JP2008303321A - 燃料ホース成形用含フッ素エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】押出成形により燃料ホースを成形した場合にあっても、押し出し後のチューブ表面に粗れがみられず、その調製が容易な含フッ素エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】含臭素および/またはヨウ素含有架橋点形成化合物の存在下で、含フッ素オレフィンおよび炭素数4〜9の含フッ素ジエン化合物を共重合させて得られたパーオキサイド架橋可能な含フッ素エラストマー100重量部当り、トリアリルイソシアヌレート0.1〜10重量部を含有してなる含フッ素エラストマー組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】含臭素および/またはヨウ素含有架橋点形成化合物の存在下で、含フッ素オレフィンおよび炭素数4〜9の含フッ素ジエン化合物を共重合させて得られたパーオキサイド架橋可能な含フッ素エラストマー100重量部当り、トリアリルイソシアヌレート0.1〜10重量部を含有してなる含フッ素エラストマー組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、燃料ホース成形用含フッ素エラストマー組成物に関する。更に詳しくは、押出成形性に優れる燃料ホース成形用含フッ素エラストマー組成物に関する。
フッ素ゴムは、耐熱性、耐薬品性等の点で他のゴムと比して卓越した性能を有しているため、各種工業分野で使用されており、その加硫系は、ポリアミン加硫、ポリオール加硫、パーオキサイド架橋などの方法があるが、中でもパーオキサイド架橋はヨウ素、臭素などの架橋点が存在すれば、モノマー構成に拘らず容易に架橋が可能であり、近年ますます過酷になつてきている使用条件に対応するため盛んに検討されている。
一方で、燃料ホースなど押出加工によって成形が行われる分野では、良好な成形加工性に対する要求がますます高まっているのが現状である。
かかる要求に対して、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの物性を維持しつつ、流動性・押出加工性を改善させるべく、含フッ素エラストマーの分子量分布を多ピーク型にして、成形加工性を向上させることが提案されている。
特許2,580,299号公報
特許2,549,255号公報
特許3,001,755号公報
しかしながら、これらの方法では、たとえば下記のような問題点があった。
1) シャープなピークを持った多ピーク型の分子量分布にするため、フルオロエラストマーの重合を、懸濁重合により長時間(通常10時間程度以上)にわたって行う必要があり、経済性の観点で問題があった。
2) Mw/Mnが4を超えており、分子量分布が広くなった結果、低分子量成分および超高分子量成分が相対的に多く含有され、押出特性等の加工性と加硫物物性の両方を同時に満足させることが困難な場合があった。これは低分子量成分が多いと押出特性等の加工性は向上するが、物性の低下をもたらし、また超高分子量成分が多いと前記と逆の関係をもたらすためである。
1) シャープなピークを持った多ピーク型の分子量分布にするため、フルオロエラストマーの重合を、懸濁重合により長時間(通常10時間程度以上)にわたって行う必要があり、経済性の観点で問題があった。
2) Mw/Mnが4を超えており、分子量分布が広くなった結果、低分子量成分および超高分子量成分が相対的に多く含有され、押出特性等の加工性と加硫物物性の両方を同時に満足させることが困難な場合があった。これは低分子量成分が多いと押出特性等の加工性は向上するが、物性の低下をもたらし、また超高分子量成分が多いと前記と逆の関係をもたらすためである。
一方、下記特許文献4には、Mw/Mnが2〜4であり、特定の極限粘度と分子量分布を有するフッ素系エラストマーが、加工性と物性とのバランスに優れたエラストマーであることが記載されているが、加工特性として特に重要な押出加工性および押出肌特性に関しては、何ら記載されていない。
特許2,874,900号公報
また、下記特許文献5では、特定のゲル成分含有高分子量含フッ素エラストマーと、特定の低分子量含フッ素エラストマーとをブレンドして、押出特性などの加工性を改善しているが、この手法では2種類のラテックスを作製しなければならず、作業負荷が大きい。
特開2002−037965号公報
本発明の目的は、押出成形により燃料ホースを成形した場合にあっても、押し出し後のチューブ表面に粗れがみられず、その調製が容易な含フッ素エラストマー組成物を提供することにある。
かかる本発明の目的は、含臭素および/またはヨウ素含有架橋点形成化合物の存在下で、含フッ素オレフィンおよび炭素数4〜9の含フッ素ジエン化合物を共重合させて得られたパーオキサイド架橋可能な含フッ素エラストマー100重量部当り、トリアリルイソシアヌレート0.1〜10重量部を含有してなる含フッ素エラストマー組成物によって達成される。
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、含フッ素エラストマーとして含臭素および/またはヨウ素含有架橋点形成化合物の存在下で、含フッ素オレフィンおよび炭素数4〜9の含フッ素ジエン化合物を共重合させて得られたパーオキサイド架橋可能な含フッ素エラストマーを用いているため、分子量分布の調整などの煩雑な操作を必要とはせず、その調製が簡単であり、またこの組成物を押出成形により成形した場合にも、押し出し後のチューブ表面に粗れがみられず、押出肌が良好な燃料ホースを成形することができる。
本発明の含フッ素エラストマーは、過酸化物を遊離基発生源としてラジカル重合によって製造される。含フッ素エラストマーは、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレン、ジフルオロブロモエチレン等の含フッ素オレフィンの少くとも一種を、含臭素および/またはヨウ素化合物等の存在下に重合させて得られたものであり、そこにはエチレン、プロピレン等をさらに共重合させることもできる。ここで、パーフルオロビニルエーテルとしては、例えば次のような化合物が挙げられる。
CF2=CFOCF3
CF2=CFOC2F5
CF2=CFOC3F7
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]1〜4CF3
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]1〜4C3F7
CF2=CFO(CF2)nOCF3
CF2=CFOCF2CF2O(CF2O)nCF3
CF2=CFOCF3
CF2=CFOC2F5
CF2=CFOC3F7
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]1〜4CF3
CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]1〜4C3F7
CF2=CFO(CF2)nOCF3
CF2=CFOCF2CF2O(CF2O)nCF3
より具体的には、フッ化ビニリデンと他の含フッ素単量体との共重合体、例えばフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロペン-テトラフルオロエチレン3元共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルプロプロペン共重合体等やテトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等が挙げられる。
含フッ素エラストマー中には、共重合体中約0.001〜1モル%、好ましくは約0.1〜0.5モル%の含フッ素ジエン化合物が共重合される。共重合割合がこれよりも少ないと、混練加工性が悪化し、押出成形時の押出肌に粗れがみられるようになり、また得られる架橋物の耐圧縮永久歪特性も悪化し、一方共重合割合がこれよりも多いと、ポリマーコストが高くなる。
この含フッ素ジエン化合物としては、下記特許文献6に記載される如き炭素数4〜9の含フッ素ジエンの少くとも1種、例えばCF2=CF-、CF2=CH-またはCF2=CFO-を一方の末端不飽和基とするもの、具体的にはCF2=CFCF=CF2、CF2=CF(CF2)4CF=CF2、CF2=CFCH=CF2、CF2=CHCH=CF2、CF2=CF(CF2)2CF=CF2、CF2=CFO(CF2)2OCF=CF2、CF2=CFO(CF2)2OCF2CF(CF3)OCF=CF2、CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF=CF2等、好ましくはCF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF=CF2またはCF2=CFO(CF2)2OCF=CF2が用いられる。
特開昭55−108410号公報
また、含フッ素エラストマー中には、飽和または不飽和の含臭素および/またはヨウ素化合物が架橋点を形成させるのに用いられる。
含臭素化合物としては、例えば臭化ビニル、1-ブロモ-2,2-ジフルオロエチレン、パーフルオロアリルブロマイド、4-ブロモ-1,1,2-トリフルオロブテン、4-ブロモ-3,3,4,4-テトラフルオロブテン、4-ブロモ-1,1,3,3,4,4-ヘキサフルオロブテン、ブロモトリフルオロエチレン、4-ブロモ-1,1,3,3,4,4-ペンタフルオロブテン、6-ブロモ-5,5,6,6-テトラフルオロヘキセン、4-ブロモパーフルオロブテン-1、3,3-ジフルオロアリルブロマイド等の臭素化ビニル化合物または臭素化オレフィンが挙げられる。
含ヨウ素臭素化合物としては、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン、1-ブロモ-3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブタン、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロ(2-メチルプロパン)、モノブロモモノヨードパーフルオロシクロブタン、モノブロモモノヨードパーフルオロペンタン、モノブロモモノヨードパーフルオロ-n-オクタン、モノブロモモノヨードパーフルオロシクロヘキサン、1-ブロモ-1-ヨ−ド-2-クロロパーフルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-2-クロロパーフルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ-2-クロロパーフルオロエタン、1,1-ジブロモ-2-ヨ−ドパーフルオロエタン、1,2-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン、1,2-ジヨード-2-ブロモパーフルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1,2,2-トリフルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ1,2,2-トリフルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1,1-ジフルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ-1,1-ジフルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1-フルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ-1-フルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン、1-ヨード-2-ブロモ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン、1-ブロモ-2-ヨード3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタン、1-ヨード-2-ブロモ-3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタン、1,4-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロブタン、2,4-ジブロモ-1-ヨードパーフルオロブタン、1,4-ジヨード-2-ブロモパーフルオロブタン、1,4-ジブロモ-2-ヨード-3,3,4,4-テトラフルオロブタン、1,4-ジヨード-2-ブロモ-3,3,4,4-テトラフルオロブタン、1,1-ジブロモ-2,4-ジヨードパーフルオロブタン、1-ブロモ-2-ヨード-1-クロロエタン、1-ヨード-2-ブロモ-1-クロロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-2-クロロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1,1-ジクロロエタン、1,3-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロプロパン、2,3-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロプロパン、1,3-ジヨード-2-ブロモパーフルオロプロパン、1-ブロモ-2-ヨードエタン、1-ブロモ-2-ヨードプロパン、1-ヨード-2-ブロモプロパン、1-ブロモ-2-ヨードブタン、1-ヨード-2-ブロモブタン、1-ブロモ-2-ヨード-2-トリフルオルメチル-3,3,3-トリフルオロプロパン、1-ヨード-2-ブロモ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロパン、1-ブロモ-2-ヨード-2-フェニルパーフルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ-2-フェニルパーフルオロエタンなどが挙げられる。
また含ヨウ素化合物としては、例えば1,2-ジヨードテトラフルオロエタン、1,3-ジヨードヘキサフルオロプロパン、1,4-ジヨードオクタフルオロブタン、ヨードパーフルオロエチレン、ヨード-1,1-ジフルオロエチレン、ヨードエチレン、2-ヨードパーフルオロエチルビニルエーテル、1,7-ジヨードパーフルオロ-n-オクタン、1,12-ジヨードパーフルオロドデカン、1,16-ジヨードパーフルオロヘキサデカン、1,3-ジヨード-2-クロロパーフルオロ-n-プロパン、1,5-ジヨード-2,4-ジクロロパーフルオロ-n-ペンタン等の飽和または不飽和の含ヨウ素化合物が挙げられる。
これらの含ヨウ素および/または臭素化合物は、重合反応の際有機過酸化物ラジカル発生源の作用により、容易にヨウ素および/または臭素をラジカル開裂させ、そこに生じたラジカルの反応性が高いためモノマーが付加成長反応し、しかる後に含ヨウ素および/または臭素化合物からヨウ素および/または臭素を引き抜くことによって反応を停止させ、飽和の含ヨウ素および/または臭素化合物を用いた場合には、分子末端にヨウ素および/または臭素が結合した含フッ素エラストマーを与える。
これらの含臭素および/またはヨウ素架橋点形成化合物存在下での含フッ素モノオレフィンおよび含フッ素ジエン化合物の共重合反応は、一般的に行われている重合開始剤存在下でのランダム共重合反応によって行われる。したがって、共重合反応の反応生成物は、含フッ素モノオレフィンと含フッ素ジエン化合物とのランダム共重合体である。
含フッ素エラストマーは、乳化重合、懸濁重合、溶液重合のいずれの方法でも製造できるが、高分子量の共重合体を得ることおよび経済性の観点から好ましくは乳化重合法が用いられる。
乳化重合は、遊離基発生剤として過硫酸アンモニウムのような水溶性過酸化物を用いて行われる。また、亜硫酸ナトリウムのような還元剤と併用したレドックス系を用いることもできる。乳化剤としては、パーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロノナン酸アンモニウム、パーフルオロヘプタン酸アンモニウム、その他含フッ素化合物のアンモニウム塩やナトリウム塩などが用いられる。また、重合系内のpHを調整するために、リン酸塩、ホウ酸塩など緩衝能を有する電解質を共存させることもできる。重合反応は、0〜100℃、10MPa以下の圧力で行われる。
以上により得られた含フッ素エラストマーは、パーオキサイド架橋法によって硬化される。
パーオキサイド架橋法に用いられる有機過酸化物としては、例えば2,5-ジメチル-2,5-ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4-ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ第3ブチルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、第3ブチルパーオキシベンゼン、1,1-ビス(第3ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキサイド、α,α′-ビス(第3ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が、含フッ素エラストマー100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合で用いられる。
パーオキサイド架橋に際しては、多官能性不飽和化合物共架橋剤であるトリアリルイソシアヌレートが、含フッ素エラストマー100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合で用いられる。これ以下の使用割合では、架橋密度が低く、圧縮永久歪が悪化するようになり、一方これ以上の割合で用いられると、伸びが低下するようになる。
また、架橋助剤として2価金属の酸化物または水酸化物、例えばカルシウム、マグネシウム、鉛、亜鉛などの酸化物または水酸化物を、含フッ素エラストマー100重量部当り約15重量部以下の割合で用いることもできる。これらの化合物は、受酸剤としても作用する。
以上の架橋系各成分は、そのまま含フッ素エラストマーに配合するか、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、けいそう土、硫酸バリウムなどで希釈するなどして用いられる。
以上の各成分よりなる組成物中には、さらに必要に応じて他の配合剤、例えば補強剤、充填剤、受酸剤、老化防止剤、滑剤、可塑剤、顔料等が添加され、ロール、密閉式混練機等で混練した後、帯状に長く切り出して、押し出し成形機にかけることによりホースへの成形が行われ、その後一般に用いられている架橋条件に従って、通常約100〜250℃で約1〜120分間程度の一次架橋および約150〜300℃で約0〜30時間程度のオーブン架橋(二次架橋)によって燃料ホースの製造がが行われる。なお、一次架橋は、加圧水蒸気によっても行われる。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例1
内容積10Lのオートクレーブ中に、脱イオン水4000ml、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン6.0g、パーフルオロオクタン酸アンモニウム54.0g、リン酸水素二ナトリウム・12水和物4.5g、含フッ素ジエン化合物(DVE3PO)15g、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)136gおよびテトラフルオロエチレン130gを仕込み、温度を50℃に保ちながら、脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム4.5gおよび亜硫酸ナトリウム0.1gを圧入器で仕込み、反応を開始させた。圧力が1.0〜0.9MPaの範囲で、テトラフルオロエチレン〔TFE〕/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔FMVE〕(モル比65/35)混合ガスを7時間添加した。反応終了後、得られた水性乳濁液に5%カリミョウバン水溶液を添加して生成重合体を凝析し、次いで水洗、乾燥して、1480gのゴム状重合体(ポリマーA;組成TFE/FMVE/DVE3POモル比=65/34.9/0.1)を得た。ここで、含フッ素ジエン化合物(DVE3PO)としては、次の化合物が用いられた。
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF=CF2
内容積10Lのオートクレーブ中に、脱イオン水4000ml、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン6.0g、パーフルオロオクタン酸アンモニウム54.0g、リン酸水素二ナトリウム・12水和物4.5g、含フッ素ジエン化合物(DVE3PO)15g、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)136gおよびテトラフルオロエチレン130gを仕込み、温度を50℃に保ちながら、脱イオン水に溶解した過硫酸アンモニウム4.5gおよび亜硫酸ナトリウム0.1gを圧入器で仕込み、反応を開始させた。圧力が1.0〜0.9MPaの範囲で、テトラフルオロエチレン〔TFE〕/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔FMVE〕(モル比65/35)混合ガスを7時間添加した。反応終了後、得られた水性乳濁液に5%カリミョウバン水溶液を添加して生成重合体を凝析し、次いで水洗、乾燥して、1480gのゴム状重合体(ポリマーA;組成TFE/FMVE/DVE3POモル比=65/34.9/0.1)を得た。ここで、含フッ素ジエン化合物(DVE3PO)としては、次の化合物が用いられた。
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF=CF2
参考例2
参考例1において含フッ素ジエン化合物を添加しない以外は、同様の重合を行い1500gのゴム状重合体(ポリマーB;組成TFE/FMVEモル比=65/35)を得た。
参考例1において含フッ素ジエン化合物を添加しない以外は、同様の重合を行い1500gのゴム状重合体(ポリマーB;組成TFE/FMVEモル比=65/35)を得た。
参考例3
内容積10Lのオートクレーブ中に、脱イオン水4500ml、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン12.0gおよびパーフルオロオクタン酸アンモニウム23.0gを仕込み、内部空間を窒素ガスで十分置換した後、フッ化ビニリデン〔VdF〕/ヘキサフルオロプロペン〔HFP〕/テトラフルオロエチレン〔TFE〕(モル比35/45/20)混合ガスを、内圧が0.8MPaになるまで圧入した。その後、1-ジフルオロ-2-ブロモエチレン6.5gおよび含フッ素ジエンポリマー(DVE3PO)6.5gを圧入し、内温を50℃まで昇温させた。そこに、過硫酸アンモニウム10g、硫酸第1鉄・7水和物1.0gおよび亜硫酸ナトリウム1.Ogをそれぞれ脱イオン水に溶解させて圧入した後、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン/テトラフルオロエチレン(モル比52/27/21)混合ガスを内圧が1.8MPaになるまで圧入し、重合反応を開始させた。反応開始と共に直ちに圧力低下が起こるため、内圧が1.7MPaまで低下した時点で、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン/テトラフルオロエチレン(モル比52/27/21)混合ガスを1.8MPaまで再加圧し、以下同様にして1.7〜1.8MPaの圧力を維持しながら重合反応を継続した。反応終了後、得られた水性乳濁液に5%カリミョウバン水溶液を添加して生成重合体を凝析し、次いで水洗、乾燥して、1250gのゴム状重合体(ポリマーC;組成VdF/HFP/TFE/DVE3POモル比=65/17/17.8/0.2)を得た。
内容積10Lのオートクレーブ中に、脱イオン水4500ml、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン12.0gおよびパーフルオロオクタン酸アンモニウム23.0gを仕込み、内部空間を窒素ガスで十分置換した後、フッ化ビニリデン〔VdF〕/ヘキサフルオロプロペン〔HFP〕/テトラフルオロエチレン〔TFE〕(モル比35/45/20)混合ガスを、内圧が0.8MPaになるまで圧入した。その後、1-ジフルオロ-2-ブロモエチレン6.5gおよび含フッ素ジエンポリマー(DVE3PO)6.5gを圧入し、内温を50℃まで昇温させた。そこに、過硫酸アンモニウム10g、硫酸第1鉄・7水和物1.0gおよび亜硫酸ナトリウム1.Ogをそれぞれ脱イオン水に溶解させて圧入した後、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン/テトラフルオロエチレン(モル比52/27/21)混合ガスを内圧が1.8MPaになるまで圧入し、重合反応を開始させた。反応開始と共に直ちに圧力低下が起こるため、内圧が1.7MPaまで低下した時点で、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン/テトラフルオロエチレン(モル比52/27/21)混合ガスを1.8MPaまで再加圧し、以下同様にして1.7〜1.8MPaの圧力を維持しながら重合反応を継続した。反応終了後、得られた水性乳濁液に5%カリミョウバン水溶液を添加して生成重合体を凝析し、次いで水洗、乾燥して、1250gのゴム状重合体(ポリマーC;組成VdF/HFP/TFE/DVE3POモル比=65/17/17.8/0.2)を得た。
参考例4
参考例2において含フッ素ジエン化合物を添加しない以外は、同様の重合を行い1500gのゴム状重合体(ポリマーD;組成VdF/HFP/TFEモル比=65/17/18)を得た。
参考例2において含フッ素ジエン化合物を添加しない以外は、同様の重合を行い1500gのゴム状重合体(ポリマーD;組成VdF/HFP/TFEモル比=65/17/18)を得た。
実施例1
含フッ素エラストマーA 100部(重量、以下同じ)、MTカーボンブラック(キャンキャブ製品サーマックスN990)20部、トリアリルイソシアヌレート(日本化成製品タイクM-60:60%含有物)4部、水酸化カルシウム(近代化学工業製品カルビット)5部および有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ25B-40;2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン40%含有物)2部を、1Lニーダおよびオープンロールを用いて混練した。混練したものを用いて、押出肌(押出成形性)の評価が行われた。押出肌は、東測精密工業製品エクストルーダー(D=25mm、L/D=15)および口径4mmのダイスを用い、スクリュー温度80℃、ヘッド温度110℃、スクリュー回転数40rpmの条件下でチューブ状物を押出した際の表面肌のきめの細かさを目視により確認し、下記の基準により評価した。
A:表面が滑らかで、光沢がある
B:表面が滑らかだが、光沢がない
C:表面が粗く、ザラザラしている
D:表面が粗く、ザラザラしており、やや波打っている
E:表面が粗く、ザラザラしており、波打ちも激しい
含フッ素エラストマーA 100部(重量、以下同じ)、MTカーボンブラック(キャンキャブ製品サーマックスN990)20部、トリアリルイソシアヌレート(日本化成製品タイクM-60:60%含有物)4部、水酸化カルシウム(近代化学工業製品カルビット)5部および有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ25B-40;2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン40%含有物)2部を、1Lニーダおよびオープンロールを用いて混練した。混練したものを用いて、押出肌(押出成形性)の評価が行われた。押出肌は、東測精密工業製品エクストルーダー(D=25mm、L/D=15)および口径4mmのダイスを用い、スクリュー温度80℃、ヘッド温度110℃、スクリュー回転数40rpmの条件下でチューブ状物を押出した際の表面肌のきめの細かさを目視により確認し、下記の基準により評価した。
A:表面が滑らかで、光沢がある
B:表面が滑らかだが、光沢がない
C:表面が粗く、ザラザラしている
D:表面が粗く、ザラザラしており、やや波打っている
E:表面が粗く、ザラザラしており、波打ちも激しい
次に、得られた混練物について、180℃、10分間のプレス架橋および200℃、6時間の二次架橋を行ない、シート状およびO-リング状のテストピースを架橋成形した。架橋シートについては、硬さ(JIS K-6253準拠)、破断強度・破断伸び(JIS K-6251準拠)の測定を行い、O-リングについては、圧縮永久歪(JIS K-6262準拠;25%圧縮、200℃、70時間)の測定を行った。
比較例1
実施例1において、含フッ素エラストマーAの代わりに含フッ素エラストマーBが同量用いられた。
実施例1において、含フッ素エラストマーAの代わりに含フッ素エラストマーBが同量用いられた。
実施例2
実施例1において、含フッ素エラストマーAの代わりに含フッ素エラストマーCが同量用いられた。
実施例1において、含フッ素エラストマーAの代わりに含フッ素エラストマーCが同量用いられた。
比較例2
実施例1において、含フッ素エラストマーAの代わりに含フッ素エラストマーDが同量用いられた。
実施例1において、含フッ素エラストマーAの代わりに含フッ素エラストマーDが同量用いられた。
以上の各実施例および比較例における測定結果は、次の表に示される。
表
測定項目 実1 比1 実2 比2
硬度(デュロA) 80 79 78 78
破断強度(MPa) 18.4 18.0 16.3 15.0
破断伸び(%) 170 160 250 260
圧縮永久歪(%) 25 30 27 33
押出肌 A C A C
表
測定項目 実1 比1 実2 比2
硬度(デュロA) 80 79 78 78
破断強度(MPa) 18.4 18.0 16.3 15.0
破断伸び(%) 170 160 250 260
圧縮永久歪(%) 25 30 27 33
押出肌 A C A C
Claims (3)
- 含臭素および/またはヨウ素含有架橋点形成化合物の存在下で、含フッ素オレフィンおよび炭素数4〜9の含フッ素ジエン化合物を共重合させて得られたパーオキサイド架橋可能な含フッ素エラストマー100重量部当り、トリアリルイソシアヌレート0.1〜10重量部を含有してなる燃料ホース成形用含フッ素エラストマー組成物。
- 含フッ素ジエン化合物が、CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF=CF2またはCF2=CFO(CF2)2OCF=CF2である請求項1記載の燃料ホース成形用含フッ素エラストマー組成物。
- 請求項1または2記載の含フッ素エラストマー組成物から架橋成形された燃料ホース。
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JP2007152712A JP2008303321A (ja) | 2007-06-08 | 2007-06-08 | 燃料ホース成形用含フッ素エラストマー組成物 |
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2007
- 2007-06-08 JP JP2007152712A patent/JP2008303321A/ja active Pending
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WO2020251055A1 (ja) * | 2019-06-14 | 2020-12-17 | ダイキン工業株式会社 | 電気化学デバイス用被圧縮部材 |
JP7323822B2 (ja) | 2019-06-14 | 2023-08-09 | ダイキン工業株式会社 | 電気化学デバイス用被圧縮部材 |
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