JP2012038886A - 太陽光発電装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写精度が改善され、ゴミ等によるダメージを抑制可能とする、サブミクロンサイズの微細凹凸構造体を有する太陽光発電装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】太陽光発電装置1は、太陽光Lが入射する入射面2A及び入射面2Aに対向配置されて入射面2Aに入射した太陽光Lを出射する出射面2Bを有する透明基板2と、透明基板2の出射面上に順次形成された透明電極3と、光電変換層4〜6と、反射電極8と、を備えている。入射面2A及び出射面2Bには、高さが300nm以下であり、かつ、底面に対する高さのアスペクト比が1以上である複数の円錐形状部を有する微細凹凸構造体10が形成されている。また、入射面2Aには、上記円錐形状部の高さの100倍以上の高さを有する柱状凸部90がさらに形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】太陽光発電装置1は、太陽光Lが入射する入射面2A及び入射面2Aに対向配置されて入射面2Aに入射した太陽光Lを出射する出射面2Bを有する透明基板2と、透明基板2の出射面上に順次形成された透明電極3と、光電変換層4〜6と、反射電極8と、を備えている。入射面2A及び出射面2Bには、高さが300nm以下であり、かつ、底面に対する高さのアスペクト比が1以上である複数の円錐形状部を有する微細凹凸構造体10が形成されている。また、入射面2Aには、上記円錐形状部の高さの100倍以上の高さを有する柱状凸部90がさらに形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池や太陽光発電パネル等の太陽光発電装置及びその製造方法に関する。
近年、環境問題の観点から、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池や太陽光発電パネル等の太陽光発電装置が注目されている。
太陽光発電装置の一形態である太陽電池の一例が特許文献1に開示されている。
太陽光発電装置の一形態である太陽電池の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されているような太陽光発電装置は、一般的に、透明基板側から入射した太陽光をテクスチャ構造により効率的に光電変換層に導くものである。
しかしながら、このような太陽光発電装置は、透明基板内に入射した太陽光に対してはテクスチャ構造により効率的に光電変換層に導くことができるものの、太陽光が入射する透明基板の入射面が平坦なため、この入射面で太陽光の一部が反射してしまい光電変換に寄与しない。そのため、より効率的な光電変換が可能な太陽光発電装置の開発が望まれている。
また、透明基板の入射面にテクスチャ構造を形成することも考えられるが、この場合、透明基板の入射面に形成されたテクスチャ構造は大気に曝されるため、特に屋外等で使用される場合に外部から飛来するゴミ等によって微細なテクスチャ構造がダメージを受けることが想定されるため、その対策が必要である。
また、従来のテクスチャ構造に対しても、そのテクスチャ構造を形成する複数の凹凸構造体のサイズがそれぞれ数ミクロン〜数十ミクロンと大きく、太陽光の一部が透過せずに反射してしまうため、この点においてもより効率的な光電変換が可能な太陽光発電装置の開発が望まれている。
また、特許文献1に開示されているような太陽光発電装置のテクスチャ構造は複数の角錐形状部を有して構成されており、このような角錐形状部をサブミクロンの微細なサイズに形成しようとした場合、レーザ光や電子線ビーム等による現状の微細リソグラフィ技術では、サブミクロンサイズの微細な角錐形状を精度良く作製することは困難である。
また、サブミクロンサイズの微細な角錐形状のテクスチャ構造を有するスタンパを仮に形成できたとしても、このスタンパを用いて成形を行った場合、角錐形状の角部がだれてしまうため、テクスチャ構造を精度良く転写することは困難である。
また、サブミクロンサイズの微細な角錐形状のテクスチャ構造を有するスタンパを仮に形成できたとしても、このスタンパを用いて成形を行った場合、角錐形状の角部がだれてしまうため、テクスチャ構造を精度良く転写することは困難である。
そこで、本発明は、転写精度が改善され、ゴミ等によるダメージを抑制可能とする、サブミクロンサイズの微細凹凸構造体を有する太陽光発電装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は次の太陽光発電装置及びその製造方法を提供する。
1)太陽光(L)が入射する入射面(2A)、及び前記入射面に対向配置され、前記入射面に入射した太陽光を出射する出射面(2B)を有する透明基板(2)と、前記透明基板の前記出射面上に形成された透明電極(3)と、前記透明電極上に形成された光電変換層(4〜6)と、前記光電変換層上に形成された反射電極(8)と、を備え、前記入射面及び前記出射面には、高さが300nm以下であり、かつ、底面に対する高さのアスペクト比が1以上である複数の円錐形状部(11)を有する微細凹凸構造体(10)が形成されており、前記入射面には、前記円錐形状部の高さの100倍以上の高さを有する柱状凸部(90)がさらに形成されていることを特徴とする太陽光発電装置(1)。
2)前記入射面または前記出射面には、複数の凹部(51)及び複数の凸部(52)が形成されており、前記複数の凹部の底面(51A)及び前記複数の凸部の上面(52A)に前記微細凹凸構造体が形成されていることを特徴とする1)記載の太陽光発電装置。
3)基盤(20)上に無機レジスト膜(31)を形成する無機レジスト膜形成工程と、前記無機レジスト膜形成工程の後に、前記無機レジスト膜の所定の領域に光(La)を照射し、前記所定の領域における無機レジスト膜を非晶質状態から結晶状態に変化させる露光工程と、前記露光工程の後に、前記結晶状態に変化した領域の無機レジスト膜を除去して前記基盤を露出させる現像工程と、前記現像工程の後に、前記基盤上及び前記無機レジスト膜上に所定の金属を成膜し、前記基盤に円板形状を有する複数の第1の金属膜(33)を形成すると共に前記無機レジスト膜上に前記第1の金属膜とは分離した第2の金属膜(34)を形成する金属膜形成工程と、前記金属膜形成工程の後に、前記第1の金属膜を残して、前記無機レジスト膜を前記第2の金属膜と共に除去する除去工程と、前記除去工程の後に、前記第1の金属膜をマスクにして前記基盤を等方的にエッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程の後に、前記第1の金属膜を除去し、複数の円錐形状部を有する微細凹凸構造体(23)が表面に形成された母型を作製する母型作製工程と、前記母型作製工程の後に、前記母型の微細凹凸構造体が転写されたスタンパを作製するスタンパ作製工程と、前記スタンパ作製工程の後に、太陽光(L)が入射する入射面(2A)、及び前記入射面に対向配置されて前記入射面に入射した太陽光を出射する出射面(2B)に前記スタンパの微細凹凸構造体がそれぞれ転写された透明基板(2)を作製する透明基板作製工程と、前記透明基板作製工程の後に、前記透明基板の前記出射面上に、透明電極(3)、光電変換層(4〜6)、及び反射電極(8)を順次成膜する成膜工程と、を含むことを特徴とする太陽光発電装置の製造方法。
1)太陽光(L)が入射する入射面(2A)、及び前記入射面に対向配置され、前記入射面に入射した太陽光を出射する出射面(2B)を有する透明基板(2)と、前記透明基板の前記出射面上に形成された透明電極(3)と、前記透明電極上に形成された光電変換層(4〜6)と、前記光電変換層上に形成された反射電極(8)と、を備え、前記入射面及び前記出射面には、高さが300nm以下であり、かつ、底面に対する高さのアスペクト比が1以上である複数の円錐形状部(11)を有する微細凹凸構造体(10)が形成されており、前記入射面には、前記円錐形状部の高さの100倍以上の高さを有する柱状凸部(90)がさらに形成されていることを特徴とする太陽光発電装置(1)。
2)前記入射面または前記出射面には、複数の凹部(51)及び複数の凸部(52)が形成されており、前記複数の凹部の底面(51A)及び前記複数の凸部の上面(52A)に前記微細凹凸構造体が形成されていることを特徴とする1)記載の太陽光発電装置。
3)基盤(20)上に無機レジスト膜(31)を形成する無機レジスト膜形成工程と、前記無機レジスト膜形成工程の後に、前記無機レジスト膜の所定の領域に光(La)を照射し、前記所定の領域における無機レジスト膜を非晶質状態から結晶状態に変化させる露光工程と、前記露光工程の後に、前記結晶状態に変化した領域の無機レジスト膜を除去して前記基盤を露出させる現像工程と、前記現像工程の後に、前記基盤上及び前記無機レジスト膜上に所定の金属を成膜し、前記基盤に円板形状を有する複数の第1の金属膜(33)を形成すると共に前記無機レジスト膜上に前記第1の金属膜とは分離した第2の金属膜(34)を形成する金属膜形成工程と、前記金属膜形成工程の後に、前記第1の金属膜を残して、前記無機レジスト膜を前記第2の金属膜と共に除去する除去工程と、前記除去工程の後に、前記第1の金属膜をマスクにして前記基盤を等方的にエッチングするエッチング工程と、前記エッチング工程の後に、前記第1の金属膜を除去し、複数の円錐形状部を有する微細凹凸構造体(23)が表面に形成された母型を作製する母型作製工程と、前記母型作製工程の後に、前記母型の微細凹凸構造体が転写されたスタンパを作製するスタンパ作製工程と、前記スタンパ作製工程の後に、太陽光(L)が入射する入射面(2A)、及び前記入射面に対向配置されて前記入射面に入射した太陽光を出射する出射面(2B)に前記スタンパの微細凹凸構造体がそれぞれ転写された透明基板(2)を作製する透明基板作製工程と、前記透明基板作製工程の後に、前記透明基板の前記出射面上に、透明電極(3)、光電変換層(4〜6)、及び反射電極(8)を順次成膜する成膜工程と、を含むことを特徴とする太陽光発電装置の製造方法。
本発明の太陽光発電装置及びその製造方法によれば、転写精度が改善され、ゴミ等によってサブミクロンサイズの微細凹凸構造体が受けるダメージを抑制することが可能になるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例1〜実施例4により図1〜図11を用いて説明する。
実施例1は本発明の太陽光発電装置及びその製造方法の実施例である。
実施例2は実施例1の太陽光発電装置を製造するための他の製造方法の実施例である。
実施例3は本発明の太陽光発電装置及びその製造方法の他の実施例である。
実施例4は本発明の太陽光発電装置及びその製造方法のさらに他の実施例である。
実施例1は本発明の太陽光発電装置及びその製造方法の実施例である。
実施例2は実施例1の太陽光発電装置を製造するための他の製造方法の実施例である。
実施例3は本発明の太陽光発電装置及びその製造方法の他の実施例である。
実施例4は本発明の太陽光発電装置及びその製造方法のさらに他の実施例である。
<実施例1>(図1〜図4参照)
図1に示すように、太陽光発電装置1は、太陽光Lが入射する入射面2A、及び入射面2Aに対向する出射面2Bに微細凹凸構造体10がそれぞれ形成された透明基板2と、透明基板2の出射面2B上に形成された透明電極3と、透明電極3上に形成されたp型光電変換層4と、p型光電変換層4上に形成された光電変換混合層5と、光電変換混合層5上に形成されたn型光電変換層6と、n型光電変換層6上に形成されたバッファ層7と、バッファ層7上に形成された反射電極8と、を有して構成されている。
図1に示すように、太陽光発電装置1は、太陽光Lが入射する入射面2A、及び入射面2Aに対向する出射面2Bに微細凹凸構造体10がそれぞれ形成された透明基板2と、透明基板2の出射面2B上に形成された透明電極3と、透明電極3上に形成されたp型光電変換層4と、p型光電変換層4上に形成された光電変換混合層5と、光電変換混合層5上に形成されたn型光電変換層6と、n型光電変換層6上に形成されたバッファ層7と、バッファ層7上に形成された反射電極8と、を有して構成されている。
透明基板2の材料として、射出成形が容易であり、絶縁性及び耐熱性に優れ、成形後の透明度が太陽光Lの波長領域に対して十分に確保できる材料、例えばポリカーボネート,ポリエチレンナフタレート,及びポリメチルメタクリレートを用いることが望ましい。
また、透明基板2としてフィルム状の非常に薄い透明基板を用いる場合は、転写性に優れ、成形後の透明度が太陽光Lの波長領域に対して十分に確保できる材料、例えばポリエチレンナフタレート,ポリエーテルサルホン,及びポリイミドを用いることが望ましい。
また、透明基板2としてフィルム状の非常に薄い透明基板を用いる場合は、転写性に優れ、成形後の透明度が太陽光Lの波長領域に対して十分に確保できる材料、例えばポリエチレンナフタレート,ポリエーテルサルホン,及びポリイミドを用いることが望ましい。
透明電極3の材料として例えばITO(酸化インジウム錫)を用いることができる。一方、反射電極8の材料としては例えばAl(アルミニウム)を用いることができる。
p型光電変換層4の材料として例えばZnフタロシアニンを用いることができる。
n型光電変換層6の材料として例えばフラーレンを用いることができる。
p型光電変換層4とn型光電変換層6との間に形成される光電変換混合層5は、p型材料とn型材料との接触を増加させるバルクヘテロジャンクションを形成して光電変換効率を向上させるための層であり、p型材料(例えばZnフタロシアニン)とn型材料(例えばフラーレン)との混合物を主成分とする。
n型光電変換層6の材料として例えばフラーレンを用いることができる。
p型光電変換層4とn型光電変換層6との間に形成される光電変換混合層5は、p型材料とn型材料との接触を増加させるバルクヘテロジャンクションを形成して光電変換効率を向上させるための層であり、p型材料(例えばZnフタロシアニン)とn型材料(例えばフラーレン)との混合物を主成分とする。
バッファ層7は光電変換効率を向上させるための層であり、その材料として例えばBCP(バトクプロイン)を用いることができる。
次に、透明基板2の入射面2A及び出射面2Bに形成されている微細凹凸構造体10について図2及び図3を用いて説明する。
図2に示すように、透明基板2の入射面2A及び出射面2Bに形成されている微細凹凸構造体10は、凸状の複数の円錐形状部11を有して構成されている。なお、図2に示す「H11」は円錐形状部11の高さを示し、「R11」は円錐形状部11の底面の直径を示し、「P11」は隣接する円錐形状部11同士のピッチを示すものである。
ここで、円錐形状部11の大きさについて図3を用いて説明する。図3は、微細凹凸構造体10(図2参照)に照射される光の波長(横軸)とその透過率との関係を示す図である。また、図3には、円錐形状部11の高さH11,底面の直径R11,及びピッチP11(図2参照)がそれぞれ400nmの場合、350nmの場合、及び250nmの場合における波長と透過率の関係をそれぞれ示している。
図3に示すように、円錐形状部11の高さH11,底面の直径R11,及びピッチP11(図2参照)がそれぞれ400nmの場合、波長が約630nm以下の光成分に対する透過率が長波長側の光成分に対する透過率と比較して悪化する。
また、円錐形状部11の高さH11,底面の直径R11,及びピッチP11がそれぞれ350nmの場合、波長が約520nm以下の光成分に対する透過率が長波長側の光成分に対する透過率と比較して悪化する。
また、円錐形状部11の高さH11,底面の直径R11,及びピッチP11がそれぞれ250nmの場合、波長が約430nm以下の光成分に対する透過率が長波長側の光成分に対する透過率と比較して悪化する。
また、円錐形状部11の高さH11,底面の直径R11,及びピッチP11がそれぞれ350nmの場合、波長が約520nm以下の光成分に対する透過率が長波長側の光成分に対する透過率と比較して悪化する。
また、円錐形状部11の高さH11,底面の直径R11,及びピッチP11がそれぞれ250nmの場合、波長が約430nm以下の光成分に対する透過率が長波長側の光成分に対する透過率と比較して悪化する。
即ち、円錐形状部11の高さH11,底面の直径R11,及びピッチP11を小さくすることにより、短波長側の光成分に対する透過率を改善することができる。
そこで、発明者らが鋭意実験した結果、微細凹凸構造体10の円錐形状部11の底面の直径R11及びピッチP11を300nm以下とし、かつ円錐形状部11における底面の直径R11に対する高さH11のアスペクト比を1以上とすることにより、350nm〜800nmの波長範囲に主ピークを有する太陽光に対し、上記波長範囲内における各波長での透過率をそれぞれ80%以上にできることを見出した。
そこで、発明者らが鋭意実験した結果、微細凹凸構造体10の円錐形状部11の底面の直径R11及びピッチP11を300nm以下とし、かつ円錐形状部11における底面の直径R11に対する高さH11のアスペクト比を1以上とすることにより、350nm〜800nmの波長範囲に主ピークを有する太陽光に対し、上記波長範囲内における各波長での透過率をそれぞれ80%以上にできることを見出した。
次に、上述した太陽光発電装置1の製造方法の実施例について図4を用いて説明する。
図4(a)に示すように、まず、石英ガラス基盤20上に無機レジスト膜21を形成(成膜)する。
無機レジスト膜21は石英ガラス基盤20をエッチングするときのマスクとして機能するため、石英ガラス基盤20に対してエッチング選択性のよい材料、即ちエッチング速度の遅い材料を用いる。無機レジスト膜21の材料としては、遷移金属の酸化物を主成分とする感光性アモルファス無機材料を用いることが好ましい。このような材料として、例えば酸化タングステン(WO)、またはタングステンとモリブデンとの合金酸化物(WMoO)を主成分とする感光性アモルファス無機材料が挙げられる。また、ゲルマニウムとアンチモンとテルルとの合金(GeSbTe)系の相変化材料を用いることもできる。中でも、タングステンとモリブデンとビスマスとの合金酸化物(WMoBiO)を主成分とする感光性アモルファス無機材料が好適である。
また、無機レジスト膜21の形成(成膜)方法は特に限定されるものではないが、例えば高真空度の減圧状態下のチャンバー内に所定の流量で酸素(O2)ガスを導入しながら、タングステンとモリブデンとの合金からなるターゲットを用いてスパッタリングを行う、所謂、反応性スパッタリング法が好適である。
また、無機レジスト膜21の厚さについても特に限定されるものではなく、石英ガラス基盤20に形成される微細凹凸構造体23(上述した微細凹凸構造体10に相当する)の高さ(上述した円錐形状部11の高さH11に相当する)、及び石英ガラス基盤20と無機レジスト膜21とのエッチング速度差に応じて適宜設定されるものである。
例えば、無機レジスト膜21の材料に酸化タングステン(WO)を用いて石英ガラス基盤20に高さ300nmの微細凹凸構造体23を形成する場合、酸化タングステンと石英ガラスとのエッチング速度比は1:3〜1:4程度なので、無機レジスト膜21は80nm〜100nm程度の厚さが必要になる。
例えば、無機レジスト膜21の材料に酸化タングステン(WO)を用いて石英ガラス基盤20に高さ300nmの微細凹凸構造体23を形成する場合、酸化タングステンと石英ガラスとのエッチング速度比は1:3〜1:4程度なので、無機レジスト膜21は80nm〜100nm程度の厚さが必要になる。
次に、無機レジスト膜21の所定の領域に集光したレーザ光Laを照射して上記所定の領域における無機レジスト膜21を感光させる。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜21は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜21はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。なお、図4(a)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜21において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜21は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜21はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。なお、図4(a)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜21において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
その後、図4(b)に示すように、アルカリ現像液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて上記感光した領域の無機レジスト膜21を除去する。
これにより、石英ガラス基盤20にピッチP22が例えば250nmで円板状の無機レジストパターン22が一度に複数形成される。ピッチP22は前述のピッチP11に対応するものである。
これにより、石英ガラス基盤20にピッチP22が例えば250nmで円板状の無機レジストパターン22が一度に複数形成される。ピッチP22は前述のピッチP11に対応するものである。
次に、図4(c)に示すように、無機レジストパターン22をマスクにして、石英ガラス基盤20をエッチングする。
実施例1では、フルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
実施例1では、フルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
エッチングガスの成分やガス圧を調整することにより、等方性のエッチングを行うことができるので、図4(d)に示すように、石英ガラス基盤20はその深さ方向にエッチングされると共に面方向にもエッチングされる。
その後、図4(e)に示すように、無機レジストパターン22を強アルカリ溶液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて除去することにより、微細凹凸構造体23が表面に形成された石英ガラス基盤20を得る。微細凹凸構造体23が表面に形成された石英ガラス基盤20は母型となる。この微細凹凸構造体23は前述した微細凹凸構造体10に対応するものである。
次に、微細凹凸構造体23が形成された石英ガラス基盤20の表面に金属薄膜を形成(成膜)し、さらにこの金属薄膜をめっき導通膜として電気めっきを行って金属薄膜上に電気めっき厚膜を形成する。
その後、石英ガラス基盤20と金属薄膜との界面で剥離することにより、金属薄膜と電気めっき厚膜とからなり、金属薄膜側に石英ガラス基盤20の微細凹凸構造体23の凹凸が反転して転写されたスタンパを得る。
その後、石英ガラス基盤20と金属薄膜との界面で剥離することにより、金属薄膜と電気めっき厚膜とからなり、金属薄膜側に石英ガラス基盤20の微細凹凸構造体23の凹凸が反転して転写されたスタンパを得る。
金属薄膜の材料は導電性を有する材料であればよく、例えばニッケル(Ni),金(Au),及び銀(Ag)等を用いることができる。
また、金属薄膜の形成(成膜)方法としては、スパッタリング法等の真空成膜法や、無電解めっき等の湿式法を用いることができる。
また、金属薄膜の厚さは特に限定させるものではないが、例えば20nm〜100nmの範囲が好適である。
また、金属薄膜の形成(成膜)方法としては、スパッタリング法等の真空成膜法や、無電解めっき等の湿式法を用いることができる。
また、金属薄膜の厚さは特に限定させるものではないが、例えば20nm〜100nmの範囲が好適である。
電気めっき厚膜の材料として、一般的に電気めっきに用いられているニッケル,金,及び銀等を用いることができる。中でも、めっきコスト及び膜硬度の点でニッケルが好ましい。
また、電気めっき厚膜の厚さは特に限定させるものではないが、強度確保の点で数ミクロン以上であることが好ましい。
また、電気めっき厚膜の厚さは特に限定させるものではないが、強度確保の点で数ミクロン以上であることが好ましい。
次に、上述したスタンパを2つ用いて両面成形を行って、前述の入射面2A及び出射面2Bに微細凹凸構造体10がそれぞれ形成された透明基板2(図1及び図2参照)を作製する。透明基板2の入射面2A及び出射面2Bにそれぞれ形成された微細凹凸構造体10は、2つのスタンパの微細凹凸構造体の凹凸がそれぞれ反転して転写されたものである。
ここでは、透明基板2の材料としてポリカーボネートを用い、微細凹凸構造体10における円錐形状部11の高さH11,ピッチP11,及び底面の直径R11をそれぞれ250nmとした。
ここでは、透明基板2の材料としてポリカーボネートを用い、微細凹凸構造体10における円錐形状部11の高さH11,ピッチP11,及び底面の直径R11をそれぞれ250nmとした。
次に、透明基板2の微細凹凸構造体10が形成された出射面2B上に、例えば厚さ40nmのITO膜をDCスパッタリング法を用いて成膜し、透明電極3(図1参照)を形成する。
次に、透明電極3上に、例えば厚さ5nmの有機色素膜であるZnフタロシアニン膜を真空蒸着法を用いて成膜し、p型光電変換層4(図1参照)を形成する。
次に、p型光電変換層4上に、Znフタロシアニンとフラーレンとを成膜速度が1:1になるように共蒸着させ、Znフタロシアニンとフラーレンとの組成比率が1:1であり、かつ厚さが15nmである混合膜を成膜し、光電変換混合層5(図1参照)を形成する。
次に、光電変換混合層5上に、例えば厚さ30nmのフラーレン膜を真空蒸着法を用いて成膜し、n型光電変換層6(図1参照)を形成する。
p型光電変換層4、光電変換混合層5、及びn型光電変換層6は、真空チヤンバー内で、即ち真空状態を維持した状態で連続して形成することができる。
p型光電変換層4、光電変換混合層5、及びn型光電変換層6は、真空チヤンバー内で、即ち真空状態を維持した状態で連続して形成することができる。
次に、n型光電変換層6上に、例えば厚さ5nmのBCP膜を成膜してバッファ層7(図1参照)を形成する。
次に、バッファ層7上に、例えば厚さ50nmのAl膜を真空蒸着法を用いて成膜し、反射電極8(図1参照)を形成する。
その後、真空状態を保持した状態で、即ち大気中に曝す前に、窒素雰囲気中で封止して劣化対策を行った後に、上記工程を経て作製された太陽光発電装置1(図1及び図2参照)を大気中に取り出す。
上述したように、透明基板2の微細凹凸構造体10が形成された出射面2B上に順次形成される、透明電極3,p型光電変換層4,光電変換混合層5,n型光電変換層6,バッファ層7,及び反射電極8の各厚さは、微細凹凸構造体10(円錐形状部11)の高さH11に対して薄いので、各層4〜7及び各電極3,8は透明基板2の微細凹凸構造体10の形状を順次トレースしていくため、各層4〜7及び各電極3,8の表面には微細凹凸構造体10と略同じ形状の微細凹凸構造体が形成される。
上述した実施例の製造方法を用いて製造した太陽光発電装置1について評価を行い、その結果を表1〜表3に示す。
表1は透明基板(2)の入射面(2A)に微細凹凸構造体(10)を形成した場合(実施例1)と形成しなかった場合(比較例)とにおける、入射光の各波長(350nm,400nm,600nm,800nm)に対する反射率を示す。
表2は透明基板(2)の入射面(2A)に微細凹凸構造体(10)を形成した場合(実施例1)と形成しなかった場合(比較例)とにおける、入射光の各波長(350nm,400nm,600nm,800nm)に対する透過率を示す。
表3は透明基板(2)の入射面(2A)に微細凹凸構造体(10)を形成した場合(実施例1)と形成しなかった場合(比較例)とにおける短絡電流を示す。
上記の短絡電流は、キセノンランプを用いた擬似太陽光を100mW/cm2のエネルギー強度で照射して測定したものである。
表1は透明基板(2)の入射面(2A)に微細凹凸構造体(10)を形成した場合(実施例1)と形成しなかった場合(比較例)とにおける、入射光の各波長(350nm,400nm,600nm,800nm)に対する反射率を示す。
表2は透明基板(2)の入射面(2A)に微細凹凸構造体(10)を形成した場合(実施例1)と形成しなかった場合(比較例)とにおける、入射光の各波長(350nm,400nm,600nm,800nm)に対する透過率を示す。
表3は透明基板(2)の入射面(2A)に微細凹凸構造体(10)を形成した場合(実施例1)と形成しなかった場合(比較例)とにおける短絡電流を示す。
上記の短絡電流は、キセノンランプを用いた擬似太陽光を100mW/cm2のエネルギー強度で照射して測定したものである。
表1〜表3に示す評価結果から明らかなように、透明基板(2)の入射面(2A)に微細凹凸構造体(10)を形成した場合(実施例1)は、形成しなかった場合(比較例)と比較して、反射率,透過率,及び短絡電流がいずれも改善されていることがわかる。
次に、上述した微細凹凸構造体10における円錐形状部11の底面の直径R1(ピッチP11=底面の直径R1)に対する高さH11のアスペクト比に対する、入射光の各波長(350nm,400nm,600nm,800nm)における反射率を測定し、その結果を表4に示す。
表4に示すように、上記アスペクト比が大きくなるほど反射率が低減する。特に上記アスペクト比を1以上とすることにより、例えば波長600nmの光成分に対する反射率が大幅に低減する。
<実施例2>(図5参照)
実施例2は上述した実施例1の太陽光発電装置1(図1及び図2参照)を製造するための他の製造方法の実施例である。
なお、実施例1と同じ構成要素については説明をわかりやすくするために同じ符号を付して説明する。
実施例2は上述した実施例1の太陽光発電装置1(図1及び図2参照)を製造するための他の製造方法の実施例である。
なお、実施例1と同じ構成要素については説明をわかりやすくするために同じ符号を付して説明する。
上述した実施例1の太陽光発電装置1の製造方法では、エッチングマスクとして無機レジスト(21,22)を用いた。しかしながら、無機レジストは、前述したように、石英ガラス基盤(20)に対するエッチング速度比が小さい(例えば無機レジストに酸化タングステンを用いたときの石英ガラスとのエッチング速度比が1:3〜1:4程度)ので、石英ガラス基盤(20)をエッチングしているときに無機レジストパターン(22)も同時にエッチングされる。
そのため、上述したように、底面の直径(R1)に対する高さ(H11)のアスペクト比が1以上となる円錐形状部11を有する微細凹凸構造体10を形成するためには石英ガラス基盤(20)を深くエッチングしなければならないので、それに応じてエッチングマスクとなる無機レジスト膜(21)を厚く形成(成膜)する必要がある。
しかしながら、無機レジスト膜が厚くなると今度は微細な無機レジストパターン(22)を形成することが困難になる。
そこで、その改善手段について説明する。
そのため、上述したように、底面の直径(R1)に対する高さ(H11)のアスペクト比が1以上となる円錐形状部11を有する微細凹凸構造体10を形成するためには石英ガラス基盤(20)を深くエッチングしなければならないので、それに応じてエッチングマスクとなる無機レジスト膜(21)を厚く形成(成膜)する必要がある。
しかしながら、無機レジスト膜が厚くなると今度は微細な無機レジストパターン(22)を形成することが困難になる。
そこで、その改善手段について説明する。
まず、図5(a)に示すように、石英ガラス基盤20上に無機レジスト膜31を形成する。
無機レジスト膜31には石英ガラス基盤20よりも熱伝導率の低い感光性の無機材料を用いる。このような材料して、酸化タングステン(WO)、またはタングステンとモリブデンとの合金酸化物(WMoO)を主成分とする感光性アモルファス無機材料、ゲルマニウムとアンチモンとテルルとの合金(GeSbTe)系の相変化材料を用いることができる。
また、無機レジスト膜31の形成(成膜)方法は特に限定されるものではないが、例えば高真空度の減圧状態下のチャンバー内に所定の流量で酸素(O2)ガスを導入しながら、タングステンとモリブデンとの合金からなるターゲットを用いてスパッタリングを行う、所謂、反応性スパッタリング法が好適である。
また、無機レジスト膜31の厚さについても特に限定されるものではないが、後述する金属膜33,34が無機レジストパターン32が形成されていない領域と形成されている領域とで分断される範囲内でできるだけ薄くすることが好ましい。無機レジスト膜31の厚さが薄い方が微細凹凸構造体23を形成する上で有利である。
実施例では、無機レジスト膜31の材料にタングステンとモリブデンとの合金酸化物(WMoO)を用い、無機レジスト膜31の厚さを45nmとした。
実施例では、無機レジスト膜31の材料にタングステンとモリブデンとの合金酸化物(WMoO)を用い、無機レジスト膜31の厚さを45nmとした。
次に、図5(b)に示すように、無機レジスト膜31の所定の領域に集光したレーザ光Laを照射して上記所定の領域における無機レジスト膜31を感光させる。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜31は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜31はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。
実施例2では、レーザ光Laの中心発振波長を405nmとし、集光レンズのNAを0.9とした。なお、図5(b)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜31において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜31は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜31はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。
実施例2では、レーザ光Laの中心発振波長を405nmとし、集光レンズのNAを0.9とした。なお、図5(b)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜31において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
その後、図5(c)に示すように、アルカリ現像液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて上記感光した領域(結晶状態の領域)の無機レジスト膜31を除去する。
これにより、石英ガラス基盤20に、ピッチP32が例えば250nmで断面形状が逆テーパ状を有すると共に、複数の円形の開口部を有する無機レジストパターン32が一度に複数形成される。なお、逆テーパ状とは、石英ガラス基盤20に近い側の幅が遠い側の幅よりも狭い形状をいう。
これにより、石英ガラス基盤20に、ピッチP32が例えば250nmで断面形状が逆テーパ状を有すると共に、複数の円形の開口部を有する無機レジストパターン32が一度に複数形成される。なお、逆テーパ状とは、石英ガラス基盤20に近い側の幅が遠い側の幅よりも狭い形状をいう。
ここで、形成された無機レジストパターン32の断面形状が逆テーパ状になる理由について説明する。
無機レジスト膜31はレーザ光Laが照射された際に発生する熱によって非晶質状態から結晶状態に変化する。このとき、無機レジスト膜31よりも石英ガラス基盤20の方が熱伝導率が低いので、発生した熱は石英ガラス基盤20に遠い側よりも近い側により蓄積される。この熱が石英ガラス基盤20側により蓄積されるようにレーザ光Laの照射条件を調整することにより、無機レジスト膜31における石英ガラス基盤20に近い側の領域が遠い側よりもより広い範囲で結晶状態に変化するため、この状態でアルカリ現像液を用いて現像することにより、断面形状が逆テーパ状の無機レジストパターン32が得られる。
無機レジスト膜31はレーザ光Laが照射された際に発生する熱によって非晶質状態から結晶状態に変化する。このとき、無機レジスト膜31よりも石英ガラス基盤20の方が熱伝導率が低いので、発生した熱は石英ガラス基盤20に遠い側よりも近い側により蓄積される。この熱が石英ガラス基盤20側により蓄積されるようにレーザ光Laの照射条件を調整することにより、無機レジスト膜31における石英ガラス基盤20に近い側の領域が遠い側よりもより広い範囲で結晶状態に変化するため、この状態でアルカリ現像液を用いて現像することにより、断面形状が逆テーパ状の無機レジストパターン32が得られる。
次に、図5(d)に示すように、無機レジストパターン32が形成されている石英ガラス基盤20上に所定の金属を成膜する。
このとき、無機レジストパターン32が逆テーパ状に断面形状を有するため、上記所定の金属は、石英ガラス基盤20上に形成された円板状の複数の金属膜33と、無機レジストパターン32上に形成された金属膜34と、に分断されて成膜される。
実施例2では、金属膜33,34の材料として、石英ガラス基盤20とのエッチング選択比が大きいクロム(Cr)を用いた。また、クロム以外の材料として、ニッケル(Ni)を用いることができる。また、実施例2では、金属膜33,34の厚さをそれぞれ30nmとした。
このとき、無機レジストパターン32が逆テーパ状に断面形状を有するため、上記所定の金属は、石英ガラス基盤20上に形成された円板状の複数の金属膜33と、無機レジストパターン32上に形成された金属膜34と、に分断されて成膜される。
実施例2では、金属膜33,34の材料として、石英ガラス基盤20とのエッチング選択比が大きいクロム(Cr)を用いた。また、クロム以外の材料として、ニッケル(Ni)を用いることができる。また、実施例2では、金属膜33,34の厚さをそれぞれ30nmとした。
その後、図6(a)に示すように、無機レジストパターン32を無機レジストパターン32上に形成された金属膜34と共に強アルカリ溶液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて除去する。
次に、図6(b)に示すように、円板状の複数の金属膜33をマスクにして、石英ガラス基盤20をエッチングする。
実施例2では、実施例1と同様にフルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
実施例2では、実施例1と同様にフルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
エッチングガスの成分やガス圧を調整することにより、等方性のエッチングを行うことができるので、図6(c)に示すように、石英ガラス基盤20はその深さ方向にエッチングされると共に面方向にもエッチングされる。
クロムやニッケル等の金属からなる金属膜33は、実施例1で用いた無機レジストパターン22に比べて、石英ガラス基盤20に対するエッチング速度比が大きいので、同じ厚さでも石英ガラス基盤20をより深くエッチングすることができる。
その後、図6(d)に示すように、金属膜33を除去することにより、微細凹凸構造体23が表面に形成され石英ガラス基盤20を得る。微細凹凸構造体23が表面に形成された石英ガラス基盤20は母型となる。
上記以降の工程、即ち上記母型から微細凹凸構造体23の凹凸が反転して転写されたスタンパを作製し、このスタンパを2つ用いて両面成形を行って、入射面2A及び出射面2Bにそれぞれ凸状の複数の円錐形状部11を有する微細凹凸構造体10が形成された透明基板2(図2参照)を作製し、この透明基板2の出射面2B上に、透明電極3,p型光電変換層4,光電変換混合層5,n型光電変換層6,バッファ層7,及び反射電極8を形成する工程は実施例1と同じである。
実施例2の製造方法によれば、石英ガラス基盤20上に無機レジストパターン32を一旦形成し、この無機レジストパターン32を用いて石英ガラス基盤20に対してエッチング選択性により優れた金属膜33を形成し、この金属膜33をマスクにして石英ガラス基盤20をエッチングすることにより、実施例1よりも、アクペクト比(底面の直径R11に対する高さH11のアクペクト比)が1以上の円錐形状部11を有する微細凹凸構造体10を容易に、かつより精度良く形成することができる。
また、実施例1よりもより高いアクペクト比の円錐形状部11を有する微細凹凸構造体10を形成することが可能になる。
また、実施例1よりもより高いアクペクト比の円錐形状部11を有する微細凹凸構造体10を形成することが可能になる。
<実施例3>(図7〜図9参照)
実施例3は実施例1と比較して、例えばそれぞれ方形状の複数の凹部と複数の凸部とが例えば市松模様に配置され、各凹部の底面及び各凸部の上面に微細凹凸構造体が形成されている点で相違し、微細凹凸構造体そのものの形態、及び他の構成要素は実施例1と同じである。
実施例3は実施例1と比較して、例えばそれぞれ方形状の複数の凹部と複数の凸部とが例えば市松模様に配置され、各凹部の底面及び各凸部の上面に微細凹凸構造体が形成されている点で相違し、微細凹凸構造体そのものの形態、及び他の構成要素は実施例1と同じである。
そこで、透明基板の入射面及び出射面に形成されている複数の凹部,複数の凸部,並びに各凹部の底面及び各凸部の上面に形成されている微細凹凸構造体について詳細に説明する。
図7に示すように、透明基板42の入射面42A及び出射面42Bに複数の方形状の凹部51及び複数の方形状の凸部52が例えば市松模様にそれぞれ形成されており、さらに凹部51の底面51A及び凸部52の上面52Aには凸状の複数の円錐形状部53を有する微細凹凸構造体50が形成されている。なお、図7に示す「H53」は円錐形状部53の高さを示し、「R53」は円錐形状部53の底面の直径を示し、「P53」は隣接する円錐形状部53同士のピッチを示すものである。
上述の円錐形状部53は実施例1の円錐形状部11と同じ形状を有する。また、各寸法は、H53=H11であり、R53=R11であり、P53=P11である。
上述の円錐形状部53は実施例1の円錐形状部11と同じ形状を有する。また、各寸法は、H53=H11であり、R53=R11であり、P53=P11である。
実施例1の微細凹凸構造体10(図2参照)は、太陽光Lが入射面2Aに対して直交する方向から入射する場合に特に有効である。
一方、実施例3の微細凹凸構造体50は、上記直交方向以外の入射方向に対しても対応したものである。
実施例3の太陽光発電装置によれば、透明基板42の入射面42A(出射面42B)の面積を、実施例1の太陽光発電装置1における透明基板2の入射面2A(出射面2B)の面積よりも広くすることができ、かつ凹部51及び凸部52の側面からも太陽光Lが入射するため、実施例1の太陽光発電装置1よりもさらに太陽光Lの取り込み効率が向上する。
一方、実施例3の微細凹凸構造体50は、上記直交方向以外の入射方向に対しても対応したものである。
実施例3の太陽光発電装置によれば、透明基板42の入射面42A(出射面42B)の面積を、実施例1の太陽光発電装置1における透明基板2の入射面2A(出射面2B)の面積よりも広くすることができ、かつ凹部51及び凸部52の側面からも太陽光Lが入射するため、実施例1の太陽光発電装置1よりもさらに太陽光Lの取り込み効率が向上する。
次に、上述した太陽光発電装置41の製造方法の実施例について図8を用いて説明する。
図8(a)に示すように、まず、石英ガラス基盤20上に無機レジスト膜60を形成(成膜)する。
無機レジスト膜60は石英ガラス基盤20をエッチングするときのマスクとして機能するため、石英ガラス基盤20に対してエッチング選択性のよい材料、即ちエッチング速度の遅い材料を用いる。無機レジスト膜60の材料としては、遷移金属の酸化物を主成分とする感光性アモルファス無機材料を用いることが好ましい。このような材料として、例えば酸化タングステン(WO)、またはタングステンとモリブデンとの合金酸化物(WMoO)を主成分とする感光性アモルファス無機材料が挙げられる。また、ゲルマニウムとアンチモンとテルルとの合金(GeSbTe)系の相変化材料を用いることもできる。中でも、タングステンとモリブデンとビスマスとの合金酸化物(WMoBiO)を主成分とする感光性アモルファス無機材料が好適である。
また、無機レジスト膜60の形成(成膜)方法は特に限定されるものではないが、例えば高真空度の減圧状態下のチャンバー内に所定の流量で酸素(O2)ガスを導入しながら、タングステンとモリブデンとの合金からなるターゲットを用いてスパッタリングを行う、所謂、反応性スパッタリング法が好適である。
また、無機レジスト膜60の厚さについても特に限定されるものではなく、石英ガラス基盤20に形成される凹部62の深さ(凸部63の高さ)及び石英ガラス基盤20と無機レジスト膜60とのエッチング速度差に応じて適宜設定されるものである。
なお、凹部62及び凸部63のサイズは、後述する微細凹凸構造体70に比べて非常に大きいので、無機レジスト膜60を厚く形成してもパターニングが可能である。
なお、凹部62及び凸部63のサイズは、後述する微細凹凸構造体70に比べて非常に大きいので、無機レジスト膜60を厚く形成してもパターニングが可能である。
次に、無機レジスト膜60の所定の領域に集光したレーザ光Laを照射して上記所定の領域における無機レジスト膜60を感光させる。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜60は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜60はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。なお、図8(a)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜60において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜60は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜60はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。なお、図8(a)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜60において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
その後、図8(b)に示すように、アルカリ現像液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて上記感光した領域の無機レジスト膜60を除去する。
これにより、石英ガラス基盤20に、例えば複数の方形状パターンが市松模様に配置された無機レジストパターン61が形成される。
これにより、石英ガラス基盤20に、例えば複数の方形状パターンが市松模様に配置された無機レジストパターン61が形成される。
次に、図8(c)に示すように、無機レジストパターン61をマスクにして、石英ガラス基盤20をエッチングする。
実施例3では、フルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
実施例3では、フルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
エッチングガスの成分やガス圧を調整することにより、異方性のエッチングを行うことができるので、図8(c)に示すように、石英ガラス基盤20はその深さ方向に選択的にエッチングされる。
その後、図8(d)に示すように、無機レジストパターン61を強アルカリ溶液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて除去することにより、凹部62及び凸部63が市松模様に表面に形成された石英ガラス基盤20を得る。
実施例3では、凹部62の底面62A及び凸部63の上面63Aをそれぞれ一辺が1.5μmの正方形とし、凹部62と凸部63との高低差、即ち底面62Aから上面63Aまでの距離を1.0μmとした。なお、これら寸法は上記の値に限定されるものではない。
実施例3では、凹部62の底面62A及び凸部63の上面63Aをそれぞれ一辺が1.5μmの正方形とし、凹部62と凸部63との高低差、即ち底面62Aから上面63Aまでの距離を1.0μmとした。なお、これら寸法は上記の値に限定されるものではない。
次に、図9(a)に示すように、凹部62及び凸部63が市松模様に形成された石英ガラス基盤20上に無機レジスト膜65を形成(成膜)する。
無機レジスト膜65は前述した無機レジスト膜60と同じ材料及び成膜方法で形成することができる。
なお、無機レジスト膜65は後述する微細凹凸構造体70を形成するためのエッチングマスクとして機能するため、石英ガラス基盤20のエッチング量が少なくて済むので、前述した無機レジスト膜60よりも薄く形成することができる。例えば実施例1で微細凹凸構造体23を形成する際の厚さ(80nm〜100nm程度)と同じ厚さである。
なお、無機レジスト膜65は後述する微細凹凸構造体70を形成するためのエッチングマスクとして機能するため、石英ガラス基盤20のエッチング量が少なくて済むので、前述した無機レジスト膜60よりも薄く形成することができる。例えば実施例1で微細凹凸構造体23を形成する際の厚さ(80nm〜100nm程度)と同じ厚さである。
次に、無機レジスト膜65の所定の領域に集光したレーザ光Laを照射して上記所定の領域における無機レジスト膜65を感光させる。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜65は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜65はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。なお、図9(a)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜65において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜65は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜65はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。なお、図9(a)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜65において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
その後、図9(b)に示すように、アルカリ現像液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて上記感光した領域の無機レジスト膜65を除去する。
これにより、石英ガラス基盤20における複数の凹部62の各底面62AにピッチP66が例えば250nmで円板状の無機レジストパターン66が一度に複数形成されると共に、複数の凸部63の各上面63AにピッチP67が例えば250nmで円板状の無機レジストパターン67が一度に複数形成される。
これにより、石英ガラス基盤20における複数の凹部62の各底面62AにピッチP66が例えば250nmで円板状の無機レジストパターン66が一度に複数形成されると共に、複数の凸部63の各上面63AにピッチP67が例えば250nmで円板状の無機レジストパターン67が一度に複数形成される。
次に、図9(c)に示すように、無機レジストパターン66,67をマスクにして、石英ガラス基盤20における複数の凹部62の各底面62A及び複数の凸部63の各上面63Aを一度にエッチングする。
実施例3では、フルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
実施例3では、フルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
エッチングガスの成分やガス圧を調整することにより、等方性のエッチングを行うことができるので、図9(d)に示すように、石英ガラス基盤20はその深さ方向にエッチングされると共に面方向にもエッチングされる。
その後、図9(e)に示すように、無機レジストパターン66,67を強アルカリ溶液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて除去することにより、石英ガラス基盤20における複数の凹部62の各底面62A及び複数の凸部63の各上面63Aに微細凹凸構造体70が形成される。複数の凹部62、複数の凸部63、及び微細凹凸構造体70が表面に形成された石英ガラス基盤20は母型となる。この微細凹凸構造体70は前述した微細凹凸構造体50に対応するものである。
上記以降の工程、即ち上記母型から微細凹凸構造体70の凹凸が反転して転写されたスタンパを作製し、このスタンパを2つ用いて両面成形を行って、入射面42A及び出射面42Bにそれぞれ凸状の複数の円錐形状部53を有する微細凹凸構造体50が形成された透明基板42(図7参照)を作製し、この透明基板42の出射面42B上に、透明電極(43),p型光電変換層(44),光電変換混合層(45),n型光電変換層(46),バッファ層(47),及び反射電極(48)を形成する工程は、前述の実施例1及び実施例2で説明した母型以降の工程、即ち実施例1及び実施例2の母型から微細凹凸構造体23の凹凸が反転して転写されたスタンパを作製し、このスタンパを2つ用いて両面成形を行って、入射面2A及び出射面2Bにそれぞれ凸状の複数の円錐形状部11を有する微細凹凸構造体10が形成された透明基板2(図2参照)を作製し、この透明基板2の出射面2B上に、透明電極3,p型光電変換層4,光電変換混合層5,n型光電変換層6,バッファ層7,及び反射電極8を形成する工程と同様である。
実施例3の太陽光発電装置及びその製造方法によれば、石英ガラス基盤(20)に複数の大きな凹部62及び複数の大きな凸部63を例えば市松模様に形成し、さらに複数の凹部62の各底面62A及び複数の凸部63の各上面63Aに微細凹凸構造体70を形成することにより、実施例1及び実施例2よりも太陽光の入射効率をさらに向上させることができる。
なお、実施例3では、凹部51の底面51A(凹部62の底面62A)及び凸部52の上面52A(凸部63の上面63A)をそれぞれ一辺が1.5μmの正方形とし、凹部51(凹部62)と凸部52(凸部63)との高低差、即ち底面51A(底面62A)から上面52A(上面63A)までの距離を1.0μmとしたが、これら寸法は上記の値に限定されるものではない。
また、実施例3では、凹部51(凹部62)及び凸部52(凸部63)をそれぞれ方形状としたがこれに限定されるものではない。例えば方形状に替えて、円柱状、円錐状、または角錐状としてもよい。
また、実施例3では、凹部51(凹部62)の底面51A(底面62A)及び凸部52(凸部63)の上面52A(上面63A)のみに微細凹凸構造体50(微細凹凸構造体70)を形成したが、これに限定されるものではなく、例えば凹部51(凹部62),凸部52(凸部63)の側面にも微細凹凸構造体50(微細凹凸構造体70)を形成してもよい。凹部51(凹部62)及び凸部52(凸部63)が方形状以外の形状の場合に対しても同様である。
また、実施例3では、石英ガラス基盤20をエッチングするときのマスクとして無機レジストパターン61,66,67を用いたが、実施例2と同様の製造方法を適用し、これら無機レジストパターン61,66,67に替えて金属膜(34)を用いて石英ガラス基盤20をエッチングするようにしてもよい。金属膜(34)を用いることにより、実施例3よりもアクペクト比(底面の直径R53に対する高さH53のアクペクト比)が1以上の円錐形状部53を有する微細凹凸構造体50を容易に、かつより精度良く形成することができる。
また、実施例3よりもより高いアクペクト比の円錐形状部53を有する微細凹凸構造体50を形成することが可能になる。
また、実施例3よりもより高いアクペクト比の円錐形状部53を有する微細凹凸構造体50を形成することが可能になる。
<実施例4>(図10及び図11参照)
実施例1の太陽光発電装置1は、微細凹凸構造体10が形成されている透明基板2の入射面2Aが大気に曝されるため、特に屋外等で使用される場合に外部から飛来するゴミ等によって微細凹凸構造体10がダメージを受ける虞がある。
そこで、実施例4では、微細凹凸構造体10が外部から飛来するゴミ等によってダメージを受けることを防止するための柱状凸部を、透明基板2の入射面2Aに設けた点で実施例1と相違し、微細凹凸構造体そのものの形態、及び他の構成要素は実施例1と同じである。
実施例1の太陽光発電装置1は、微細凹凸構造体10が形成されている透明基板2の入射面2Aが大気に曝されるため、特に屋外等で使用される場合に外部から飛来するゴミ等によって微細凹凸構造体10がダメージを受ける虞がある。
そこで、実施例4では、微細凹凸構造体10が外部から飛来するゴミ等によってダメージを受けることを防止するための柱状凸部を、透明基板2の入射面2Aに設けた点で実施例1と相違し、微細凹凸構造体そのものの形態、及び他の構成要素は実施例1と同じである。
そこで、透明基板の柱状凸部及び微細凹凸構造体が形成されている入射面について詳細に説明する。
図10に示すように、透明基板72の入射面72Aには微細凹凸構造体80が形成されている。微細凹凸構造体80は複数の円錐形状部81を有して構成されている。微細凹凸構造体80及び円錐形状部81は実施例1の微細凹凸構造体10及び円錐形状部11とそれぞれ同じである。また、透明基板72の入射面72Aに対向する反対側の面である出射面側にも微細凹凸構造体80(円錐形状部81)が形成されている。
また、透明基板72の入射面72Aには、微細凹凸構造体80よりもサイズが極めて大きい柱状凸部90が互いに離間して複数形成されている。
複数の柱状凸部90は、微細凹凸構造体80の円錐形状部81と比較して非常に大きなサイズを有する。柱状凸部90の高さは円錐形状部81の高さの例えば100倍以上であり、柱状凸部90の底面の直径は円錐形状部81の底面の直径の例えば100倍以上であり、隣り合う柱状凸部90同士の距離は隣接する円錐形状部11同士のピッチP11の例えば10000倍以上である。
なお、図10では、柱状凸部90を円柱で示しているがこの形状に限定されるものではない。
複数の柱状凸部90は、微細凹凸構造体80の円錐形状部81と比較して非常に大きなサイズを有する。柱状凸部90の高さは円錐形状部81の高さの例えば100倍以上であり、柱状凸部90の底面の直径は円錐形状部81の底面の直径の例えば100倍以上であり、隣り合う柱状凸部90同士の距離は隣接する円錐形状部11同士のピッチP11の例えば10000倍以上である。
なお、図10では、柱状凸部90を円柱で示しているがこの形状に限定されるものではない。
実施例4の太陽光発電装置によれば、大気に曝される透明基板72の入射面72Aに柱状凸部90が形成されているため、外部から飛来するゴミ等の異物によって微細凹凸構造体80がダメージを受けることをこの柱状凸部90によって防止することができる。
また、作業者等の指や手等による人為的な接触に対しても、この柱状凸部90によって微細凹凸構造体80のダメージを防止することができる。
また、作業者等の指や手等による人為的な接触に対しても、この柱状凸部90によって微細凹凸構造体80のダメージを防止することができる。
次に、上述した実施例4の太陽光発電装置の製造方法の実施例について図11を用いて説明する。
まず、図11(a)に示すように、実施例1と同様の工程(図4参照)により、石英ガラス基盤20の表面に微細凹凸構造体23を形成する。
次に、微細凹凸構造体23が形成された石英ガラス基盤20の表面に無機レジスト膜100を形成(成膜)する。
無機レジスト膜100は石英ガラス基盤20をエッチングするときのマスクとして機能するため、石英ガラス基盤20に対してエッチング選択性のよい材料、即ちエッチング速度の遅い材料を用いる。無機レジスト膜100の材料としては、遷移金属の酸化物を主成分とする感光性アモルファス無機材料を用いることが好ましい。このような材料として、例えば酸化タングステン(WO)、またはタングステンとモリブデンとの合金酸化物(WMoO)を主成分とする感光性アモルファス無機材料が挙げられる。また、ゲルマニウムとアンチモンとテルルとの合金(GeSbTe)系の相変化材料を用いることもできる。中でも、タングステンとモリブデンとビスマスとの合金酸化物(WMoBiO)を主成分とする感光性アモルファス無機材料が好適である。
また、無機レジスト膜100の形成(成膜)方法は特に限定されるものではないが、例えば高真空度の減圧状態下のチャンバー内に所定の流量で酸素(O2)ガスを導入しながら、タングステンとモリブデンとの合金からなるターゲットを用いてスパッタリングを行う、所謂、反応性スパッタリング法が好適である。
また、無機レジスト膜100の厚さについても特に限定されるものではなく、石英ガラス基盤20に形成される柱状凹部102の深さ(柱状凸部90の高さに相当する)及び石英ガラス基盤20と無機レジスト膜100とのエッチング速度差に応じて適宜設定されるものである。
なお、柱状凹部102のサイズは、微細凹凸構造体23に比べて非常に大きいので、無機レジスト膜100を厚く形成してもパターニングが可能である。
なお、柱状凹部102のサイズは、微細凹凸構造体23に比べて非常に大きいので、無機レジスト膜100を厚く形成してもパターニングが可能である。
さらに、無機レジスト膜100の所定の領域に集光したレーザ光Laを照射して上記所定の領域における無機レジスト膜100を感光させる。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜100は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜100はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。なお、図11(a)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜100において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
石英ガラス基盤20に形成された無機レジスト膜100は非晶質状態であり、レーザ光Laが照射された領域の無機レジスト膜100はレーザ光Laの照射エネルギーによって発生する熱によって結晶状態になる。なお、図11(a)では、説明をわかりやすくするために、無機レジスト膜100において、感光した領域、即ち結晶状態の領域をハッチング領域で示している。
その後、図11(b)に示すように、アルカリ現像液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて上記感光した領域の無機レジスト膜100を除去する。
これにより、石英ガラス基盤20に、上述した柱状凸部90に対応する領域に例えば円形状の開口部を有する無機レジストパターン101が形成される。
これにより、石英ガラス基盤20に、上述した柱状凸部90に対応する領域に例えば円形状の開口部を有する無機レジストパターン101が形成される。
次に、図11(c)に示すように、無機レジストパターン101をマスクにして、石英ガラス基盤20をエッチングする。
実施例4では、フルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
実施例4では、フルオロカーボン系ガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)を行った。フルオロカーボン系ガスとして、CF4,CHF3,C3F8,及びC4F8等を用いることができる。
エッチングガスの成分やガス圧を調整することにより、異方性のエッチングを行うことができるので、図11(c)に示すように、石英ガラス基盤20はその深さ方向に選択的にエッチングされる。
その後、図11(d)に示すように、無機レジストパターン101を強アルカリ溶液(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて除去することにより、石英ガラス基盤20の表面に複数の柱状凹部102{図11(d)ではその内の1つを示す}が互いに離間して形成される。柱状凹部102は前述の柱状凸部90に凹凸反転した形状として対応するものである。
微細凹凸構造体23及び柱状凹部102が表面に形成された石英ガラス基盤20は母型となる。この微細凹凸構造体23は前述した微細凹凸構造体80に対応するものである。
次に、実施例1と同様に、この母型から微細凹凸構造体23の凹凸が反転して転写された第1のスタンパを作製する。実施例4ではこの第1のスタンパをマスターとしてさらに凹凸が反転して転写された第2のスタンパを作製する。
入射面72Aを形成する方に第2のスタンパを用い、出射面を形成する方に実施例1と同じスタンパを用いて両面成形を行って、入射面72A及び出射面72Bにそれぞれ微細凹凸構造体80が形成されると共に、入射面72Aにはさらに柱状凸部90が形成された透明基板72(図10参照)を作製し、この透明基板72の出射面72B上に、実施例1と同様(図1参照)に、透明電極(3),p型光電変換層(4),光電変換混合層(5),n型光電変換層(6),バッファ層(7),及び反射電極(8)を順次形成する。
上述した工程により、実施例4の太陽光発電装置が得られる。
なお、実施例4では、石英ガラス基盤20をエッチングするときのマスクとして無機レジストパターン101を用いたが、実施例2と同様の製造方法を適用し、無機レジストパターン101に替えて金属膜(33)を用いて石英ガラス基盤20をエッチングするようにしてもよい。
また、実施例4に対しても実施例3と同様の構成、即ち透明基板(72)の入射面72A及び出射面に実施例3の凹部(62)及び凸部(63)を形成し、凹部(62)の底面(62A)及び凸部(63)の上面(63A)に微細凹凸構造体(80)を形成するようにしてもよい。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
例えば、実施例1〜実施例4では、微細凹凸構造体の円錐形状部を入射面に対して凸状としたが、凹状としてもよい。
1_太陽光発電装置、 2,42,72_透明基板、 2A,42A,72A_入射面、 2B,42B_出射面、 3_透明電極 、4_p型光電変換層、 5_光電変換混合層、 6_n型光電変換層、 7_バッファ層、 8_反射電極、 10,23,50,70,80_微細凹凸構造体、 11,53,81_円錐形状部、 20_石英ガラス基盤、 21,31,60,65,100_無機レジスト膜、 22,32,61,66,67,101_無機レジストパターン、 33,34_金属膜、 51,62_凹部、 51A,62A_底面、 52,63_凸部、 52A,63A_上面、 90_柱状凸部、 102_柱状凹部、 L_太陽光、 H11,H53_高さ、 R11,R53_直径、 P11,P22,P32,P53,P66,P67_ピッチ、 La_レーザ光
Claims (3)
- 太陽光が入射する入射面、及び前記入射面に対向配置され、前記入射面に入射した太陽光を出射する出射面を有する透明基板と、
前記透明基板の前記出射面上に形成された透明電極と、
前記透明電極上に形成された光電変換層と、
前記光電変換層上に形成された反射電極と、
を備え、
前記入射面及び前記出射面には、高さが300nm以下であり、かつ、底面に対する高さのアスペクト比が1以上である複数の円錐形状部を有する微細凹凸構造体が形成されており、
前記入射面には、前記円錐形状部の高さの100倍以上の高さを有する柱状凸部がさらに形成されていることを特徴とする太陽光発電装置。 - 前記入射面または前記出射面には、複数の凹部及び複数の凸部が形成されており、前記複数の凹部の底面及び前記複数の凸部の上面に前記微細凹凸構造体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電装置。
- 基盤上に無機レジスト膜を形成する無機レジスト膜形成工程と、
前記無機レジスト膜形成工程の後に、前記無機レジスト膜の所定の領域に光を照射し、前記所定の領域における無機レジスト膜を非晶質状態から結晶状態に変化させる露光工程と、
前記露光工程の後に、前記結晶状態に変化した領域の無機レジスト膜を除去して前記基盤を露出させる現像工程と、
前記現像工程の後に、前記基盤上及び前記無機レジスト膜上に所定の金属を成膜し、前記基盤に円板形状を有する複数の第1の金属膜を形成すると共に前記無機レジスト膜上に前記第1の金属膜とは分離した第2の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記金属膜形成工程の後に、前記第1の金属膜を残して、前記無機レジスト膜を前記第2の金属膜と共に除去する除去工程と、
前記除去工程の後に、前記第1の金属膜をマスクにして前記基盤を等方的にエッチングするエッチング工程と、
前記エッチング工程の後に、前記第1の金属膜を除去し、複数の円錐形状部を有する微細凹凸構造体が表面に形成された母型を作製する母型作製工程と、
前記母型作製工程の後に、前記母型の微細凹凸構造体が転写されたスタンパを作製するスタンパ作製工程と、
前記スタンパ作製工程の後に、太陽光が入射する入射面、及び前記入射面に対向配置されて前記入射面に入射した太陽光を出射する出射面に前記スタンパの微細凹凸構造体がそれぞれ転写された透明基板を作製する透明基板作製工程と、
前記透明基板作製工程の後に、前記透明基板の前記出射面上に、透明電極、光電変換層、及び反射電極を順次成膜する成膜工程と、
を含むことを特徴とする太陽光発電装置の製造方法。
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JP2010177115A JP2012038886A (ja) | 2010-08-06 | 2010-08-06 | 太陽光発電装置及びその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2013207293A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Jsr Corp | 光電変換装置用表面シート、光電変換装置、成形型、及び光電変換装置用表面シート製造装置 |
JP2015029090A (ja) * | 2013-06-27 | 2015-02-12 | 王子ホールディングス株式会社 | 有機薄膜太陽電池および有機薄膜太陽電池の製造方法 |
JP2015115508A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 王子ホールディングス株式会社 | 有機薄膜太陽電池、有機薄膜太陽電池用の基板、有機薄膜太陽電池の製造方法および有機薄膜太陽電池用の基板の製造方法 |
-
2010
- 2010-08-06 JP JP2010177115A patent/JP2012038886A/ja active Pending
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