JP2001011272A - 含フッ素重合体組成物 - Google Patents

含フッ素重合体組成物

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JP2001011272A
JP2001011272A JP11188833A JP18883399A JP2001011272A JP 2001011272 A JP2001011272 A JP 2001011272A JP 11188833 A JP11188833 A JP 11188833A JP 18883399 A JP18883399 A JP 18883399A JP 2001011272 A JP2001011272 A JP 2001011272A
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fluorine
fluororesin
copolymer
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JP11188833A
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Takashi Enokida
貴司 榎田
Yasunari Yanai
康徳 谷内
Okimasa Yamada
起正 山田
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Nippon Mektron KK
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Nippon Mektron KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮永久歪特性や機械的特性にすぐれた軟質
のフッ素樹脂が比較的簡便かつ廉価に得られる含フッ素
重合体組成物を提供する。 【解決手段】 架橋点を導入しないフッ素樹脂95〜40重
量%および架橋剤と反応する反応点を有する含フッ素エ
ラストマー5〜60重量%よりなる含フッ素重合体組成物ま
たは共通の架橋剤と反応する反応点をそれぞれに有する
フッ素樹脂95〜55重量%および含フッ素エラストマー5〜
45重量%よりなる含フッ素重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素重合体組
成物に関する。更に詳しくは、フッ素樹脂と含フッ素エ
ラストマーよりなる含フッ素重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、耐薬品性、耐油性、耐候
性などにすぐれているため、その成形品は産業用から家
庭用に至る迄幅広く用いられている。中でも、軟質フッ
素樹脂は、その柔軟性の故に、シール材、チューブ・ホ
ース類、ライニング材、建材、電線被覆材等の分野への
有効利用の期待が高まっている。
【0003】一般に、汎用樹脂の柔軟化には可塑剤が用
いられているが、フッ素樹脂の場合には相溶性が良好で
かつ工業的に入手可能な可塑剤というものが知られてい
ない。柔軟化のために、フッ素ゴムセグメントへフッ素
樹脂セグメントをグラフト共重合させる方法(特開昭58-
206615号公報)やブロック共重合させる方法(同53-3495
号公報)は有効な手法であるが、これらは多段重合法に
よっており、生産コストの点で問題がある。
【0004】こうした方法とは別に、含フッ素エラスト
マーとして広く用いられているフッ化ビニリデン[VdF]-
テトラフルオロエチレン[TFE]-ヘキサフルオロプロペン
[HFP]3元共重合体において、ヘキサフルオロプロペン含
量を低下させると共重合体に結晶性が付与され、柔軟な
フッ素樹脂としての性質を持つようになることが知られ
ている。
【0005】中でも、VdF/TFE/HFP=10〜45/50〜85/5〜4
0重量%(15.0〜56.9/40.4〜81.8/2.7〜28.9モル%に相当)
の共重合組成を有する3元共重合体は、公報に具体的に
例示された共重合体の場合、それは未架橋では熱可塑性
材料としての性質を示し、またそれを架橋させることに
より熱硬化性材料として使用できるとされている(特開
昭52-22084号公報)。しかしながら、前記共重合組成領
域、特にヘキサフルオロプロペン含量の低い結晶性領域
の3元共重合体は、未架橋、架橋に拘らず圧縮永久歪特
性が悪く、シール材への適用を困難なものとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは先に、共
通の架橋剤と反応する反応点をそれぞれに有する含フッ
素エラストマーおよびフッ素樹脂よりなる含フッ素共重
合体組成物を提案しているが(特願平11-8644号)、それ
の目的とするところは含フッ素エラストマーのロール加
工性と機械的特性を改善することにあり、そのためその
ブレンド比も含フッ素エラストマーが主であってフッ素
樹脂は従であり、フッ素樹脂の改良については何ら言及
されていない。
【0007】本発明の目的とするところは、圧縮永久歪
特性や機械的特性にすぐれた軟質のフッ素樹脂が比較的
簡便かつ廉価に得られる含フッ素重合体組成物を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
架橋点を導入しないフッ素樹脂95〜40重量%および架橋
剤と反応する反応点を有する含フッ素エラストマー5〜6
0重量%よりなる含フッ素重合体組成物または共通の架橋
剤と反応する反応点をそれぞれに有するフッ素樹脂95〜
55重量%および含フッ素エラストマー5〜45重量%よりな
る含フッ素重合体組成物によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】フッ素樹脂としては、その分子内
にフッ素原子を有し、室温以上、好ましくは120℃以
上、特に好ましくは140℃以上の軟化点を有するフッ素
樹脂として公知の重合体をいずれも用いることができ
る。例えば、TFE単独重合体、TFE-HFP共重合体、TFE-FA
VE〔パーフルオロ低級(アルキルビニルエーテル)〕共
重合体、CTFE(クロロトリフルオロエチレン)単独重合
体、VdF単独重合体、VF(フッ化ビニル)単独重合体、E
(エチレン)-TFE共重合体、E-CTFE共重合体、VdF-HFP共
重合体、VdF-TFE-HFP3元共重合体,VdF-FAVE共重合体、V
dF-CTFE共重合体等の室温以上に軟化点を有する重合体
が用いられる。
【0010】フッ素樹脂としては、含フッ素エラストマ
ーと共通の架橋剤と反応する反応点を有するものも用い
られる。フッ素樹脂分子内に含フッ素エラストマーと共
通の架橋剤と反応する反応点を導入するかしないかの選
択は、圧縮永久歪特性を重視するかあるいは架橋成形体
の再成形性を重視するかで決定される。
【0011】即ち、フッ素樹脂に架橋剤と反応する反応
点を導入し、含フッ素エラストマーと共架橋させた場合
には、圧縮永久歪特性は良好になるが、再成形は困難と
なる。一方、フッ素樹脂に架橋点を導入せず、ブレンド
された含フッ素エラストマー部分のみを架橋させた場合
には、圧縮永久歪特性は多少劣るが、再成形性が良好な
成形品が得られるようになる。
【0012】フッ素樹脂に架橋剤と反応する反応点を導
入し、それの架橋系としてポリオール架橋系を選択する
場合には、後記含フッ素エラストマーの場合と同様に、
脱HF化反応し得る反応点を分子中に存在させていること
が必要であり、好ましくはVdF-HFP共重合体、VdF-TFE-H
FP3元共重合体等が用いられる。例えばVdF-HFP共重合体
の場合には、共重合体中のHFPの共重合割合が約1〜10モ
ル%、好ましくは約1〜5モル%であることが架橋速度の点
などからみて望ましい。パーオキサイド架橋系を選択す
る場合には、その選択の自由度は広くなり、前記の如き
フッ素樹脂として公知の重合体をいずれも用いることが
できる。
【0013】このような室温以上の軟化点を有するフッ
素樹脂中へのパーオキサイド架橋性反応点の導入は、フ
ッ素樹脂を製造する重合反応の際に、後記含ヨウ素臭素
化合物InBrmRおよび/または後記含ヨウ素化合物RInを
反応系に共存させることによって行われる。
【0014】フッ素樹脂を得るための重合反応は、後記
含フッ素エラストマーの場合と同様に、乳化重合法によ
って行われることが好ましい。得られるフッ素樹脂の分
子量は、その指標としての溶液粘度ηsp/cが約0.4〜3dl
/g、好ましくは約0.7〜2.5dl/gであることからも分るよ
うに、含フッ素エラストマーの場合よりも、分子量が高
くとも加工性への悪影響の程度は小さく、機械的諸特性
の点からは適当に分子量が高い方が良い。
【0015】フッ素樹脂とブレンドされる含フッ素エラ
ストマーとしては、分子内にフッ素原子を有する弾性状
重合体であって、好ましくはフッ化ビニリデン(VdF)お
よびテトラフルオロエチレン(TFE)なる群から選ばれた
少くとも一種の単量体と、含フッ素重合体に弾性を付与
するヘキサフルオロプロペン(HFP)、クロロトリフルオ
ロエチレン(CTFE)、パーフルオロ(低級アルキルビニル
エーテル)(FAVE)およびプロピレン(P)なる群から選ばれ
た少くとも一種の単量体との共重合体を含む、公知のす
べての含フッ素エラストマーを用いることができる。
【0016】具体的には、VdF-HFP共重合体、VdF-TFE-H
FP3元共重合体、VdF-FAVE共重合体、VdF-TFE-FAVE3元共
重合体、VdF-CTEF共重合体、VdF-TFE-CTFE3元共重合
体、VdF-TFE-CTFE-FAVE4元共重合体、TFE-P共重合体、T
FE-VdF-P3元共重合体、TFE-FAVE共重合体等が挙げら
れ、FAVEとしては好ましくはパーフルオロ(メチルビニ
ルエーテル)(FMVE)が用いられる。また、これらの共重
合体または3元共重合体に、エチレンやアルキルビニル
エーテル等を更に共重合させたものを用いることもでき
る。
【0017】これらの含フッ素エラストマー中に導入さ
れる、架橋剤と反応する反応点は、いずれの架橋系を選
択するかによって決定される。架橋系としては、パーオ
キサイド架橋、ポリオール架橋、アミン架橋、イソシア
ネート架橋、エポキシ架橋等従来公知の架橋系から選択
することが可能であるが、好ましくはパーオキサイド架
橋系またはポリオール架橋系が用いられる。
【0018】パーオキサイド架橋系を選択する場合に
は、含フッ素エラストマー中にヨウ素基、臭素基、ペル
オキシ基、不飽和基等の官能性基が結合されていること
が必要であるが、官能性基導入の容易性からヨウ素基お
よび/または臭素基の選択が好ましい。
【0019】ヨウ素および臭素基の導入は、共重合反応
によって含フッ素エラストマーを製造するに際し、反応
系内に一般式 InBrmR (ここで、Rは炭素数1〜10のフル
オロ炭化水素基、クロロフルオロ炭化水素基、クロロ炭
化水素基または炭化水素基であり、nおよびmはいずれも
1または2である)で表わされる含ヨウ素臭素化合物を共
存させることによって行われる。かかる含ヨウ素臭素化
合物としては、飽和または不飽和の、脂肪族または芳香
族の化合物であって、好ましくはnおよびmがそれぞれ1
のものが使用される。
【0020】鎖状の含ヨウ素臭素化合物としては、例え
ば1-ブロモ-2-ヨードテトラフルオロエタン、1-ブロモ-
3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパ
ーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブ
タン、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロ(2-メチルプロパ
ン)、モノブロモモノヨードパーフルオロシクロブタ
ン、モノブロモモノヨードパーフルオロペンタン、モノ
ブロモモノヨードパーフルオロ-n-オクタン、モノブロ
モモノヨードパーフルオロシクロヘキサン、1-ブロモ-1
-ヨ−ド-2-クロロパーフルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨ
ード-2-クロロパーフルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ
-2-クロロパーフルオロエタン、1,1-ジブロモ-2-ヨ−ド
パーフルオロエタン、1,2-ジブロモ-2-ヨードパーフル
オロエタン、1,2-ジヨード-2-ブロモパーフルオロエタ
ン、1-ブロモ-2-ヨード-1,2,2-トリフルオロエタン、1-
ヨード-2-ブロモ-1,2,2-トリフルオロエタン、1-ブロモ
-2-ヨード-1,1-ジフルオロエタン、1-ヨード-2-ブロモ-
1,1-ジフルオロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1-フルオロ
エタン、1-ヨード-2-ブロモ-1-フルオロエタン、1-ブロ
モ-2-ヨード-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン、1-ヨ
ード-2-ブロモ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン、1-
ブロモ-2-ヨード-3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタン、1-
ヨード-2-ブロモ-3,3,4,4,4-ペンタフルオロブタン、1,
4-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロブタン、2,4-ジブロ
モ-1-ヨードパーフルオロブタン、1,4-ジヨード-2-ブロ
モパーフルオロブタン、1,4-ジブロモ-2-ヨード-3,3,4,
4-テトラフルオロブタン、1,4-ジヨード-2-ブロモ-3,3,
4,4-テトラフルオロブタン、1,1-ジブロモ-2,4-ジヨー
ドパーフルオロブタン、1-ブロモ-2-ヨード-1-クロロエ
タン、1-ヨード-2-ブロモ-1-クロロエタン、1-ブロモ-2
-ヨード-2-クロロエタン、1-ブロモ-2-ヨード-1,1-ジク
ロロエタン、1,3-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロプロ
パン、2,3-ジブロモ-2-ヨードパーフルオロプロパン、
1,3-ジヨード-2-ブロモパーフルオロプロパン、1-ブロ
モ-2-ヨードエタン、1-ブロモ-2-ヨードプロパン、1-ヨ
ード-2-ブロモプロパン、1-ブロモ-2-ヨードブタン、1-
ヨード-2-ブロモブタン、1-ブロモ-2-ヨード-2-トリフ
ルオルメチル-3,3,3-トリフルオロプロパン、1-ヨード-
2-ブロモ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプ
ロパン、1-ブロモ-2-ヨード-2-フェニルパーフルオロエ
タン、1-ヨード-2-ブロモ-2-フェニルパーフルオロエタ
ン、3-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、3-ヨー
ド-4-ブロモパーフルオロブテン-1、1-ブロモ-4-ヨード
パーフルオロブテン-1、1-ヨード-4-ブロモパーフルオ
ロブテン-1、3-ブロモ-4-ヨード-3,4,4-トリフルオロブ
テン-1、4-ブロモ-3-ヨード-3,4,4-トリフルオロブテン
-1、3-ブロモ-4-ヨード-1,1,2-トリフルオロブテン-1、
4-ブロモ-5-ヨードパーフルオロペンテン-1、4-ヨード-
5-ブロモパーフルオロペンテン-1、4-ブロモ-5-ヨード-
1,1,2-トリフルオロペンテン-1、4-ヨード-5-ブロモ-1,
1,2-トリフルオロペンテン-1、1-ブロモ-2-ヨードパー
フルオロエチルパーフルオロメチルエーテル、1-ブロモ
-2-ヨードパーフルオロエチルパーフルオロエチルエー
テル、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエチルパーフル
オロプロピルエーテル、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオ
ロプロピルパーフルオロビニルエーテル、1-ブロモ-2-
ヨードパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテ
ル、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエチルパーフルオ
ロアリルエーテル、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエ
チルメチルエーテル、1-ヨード-2-ブロモパーフルオロ
エチルエチルエーテル、1-ヨード-2-ブロモエチルエチ
ルエーテル、1-ブロモ-2-ヨードエチル-2′-クロロエチ
ルエーテル等が挙げられる。これらの含ヨウ素臭素化合
物は、適宜公知の方法により製造することができ、例え
ば含フッ素オレフィンに臭化ヨウ素を反応させることに
より、モノブロモモノヨード含フッ素オレフィンが得ら
れる。
【0021】また、芳香族の含ヨウ素臭素化合物として
は、例えばベンゼンの1-ヨード-2-ブロモ、1-ヨード-3-
ブロモ、1-ヨード-4-ブロモ、3,5-ジブロモ-1-ヨード、
3,5-ジヨード-1-ブロモ、1-(2-ヨードエチル)-4-(2-ブ
ロモエチル)、1-(2-ヨードエチル)-3-(2-ブロモエチ
ル)、1-(2-ヨードエチル)-4-(2-ブロモエチル)、3,5-ビ
ス(2-ブロモエチル)-1-(2-ヨードエチル)、3,5-ビス(2-
ヨードエチル)-1-(2-ブロモエチル)、1-(3-ヨードプロ
ピル)-2-(3-ブロモプロピル)、1-(3-ヨードプロピル)-3
-(3-ブロモプロピル)、1-(3-ヨードプロピル)-4-(3-ブ
ロモプロピル)、3,5-ビス(3-ブロモプロピル)-1-(3-ヨ
ードプロピル)、1-(4-ヨードブチル)-3-(4-ブロモブチ
ル)、1-(4-ヨードブチル)-4-(4-ブロモブチル)、3,5-ビ
ス(4-ヨードブチル)-1-(4-ブロモブチル)、1-(2-ヨード
エチル)-3-(3-ブロモプロピル)、1-(3-ヨードプロピル)
-3-(4-ブロモブチル)、3,5-ビス(3-ブロモプロピル)-1-
(2-ヨードエチル)、1-ヨード-3-(2-ブロモエチル)、1-
ヨード-3-(3-ブロモプロピル)、1,3-ジヨード-5-(2-ブ
ロモエチル)、1,3-ジヨード-5-(3-ブロモプロピル)、1-
ブロモ-3-(2-ヨードエチル)、1-ブロモ-3-(3-ヨードプ
ロピル)、1,3-ジブロモ-5-(2-ヨードエチル)、1,3-ジブ
ロモ-5-(3-ヨードプロピル)などの各置換体、パーフル
オロベンゼンの1-ヨード-2-ブロモ、1-ヨード-3-ブロ
モ、1-ヨード-4-ブロモ、3,5-ジブロモ-1-ヨード、3,5-
ジヨード-1-ブロモ等の各置換体が用いられる。
【0022】また、ヨウ素基の導入は、共重合反応によ
って含フッ素エラストマーを製造するに際し、反応系内
に一般式 RIn (ここで、Rは炭素数1〜10のフルオロ炭化
水素基、クロロフルオロ炭化水素基、クロロ炭化水素基
または炭化水素基であり、nは1または2である)で表わさ
れる飽和または不飽和の含ヨウ素化合物を共存させるこ
とによって行われる。
【0023】上記一般式で表わされる飽和含ヨウ素化合
物としては、例えば1,2-ジヨードパーフルオロエタン、
1,3-ジヨードパーフルオロプロパン、1,4-ジヨードパー
フルオロブタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、
1,8-ジヨードパーフルオロオクタン等が挙げられ、好ま
しくは1,4-ジヨードパーフルオロブタンが用いられる。
また、不飽和含ヨウ素化合物としては、例えばヨードト
リフルオロエチレン、1-ヨード-2,2-ジフルオロエチレ
ン、パーフルオロ(2-ヨードエチルビニルエーテル)等
が挙げられる。
【0024】更に、臭素基の導入は、共重合反応によっ
て含フッ素エラストマーを製造するに際し、反応系内に
飽和または不飽和の含臭素フッ素化化合物を共存させる
ことによって行われる。これらの含臭素フッ素化化合物
は、分子内に更に塩素原子を含むことができる。
【0025】かかる含臭素フッ素化化合物としては、例
えば1,2-ジブロモ-1-フルオロエタン、1,2-ジブロモ-1,
1-ジフルオロエタン、1,2-ジブロモ-1,1,2-トリフルオ
ロエタン、1,2-ジブロモ-1-クロロトリフルオロエタ
ン、2,3-ジブロモ-1,1,1-トリフルオロプロパン、1,2-
ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,2-ジブロモパーフ
ルオロブタン、1,4-ジブロモパーフルオロブタン、1,4-
ジブロモ-2-クロロ-1,1,2-トリフルオロブタン、1,6-ジ
ブロモパーフルオロヘキサン等の炭素数2〜10の飽和脂
肪族化合物、2-ブロモ-1,1-ジフルオロエチレン、1,1-
ジブロモジフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチ
レン、2-ブロモ-3,3,3-トリフルオロプロペン、4-ブロ
モ-1,1,2-トリフルオロブテン-1、4-ブロモ-3-クロロ-
3,4,4-トリフルオロブテン-1等の炭素数2〜10の不飽和
脂肪族化合物、あるいは1,2-ジブロモ-3,5-ジフルオロ
ベンゼン、1,2-ジブロモ-4,5-ジフルオロベンゼン、1,4
-ジブロモ-2,5-ジフルオロベンゼン、2,4-ジブロモ-1-
フルオロベンゼン、1,3-ジブロモ-5-フルオロベンゼ
ン、1,4-ジブロモ-2-フルオロベンゼン、1,2-ジブロモ
パーフルオロベンゼン、1,3-ジブロモパーフルオロベン
ゼン、1,4-ジブロモパーフルオロベンゼン等の芳香族化
合物が用いられる。
【0026】これらのヨウ素基および/または臭素基含
有化合物は、単独または組合せて用いられるが、その選
択は含フッ素エラストマーをフッ素樹脂とブレンドし、
架橋成形する際の架橋条件やこれらの化合物の反応性な
どを考慮して決定される。
【0027】また、ポリオール架橋系を選択する場合に
は、含フッ素エラストマー中に、脱HF化反応して分子内
二重結合を形成し得る反応点が存在することが必要であ
る。このような反応点は、-CF2-CF(CF3)-CH2-CF2-〔HFP
-VdFシーケンス〕結合であって、それを脱HF化反応する
ことにより、-CF2-C(CF3)=CH-CF2-結合を形成させる。
【0028】用いられる含フッ素エラストマーの分子量
は、含フッ素共重合体組成物の加工性や機械的諸特性を
考慮して決定されるが、分子量の指標としての溶液粘度
ηsp/cが、約0.3〜1.5dl/g、好ましくは約0.4〜1.3dl/g
を有することが望ましい。
【0029】このような範囲の溶液粘度に相当する分子
量の含フッ素エラストマーを得るためには、必要に応じ
て重合反応時にマロン酸エチル、アセトン、イソプロパ
ノール等の連鎖移動剤が用いられるが、含ヨウ素臭素化
合物が用いられる場合には、それ自体連鎖移動作用を有
するので、特別な場合を除き、連鎖移動剤の添加は不要
である。
【0030】含フッ素エラストマー製造のための共重合
反応は、乳化重合、けん濁重合、溶液重合、塊状重合等
の任意の重合法によって行うことができるが、重合度を
高めかつ経済性の面からは乳化重合法が好ましい。乳化
重合反応は、過硫酸アンモニウム等の水溶性無機過酸化
物またはそれと還元剤とのレドックス系を触媒として、
パーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロヘ
プタン酸アンモニウム、パーフルオロノナン酸アンモニ
ウム等またはそれらの混合物、好ましくはパーフルオロ
オクタン酸アンモニウムを乳化剤に用いて、一般に圧力
約0〜100kg/cm2G、好ましくは約10〜50kg/cm2G、温度約
0〜100℃、好ましくは約20〜80℃の条件下で行われる。
その際、重合系内のpHを調節するために、Na2HPO4、NaH
2PO4、KH 2PO4等の緩衝能を有する電解質物質あるいは水
酸化ナトリウムを添加して用いてもよい。
【0031】フッ素樹脂と含フッ素エラストマーとは、
フッ素樹脂が架橋点を有しない場合には、前者が95〜40
重量%、好ましくは80〜60重量%、また後者が5〜60重量
%、好ましくは20〜40重量%となるような割合でブレンド
されて用いられ、またフッ素樹脂が含フッ素エラストマ
ーと共通の架橋点と反応する反応点を有する場合には、
前者が95〜55重量%、好ましくは80〜60重量%、また後者
が5〜45重量%、好ましくは20〜40重量%となるような割
合でブレンドされて用いられる。含フッ素エラストマー
のブレンド割合がこれよりも少ないと、フッ素樹脂への
軟質化の付与や圧縮永久歪特性の改善が十分に行われ
ず、一方これよりも多い割合でブレンドされると、機械
的特性、特に100%モジュラスの値や再成形性が低下する
ので好ましくない。
【0032】ブレンド物の製造は、いずれも固体状に単
離されたフッ素樹脂と含フッ素エラストマーとを、ミキ
シングロール、ニーダ、バンバリーミキサ等で混合、混
練することによって行うこともできるが、いずれも乳化
重合法で得られたフッ素樹脂の水性ラテックスと含フッ
素エラストマーの水性ラテックスとを、所望の固形分ブ
レンド割合になるような割合でラテックスブレンドし、
それを凝析、洗浄および乾燥する方法をとった方が、
(a)凝析、洗浄および乾燥が1回で済む、(b)混練時間が
短かい、(c)含フッ素エラストマーのフッ素樹脂への分
散性が向上するなどの利点がもたらされる。なお、水性
ラテックスの凝析は、塩化カルシウム、塩化ナトリウ
ム、カリミョウバン等の塩類水溶液中に、水性ラテック
スを滴下することにより行われる。
【0033】フッ素樹脂および含フッ素エラストマーの
ブレンド物の架橋成形は、含フッ素エラストマーまたは
それとフッ素樹脂との両者に導入された反応点の種類に
応じた架橋剤を用いることによって行われる。
【0034】フッ素樹脂および含フッ素エラストマー中
に、それぞれ約0.005〜0.050ミリモル/gポリマー、好ま
しくは約0.01〜0.04ミリモル/gポリマーの割合で導入さ
れたヨウ素基あるいはこのような割合のヨウ素基と共に
約0.005〜0.050ミリモル、好ましくは約0.01〜0.04ミリ
モル/gポリマーの割合で導入された臭素基が存在する場
合には、有機過酸化物が架橋剤として用いられる。
【0035】有機過酸化物としては、例えば2,5-ジメチ
ル-2,5-ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメ
チル-2,5-ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ベン
ゾイルパーオキサイド、ビス(2,4-ジクロロベンゾイル)
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ第3ブチ
ルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、
第3ブチルパーオキシベンゼン、1,1-ビス(第3ブチルパ
ーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメ
チルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキサイド、α,
α′-ビス(第3ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベ
ンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)
ヘキサン、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ートが用いられる。
【0036】これらの有機過酸化物と共に、必要に応じ
て例えばトリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリアリ
ルトリメリテート、N,N′-m-フェニレンビスマレイミ
ド、ジアリルフタレート、トリス(ジアリルアミン)-s-
トリアジン、亜リン酸トリアリル、1,2-ポリブタジエ
ン、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート等の多官能性不飽和化合物共架
橋剤が併用されることが好ましい。
【0037】パーオキサイド架橋系に配合される以上の
各成分は、ブレンド物100重量部当り、有機過酸化物が
約0.05〜10重量部、好ましくは約0.1〜5重量部の割合
で、また共架橋剤が約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5
〜5重量部の割合でそれぞれ用いられる。
【0038】また、ブレンド物の架橋成形にポリオール
架橋系が用いられる場合には、架橋剤としては、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノール
A]、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロ
パン[ビスフェノールAF]、ヒドロキノン、カテコール、
レゾルシン、4,4´-ジヒドロキシジフェニル、4,4´-ジ
ヒドロキシジフェニルメタン、4,4´-ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタ
ンなどのポリヒドロキシ芳香族化合物あるいはそれらの
アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が用いられ、
これらの架橋剤はブレンド物100重量部当り約0.5〜10重
量部、好ましくは約1〜5重量部の割合で用いられる。
【0039】架橋剤としてポリヒドロキシ芳香族化合物
(金属塩)が用いられた場合には、各種の第4アンモニウ
ム塩または第4ホスホニウム塩を、ブレンド物100重量部
当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.1〜2重量部の割
合で併用されることが好ましい。
【0040】ブレンド物には、以上の各成分よりなる架
橋系に加えて、必要に応じてZnO、CaO、Ca(OH)2、MgO、
PbO等の2価金属の酸化物または水酸化物、合成ハイドロ
タルサイト等の受酸剤が、ブレンド物100重量部当り約1
〜20重量部、好ましくは約3〜15重量部の割合で添加し
て用いられる。
【0041】ブレンド物には更に、カーボンブラック、
シリカ、グラファイト、クレー、タルク、けいそう土、
硫酸バリウム、酸化チタン、ウォラストナイト等の充填
剤または補強剤、滑剤、加工助剤、顔料などを適宜配合
して用いることもできる。
【0042】以上の各成分は、ミキシングロール、ニー
ダ、バンバリーミキサ等を用いて混練され、組成物が調
製される。調製された組成物は、プレス成形機、射出成
形機等を用いて、約150〜220℃で約0.1〜10分間程度加
熱することにより架橋成形されるが、必要に応じて約15
0〜250℃で約1〜20時間二次架橋が行われる。
【0043】
【発明の効果】フッ素樹脂を主成分とし、これに含フッ
素エラストマーをブレンドした本発明の含フッ素重合体
組成物は、圧縮永久歪特性や機械的特性にすぐれた軟質
のフッ素樹脂を形成させる。フッ素樹脂として、含フッ
素エラストマーと共通の架橋剤と反応する反応点を有す
るものを用いた場合には、圧縮永久歪特性にすぐれた架
橋成形品が得られ、また架橋点を有しないフッ素樹脂が
用いられた場合には、再成形性が良好な成形品が得られ
るようになる。
【0044】このように軟質フッ素樹脂としての特性を
示す本発明の含フッ素重合体組成物は、その柔軟性を利
用して、シール材、チューブ・ホース類、ライニング
材、建材、電線被覆材等の成形材料として有効に用いら
れる。
【0045】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0046】参考例1 内容積10Lのオートクレーブ内に、パーフルオロオクタ
ン酸アンモニウム10g、水酸化ナトリウム(pH調整用)2g
および脱イオン水5Lを仕込み、内部空間を窒素ガスで十
分に置換した後、1,4-ジヨードパーフルオロブタン14.9
8gを圧入した。その後、 フッ化ビニリデン [VdF] 27.6モル% テトラフルオロエチレン [TFE] 52.4モル% ヘキサフルオロプロペン [HFP] 20.0モル% よりなる混合ガスを、内圧が10Kg/cm2Gになる迄圧入
し、内温を70℃に昇温させた。
【0047】その後、過硫酸アンモニウム5gを水150ml
に溶解させた重合開始剤水溶液をオートクレーブ内に圧
入し、重合反応を開始させた。このときの内圧は、16Kg
/cm2Gであった。内圧が13Kg/cm2G迄低下した時点で、Vd
F/HFP/TFE(モル比31:59:10)混合ガスを分添ガスとし
て、内圧が14Kg/cm2Gになる迄圧入する操作を、生成ラ
テックス中の固形分濃度が25重量%になる迄くり返し
た。所定の固形分濃度になったら、直ちにオートクレー
ブ内の未反応ガスをパージして反応を停止させた。
【0048】得られた水性ラテックスの一部に5重量%カ
リミョウバン水を添加して生成3元共重合体を凝析し、
水洗、乾燥した。3元共重合体フッ素樹脂が1700g(重合
率75%)得られた。なお、収量は得られた水性ラテックス
を全量塩析したとした場合の回収量であり、重合率はそ
の値に基いて算出されている。以下の参考例においても
同様である。
【0049】このフッ素樹脂の共重合組成(元素分析、F
T-IRによる)はVdF29モル%、TFE57モル%、HFP14モル%
で、ヨウ素含量(元素分析による)は0.027ミリモル/g
で、融点(DCS法によるピーク)は160℃で、融解熱量(△
H;DSC法による)は8.0 J/gで、またメルトフローレート
(265℃、荷重5Kg)は8.0であった。
【0050】参考例2 参考例1において、1,4-ジヨードパーフルオロブタンの
代りに、四塩化炭素が10.0g用いられた。得られたフッ
素樹脂の共重合組成はVdF29モル%、TFE57モル%、HFP14
モル%で、融点(ピーク)は160℃で、融解熱量△Hは8.0 J
/gで、またメルトフローレートは9.1g/10分であった。
【0051】参考例3 内容積10Lのオートクレーブ内に、パーフルオロオクタ
ン酸アンモニウム10g、水酸化ナトリウム(pH調整用)2g
および脱イオン水5Lを仕込み、内部空間を窒素ガスで十
分に置換した後、1,4-ジヨードパーフルオロブタン14.9
8gを圧入した。その後、 フッ化ビニリデン [VdF] 22モル% テトラフルオロエチレン [TFE] 8モル% ヘキサフルオロプロペン [HFP] 70モル% よりなる混合ガスを、内圧が20Kg/cm2Gになる迄圧入
し、内温を70℃に昇温させた。
【0052】その後、過硫酸アンモニウム5gを水150ml
に溶解させた重合開始剤水溶液をオートクレーブ内に圧
入し、重合反応を開始させた。このときの内圧は、32Kg
/cm2Gであった。内圧が29Kg/cm2G迄低下した時点で、Vd
F/HFP/TFE(モル比47:34:19)混合ガスを分添ガスとし
て、内圧が30Kg/cm2Gになる迄圧入する操作を、生成ラ
テックス中の固形分濃度が25重量%になる迄くり返し
た。所定の固形分濃度になったら、直ちにオートクレー
ブ内の未反応ガスをパージして反応を停止させた。
【0053】得られた水性ラテックスの一部に5重量%カ
リミョウバン水を添加して生成3元共重合体を凝析し、
水洗、乾燥した。得られた3元共重合体含フッ素エラス
トマー1685g(重合率50%)が得られた。この含フッ素エラ
ストマーの共重合体組成(19F-NMRによる)はVdF54モル
%、TFE20モル%、HFP26モル%で、ヨウ素含量(元素分析に
よる)は0.033ミリモル/gで、溶液粘度ηsp/c[1重量%メ
チルエチルケトン(MEK)溶液の比粘度、35℃]は0.58dl/g
であった。
【0054】実施例1 参考例1で得られたフッ素樹脂水性ラテックスと参考例3
で得られた含フッ素エラストマー水性ラテックスとを、
それらの固形分重量比が80/20になるように混合し、撹
拌した。この混合水性ラテックスを5%カリミョウバン水
中に添加し、凝析、水洗、乾燥させて、含フッ素共重合
体組成物を得た。 含フッ素共重合体組成物 100重量部 2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン 0.56 〃 トリアリルイソシアヌレート 4.02 〃 以上の各配合成分をロール混練し、混練物について180
℃、5分間のプレス架橋および200℃、4時間のオーブン
架橋を行って、シートおよびOリングを架橋成形し、得
られた架橋成形品について、次の各項目の測定を行っ
た。 (1)常態物性: (a)硬さ(ショアーA) ASTM D-2240-81準拠 (b)100%モジュラス ASTM D-412-83準拠 (c)引張強さ ASTM D-412-83準拠 (d)伸び ASTM D-412-83準拠 (2)架橋特性(ODR):東洋精機製オシレーティング・ディ
スク・レオメータ ASTM-100型を用いて、180℃、10分間
の加硫を行ない、最小トルク値(ML)、最大トルク値(MH)
および最大トルク値の90%トルク値に到達する迄の時間
(Tc90)を測定 (3)圧縮永久歪:線形3.5mmのOリングを200℃、70時間ま
たは100℃、70時間、25%圧縮したものについて測定 (4)再成形性の評価:得られた架橋成形品をカッタで粉
砕した後、熱ロール(約100℃)で分出しを行ない、更に
それを180℃で5分間プレス成形して得られたシート(厚
さ)について、次のような基準で評価した。 ○:表面が平滑で、均一な厚さのシートを形成 △:ほぼ均一な厚さのシートが得られるが、表面平滑性
が悪い ×:得られたプレス成形品がシート形状とはならない
【0055】実施例2 実施例1において、固形分重量比が60/40に変更された。
【0056】実施例3 実施例1において、フッ素樹脂水性ラテックスとして参
考例2で得られたものが用いられ、有機過酸化物量が0.1
1重量部に、またトリアリルイソシアヌレート量が0.80
重量部にそれぞれ変更された。
【0057】実施例4 実施例3において、固形分重量比が60/40に、有機過酸化
物量が0.22重量部に、またトリアリルイソシアヌレート
量が1.61重量部にそれぞれ変更された。
【0058】実施例5 実施例3において、固形分重量比が40/60に、有機過酸化
物量が0.33重量部に、またトリアリルイソシアヌレート
量が2.41重量部にそれぞれ変更された。
【0059】比較例1 参考例1の水性ラテックスを5%カリミョウバン水で凝析
して得られたフッ素樹脂を、小型射出成形機(カスタム
サイエンティフィク インスッルメント社製モデルCS-18
3MNX)を用いて(可塑化条件240℃、時間5分間、金型温度
140℃)の条件下で射出成形し、得られた射出成形品につ
いて、常態物性および圧縮永久歪の測定ならびに再成形
性の評価が行われた。
【0060】比較例2 実施例1において、含フッ素共重合体組成物の代りに、
比較例1のフッ素樹脂が同量用いられた。
【0061】比較例3 比較例1において、フッ素樹脂として参考例2の水性ラテ
ックスから得られたものが用いられた。
【0062】比較例4 実施例3において、固形分重量比が20/80に、有機過酸化
物量が0.44重量部に、またトリアリルイソシアヌレート
量が3.22重量部にそれぞれ変更された。
【0063】以上の各実施例および比較例における測定
結果および評価結果は、次の表に示される。 表 実施例 比較例 測定・評価項目 1 2 3 4 5 1 2 3 4 [ODR] ML (dNm) 2.1 1.7 1.3 0.9 0.7 - 3.1 - 0.7 MH (dNm) 11.0 11.7 2.0 3.2 6.5 - 11.4 - 10.4 Tc90 (分) 1.16 1.20 2.40 1.61 1.52 - 1.44 - 1.36 [常態物性] 硬さ (ショアA) 93 89 89 85 76 94 97 93 67 100%モジュラス(MPa) 10.1 7.7 7.4 5.4 3.8 9.8 12.4 8.8 2.5 引張強さ (MPa) 23.3 21.0 14.8 16.1 20.5 10.6 28.4 10.0 21.3 伸び (%) 300 310 430 470 470 240 300 180 440 [圧縮永久歪] 100℃、70時間 (%) 61 52 63 57 47 95 73 94 45 200℃、70時間 (%) 82 72 86 79 64 100 91 98 50 [再成形性] 評価 × × ○ ○ ○ ○ × ○ ×
【0064】これらの結果から、次のようなことがいえ
る。 [フッ素樹脂の軟質化と機械的強度の改善] (1)実施例1〜2と比較例1〜2の対比(共架橋系):フッ素
樹脂単独に含フッ素エラストマーをブレンドし、共架橋
すると、引張強さおよび伸びの値が大幅に改善され、そ
のブレンド比に対応して硬さが低下(軟質化)する(実施
例1〜2-比較例1)。なお、フッ素樹脂単独で架橋したも
の(比較例2)は、引張強さの値こそ大幅に改善される
が、硬さも上昇し、本発明の目的とは反するものとな
る。 (2)実施例3〜5と比較例3〜4の対比(単独架橋系):フッ
素樹脂が架橋点を有さずに、含フッ素エラストマーのみ
を架橋させた場合にも、上記(1)と同様の関係が成立す
る。ただし、樹脂とエラストマーとのブレンド比が同一
の場合には、軟質化効果は共架橋系の場合よりも大とな
る。また、エラストマーのブレンド比が最大である場合
(比較例4)には、フッ素樹脂の軟質化という本発明の目
的の一つから逸脱しているばかりではなく、100%モジュ
ラスの値が低くすぎる傾向がみられ、好ましくない。 [圧縮永久歪と再成形性]実施例1〜2(共架橋系)と実施例
3〜5(単独架橋系)とを比較した場合、同一ブレンド比な
らば、共架橋系の方が圧縮永久歪特性が更に良好とな
る。因みに、樹脂単独で架橋した場合(比較例2)には、
架橋成形品の圧縮永久歪特性は良いとはいえない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月11日(2000.7.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BD121 BD122 BD141 BD142 BD151 BD152 BD161 BD162 EB016 EE058 EH077 EH147 EJ038 EK016 EK036 EK046 EK056 EK066 EK086 EU027 EU187 EU197 EW067 FD146 FD157 GJ02 GL00 GQ01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋点を導入しないフッ素樹脂95〜40重
    量%および架橋剤と反応する反応点を有する含フッ素エ
    ラストマー5〜60重量%よりなる含フッ素重合体組成物。
  2. 【請求項2】 共通の架橋剤と反応する反応点をそれぞ
    れに有するフッ素樹脂95〜55重量%および含フッ素エラ
    ストマー5〜45重量%よりなる含フッ素重合体組成物。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂がフッ化ビニリデン-クロロ
    トリフルオロエチレン共重合体である請求項1または2記
    載の含フッ素重合体組成物。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂がフッ化ビニリデン-ヘキサ
    フルオロプロペン-テトラフルオロエチレン3元共重合体
    である請求項1または2記載の含フッ素重合体組成物。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂がフッ化ビニリデン-ヘキサ
    フルオロプロペン共重合体である請求項1または2記載の
    含フッ素重合体組成物。
  6. 【請求項6】 共通の架橋剤と反応する反応点が導入さ
    れたフッ素樹脂が、フッ化ビニリデンおよびテトラフル
    オロエチレンよりなる群から選ばれた少くとも一種の単
    量体と、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロ
    エチレンおよび炭素数1〜3の低級アルキル基を有するパ
    ーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)よりなる群か
    ら選ばれた少くとも一種の単量体との共重合体である請
    求項2記載の含フッ素重合体組成物。
  7. 【請求項7】 架橋剤と反応する反応点が導入された含
    フッ素エラストマーが、フッ化ビニリデンおよびテトラ
    フルオロエチレンよりなる群から選ばれた少くとも一種
    の単量体と、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフル
    オロエチレンおよび炭素数1〜3の低級アルキル基を有す
    るパーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)よりなる
    群から選ばれた少くとも一種の単量体との共重合体であ
    る請求項1記載の含フッ素重合体組成物。
  8. 【請求項8】 含フッ素エラストマーがフッ化ビニリデ
    ン-ヘキサフルオロプロペン-テトラフルオロエチレン3
    元共重合体である請求項7記載の含フッ素重合体組成
    物。
  9. 【請求項9】 含フッ素エラストマーがフッ化ビニリデ
    ン-ヘキサフルオロプロペン共重合体である請求項7記載
    の含フッ素重合体組成物。
  10. 【請求項10】 パーオキサイド系架橋剤と反応する反応
    点を有する含フッ素エラストマーまたはそれとフッ素樹
    脂が用いられた請求項1記載の含フッ素重合体組成物。
  11. 【請求項11】 パーオキサイド系架橋剤と反応する反応
    点がヨウ素基および/または臭素基である請求項10記載
    の含フッ素重合体組成物。
  12. 【請求項12】 ポリオール系架橋剤と反応する反応点を
    有する含フッ素エラストマーまたはそれとフッ素樹脂が
    用いられた請求項1記載の含フッ素重合体組成物。
  13. 【請求項13】 ポリオール系架橋剤と反応する反応点が
    脱フッ化水素化反応で分子内二重結合を形成し得るヘキ
    サフルオロプロペン-フッ化ビニリデン結合である請求
    項12記載の含フッ素重合体組成物。
  14. 【請求項14】 フッ素樹脂水性ラテックスと含フッ素エ
    ラストマー水性ラテックスとを混合し、共凝析させるこ
    とにより製造された請求項1記載の含フッ素重合体組成
    物。
  15. 【請求項15】 フッ素樹脂と含フッ素エラストマーとを
    ドライブレンドして製造された請求項1記載の含フッ素
    重合体組成物。
  16. 【請求項16】 シール材の成形材料として用いられる請
    求項1記載の含フッ素重合体組成物。
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