JP2013207293A - 光電変換装置用表面シート、光電変換装置、成形型、及び光電変換装置用表面シート製造装置 - Google Patents

光電変換装置用表面シート、光電変換装置、成形型、及び光電変換装置用表面シート製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、容易且つ確実に光電変換装置の発電効率を向上することのできる光電変換装置用表面シートの提供にある。
【解決手段】本発明に係る光電変換装置用表面シートは、透明な基材層と、上記基材層の表面側に散点状に配された複数の先細り形状の透明な突起部とを備え、上記突起部の底面が、1回対称又は2回対称の形状であり、上記突起部の底面の短軸方向の長さに対する突起部の高さの比が0.8以上3以下であり、上記底面の周長が50μm以上10cm以下である。上記突起部の上記短軸と交差する側面の立ち上がり角度が60度以上90度以下であることが好ましい。また、上記突起部の上記短軸と交差する側面の立ち上がり角度が65度以上であり、突起部の上記短軸と交差する側面の任意の点の傾斜角度が上記立ち上がり角度以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換装置用表面シート、光電変換装置、成形型、及び光電変換装置用表面シート製造装置に関する。
光電変換装置としての太陽電池モジュールは、一般的には光線の入射面に透光性基板として耐候性、耐熱性、耐衝撃性、透過率の面で優れている強化ガラスを用いることが公知である(特許文献1)。また、集光によって太陽電池セルをより効率的に活用して太陽電池セルの数を減らし、太陽電池モジュール全体の小型化及びコスト低減を図る試みもなされている。このような集光を行う太陽電池モジュールとしては、平板状のプラスチック材料などを用いたフレネルレンズをガラスの表面に配設したものが知られている。
このフレネルレンズは結像型であり、レンズ面に垂直入射する太陽光を太陽電池セルに集光するよう設けることができる。しかし、1日の時間帯及び季節によって太陽光線の入射方向が変わるので、このフルネルレンズによって太陽電池セルに集光するためには、常に太陽の動きに太陽電池モジュールを追従させる必要がある。このような太陽電池モジュールを追従させる機構及びその追従を制御する装置などを設けることは、コスト増大につながり、太陽電池システム全体のコスト低減は困難となる。
特開2001−295437号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、本発明の課題は、容易且つ確実に光電変換装置の発電効率を向上することのできる光電変換装置用表面シートの提供にある。また、本発明は、発電効率が容易且つ確実に向上可能な光電変換装置の提供にある。さらに、本発明は、上記光電変換装置用表面シートを製造することのできる成形型、及び光電変換装置用表面シート製造装置の提供にある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る光電変換装置用表面シートは、
透明な基材層と、
上記基材層の表面側に散点状に配された複数の先細り形状の透明な突起部と
を備え、
上記突起部の底面が、1回対称又は2回対称の形状であり、
上記突起部の底面の短軸方向の長さに対する突起部の高さの比が0.8以上3以下であり、
上記底面の周長が50μm以上10cm以下である。
当該光電変換装置用表面シートは、光電変換装置の表面に配設されると、突起部の表面側から入射する光線を、基材層側に導光して光電変換装置に向けて出射させることができる。特に、当該光電変換装置用表面シートは、突起部の底面形状が一回対称又は二回対称であり、この複数の突起部が散点状に配設されているので、光線の入射方向が変化しても、上記従来のフルネルレンズのものに比べて光電変換装置に向けて出射される光線の強度の変化が少ない。さらに、この突起部の底面の周長が50μm以上10cm以下であり、突起部の底面の短軸方向の長さに対する突起部の高さの比が0.8以上3以下であるため、突起部が十分な大きさ及び高さを有するので、突起部に好適に光線が入射される。以上のように、当該光電変換装置用表面シートは、光線の入射方向に変化が生じても、的確に光線を光電変換装置に向けて出射させることができ、光電変換装置の発電効率を容易且つ確実に向上させることができる。
当該光電変換装置用表面シートにあっては、突起部の上記短軸と交差する側面の立ち上がり角度が60度以上90度以下であることが好ましい。突起部の上記側面の立ち上がり角度が上記範囲内であると、光線が的確に突起部に入射することができ、また突起部の強度を十分なものとすることができ、さらに成形型で突起部を形成した場合に離型を容易且つ確実に行うことができる。
上記構成を採用した場合、上記側面が表面側につれて上記立ち上がり角度よりも傾斜角度が大きくなるよう設けることも可能であるが、突起部の上記短軸と交差する側面の立ち上がり角度が65度以上であり、突起部の上記短軸と交差する側面の任意の点の傾斜角度が上記立ち上がり角度以下であることが好ましい。これにより、より強度の強い突起部が得られるとともに、成形型で突起部を形成した場合における離型をより容易且つ確実に行うことができる。
当該光電変換装置用表面シートにあっては、上記底面の外周が不連続点を有さない滑らかな線から構成されていることが好ましい。これにより、突起部の底面付近で汚れ等が付着しにくく、また成形型で突起部を形成した際に突起部を容易且つ確実に離型することができる。
当該光電変換装置用表面シートにあっては、上記底面が、短軸に直交し互いに対向する二つの直線部(以下、長辺部ということがある)、及び長軸に直交し互いに対向する二つの直線部(以下、短辺部ということがある)を有する略多角形状である構成を採用することが可能である。この構成によれば、長辺部側の側面から光線が入射しやすく、この入射した光線を光電変換装置に向けて出射させることができる。
上記構成を採用した場合、突起部が頂点を有するような角錐状に設けることも可能であるが、突起部が頂部に上記底面の長軸と略平行な稜線を有することが好ましい。このような稜線を有する形状とすることで、上記長辺部側の側面の面積を広くすることができ、この長辺部側の側面により光線が入射しやすい。
当該光電変換装置用表面シートにあっては、上記底面が略楕円形状である構成を採用することも可能である。この構成によれば、短軸と交わる側面から光線が入射しやすく、この入射した光線を光電変換装置に向けて出射させることができる。
底面が上記のような略多角形状又は略楕円形状である場合、短軸に対する長軸の比が2以上1000以下であることが好ましい。これにより、短軸と交わる側面から光線が入射しやすいとともに、光電変換装置の発電効率が上記光線の入射方向に影響を受けにくいよう複数の突起部を配設しやすい。
底面が上記のような略多角形状又は略楕円形状である場合、1つの上記突起部の底面の短軸と、近接する他の突起部の底面の長軸とが略平行である構成を採用することが可能である。この構成によれば、短軸と交わる側面が、一の突起部と他の突起部とで略直交方向に配されることになり、光電変換装置の発電効率が光線の入射方向に影響をより受けにくい。
底面が上記のような略多角形状又は略楕円形状である場合、1つの上記突起部の底面の長軸と、近接する他の突起部の底面の長軸とが略平行である構成を採用することが可能である。この構成によれば、長軸と交わる側面が一の突起部と他の突起部と略平行となり、長軸方向からの光線は、主に突起部の長軸と交わる側面から入射し光電変換装置に向けて出射される。また、短軸と交わる側面が一の突起部と他の突起部と略平行となり、短軸方向からの光線は主に突起部の短軸と交わる側面から入射され、光電変換装置に向けて出射される。ここで、短軸と交わる側面は長軸と交わる側面よりも面積が広くなるため、当該光電変換装置用表面シートには、長軸方向からの光線に比べると短軸方向からの光線の方が入射しやすい。このため、光線の入射方向の変動が少ないような場所に設置される光電変換装置に好適に用いることができ、つまり最も発電に寄与し得る光線の入射方向に沿って突起部の短軸方向が位置するよう当該光電変換装置用表面シートを光電変換装置の表面に配設することで、光電変換装置の発電効率を高めることができる。
当該光電変換装置用表面シートにあっては、上記底面の長手方向が弓なりに曲がり、底面の側辺が略円弧状である構成を採用することも可能である。この構成によれば、円弧状の側辺から立ち上がった側面によって光線の入射方向の変化に対応することが可能であり、この側面から光線が常時効率よく入射され、この入射された光線を光電変換装置に向けて出射させることができる。
当該光電変換装置表面シートにあっては、複数の上記突起部の底面の総面積が、上記基材層の表面の総面積の1/3以上であることが好ましい。これにより、突起部を基材層の表面側に十分に配設され、光電変換装置の発電効率を高めることができる。
当該光電変換装置用表面シートにあっては、上記突起部の頂部が曲面形状であることが好ましい。これにより、他の部材等と突起部の頂部が接触しても、他の部材等を傷つけるおそれが少ない。
当該光電変換装置用表面シートにあっては、上記基材層と上記突起部とが一体成型されていることが好ましい。これにより、基材層から突起部が不用意に離脱するおそれが少なく、また当該光電変換装置用表面シートを成形型で容易且つ確実に製造することができる。
当該光電変換装置用表面シートにあっては、上記基材層及び上記突起部が、主成分として無機系材料を含有していることが好ましい。これにより、透明な基材層及び突起部を容易且つ確実に形成することができる。この無機系材料はシリコーン系樹脂又はガラスであることが好ましい。これにより、透明な基材層及び突起部をより容易且つ確実に形成することができる。
当該光電変換装置用表面シートは、太陽電池モジュールの保護シートとして用いられることが好ましい。これにより、上記のような発電効率の向上とともに光電変換装置の保護も図られる。
また、本発明に係る光電変換装置は、光エネルギーを電気に変換する光電変換部と上記光電変換部の光入射面側に積層される既述の構成の当該光電変換装置用表面シートとを備える。当該光電変換装置は、既述の構成の当該光電変換装置用表面シートを備えるので、発電効率が高い。
さらに、本発明に係る成形型は、
光電変換装置用表面シートを製造するための成形型であって、
光電変換装置用表面シートの突起部を形成可能な複数の凹部を有し、
上記凹部の開口面が、1回対称又は2回対称の形状であり、
凹部の開口面が、1回対称又は2回対称の形状であり、
上記開口面の短軸方向の長さに対する凹部の高さの比が0.8以上3以下であり、
上記開口面の周長が50μm以上10cm以下である。
当該成形型は、既述の構成からなる当該光電変換装置用表面シートを容易且つ確実に製造することができる。つまり、当該成形型によって製造された光電変換装置用表面シートの突起部は、底面が1回対称又は2回対称の形状となり、この底面の短軸方向の長さに対する突起部の高さの比が0.8以上3以下で、底面の周長が50μm以上10cm以下となる。このため、当該成形型によって成形された光電変換装置用表面シートにあっては、光電変換装置の発電効率を容易且つ確実に向上させることができる。
当該成形型にあっては、主成分として無機系材料を含有することが好ましい。これにより、当該成形型を容易且つ確実に製造することができる。
本発明に係る光電変換装置用表面シートの製造装置は、既述の構成からなる当該成形型を備える。これにより、上記利点を有する光電変換装置用表面シートを容易且つ確実に製造することができる。
当該光電変換装置用表面シートの製造装置は、上記凹部に充填される光電変換装置用表面シートの光硬化型形成材料に、光照射を行う光インプリント部をさらに備えることが好ましい。これにより、凹部に充填された光硬化型形成材料に光インプリント部によって光照射することで容易且つ確実に突起部を形成することができる。
なお、「短軸」とは、突起部の底面の重心を通り径の最も小さい方向の軸である。「長軸」とは、上記短軸に直交する軸を意味する。「短軸方向の長さ」とは、短軸における底面の長さ(径)を意味する。「突起部の上記短軸方向の側面の立ち上がり角度」とは、突起部の側面が表面側に立ち上がった角度を意味し、具体的には、当該光電変換装置用表面シートの法線方向と上記短軸方向との双方を含む平面での突起部の断面形状において、上記側面が当該光電変換装置用表面シートの平面方向となす角度を意味する。また、突起部の「先細り形状」とは、突起部の側面の任意の点の傾斜角度(接線方向の角度)が当該光電変換装置用表面シートの平面方向に対して90度以下であることを意味する。
以上説明したように、本発明に係る光電変換装置用表面シートは、容易且つ確実に光電変換装置の発電効率を向上することができる。また、本発明に係る光電変換装置は、発電効率が高い。さらに、本発明に係る成形型及び光電変換装置用表面シートの製造装置は、上記効果を奏する光電変換装置用表面シートを容易且つ確実に製造することができる。
図1は、本発明の第一実施形態の光電変換装置用表面シートの模式的斜視図である。 図2は、図1の光電変換装置用表面シートの突起部の模式的平面図である。 図3は、図1の光電変換装置用表面シートの突起部の模式的正面図である。 図4は、図1の光電変換装置用表面シートの突起部の要部を拡大した模式的正面図である。 図5は、図1の光電変換装置用表面シートの模式的平面図である。 図6は、図1の光電変換装置用表面シートが用いられた光電変換装置の模式的断面図である。 図7は、図1の光電変換装置用表面シートの成形に用いられる成形型の模式的断面図である。 図8は、図1から図7までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の模式的平面図である。 図9は、図1から図8までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の模式的平面図である。 図10は、図1から図9までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の模式的平面図である。 図11は、図1から図10までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の突起部の模式的正面図である。 図12は、図1から図11までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の突起部の模式的正面図である。 図13は、図1から図12までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の突起部の模式的平面図である。 図14は、図1から図13までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の突起部の模式的平面図である。 図15は、図1から図14までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の突起部の模式的平面図である。 図16は、図15の突起部の配設パターンを説明するための模式的平面図である。 図17は、図16と異なる図15の突起部の配設パターンを説明するための模式的平面図である。 図18は、図1から図17までに示す光電変換装置用表面シートと異なる実施形態の模式的平面図である。 図19は、実施例1〜8及び11と比較例1及び2とについて耐汚染性試験及び発電性能試験を行った結果を示す表である。 図20は、実施例8〜10と比較例3〜6とについて耐汚染性試験及び耐衝撃性試験を行った結果を示す表である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参酌しつつ説明する。
<光電変換装置用表面シート1>
図1の光電変換装置用表面シート1(以下、単に表面シートということがある)は、太陽電池モジュールの表面に配設される保護シートである。当該表面シート1は、透明な板状の基材層2と、この基材層2の表面側に配設された複数の透明な突起部3とを有している。具体的には、当該表面シート1は、表面視方形状の基材層2の表面に、複数の突起部3が散点状に配設されている。なお、複数の突起部3は互いに隙間をもって配置され、基材層2は表面に略平滑な平面部(突起部3が形成されていない部位)を有している。
突起部3は、略倒三角柱状の形状をしている。突起部3の底面は、二回対称の形状を有している。なお、二回対称とは、図形を回転した際に180度で元の図形に重なるような図形を意味する。突起部3の底面は、図2に示すように、短軸に直交し互いに対向する二つの直線部(以下、長辺部5ということがある)、及び長軸に直交し互いに対向する二つの直線部(以下、短辺部6ということがある)を有する略多角形状に形成され、具体的には略長方形に形成されている。
突起部3の底面は、周長が50μm以上10cm以下に設けられている。ここで、短辺部6の長さW(短軸の長さ)に対する長辺部5の長さL(長軸の長さ)の比は2以上1000以下に設けられている。突起部3の底面は、外周が不連続点を有さない滑らかな線から構成されている。具体的には、長辺部5と短辺部6との間(長方形のコーナー部分)には、長辺部5と短辺部6とを連続的に接続する湾曲部7が設けられている。
突起部3は、当該表面シート1の法線方向と短軸方向との双方を含む平面での断面形状が、図3に示すように略三角形状に形成されている。具体的には、この断面形状は、略二等辺三角形である。この突起部3は、短軸方向の長さWに対して0.8倍以上3倍以下の高さHを有している。
突起部3は、底面から表面側に立ち上がった四つの側面9,10を有している。この四つの側面9,10のうち底面の短辺部6から立ち上がる側面9は、基材層2の平面方向に対して略垂直に立ち上がっており、略三角形状に形成されている。また、残り二つの側面10(底面の長辺部5から立ち上がる側面)は、表面側につれて他方の側面に近接するよう傾斜しており、略長方形状に形成されている。この二つの側面10の基材層2の表面方向に対する傾斜角度は、裏面から表面にかけて略一定とされているが、頂部11付近及び底面付近において不連続点を有さない滑らかな曲面に形成されている。なお、この曲面については後述する。
突起部3は、図1及び図2に示すように、頂部11に長軸と略平行な稜線12を有している。この稜線12は、長軸と略同一長さ設けられている。また、突起部3の頂部11は、図3に示すように、不連続点を有さない滑らかな曲面から構成され、具体的には略二等辺三角形の斜辺同士を連続的に接続するような湾曲状に形成されている。
突起部3は、図3及び図4に示すように、一定の傾斜角度の側面10から基材層2の表面にかけて連続するよう曲面状の裾部13を有している。この裾部13は、突起部3の側面10から連続するとともに、この側面10との連続部分から基材層2側にかけて徐々に傾斜角度が小さくなり、基材層2の表面に連続するよう形成されている。なお、この裾部は垂直に立ち上がった側面9と基材層2の表面との間にも形成することも可能である(図示省略)。ただし、当該表面シート1において、この裾部13は必須の構成要件ではなく、当該表面シート1において突起部3の底面は、この裾部13を含まない概念を意味し、図4の一点鎖線で示すように、突起部3の側面の仮想面と、基材層2の仮想面とによって囲まれる領域が突起部3の底面を意味する。
上記突起部3の底面の長辺部5から立ち上がる側面(短軸と交差する側面)は、立ち上がり角度が65度以上90度以下となるよう形成されている。なお、当該表面シート1において、立ち上がり角度は、上記裾部13を含まずに算出される角度を意味し、図4の一点鎖線で示すように、突起部3の側面の仮想面と、基材層2の仮想面とのなす角度αを意味する。また、側面の上記傾斜角度は、本実施形態では上記立ち上がり角度αと同一角度である。
複数の突起部3は、上述のように散点状に配設されており、1つの突起部3の底面の短軸と、近接する他の突起部3の底面の短軸とが略平行となるよう配設されている。具体的には、図5に示すように、複数の突起部3の短軸が、何れも平行となるよう配設されている。また、複数の突起部3は、略同一形状からなり、前後左右に整列状態で配設されている(図1及び図5参照)。つまり、複数の突起部3は、長辺部5が直線状に並び、短辺部6も直線状に並ぶように配設されている。本実施形態においては、複数の突起部3は、方形状の基材層2の各辺2aと長軸及び短軸が略平行となるよう配設されている。なお、複数の突起部3を、基材層2の各辺2aと一定角度傾斜するよう(例えば45度傾斜するよう)配設するよう設計変更することも可能である。
複数の突起部3は、底面の総面積(平面視)が、基材層2の表面の総面積(平面視)の1/3以上に設けられている。つまり、複数の突起部3の底面の総面積が、突起部3が形成されず表面側に表出されている基材層2の面の二倍以上に設けられている。
上記突起部3は、基材層2と一体的に形成されている。具体的には、突起部3に対応する孔部を有する成形型によって上記基材層2と突起部3とが一体成型されている。
当該表面シート1の基材層2及び突起部3の形成材料は特に限定されるものではないが、基材層2及び突起部3は主成分として無機系材料を含有していることが好ましい。この無機系材料としては、例えばシリコーン系樹脂又はガラスが挙げられる。
上記シリコーン樹脂としては、一般に用いられているものが使用可能である。これらのシリコーン樹脂のうち、ストレートシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂が好ましい。これらのシリコーン樹脂は、1種類を選択してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。ここで「ストレートシリコーン樹脂」とは、ポリシロキサン骨格にメチル基、フェニル基、水素原子が置換基として結合したポリマー(樹脂)であり、「変性シリコーン樹脂」とは、ストレートシリコーン樹脂に二次的に官能基を結合させ機能付与したポリマーである。
上記ストレートシリコーン樹脂としては、例えばメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、変性シリコーン樹脂としては、例えばエポキシ変性シリコーン樹脂、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーン樹脂、カルビノール変性シリコーン樹脂、メタクリル変性シリコーン樹脂、フェノール変性シリコーン樹脂、メチルスチリル変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、メチルハイドロジェンシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、このシリコーン樹脂に対しては、その特性を損なわない範囲において、酸化防止剤、離型剤、カップリング剤、無機充填剤などを添加してもよい。
シリコーン樹脂は、公知のシラン化合物を用いて得ることができ、上記シラン化合物としては、例えばメチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;及び、それらの部分加水分解物;及びそれらの混合物を使用することができる。
上記ガラスの材料としては、所定の温度で溶融する公知のガラスフリットが使用できる。例えば、PbO−B23−ZnO、CaO−Al23−SiO2、ZnO−B23、ZnO−PbO−B23−SiO2、PbO−SiO2−B23、B23−PbO、SiO2−ZnO−BaO、SiO2−ZnO−MgO、SiO2−ZnO−CaO、SiO2−B23−MgO、SiO2−B23−BaO、SiO2−B23−CaO、SiO2−Al23−BaO、SiO2−Al23−MgO、SiO2−Al23−CaO、SiO2−B23−Al23、SiO2−B23−Na23、SiO2−B23−K2O、SiO2−B23−Li2O、SiO2−Na2O、SiO2−Li2O、SiO2−K2O、SiO2−B23−SrO、SiO2−PbO−Na2O、SiO2−PbO−Li2O、SiO2−PbO−K2O、SiO2−B23、SiO2−PbO−CaO、SiO2−PbO−ZnO、SiO2−B23−Bi23を主成分としたものが使用できる。好ましくはホウケイ酸亜鉛、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸ビスマスを主成分にしたものである。これらに必要であれば密着性をさらに向上させるために、酸化ビスマス、酸化マンガン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化ベリリウム、酸化第一銅、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ネオジウム、酸化カドミウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化タングステン、酸化ヒソ、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、酸化クロム、四三酸化鉛、酸化イットリウム、酸化セリウムやタングステンなどの金属微粉末を添加してすることができる。ガラスフリットの軟化点は、焼成温度にもよるが、密着性、焼結性の点から900℃以下300℃以上が好ましく、さらに400℃以上800℃以下が好ましい。ガラスフリットの構造としては、上記ガラスフリット組成物の結晶質、非晶質あるいはそれらの混合ガラスフリットをもちいることもできる。
上記基材層2及び突起部3の屈折率は、空気の屈折率よりも大きく光電変換装置の表面側の透光性基板の屈折率よりも小さいことが好ましい。具体的には、基材層2及び突起部3の屈折率は、1.1以上1.5以下であることが好ましい。これにより、当該表面シート1の表面側から当該表面シート1を透過する光線が、反射等せずに的確に光電変換装置まで到達し易い。なお、基材層2と突起部3とを別部材から形成し、一体的に接合する場合には、突起部3の屈折率が基材層2の屈折率よりも小さいことが好ましい。これにより、突起部3と基材層2との界面での光線の反射が生じ難い。
当該表面シート1の全光線透過率は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。これにより、光線のロスが少なく、光電変換装置の発電効率の向上により寄与し得る。なお、全光線透過率とは、JIS K 7361に規定される測定法によって測定される値である。
<光電変換装置>
上記表面シート1は、図6に示すように、光電変換装置20(太陽電池モジュール)の表面側に配設されて用いられる。当該太陽電池モジュール20は、複数の太陽電池セル21(光電変換部)と、この太陽電池セルを囲繞する透明な封止材22と、この封止材22の表面側に配設される透光性基板23と、透光性基板23の表面に配設される当該表面シート1とを備えている。この太陽電池モジュール20は、封止材22の裏面側に配設される裏面保護板24も備えている。
<当該表面シート1の成形型30>
次に、当該表面シート1を製造するための成形型30について、図7を参酌しつつ、以下説明する。当該成形型30は、当該表面シート1の突起部3を形成可能な複数の凹部30aを有している。この凹部30aの開口面は突起部3の底面の形状と対応して設けられ、凹部30aの形状は突起部3の形状に対応して設けられ、複数の凹部30aは複数の突起部3の配列に対応して配設されている。
当該成形型30の材料は種々採用可能であり、例えばニッケル等の金属や、既述の表面シート1の形成材料と同種のガラス等を用いることが可能である。また、成形型30の全体形状は、平板状であっても良く、また筒状であっても良い。
<当該表面シート1の製造装置>
当該表面シート1の製造装置は、上記構成からなる当該成形型30と、上記成形型30の凹部30aに当該表面シート1の光硬化型形成材料を供給する供給部と、供給部によって供給された凹部30aの光硬化型形成材料に光照射を行う光インプリント部を備える。
<成形型30の製造方法>
成形型30の製造方法は、種々の方法を採用可能であり、例えばフォトリソグラフィを用いた方法を採用可能である。この製造方法は、レジストの表面を所定のパターン(突起部の配列パターン)を有するフォトマスクで覆った状態で露光する工程、露光されたレジストを現像する工程、及び現像されたレジストの表面に成形型形成材料を積層して成形型を形成する工程を有する方法を採用可能である。この製造方法においては、上記現像されたレジストが当該表面シート1の突起部3と同一形状となるよう、露光及び現像がおこわなれる。上記成形型を形成する工程は、例えば上記レジストの表面にニッケル層を電鋳し、その後レジストを除去する方法を採用することが可能である。また、成形型を形成する工程は、上記レジスト表面に感光性ガラスペーストを塗布した積層体を作成し、この積層体をガラス管に巻き付け、ガラス管の内側から光線を照射することで感光性ガラスペーストを硬化させ、その後レジストを除去する方法を採用することが可能である。
<当該表面シート1の製造方法>
当該表面シート1は、上述の成形型30を用いて製造することが可能である。具体的には、当該表面シート1の製造方法は、成形型30に表面シート形成材料を供給する工程、供給された表面シート形成材料を硬化する工程、及び硬化して得られた表面シートを成形型30から離脱する工程を有している。表面シート形成材料として光硬化型材料を用いた場合には、上記硬化する工程で光照射を行うことが可能である。
<利点>
上記構成からなる当該表面シート1を光電変換装置20の表面に配設すると、突起部3の表面側から入射する光線を基材層2側に導光して光電変換装置20の太陽電池セル21に向けて出射させることができる。上記突起部3は、先細り形状で且つ空気よりも屈折率が高いので、当該表面シート1の法線方向に対して傾斜して入射する光線を、法線方向に近接するよう屈折することができ、太陽電池セル21に対して垂直方向に近い光線として出射することができる。このため、当該表面シート1を用いることで、光電変換装置20の発電効率が向上する。
当該表面シート1は、突起部3の底面形状が二回対称で、この複数の突起部3が散点状に配設されているので、1日の時間帯及び季節によって太陽光線の入射方向が変わっても、従来のフルネルレンズのものに比べて光電変換装置20に向けて出射される光線の強度の変化が少ない。特に、突起部3の底面が略長方形状であるため、長辺部側の側面10から光線が入射しやすく、この入射した光線を光電変換装置に向けて出射させることができる。さらに、突起部3は、底面の長軸と略平行な稜線12を有するので、上記長辺部側の側面10の面積が広く、光線がより入射し易い。
突起部3の底面の短軸に対する長軸の比が2以上1000以下であるので、上記側面10から光線が入射しやすいとともに、複数の突起部3を的確に配設しやすい。つまり、短軸に対する長軸の比が上記下限値未満であると、長軸の長さが短く、上記側面10の面積が小さくなり、光線が突起部3に入射し難くなるおそれがある。一方、上記比が上記上限値を超えると、突起部3が平面視長細くなり過ぎ、複数の突起部3の効率の良い配置が困難となるおそれがあり、さらには短軸に交わる側面11からの光線の入射が望めなくなるおそれがある。なお、短軸に対する長軸の比の下限値は、2であることが好ましく、4であることがより好ましく、6であることがさらに好ましい。また、なお、短軸に対する長軸の比の上限値は、1000であることが好ましく、100であることがより好ましく、10であることがさらに好ましい。
複数の突起部3は、底面の長軸が略平行に配設されているので、短軸と交わる側面10は長軸と交わる側面11よりも面積が広くなり、長軸方向からの光線に比べると短軸方向からの光線の方が入射しやすく、このため、最も発電に寄与し得る光線の入射方向に沿って突起部3の短軸方向が位置するよう当該表面シート1を配設することで、光電変換装置20の発電効率を高めることができる。
複数の突起部3は、長辺部5が直線状に並び、当該表面シート1には複数の突起部3によって上記長辺部5に沿った溝が形成されることになるので、雨等の水がこの長辺部5の方向に沿って流れやすい。また、短辺部6も直線状に並ぶように配設されているので、同様にこの短辺部6の方向に沿って水が流れやすい。
複数の突起部3の底面の総面積が、基材層2の表面の総面積の1/3以上であるので、突起部3を基材層2の表面側に十分に配設され、光電変換装置の発電効率を高めることができる。つまり、突起部3の底面の総面積が上記下限値未満であると、突起部3の存在割合が少なく、十分な発電効率の向上が図れないおそれがある。なお、基材層2の表面の総面積に対する突起部3の底面の総面積の比は、1/3以上であることが好ましく、1/2以上であることがより好ましく、2/3以上であることがさらに好ましい。一方、基材層2の表面の総面積に対する突起部3の底面の総面積の比は、19/20以下であることが好ましく、9/10以下であることがより好ましく、17/20以下であることがさらに好ましい。上記突起部3の底面の総面積の比が上限値を超えると、突起部3の成形が困難となるおそれがある。
突起部3の底面の周長が50μm以上10cm以下で、突起部3の底面の短軸方向の長さに対する突起部の高さの比が0.8以上3以下であるため、突起部3が十分な大きさ及び高さを有するので、突起部3に好適に光線が入射される。つまり、突起部3の底面の周長及び高さが上記下限値未満であれば、突起部3に光線が入射し難くなる。一方、突起部3の高さが上記上限値を超えると突起部3が高くなり過ぎ、突起部3の強度に欠けるおそれがある。また、底面の周長が上記上限値を超えると、複数の突起部3の好適な配置が困難となるおそれがある。なお、突起部3の底面の周長の下限値は、50μmが好ましく、0.5mmがより好ましく、1mmがさらに好ましい。また、突起部3の底面の周長の上限値は、10cmが好ましく、5cmがより好ましく、2cmがさらに好ましい。さらに、突起部3の高さの上記比の下限値は、0.8が好ましく、1がより好ましく、1.2がさらに好ましい。突起部3の高さの上記比の上限値は、3が好ましく、2.5がより好ましく、2がさらに好ましい。
突起部3の側面10の立ち上がり角度αが65度以上90度以下であるので、光線が的確に突起部3に入射することができ、また突起部3の強度を十分で、しかも成形型30で容易に突起部3を形成可能である。つまり、上記立ち上がり角度αが上記下限値未満であると、突起部3が十分な高さが得られず、また十分な高さを得ようとした場合には側面10の傾斜角度を立ち上がり角度よりも大きくする必要が生じ形状がイビツとなるため、強度に欠けるおそれがあるとともに成形が困難となるおそれがある。一方、上記立ち上がり角度αが上記上限値を超えると、突起部3の強度に欠け、不用意な接触等によって突起部3が不用意に離脱するおそれがあり、また成形が困難となるおそれがある。なお、上記立ち上がり角度αの下限値は、60度であることが好ましく、65度であることがより好ましく、70度であることがさらに好ましい。一方、上記立ち上がり角度αの上限値は、90度あることが好ましく、85度であることがより好ましく、80度であることがさらに好ましい。
突起部3の側面10の傾斜角度は上記立ち上がり角度αと同一であり、つまり突起部3の側面10の任意の点の傾斜角度が上記立ち上がり角度α以下であるので、突起部の強度が強いとともに、成形を容易且つ確実に行い得る。
突起部3は、不連続点を有さないような形状に形成されているため、汚れ等が付着しにくく、また成形を容易且つ確実に行うことができる。つまり、突起部3の底面が湾曲部7を有し、底面の外周が不連続点を有さない滑らかな線から構成され、また、突起部3の立ち上がり部分付近に袖部13が設けられ、この袖部13によって突起部3の側面10と基材層2の表面とが連続的に設けられ、さらには頂部11が湾曲して設けられているので、汚れ等が付着しにくく且つ成形を容易且つ確実に行い得る。特に、頂部11が湾曲して設けられているので、他の部材等で接触しても、他の部材等を傷つけるおれそが少ない。
当該表面シート1は基材層2と突起部3とが一体成型されていると、基材層2から突起部3が不用意に離脱するおそれが少なく、また成形によって当該表面シート1を容易且つ確実に製造することができる。
当該表面シート1は、主成分として無機系材料を含有し、具体的には主成分としてシリコーン系樹脂又はガラスを含有しているので、透明な表面シート1を容易且つ確実に形成することができる。
当該表面シート1は、上記のように光電変換装置20の表面側に配設され、既述のような発電効率の向上が図られるとともに、光電変換装置20の保護シートとしても機能することになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態の他、種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。以下、本発明の他の実施形態の説明をするが、第一実施形態と同一の構成を有する部材については同一符号を用い、説明を省略する場合がある。
本発明において複数の突起部の配設パターンは種々のものを採用可能である。例えば、図8に示す表面シート31は、第一実施形態の表面シートと同様に複数の突起部3の長辺部5が直線状に並んでいるが、複数の突起部3の短辺部6が段違いとなるように配設されている。
図9に示す表面シート41は、隣接する突起部3が直交方向に配設されている。つまり、1つの突起部3の底面の短軸と、これに近接する他の突起部3の底面の長軸とが略平行に配設されている。この図9に示す表面シート41は、短軸と交わる側面が、一の突起部3と他の突起部3とで略直交方向に配されることになり、光電変換装置の発電効率が光線の入射方向に影響をより受けにくい。
図10に示す表面シート51は、複数の突起部3が同心円状に配設されている。つまり、突起部3の底面の重心と同心円の仮想中心とを結ぶ仮想線に対して各突起部3の長軸が直交するよう複数突起部3が配設されている。なお、複数の突起部3は、仮想中心を中心として放射状に配設する、つまりは仮想中心と突起部とを結ぶ仮想線状に長軸が一致するよう突起部を配設することも可能である。
本発明において、突起部の形状は種々変更可能である。例えば、図11の表面シートの突起部63は、倒半円柱状の形状を有する。この突起部63は、表面シートの法線方向と突起部63の底面の短軸方向との双方を含む平面での断面形状が、略半円状である。この突起部63は、立ち上がり角度から側面が表面につれて傾斜角度が順次小さくなるよう設けられている。なお、図11の突起部も不連続点を有さないよう設けられている。
図12に示す表面シートの突起部73は、四角柱状の形状を有する。この突起部73は、表面シートの法線方向と突起部73の底面の短軸方向との双方を含む平面での断面形状が、略方形状である。この突起部73は、立ち上がり角度が90度であり、側面の傾斜角度が90度である。なお、図12の突起部も不連続点を有さないよう設けられている。
また、本発明において突起部の底面の形状も種々変更可能である。例えば、図13の表面シートの突起部83は、底面が略八角形の形状を有する。この突起部83の底面は、外周が滑らかな曲線によって形成され、不連続点を有さないよう設けられている。
図14の表面シートの突起部93は、底面が略楕円形状を有する。この突起部93の底面は、外周が滑らかな曲線によって形成され、不連続点を有さないよう設けられている。
図15の表面シートの突起部103は、底面が弓状に設けられている。具体的には、突起部103は、底面の長手方向が弓なりに曲がっており、底面の側辺(長手方向に沿った辺)が略円弧状に形成されている。換言すれば、この突起部103の底面の両側辺は同一方向に弓なりに曲がった円弧状に形成されている。この突起部103の底面は、外周が滑らかな曲線によって形成され、不連続点を有さないよう設けられている。
この図15の突起部103の配設方法は特に限定されるものではないが、例えば図16〜図18のように配設することができる。
図16の表面シートは、複数の突起部103は、内面103a(長手方向に曲がった側の側辺から立ち上がった面)が同一方向(例えば図面下側)に向くよう配設されており、複数の突起部103が全体として鱗模様状に配設されている。
図17の表面シートは、一の突起部103の内面103aが一方側(例えば図面下側)を向き、この一の突起部103の内面103aが向く側(例えば図面下側)に隣接する他の突起部103の内面103aが、この一の突起部103の方(例えば図面上側)を向くよう配設されている。この図17の突起部103は、内面103aが異なる方向を向く突起部103同士が長手方向に約半ピッチずらして配設されており、複数の突起部103が全体として複数の鎖模様となるよう配設されている。
なお、上述した複数種類の突起部を組み合わせて、形状が異なる多種類の突起部を有する表面シートを形成することも可能である。また、上述した突起部の配列パターンを複数種類組み合わせて、表面シートが突起部の配設パターンを複数含むことも可能である。具体的には、図18に示すように、図17の突起部103と図1から図7の突起部3とを表面シートに形成している。この図18の表面シートは、平面視湾曲した突起部103の内面103aの中心に向けて平面視棒状の突起部3の先端が配設される配設パターン(図面左側の突起部の配設パターン)と、平面視湾曲した突起部103の内面103aに包含されるよう平面視略方形状の突起部3が配設される配設パターン(図面右側の突起部の配設パターン)とを有している。
また、上記実施形態では突起部の形成方法として成形型を用いた方法について説明したが、本発明はこれに限定されず、フォトレジスト等によって突起部を直接形成することも可能である。また、成形型を用いる場合にあっても、光硬化樹脂に光を照射して硬化するものに限定されず、例えば流動可能な状態の熱可塑性樹脂を成形型に供給して、これを冷却することによって硬化させることも適宜設計変更可能である。
以下、実施例によって当該発明をさらに具体的に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(型形成用シートの作成)
ネガ型ドライフィルムレジスト(日立化成社製HM−4075)を、カバーフィルム及び基材フィルムを剥がさない状態で、露光した。この露光に際しては、短辺30μm長辺1mmの透孔が多数穿設されたフォトマスクを用いた。上記露光は、高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2のUV光により行った。
上記露光したネガ型ドライフィルムレジストからカバーフィルムを剥がし、0.5wt%の炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて、液温25℃、現像圧力0.1MPaの条件で1minシャワー現像を行い、塗膜の未露光部分を除去した。これによりボトム幅50um、高さ75umの倒略三角柱状の複数の突起を有する型形成用シートを作成した。
(ニッケル型の作成)
上記型形成用シートの突起が形成された面に無電解ニッケル鍍金層を0.2μ形成し、次いでニッケル鍍金層を電極としてニッケル電鋳を1mm厚となるまで行った。
得られたニッケル型から基材フィルムを剥がし、レジストなどの残渣は500℃、air気流下で1時間焼成して除去し、開口径50μm、深さ75μmのテーパー状の溝を備えるニッケル製の成形型(以下、ニッケル型ということがある)を作成した。
(ガラスロール成形型の作成)
上記型形成用シートの突起が形成された面に感光性ガラスペーストを厚み0.5mmとなるよう塗布し、120℃で10min乾燥させてガラスペーストフィルムを得た。このガラスペーストフィルムをガラス管にガラスペーストが密着するよう巻回した。このガラス管内の紫外線光源によってガラスペーストに紫外線を照射した。このガラス管としては、内部に紫外線光源して紫外線LED(日亜化学社製 NC4U133A)を20個有する直径10cmのガラス管を用いた。この照射時間は10minとした。この紫外線照射によってガラスペーストが硬化され、その後型形成用シートを剥離した。その後、このガラス管を、400℃、20min、次いで630℃、20minでair気流下で焼成することで、有機成分の除去とガラスフリットの溶融を行い、開口幅40um、深さ45umのテーパー上の溝を有するガラスロール成形型を作成した。
(実施例1〜5)
実施例1として、上記ニッケル型を用いて表面シートを作成した。まず、ニッケル型に数平均分子量が約1850の両末端にビニル基を有するポリ(ジメチルシロキサン)10g、3個のSi−H基を持ち、かつ数平均分子量が約1200のシリルハイドライドをベースとするジメチルシロキサン1.09g、プラチナ−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体0.27g(0.054質量%なる量のPt)、及びジメチルマレエート28mgを混合したシリコーン組成物を塗布して金型の溝パターン埋め、更にシリコーン層の総厚みが200μmとなる状態に成膜した。その後、このシリコーン層を150℃のホットプレートで5min加熱して硬化し、シリコーン層をニッケル型から剥離した。これにより、底面の幅30μm、高さ35μmの複数の突起部が形成されたシリコーンゴムシート(実施例1の表面シート)を得た。なお、実施例1の表面シートにおいて複数の突起部の配列は、仮想中心から放射状とし、占有面積(基材層の表面の総面積に対する突起部の底面の面積割合)は65%とした。
実施例1の作成方法と同様の方法によって、実施例2〜7の表面シート(シリコーンゴムシート)を作成した。なお、各実施例の突起部の底面形状、サイズ、配列及び占有面積は、図15の表に示す通りである。なお、突起部の形状及びサイズに応じて、既述の型形成用シートの作成に際して用いられるフォトマスクを変更して、それぞれ型形成用シートを作成した。なお、実施例7では異なる突起形状を有する2種類の表面シートを用意し、同じシート面積となるように各表面シートを半分に裁断し、この裁断した2種類の表面シートを太陽電池モジュールAに貼り付けで用いた。
(実施例8)
実施例8として、上記ニッケル型を用いて表面シートを作成した。ニッケル型にアルカリ可溶性ポリマー15g(メタクリル酸20mol%、ベンジンメタクリレート20mol%、n−ブチルメタクリレート45mol%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15mol%からなる共重合物の固形分50%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)、トリメチロールプロパンPO変性アクリレート2.26g、分散剤;エマルゲンB−66(花王株式会社製)0.45g、V含有低融点ガラスフリット;V35(岡本硝子株式会社製)50g、φ=0.8mmのジルコニアビーズ150gを加え、ビーズミル;TSG−6U(アイメックス株式会社製)で分散したガラスペーストを塗布し、120℃オーブンで10min乾燥して型上に300μm厚のガラスペースト層を形成した。これを金型ごと400℃、20min、ついで630℃、20minのair気流下で焼成−冷却すると、表面に底面の幅50μm、高さ65μmの四角柱状(台形状)の突起部が形成された約総厚み170μmのガラス板(実施例8の表面シート)を得た。なお、ガラスの線膨張係数がニッケル型の約半分であるため、自然冷却されるに従いガラス板がニッケル型から容易に離型することができた。
この実施例8の表面シートには、太陽電池セルを形成した。具体的に以下説明する。表面シートの裏面(突起が形成されない面)に酸化亜鉛膜0.5μmを形成し、次にJpn.J.Appl.Phys.24(1985)pp.1607−1610に記載の条件で、30nm厚のn型シリコン層/1000nm厚のi型シリコン層/50nm厚のp型シリコン層からなるアモルファスシリコン層を形成し、その裏面にアルミを1μm成膜することで表面シートに太陽電池セルを形成した。そして、この太陽電池セルを形成した表面シートの裏面に、サンエー化研製テクニフィルムVA760を100℃で熱圧着して、a−Si太陽電池モジュールを得た。なお、実施例6の表面シートにおいて複数の突起部の配列はランダムとし、占有面積は40%とした。
(実施例9)
実施例1の作成方法と同様の方法によって、実施例9のシリコーンゴムシートを作成した。なお、実施例7の突起部の形状、サイズ、配列及び占有割合は、図16の表に示す通りである。なお、突起部の形状等に応じて、既述の型形成用シートの作成に際して用いられるフォトマスクを変更して、それぞれ型形成用シートを作成した。
(実施例10)
実施例10として、ガラス突起を直接形成した例を示す。アルカリ可溶性ポリマー34g(メタクリル酸20mol%、ベンジンメタクリレート20mol%、n−ブチルメタクリレート45mol%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15mol%からなる共重合物の固形分50%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)、トリメチロールプロパンPO変性アクリレート2.26g、ペンタエリスリトールペンタアクリレート2.26g、光重合開始材;イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)0.45g、光増感材;DETX−S(日本化薬社製)0.18g、分散剤;エマルゲンB−66(花王株式会社製)0.45gを均一に混合し、有機ビヒクルを調製した。ここにV含有低融点ガラスフリット;V35(岡本硝子株式会社製)45.3g、φ=1.8mmのジルコニアビーズ150gを加え、ビーズミル;TSG−6U(アイメックス株式会社製)で分散した。分散条件は1500rpmで30minである。分散処理後にジルコニアビーズを除去し、脱泡処理することで感光性ガラスペーストを得た。ガラス基板上に、アプリケータを用い、上記感光性ガラスペーストを塗布した。塗布膜を熱風オーブンで120℃、20min乾燥させることで厚み50μmの塗膜を得た。この塗膜に対し、短辺30μm長辺1mmの透孔が多数穿設されたフォトマスクを介して、高圧水銀灯を用い500mJ/cm2のUV光を照射した。0.5wt%の炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて、液温35℃、現像圧力0.15MPaの条件で3minシャワー現像を行い、塗膜の未露光部分を除去した。これによりボトム幅50um、高さ50umの四角柱状の複数の突起を形成した。その後、このガラス基板を400℃、20min、ついで630℃、20minのair気流下で焼成することで、有機成分の除去とガラスフリットの溶融を行い、幅33μm高さ40μmの倒三角柱状の表面シート(実施例10)を得た。なお、実施例10の表面シートにおいて複数の突起部の配列はランダムとし、占有面積は70%とした。
(実施例11)
実施例11として、上記ガラスロール成形型を用いて表面シートを作成した。ポリメタクリル酸メチル(分子量=10000)100g、メチルメタクリレート300g、光重合開始材;イルガキュア819(チバ・ジャパン株式会社製)5g、光増感材;DETX−S(日本化薬社製)3g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5gを混合して、均一な溶液(粘度=2000mPa・s)を得た。これをガラス基板上にガラスロール成形型を用いて6cm/minのスピードで流延しながらガラスロール成形型内のUV−LEDランプで光硬化し、次いでガラス基板をガラスロール成形型から離型した。これらの工程はガラスロール上で一連で行われる。上記離型したガラス基板に対して1Jの追加露光を行うことで硬化を完成させて、ガラス基板上にPMMA製の突起(幅40μm、高さ45μm)が整列して突出する表面シートを得た。なお、実施例9の表面シートにおいて複数の突起部の配列は、一方向、つまり複数の突起部の長軸が平行に設けられた配列とし、占有面積は65%とした。
(耐汚染性能試験及び発電性能試験)
実施例1〜8及び11の表面シートについて耐汚染性能試験及び発電性能試験を行った。耐汚染性能試験は、各表面シートの表面全体にスプレーによって墨汁を吹付けた後、1時間風乾し、次いで表面全体に同じスプレーによって水を一時間吹付け、その後乾燥させた。この乾燥させた状態の光線透過率を測定し、墨汁吹付け前の光線透過率との差を比較した。透過率差が2%未満であれば〇とし、2%以上10%未満であれば△とし、10%以上であれば×とした。また、発電性能試験は、発電性能試験は、市販の太陽電池モジュールにシートサンプルとして各実施例の表面シートを貼り付け、表面シートを貼らない太陽電池モジュールの発電量と比較した。ここで、シートサンプルとしては、上記耐汚染性能試験において墨汁の吹付け、風乾、水の吹付け、及び乾燥を経たものを用いた。この発電性能試験は、南向き、設置角度30度(屋根設置タイプに相当)、一週間発電した電力総量を測定した。測定された電力総量を、表面シートを貼り付けない太陽電池モジュールの同条件下の電力総量をサンプルテータと比較し、上記測定した電力総量をサンプルデータで割った値を発電指数として算出した。つまり、例えば測定した電力総量が300Whrで、サンプルデータが270Whrであれば、発電指数は111となる。
また、同様の耐汚染性能試験及び発電性能試験を比較例1及び比較例2の表面シートについても行った。比較例1及び比較例2の表面シートは、実施例1の作成手法と同様の方法によって作成されるシリコーンゴムシートである。比較例1の表面シートの突起部は、底面幅が150μm底面長さ2mmで、高さが20μmの倒半円柱状の形状に形成した。比較例2の表面シートの突起部は、底面幅が5μm底面長さ2mmで、高さが2μmの倒半円柱状の形状に形成した。
この耐汚染性能試験及び発電性能試験の結果を図19の表に示す。この表からも明らかなように、実施例1〜8及び11の表面シートは、比較例2の表面シートに比較して耐汚染性に優れ、さらに発電指数も高く、発電効率が向上していることが分かる。
(耐衝撃性試験)
実施例8〜10の表面シートについて耐衝撃性試験を行った。ここでは、太陽電池モジュールに用いられる強化ガラス(旭硝子株式会社製SUNMAX)に各実施例の表面シートを貼り付け、高さ1mの位置からJISB1501に規定する剛球を落下させる試験をJISR3206に準じて行い、ガラスが破損するときの剛球重量を調べた結果を図20の表に示す。なお、実施例6のガラス製シートは接着剤を介して上記強化ガラスに接着して評価を行った。
同様の試験を比較例3〜6についても行った。比較例3は表面シートとしてプリズムシートを上記強化ガラスの表面に貼り付けた。このプリズムシートは、頂角が40度でピッチが0.5mmのプリズムシート(日本特殊光学樹脂製LP75−0.5;PMMA樹脂製)を用いた。また、比較例4〜6は強化ガラスに表面シートを貼り付けないで試験を行った。なお、比較例6では旭硝子株式会社製SUNMAXの代わりに、表面に凹凸加工がなされた旭硝子株式会社製SOLITEを用いた。
この耐衝撃性試験によれば、実施例8〜10の表面シートは薄くとも十分な強度が得られていることが明らかとなった。つまり、一般的に太陽電池モジュールは、耐衝撃性試験で200g前後の結果となるような強度を有しているが(比較例4及び6参照)、厚みを薄くした場合(例えば1mm前後)には強度が極端に落ちてしまう(比較例5参照)。これに対して、実施例8〜10の表面シートは厚みが1mm前後であっても、耐衝撃性試験で130g以上の結果を出しており十分な強度が得られている。
また、実施例8〜10及び比較例3について、既述の耐汚染性試験を行ったところ、実施例8〜は耐汚染性に優れ、比較例3は耐汚染性に劣ることが判明した。
本発明の表面シートは、太陽電池モジュールなどの光電変換装置の表面に貼付されることで発電効率を高めることができるので、例えば屋外に設置される太陽電池モジュールの表面に最適に用いることができる。
1 光電変換装置用表面シート
2 基材層
2a 各辺
3 突起部
3 突起部
5 長辺部
6 短辺部
7 湾曲部
9 側面
10 側面
11 頂部
12 稜線
13 裾部
20 光電変換装置(太陽電池モジュール)
21 太陽電池セル
22 封止材
23 透光性基板
24 裏面保護板
30 成形型
30a 凹部
α 角度

Claims (22)

  1. 透明な基材層と、
    上記基材層の表面側に散点状に配された複数の先細り形状の透明な突起部と
    を備え、
    上記突起部の底面が、1回対称又は2回対称の形状であり、
    上記突起部の底面の短軸方向の長さに対する突起部の高さの比が0.8以上3以下であり、
    上記底面の周長が50μm以上10cm以下である
    光電変換装置用表面シート。
  2. 上記突起部の上記短軸と交差する側面の立ち上がり角度が60度以上90度以下である請求項1に記載の光電変換装置用表面シート。
  3. 上記突起部の上記短軸と交差する側面の立ち上がり角度が65度以上であり、
    突起部の上記短軸と交差する側面の任意の点の傾斜角度が上記立ち上がり角度以下である
    請求項2に記載の光電変換装置用表面シート。
  4. 上記底面の外周が不連続点を有さない滑らかな線から構成されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光電変換装置用表面シート。
  5. 上記底面が、短軸に直交し互いに対向する二つの直線部、及び長軸に直交し互いに対向する二つの直線部を有する略多角形状である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  6. 上記突起部が、頂部に上記底面の長軸と略平行な稜線を有する請求項5に記載の光電変換装置用表面シート。
  7. 上記底面が、略楕円形状である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  8. 短軸に対する長軸の比が2以上1000以下である請求項5、請求項6又は請求項7に記載の光電変換装置用表面シート。
  9. 1つの上記突起部の底面の短軸と、近接する他の突起部の底面の長軸とが略平行である請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  10. 1つの上記突起部の底面の長軸と、近接する他の突起部の底面の長軸とが略平行である請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  11. 上記底面の長手方向が弓なりに曲がり、底面の側辺が略円弧状である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  12. 複数の上記突起部の底面の総面積が、上記基材層の表面の総面積の1/3以上である請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  13. 上記突起部の頂部が曲面形状である請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  14. 上記基材層と上記突起部とが一体成型されている請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  15. 上記基材層及び上記突起部が、主成分として無機系材料を含有している請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  16. 上記無機系材料がシリコーン系樹脂又はガラスである請求項15に記載の光電変換装置用表面シート。
  17. 太陽電池モジュールの保護シートとして用いられる請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シート。
  18. 光エネルギーを電気に変換する光電変換部と、
    上記光電変換部の光入射面側に積層される請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の光電変換装置用表面シートと
    を備える光電変換装置。
  19. 光電変換装置用表面シートを製造するための成形型であって、
    光電変換装置用表面シートの突起部を形成可能な複数の凹部を有し、
    上記凹部の開口面が、1回対称又は2回対称の形状であり、
    上記開口面の短軸方向の長さに対する凹部の高さの比が0.8以上3以下であり、
    上記開口面の周長が50μm以上10cm以下である
    ことを特徴とする成形型。
  20. 主成分として無機系材料を含有する請求項19に記載の成形型。
  21. 請求項19又は請求項20に記載の成形型を備える光電変換装置用表面シートの製造装置。
  22. 上記凹部に充填される光電変換装置用表面シートの光硬化型形成材料に、光照射を行う光インプリント部をさらに備える請求項21に記載の光電変換装置用表面シート製造装置。
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