JP2002114824A - 含フッ素エラストマー - Google Patents
含フッ素エラストマーInfo
- Publication number
- JP2002114824A JP2002114824A JP2000305071A JP2000305071A JP2002114824A JP 2002114824 A JP2002114824 A JP 2002114824A JP 2000305071 A JP2000305071 A JP 2000305071A JP 2000305071 A JP2000305071 A JP 2000305071A JP 2002114824 A JP2002114824 A JP 2002114824A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluorine
- mol
- weight
- molecular weight
- containing elastomer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Sealing Material Composition (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
性に特に優れた自動車エンジンの燃料系用のシール材と
して有用な加硫物を与えることができる含フッ素エラス
トマーおよび加硫用組成物を提供する。 【解決手段】 フッ化ビニリデン50〜85モル%およ
びパーフルオロ(2−メトキシプロピルビニルエーテ
ル)15〜50モル%の共重合組成からなり、数平均分
子量が8000〜500000で重量平均分子量が20
000〜1000000である含フッ素エラストマー。
Description
耐寒性を有する加硫成形体を与え得る含フッ素エラスト
マーおよび加硫用組成物、さらにはこの加硫用組成物を
加硫成形して得られる自動車エンジンの燃料系シール材
や化学プラント用の各種シール材として好適な加硫成形
体に関する。
トでは−30℃を下回る低温環境下での動作や稼働が要
求される場合がある。たとえば自動車エンジンの燃料系
統では、近年のエンジンの直噴射化に伴いガソリン噴射
圧力が10MPaにもなるものが開発されている。この
場合、燃料系統の配管などに使用されているシール材に
かかる圧力が大きくなり、こうした高圧にも耐え得るシ
ール材が開発されている。
などの点から通常フッ素ゴム(エラストマー)が用いら
れているが、やはりゴムであるが故に低温でのシール性
に劣る。そこで低温シール性(耐寒性)が改良されたフ
ッ素ゴムとしてフッ化ビニリデン(VdF)とパーフル
オロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)との共重合
体、またはさらにテトラフルオロエチレン(TFE)や
ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフル
オロエチレン(CTFE)、エチレンなどを共重合した
含フッ素エラストマーが使用されている(特開平8−1
57539号公報、特開昭50−109280号公報、
特開平3−52907号公報、特開平3−221510
号公報、特開平7−18027号公報、特開平11−3
5637号公報、特開平11−80271号公報な
ど)。これらの含フッ素エラストマーはPMVEの存在
によりガラス転移温度(Tg)が下がり、耐寒性が改善
されているものである。
ストマーではせいぜい−30℃程度の耐寒性(Tgが−
15〜−33℃程度)しか奏されず、上記のより厳しい
低温環境では必ずしも充分なシール性能は得られていな
い。
の耐寒性を得るため、たとえば特開昭64−52733
号公報では、特殊なパーフルオロポリエーテルを側鎖に
有するトリフルオロビニルエーテルモノマーを共重合
し、−60℃という耐寒性(Tg=−38.5〜−88
℃)を達成している。しかし、その特殊なモノマーは乳
化重合性が低いうえ、モノマーの製造コストが極めて高
く、得られるエラストマーおよび加硫物も高価となる。
は、パーフルオロポリエーテル鎖の両末端にヨウ素含有
基をもつ化合物の存在下にVdFとTFEとPMVEを
共重合した含フッ素エラストマーが耐寒性に優れたもの
(TR試験におけるTR10=−35〜−40℃)である
ことが開示されている。しかし含ヨウ素パーフルオロポ
リエーテル化合物は高価であり、しかも量的にも多く必
要とされているため、得られるエラストマーおよび加硫
物が高価となる。
トには、(OCF2)や(OCF2CF2)単位を含む耐
寒性含フッ素エラストマー(Tg=−70〜−119
℃)が開示されているが、(OCF2)や(OCF2CF
2)単位を与えるモノマーの製造工程が複雑であり、得
られるエラストマーや加硫物を高価なものとしている。
低下させずに−40℃レベルの耐寒性を達成し得る含フ
ッ素エラストマーを従来よりも低コストで提供するべ
く、研究を重ねた結果、パーフルオロ(2−メトキシプ
ロピルビニルエーテル)(PMPVE)がPMVEと同
様の3工程の合成法で製造でき、しかもTg低下作用が
大きいことを見出し、本発明を完成するに至った。
F50〜85モル%およびPMPVE15〜50モル%
の共重合組成からなり、数平均分子量が8000〜50
0000で重量平均分子量が20000〜100000
0である含フッ素エラストマーに関する。
E15〜50モル%、およびTFE、PMVEおよびエ
チレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を50モ
ル%以下含む共重合組成からなり、数平均分子量が80
00〜500000で重量平均分子量が20000〜1
000000である含フッ素エラストマーにも関する。
架橋点としてヨウ素原子を0.005〜1.0重量%含
むものが加硫性含フッ素エラストマーとして好ましい。
およびPMPVE、多元共重合体の場合はさらにTF
E、PMVEおよびエチレンよりなる群から選ばれる少
なくとも1種を好ましくは40℃以下の重合温度でラジ
カル共重合することにより製造できる。ジヨウ素化合物
の存在下にラジカル共重合を行なえば、加硫性のヨウ素
含有含フッ素エラストマーが製造できる。
ラストマーと、有機過酸化物0.1〜10PHR(エラ
ストマー100重量部に対する重量部。以下同様)と多
官能不飽和化合物0.1〜10PHRとからなる加硫用
含フッ素エラストマー組成物にも関する。
ストマー組成物を加硫成形して得られる加硫成形体、特
に自動車エンジンの燃料系シール材にも関する。
は、VdFとPMPVEを必須の構成単位とする。PM
PVEは式: CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF3 で示されるモノマーであり、PMVEと同様に原料CO
F2から3工程で製造できる。したがって低コストでの
製造が可能である。
50〜85モル%、好ましくは55〜80モル%、さら
に好ましくは60〜75モル%である。VdF単位が少
なくなると共重合性が極端にわるくなる傾向にあり、多
くなるとエラストマー性が得られにくくなる。PMPV
E単位の含有量は15〜50モル%、好ましくは20〜
45モル%、さらに好ましくは25〜40モル%であ
る。PMPVE単位が少なくなると得られるエラストマ
ーのTg低下効果が小さくなって目的とする耐寒性が不
充分となる傾向にあり、多くなるとコスト高になる。
からなるエラストマーはGPCで測定した数平均分子量
が8000〜500000、好ましくは20000〜3
00000のものであり、重量平均分子量では2000
0〜1000000、好ましくは40000〜6000
00のものである。
件で行なう。 GPC:高速GPC装置 HLC−8020(東ソー(株)製) カラム:Shodex GPC KF 806M(2本)(昭和電工(株)製) Shodex GPC KF 800M(1本)(昭和電工(株)製) 検出器:RI検出器(示差屈折計) 展開溶媒:テトラヒドロフラン 温度:35℃ 濃度:0.2重量% 標準ポリスチレン: 単分散ポリスチレン各種(Mw/Mn=1.14(max)) TSK standard POLYSTYRENE (東ソー(株)製)
モノマーを共重合してもよい。他のコモノマーとして
は、たとえばTFE、PMVE、エチレンがあげられ、
50モル%まで、好ましくは20モル%まで、特に1〜
15モル%共重合してもよい。その場合、VdFは20
〜85モル%、好ましくは60〜80モル%であり、P
MPVEは15〜50モル%、好ましくは15〜30モ
ル%である。コモノマーとしては耐寒性や耐溶剤性に優
れる点から特にTFEが好ましい。本発明のVdF−P
MPVE−他のコモノマーの多元共重合体からなる含フ
ッ素エラストマーはGPCで測定した数平均分子量が8
000〜500000、好ましくは20000〜300
000のものであり、重量平均分子量では20000〜
1000000、好ましくは40000〜600000
のものである。
与える官能基含有モノマーを共重合してもよい。官能基
含有コモノマーとしては、たとえばヨウ素含有モノマ
ー、臭素含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、2−
ヒドロペンタフルオロプロペンなどがあげられる。これ
らのうちヨウ素含有モノマー、特にヨウ素含有含フッ素
モノマーが適当である。具体例としては、特開平8−1
57539号公報に記載されている式:
整数である)で示されるモノマー、またはCH2=CH
(CF2)6CH2CH2Iに代表されるヨウ素含有モノマ
ー(特開平7−316234号公報参照)が好ましい。
共重合割合は3モル%以下、好ましくは0.005〜
1.5モル%である。
記のモノマーをジヨウ素化合物の存在下にラジカル共重
合することにより、架橋点を導入することができ、加硫
が付与できる。ジヨウ素化合物により共重合体中に導入
されるヨウ素量は、エラストマー全重量に対して、0.
05〜1.0重量%(重合中に添加したジヨウ素化合物
の重量より計算するものとする)とするのが好ましい。
エラストマー中に存在するジヨウ素化合物量は、特開昭
53−125491号に記載されているように、ジヨウ
素化合物が連鎖移動剤として働くために、その分子量の
決定に重要な意味をもち、さらに導入されたヨウ素は架
橋点としても機能する。したがってヨウ素量がエラスト
マー重量に対して0.05重量%未満の場合、得られる
エラストマーの分子量が大きくなりすぎ、加硫時の流動
性が損なわれる結果、架橋密度が低くなり、得られる成
形体が充分な破断強度を発現できない。また、1.0重
量%を超える場合は分子量が低くなりすぎ、ゴム練り作
業に支障をきたす。
たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4
−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−2
−クロロ−パーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−
2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨー
ドパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオ
ロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン
及び1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジ
ヨードメタン、1,2−ジヨードエタンがあげられ、こ
れらは単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用
することもできる。好ましいジヨウ素化合物としては、
1,4−ジヨードパーフルオロブタンがあげられる。
に無酸素下で、水媒体中にて、要すればジヨウ素化合物
の存在下に、VdF、PMPVE、さらに要すればTF
E、PMVE、エチレン、あるいはさらにヨウ素含有フ
ッ素化ビニルエーテルを加圧下で撹拌をしながらラジカ
ル乳化重合を行うことにより製造できる。
始剤は、従来から含フッ素エラストマーの重合に使用さ
れているものが使用できる。これら開始剤には有機・無
機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始
剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エ
ステル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アン
モニウム(APS)があげられる。APSはそれ単独でも
使用してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のよ
うな還元剤と組み合わせて使用することもできる。重合
時に添加される開始剤量は、できるだけ少量のほうが生
成するエラストマーの物性面(たとえば圧縮永久歪み、
引張強度など)から好ましい。ただし著しく少量の場
合、重合速度の低下により生産性を悪化させる要因とな
るため調整が必要である。通常はジヨウ素化合物1モル
に対して0.05〜0.5モル用いればよい。
法、乳化重合法、溶液重合法などで実施できるが、特に
懸濁重合法または乳化重合法により行なうのが好まし
い。乳化重合の場合、使用される乳化剤としては広範囲
のものが使用可能である。特に重合中に生ずる乳化剤分
子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカー
ボン鎖またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン
酸の塩類が望ましい。乳化剤の具体例としては
は、添加された水の約0.05〜10重量%が好まし
く、特に0.1〜1.0重量%が好ましい。
補助剤として5フッ化プロパノール、2,2,3,3,
3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロパノールなどの含フッ素アルコールを
加えてもよいし、マイクロフルイダイズ・インターナシ
ョナル社製のマイクロフルイダイズM−210E/Hモ
デル、(株)日本精機製作所製のゴーリンホモジナイザ
ーなどの高圧式のホモジナイザーを使用して強制的に乳
化してもよい。
よりも高いと得られる生成物が低分子量となり、液状を
呈することがあるなどエラストマー性が得られない。な
お、使用する開始剤の種類と還元剤の使用の有無によ
り、具体的に決定される。一般的には、0〜40℃の温
度が採用されるが、重合開始剤としてAPSと亜硫酸ナ
トリウムを採用する場合、5〜30℃の温度が好まし
い。
あるが、一般的には、10MPa以下、好ましくは2M
Pa以下が採用される。重合圧力は高い程重合速度は大
きくなるため、生産性の向上の観点から1.0MPa以
上であることが望ましい。ただ、液状モノマーであるP
MPVEの共重合量を大きくするためには、低圧領域
(0.2〜1・0MPa)にすることが好ましい。
って異なるが、生産性の観点から3〜50時間が適当で
ある。
経てエラストマーを回収する。その際、他のモノマーに
比べて高価な未反応PMPVEを回収するために、減圧
乾燥処理を行なってもよい。
素エラストマーは、種々の架橋源により架橋し、硬化
(加硫)させて加硫物とすることができる。架橋源として
は、放射線(α線、β線、γ線、電子線、X線など)、紫
外線などの高エネルギー電磁波も用いることができる
が、好ましくは有機過酸化物が用いられる。
フッ素エラストマーと有機過酸化物と多官能不飽和化合
物からなる加硫用組成物にも関する。
還元系の存在で容易にパーオキシラジカルを発生するも
のがよく、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイドα,α−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−
ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマ
レイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ートなどを例示することができる。特に好ましいものは
ジアルキルタイプのものである。その中でも、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)
ヘキサンが特に好ましい。一般に活性−O−O−の量、
分解温度などを考慮して有機過酸化物の種類および使用
量が選定される。使用量は、0.05〜10PHR、好
ましくは0.1〜10PHR、より好ましくは1.0〜
5PHRである。
促進剤として多官能不飽和化合物を併用することにより
適切な加硫が実施できる。この多官能不飽和化合物は、
パーオキシラジカルとポリマーラジカルとに対して反応
活性を有するものであれば原則的に有効であって、特に
種類は制限されない。好ましいものとしては、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリア
クリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N'
−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフ
タレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタ
レートアミド、トリアリルホスフェート、CH2=CH
(CF2)6CH=CH2に代表されるビスオレフィン
(特開平9−124870号公報参照)などがあげられ
る。その中でも特に好ましいのはトリアリルイソシアヌ
レートである。使用量は、0.1〜10PHRが好まし
く、より好ましくは0.5〜5PHRである。
る添加剤を適宜添加してもよい。そうした添加剤として
は、充填剤、補強剤、顔料、加工助剤などがあげられ
る。通常よく用いられる充填剤または補強剤として、無
機物ではカーボンブラック、TiO2、SiO2、クレー、
タルクなどが、有機物ではポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオラ
イド、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/エチレン共重合体、テトラフルオロエチレ
ン/ビニリデンフルオライド共重合体などの含フッ素重
合体があげられる。
よい。このようなゴムとしては、シリコーンオイル、シ
リコーンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、1,2
−ポリブタジエン、フルオロシリコンオイル、フルオロ
シリコンゴム、フルオロホスファゼンゴム、ヘキサフル
オロプロピレン/エチレン共重合体、テトラフルオロエ
チレン/プロピレン共重合体、さらにはラジカル反応性
のある他の重合体が用いられる。これらの使用量につい
ては、特に制限はないが、耐寒性を目的とする場合は耐
寒性を損なう程度まで多くすべきではないのは当然であ
る。
加硫法でよい。たとえばオーブンロール、粉体ミキサー
で混練するか、溶剤に溶解ないし分散させて分散混合し
た未加硫物を通常、120〜200℃の温度でプレス加
硫を5〜30分行ない、ついで150〜250℃温度で
1〜24時間オーブン加硫を行なう方法が例示できる。
明の加硫物は−45℃〜−30℃という低いTgを有し
ており、耐寒性に特に優れるエラストマー加硫物であ
る。したがって、本発明の加硫物は、耐熱性、耐油性、
耐薬品性、耐溶剤性などが要求される一般成形材料、シ
ーラント、接着剤、塗料などとしても当然使用できる
が、特に−40℃レベルの耐寒性が要求される自動車エ
ンジン燃料系のシール材を比較的安価に提供できる。シ
ール材としての特に好ましい形態は、O−リング、リッ
プタイプパッキン、オイルシール、ガスケット、V−リ
ングなどがあげられる。また、低温で稼働される化学プ
ラント、各種製造装置、分析装置などのシール材として
も有用である。
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
6製オートクレーブに、PMPVE5.0g、1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)
25g、ビス(2,4,5−トリクロロパーフルオロヘ
キサノイル)パーオキサイド(DLP)のパーフルオロ
ヘキサン溶液(濃度20重量%)2.8gを仕込み、ド
ライアイス/アセトン液で冷却した後、系内をチッ素で
置換した。真空に減圧した後VdF3.9gを仕込み、
20℃にて振とうしながら反応を行なった。反応の進行
とともに系内の圧力(ゲージ圧)が0.50MPaから
55分後に0.40MPaに低下した。この時点で未反
応モノマーを放出し、反応生成物を80℃にて恒量にな
るまで真空乾燥して、本発明の含フッ素エラストマー
2.8gを得た。
たところ、モノマー単位組成はVdF80.5モル%/
PMPVE19.5モル%であった。GPCで測定した
数平均分子量は9700、重量平均分子量は36300
であった。また示差熱量計(DSC)で測定したTgは
−37℃であった。
したほかは実施例1と同様にして本発明の含フッ素エラ
ストマーを製造した。得られた含フッ素エラストマーの
物性を表1に示す。
6製オートクレーブに、PMPVE3.0g、HCFC
−141b25g、DLPのパーフルオロヘキサン溶液
(濃度20重量%)1.9gを仕込み、ドライアイス/
アセトン液で冷却した後、系内をチッ素で置換した。真
空に減圧した後VdF2.5gおよびTFE0.2gを
仕込み、20℃にて振とうしながら反応を行なった。反
応の進行とともに系内の圧力(ゲージ圧)が0.38M
Paから22分後に0.36MPaに低下した。この時
点で未反応モノマーを放出し、反応生成物を80℃にて
恒量になるまで真空乾燥して、本発明の含フッ素エラス
トマー0.6gを得た。
F−NMRで分析したところ、モノマー単位組成はVd
F67.6モル%/TFE11.8モル%/PMPVE
20.6モル%であった。GPCで測定した数平均分子
量は9200、重量平均分子量は28800であった。
また示差熱量計(DSC)で測定したTgは−40℃で
あった。
したほかは実施例3と同様にして本発明の含フッ素エラ
ストマーを製造した。得られた含フッ素エラストマーの
物性を表2に示す。
であっても、VdFの共重合比によってガラス転移点が
変化する。そのため、−45〜−30℃程度の範囲のガ
ラス転移点を示す。実施例4の共重合体は−30℃と比
較的高いガラス転移点を示すが、VdFの共重合比が相
対的に少なくTFEの共重合比が多いことから、耐溶剤
性に優れるという特徴を有するポリマーである。この共
重合比の範囲では、従来技術であるPMVEを用いる場
合と比較して、それぞれガラス転移点が10℃程度低く
なるものである。
低く−40℃レベルの耐寒性に特に優れた加硫物を与え
ることができる。この加硫物は自動車エンジンの燃料系
用のシール材として有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】 フッ化ビニリデン50〜85モル%およ
びパーフルオロ(2−メトキシプロピルビニルエーテ
ル)15〜50モル%の共重合組成からなり、数平均分
子量が8000〜500000で重量平均分子量が20
000〜1000000である含フッ素エラストマー。 - 【請求項2】 フッ化ビニリデン20〜85モル%、パ
ーフルオロ(2−メトキシプロピルビニルエーテル)1
5〜50モル%、ならびにテトラフルオロエチレン、パ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)およびエチレンよ
りなる群から選ばれる少なくとも1種を50モル%以下
含む共重合組成からなり、数平均分子量が8000〜5
00000で重量平均分子量が20000〜10000
00である含フッ素エラストマー。 - 【請求項3】 ヨウ素原子を0.005〜1.0重量%
含む請求項1または2記載の含フッ素エラストマー。 - 【請求項4】 フッ化ビニリデンおよびパーフルオロ
(2−メトキシプロピルビニルエーテル)、またはフッ
化ビニリデン、パーフルオロ(2−メトキシプロピルビ
ニルエーテル)ならびにテトラフルオロエチレン、パー
フルオロ(メチルビニルエーテル)およびエチレンより
なる群から選ばれる少なくとも1種をラジカル共重合す
ることを特徴とする請求項1または2記載の含フッ素エ
ラストマーの製造法。 - 【請求項5】 ジヨウ素化合物の存在下に請求項4記載
のラジカル共重合を行なう請求項3記載の含フッ素エラ
ストマーの製造法。 - 【請求項6】 重合温度40℃以下でラジカル共重合を
行なう請求項4または5記載の含フッ素エラストマーの
製造法。 - 【請求項7】 請求項3記載の含フッ素エラストマー1
00重量部に対して、有機過酸化物0.05〜10重量
部および多官能不飽和化合物0.1〜10重量部が配合
されてなる加硫用含フッ素エラストマー組成物。 - 【請求項8】 請求項7記載の加硫用含フッ素エラスト
マー組成物を加硫成形して得られる加硫成形体。 - 【請求項9】 自動車エンジンの燃料系シール材である
請求項8記載の加硫成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000305071A JP4797235B2 (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 含フッ素エラストマー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000305071A JP4797235B2 (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 含フッ素エラストマー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002114824A true JP2002114824A (ja) | 2002-04-16 |
JP4797235B2 JP4797235B2 (ja) | 2011-10-19 |
Family
ID=18786012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000305071A Expired - Fee Related JP4797235B2 (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 含フッ素エラストマー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4797235B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004009661A1 (ja) * | 2002-07-24 | 2004-01-29 | Daikin Industries, Ltd. | フッ素ゴム共重合体 |
US6846880B2 (en) | 2002-10-11 | 2005-01-25 | 3M Innovative Properties Company | Fluoropolymer compositions |
US6864336B2 (en) | 2002-09-12 | 2005-03-08 | 3M Innovative Properties Company | Fluoroelastomers having low temperature characteristics and solvent resistance |
US6956085B2 (en) | 2003-02-14 | 2005-10-18 | 3M Innovative Properties Company | Fluoroelastomer compositions |
WO2005097846A1 (ja) * | 2004-04-07 | 2005-10-20 | Daikin Industries, Ltd. | 含フッ素エラストマー重合体及びその製造方法 |
JP2005336338A (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Japan Atom Energy Res Inst | 架橋した燃料電池電解質膜 |
US7148300B2 (en) | 2002-09-12 | 2006-12-12 | 3M Innovative Properties Company | Fluoroelastomers with improved permeation resistance and method for making the same |
Citations (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52134696A (en) * | 1976-05-04 | 1977-11-11 | Asahi Glass Co Ltd | Preparation of fluorine-containing elastomers |
JPS57109810A (en) * | 1980-12-26 | 1982-07-08 | Asahi Glass Co Ltd | Copolymer giving fluorine-containing elastomer with cold and alcohol resistance |
JPS6422908A (en) * | 1987-07-17 | 1989-01-25 | Nippon Mektron Kk | Production of fluorine-containing elastic copolymer |
JPS6440550A (en) * | 1987-08-07 | 1989-02-10 | Asahi Chemical Ind | Fluororubber composition |
JPH05222126A (ja) * | 1992-02-14 | 1993-08-31 | Nippon Mektron Ltd | パ−オキサイド加硫可能な含フッ素エラストマ−の製造方法 |
JPH05295038A (ja) * | 1992-04-21 | 1993-11-09 | Daikin Ind Ltd | 低温成形用フッ素樹脂 |
JPH072947A (ja) * | 1993-06-17 | 1995-01-06 | Daikin Ind Ltd | 耐寒・耐アルコール性含フッ素弾性状共重合体 |
JPH08157539A (ja) * | 1994-12-06 | 1996-06-18 | Daikin Ind Ltd | 低温シール性に優れたフッ素ゴム共重合体及びその硬化用組成物 |
US5856417A (en) * | 1996-10-29 | 1999-01-05 | Asahi Glass Company Ltd. | Fluorine-containing copolymer |
JPH11171934A (ja) * | 1996-10-29 | 1999-06-29 | Asahi Glass Co Ltd | 含フッ素共重合体 |
WO1999067333A1 (fr) * | 1998-06-23 | 1999-12-29 | Asahi Glass Company Ltd. | Materiau de couverture agricole |
JP2001223011A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-17 | Daikin Ind Ltd | 非水電解液電池用結着剤およびそれを用いた電池電極合剤、並びに非水電解液電池 |
JP2002037818A (ja) * | 2000-05-18 | 2002-02-06 | Nippon Mektron Ltd | 含フッ素共重合体とその製造方法 |
JP2002525401A (ja) * | 1998-09-28 | 2002-08-13 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | 迅速に架橋可能なフッ素ゴムの製造方法 |
-
2000
- 2000-10-04 JP JP2000305071A patent/JP4797235B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52134696A (en) * | 1976-05-04 | 1977-11-11 | Asahi Glass Co Ltd | Preparation of fluorine-containing elastomers |
JPS57109810A (en) * | 1980-12-26 | 1982-07-08 | Asahi Glass Co Ltd | Copolymer giving fluorine-containing elastomer with cold and alcohol resistance |
JPS6422908A (en) * | 1987-07-17 | 1989-01-25 | Nippon Mektron Kk | Production of fluorine-containing elastic copolymer |
JPS6440550A (en) * | 1987-08-07 | 1989-02-10 | Asahi Chemical Ind | Fluororubber composition |
JPH05222126A (ja) * | 1992-02-14 | 1993-08-31 | Nippon Mektron Ltd | パ−オキサイド加硫可能な含フッ素エラストマ−の製造方法 |
JPH05295038A (ja) * | 1992-04-21 | 1993-11-09 | Daikin Ind Ltd | 低温成形用フッ素樹脂 |
JPH072947A (ja) * | 1993-06-17 | 1995-01-06 | Daikin Ind Ltd | 耐寒・耐アルコール性含フッ素弾性状共重合体 |
JPH08157539A (ja) * | 1994-12-06 | 1996-06-18 | Daikin Ind Ltd | 低温シール性に優れたフッ素ゴム共重合体及びその硬化用組成物 |
US5856417A (en) * | 1996-10-29 | 1999-01-05 | Asahi Glass Company Ltd. | Fluorine-containing copolymer |
JPH11171934A (ja) * | 1996-10-29 | 1999-06-29 | Asahi Glass Co Ltd | 含フッ素共重合体 |
WO1999067333A1 (fr) * | 1998-06-23 | 1999-12-29 | Asahi Glass Company Ltd. | Materiau de couverture agricole |
JP2002525401A (ja) * | 1998-09-28 | 2002-08-13 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | 迅速に架橋可能なフッ素ゴムの製造方法 |
JP2001223011A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-17 | Daikin Ind Ltd | 非水電解液電池用結着剤およびそれを用いた電池電極合剤、並びに非水電解液電池 |
JP2002037818A (ja) * | 2000-05-18 | 2002-02-06 | Nippon Mektron Ltd | 含フッ素共重合体とその製造方法 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004009661A1 (ja) * | 2002-07-24 | 2004-01-29 | Daikin Industries, Ltd. | フッ素ゴム共重合体 |
US6864336B2 (en) | 2002-09-12 | 2005-03-08 | 3M Innovative Properties Company | Fluoroelastomers having low temperature characteristics and solvent resistance |
US7148300B2 (en) | 2002-09-12 | 2006-12-12 | 3M Innovative Properties Company | Fluoroelastomers with improved permeation resistance and method for making the same |
US6846880B2 (en) | 2002-10-11 | 2005-01-25 | 3M Innovative Properties Company | Fluoropolymer compositions |
US6956085B2 (en) | 2003-02-14 | 2005-10-18 | 3M Innovative Properties Company | Fluoroelastomer compositions |
WO2005097846A1 (ja) * | 2004-04-07 | 2005-10-20 | Daikin Industries, Ltd. | 含フッ素エラストマー重合体及びその製造方法 |
JP2005336338A (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Japan Atom Energy Res Inst | 架橋した燃料電池電解質膜 |
JP4710027B2 (ja) * | 2004-05-27 | 2011-06-29 | 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 | 架橋した燃料電池電解質膜 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4797235B2 (ja) | 2011-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3327016B2 (ja) | 低温シール性に優れたフッ素ゴム共重合体及びその硬化用組成物 | |
JP3508136B2 (ja) | 含フッ素弾性状共重合体、それを含む硬化用組成物およびそれから製造したシール材 | |
JP5321580B2 (ja) | 含フッ素弾性共重合体及び製造方法 | |
US7947791B2 (en) | Fluorinated polymer | |
JP4218207B2 (ja) | 成形用材料 | |
JP5092184B2 (ja) | フルオロポリマーの製造法 | |
JP5644502B2 (ja) | 含フッ素弾性共重合体、その製造方法および架橋ゴム | |
US20040092684A1 (en) | Peroxide curable fluoroelastomers | |
US20070100062A1 (en) | Process for the manufacture of fluoroelastomers having bromine or lodine atom cure sites | |
EP2655441B1 (en) | Low viscosity fluoroelastomers | |
JP5962188B2 (ja) | 含フッ素エラストマーの製造法 | |
JP2007056215A (ja) | パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム | |
JP4797235B2 (ja) | 含フッ素エラストマー | |
JP2017193682A (ja) | エラストマー組成物 | |
WO2004009647A1 (ja) | 含フッ素ポリマーの製造方法 | |
JPH0157125B2 (ja) | ||
JP2008303321A (ja) | 燃料ホース成形用含フッ素エラストマー組成物 | |
JPH08157538A (ja) | 低温性に優れたフッ素ゴム共重合体及びその硬化用組成物 | |
JP2000230096A (ja) | 含フッ素共重合体組成物 | |
JP7161137B2 (ja) | 電気化学デバイス用被圧縮部材 | |
JP3278979B2 (ja) | 耐寒・耐アルコール性含フッ素弾性状共重合体 | |
JP2005350490A (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
JP2013014785A (ja) | パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム | |
EP3532541A1 (en) | Fluoroelastomer composition |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071001 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090812 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090818 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091009 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20100514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100824 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101022 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20101118 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20101119 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110705 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110718 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4797235 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |