JP2002097329A - 含フッ素共重合体組成物 - Google Patents
含フッ素共重合体組成物Info
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Abstract
有する含フッ素エラストマーおよびフッ素樹脂よりなる
含フッ素共重合体組成物であって、補強剤となる無機充
填剤を添加しない場合にあっても、機械的特性、特に耐
圧縮永久歪特性にすぐれた架橋成形品を与え得るものを
提供する。 【解決手段】 共通の架橋剤と反応する反応点をそれぞ
れに有する含フッ素エラストマーおよびフッ化ビニリデ
ン-テトラフルオロエチレン共重合体であるフッ素樹脂
よりなる含フッ素共重合体組成物。
Description
組成物に関する。更に詳しくは、含フッ素エラストマー
とフッ素樹脂よりなる含フッ素共重合体組成物に関す
る。
性、耐薬品性などにすぐれており、それの加硫成形品
は、オイルシール、Oリング、パッキン、ガスケット等
の各種シール材として広く用いられている。しかしなが
ら、含フッ素エラストマーの架橋成形品にシール材とし
て実用上十分な硬さ、強度および耐圧縮永久歪特性を付
与するためには、カーボンブラック、シリカ等の補強性
充填剤の配合が不可欠であった。
ル材の中でも、半導体製造装置、医療用材料、食品工業
などの用途に用いられるものについては、これらのシー
ル材と接する製品や製品原材料などを汚染することが望
ましくないため、無機充填剤、受酸剤、架橋促進剤、着
色剤等の各種無機添加剤の配合が好ましくない場合もみ
られる。
性にすぐれ、また機械的強度にすぐれた架橋成形性を与
え得る含フッ素共重合体組成物として、共通の架橋剤と
反応する反応点をそれぞれに有する含フッ素エラストマ
ーおよびフッ素樹脂よりなる含フッ素共重合体組成物を
提案している(特開平11-315180号公報)。
が導入されたフッ素樹脂として、フッ化ビニリデンおよ
びテトラフルオロエチレンよりなる群から選ばれた少く
とも一種の単量体と、ヘキサフルオロプロペン、クロロ
トリフルオロエチレンおよび炭素数1〜3の低級アルキル
基を有するパーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)
よりなる群から選ばれた少くとも一種の単量体との共重
合体などが好んで用いられている。
の架橋剤と反応する反応点をそれぞれに有する含フッ素
エラストマーおよびフッ素樹脂よりなる含フッ素共重合
体組成物であって、補強剤となる無機充填剤を添加しな
い場合にあっても、機械的特性、特に耐圧縮永久歪特性
にすぐれた架橋成形品を与え得るものを提供することに
ある。
共通の架橋剤と反応する反応点をそれぞれに有する含フ
ッ素エラストマーおよびフッ化ビニリデン-テトラフル
オロエチレン共重合体であるフッ素樹脂よりなる含フッ
素共重合体組成物によって達成される。
ストマーとしては、分子内にフッ素原子を有する弾性状
重合体であって、フッ化ビニリデン[VdF]およびテトラ
フルオロエチレン[TFE]なる群から選ばれた少くとも一
種の単量体と、含フッ素重合体に弾性を付与するヘキサ
フルオロプロペン[HFP]、クロロトリフルオロエチレン
[CTFE]、パーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)[F
AVE]およびプロピレン[P]なる群から選ばれた少くとも
一種の単量体との共重合体を含む、公知のすべての含フ
ッ素エラストマーを用いることができる。
FP3元共重合体、VdF-FAVE共重合体、VdF-TFE-FAVE3元共
重合体、VdF-CTFE共重合体、VdF-TFE-CTFE3元共重合
体、TFE-P共重合体、TFE-VdF-P3元共重合体、TFE-FAVE
共重合体等が挙げられ、FAVEとしては好ましくはパーフ
ルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE)が用いられる。ま
た、これらの共重合体または3元共重合体に、エチレン
やアルキルビニルエーテル等を更に共重合させたものを
用いることもできる。これらの含フッ素エラストマーの
中で、フッ素樹脂と組成物を形成し、最も良好な耐圧縮
永久歪特性を示すものはVdF-TFE-FAVE3元共重合体であ
る。
れる、架橋剤と反応する反応点は、いずれの架橋系を選
択するかによって決定される。架橋系としては、パーオ
キサイド架橋、ポリオール架橋、アミン架橋、イソシア
ネート架橋、エポキシ架橋等従来公知の架橋系から選択
することが可能であるが、好ましくはパーオキサイド架
橋系が用いられる。
は、含フッ素エラストマー中にヨウ素基、臭素基、ペル
オキシ基、不飽和基等の官能性基が結合されていること
が必要であるが、官能性基導入の容易性からヨウ素基お
よび/または臭素基の選択が好ましい。
によって含フッ素エラストマーを製造するに際し、反応
系内に一般式 InBrmR (ここで、Rは炭素数1〜10のフル
オロ炭化水素基、クロロフルオロ炭化水素基、クロロ炭
化水素基または炭化水素基であり、nおよびmはいずれも
1または2である)で表わされる含ヨウ素臭素化合物を共
存させることによって行われる。かかる含ヨウ素臭素化
合物としては、飽和または不飽和の、脂肪族または芳香
族の化合物であって、好ましくはnおよびmがそれぞれ1
のものが使用される。
ば1-ブロモ-2-ヨードテトラフルオロエタン、1-ブロモ-
3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパ
ーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブ
タン、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロ(2-メチルプロパ
ン)、モノブロモモノヨードパーフルオロシクロブタ
ン、モノブロモモノヨードパーフルオロペンタン、モノ
ブロモモノヨードパーフルオロ-n-オクタン、モノブロ
モモノヨードパーフルオロシクロヘキサン、1-ブロモ-1
-ヨ−ド-2-クロロパーフルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨ
ード-2-クロロパーフルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ
-2-クロロパーフルオロエタン、1,1-ジブロモ-2-ヨ−ド
パーフルオロエタン、1,2-ジブロモ-2-ヨードパーフル
オロエタン、1,2-ジヨード-2-ブロモパーフルオロエタ
ン、1-ブロモ-2-ヨード-1,2,2-トリフルオロエタン、1-
ヨード-2-ブロモ-1,2,2-トリフルオロエタン、1-ブロモ
-2-ヨード-1,1-ジフルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ-
1,1-ジフルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1-フルオロ
エタン、1-ヨード-2-ブロモ-1-フルオロエタン、1-ブロ
モ-2-ヨード-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン、1-ヨ
ード-2-ブロモ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン、1-
ブロモ-2-ヨード-3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタン、1-
ヨード-2-ブロモ-3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタン、1,
4-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロブタン、2,4-ジブロ
モ-1-ヨードパーフルオロブタン、1,4-ジヨード-2-ブロ
モパーフルオロブタン、1,4-ジブロモ-2-ヨード-3,3,4,
4-テトラフルオロブタン、1,4-ジヨード-2-ブロモ-3,3,
4,4-テトラフルオロブタン、1,1-ジブロモ-2,4-ジヨー
ドパーフルオロブタン、1-ブロモ-2-ヨード-1-クロロエ
タン、1-ヨード-2-ブロモ-1-クロロエタン、1-ブロモ-2
-ヨード-2-クロロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1,1-ジク
ロロエタン、1,3-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロプロ
パン、2,3-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロプロパン、
1,3-ジヨード-2-ブロモパーフルオロプロパン、1-ブロ
モ-2-ヨードエタン、1-ブロモ-2-ヨードプロパン、1-ヨ
ード-2-ブロモプロパン、1-ブロモ-2-ヨードブタン、1-
ヨード-2-ブロモブタン、1-ブロモ-2-ヨード-2-トリフ
ルオルメチル-3,3,3-トリフルオロプロパン、1-ヨード-
2-ブロモ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプ
ロパン、1-ブロモ-2-ヨード-2-フェニルパーフルオロエ
タン、1-ヨード-2-ブロモ-2-フェニルパーフルオロエタ
ン、3-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、3-ヨー
ド-4-ブロモパーフルオロブテン-1、1-ブロモ-4-ヨード
パーフルオロブテン-1、1-ヨード-4-ブロモパーフルオ
ロブテン-1、3-ブロモ-4-ヨード-3,4,4-トリフルオロブ
テン-1、4-ブロモ-3-ヨード-3,4,4-トリフルオロブテン
-1、3-ブロモ-4-ヨード-1,1,2-トリフルオロブテン-1、
4-ブロモ-5-ヨードパーフルオロペンテン-1、4-ヨード-
5-ブロモパーフルオロペンテン-1、4-ブロモ-5-ヨード-
1,1,2-トリフルオロペンテン-1、4-ヨード-5-ブロモ-1,
1,2-トリフルオロペンテン-1、1-ブロモ-2-ヨードパー
フルオロエチルパーフルオロメチルエーテル、1-ブロモ
-2-ヨードパーフルオロエチルパーフルオロエチルエー
テル、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエチルパーフル
オロプロピルエーテル、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオ
ロプロピルパーフルオロビニルエーテル、1-ブロモ-2-
ヨードパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテ
ル、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエチルパーフルオ
ロアリルエーテル、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエ
チルメチルエーテル、1-ヨード-2-ブロモパーフルオロ
エチルエチルエーテル、1-ヨード-2-ブロモエチルエチ
ルエーテル、1-ブロモ-2-ヨードエチル-2′-クロロエチ
ルエーテル等が挙げられる。これらの含ヨウ素臭素化合
物は、適宜公知の方法により製造することができ、例え
ば含フッ素オレフィンに臭化ヨウ素を反応させることに
より、モノブロモモノヨード含フッ素オレフィンが得ら
れる。
は、例えばベンゼンの1-ヨード-2-ブロモ、1-ヨード-3-
ブロモ、1-ヨード-4-ブロモ、3,5-ジブロモ-1-ヨード、
3,5-ジヨード-1-ブロモ、1-(2-ヨードエチル)-4-(2-ブ
ロモエチル)、1-(2-ヨードエチル)-3-(2-ブロモエチ
ル)、1-(2-ヨードエチル)-4-(2-ブロモエチル)、3,5-ビ
ス(2-ブロモエチル)-1-(2-ヨードエチル)、3,5-ビス(2-
ヨードエチル)-1-(2-ブロモエチル)、1-(3-ヨードプロ
ピル)-2-(3-ブロモプロピル)、1-(3-ヨードプロピル)-3
-(3-ブロモプロピル)、1-(3-ヨードプロピル)-4-(3-ブ
ロモプロピル)、3,5-ビス(3-ブロモプロピル)-1-(3-ヨ
ードプロピル)、1-(4-ヨードブチル)-3-(4-ブロモブチ
ル)、1-(4-ヨードブチル)-4-(4-ブロモブチル)、3,5-ビ
ス(4-ヨードブチル)-1-(4-ブロモブチル)、1-(2-ヨード
エチル)-3-(3-ブロモプロピル)、1-(3-ヨードプロピル)
-3-(4-ブロモブチル)、3,5-ビス(3-ブロモプロピル)-1-
(2-ヨードエチル)、1-ヨード-3-(2-ブロモエチル)、1-
ヨード-3-(3-ブロモプロピル)、1,3-ジヨード-5-(2-ブ
ロモエチル)、1,3-ジヨード-5-(3-ブロモプロピル)、1-
ブロモ-3-(2-ヨードエチル)、1-ブロモ-3-(3-ヨードプ
ロピル)、1,3-ジブロモ-5-(2-ヨードエチル)、1,3-ジブ
ロモ-5-(3-ヨードプロピル)などの各置換体、パーフル
オロベンゼンの1-ヨード-2-ブロモ、1-ヨード-3-ブロ
モ、1-ヨード-4-ブロモ、3,5-ジブロモ-1-ヨード、3,5-
ジヨード-1-ブロモ等の各置換体が用いられる。
って含フッ素エラストマーを製造するに際し、反応系内
に一般式 RIn (ここで、Rは炭素数1〜10のフルオロ炭化
水素基、クロロフルオロ炭化水素基、クロロ炭化水素基
または炭化水素基であり、nは1または2である)で表わさ
れる飽和または不飽和の含ヨウ素化合物を共存させるこ
とによって行われる。
物としては、例えば1,2-ジヨードパーフルオロエタン、
1,3-ジヨードパーフルオロプロパン、1,4-ジヨードパー
フルオロブタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、
1,8-ジヨードパーフルオロオクタン等が挙げられ、好ま
しくは1,4-ジヨードパーフルオロブタンが用いられる。
また、不飽和含ヨウ素化合物としては、例えばヨードト
リフルオロエチレン、1-ヨード-2,2-ジフルオロエチレ
ン、パーフルオロ(2-ヨードエチルビニルエーテル)等
が挙げられる。
て含フッ素エラストマーを製造するに際し、反応系内に
飽和または不飽和の含臭素フッ素化化合物を共存させる
ことによって行われる。これらの含臭素フッ素化化合物
は、分子内に更に塩素原子を含むことができる。
えば1,2-ジブロモ-1-フルオロエタン、1,2-ジブロモ-1,
1-ジフルオロエタン、1,2-ジブロモ-1,1,2-トリフルオ
ロエタン、1,2-ジブロモ-1-クロロトリフルオロエタ
ン、2,3-ジブロモ-1,1,1-トリフルオロプロパン、1,2-
ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,2-ジブロモパーフ
ルオロブタン、1,4-ジブロモパーフルオロブタン、1,4-
ジブロモ-2-クロロ-1,1,2-トリフルオロブタン、1,6-ジ
ブロモパーフルオロヘキサン等の炭素数2〜10の飽和脂
肪族化合物、2-ブロモ-1,1-ジフルオロエチレン、1,1-
ジブロモジフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチ
レン、2-ブロモ-3,3,3-トリフルオロプロペン、4-ブロ
モ-1,1,2-トリフルオロブテン-1、4-ブロモ-3-クロロ-
3,4,4-トリフルオロブテン-1等の炭素数2〜10の不飽和
脂肪族化合物、あるいは1,2-ジブロモ-3,5-ジフルオロ
ベンゼン、1,2-ジブロモ-4,5-ジフルオロベンゼン、1,4
-ジブロモ-2,5-ジフルオロベンゼン、2,4-ジブロモ-1-
フルオロベンゼン、1,3-ジブロモ-5-フルオロベンゼ
ン、1,4-ジブロモ-2-フルオロベンゼン、1,2-ジブロモ
パーフルオロベンゼン、1,3-ジブロモパーフルオロベン
ゼン、1,4-ジブロモパーフルオロベンゼン等の芳香族化
合物が用いられる。
有化合物は、単独または組合せて用いられるが、その選
択は含フッ素エラストマーをフッ素樹脂とブレンドし、
架橋成形する際の架橋条件やこれらの化合物の反応性な
どを考慮して決定される。
は、含フッ素共重合体組成物の加工性や機械的諸特性を
考慮して決定されるが、分子量の指標としての還元粘度
ηsp/cが、約0.3〜1.5dl/g、好ましくは約0.4〜1.3dl/g
を有することが望ましい。
量の含フッ素エラストマーを得るためには、必要に応じ
て重合反応時にマロン酸エチル、アセトン、イソプロパ
ノール等の連鎖移動剤が用いられるが、含ヨウ素臭素化
合物が用いられる場合には、それ自体連鎖移動作用を有
するので、特別な場合を除き、連鎖移動剤の添加は不要
である。
反応は、乳化重合、けん濁重合、溶液重合、塊状重合等
の任意の重合法によって行うことができるが、重合度を
高めかつ経済性の面からは乳化重合法が好ましい。乳化
重合反応は、過硫酸アンモニウム等の水溶性無機過酸化
物またはそれと還元剤とのレドックス系を触媒として、
パーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロヘ
プタン酸アンモニウム、パーフルオロノナン酸アンモニ
ウム等またはそれらの混合物、好ましくはパーフルオロ
オクタン酸アンモニウムを乳化剤に用いて、一般に圧力
約0〜10MPa・G、好ましくは約1〜5MPa・G、温度約0〜10
0℃、好ましくは約20〜80℃の条件下で行われる。その
際、重合系内のpHを調節するために、Na2HPO4、NaH2P
O4、KH2PO4等の緩衝能を有する電解質物質あるいは水酸
化ナトリウムを添加して用いてもよい。
ッ素樹脂としては、含フッ素エラストマーと共通の架橋
剤と反応する反応点を有するVdF-TFE共重合体であっ
て、その共重合比VdF/TFEが99/1〜1/99モル%、好ましく
は97/3〜10/90モル%、さらに好ましくは90/10〜65/35モ
ル%のものが用いられる。VdFの共重合割合がこれ以上で
は架橋成形品の引張強さの改善が少なく、一方これ以下
では耐圧縮永久歪特性が低下するようになる。
の共重合性を有する単量体、例えばFAVE、CTFE、HFP、
プロピレン、エチレン等を共重合させることもでき、そ
の共重合割合は得られる含フッ素共重合体組成物に求め
られる性質を阻害しない範囲内、一般には約30モル%以
下である。
キサイド架橋性反応点の導入は、VdF-TFE共重合体を製
造する重合反応の際に、前記含ヨウ素臭素化合物InBrmR
および/または前記含ヨウ素化合物RInを反応系に共存
させることによって行われる。
は、含フッ素エラストマーの場合と同様に、乳化重合法
によって行われることが好ましい。得られるVdF-TFE共
重合体の分子量は、その指標としての極限粘度〔η〕が
約0.5dl/g以上、好ましくは約0.8dl/g以上であることが
望ましい。これ以下の値では、含フッ素共重合体組成物
の架橋成形品の強度改善効果が小さくなる。
成物の製造は、含フッ素エラストマー水性ラテックスと
VdF-TFE共重合体水性ラテックスとを混合するいわゆる
ラテックスブレンド法によって行われることが好まし
い。
とは、前者が約95〜55%、好ましくは約90〜60%、また後
者が約5〜45%、好ましくは約10〜40%となるような重量
比でブレンドされる。VdF-TFE共重合体のブレンド割合
がこれより少ないと、含フッ素エラストマーの物性改善
効果が少なく、一方これより多い割合でブレンドされる
と、耐圧縮永久歪特性が低下するようになる。
離された含フッ素エラストマーとVdF-TFE共重合体と
を、ミキシングロール、ニーダ、バンバリーミキサ等で
混合、混練することによって行うこともできるが、いず
れも乳化重合法で得られた含フッ素エラストマーの水性
ラテックスとVdF-TFE共重合体の水性ラテックスとを、
所望の固形分ブレンド割合になるような割合でラテック
スブレンドし、それを凝析、洗浄および乾燥する方法を
とった方が、(a)凝析、洗浄および乾燥が1回で済む、
(b)混練時間が短かい、(c)含フッ素エラストマーのVdF-
TFE共重合体への分散性が向上するなどの利点がもたら
される。なお、水性ラテックスの凝析は、塩化カルシウ
ム、塩化ナトリウム、カリミョウバン等の塩類水溶液中
に、水性ラテックスを滴下することにより行われる。
合体のブレンド物の架橋成形は、これら2種類の含フッ
素ポリマーに導入された反応点の種類に応じた架橋剤を
用いることによって行われる。
合体中に、それぞれ約0.005〜0.050ミリモル/gポリマ
ー、好ましくは約0.01〜0.04ミリモル/gポリマーの割合
で導入されたヨウ素基あるいはこのような割合のヨウ素
基と共に約0.005〜0.050ミリモル、好ましくは約0.01〜
0.04ミリモル/gポリマーの割合で導入された臭素基が存
在する場合には、有機過酸化物が架橋剤として用いられ
る。
ル-2,5-ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメ
チル-2,5-ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ベン
ゾイルパーオキサイド、ビス(2,4-ジクロロベンゾイル)
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ第3ブチ
ルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、
第3ブチルパーオキシベンゼン、1,1-ビス(第3ブチルパ
ーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメ
チルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキサイド、α,α
´-ビス(第3ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベン
ゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサン、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
トが用いられる。
て例えばトリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリアリ
ルトリメリテート、N,N′-m-フェニレンビスマレイミ
ド、ジアリルフタレート、トリス(ジアリルアミン)-s-
トリアジン、亜リン酸トリアリル、1,2-ポリブタジエ
ン、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート等の多官能性不飽和化合物共架
橋剤が併用されることが好ましい。
各成分は、ブレンド物100重量部当り、有機過酸化物が
約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合
で、また共架橋剤が約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5
〜5重量部の割合でそれぞれ用いられる。
ダ、バンバリーミキサ等を用いて混練され、組成物が調
製される。調製された組成物は、プレス成形機を用い
て、約150〜220℃で約0.5〜10分間程度加熱することに
より架橋成形されるが、必要に応じて約150〜250℃で約
1〜20時間二次架橋が行われる。
は、共通の架橋剤と反応する反応点を有する含フッ素エ
ラストマーとVdF-TFE共重合体とを混合するだけで、特
に補強性の無機充填剤を添加しない場合にあっても、良
好な機械的特性、特に耐圧縮永久歪特性にすぐれた架橋
成形品を与えることができ、またコストパーフォマンス
の点でもすぐれている。
レーブ内を攪拌すると、オートクレーブ内温度は50℃に
昇温した。この時点で、過硫酸アンモニウム1.46gを加
えて重合反応を開始させ、24時間反応を継続してオート
クレーブ内のゲージ圧力が0であることを確認した後、
オートクレーブの内温を室温迄冷却した。得られたラテ
ックスを1重量%塩化カルシウム水溶液で塩析し、乾燥さ
せて、白色の含フッ素エラストマー1485g(重合率99%)を
得た。
レーブ内を攪拌し、さらにオートクレーブ内温が70℃に
なる迄昇温した。このときのオートクレーブの内圧は2.
4MPa・Gであった。この時点で、過硫酸アンモニウム2.0
gを加えて重合反応を開始させた。反応が始まり、オー
トクレーブの内圧が2.3MPa・Gに降下したら、VdF/TFE=7
8.5/21.5(モル%)の混合ガスをオートクレーブ内に圧入
し、内圧を2.4MPa・Gに戻した。
分濃度が30重量%になる迄くり返し、所定の固形分濃度
になったら、直ちにオートクレーブ内の未反応ガスをパ
ージして、反応を停止させた。得られたラテックスの一
部を1重量%塩化カルシウム水溶液で塩析し、乾燥させて
重合率をみると、その値は85%であった。
(89.9モル%)、TFE78g(10.1モル%)に、また重合反応開始
後に仕込む混合ガス組成をVdF/TFE=89.9/10.1(モル%)に
それぞれ変更した。
(65.6モル%)、TFE234g(34.4モル%)に、また重合反応開
始後に仕込む混合ガス組成をVdF/TFE=65.6/34.4(モル%)
にそれぞれ変更した。
ル6.0gが用いられた。
元共重合体またはVdF-TFE共重合体について、共重合組
成(19F-NMRによる)、融点(DSC法による)、ヨウ素および
臭素含有量(元素分析による)および還元粘度ηsp/c(1%
メチルエチルケトン溶媒;35℃)または極限粘度〔η〕
(0.25〜1.0%ジメチルホルムアミド溶媒;35℃)をそれぞ
れ測定した。得られた結果は、次の表1に示される。 表1 共重合組成(モル%) 融点 I含有 Br含有 ηsp/c 〔η〕参考例 VdF TFE FMVE (℃) (mM/g) (mM/g) (dl/g) (dl/g) 1 73 10 17 - 0.01 0.03 1.0 - 2 80 20 - 135 0.02 0.02 - 1.0 3 90 10 - 140 0.02 0.02 - 0.90 4 65 35 - 150 0.02 0.02 - 1.1 5 90 10 - 134 - - - 0.97
参考例2で得られたVdF-TFE共重合体ラテックスとを、そ
れらの固形分重量比が90/10になるように混合し、撹拌
した後、この混合水性ラテックスを1重量%塩化カルシウ
ム水溶液で塩析し、水洗、乾燥して、含フッ素共重合体
組成物Aを得た。
2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン0.
5重量部およびトリアリルイソシアヌレート4重量部を加
えてロール混練し、混練物について180℃、5分間のプレ
ス架橋および200℃、4時間のオーブン架橋を行って、シ
ートおよびOリングを架橋成形し、得られた架橋成形品
について、次の各項目の測定を行った。 常態物性: 硬さ(ショアーA) ASTM D-2240-81準拠 引張強さ ASTM D-412-83準拠 伸び ASTM D-412-83準拠 圧縮永久歪: 線径3.5mmのOリングを、50℃、100℃、150℃または200
℃でいずれも70時間25%圧縮したものについて測定
たものに変更された。
たものに変更された。
例1の含フッ素エラストマーが単体で用いられた。
参考例5で得られたものが用いられた。この場合には、
得られた架橋シートに不均一な縞模様がみられた。
結果は、次の表2に示される。 表2 測定項目 実-1 実-2 実-3 実-4 実-5 比-1 比-2 [常態物性] 硬さ (ショアーA) 55 64 70 63 65 48 63 引張強さ (MPa) 9.8 15.2 17.7 11.2 18.1 3.7 13.8 伸び (%) 400 500 470 440 480 360 470 [圧縮永久歪] 50℃、 (%) 21 20 25 22 26 22 30 100℃ (%) 25 24 26 25 25 26 27 150℃ (%) 38 22 27 25 33 41 30 200℃ (%) 39 29 32 34 36 63 43
Claims (8)
- 【請求項1】 共通の架橋剤と反応する反応点をそれぞ
れに有する含フッ素エラストマーおよびフッ化ビニリデ
ン-テトラフルオロエチレン共重合体であるフッ素樹脂
よりなる含フッ素共重合体組成物。 - 【請求項2】 含フッ素エラストマーがフッ化ビニリデ
ン-テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビ
ニルエーテル)3元共重合体である請求項1記載の含フッ
素共重合体組成物。 - 【請求項3】 パーオキサイド系架橋剤と反応する反応
点をそれぞれに有する請求項1または2記載の含フッ素
共重合体組成物。 - 【請求項4】 パーオキサイド系架橋剤と反応する反応
点がヨウ素および/または臭素基である請求項3記載の
含フッ素共重合体組成物。 - 【請求項5】 請求項1または2記載の含フッ素共重合
体組成物およびパーオキサイド系架橋剤を含有してなる
架橋性組成物。 - 【請求項6】 無機充填剤を含有しない請求項5記載の
架橋性組成物。 - 【請求項7】 請求項5または6記載の架橋性組成物を
架橋成形して得られたシール材。 - 【請求項8】 共通の架橋剤と反応する架橋点をそれぞ
れに有する含フッ素エラストマーおよびフッ化ビニリデ
ン-テトラフルオロエチレン共重合体とをそれぞれ水性
ラテックスとして混合し、共凝析させることを特徴とす
る含フッ素共重合体組成物の製造法。
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