JP2001223011A - 非水電解液電池用結着剤およびそれを用いた電池電極合剤、並びに非水電解液電池 - Google Patents
非水電解液電池用結着剤およびそれを用いた電池電極合剤、並びに非水電解液電池Info
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Abstract
電池用結着剤および電池電極合剤、並びに良好な充放電
サイクル特性を発揮する電池を提供する。 【解決手段】結着剤がフッ化ビニリデン30〜80モル
%、テトラフルオロエチレン10〜50モル%、ビニル
エーテル系モノマー3〜30モル%およびそれらと共重
合し得る単量体0〜10モル%から構成され、25℃に
おける動的粘弾性測定による貯蔵弾性率(E’)が3.0
×109dyn・cm-2以下である含フッ素共重合体からなる非
水電解液電池用結着剤。
Description
結着剤およびそれを用いた電池電極合剤、並びに非水電
解液電池に関する。
ーダー、カメラ一体型ビデオテープレコーダー、ノート
型パソコン、携帯電話等小型で携帯に適した電気・電子
機器の需要が増大している。これに伴って、小型、軽量
で繰り返し使用できる高性能な二次電池が求められ、従
来の鉛蓄電池やニッケル−カドミウム二次電池以外に、
ニッケル−水素電池やリチウムイオン電池などの種々の
新しい電池が商品化されている。
ウム金属やその合金、またはリチウムを吸蔵・放出でき
る炭素質材料や金属カルコゲナイドなどを負極活物質と
し、コバルト酸リチウムのような遷移金属とリチウムの
複合酸化物を正極活物質として用い、非水電解液を用い
ているため、通常3V以上の高い電圧が得られ、高いエ
ネルギー密度が得られる。そのため、軽量化が可能であ
り、上記携帯型電気・電子機器に最も適した二次電池で
あると言える。
薄型化の要望が強く、搭載される電池に対して薄型化が
強く要求されている。従来の円筒型電池で直径を小さく
する手法では、この要求に応えられないため、直方体の
外装缶を用いた、いわゆる角型二次電池が実用化されて
いる。また、従来の多孔質セパレーターに代えて、非水
電解液をポリマーで固定したゲル電解質などを用いたい
わゆるポリマー電解質二次電池、またはペーパー状電池
も盛んに開発されている。
シート状の正極と負極及びセパレーターを円筒状に捲回
した後、扁平に押しつぶして直方体の外装缶に挿入して
製造されている。この工程でシート状電極は大きく変形
するため、電極合剤層にクラックが生じたり、電極合剤
が剥離する等の問題があった。
おいても、電極を小さく丸める際に同様の問題が発生し
ていた。
円筒型電池として使用する場合は同様であり、ペーパー
電池においても、薄型電池を90゜以上折り曲げて使用
する等の状況下では同様の問題が発生する。
着剤として用いられてきたポリフッ化ビニリデンは、N
−メチルピロリドン等の特定の溶剤に溶解すること、化
学的に安定であること等、電池用結着剤として優れた性
能を有しているが、高結晶性のポリマーであるため柔軟
性に乏しいという欠点があった。これが上記問題の直接
の原因であると考えられる。
性に優れた結着剤が提案されている。
は、非水電解液の正極用結着剤としてゴム弾性を有する
ポリマーを用いている。また、特開平10−23321
7号公報には、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチ
レン及びそれらと共重合しうる単量体からなる共重合体
を用いている。
系ポリマーの結晶性を低下させるために、ヘキサフルオ
ロプロピレンを導入する方法が主に用いられている。
も、例えば特表平8−507405号公報には、約4〜
12.5モル%(約8〜25重量%)のヘキサフルオロ
プロピレンを共重合したビニリデン系共重合体をポリマ
ー電解質に用いており、結着剤としても使用している。
が有する電池用結着剤の利点を生かしながら、柔軟性を
付与する方法としては、ヘキサフルオロプロピレンで変
性する方法が最も一般的なものであった。
ピレン変性により柔軟性を付与した結着剤を用いて電池
電極合剤ペーストを作製する場合、しばしばペーストの
粘度が増大し、製造工程上問題になることがあった。極
端な場合には、ペーストがゲル化して固化してしまう。
記フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体だけでなく、フッ化ビニリ
デン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロプロピル
ビニルエーテル=61.7/37.3/1.0モル%の
組成のポリマーについても報告されている。しかし、そ
の動的粘弾性測定による貯蔵弾性率(E’)は3.8×109
dyn・cm-2であり、柔軟性のある電極シートを得るために
は大きすぎるものであった。また、ペーストの安定性に
ついては記述されていない。
サフルオロプロピレンを用いないポリマーとして、テト
ラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/プロピレン/
ビニルエーテルを組成とするポリマーの提案があるが、
プロピレンを1モル%以上含有するものであり、ビニリ
デン系共重合体の特徴である化学的な安定性に問題があ
った。
ニリデン系ポリマーの結晶性を低下させる単量体を種々
検討した結果、結着剤として、フッ化ビニリデン30〜
80モル%、テトラフルオロエチレン10〜50モル
%、ビニルエーテル系モノマー3〜30モル%、それら
と共重合し得る単量体0〜10モル%から構成され、2
5℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率(E’)
が3.0×109dyn・cm-2以下である含フッ素系共重合体を用
いることにより、上記課題を解決した。
り、電極合剤ペーストの安定性が改善される機構は明確
でないが、本発明者らは以下のように考えている。すな
わち、ヘキサフルオロプロピレンのトリフルオロメチル
基は非常に電子吸引性が強いため、ヘキサフルオロプロ
ピレン−フッ化ビニリデンの連鎖が存在した場合、その
フッ化ビニリデンの水素原子は脱離しやすい状態になっ
ており、近傍のフッ素原子と共にHFとして脱離するも
のと考えられる。
ル系モノマーは、テトラフルオロエチレンとの共重合性
が良好であるため、ビニルエーテルの近接モノマー単位
はテトラフルオロエチレンになるため、ビニルエーテル
−フッ化ビニリデンの連鎖はほとんど存在しない。ひい
ては脱HFが進行しにくいため、ペーストの安定性に優
れるものと考えられる。
の含有量は10モル%以上、50モル%以下が好まし
い。
〜80モル%、テトラフルオロエチレン10〜50モル
%、ビニルエーテル系モノマー3〜30モル%およびそ
れらと共重合し得る単量体0〜10モル%から構成さ
れ、25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率
(E’)が3.0×109dyn・cm-2以下である本質的に三元又
は四元の含フッ素共重合体からなることを特徴とする。
エチレン+ビニルエーテル系モノマー)の含フッ素共重
合体は、2種以上のビニルエーテル系モノマーを併用し
た含フッ素共重合体を包含する。4元(フッ化ビニリデ
ン+テトラフルオロエチレン+ビニルエーテル系モノマ
ー+それらと共重合し得る単量体)の含フッ素共重合体
は、2種以上のビニルエーテル系モノマーないし該共重
合し得る合計5種以上の単量体を併用した含フッ素共重
合体を包含する。
弾性率(E’)が3.0×109dyn・cm-2以下である。
は、公知の重合方法により重合することができ、そのう
ちでも主としてラジカル共重合法が好ましい。すなわ
ち、重合方法としては、ラジカル的に進行するものであ
れば手段は何ら制限されないが、例えば有機もしくは無
機のラジカル重合開始剤、熱、光または電離放射線など
によって開始される。重合の形態も溶液重合、バルク重
合、懸濁重合、乳化重合などを用いることができる。
フッ素共重合体の分子量は、GPC(ゲル透過クロマト
グラフィー)測定での数平均分子量がポリスチレン換算
値で10,000〜500,000のものが好ましい。数平均分子量
が10,000より小さいと分子量が低すぎて製膜が困難であ
り、また500,000を超えると電極合剤の疑似甦生(pseudo
plasticity)が非常に大きくなり、電極集電体に塗布す
るのが困難となる傾向がある。また、サイクル特性を向
上させるためには比較的分子量が高い方が好ましく、こ
の点から例えれば三元以上の共重合体の場合、80,000〜
500,000のものが好ましい。
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどの炭
素数1〜4の直鎖または分枝を有するアルキル基を示
す。
ウム、カリウムおよびセシウムがあげられる。
SO3M、−COOM、−OPO3M(Mはアルカリ金属
を表す)、−NHR1、−NR2R3(R1、R2、R3はア
ルキル基を表す)があげられる。
下記構造A)、B)及びC)からなる群から選ばれる少なくと
も1種である: A) CR1R2=CR3-O-CxHyFz 〔式中、R1、R2及びR3は同一または異なってH、C
lもしくはFを示す。
の整数を示し、かつ、y+z=2x+1である〕
上記に定義したとおりである。
は0以上の整数を示し、かつ、q+r=2p+1であ
る〕
上記に定義したとおりであり、R4、R 5、R6、R7、R
8、R9は同一または異なってH、ClもしくはFを示
す。tは1以上の整数を示す。〕xの数は1以上の整数
であれば特に限定されないが、xが大きくなるとモノマ
ーの製造コストが高くなるため、xは1〜5が好まし
い。
数、より好ましくは2x+1である。
5の整数、より好ましくは1〜3の整数である。
示す。
+1を示す。
数、より好ましくは1〜3の整数である。
ッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとビニルエー
テル系モノマーとの共重合体で充分であるが、さらに共
重合体の優れた非水電解液膨潤性を損なわない程度にそ
れらと共重合しうる単量体を共重合させて、接着性をさ
らに向上させることができる。フッ化ビニリデンとテト
ラフルオロエチレンとビニルエーテル系モノマーと共重
合しうる単量体としては、特開平6−172452号公
報に記載されているような不飽和二塩基酸モノエステ
ル、例えばマレイン酸モノメチルエステル、シトラコン
酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステ
ルやヒドロキシブチルビニルエーテル、ビニレンカーボ
ネートなど、また特開平7−201316号公報に記載
されているような、−SO3M、−OSO3M、−COO
M、−OPO3M(Mはアルカリ金属を表す)やアミン
系極性基である−NHR1、−NR2R3(R1、R2、R3
はアルキル基を表す)などの親水性極性基を有する化合
物、例えばCH2=CH−CH2−Y、CH2=C(C
H3)−CH2−Y、CH2=CH−CH2−O−CO−C
H(CH2COOR4)−Y、CH2=CH−CH2−O−
CH2−CH(OH)−CH2−Y、CH2=C(CH3)
−CO−O−CH2−CH2−CH2−Y、CH2=CH−
CO−O−CH2−CH2−Y、CH2=CH−CO−N
H−C(CH3) 2−CH2−Y(Yは親水性極性基、ま
たR4はアルキル基を表す。)や、その他マレイン酸や
無水マレイン酸などがあげられる。さらにCH2=CH
−CH2−O−(CH2)n−OH(3≦n≦8)、
−O)n−H(1≦n≦14)、CH2=CH−CH2−
O−(CH2−CH(CH3)−O)n−H(1≦n≦1
4)などの水酸化アリルエーテルモノマーや、カルボキ
シル化および/または−(CF2)n−CF3(3≦n≦
8)で置換されるアリルエーテル及びエステルモノマ
ー、たとえばCH2=CH−CH2−O−CO−C2H4−
COOH、CH2=CH−CH2−O−CO−C5H10−
COOH、CH2=CH−CH2−O−C2H4−(C
F 2)nCF3、CH2=CH−CH2−CO−O−C2H4
−(CF2)nCF3、CH2=C(CH3)−CO−O−
CH2−CF3なども同様に共重合可能な単量体して使用
できる。この他、3フッ化塩化エチレン、3フッ化臭化
エチレン、3フッ化ヨウ化エチレンも使用できる。
製された電極シートは柔軟で接着性が良好なため、合剤
の滑落、ひび割れなどが起こりにくいため、ポリフッ化
ビニリデン(PVdF)などの剛直なポリマーを用いた
ものに比べ、電極シートの折りたたみ加工性が非常に良
好である。また、ポリフッ化ビニリデンなどの剛直なポ
リマーと比べポリマーが柔軟であることにより、充放電
による活物質の膨張収縮への追従性が優れていることか
ら、長期的な結着性能や電池性能が保持され、良好な充
放電サイクル性能などが得られる。
ッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとビニルエー
テル系モノマーからなる含フッ素共重合体は、ポリフッ
化ビニリデンの溶剤であるN−メチルピロリドン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの含窒素
系有機溶剤はもちろん、一般的によく使用される低沸点
の汎用有機溶剤にも可溶であるにもかかわらず、前記有
機電解液に対して膨潤度が小さい。したがって、該共重
合体を用いると、柔軟性のある電極合剤及び電極シート
を与えることができる。
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどのエーテル系溶剤;さらにそれらの混合溶
剤をあげることができる。
は、該共重合体を溶剤に溶解させた溶液に電極活物質な
どの電極材料を分散、混合させるといった方法が一般的
である。そのほか、たとえば共重合体粉末と電極活物質
の粉末同士を先に混合した後、有機溶剤を添加して合剤
を作製してもよい。また、共重合体と電極活物質の粉末
同士を加熱溶融し、押出成形機で押し出して薄膜の合剤
を作製しておき、導電性接着剤や前記汎用性有機溶剤を
塗布した集電体上に張り合せて電極シートを作製するこ
ともできる。さらに、あらかじめ予備成形した電極活物
質に共重合体の溶液を塗布してもよい。このように、結
着剤としての適用方法は特に限定されない。
向上させるために前記三元または四元の含フッ素共重合
体にポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、
ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
アミドイミド、ポリカーボネートなどの樹脂が含まれる
ものでもよいが、これらの樹脂の結着剤中における含有
量は約20体積%以下であるのが好ましい。
えば非水電解液電池は、正極活物質と導電剤と本発明の
結着剤よりなる正極合剤が正極集電体に保持されてなる
正極、負極活物質と従来または本発明の結着剤よりなる
負極合剤が負極集電体に保持されてなる負極、および非
水電解液を備えている。
の用途として限定されるものではないが、フッ素含有率
が高いことから、正極に用いる方が長期安定性という意
味で好ましい。
とからなる電池電極合剤に関する。他の電極材料として
は、以下に示す正極活物質、負極活物質および導電剤が
ある。
二酸化マンガン、五酸化バナジウムなどのような遷移金
属酸化物;硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコ
ゲン化物;さらにはリチウムを含む複合酸化物などを用
いることができる。特に、高電圧、高エネルギー密度が
得られ、充放電サイクル特性にも優れることから、式L
iXA1-YMYO2(Aは、Mn、Co及びNiからなる群
から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素、MはB、
Mg、Ca、Sr、Ba,Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Al、In、Nb、Mo、W、
Y及びRhよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元
素、0.05≦X≦1.1;0≦Y≦0.5)で表され
るリチウム含有酸化物が好ましい。具体例としては、例
えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸
リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(Li
Mn2O4)などが望ましい。
をドープ/脱ドープ可能な炭素質材料が用いられ、例え
ば、ポリアセン、ポリピロールなどの導電性ポリマー、
あるいはコークス、ポリマー炭、カーボンファイバーな
どのほか、単位体積当たりのエネルギー密度が大きいこ
とから熱分解炭素類、コークス類(石油コークス、ピッ
チコークス、石炭コークスなど)、カーボンブラック
(アセチレンブラックなど)、ガラス状炭素、有機高分
子材料焼成体(有機高分子材料を500℃以上の温度で
不活性ガス気流中、あるいは真空中で焼成したもの)な
どが好ましい。
ック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック類や
グラファイトなどの炭素材料などがあげられる。
負極合剤中の結着剤として使用され、その配合割合は電
極合剤の0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量
%である。残部は前記電極材料である。
は、たとえばアルミ箔などがあげられ、負極集電体とし
ては、たとえば銅箔などがあげられる。
が、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチ
レンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチル
ラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエト
キシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ートなどの公知の溶媒の1種もしくは2種以上が使用で
きる。電解質も従来より公知のものがいずれも使用で
き、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiB
F4、LiCl、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO
3Li、炭酸セシウムなどを用いることができる。さら
に本発明の電池電極合剤には、このほか集電体との接着
性をさらに向上させるため、例えばポリメタクリレー
ト、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、
ポリイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミド系樹脂
などを併用してもよい。
剤として、以上説明した液状電解質を用いたリチウムイ
オン電池だけでなく、電解液や電解質を保持しセパレー
タの役割をも担うポリマー電解質(いわゆる高分子ゲル
電解質)としてポリマー電解質リチウム二次電池にも有
用である。
的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるもの
ではない。 実施例1〜7および比較例1〜3 実施例1〜7として、表1に示すフッ化ビニリデン(V
dF)とテトラフルオロエチレン(TFE)とビニルエ
ーテル系モノマーの三元共重合体、および接着性向上の
ために他の共重合可能な単量体を共重合させた四元共重
合体を常法により製造した。それらの組成と数平均分子
量を表1に示す。
合体についての結果を併せて示す。
に充填し、50トンプレスで230℃、ゲージ圧15kg/c
m2で15分間プレスし、厚さ約0.5mmのシートを得た。
また同様にして比較例1〜3の共重合体もプレス成形
し、シートとした。これらのシートより幅0.5cm、長さ3
cmの短冊を切り出し、動的粘弾性測定(レオメトリクス
(Rheometrics)社製、測定周波数:3.5Hz、25℃)を行っ
た。結果を表2に示す。
2=CF-CF3を共重合しているので、後記するペースト安定
性試験で示す通りペーストは固化する(比較例4)。 実施例9<ペースト安定性試験> 正極活物質として、Li/Co比が1.03(モル比)のコバル
ト酸リチウムを92重量部と、導電剤としてアセチレン
ブラック2重量部、結着剤として実施例1のポリマー4
重量部を予めN−メチルピロリドン50重量部に溶解さ
せた溶液を、ホモジナイザーを用いて空気中で1時間混
合してペーストを作製した。25℃にて24時間静置し
た後、ホモジナイザーで5分間再分散して粘度を測定し
た。その結果、ペースト粘度は4700cPであった。 比較例4 実施例1のポリマーに代えて、比較例1,2のポリマー
を用いる以外は実施例9と同様の試験を行った。その結
果、24時間後のペーストは固化しており、再分散でき
なかった。 実施例10 (負極の作製)負極活物質としてカーボンブラック60
重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5重量
部と、溶剤としてN−メチルピロリドン35重量部をボ
ールミルを用いて10時間混合し、負極合剤を調製し
た。この合剤を負極集電体となる厚さ10μmの銅箔の
両面に乾燥後の厚さが100μmになるように塗布し、
最終的に120℃で乾燥後、圧延処理して帯状負極を作
製した。 (正極の作製)正極活物質としてLiCoO2を60重
量部と、導電剤としてアセチレンブラック5重量部、結
着剤として実施例1〜5(三元)、実施例6,7(四
元)の共重合体または比較例1,2(二元)、3(三
元)の共重合体をそれぞれ5重量部と、溶剤としてN−
メチルピロリドン30重量部をボールミルを用いて10
時間混合し、正極合剤を調製した。この合剤を正極集電
体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に乾燥後
の厚さが100μmになるように塗布し、最終的に12
0℃で乾燥後、圧延処理して帯状正極を作製した。 (電池の作製)特開平7−201316号公報に記載さ
れている方法に準じ、前記のように作製した帯状負極お
よび帯状正極を用いて電池を作製した。
レータとなる厚さ25μmのポリプロピレン製フィルム
を介して積層し、これを多数回巻回することで、外径18
mmの渦巻電極体を作製した。そして、この渦巻電極体を
ニッケルメッキが施された鉄製電池缶に収納し、この渦
巻電極体の上下に絶縁板を設置した。そして、アルミニ
ウム製正極リードを正極集電体から導出して電池蓋に溶
接し、ニッケル製負極リードを負極集電体から導出して
電池缶に溶接した。
に、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートが体
積比1:1で混合された混合溶媒にLiPF6を1モル
/リットルなる濃度で溶解した非水電解液を注入した。
そして、電流遮断機構を有する安全弁装置、電池蓋を電
池缶にアスファルトで表面を塗布した絶縁封口ガスケッ
トを介してかしめることで固定し、直径18mm、高さ65
mmの円筒型の非水電解液を用いた二次電池を作製した
(表3の電池A〜Jとして示す)。
電池について、室温下、最大充電電圧4.2V、充電電
流1Aの条件で充電を2.5時間行い、次いで6.2Ω
の定抵抗で放電を行うといった充放電サイクルを繰り返
し行って、放電容量の変化を観測し、放電容量が初期容
量の50%まで低下するサイクル数(50%容量サイク
ル数)を調べた。結果を表3に示す。
較例1〜3の共重合体を用いた電池H、I、Jに比べ
て、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ビニ
ルエーテル系モノマー共重合体を用いた電池A〜Gは5
0%容量サイクル数が大きく、良好な充放電サイクル特
性を発揮する。
リデンに比べ柔軟性があり、かつ、化学的安定性を有す
る非水電解液電池用結着剤および電池電極合剤が得られ
る。その結果、電池製造上では製造設備の簡略化および
歩留まりの向上による製造コストの低減ができるうえ、
電池性能の点からも50%容量サイクル数が大きく、良
好な充放電サイクル特性を発揮する電池を提供すること
ができる。
Claims (5)
- 【請求項1】少なくとも活物質と結着剤を含む電池電極
合剤が集電体に保持されてなる電極を有する非水電解液
電池に用いる結着剤において、その結着剤がフッ化ビニ
リデン30〜80モル%、テトラフルオロエチレン10
〜50モル%、ビニルエーテル系モノマー3〜30モル
%およびそれらと共重合し得る単量体0〜10モル%か
ら構成され、25℃における動的粘弾性測定による貯蔵
弾性率(E’)が3.0×109dyn・cm-2以下である含フッ素
共重合体からなる非水電解液電池用結着剤。 - 【請求項2】共重合し得る単量体が少なくともS,N,
O,F,Cl,Br及びIからなる群から選ばれる少な
くとも1種を含む化合物である請求項1記載の非水電解
液電池用結着剤。 - 【請求項3】ビニルエーテル系モノマーが下記構造A)、
B)及びC)からなる群から選ばれる少なくとも1種である
請求項1又は2記載の非水電解液電池用結着剤。 A) CR1R2=CR3-O-CxHyFz 〔式中、R1、R2及びR3は同一または異なってH、C
lもしくはFを示す。xは1以上の整数、y及びzは各
々0以上の整数を示し、かつ、y+z=2x+1であ
る〕 【化1】 〔式中、R1、R2、R3、x,y及びzは上記に定義し
たとおりである。p及びsは1以上の整数を示し、q及
びrは0以上の整数を示し、かつ、q+r=2p+1で
ある〕 【化2】 〔式中、R1、R2、R3、x,y及びzは上記に定義し
たとおりであり、R4、R 5、R6、R7、R8、R9は同一
または異なってH、ClもしくはFを示す。tは1以上
の整数を示す。〕 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解
液電池用結着剤を含む電池電極合剤。 - 【請求項5】請求項4に記載の電池電極合剤を含む非水
電解液電池。
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