JP2004035341A - 結晶シート製造装置および製造方法ならびに太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板が融液中に浸漬する時間を短縮して成長面のSiC化を防止し、融液を保持するるつぼの大きさを基板面の大きさと同じかまたはそれ以下にし、そして融液の溶融状態を維持するための加熱エネルギーも小さくてすむ結晶シート製造装置および製造方法ならびにこれらを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明の結晶シート製造装置は、半導体材料を溶融するためのるつぼと、該半導体材料の融液を表面上に結晶成長させる基板を備えた基体と、前記るつぼの上方に間隔をあけて取り付けられた、該基体を固定するための回転ホルダと、該回転ホルダの下面に取り付けられた回転軸とを含み、該回転軸は、基板の最大面と略垂直でかつ融液面と略平行であり、該回転軸を回転することにより、前記基板の最大面と前記融液面とを略垂直に維持しつつ、基板を該融液に浸漬し、かつ該融液から引き上げることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明の結晶シート製造装置は、半導体材料を溶融するためのるつぼと、該半導体材料の融液を表面上に結晶成長させる基板を備えた基体と、前記るつぼの上方に間隔をあけて取り付けられた、該基体を固定するための回転ホルダと、該回転ホルダの下面に取り付けられた回転軸とを含み、該回転軸は、基板の最大面と略垂直でかつ融液面と略平行であり、該回転軸を回転することにより、前記基板の最大面と前記融液面とを略垂直に維持しつつ、基板を該融液に浸漬し、かつ該融液から引き上げることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体材料の融液から結晶シートを基板上に成長させる結晶シート製造装置および製造方法に関し、より詳細には、基板の最大面と融液面とを略垂直に維持しつつ基板を融液と接触させることにより、融液の結晶を基板上に成長させる結晶シート製造装置および製造方法、ならびにこれらによって製造された結晶シートを含む太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池に用いられている多結晶シリコンを製造するための代表的な方法としては、不活性雰囲気中でリンまたはボロンなどのドーパントを添加した高純度シリコン材料をるつぼ中で加熱溶融させ、この融液を鋳型に流し込んで冷却し、多結晶インゴットを得、これをスライスすることによりシリコンウェハを得る、キャスティング法がある。
【0003】
この方法では、大量生産が可能で、光電変換効率が良いシリコン結晶を得ることができるが、スライス工程を必要とするので、ワイヤや内周刃の厚み分以上の材料ロスを生じてしまい、非常にコストがかかってしまう。したがってこの方法は、太陽電池の低価格化を図る近代の産業要求を考慮すると、好ましくない。
【0004】
一方、これに代わる方法として、溶融シリコンから直接シリコンシートを製造する方法が提案されている。特開平2001−31496では、次の方法が開示されている。つまり、回転軸の周囲に軸と平行に基板を取り付け、軸を液面に略平行として回転させると、基板面が液面に対して平行に近い角度で浸漬される。このとき、基板は、シリコン融液中に一定時間浸漬され、その間に基板表面上にシリコンを付着および成長させるシリコンシート製造方法である。この方法では、冷却された回転円筒をシリコン融液中に浸漬することで、円筒周面に結晶シリコンを成長させている。
【0005】
しかしながら、回転円筒の周囲をシリコン融液面に略平行にする必要があるので、るつぼ面が基板面積より大きくなってしまうという問題がある。また、これにより、融液表面からの熱拡散が大きくなり、るつぼの高温状態を維持するためめに非常に大きなエネルギーを必要とし、問題である。
【0006】
さらに、回転円筒内で連続的に製造するために、シリコン融液に浸漬する時間が長くなってしまい、成長面が部分的にSiC化してしまう。このSiC化により結晶シリコンの粒径が小さくなり、面内品質の不均一が生じる。また、シート状シリコン板の少数キャリア拡散長は、約50μmとなってしまい、問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記技術の問題を解決するものであり、製造工程を簡略化し、基板が融液中に浸漬する時間を短縮して成長面のSiC化を防止し、融液を保持するるつぼの大きさを基板面の大きさと同じかまたはそれ以下にし、そして融液の溶融状態を維持するための加熱エネルギーも小さくてすむ結晶シート製造装置および製造方法、ならびにこれによって製造された結晶シートを含む太陽電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の結晶シート製造装置は、半導体材料を溶融するためのるつぼと、該半導体材料の融液を表面上に結晶成長させる基板を備えた基体と、前記るつぼの上方に間隔をあけて取り付けられた、該基体を固定するための回転ホルダと、該回転ホルダの下面に取り付けられた回転軸とを含み、該回転軸は、基板の最大面と略垂直でかつ融液面と略平行あり、該回転軸を回転することにより、前記基板の最大面と前記融液面とを略垂直に維持しつつ、基板を該融液に浸漬し、かつ該融液から引き上げることができることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、本発明の結晶シート製造装置は、該基体を搬送するための搬送ベルトと、前記搬送ベルトと前記回転ホルダとの間に取り付けられた中継ステージとをさらに備え、該中継ステージを通過させることにより搬送ベルトと回転ホルダとの間で基体を移動させる。
【0010】
好ましくは、本発明の結晶シート製造装置は、前記基板が基板支持体に取り付けられて基体とされ、前記基体を前記回転ホルダから取り外すことができる機構が該回転ホルダに設られている。
【0011】
好ましくは、本発明の結晶シート製造装置は、前記基板を前記基板支持体に取り付ける機構をさらに備え、該機構は、該基体を装置外へも移動することができる。
【0012】
好ましくは、前記基体を予備加熱する予熱区域、前記中継ステージを通して搬送ベルトと回転ホルダとの間で該基体を移動させる中継区域、ならびに該基体が冷却され、装置外へ搬出される搬出区域が、前記搬送ベルトの周りに、搬送方向に向かって前記順序にて設けられ、前記基体を前記回転ホルダに固定し、該回転ホルダから取り外し、かつ前記回転軸を回転させて基板を融液に浸漬することにより、基板上に融液を結晶成長させる結晶シート成長区域が、前記るつぼの周りにさらに設けられている。
【0013】
本発明の結晶シート製造方法は、搬送ベルトを進めることにより、基体を予熱区域から中継区域まで搬送する工程と、中継ステージを通過させて、前記基体を該中継区域から結晶シート成長区域まで搬送する工程と、該結晶シート成長区域にて該基体を回転ホルダに固定する工程と、前記基板の最大面と略垂直でかつ融液面と略平行である回転軸を回転することにより、該回転ホルダを回転させて前記基板を融液に浸漬させ、前記回転軸をさらに回転することにより前記基板を引き上げる工程と、該基体を回転ホルダから取り外して、該結晶シート成長区域から前記中継区域まで引き戻す工程と、前記搬送ベルトを進めることにより、前記基体を前記中継区域から搬出区域に移動する工程とを包含することを特徴とする。
【0014】
好ましくは、本発明の結晶シート製造方法は、前記回転軸を回転することにより前記回転ホルダを回転させて、基板を融液に浸漬させ、前記回転軸をさらに回転することにより前記基板を引き上げる前記工程において、該基板の最大面と融液面とが略垂直に維持されている。
【0015】
好ましくは、本発明の結晶シート製造方法は、基体は、前記予熱区域で予備加熱され、搬出区域で冷却される。
【0016】
本発明は、上記に記載の結晶シート製造装置または結晶シート製造方法によって製造された結晶シートを含む太陽電池を提供する。
【0017】
上記結晶シート製造装置および製造方法によれば、基板の最大面と融液面とが略垂直を保って、基板が融液中に浸漬するので、基板の浸入面積は、従来の方法と比べて1/10程度となる。したがって、るつぼの大きさも小さくすることができる。さらに、融液の温度制御を容易にすることができ、過剰なエネルギーを必要とせず、装置も簡略化できる。また、基板の融液中に浸漬する時間も短くなり、基体表面のSiC化も防止することができ、結晶シートの品質を改善することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明で用いる基板11とこれを支持するための基板支持体12とからなる基体13を示す概略図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は正面図、図1(c)は側面図である。図2(a)は、この基体13の斜視図であり、図2(b)は、基体13を固定するための回転ホルダ9の斜視図であり、図2(c)は、基体13が回転ホルダ9に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0020】
図3は、本発明の結晶シート製造装置を上からみた概略図であり、基板11を予備加熱するための予熱区域1と、結晶成長前に基体13を搬送ベルト5から中継ステージ10を通して回転ホルダ9に装入棒6を用いて移動させ、結晶成長後には、基体13を中継ステージ10を通して回転ホルダ9から搬送ベルト5まで戻すための中継区域2と、基体13を回転ホルダ9に固定し、回転軸16を回転することにより基板11を溶融シリコン8中に浸漬させて結晶成長させ、さらに回転させて基板11を引き上げて、その後、回転ホルダ9から基体13を取り外す、結晶シート成長区域3と、基板11を冷却し、その後搬送ベルト5から基体13を外部に搬送するための搬出区域4との4つの区域から構成される。基体13を搬送方向18に搬送するための搬送ベルト5は、予熱区域1、中継区域2および搬出区域4を貫通するように構成される。
【0021】
図3に示されるように、上記結晶シート成長区域3において、回転ホルダ9の下面には、回転軸16が取り付けられている。この回転軸16は、溶融シリコン8の上面に略水平であり、かつ基体13が回転ホルダ9に固定されたときの基板11の最大面に対して略垂直になっている。これにより、回転軸16が回転して基板11が溶融シリコン8中に浸漬する際に、基板11の最大面と溶融シリコン8の上面とが垂直になるようにされ、溶融シリコン中に浸入する基板11の面積が小さくなり、るつぼ7の大きさを小さくすることができる。したがって、溶融シリコンの温度制御も容易になり、装置の簡略化につながる。
【0022】
以下、本発明の結晶シート製造装置の動作について説明する。図3に示すように、まず基体13を予熱区域1の搬送ベルト5の上に設置し、搬送ベルト5を搬送方向18に向かって移動させる。このときの移動速度および移動時間は、プログラムにより設定することができる。また、予熱温度は、一例を挙げると約650℃に設定することができるが、これに限定されない。図4は、基体13が中継区域2から中継ステージ10を通過している状態を上からみた概略図である。図4に示されるように、基体13が予熱区域1から中継区域2まで搬送されると、搬送ベルト5は停止し、装入棒6によって基体支持体12の側面を結晶シート成長区域に向かって水平に押し出される。このとき、中継ステージ10にすべり溝が設けられているので、すべり溝を介して基体13を滑らせることができる。
【0023】
中継ステージ10を通過した基体13は、回転ホルダ9に嵌合されて固定される。このときの状態を図5に示す。図5は、基体13が回転ホルダ9に嵌合した状態を上からみた概略図である。その後、回転軸16を回転させることにより、基板11をるつぼ7中の溶融シリコン8に浸漬させて一回転させる。このときの回転速度は、一例を挙げるならば、約5rpmであるが、これに限定されるわけではない。基体13が一回転した後の状態は、再び図5に示される。ここで、基板11が溶融シリコン8に浸漬されるとき、基板11と接触した溶融シリコンは過冷却状態となるので、基板11の表面上にシート状結晶シリコンが形成される。したがって、図5において、基体13が一回転した後は、基板11上に結晶シリコンが形成されているが、図中においては示されていない。
【0024】
次に、基体13を中継区域2から結晶シート成長区域3に移動させたときとは逆に、結晶シート成長区域3から中継区域2に向かって取りだし棒14で基体支持体12の側面を水平に押し出すことにより、基体13は、中継ステージ10を通って中継区域2の搬送ベルト5まで戻される。図6は、基体13が結晶シート成長区域3から中継ステージ10を通過している状態を上からみた概略図である。
【0025】
基体13が搬送ベルト5まで戻されると、再び搬送ベルト5は動き出し、基体13は中継区域2から搬出区域4まで搬送される。このときの状態を図7に示す。図7は、基体13が搬出区域4まで搬送された状態を上からみた概略図である。搬出区域4にまで搬送された基体13は、約40℃程度の温度にまで冷却される。また、図7に示されるように、基体13の搬出区域4への搬送が完了すると同時に、次に結晶成長されるべき基体13が予熱区域1から中継区域2まで搬送されている。その後、結晶シートが形成された基体13は、図示しない搬送手段により後工程に供される。このような動作を繰り返すことにより、基板11の表面にシリコン結晶成長した基体13が順次作製されていく。
【0026】
形成されたシート状シリコン13は、レーザで切断されて、基体13と分離される。分離された基体13は、再利用可能でありコスト削減につながる。
【0027】
以下に結晶シート成長区域3において基体13がシリコン結晶成長させるときの動作をより詳細に説明する。図8は、本発明の結晶シート製造装置を正面からみた断面図である。図8に示されるように、結晶シート成長区域3において、基体13は回転ホルダ9に嵌合して固定されている。また、回転ホルダ9は、溶融シリコン8を有するるつぼ7の中心部上方に間隔をあけて設置されている。るつぼ7には、るつぼの恒温を維持するための高周波加熱ヒータ17が取り付けられている。回転軸16は、溶融シリコンの上面と略平行であり、基板11の最大面と略垂直に回転ホルダ9の下面に取り付けられている。
【0028】
図9は、基体13が図8の状態から180度回転して溶融シリコン8中に浸漬している状態を正面からみた断面図である。回転軸が上述のように取り付けられているので、図9からわかるように、基板11の最大面と融液面とが略垂直に交わるように、基板11が融液8中に浸漬している。このようにして基板11が融液8中に浸漬することで、るつぼ7の大きさを小さくすることができ、したがって、溶融シリコンの恒温状態を維持するためのエネルギーも少なくてすむ。また、図9のように浸漬させることで、基板11の両面にまで溶融シリコンが結晶成長することができ、時間の短縮につながり、作業効率は大幅に改善されることになる。また、基板11が融液8中に浸漬して、融液シリコンと接触していた時間が、わずか10秒程度となり、成長面のSiC化を防止することができる。
【0029】
また、このときの基板11の温度としては、50℃〜シリコン融点以下の温度に設定することで結晶成長を可能にするが、融点に近づくほど、基板11と溶融シリコンとの間で反応が生じてしまうので、シート成長後にシートが基体から剥離し難くなる場合がある。
【0030】
図10は、基板11が図8の状態から360度回転した状態を正面からみた断面図である。図10からわかるように、基板11上にシート状シリコン15を成長させた基体13がるつぼ7の上方にある。この状態から、取りだし棒14を用いて基板支持体12を中継ステージの方向へ水平に押し出すことにより、中継区域2まで基体13が移動される。
【0031】
なお、本実施の形態において、基板面の回転により融液に浸漬させる結晶シート製造装置を説明してきたが、同様に成長用基体面が回転円以外の移動軌跡で融液に浸漬させる結晶シートを成長することも可能である。
【0032】
上記において使用した基板11の材質としては、溶融シリコンの温度よりも融点が高く、溶融シリコンとの反応性が小さいものであれば限定されないが、好ましくは、炭化珪素、石英、窒化珪素、アルミナ、酸化ジルコニウム、グラファイトなどが挙げられる。より好ましくは、グラファイトである。グラファイトの材料は、加工性に優れ、脱着も容易であるからである。基板11の形状としては、平板状のものが好ましく、枚葉状とすることもできる。また、中継ステージ10および回転ホルダ9は、種々の材料から選択され得るが、本発明においては、主として炭素からなる材料を使用することができる。上記のそれぞれの材料は、使用前に、いずれも公知の方法によって洗浄し、高温で処理したものを使用する。
【0033】
(実施例)
本発明の結晶シート製造装置を用いて、面積150mm角のシート状シリコン板を作製した。その平均厚さは約300μmであった。また、シート状シリコン板の少数キャリア拡散長は90μm以上まで顕著な基板品質改善ができた。このシート状のシリコン板はP型多結晶であり、抵抗率は0.7Ωcmであった。
【0034】
次に、このシート状結晶シリコン板を使用して太陽電池を製造する。基板をRCA洗浄した後、POCl3ソースによる燐拡散を行い、不純物濃度約1×1020cm−3のN型シリコン層が形成され、P−N接合の深さは約0.32μmであった。次に、裏面の拡散層をエッチングにより除去し、表面にプラズマCVDによるシリコン窒化膜を反射防止膜として形成した。裏面の電極はAlペーストを用いたスクリーン印刷法で形成され、約800℃の温度で焼成した。表面櫛型電極は銀ペーストを用いたスクリーン印刷方法で形成され、600℃程度の温度で焼成した。さらに表面櫛型電極を錫の半田ディップし、リーダ線を付けて、このシート多結晶太陽電池を作製した。AM1.5の測定条件(25℃,100mW/cm2)で光電変換効率は10.8%であった。
【0035】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0036】
【発明の効果】
本発明の結晶シート製造装置および製造方法によれば、基板が枚葉状であり、基板の最大面と融液の上面とが略垂直を維持しつつ、基板が融液中に浸漬することができるので、るつぼを小さくすることができる。るつぼが小さくなったことで、融液の恒温状態を維持するためのエネルギーも低減することができる。また、基板が融液中に浸漬する時間を短縮して成長面のSiC化を防止し、製造工程を簡略化することができ、装置費用を従来よりも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板とこれを支持するための基板支持体とからなる基体を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図2】(a)は、基体の斜視図であり、(b)は、基体を固定するための回転ホルダの斜視図であり、(c)は、基体が回転ホルダに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の結晶シート製造装置を上からみた概略図である。
【図4】基体が中継区域から中継ステージを通過している状態を上からみた概略図である。
【図5】基体が回転ホルダに嵌合した状態を上からみた概略図である。
【図6】基体が結晶成長シート区域から中継ステージを通過している状態を上からみた概略図である。
【図7】基体が搬出区域まで搬送された状態を上からみた概略図である。
【図8】本発明の結晶シート製造装置を正面からみた断面図である。
【図9】基体が図8の状態から180度回転して溶融シリコン中に浸漬している状態を正面からみた断面図である。
【図10】基板が図8の状態から360度回転した状態を正面からみた断面図である。
【符号の説明】
1 予熱区域、2 中継区域、3 結晶シート成長区域、4 搬出区域、5 搬送ベルト、6 装入棒、7 るつぼ、8 溶融シリコン、9 回転ホルダ、10 中継ステージ、11 基板、12 基板支持体、13 基体、14 取りだし棒、15 シート状シリコン、16 回転軸、17 高周波加熱ヒータ、18
搬送方向。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体材料の融液から結晶シートを基板上に成長させる結晶シート製造装置および製造方法に関し、より詳細には、基板の最大面と融液面とを略垂直に維持しつつ基板を融液と接触させることにより、融液の結晶を基板上に成長させる結晶シート製造装置および製造方法、ならびにこれらによって製造された結晶シートを含む太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池に用いられている多結晶シリコンを製造するための代表的な方法としては、不活性雰囲気中でリンまたはボロンなどのドーパントを添加した高純度シリコン材料をるつぼ中で加熱溶融させ、この融液を鋳型に流し込んで冷却し、多結晶インゴットを得、これをスライスすることによりシリコンウェハを得る、キャスティング法がある。
【0003】
この方法では、大量生産が可能で、光電変換効率が良いシリコン結晶を得ることができるが、スライス工程を必要とするので、ワイヤや内周刃の厚み分以上の材料ロスを生じてしまい、非常にコストがかかってしまう。したがってこの方法は、太陽電池の低価格化を図る近代の産業要求を考慮すると、好ましくない。
【0004】
一方、これに代わる方法として、溶融シリコンから直接シリコンシートを製造する方法が提案されている。特開平2001−31496では、次の方法が開示されている。つまり、回転軸の周囲に軸と平行に基板を取り付け、軸を液面に略平行として回転させると、基板面が液面に対して平行に近い角度で浸漬される。このとき、基板は、シリコン融液中に一定時間浸漬され、その間に基板表面上にシリコンを付着および成長させるシリコンシート製造方法である。この方法では、冷却された回転円筒をシリコン融液中に浸漬することで、円筒周面に結晶シリコンを成長させている。
【0005】
しかしながら、回転円筒の周囲をシリコン融液面に略平行にする必要があるので、るつぼ面が基板面積より大きくなってしまうという問題がある。また、これにより、融液表面からの熱拡散が大きくなり、るつぼの高温状態を維持するためめに非常に大きなエネルギーを必要とし、問題である。
【0006】
さらに、回転円筒内で連続的に製造するために、シリコン融液に浸漬する時間が長くなってしまい、成長面が部分的にSiC化してしまう。このSiC化により結晶シリコンの粒径が小さくなり、面内品質の不均一が生じる。また、シート状シリコン板の少数キャリア拡散長は、約50μmとなってしまい、問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記技術の問題を解決するものであり、製造工程を簡略化し、基板が融液中に浸漬する時間を短縮して成長面のSiC化を防止し、融液を保持するるつぼの大きさを基板面の大きさと同じかまたはそれ以下にし、そして融液の溶融状態を維持するための加熱エネルギーも小さくてすむ結晶シート製造装置および製造方法、ならびにこれによって製造された結晶シートを含む太陽電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の結晶シート製造装置は、半導体材料を溶融するためのるつぼと、該半導体材料の融液を表面上に結晶成長させる基板を備えた基体と、前記るつぼの上方に間隔をあけて取り付けられた、該基体を固定するための回転ホルダと、該回転ホルダの下面に取り付けられた回転軸とを含み、該回転軸は、基板の最大面と略垂直でかつ融液面と略平行あり、該回転軸を回転することにより、前記基板の最大面と前記融液面とを略垂直に維持しつつ、基板を該融液に浸漬し、かつ該融液から引き上げることができることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、本発明の結晶シート製造装置は、該基体を搬送するための搬送ベルトと、前記搬送ベルトと前記回転ホルダとの間に取り付けられた中継ステージとをさらに備え、該中継ステージを通過させることにより搬送ベルトと回転ホルダとの間で基体を移動させる。
【0010】
好ましくは、本発明の結晶シート製造装置は、前記基板が基板支持体に取り付けられて基体とされ、前記基体を前記回転ホルダから取り外すことができる機構が該回転ホルダに設られている。
【0011】
好ましくは、本発明の結晶シート製造装置は、前記基板を前記基板支持体に取り付ける機構をさらに備え、該機構は、該基体を装置外へも移動することができる。
【0012】
好ましくは、前記基体を予備加熱する予熱区域、前記中継ステージを通して搬送ベルトと回転ホルダとの間で該基体を移動させる中継区域、ならびに該基体が冷却され、装置外へ搬出される搬出区域が、前記搬送ベルトの周りに、搬送方向に向かって前記順序にて設けられ、前記基体を前記回転ホルダに固定し、該回転ホルダから取り外し、かつ前記回転軸を回転させて基板を融液に浸漬することにより、基板上に融液を結晶成長させる結晶シート成長区域が、前記るつぼの周りにさらに設けられている。
【0013】
本発明の結晶シート製造方法は、搬送ベルトを進めることにより、基体を予熱区域から中継区域まで搬送する工程と、中継ステージを通過させて、前記基体を該中継区域から結晶シート成長区域まで搬送する工程と、該結晶シート成長区域にて該基体を回転ホルダに固定する工程と、前記基板の最大面と略垂直でかつ融液面と略平行である回転軸を回転することにより、該回転ホルダを回転させて前記基板を融液に浸漬させ、前記回転軸をさらに回転することにより前記基板を引き上げる工程と、該基体を回転ホルダから取り外して、該結晶シート成長区域から前記中継区域まで引き戻す工程と、前記搬送ベルトを進めることにより、前記基体を前記中継区域から搬出区域に移動する工程とを包含することを特徴とする。
【0014】
好ましくは、本発明の結晶シート製造方法は、前記回転軸を回転することにより前記回転ホルダを回転させて、基板を融液に浸漬させ、前記回転軸をさらに回転することにより前記基板を引き上げる前記工程において、該基板の最大面と融液面とが略垂直に維持されている。
【0015】
好ましくは、本発明の結晶シート製造方法は、基体は、前記予熱区域で予備加熱され、搬出区域で冷却される。
【0016】
本発明は、上記に記載の結晶シート製造装置または結晶シート製造方法によって製造された結晶シートを含む太陽電池を提供する。
【0017】
上記結晶シート製造装置および製造方法によれば、基板の最大面と融液面とが略垂直を保って、基板が融液中に浸漬するので、基板の浸入面積は、従来の方法と比べて1/10程度となる。したがって、るつぼの大きさも小さくすることができる。さらに、融液の温度制御を容易にすることができ、過剰なエネルギーを必要とせず、装置も簡略化できる。また、基板の融液中に浸漬する時間も短くなり、基体表面のSiC化も防止することができ、結晶シートの品質を改善することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明で用いる基板11とこれを支持するための基板支持体12とからなる基体13を示す概略図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は正面図、図1(c)は側面図である。図2(a)は、この基体13の斜視図であり、図2(b)は、基体13を固定するための回転ホルダ9の斜視図であり、図2(c)は、基体13が回転ホルダ9に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0020】
図3は、本発明の結晶シート製造装置を上からみた概略図であり、基板11を予備加熱するための予熱区域1と、結晶成長前に基体13を搬送ベルト5から中継ステージ10を通して回転ホルダ9に装入棒6を用いて移動させ、結晶成長後には、基体13を中継ステージ10を通して回転ホルダ9から搬送ベルト5まで戻すための中継区域2と、基体13を回転ホルダ9に固定し、回転軸16を回転することにより基板11を溶融シリコン8中に浸漬させて結晶成長させ、さらに回転させて基板11を引き上げて、その後、回転ホルダ9から基体13を取り外す、結晶シート成長区域3と、基板11を冷却し、その後搬送ベルト5から基体13を外部に搬送するための搬出区域4との4つの区域から構成される。基体13を搬送方向18に搬送するための搬送ベルト5は、予熱区域1、中継区域2および搬出区域4を貫通するように構成される。
【0021】
図3に示されるように、上記結晶シート成長区域3において、回転ホルダ9の下面には、回転軸16が取り付けられている。この回転軸16は、溶融シリコン8の上面に略水平であり、かつ基体13が回転ホルダ9に固定されたときの基板11の最大面に対して略垂直になっている。これにより、回転軸16が回転して基板11が溶融シリコン8中に浸漬する際に、基板11の最大面と溶融シリコン8の上面とが垂直になるようにされ、溶融シリコン中に浸入する基板11の面積が小さくなり、るつぼ7の大きさを小さくすることができる。したがって、溶融シリコンの温度制御も容易になり、装置の簡略化につながる。
【0022】
以下、本発明の結晶シート製造装置の動作について説明する。図3に示すように、まず基体13を予熱区域1の搬送ベルト5の上に設置し、搬送ベルト5を搬送方向18に向かって移動させる。このときの移動速度および移動時間は、プログラムにより設定することができる。また、予熱温度は、一例を挙げると約650℃に設定することができるが、これに限定されない。図4は、基体13が中継区域2から中継ステージ10を通過している状態を上からみた概略図である。図4に示されるように、基体13が予熱区域1から中継区域2まで搬送されると、搬送ベルト5は停止し、装入棒6によって基体支持体12の側面を結晶シート成長区域に向かって水平に押し出される。このとき、中継ステージ10にすべり溝が設けられているので、すべり溝を介して基体13を滑らせることができる。
【0023】
中継ステージ10を通過した基体13は、回転ホルダ9に嵌合されて固定される。このときの状態を図5に示す。図5は、基体13が回転ホルダ9に嵌合した状態を上からみた概略図である。その後、回転軸16を回転させることにより、基板11をるつぼ7中の溶融シリコン8に浸漬させて一回転させる。このときの回転速度は、一例を挙げるならば、約5rpmであるが、これに限定されるわけではない。基体13が一回転した後の状態は、再び図5に示される。ここで、基板11が溶融シリコン8に浸漬されるとき、基板11と接触した溶融シリコンは過冷却状態となるので、基板11の表面上にシート状結晶シリコンが形成される。したがって、図5において、基体13が一回転した後は、基板11上に結晶シリコンが形成されているが、図中においては示されていない。
【0024】
次に、基体13を中継区域2から結晶シート成長区域3に移動させたときとは逆に、結晶シート成長区域3から中継区域2に向かって取りだし棒14で基体支持体12の側面を水平に押し出すことにより、基体13は、中継ステージ10を通って中継区域2の搬送ベルト5まで戻される。図6は、基体13が結晶シート成長区域3から中継ステージ10を通過している状態を上からみた概略図である。
【0025】
基体13が搬送ベルト5まで戻されると、再び搬送ベルト5は動き出し、基体13は中継区域2から搬出区域4まで搬送される。このときの状態を図7に示す。図7は、基体13が搬出区域4まで搬送された状態を上からみた概略図である。搬出区域4にまで搬送された基体13は、約40℃程度の温度にまで冷却される。また、図7に示されるように、基体13の搬出区域4への搬送が完了すると同時に、次に結晶成長されるべき基体13が予熱区域1から中継区域2まで搬送されている。その後、結晶シートが形成された基体13は、図示しない搬送手段により後工程に供される。このような動作を繰り返すことにより、基板11の表面にシリコン結晶成長した基体13が順次作製されていく。
【0026】
形成されたシート状シリコン13は、レーザで切断されて、基体13と分離される。分離された基体13は、再利用可能でありコスト削減につながる。
【0027】
以下に結晶シート成長区域3において基体13がシリコン結晶成長させるときの動作をより詳細に説明する。図8は、本発明の結晶シート製造装置を正面からみた断面図である。図8に示されるように、結晶シート成長区域3において、基体13は回転ホルダ9に嵌合して固定されている。また、回転ホルダ9は、溶融シリコン8を有するるつぼ7の中心部上方に間隔をあけて設置されている。るつぼ7には、るつぼの恒温を維持するための高周波加熱ヒータ17が取り付けられている。回転軸16は、溶融シリコンの上面と略平行であり、基板11の最大面と略垂直に回転ホルダ9の下面に取り付けられている。
【0028】
図9は、基体13が図8の状態から180度回転して溶融シリコン8中に浸漬している状態を正面からみた断面図である。回転軸が上述のように取り付けられているので、図9からわかるように、基板11の最大面と融液面とが略垂直に交わるように、基板11が融液8中に浸漬している。このようにして基板11が融液8中に浸漬することで、るつぼ7の大きさを小さくすることができ、したがって、溶融シリコンの恒温状態を維持するためのエネルギーも少なくてすむ。また、図9のように浸漬させることで、基板11の両面にまで溶融シリコンが結晶成長することができ、時間の短縮につながり、作業効率は大幅に改善されることになる。また、基板11が融液8中に浸漬して、融液シリコンと接触していた時間が、わずか10秒程度となり、成長面のSiC化を防止することができる。
【0029】
また、このときの基板11の温度としては、50℃〜シリコン融点以下の温度に設定することで結晶成長を可能にするが、融点に近づくほど、基板11と溶融シリコンとの間で反応が生じてしまうので、シート成長後にシートが基体から剥離し難くなる場合がある。
【0030】
図10は、基板11が図8の状態から360度回転した状態を正面からみた断面図である。図10からわかるように、基板11上にシート状シリコン15を成長させた基体13がるつぼ7の上方にある。この状態から、取りだし棒14を用いて基板支持体12を中継ステージの方向へ水平に押し出すことにより、中継区域2まで基体13が移動される。
【0031】
なお、本実施の形態において、基板面の回転により融液に浸漬させる結晶シート製造装置を説明してきたが、同様に成長用基体面が回転円以外の移動軌跡で融液に浸漬させる結晶シートを成長することも可能である。
【0032】
上記において使用した基板11の材質としては、溶融シリコンの温度よりも融点が高く、溶融シリコンとの反応性が小さいものであれば限定されないが、好ましくは、炭化珪素、石英、窒化珪素、アルミナ、酸化ジルコニウム、グラファイトなどが挙げられる。より好ましくは、グラファイトである。グラファイトの材料は、加工性に優れ、脱着も容易であるからである。基板11の形状としては、平板状のものが好ましく、枚葉状とすることもできる。また、中継ステージ10および回転ホルダ9は、種々の材料から選択され得るが、本発明においては、主として炭素からなる材料を使用することができる。上記のそれぞれの材料は、使用前に、いずれも公知の方法によって洗浄し、高温で処理したものを使用する。
【0033】
(実施例)
本発明の結晶シート製造装置を用いて、面積150mm角のシート状シリコン板を作製した。その平均厚さは約300μmであった。また、シート状シリコン板の少数キャリア拡散長は90μm以上まで顕著な基板品質改善ができた。このシート状のシリコン板はP型多結晶であり、抵抗率は0.7Ωcmであった。
【0034】
次に、このシート状結晶シリコン板を使用して太陽電池を製造する。基板をRCA洗浄した後、POCl3ソースによる燐拡散を行い、不純物濃度約1×1020cm−3のN型シリコン層が形成され、P−N接合の深さは約0.32μmであった。次に、裏面の拡散層をエッチングにより除去し、表面にプラズマCVDによるシリコン窒化膜を反射防止膜として形成した。裏面の電極はAlペーストを用いたスクリーン印刷法で形成され、約800℃の温度で焼成した。表面櫛型電極は銀ペーストを用いたスクリーン印刷方法で形成され、600℃程度の温度で焼成した。さらに表面櫛型電極を錫の半田ディップし、リーダ線を付けて、このシート多結晶太陽電池を作製した。AM1.5の測定条件(25℃,100mW/cm2)で光電変換効率は10.8%であった。
【0035】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0036】
【発明の効果】
本発明の結晶シート製造装置および製造方法によれば、基板が枚葉状であり、基板の最大面と融液の上面とが略垂直を維持しつつ、基板が融液中に浸漬することができるので、るつぼを小さくすることができる。るつぼが小さくなったことで、融液の恒温状態を維持するためのエネルギーも低減することができる。また、基板が融液中に浸漬する時間を短縮して成長面のSiC化を防止し、製造工程を簡略化することができ、装置費用を従来よりも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板とこれを支持するための基板支持体とからなる基体を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図2】(a)は、基体の斜視図であり、(b)は、基体を固定するための回転ホルダの斜視図であり、(c)は、基体が回転ホルダに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の結晶シート製造装置を上からみた概略図である。
【図4】基体が中継区域から中継ステージを通過している状態を上からみた概略図である。
【図5】基体が回転ホルダに嵌合した状態を上からみた概略図である。
【図6】基体が結晶成長シート区域から中継ステージを通過している状態を上からみた概略図である。
【図7】基体が搬出区域まで搬送された状態を上からみた概略図である。
【図8】本発明の結晶シート製造装置を正面からみた断面図である。
【図9】基体が図8の状態から180度回転して溶融シリコン中に浸漬している状態を正面からみた断面図である。
【図10】基板が図8の状態から360度回転した状態を正面からみた断面図である。
【符号の説明】
1 予熱区域、2 中継区域、3 結晶シート成長区域、4 搬出区域、5 搬送ベルト、6 装入棒、7 るつぼ、8 溶融シリコン、9 回転ホルダ、10 中継ステージ、11 基板、12 基板支持体、13 基体、14 取りだし棒、15 シート状シリコン、16 回転軸、17 高周波加熱ヒータ、18
搬送方向。
Claims (9)
- 半導体材料を溶融するためのるつぼと、該半導体材料の融液を表面上に結晶成長させる基板を備えた基体と、前記るつぼの上方に間隔をあけて取り付けられた、該基体を固定するための回転ホルダと、該回転ホルダの下面に取り付けられた回転軸とを含む結晶シート製造装置であって、該回転軸は、基板の最大面と略垂直でかつ融液面と略平行であり、該回転軸を回転することにより、前記基板の最大面と前記融液面とを略垂直に維持しつつ、基板を該融液に浸漬し、かつ該融液から引き上げることを特徴とする、結晶シート製造装置。
- 前記基体を搬送するための搬送ベルトと、前記搬送ベルトと前記回転ホルダとの間に取り付けられた中継ステージとをさらに備え、該中継ステージを通過させることにより搬送ベルトと回転ホルダとの間で基体を移動させることを特徴とする、請求項1に記載の結晶シート製造装置。
- 前記基板が基板支持体に取り付けられて基体とされ、該基体を前記回転ホルダから取り外すことができる押し出し機構が該回転ホルダに設られていることを特徴とする、請求項1または2に記載の結晶シート製造装置。
- 前記基板を前記基板支持体に取り付ける機構をさらに備え、該機構は、該基板を装置外へも移動することができることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の結晶シート製造装置。
- 前記基体を予備加熱する予熱区域、前記中継ステージを通して搬送ベルトと回転ホルダとの間で該基体を移動させる中継区域、ならびに該基体が冷却され、装置外へ搬出される搬出区域が、前記搬送ベルトの周りに、搬送方向に向かって前記順序にて設けられ、前記基体を前記回転ホルダに固定し、該回転ホルダから取り外し、かつ前記回転軸を回転させて基板を前記融液に浸漬することにより、基板上に融液を結晶成長させる結晶シート成長区域が、前記るつぼの周りに設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の結晶シート製造装置。
- 搬送ベルトを進めることにより、基体を予熱区域から中継区域まで搬送する工程と、中継ステージを通過させて、前記基体を該中継区域から結晶シート成長区域まで搬送する工程と、該結晶シート成長区域にて該基体を回転ホルダに固定する工程と、基板の最大面と略垂直でかつ融液面と略平行である回転軸を回転することにより該回転ホルダを回転させて、前記基板を融液に浸漬させ、前記回転軸をさらに回転することにより前記基板を引き上げる工程と、該基体を回転ホルダから取り外して、該結晶シート成長区域から前記中継区域まで戻す工程と、前記搬送ベルトを進めることにより、前記基体を前記中継区域から搬出区域に移動する工程とを包含することを特徴とする、結晶シート製造方法。
- 前記回転軸を回転することにより前記回転ホルダを回転させて、基板を融液に浸漬させ、前記回転軸をさらに回転することにより前記基板を引き上げる前記工程において、該基板の最大面と融液面とが略垂直に維持されていることを特徴とする、請求項6に記載の結晶シート製造方法。
- 前記基体は、前記予熱区域で予備加熱され、前記搬出区域で冷却されることを特徴とする、請求項6または7に記載の結晶シート製造方法。
- 請求項1〜5に記載の結晶シート製造装置または請求項6〜8に記載の結晶シート製造方法によって製造された結晶シートを含む太陽電池。
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