晶シー
    トの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記結晶シートを凝固成長させる工程
    は、可動部材を用いて前記板状体の主表面を融液に接触
    させた後、融液から離れるように前記板状体を移動させ
    ることを含む、請求項17に記載の結晶シートの製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記板状体を融液に接触させる工程
    は、貫通孔が形成された前記板状体に融液を接触させる
    ことを含み、前記結晶シートを剥離する工程は、第1の
    突起が設けられた剥離手段を用いて、結晶シートが形成
    された前記板状体の主表面の反対側から前記剥離手段の
    第1の突起を前記板状体の貫通孔に嵌め合わせることに
    より結晶シートを前記板状体から剥離することを含む、
    請求項18に記載の結晶シートの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記剥離手段は回転可能であり、前記
    剥離手段の回転方向に沿って複数の前記第1の突起が設
    けられ、前記結晶シートを剥離する工程は、前記剥離手
    段を回転させることにより複数の前記板状体の前記貫通
    孔の1つ以上に複数の前記第1の突起を嵌め合わせて、
    結晶シートを前記板状体から剥離することを含む、請求
    項19に記載の結晶シートの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記板状体を融液に接触させる工程
    は、第2の突起が形成された前記可動部材を用いて、前
    記可動部材の第2の突起が前記貫通孔に嵌め合わされた
    状態で前記板状体を融液に接触させることを含む、請求
    項18から20のいずれか1項に記載の結晶シートの製
    造方法。
  22. 【請求項22】 前記可動部材は回転可能であり、前記
    可動部材の回転方向に沿って複数の前記第2の突起が設
    けられ、前記板状体を融液に接触させる工程は、前記可
    動部材を回転させることにより複数の前記板状体の前記
    貫通孔の各々に複数の前記第2の突起の各々を嵌め合わ
    せて、前記板状体に融液を接触させることを含む、請求
    項21に記載の結晶シートの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記結晶シートを凝固成長させる工程
    は、シリコンの結晶シートを凝固成長させることを含
    む、請求項16から22のいずれか1項に記載の結晶シ
    ートの製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項16から23のいずれかの方法
    で製造した結晶シートを用いて製造した太陽電池。
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