JPWO2010106768A1 - 非水電解質二次電池用正極、それを用いた非水電解質二次電池、およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極、それを用いた非水電解質二次電池、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の非水電解質二次電池用正極の製造方法は、(1)正極芯材に、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質、結着剤、および導電剤を含む正極スラリーを塗布し、乾燥させて、正極合剤層を形成し、正極前駆体を得る工程と、(2)正極前駆体を加熱しながら圧延することにより、正極活物質が、正極合剤層1cm3あたり3.5g以上含まれ、正極活物質の二次粒子の平均粒子径が5μm以上である正極を得る工程と、を含む。

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、特に、活物質として、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物を含む正極、およびその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池の正極では、正極活物質としてニッケルを含むリチウム含有複合酸化物が用いられる。
正極は、以下のように作製される。正極活物質と結着剤と導電剤とを、所定の分散媒の存在下で混合して、正極スラリーを調製する。正極スラリーを、アルミニウム箔等からなる正極芯材に塗布し、乾燥させて、正極合剤層を形成し、正極前駆体を得る。その後、正極前駆体をロールで圧延する。このようにして、正極を得る。
ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物については様々な検討が行われている。例えば、高温特性を向上させることを目的として、ニッケル酸リチウム(LiNiO)の表面にチタン酸リチウムを被覆することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−319105号公報
しかし、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物の粒子は、結合力が弱い。このため、圧延時に活物質粒子が割れ、割れにより生じた活性面で非水電解質の酸化反応を起こし易い。特に、電池を高温保存する際、または電池を繰り返し充放電する際に、上記酸化反応が顕著となり、酸化反応に伴うガス発生量が多くなり、電池の膨れを生じる場合がある。
そこで、本発明は、正極前駆体の圧延時における活物質粒子の割れを抑制することが可能な正極の製造方法およびその方法で得られる正極を提供する。また、本発明は、上記製造方法で得られた正極を用いて、高温保存特性および充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
本発明の非水電解質二次電池用正極は、正極芯材、および前記正極芯材の表面に形成された正極合剤層を有し、前記正極合剤層は、正極活物質、結着剤、および導電剤を含み、前記正極活物質は、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物を含み、前記正極活物質は、二次粒子の平均粒子径が5μm以上であり、かつ前記正極合剤層1cm3あたり3.5g以上含まれていることを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池は、上記の正極、負極活物質を含む負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータ、および非水電解質を備えることを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池用正極の製造方法は、(1)正極芯材に、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質、結着剤、および導電剤を含む正極スラリーを塗布し、乾燥させて、正極合剤層を形成し、正極前駆体を得る工程と、(2)前記正極前駆体を加熱しながら圧延することにより、前記正極活物質が、正極合剤層1cmあたり3.5g以上含まれ、前記正極活物質の二次粒子の平均粒子径が5μm以上である正極を得る工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性を有する非水電解質二次電池が得られる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の実施例に係る角型リチウムイオン二次電池の一部を切り欠いた要部斜視図である。
本発明の非水電解質二次電池用正極の製造方法は、
(1)正極芯材に、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質、結着剤、および導電剤を含む正極スラリーを塗布し、乾燥させて、正極合剤層を形成し、正極前駆体を得る工程と、
(2)前記正極前駆体を加熱しながら圧延することにより、前記正極活物質が、正極合剤層1cmあたり3.5g以上含まれ、前記正極活物質の二次粒子の平均粒子径が5μm以上である正極を得る工程と、を含む。
上記の二次粒子は、正極活物質粒子群における、粒径1μm未満の一次粒子が凝集した、粒径1〜30μmの二次粒子である。上記の平均粒子径は、体積基準の平均粒子径(D50)である。
正極前駆体を加熱せずに一度圧延する従来の方法では、正極合剤層の結着性を確保するため、大きな線圧で圧延する必要がある。正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量を3.5g程度まで大きくする場合、結合力の弱い上記正極活物質は二次粒子の平均粒子径4μm程度まで細かく割れてしまい、活性面が多く形成される。そのため、ガス発生量が多くなり、電池の膨れを生じる場合があった。
これに対して、正極前駆体を加熱しながら圧延する場合、圧延時に正極前駆体に加える圧力を、粒子割れを抑制できる程度に低減でき、結着剤が変形し易いことにより活物質粒子間の結着性が大幅に向上し、正極合剤層を正極芯材と一体化させることができる。1回の圧延工程で目的の正極厚みおよび活物質密度を有し、活物質粒子間の結着性に優れた正極合剤層が容易かつ確実に得られる。正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量を3.5g以上とする場合でも、粒子割れが抑制され、正極中における正極活物質の二次粒子の平均粒子径を5μm以上の大きさに維持することができる。正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量が3.5g以上であると、正極活物質の充填密度が非常に高く、高容量の正極が得られる。特に、従来法では得ることのできなかった、正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量が3.6g以上である、極めて高い活物質の充填密度を実現することができる。
正極活物質の二次粒子の平均粒子径が5μm以上であると、粒子割れおよびそれにより生じる活性面が大幅に減少しているため、活性面での酸化反応に伴うガス発生が大幅に抑制される。
工程(1)にて、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である正極活物質を用いることにより、工程(2)の後における正極活物質の二次粒子の平均粒子径を5μm以上とすることが可能である。
工程(1)で用いられるリチウム含有複合酸化物(正極活物質)は、例えば、原料として、LiOH等のリチウム塩、およびニッケルを含む酸化物または水酸化物の混合物を、酸素雰囲気下(酸素分圧0.19〜1気圧)、600〜1000℃で焼成することにより得られる。この方法で合成されたリチウム含有複合酸化物では、平均粒子径500nm程度の一次粒子が凝集して焼結した二次粒子が形成されているが、一次粒子同士の結合力は弱い。合成されるリチウム含有複合酸化物の二次粒子のサイズは、ニッケルを含む酸化物または水酸化物の粒子サイズにより変わる。
工程(1)で用いる、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である、二次粒子のサイズの大きな正極活物質を得るためには、リチウム含有複合酸化物の合成時に、平均粒子径が8μm以上である、粒子サイズの大きなニッケルを含む酸化物または水酸化物を用いるのが好ましい。
上記原料の混合物を焼成する際、リチウム含有複合酸化物の合成反応を、ニッケルを含む酸化物または水酸化物の粒子内部まで速やかに進行させるためには、ニッケルを含む酸化物または水酸化物の平均粒子径は8〜12μmが好ましい。この場合、合成されるニッケル系リチウム含有複合酸化物の二次粒子の平均粒子径は8〜12μmである。
充填性の観点から、工程(1)で用いる正極活物質の二次粒子の平均粒子径は、25μm以下であるのが好ましい。
正極活物質の充填性をさらに高めるためには、工程(1)で用いる正極活物質として、二次粒子の平均粒子径が18〜25μmである粗粉末Aと、二次粒子の平均粒子径が5〜10μmである微粉末Bとの混合物を用いるのが好ましい。粗粉末Aおよび微粉末Bの混合重量比は、90〜60:10〜40が好ましい。
正極前駆体を加熱しながら圧延する手法を用いる際、上記のような充填性の高い粉末形態の正極活物質を用いると、正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量を3.9g程度まで高めることが可能である。
工程(2)により、結合力の弱いニッケルを含むリチウム含有複合酸化物の粒子を正極活物質に用いる場合でも、正極前駆体の圧延時において活物質の粒子割れが抑制される。
活物質の粒子割れにより生じる活性面が少ないため、高温保存時および充放電サイクル時において、活性面での酸化反応に伴うガス発生が抑制される。
正極前駆体の圧延時の加熱により結着剤が変形し易くなるため、低い圧力でも活物質粒子間に結着剤が入り込み易くなり(すべり性が改善し)、活物質粒子間の結着性が向上する。
工程(2)は、例えば、熱板を用いて正極前駆体をプレスする工程、または一対の熱ロール間に正極前駆体を通過させる工程である。この工程を一度実施することにより、正極合剤層と正極芯材を密着させ一体化させることができる。
工程(2)で得られる正極の総厚み(正極芯材および正極芯材の両面に設けられた正極合剤層の厚み)は、例えば、80〜200μmである。正極芯材に設けられる正極合剤層(片面)の厚みは、例えば、32.5〜92.5μmである。
正極芯材の両面に正極合剤層を設ける場合、工程(2)における圧延率(圧延前の正極前駆体における正極合剤層の厚みに対する圧延後の正極における正極合剤層の厚みの割合)は、60〜80%である。
活物質の粒子割れにより生じる活性面を減らすためには、工程(2)における、正極活物質の二次粒子の平均粒子径の減少率は、好ましくは30〜60%、より好ましくは30〜50%である。
ここで減少率とは、加熱圧延前(工程(1)の後かつ工程(2)の前)の正極活物質における二次粒子の平均粒子径D1、加熱圧延後(工程(2)の後)の正極活物質における二次粒子の平均粒子径D2として、下記式により求められる。
正極活物質の二次粒子の平均粒子径の減少率(%)=(D1−D2)/D1×100
工程(2)の圧延時に、正極前駆体に、0.8×10〜1.4×10kgf/cmの線圧を加えるのが好ましい。線圧が0.8×10kgf/cm以上であると、1回の圧延でも、正極活物質粒子間、および正極合剤層と正極芯材との間において優れた結着性が得られる。線圧が1.4×10kgf/cm以下であると活物質の粒子割れが大幅に抑制される。より好ましくは、工程(2)の圧延時に正極前駆体に加える線圧は、1.0×10〜1.4×10kgf/cmである。
前記工程(2)において、前記正極前駆体を、前記結着剤の弾性率が、当該結着剤の25℃における弾性率の70%以下となるような温度で加熱しながら圧延するのが好ましい。
弾性率は、変形し難さを表す指標であり、弾性率が低下すると、変形し易くなる。正極前駆体を上記温度に加熱しながら圧延すると、結着剤が変形し易くなり、活物質粒子間に結着剤が入り込み易くなり、活物質粒子間の結着性が大幅に向上する。
結着剤の弾性率が、当該結着剤の25℃における弾性率の70%以下となるような温度は、60〜140℃であるため、工程(2)において、正極前駆体を、60〜140℃に加熱しながら圧延するのが好ましい。ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDF)を上記温度範囲で加熱するのが好ましい。PVDFを60〜140℃に加熱すると、PVDFの弾性率を、25℃における弾性率の70%以下に低下させることが可能である。
活物質粒子内部まで正極反応が進行するためには(高い正極利用率および良好なハイレート特性を得るためには)、工程(2)の圧延後における正極活物質は、二次粒子の平均粒子径12μm以下であるのが好ましい。電池の膨れが大幅に抑制されるため、工程(2)の圧延後における正極活物質は、二次粒子の平均粒子径7μm以上であるのがより好ましい。
正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量は、好ましくは3.6g以上、より好ましくは3.7g以上である。
また、正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量は、好ましくは3.9g以下、より好ましくは3.8g以下である。
この場合、正極、負極、およびセパレータからなる電極群を捲回する場合において、正極が破断することがない。
ニッケル系リチウム含有複合酸化物は、六方晶の結晶構造を有し、リチウム以外の全金属元素に占めるニッケル含有量が60〜90モル%であるのが好ましい。より好ましくは、上記のニッケル含有量は70〜85モル%である。上記ニッケル含有量が60モル%未満であると、ニッケルによる効果(高容量等)が小さくなる。上記ニッケル含有量が90モル%超であると、リチウム以外の金属元素(後述の元素M)による効果が十分に発揮されない。
ニッケル系リチウム含有複合酸化物は、一般式:LiNi1−x2+b(Mは、Co、Fe、Cu、Mn、Al、Mg、Ti、Zr、CeおよびYからなる群より選択される少なくとも1種であり、0.1≦x≦0.4、0.97≦a≦1.05、−0.1≦b≦0.1)で表される化合物であるのが好ましい。ただし、aは電池構成時の初期の値を表す。
Niの一部を異種元素Mで置換することにより、充放電サイクル特性および高温保存特性が向上する。xが0.1未満であると、Niの一部を異種元素のMで置換する効果が小さくなる。xが0.4超であると、リチウム含有複合酸化物中におけるNiの割合が少なくなり、Niによる効果(高容量等)が十分に得られない。
正極合剤層中の結着剤含有量は、正極活物質100重量部あたり1〜3重量部が好ましい。正極合剤層中の導電剤含有量は、正極活物質100重量部あたり1〜3重量部が好ましい。
結着剤には、例えば、熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体もしくはその(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体もしくはその(Na)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体もしくはその(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体もしくはその(Na)イオン架橋体、またはこれらの誘導体が挙げられる。これらを単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでも、PVDFまたはその誘導体が好ましい。
結着性および弾性の観点から、PVDFおよびその誘導体は、重量平均分子量30万〜100万、および結晶化度30〜50%が好ましい。
結着性および弾性の観点から、PVDFの誘導体(フッ化ビニリデンと、他のモノマーとの共重合体)におけるフッ化ビニリデン成分の比率は、50〜95重量%が好ましい。
導電剤には、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、金属繊維が用いられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックが挙げられる。
正極芯材としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔等の金属箔が用いられる。金属箔の厚みは、例えば10〜20μmである。
本発明の非水電解質二次電池は、上記の正極と、Liを電気化学的に吸蔵および放出可能な負極活物質を含む負極と、正極と負極との間に介在するセパレータと、非水電解質とを具備する。これにより、充放電サイクル時または高温保存時においてガス発生が抑制され、電池の膨れが抑制され、信頼性が向上する。本発明は、円筒型、扁平型、コイン型、角型、ラミネート型等、様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能であり、電池の形状は特に限定されない。
負極活物質には、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックのような炭素材料が用いられる。負極は、例えば、炭素材料および結着剤を含む負極スラリーを、銅箔等の負極集電体に塗布し、乾燥した後、圧延することにより得られる。
また、負極活物質には、リチウム金属またはリチウム合金が用いられる。リチウム合金は、例えば、Liと、Si、Sn、Al、Zn、およびMgよりなる群から選択される少なくとも一種の元素とからなる。負極は、例えば、負極活物質としてリチウム金属またはリチウム合金と、導電剤と、結着剤とを含む負極スラリーを、銅箔等の負極集電体に塗布し、乾燥した後、圧延することにより得られる。
非水電解質としては、非水溶媒およびこれに溶解するリチウム塩からなる液状の電解質が好ましい。非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類との混合溶媒が一般的に用いられる。また、γ−ブチロラクトンやジメトキシエタン等も用いられる。リチウム塩としては、無機リチウムフッ化物やリチウムイミド化合物等が挙げられる。無機リチウムフッ化物としては、LiPF6、LiBF4等が挙げられ、リチウムイミド化合物としてはLiN(CF3SO23
等が挙げられる。
セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる微多孔性フィルムが一般に用いられている。セパレータの厚みは、例えば10〜30μmである。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。

《実施例1》
(1)正極活物質の作製
Ni原子とCo原子とAl原子とのモル比が80:15:5になるように混合した硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムとの混合物3.2kgを、10Lの水に溶解させて、原料溶液を得た。原料溶液に、水酸化ナトリウムを400g加えて、沈殿を生成させた。沈殿を十分に水洗し、乾燥させ、共沈水酸化物を得た。
得られたNi−Co−Al共沈水酸化物3kgに、水酸化リチウム784gを混合し、酸素分圧が0.5気圧の酸化性雰囲気中で、750℃の合成温度で10時間焼成し、リチウム含有複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子が凝集して焼結した二次粒子を形成していた。二次粒子の平均粒子径を測定した結果、12μmであった。測定には、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)を用いた。リチウム含有複合酸化物の二次粒子の平均粒子径は、Ni−Co−Al共沈水酸化物および水酸化リチウムの平均粒子径を変えることにより調整可能である。
(2)正極の作製
正極活物質3kgと、(株)クレハ製のPVDF#7208(PVDFを8重量%含むN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記)溶液)0.6kgと、アセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機で攪拌し、正極スラリーを調製した。
このPVDFは、重量平均分子量63万、結晶化度45%であった。
PVDFの25℃の弾性率に対する各温度でのPVDFの弾性率の比率を表1に示す。なお、表1中の弾性率は、貯蔵弾性率である。
Figure 2010106768
この正極スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極芯材の両面に塗布し、乾燥し、正極前駆体を得た。その後、正極前駆体を一対の熱ローラ間に通過させて、圧延した。圧延する回数は1回とした。より具体的には、正極前駆体を熱ローラで60℃に加熱しながら、0.8×10kgf/cmの線圧で圧延して、正極芯材の表面に正極合剤層を形成した。このとき、正極の厚みは、185μmから130μmに減少した。このようにして、総厚が130μmの正極を得た。正極は43mm幅の帯状に裁断した。
(3)負極の作製
人造黒鉛3kgと、日本ゼオン(株)製のBM−400B(変性スチレンブタジエンゴムを40重量%含む水性分散液)75gと、カルボキシメチルセルロース(CMC)30gと、適量の水とを、双腕式練合機で攪拌し、負極スラリーを調製した。この負極スラリーを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、負極合剤層を形成し、総厚が140μmの負極を得た。負極は45mm幅の帯状に裁断した。
(4)非水電解質の調製
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:1:1の混合溶媒に、1モル/リットルの濃度でLiPFを溶解させて非水電解質を調製した。非水電解質には3重量%のビニレンカーボネートを含ませた。
(5)電池の組み立て
図1に示すような角型リチウムイオン二次電池を作製した。
負極と正極と、これらの間に介在させた厚さ20μmのポリエチレン製の微多孔質フィルムからなるセパレータ(セルガード(株)製のA089(商品名))を捲回し、断面が略楕円形の電極群1を構成した。電極群1はアルミニウム製の角型の電池缶2に収容した。電池缶2は、底部と、側壁とを有し、上部は開口しており、その形状は略矩形である。その後、電池缶2と正極リード3または負極リード4との短絡を防ぐための絶縁体7を、電極群1の上部に配置した。次に、絶縁ガスケット8で囲まれた負極端子6を中央に有する矩形の封口板5を、電池缶2の開口に配置した。負極リード4は、負極端子6と接続した。正極リード3は、封口板5の下面と接続した。電池缶2の開口の端部と封口板5とをレーザで溶接し、電池缶2の開口を封口した。その後、封口板5の注液孔から2.5gの非水電解質を電池缶2に注入した。最後に、注液孔を封栓9で溶接により塞ぎ、高さ50mm、幅34mm、厚み約5.4mm、設計容量850mAhの角型リチウムイオン二次電池を完成させた。
《比較例1》
工程(2)において、実施例1の正極と総厚み(活物質密度)が同じになるように、正極前駆体を加熱せずに線圧1.6×10kgf/cmで圧延した以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。この正極を用いて、実施例1と同様の方法により、非水電解質二次電池を作製した。
《比較例2》
工程(2)において、正極前駆体を加熱せずに圧延した以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。このとき、正極の総厚みは137μmであった。この正極を用いて、実施例1と同様の方法により、非水電解質二次電池を作製した。
実施例1ならびに比較例1および2の正極および電池について、以下の評価を実施した。
[正極の評価]
正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質の重量(以下、活物質密度)、および正極活物質の二次粒子の平均粒子径を以下の方法で測定した。
(1)活物質密度の測定
正極合剤層の寸法(縦、横、および厚み)および正極活物質量より、下記式を用いて活物質密度を求めた。
活物質密度(g/cm3)=正極活物質量(g)/正極合剤層の体積(cm
(2)正極活物質の二次粒子の平均粒子径の測定
正極合剤層の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。このとき、SEM像における100×100μmの領域内にて、無作為に選定した50個の正極活物質粒子(二次粒子)の最大径を測定し、その平均値を求めた。一次粒子が凝集した、粒子径が1〜30μmの粒子を二次粒子として測定し、粒子径が1μm未満の粒子は、一次粒子として測定の対象から除外した。
(3)圧延工程における正極活物質の二次粒子の平均粒子径の減少率の測定
正極活物質の圧延前後の二次粒子の平均粒子径より、下記式を用いて二次粒子の平均粒子径の減少率を求めた。ここで減少率とは、加熱圧延前(工程(1)の後かつ工程(2)の前)の正極活物質における二次粒子の平均粒子径D1、加熱圧延後(工程(2)の後)の正極活物質における二次粒子の平均粒子径D2として、下記式により求められる。
正極活物質の二次粒子の平均粒子径の減少率(%)=(D1−D2)/D1×100
(4)圧延工程における正極合剤層の厚みの減少率(圧延率)
正極活物質の圧延前後の正極合剤層の厚みを測定し、下記式により圧延率を求めた。
圧延率(%)=圧延後の正極合剤層の厚み/圧延前の正極合剤層の厚み×100
[角型電池の評価]
(1)充放電サイクル特性の評価
20℃環境下で、下記条件で充放電し、初期容量を求めた。その後、20℃環境下で、下記条件で、充放電を500サイクル繰り返し、500サイクル目の放電容量を求めた。下記式により、サイクル容量維持率を求めた。
サイクル容量維持率(%)=500サイクル目の放電容量/初期の放電容量×100
<充放電条件>
定電流充電:充電電流値850mA、充電終止電圧4.2V
定電圧充電:充電電圧値4.2V、充電終止電流100mA
定電流放電:放電電流値850mA、放電終止電圧3V
また、初期の電池および500サイクル後の電池厚みを測定した。下記式により、電池厚みの増加率(%)を求めた。
電池厚みの増加率(%)=500サイクル後の電池厚み/初期の電池厚み×100
(2)高温保存特性の評価
20℃環境下で、上記条件で充放電し、初期の放電容量を求めた。その後、80℃で2日間保存した。保存後、同条件で充放電し、保存後の放電容量を求めた。下記式により、保存容量維持率を求めた。
保存容量維持率(%)=保存後の放電容量/保存前の放電容量×100
また、保存前後の電池厚みを測定した。下記式により、初期の電池厚みに対する保存後の電池厚みの増加率(%)を求めた。
電池厚みの増加率(%)=保存後の電池厚み/保存前の電池厚み×100
上記の評価結果を表2に示す。
Figure 2010106768
実施例1の正極を用いた電池では、比較例1および2の正極を用いた電池と比べて、電池厚み増加率が大幅に減少し、電池膨れが抑制され、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性が得られた。
比較例1では、圧延時に正極前駆体を加熱しないため、実施例1と同じ圧延率となるように圧延すると、比較例1の圧延時の線圧は実施例1の圧延時の線圧よりも高い値となった。その結果、活物質粒子の割れが生じ易くなり、活物質の二次粒子の平均粒子径が小さくなった。
比較例2では、圧延時に正極前駆体を加熱しないため、実施例1と同じ線圧で圧延すると、比較例2の正極では、活物質粒子間に結着剤が十分に入り込まず、実施例1の正極と比べて、正極合剤層中の活物質粒子間の結着性が低下した。
《実施例2》
工程(2)において線圧および加熱温度を表3に示す値に変えた以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。この正極を用いて、実施例1と同様の方法により電池を作製した。上記方法により正極および電池を評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2010106768
いずれの正極も、活物質密度3.5g/cm以上および活物質の二次粒子の平均粒子径5μm以上であり、いずれの電池も、良好な充放電サイクル特性および高温保存特性を示した。特に、電池B〜Dでは、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性が得られ、工程(2)の加熱温度は60〜140℃が好ましいことがわかった。
《実施例3》
工程(2)における線圧および加熱温度を表4に示す値に変えた以外、実施例1と同等の方法により正極を作製した。この正極を用いて実施例1と同様の方法により電池を作製した。上記方法により正極および電池を評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2010106768
いずれの正極も、活物質密度3.5g/cm以上および活物質の二次粒子の平均粒子径5μm以上であり、いずれの電池も、良好な充放電サイクル特性および高温保存特性を示した。特に、電池G〜Iでは、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性が得られ、工程(2)の線圧は0.8×10〜1.4×10kgf/cmが好ましいことがわかった。
《実施例4》
二次粒子の平均粒子径が23μmであるリチウム含有複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)の粗粉末Aと、二次粒子の平均粒子径が7μmのリチウム含有複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)の微粉末Bとを、重量比80:20の割合で混合し、二次粒子の平均粒子径が20μmである正極活物質の粉末を得た。
粗粉末Aおよび微粉末Bの二次粒子の平均粒子径は、実施例1と同じリチウム含有複合酸化物の作製において、リチウム含有複合酸化物の合成に用いるNi−Co−Al共沈水酸化物および水酸化リチウムの平均粒径を変えることにより調整した。
上記で得られた正極活物質を用い、工程(2)における線圧を1.4×10kgf/cmおよび加熱温度を140℃とした以外、実施例1と同等の方法により正極を作製した。この正極を用いて実施例1と同様の方法により電池を作製した。上記方法により正極および電池を評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2010106768
電池Kでは、良好な充放電サイクル特性および高温保存特性が得られた。電池Kでは、充填性の高い活物質粉末を含む正極前駆体を加熱しながら圧延することにより、活物質密度が3.85g/cmである活物質の充填密度の非常に高い正極を得ることができた。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明の正極は、円筒型や角型の非水電解質二次電池に好適に用いられる。本発明の非水電解質二次電池は、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性を有するため、情報機器等の電子機器の電源として好適に用いられる。
本発明は、非水電解質二次電池に関し、特に、活物質として、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物を含む正極、およびその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池の正極では、正極活物質としてニッケルを含むリチウム含有複合酸化物が用いられる。
正極は、以下のように作製される。正極活物質と結着剤と導電剤とを、所定の分散媒の存在下で混合して、正極スラリーを調製する。正極スラリーを、アルミニウム箔等からなる正極芯材に塗布し、乾燥させて、正極合剤層を形成し、正極前駆体を得る。その後、正極前駆体をロールで圧延する。このようにして、正極を得る。
ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物については様々な検討が行われている。例えば、高温特性を向上させることを目的として、ニッケル酸リチウム(LiNiO)の表面にチタン酸リチウムを被覆することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−319105号公報
しかし、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物の粒子は、結合力が弱い。このため、圧延時に活物質粒子が割れ、割れにより生じた活性面で非水電解質の酸化反応を起こし易い。特に、電池を高温保存する際、または電池を繰り返し充放電する際に、上記酸化反応が顕著となり、酸化反応に伴うガス発生量が多くなり、電池の膨れを生じる場合がある。
そこで、本発明は、正極前駆体の圧延時における活物質粒子の割れを抑制することが可能な正極の製造方法およびその方法で得られる正極を提供する。また、本発明は、上記製造方法で得られた正極を用いて、高温保存特性および充放電サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
本発明の非水電解質二次電池用正極は、正極芯材、および前記正極芯材の表面に形成された正極合剤層を有し、前記正極合剤層は、正極活物質、結着剤、および導電剤を含み、前記正極活物質は、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物を含み、前記正極活物質は、二次粒子の平均粒子径が5μm以上であり、かつ前記正極合剤層1cm3あたり3.5g以上含まれていることを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池は、上記の正極、負極活物質を含む負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータ、および非水電解質を備えることを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池用正極の製造方法は、(1)正極芯材に、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質、結着剤、および導電剤を含む正極スラリーを塗布し、乾燥させて、正極合剤層を形成し、正極前駆体を得る工程と、(2)前記正極前駆体を加熱しながら圧延することにより、前記正極活物質が、正極合剤層1cmあたり3.5g以上含まれ、前記正極活物質の二次粒子の平均粒子径が5μm以上である正極を得る工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性を有する非水電解質二次電池が得られる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の実施例に係る角型リチウムイオン二次電池の一部を切り欠いた要部斜視図である。
本発明の非水電解質二次電池用正極の製造方法は、
(1)正極芯材に、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質、結着剤、および導電剤を含む正極スラリーを塗布し、乾燥させて、正極合剤層を形成し、正極前駆体を得る工程と、
(2)前記正極前駆体を加熱しながら圧延することにより、前記正極活物質が、正極合剤層1cmあたり3.5g以上含まれ、前記正極活物質の二次粒子の平均粒子径が5μm以上である正極を得る工程と、を含む。
上記の二次粒子は、正極活物質粒子群における、粒径1μm未満の一次粒子が凝集した、粒径1〜30μmの二次粒子である。上記の平均粒子径は、体積基準の平均粒子径(D50)である。
正極前駆体を加熱せずに一度圧延する従来の方法では、正極合剤層の結着性を確保するため、大きな線圧で圧延する必要がある。正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量を3.5g程度まで大きくする場合、結合力の弱い上記正極活物質は二次粒子の平均粒子径4μm程度まで細かく割れてしまい、活性面が多く形成される。そのため、ガス発生量が多くなり、電池の膨れを生じる場合があった。
これに対して、正極前駆体を加熱しながら圧延する場合、圧延時に正極前駆体に加える圧力を、粒子割れを抑制できる程度に低減でき、結着剤が変形し易いことにより活物質粒子間の結着性が大幅に向上し、正極合剤層を正極芯材と一体化させることができる。1回の圧延工程で目的の正極厚みおよび活物質密度を有し、活物質粒子間の結着性に優れた正極合剤層が容易かつ確実に得られる。正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量を3.5g以上とする場合でも、粒子割れが抑制され、正極中における正極活物質の二次粒子の平均粒子径を5μm以上の大きさに維持することができる。正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量が3.5g以上であると、正極活物質の充填密度が非常に高く、高容量の正極が得られる。特に、従来法では得ることのできなかった、正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量が3.6g以上である、極めて高い活物質の充填密度を実現することができる。
正極活物質の二次粒子の平均粒子径が5μm以上であると、粒子割れおよびそれにより生じる活性面が大幅に減少しているため、活性面での酸化反応に伴うガス発生が大幅に抑制される。
工程(1)にて、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である正極活物質を用いることにより、工程(2)の後における正極活物質の二次粒子の平均粒子径を5μm以上とすることが可能である。
工程(1)で用いられるリチウム含有複合酸化物(正極活物質)は、例えば、原料として、LiOH等のリチウム塩、およびニッケルを含む酸化物または水酸化物の混合物を、酸素雰囲気下(酸素分圧0.19〜1気圧)、600〜1000℃で焼成することにより得られる。この方法で合成されたリチウム含有複合酸化物では、平均粒子径500nm程度の一次粒子が凝集して焼結した二次粒子が形成されているが、一次粒子同士の結合力は弱い。合成されるリチウム含有複合酸化物の二次粒子のサイズは、ニッケルを含む酸化物または水酸化物の粒子サイズにより変わる。
工程(1)で用いる、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である、二次粒子のサイズの大きな正極活物質を得るためには、リチウム含有複合酸化物の合成時に、平均粒子径が8μm以上である、粒子サイズの大きなニッケルを含む酸化物または水酸化物を用いるのが好ましい。
上記原料の混合物を焼成する際、リチウム含有複合酸化物の合成反応を、ニッケルを含む酸化物または水酸化物の粒子内部まで速やかに進行させるためには、ニッケルを含む酸化物または水酸化物の平均粒子径は8〜12μmが好ましい。この場合、合成されるニッケル系リチウム含有複合酸化物の二次粒子の平均粒子径は8〜12μmである。
充填性の観点から、工程(1)で用いる正極活物質の二次粒子の平均粒子径は、25μm以下であるのが好ましい。
正極活物質の充填性をさらに高めるためには、工程(1)で用いる正極活物質として、二次粒子の平均粒子径が18〜25μmである粗粉末Aと、二次粒子の平均粒子径が5〜10μmである微粉末Bとの混合物を用いるのが好ましい。粗粉末Aおよび微粉末Bの混合重量比は、90〜60:10〜40が好ましい。
正極前駆体を加熱しながら圧延する手法を用いる際、上記のような充填性の高い粉末形態の正極活物質を用いると、正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量を3.9g程度まで高めることが可能である。
工程(2)により、結合力の弱いニッケルを含むリチウム含有複合酸化物の粒子を正極活物質に用いる場合でも、正極前駆体の圧延時において活物質の粒子割れが抑制される。
活物質の粒子割れにより生じる活性面が少ないため、高温保存時および充放電サイクル時において、活性面での酸化反応に伴うガス発生が抑制される。
正極前駆体の圧延時の加熱により結着剤が変形し易くなるため、低い圧力でも活物質粒子間に結着剤が入り込み易くなり(すべり性が改善し)、活物質粒子間の結着性が向上する。
工程(2)は、例えば、熱板を用いて正極前駆体をプレスする工程、または一対の熱ロール間に正極前駆体を通過させる工程である。この工程を一度実施することにより、正極合剤層と正極芯材を密着させ一体化させることができる。
工程(2)で得られる正極の総厚み(正極芯材および正極芯材の両面に設けられた正極合剤層の厚み)は、例えば、80〜200μmである。正極芯材に設けられる正極合剤層(片面)の厚みは、例えば、32.5〜92.5μmである。
正極芯材の両面に正極合剤層を設ける場合、工程(2)における圧延率(圧延前の正極前駆体における正極合剤層の厚みに対する圧延後の正極における正極合剤層の厚みの割合)は、60〜80%である。
活物質の粒子割れにより生じる活性面を減らすためには、工程(2)における、正極活物質の二次粒子の平均粒子径の減少率は、好ましくは30〜60%、より好ましくは30〜50%である。
ここで減少率とは、加熱圧延前(工程(1)の後かつ工程(2)の前)の正極活物質における二次粒子の平均粒子径D1、加熱圧延後(工程(2)の後)の正極活物質における二次粒子の平均粒子径D2として、下記式により求められる。
正極活物質の二次粒子の平均粒子径の減少率(%)=(D1−D2)/D1×100
工程(2)の圧延時に、正極前駆体に、0.8×10〜1.4×10kgf/cmの線圧を加えるのが好ましい。線圧が0.8×10kgf/cm以上であると、1回の圧延でも、正極活物質粒子間、および正極合剤層と正極芯材との間において優れた結着性が得られる。線圧が1.4×10kgf/cm以下であると活物質の粒子割れが大幅に抑制される。より好ましくは、工程(2)の圧延時に正極前駆体に加える線圧は、1.0×10〜1.4×10kgf/cmである。
前記工程(2)において、前記正極前駆体を、前記結着剤の弾性率が、当該結着剤の25℃における弾性率の70%以下となるような温度で加熱しながら圧延するのが好ましい。
弾性率は、変形し難さを表す指標であり、弾性率が低下すると、変形し易くなる。正極前駆体を上記温度に加熱しながら圧延すると、結着剤が変形し易くなり、活物質粒子間に結着剤が入り込み易くなり、活物質粒子間の結着性が大幅に向上する。
結着剤の弾性率が、当該結着剤の25℃における弾性率の70%以下となるような温度は、60〜140℃であるため、工程(2)において、正極前駆体を、60〜140℃に加熱しながら圧延するのが好ましい。ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDF)を上記温度範囲で加熱するのが好ましい。PVDFを60〜140℃に加熱すると、PVDFの弾性率を、25℃における弾性率の70%以下に低下させることが可能である。
活物質粒子内部まで正極反応が進行するためには(高い正極利用率および良好なハイレート特性を得るためには)、工程(2)の圧延後における正極活物質は、二次粒子の平均粒子径12μm以下であるのが好ましい。電池の膨れが大幅に抑制されるため、工程(2)の圧延後における正極活物質は、二次粒子の平均粒子径7μm以上であるのがより好ましい。
正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量は、好ましくは3.6g以上、より好ましくは3.7g以上である。
また、正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質量は、好ましくは3.9g以下、より好ましくは3.8g以下である。
この場合、正極、負極、およびセパレータからなる電極群を捲回する場合において、正極が破断することがない。
ニッケル系リチウム含有複合酸化物は、六方晶の結晶構造を有し、リチウム以外の全金属元素に占めるニッケル含有量が60〜90モル%であるのが好ましい。より好ましくは、上記のニッケル含有量は70〜85モル%である。上記ニッケル含有量が60モル%未満であると、ニッケルによる効果(高容量等)が小さくなる。上記ニッケル含有量が90モル%超であると、リチウム以外の金属元素(後述の元素M)による効果が十分に発揮されない。
ニッケル系リチウム含有複合酸化物は、一般式:LiNi1−x2+b(Mは、Co、Fe、Cu、Mn、Al、Mg、Ti、Zr、CeおよびYからなる群より選択される少なくとも1種であり、0.1≦x≦0.4、0.97≦a≦1.05、−0.1≦b≦0.1)で表される化合物であるのが好ましい。ただし、aは電池構成時の初期の値を表す。
Niの一部を異種元素Mで置換することにより、充放電サイクル特性および高温保存特性が向上する。xが0.1未満であると、Niの一部を異種元素のMで置換する効果が小さくなる。xが0.4超であると、リチウム含有複合酸化物中におけるNiの割合が少なくなり、Niによる効果(高容量等)が十分に得られない。
正極合剤層中の結着剤含有量は、正極活物質100重量部あたり1〜3重量部が好ましい。正極合剤層中の導電剤含有量は、正極活物質100重量部あたり1〜3重量部が好ましい。
結着剤には、例えば、熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体もしくはその(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体もしくはその(Na)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体もしくはその(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体もしくはその(Na)イオン架橋体、またはこれらの誘導体が挙げられる。これらを単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでも、PVDFまたはその誘導体が好ましい。
結着性および弾性の観点から、PVDFおよびその誘導体は、重量平均分子量30万〜100万、および結晶化度30〜50%が好ましい。
結着性および弾性の観点から、PVDFの誘導体(フッ化ビニリデンと、他のモノマーとの共重合体)におけるフッ化ビニリデン成分の比率は、50〜95重量%が好ましい。
導電剤には、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、金属繊維が用いられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックが挙げられる。
正極芯材としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔等の金属箔が用いられる。金属箔の厚みは、例えば10〜20μmである。
本発明の非水電解質二次電池は、上記の正極と、Liを電気化学的に吸蔵および放出可能な負極活物質を含む負極と、正極と負極との間に介在するセパレータと、非水電解質とを具備する。これにより、充放電サイクル時または高温保存時においてガス発生が抑制され、電池の膨れが抑制され、信頼性が向上する。本発明は、円筒型、扁平型、コイン型、角型、ラミネート型等、様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能であり、電池の形状は特に限定されない。
負極活物質には、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックのような炭素材料が用いられる。負極は、例えば、炭素材料および結着剤を含む負極スラリーを、銅箔等の負極集電体に塗布し、乾燥した後、圧延することにより得られる。
また、負極活物質には、リチウム金属またはリチウム合金が用いられる。リチウム合金は、例えば、Liと、Si、Sn、Al、Zn、およびMgよりなる群から選択される少なくとも一種の元素とからなる。負極は、例えば、負極活物質としてリチウム金属またはリチウム合金と、導電剤と、結着剤とを含む負極スラリーを、銅箔等の負極集電体に塗布し、乾燥した後、圧延することにより得られる。
非水電解質としては、非水溶媒およびこれに溶解するリチウム塩からなる液状の電解質が好ましい。非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類との混合溶媒が一般的に用いられる。また、γ−ブチロラクトンやジメトキシエタン等も用いられる。リチウム塩としては、無機リチウムフッ化物やリチウムイミド化合物等が挙げられる。無機リチウムフッ化物としては、LiPF6、LiBF4等が挙げられ、リチウムイミド化合物としてはLiN(CF3SO23
等が挙げられる。
セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる微多孔性フィルムが一般に用いられている。セパレータの厚みは、例えば10〜30μmである。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。

《実施例1》
(1)正極活物質の作製
Ni原子とCo原子とAl原子とのモル比が80:15:5になるように混合した硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムとの混合物3.2kgを、10Lの水に溶解させて、原料溶液を得た。原料溶液に、水酸化ナトリウムを400g加えて、沈殿を生成させた。沈殿を十分に水洗し、乾燥させ、共沈水酸化物を得た。
得られたNi−Co−Al共沈水酸化物3kgに、水酸化リチウム784gを混合し、酸素分圧が0.5気圧の酸化性雰囲気中で、750℃の合成温度で10時間焼成し、リチウム含有複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)を得た。得られたリチウム含有複合酸化物を電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子が凝集して焼結した二次粒子を形成していた。二次粒子の平均粒子径を測定した結果、12μmであった。測定には、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)を用いた。リチウム含有複合酸化物の二次粒子の平均粒子径は、Ni−Co−Al共沈水酸化物および水酸化リチウムの平均粒子径を変えることにより調整可能である。
(2)正極の作製
正極活物質3kgと、(株)クレハ製のPVDF#7208(PVDFを8重量%含むN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記)溶液)0.6kgと、アセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機で攪拌し、正極スラリーを調製した。
このPVDFは、重量平均分子量63万、結晶化度45%であった。
PVDFの25℃の弾性率に対する各温度でのPVDFの弾性率の比率を表1に示す。なお、表1中の弾性率は、貯蔵弾性率である。
Figure 2010106768
この正極スラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極芯材の両面に塗布し、乾燥し、正極前駆体を得た。その後、正極前駆体を一対の熱ローラ間に通過させて、圧延した。圧延する回数は1回とした。より具体的には、正極前駆体を熱ローラで60℃に加熱しながら、0.8×10kgf/cmの線圧で圧延して、正極芯材の表面に正極合剤層を形成した。このとき、正極の厚みは、185μmから130μmに減少した。このようにして、総厚が130μmの正極を得た。正極は43mm幅の帯状に裁断した。
(3)負極の作製
人造黒鉛3kgと、日本ゼオン(株)製のBM−400B(変性スチレンブタジエンゴムを40重量%含む水性分散液)75gと、カルボキシメチルセルロース(CMC)30gと、適量の水とを、双腕式練合機で攪拌し、負極スラリーを調製した。この負極スラリーを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、負極合剤層を形成し、総厚が140μmの負極を得た。負極は45mm幅の帯状に裁断した。
(4)非水電解質の調製
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:1:1の混合溶媒に、1モル/リットルの濃度でLiPFを溶解させて非水電解質を調製した。非水電解質には3重量%のビニレンカーボネートを含ませた。
(5)電池の組み立て
図1に示すような角型リチウムイオン二次電池を作製した。
負極と正極と、これらの間に介在させた厚さ20μmのポリエチレン製の微多孔質フィルムからなるセパレータ(セルガード(株)製のA089(商品名))を捲回し、断面が略楕円形の電極群1を構成した。電極群1はアルミニウム製の角型の電池缶2に収容した。電池缶2は、底部と、側壁とを有し、上部は開口しており、その形状は略矩形である。その後、電池缶2と正極リード3または負極リード4との短絡を防ぐための絶縁体7を、電極群1の上部に配置した。次に、絶縁ガスケット8で囲まれた負極端子6を中央に有する矩形の封口板5を、電池缶2の開口に配置した。負極リード4は、負極端子6と接続した。正極リード3は、封口板5の下面と接続した。電池缶2の開口の端部と封口板5とをレーザで溶接し、電池缶2の開口を封口した。その後、封口板5の注液孔から2.5gの非水電解質を電池缶2に注入した。最後に、注液孔を封栓9で溶接により塞ぎ、高さ50mm、幅34mm、厚み約5.4mm、設計容量850mAhの角型リチウムイオン二次電池を完成させた。
《比較例1》
工程(2)において、実施例1の正極と総厚み(活物質密度)が同じになるように、正極前駆体を加熱せずに線圧1.6×10kgf/cmで圧延した以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。この正極を用いて、実施例1と同様の方法により、非水電解質二次電池を作製した。
《比較例2》
工程(2)において、正極前駆体を加熱せずに圧延した以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。このとき、正極の総厚みは137μmであった。この正極を用いて、実施例1と同様の方法により、非水電解質二次電池を作製した。
実施例1ならびに比較例1および2の正極および電池について、以下の評価を実施した。
[正極の評価]
正極合剤層1cmあたりに含まれる正極活物質の重量(以下、活物質密度)、および正極活物質の二次粒子の平均粒子径を以下の方法で測定した。
(1)活物質密度の測定
正極合剤層の寸法(縦、横、および厚み)および正極活物質量より、下記式を用いて活物質密度を求めた。
活物質密度(g/cm3)=正極活物質量(g)/正極合剤層の体積(cm
(2)正極活物質の二次粒子の平均粒子径の測定
正極合剤層の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。このとき、SEM像における100×100μmの領域内にて、無作為に選定した50個の正極活物質粒子(二次粒子)の最大径を測定し、その平均値を求めた。一次粒子が凝集した、粒子径が1〜30μmの粒子を二次粒子として測定し、粒子径が1μm未満の粒子は、一次粒子として測定の対象から除外した。
(3)圧延工程における正極活物質の二次粒子の平均粒子径の減少率の測定
正極活物質の圧延前後の二次粒子の平均粒子径より、下記式を用いて二次粒子の平均粒子径の減少率を求めた。ここで減少率とは、加熱圧延前(工程(1)の後かつ工程(2)の前)の正極活物質における二次粒子の平均粒子径D1、加熱圧延後(工程(2)の後)の正極活物質における二次粒子の平均粒子径D2として、下記式により求められる。
正極活物質の二次粒子の平均粒子径の減少率(%)=(D1−D2)/D1×100
(4)圧延工程における正極合剤層の厚みの減少率(圧延率)
正極活物質の圧延前後の正極合剤層の厚みを測定し、下記式により圧延率を求めた。
圧延率(%)=圧延後の正極合剤層の厚み/圧延前の正極合剤層の厚み×100
[角型電池の評価]
(1)充放電サイクル特性の評価
20℃環境下で、下記条件で充放電し、初期容量を求めた。その後、20℃環境下で、下記条件で、充放電を500サイクル繰り返し、500サイクル目の放電容量を求めた。下記式により、サイクル容量維持率を求めた。
サイクル容量維持率(%)=500サイクル目の放電容量/初期の放電容量×100
<充放電条件>
定電流充電:充電電流値850mA、充電終止電圧4.2V
定電圧充電:充電電圧値4.2V、充電終止電流100mA
定電流放電:放電電流値850mA、放電終止電圧3V
また、初期の電池および500サイクル後の電池厚みを測定した。下記式により、電池厚みの増加率(%)を求めた。
電池厚みの増加率(%)=500サイクル後の電池厚み/初期の電池厚み×100
(2)高温保存特性の評価
20℃環境下で、上記条件で充放電し、初期の放電容量を求めた。その後、80℃で2日間保存した。保存後、同条件で充放電し、保存後の放電容量を求めた。下記式により、保存容量維持率を求めた。
保存容量維持率(%)=保存後の放電容量/保存前の放電容量×100
また、保存前後の電池厚みを測定した。下記式により、初期の電池厚みに対する保存後の電池厚みの増加率(%)を求めた。
電池厚みの増加率(%)=保存後の電池厚み/保存前の電池厚み×100
上記の評価結果を表2に示す。
Figure 2010106768
実施例1の正極を用いた電池では、比較例1および2の正極を用いた電池と比べて、電池厚み増加率が大幅に減少し、電池膨れが抑制され、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性が得られた。
比較例1では、圧延時に正極前駆体を加熱しないため、実施例1と同じ圧延率となるように圧延すると、比較例1の圧延時の線圧は実施例1の圧延時の線圧よりも高い値となった。その結果、活物質粒子の割れが生じ易くなり、活物質の二次粒子の平均粒子径が小さくなった。
比較例2では、圧延時に正極前駆体を加熱しないため、実施例1と同じ線圧で圧延すると、比較例2の正極では、活物質粒子間に結着剤が十分に入り込まず、実施例1の正極と比べて、正極合剤層中の活物質粒子間の結着性が低下した。
《実施例2》
工程(2)において線圧および加熱温度を表3に示す値に変えた以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。この正極を用いて、実施例1と同様の方法により電池を作製した。上記方法により正極および電池を評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2010106768
いずれの正極も、活物質密度3.5g/cm以上および活物質の二次粒子の平均粒子径5μm以上であり、いずれの電池も、良好な充放電サイクル特性および高温保存特性を示した。特に、電池B〜Dでは、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性が得られ、工程(2)の加熱温度は60〜140℃が好ましいことがわかった。
《実施例3》
工程(2)における線圧および加熱温度を表4に示す値に変えた以外、実施例1と同等の方法により正極を作製した。この正極を用いて実施例1と同様の方法により電池を作製した。上記方法により正極および電池を評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2010106768
いずれの正極も、活物質密度3.5g/cm以上および活物質の二次粒子の平均粒子径5μm以上であり、いずれの電池も、良好な充放電サイクル特性および高温保存特性を示した。特に、電池G〜Iでは、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性が得られ、工程(2)の線圧は0.8×10〜1.4×10kgf/cmが好ましいことがわかった。
《実施例4》
二次粒子の平均粒子径が23μmであるリチウム含有複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)の粗粉末Aと、二次粒子の平均粒子径が7μmのリチウム含有複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)の微粉末Bとを、重量比80:20の割合で混合し、二次粒子の平均粒子径が20μmである正極活物質の粉末を得た。
粗粉末Aおよび微粉末Bの二次粒子の平均粒子径は、実施例1と同じリチウム含有複合酸化物の作製において、リチウム含有複合酸化物の合成に用いるNi−Co−Al共沈水酸化物および水酸化リチウムの平均粒径を変えることにより調整した。
上記で得られた正極活物質を用い、工程(2)における線圧を1.4×10kgf/cmおよび加熱温度を140℃とした以外、実施例1と同等の方法により正極を作製した。この正極を用いて実施例1と同様の方法により電池を作製した。上記方法により正極および電池を評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2010106768
電池Kでは、良好な充放電サイクル特性および高温保存特性が得られた。電池Kでは、充填性の高い活物質粉末を含む正極前駆体を加熱しながら圧延することにより、活物質密度が3.85g/cmである活物質の充填密度の非常に高い正極を得ることができた。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明の正極は、円筒型や角型の非水電解質二次電池に好適に用いられる。本発明の非水電解質二次電池は、優れた充放電サイクル特性および高温保存特性を有するため、情報機器等の電子機器の電源として好適に用いられる。

Claims (10)

  1. 正極芯材、および前記正極芯材の表面に形成された正極合剤層を有し、
    前記正極合剤層は、正極活物質、結着剤、および導電剤を含み、
    前記正極活物質は、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物を含み、
    前記正極活物質は、二次粒子の平均粒子径が5μm以上であり、かつ前記正極合剤層1cm3あたり3.5g以上含まれていることを特徴とする非水電解質二次電池用正極。
  2. 前記リチウム含有複合酸化物は、六方晶の結晶構造を有し、
    リチウム以外の全金属元素に占めるニッケル含有量が60〜90モル%である請求項1記載の非水電解質二次電池用正極。
  3. 前記リチウム含有複合酸化物は、一般式:LiNi1−x2+b(式中、Mは、Co、Fe、Cu、Mn、Al、Mg、Ti、Zr、CeおよびYからなる群より選択される少なくとも1種であり、0.1≦x≦0.4、0.97≦a≦1.05、−0.1≦b≦0.1)で表される請求項1記載の非水電解質二次電池用正極。
  4. 請求項1記載の正極、負極活物質を含む負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータ、および非水電解質を備える非水電解質二次電池。
  5. (1)正極芯材に、二次粒子の平均粒子径が8μm以上である、ニッケルを含むリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質、結着剤、および導電剤を含む正極スラリーを塗布し、乾燥させて、正極合剤層を形成し、正極前駆体を得る工程と、
    (2)前記正極前駆体を加熱しながら圧延することにより、前記正極活物質が、正極合剤層1cmあたり3.5g以上含まれ、前記正極活物質の二次粒子の平均粒子径が5μm以上である正極を得る工程と、
    を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用正極の製造方法。
  6. 前記工程(2)において、前記正極活物質の二次粒子の平均粒子径は、前記正極前駆体の圧延前に対して30〜60%減少する請求項5記載の非水電解質二次電池用正極の製造方法。
  7. 前記工程(2)の圧延時に、前記正極前駆体に、0.8×10〜1.4×10kgf/cmの線圧を加える請求項5記載の非水電解質二次電池用正極の製造方法。
  8. 前記工程(2)において、前記正極前駆体を、前記結着剤の弾性率が当該結着剤の25℃における弾性率の70%以下となるような温度で加熱しながら圧延する請求項5記載の非水電解質二次電池用正極の製造方法。
  9. 前記工程(2)において、前記正極前駆体を、60〜140℃に加熱しながら圧延する請求項5記載の非水電解質二次電池用正極の製造方法。
  10. 請求項5記載の製造方法により得られた非水電解質二次電池用正極。
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