JP5353880B2 - 燃料低透過性ブロック共重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、含フッ素エラストマーのブロック共重合体に関する。
フッ化ビニリデン(VdF)をベースにパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)を共重合させた耐寒性フッ素ゴムは、−25℃以下という低温条件下においても優れた耐寒性を示すが、自動車用途で要求される燃料低透過性においてはVdF/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体やVdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体に比べて劣っており、耐寒性と燃料低透過性の両立が望まれている。
耐寒性フッ素ゴムの燃料低透過性を向上させるためには、フッ素含有量を高くして燃料との相溶性を悪くする方法があるが、この場合にはフッ素ゴムの耐寒性が犠牲になる。
含フッ素エラストマーにフッ素樹脂成分をブロック重合させた熱可塑性エラストマーは自動車燃料の低透過性に優れる。これはポリマー中の樹脂成分が燃料の透過を抑えるためと考えられている。しかし、このエラストマーから得られる成形品は、低透過性を達成するには樹脂成分の量を増やす必要があることから、硬度が上昇する、あるいは含フッ素エラストマーの耐寒性が悪化するなど、ゴムらしさを犠牲にしている。従って、本願の目標とする燃料低透過性と耐寒性を兼ね備えた材料にはなり得なかった。
また、含フッ素エラストマーにパーフルオロエラストマーを、たとえば乳化液の状態でブレンドすることで燃料低透過性を向上させることも可能であるが、この場合には燃料低透過性の向上の度合いが小さい。
ところで特許文献1では、ヨウ素および/または臭素含有化合物の存在下に、TFEとPAVEであるパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)を共重合反応させたのち、未反応モノマーを放出することなく、引続きこの反応系にTFEおよびVdFを供給して重合反応を継続させる含フッ素共重合体の製造方法について開示されている。特許文献1における製造方法は、共重合体を高収率で製造することができ、生産性を上げることができるが、耐寒性と燃料低透過性の両立という課題の解決には至っていない。
特開平3−122106号公報
本発明は、耐寒性フッ素ゴムの耐寒性を維持したまま、低硬度で、燃料低透過性に優れたパーオキサイド加硫可能な含フッ素エラストマー、パーオキサイド加硫用組成物および該組成物を用いて成形した燃料系の自動車部品を提供することを目的とする。
本発明は、(1)フッ化ビニリデン(VdF)/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体の組成割合が50〜85/15〜50モル%、または(2)VdF/テトラフルオロエチレン(TFE)/PAVE共重合体の組成割合が45〜85/1〜30/14〜30モル%のいずれかの組成を有する含フッ素エラストマーセグメント(A)と、
含フッ素エラストマーセグメント(A)と実質的に相溶性のない含フッ素エラストマーセグメント(B)のみからなるブロック共重合体であって、
ヨウ素原子を有するパーオキサイド加硫可能な含フッ素エラストマーに関する。
含フッ素エラストマーセグメント(A)におけるVdF/PAVE共重合体(1)がVdF/パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)共重合体であり、VdF/TFE/PAVE共重合体(2)がVdF/TFE/PMVE共重合体であることが好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(B)は、(b1)テトラフルオロエチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体の組成割合が45〜85/15〜55モル%、(b2)テトラフルオロエチレン/エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体の組成割合が15〜85/1〜30/14〜55モル%、および(b3)フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンの組成割合が25〜85/0〜40/15〜40モル%よりなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体であることが好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(A)の含有割合が、含フッ素エラストマー中60〜95質量%であり、含フッ素エラストマーセグメント(B)の含有割合が、含フッ素エラストマー中5〜40質量%であることが好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(A)の両末端に、含フッ素エラストマーセグメント(B)を有することが好ましく、フッ素含有量が64.0〜70.0質量%であることが好ましい。また、示差走査熱量測定装置によって測定されるガラス転移温度を2つ有することが好ましい。
また、本発明は、(i)前記含フッ素エラストマー、(ii)多官能性不飽和化合物および(iii)パーオキサイドを含むパーオキサイド加硫用組成物にも関する。
また、本発明は、前記パーオキサイド加硫用組成物を用いて成形された燃料に接触する自動車部品にも関する。特に耐寒性としてTR10が−20℃以下である部品に用いることが好ましい。
さらに、本発明は、RIn(式中、nは1〜2の整数であり、Rは炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される含ヨウ素化合物の存在下で、ラジカル重合を行うことを特徴とする前記の含フッ素エラストマーの製造方法にも関する。
含フッ素エラストマーセグメント(A)を重合した後に、含フッ素エラストマーセグメント(B)を重合することがより好ましい。
本発明によれば、耐寒性フッ素ゴムの耐寒性を維持したまま、低硬度で、燃料低透過性に優れるパーオキサイド加硫可能な含フッ素エラストマー、パーオキサイド加硫用組成物および該組成物を用いて成形した燃料系の自動車部品を提供することができる。
本発明は、(1)フッ化ビニリデン(VdF)/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体の組成割合が50〜85/15〜50モル%、または(2)VdF/テトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体の組成割合が45〜85/1〜30/14〜30モル%のいずれかの組成を有する含フッ素エラストマーセグメント(A)と、含フッ素エラストマーセグメント(A)と実質的に相溶性のない含フッ素エラストマーセグメント(B)のみからなるブロック共重合体であって、ヨウ素原子を有するパーオキサイド加硫可能な含フッ素エラストマーに関する。
本発明の含フッ素エラストマーは、含フッ素エラストマーセグメント(A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)の2種のエラストマーセグメントのみからなるブロック共重合体であるため、加硫物の硬度は低く抑えられ、圧縮永久歪性も含フッ素エラストマーセグメントと含フッ素樹脂のブロック共重合体と比べると良好である。
含フッ素エラストマーは、エラストマー由来の融点を有さない。融点の測定方法としては、たとえば、DSCによって、60〜400℃の温度範囲で昇温スピード10℃/分でセカンドスキャンの熱収支を測定し、その範囲内でピークを測定することができない場合にエラストマーであると確認することができる。
含フッ素エラストマーセグメント(A)における(1)VdF/PAVE共重合体、または(2)VdF/TFE/PAVE共重合体におけるPAVEとしては、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)やCF2=CFORfで表されるパーフルオロアルコキシビニルエーテル(ここでRfは1〜2個のエーテル結合を含む炭素数3〜10個のパーフルオロエーテル基を意味する。具体的にはCF2=CFO(CF2O)l1、CF2=CFO(CF2CF2O)m1、CF2=CFO(CF2CF2CF2O)n1、CF2=CFOCF2CF(CF3)OR1(R1は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、l、m、nはそれぞれ1または2)などが例示される。)が、耐寒性、柔軟性が良好という点でより好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(A)がVdF/PAVE共重合体(1)である場合、VdF/PAVE共重合体(1)の組成割合は、耐寒性、柔軟性が良好であるという点から、50〜85/15〜50モル%であり、好ましくは55〜80/20〜45モル%である。
また、含フッ素エラストマーセグメント(A)が、(2)VdF/TFE/PAVE共重合体である場合、VdF/TFE/PAVE共重合体(2)の組成割合は、耐寒性、柔軟性が良好であるという点から、45〜85/1〜30/14〜30モル%であり、好ましくは50〜80/5〜25/16〜28モル%、より好ましくは55〜75/7〜22/16〜25モル%である。
含フッ素エラストマーセグメント(A)の数平均分子量(Mn)は、後にブロック共重合される含フッ素エラストマーセグメント(B)の量にもよるが、得られるブロック共重合体の成型加工性が良好であるという点、および含フッ素エラストマーセグメント(B)の分散性を向上させる意味合いから、20,000以上が好ましく、30,000以上がより好ましい。また、300,000以下が好ましく、さらに200,000以下がより好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(A)の100℃におけるムーニー粘度も、前記分子量と同様に得られるブロック共重合体の成型加工性が良好であるという点から、2以上が好ましく、5以上がさらに好ましい。また、200以下が好ましく、150以下がさらに好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(A)のフッ素含有量は、燃料低透過性が良好であるという点から、63.5質量%以上が好ましく、64.0質量%以上がより好ましく、64.5質量%以上がさらに好ましい。また、含フッ素エラストマーセグメント(A)のフッ素含有量は、耐寒性が良好であるという点から、68.0質量%以下が好ましく、67.5質量%以下がより好ましく、67.0質量%以下がさらに好ましい。
含フッ素エラストマー中の含フッ素エラストマーセグメント(A)の含有割合は、耐寒性が向上するという点から、60質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。また、含フッ素エラストマーセグメント(A)の含有割合は、燃料低透過性が向上するという点から、含フッ素エラストマー中95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
本発明のブロック共重合体における含フッ素エラストマーセグメント(B)は、燃料低透過性に優れるエラストマーセグメントであり、かつ含フッ素エラストマーセグメント(A)と実質的に相溶性のないセグメントであるため、マトリックスを形成する含フッ素エラストマーセグメント(A)中に含フッ素エラストマーセグメント(B)が微分散し、ミクロドメインを形成している。そのため、燃料が透過する時に迂回効果が発揮され、低透過性が実現できるものと考えられる。
含フッ素エラストマーセグメント(B)としては、その架橋物が含フッ素エラストマーセグメント(A)の架橋物より優れた燃料低透過性を有するポリマーで、さらにエラストマーとしては含フッ素エラストマー(A)と相溶性が低く、相分離するポリマーであればよい。相分離するというのは含フッ素エラストマーセグメント(A)および(B)両方のポリマーを共存させた時に、たとえばそれぞれのポリマーに起因するガラス転移温度が観測されることを意味する。
そのような含フッ素エラストマーとしてはVdFをベースとした含フッ素エラストマーやTFEをベースとした含フッ素エラストマー、あるいはエチレン(Et)をベースとした含フッ素エラストマーがあげられるが、その中では(b1)TFE/PMVE共重合体、(b2)TFE/Et/PMVE共重合体、(b3)VdF/TFE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体がそのポリマー自体が燃料低透過性に優れる、あるいは含フッ素エラストマー(A)とブロック共重合しやすい点で好ましい。中でもVdF/PMVE共重合体およびVdF/TFE/PMVE共重合体とより親和性の低い(VdFを含まない)TFE/PMVE共重合体(b1)がより好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(B)における(b1)TFE/PMVE共重合体の組成割合は、柔軟性、および燃料低透過性が良好であるという点から、好ましくは50〜85/15〜50モル%であり、より好ましくは55〜80/20〜45モル%である。
含フッ素エラストマーセグメント(B)における(b2)TFE/Et/PMVE共重合体の組成割合も、同様に柔軟性、および燃料低透過性が良好であるという点から、好ましくは15〜85/1〜30/14〜55モル%であり、より好ましくは20〜75/5〜25/20〜50モル%である。
含フッ素エラストマーセグメント(B)における(b3)VdF/TFE/HFP共重合体の組成割合は、同様に柔軟性および燃料低透過性が良好であるという点から、好ましくは25〜85/0〜40/15〜40モル%であり、より好ましくは30〜70/10〜40/15〜35モル%である。
含フッ素エラストマーセグメント(B)の数平均分子量(Mn)は、測定できないために明らかではないが含フッ素エラストマー(A)中に微分散可能な流動性を有する必要がある。
含フッ素エラストマーセグメント(B)のフッ素含有量は、燃料低透過性が良好であるという点から、65.0質量%以上が好ましく、68.0質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。また、含フッ素エラストマーセグメント(B)のフッ素含有量は、耐寒性や柔軟性が良好であるという点から、74.0質量%以下が好ましく、73.5質量%以下がより好ましい。
含フッ素エラストマー中の含フッ素エラストマーセグメント(B)の含有割合は、燃料低透過性が良好であるという点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12質量%以上がさらに好ましい。また、含フッ素エラストマーセグメント(B)の含有割合は、耐寒性が向上する、柔軟性が良好であるという点から、含フッ素エラストマー中40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、32質量%以下がさらに好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)は、互いに相溶しないため、2つのガラス転移温度が観測される。もし含フッ素エラストマーセグメント(A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)が相溶すると、燃料低透過性は向上するが、ガラス転移温度が大幅に上昇し、目標とする耐寒性を得ることができない。含フッ素エラストマーセグメント(A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)は互いに相溶しないため、マトリックスとなる含フッ素エラストマーセグメント(A)の耐寒性フッ素ゴムの特徴である耐寒性が発揮される。また燃料低透過性の含フッ素エラストマーセグメント(B)がミクロに分散されることにより燃料低透過性が実現される。
含フッ素エラストマーセグメント(A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)のブロック共重合体のガラス転移温度は、たとえば、示差走査熱量測定(DSC)装置によって測定される。ブロック共重合体において−50℃〜150℃の温度範囲で昇温スピード10℃/分でセカンドスキャンの熱収支を測定し、変極点として検知されたものを中点法により求めることができる。
含フッ素エラストマーセグメント(A)由来のガラス転移温度は、耐寒性が良好であるという点から、含フッ素エラストマーセグメント(B)由来のガラス転移温度よりも低い温度であることが好ましく、具体的には、−33℃〜−20℃が好ましく、−32℃〜−24℃がより好ましい。また、含フッ素エラストマーセグメント(B)由来のガラス転移温度は、燃料低透過性が良好であるという点から、含フッ素エラストマーセグメント(A)由来のガラス転移温度よりも高い温度であることが好ましく、具体的には、−20℃〜+10℃が好ましく、−15℃〜+5℃がより好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)のブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、測定できない場合も多いが通常用いられるフッ素ゴムの分子量と同じ20,000〜300,000の範囲であれば問題はない。
また、含フッ素エラストマーセグメント(A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)からなるブロック共重合体の100℃におけるムーニー粘度は、成型加工性が良好であるという点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。また、ブロック共重合体の100℃におけるムーニー粘度は、同様に成型加工性が良好であるという点から、150以下が好ましく、120以下がより好ましく、100以下がさらに好ましい。
含フッ素エラストマーセグメント(A)および含フッ素エラストマーセグメント(B)からなるブロック共重合体のフッ素含有量は、燃料低透過性が良好であるという点から、64.0質量%以上が好ましく、65.0質量%以上がより好ましい。また、ブロック共重合体のフッ素含有量は、燃料低透過性が良好であるという点から、70.0質量%以下が好ましく、69.0質量%以下がより好ましい。
ブロック共重合体の形態としては、含フッ素エラストマーセグメント(A)および含フッ素エラストマーセグメント(B)の構成は、A−Bタイプ、B−A−Bタイプ、A−B−Aタイプ、−(B−A)n−タイプのものがあげられる。特に制約されるものではないが、燃料低透過性に優れる含フッ素エラストマーセグメント(B)を微分散し易いという点から、含フッ素エラストマーセグメント(A)の両末端に、含フッ素エラストマーセグメント(B)を有するB−A−Bタイプが好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーであるブロック共重合体は、ヨウ素原子を有しパーオキサイド加硫が可能である。ヨウ素原子を有する含フッ素エラストマーの製造方法としては、得られる重合体の分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点、末端にヨウ素原子を導入することができる点から、公知のヨウ素移動重合法が好ましい。
たとえば、実質的に無酸素下で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下に、前記のエラストマーセグメントを構成する単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存在下、水媒体中での乳化重合、懸濁重合あるいは溶液重合を行う方法があげられる。
使用するヨウ素化合物の代表例としては、たとえば、RIn(式中、nは1〜2の整数であり、Rは炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で示される化合物などをあげることができる。
具体的には、モノヨードメタン、1−ヨードメタン、1−ヨード−n−プロパン、ヨウ化イソプロピル、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、I(CF2CF2nI(式中、nは1以上の整数である)で示される化合物などを用いることが好ましい。
このようなヨウ素化合物を用いて得られる含フッ素エラストマーには、ヨウ素原子が導入される(たとえば、特開昭53−125491号公報および特開昭63−304009号公報参照)。
本発明の含フッ素エラストマーは、ヨウ素移動重合法を含む常法により製造することができ、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法などの重合法により製造することができる。重合時の温度、時間などの重合条件としては、単量体の種類や目的とするエラストマーにより適宜決定すればよい。乳化剤、分子量調整剤、pH調整剤などを添加してもよい。分子量調整剤は、初期に一括して添加してもよいし、連続的にまたは分割して添加してもよい。
乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖または、フルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が望ましい。また、反応性乳化剤の使用が望ましい。
重合に用いるラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく公知の有機及び無機の過酸化物を用いることが可能である。たとえば油溶性の有機過酸化物としてはジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec−ブチルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシブチレート、t−ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類、ジt−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類などがあげられる。
無機の過酸化物としては、カルボキシル基またはカルボキシル基を生成し得る基(たとえば、酸フルオライド、酸クロライド、CF2OHなどがあげられる。これらはいずれも水の存在下にカルボキシル基を生ずる)をエラストマー末端に存在させ得るものが好ましく、具体例としては、たとえば過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)などがあげられる。
重合系内のpH調整剤としては、リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩などの緩衝能を有する電解質物質、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどがあげられる。
分子量調整剤としては、前記であげられたヨウ素化合物があげられる。
重合反応混合物から重合生成物を単離する方法として、たとえば塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの金属塩を添加して凝析させる方法があげられる。
また、前記重合方法により、含フッ素エラストマーセグメント(A)を重合した後、含フッ素エラストマーセグメント(B)を重合することによりブロック共重合体を製造することが、含フッ素エラストマーセグメント(B)の分散性を向上させる点で好ましい。
また、本発明は、(i)前記含フッ素エラストマー、(ii)多官能性不飽和化合物および(iii)パーオキサイドからなるパーオキサイド加硫用組成物にも関する。
多官能性不飽和化合物(ii)としては、パーオキシラジカルおよびポリマーラジカルに対して反応活性を有する化合物であればよく、たとえば、CH2=CH−、CH2=CHCH2−、CF2=CF−などの官能基を有する多官能性化合物があげられる。具体的には、たとえば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメタアリルイソシアヌレート、TAICプレポリマー、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−n−フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン)、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルテトラフタラミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどがあげられる。これらの中でも、加硫性、加硫物の物性が良好であるという点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
多官能性不飽和化合物(ii)の含有量は、加硫物の圧縮永久ひずみ性や強度特性が良好であるという点から、含フッ素エラストマー(i)100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、多官能性不飽和化合物(ii)の含有量は、金型汚れを防ぐという点から、含フッ素エラストマー(i)100質量部に対して6.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
パーオキサイド(iii)は、一般には熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生するものがよく、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどがあげられる。それらの中で、好ましいものとしてはジアルキル化合物である。一般に活性−O−O−の量、分解温度などから種類ならびに使用量が選ばれる。
パーオキサイド(iii)の含有量は、充分な加硫速度が得られるという点から、含フッ素エラストマー(i)100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、パーオキサイド(iii)の含有量は、充分な特性が得られるという点から、含フッ素エラストマー(i)100質量部に対して10.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
本発明のパーオキサイド加硫用組成物において、必要に応じて加硫性エラストマー組成物に配合される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤などを配合することができる。また、前記のものとは異なる常用の加硫剤や加硫促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲において、別種のエラストマーを混合して使用してもよい。
本発明のパーオキサイド加硫用組成物は、一般的な充填剤を含有してもよい。
一般的な充填剤としては、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾエート、ポリテトラフルオロエチレン粉末などのエンジニアリングプラスチック製の有機物フィラー;酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化チタンなどの金属酸化物フィラー;炭化ケイ素、炭化アルミニウムなどの金属炭化物フィラー、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物フィラー;フッ化アルミニウム、フッ化カーボン、硫酸バリウム、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルクなどの無機物フィラーがあげられる。
これらの中でも、モンモリロナイトに代表されるような層状鉱物は燃料低透過性を向上させるため有用である。
また、前記無機フィラー、有機フィラーを単独で、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明のパーオキサイド加硫用組成物は、前記の各成分を、通常のゴム用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法やエマルジョン混合から共凝析する方法によっても調製することができる。
本発明における加硫条件としては、特に限定されるものではなく、通常の含フッ素エラストマー組成物の加硫条件下で行うことができる。たとえば、前記加硫用組成物を金型に入れ、加圧下において120〜250℃(好ましくは180〜220℃)で1〜120分間保持することによって、プレス加硫を行い、続いて160〜300℃(好ましくは180〜250℃、より好ましくは180〜200℃)の炉中で0〜48時間(好ましくは4〜24時間)保持することによってオーブン加硫を行うと、加硫物を得ることができる。
また、本発明は、前記のパーオキサイド加硫用組成物を用いて成形された燃料に接触する自動車部品にも関する。燃料に接触する自動車部品の具体例としては、たとえば、タンクガスケット、エアーインテークマニホールドガスケットなどのガスケット類、燃料配管のコネクターO−リング、インジェクターO−リングなどのOリング類、燃料ポンプ用ダイアフラム、その他の燃料系部品に用いられるパッキン、シール材などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
つぎに本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
本明細書で採用している測定法について、以下にまとめた。
<フッ素含有量>
19F−NMRにて測定されたポリマー組成から計算によって求める。
<ムーニー粘度>
ASTM−D1646およびJIS K6300に準拠して測定する。
測定機器 :ALPHA TECHNOLOGIES社製のMV2000E型
ローター回転数:2rpm
測定温度 :100℃
<100%モジュラス(M100)>
各組成物をつぎの標準加硫条件で1次プレス加硫および2次オーブン加硫して、厚さ2mmのシートとし、JIS−K6251に準じて測定する。
(標準加硫条件)
混練方法 :ロール練り
プレス加硫 :160℃で10分
オーブン加硫:180℃で4時間
<引張破断強度(Tb)および引張破断伸び(Eb)>
各組成物を標準加硫条件で1次プレス加硫および2次オーブン加硫して、厚さ2mmのシートとし、JIS−K6251に準じて測定する。
<硬度(Hs)>
各組成物を標準加硫条件で1次プレス加硫および2次オーブン加硫して、厚さ2mmのシートとし、JIS−K6253に準じて測定する。
<耐寒性(TR10)>
ASTM D1329に準拠してUeshima社製のTR試験機にて測定する。
<燃料透過性>
各組成物を標準加硫条件で1次プレス加硫および2次オーブン加硫して、厚さ0.5mmのシートとし、ASTM E96に準拠したカップ法にてCE20を用いて40℃で燃料透過係数を測定する。燃料透過係数が小さいほど燃料低透過性において優れる。
<ガラス転移温度(Tg)>
METTLER TOLEDO社製のDSCにて測定し、10mgのポリマーを−50〜150℃の温度範囲で昇温スピード10℃/分、セカンドスキャンの条件で熱収支を測定し、変極点として検知された2つのピークから、中点法により求める。
参考例1(VdF/TFE/PMVE共重合体の重合)
内容積30リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水15kg、乳化剤としてC715COONH4を30.0g、リン酸水素ニナトリウムを1.3g仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、150rpmで攪拌しながら、80℃に昇温し、VdF、TFEおよびPMVEをVdF/TFE/PMVE=64/8/28モル%で、内圧が0.80MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の42.5mg/ml濃度の水溶液20m1を窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、0.75MPa・Gまで降下した時点で、I(CF2CF22Iを24.9g窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.85MPa・Gになるように、VdF、TFEおよびPMVEの混合ガス(VdF/TFE/PMVE=68/12/20モル%)をそれぞれ圧入した。
以後、VdF、TFEおよびPMVEの混合ガス(VdF/TFE/PMVE=68/12/20モル%)を圧入し、0.75〜0.85MPa・Gの間で、昇圧、降圧を繰り返した。また3時間毎にAPSを追加し、重合終了までに、840mg追加した。
重合反応の開始から14時間後、VdF、TFEおよびHFPの合計仕込み量が5.0kgになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度27.7質量%の水性分散体20.9kgを得た。その後、30rpmで攪拌しながら、80℃に昇温し、5時間熱処理を行った。
得られた分散液の一部を2.0kgの硫酸アルミニウムを用いて凝析し、純水で充分に洗浄した後、80℃で8時間、120℃で12時間熱風乾燥させ、433gのポリマーを得た。
分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、VdF/TFE/PMVE=67/14/19モル%で、100℃でのムーニー粘度は25であり、フッ素含有量は、65.3質量%であり、DSCにて測定したガラス転移温度は−31℃であった。
参考例2(VdF/TFE/PMVE共重合体の重合)
反応開始前にオートクレーブに仕込むVdF、TFE、およびPMVEの混合ガスの組成をVdF/TFE/PMVE=40/15/45モル%に、反応開始後に圧入するVdF、TFE、およびPMVEの混合ガスの組成をVdF/TFE/PMVE=57/20/23モル%に変更する以外は参考例1と同様の手順で重合を行った。重合反応の開始から13.6時間後、VdF、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が5.0kgになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度24.2質量%の水性分散体20.5kgを得た。その後、30rpmで攪拌しながら、80℃に昇温し、5時間熱処理を行った。参考例1と同様に処理して436gのポリマーを得た。
分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、VdF/TFE/PMVE=59/18/23モル%で、100℃でのムーニー粘度は28であり、フッ素含有量は66.3質量%であり、DSCにて測定したガラス転移温度は−25℃であった。
実施例1(VdF/TFE/PMVEとTFE/PMVEとのブロック共重合体)
着火源をもたない内容積3リットルのステンレススチール製オートクレーブに、参考例1で得られたディスバージョンを1390gおよび純水を210g、乳化剤としてC715COONH4を1.8g仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、65℃に昇温し、TFEおよびPMVEをTFE/PMVE=74/26モル%で、内圧が0.83MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)を112mg/mlの濃度の水溶液2mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行にともないTFEおよびPMVEをTFE/PMVE=62/38モル%となるような比率で圧入し、0.80〜0.75MPa・Gの間で、昇圧、降圧を繰り返した。また3時間毎にAPSを追加し、重合終了までに、2.8g追加した。
重合反応の開始から16時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が68gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度26.3質量%の水性分散体1655gを得た。
得られた分散液を硫酸アルミニウムを用いて凝析し、純水で充分に洗浄した後、80℃で8時間、120℃で12時間熱風乾燥させ、433gのポリマーを得た。得量より算出される、得られたポリマーにおけるTFE/PMVEセグメントの含有量は、ポリマー中15質量%であった。
得られたポリマー(ブロック共重合体)における100℃でのムーニー粘度およびフッ素含有量、ガラス転移温度を表1に示す。
前記ゴム状の含フッ素共重合体100質量部に対し、ミキシングロールにてカーボンブラック(N990)を20質量部、TAICを3質量部、パーヘキサ25Bを1.5質量部の比率で混練りし、加硫用組成物を得た。得られた加硫用組成物を標準加硫条件でプレス加硫して、さらにオーブン加硫を行った後の物性は表1のとおりであり、耐寒性、燃料低透過性、柔軟性に優れる成形品が得られた。
実施例2(VdF/TFE/PMVEとTFE/PMVEとのブロック共重合体)
用いたディスパージョンを参考例2で得られたものに代え、その仕込み量を1590gに、純水の仕込み量をなしにする以外は実施例1と同様に重合を行った。
固形分濃度26.5%の水性分散体1670gを得た。実施例1と同様に凝析、乾燥を行い、439gのポリマーを得た。得量より算出される、得られたポリマーにおけるTFE/PMVEセグメントの含有量は15質量%であった。
得られたポリマー(ブロック共重合体)における100℃でのムーニー粘度およびフッ素含有量、ガラス転移温度を表1に示す。
前記ゴム状の含フッ素共重合体を実施例1と同様に混練り、加硫を行い、物性を調べた。結果は表1に示したとおりであり、耐寒性、燃料低透過性、柔軟性に優れる成形品が得られた。
実施例3(VdF/TFE/PMVEとVdF/TFE/HFPとのブロック共重合体)
内容積3リットルのステンレススチール製オートクレーブに、参考例1で得られたディスバージョン1390gおよび純水210g、乳化剤としてC715COONH4を1.8g仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで攪拌しながら、80℃に昇温し、VdF、TFE、HFPの混合ガス(VdF/TFE/HFP=7/18/75モル%)を、内圧が1.57MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の6mg/mlの濃度の水溶液2mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行にともない、VdF、TFEおよびHFPの混合ガス(VdF/TFE/HFP=36/31/33モル%)を、1.50〜1.55MPa・Gの間で、昇圧、降圧を繰り返した。
重合反応の開始から3時間後、VdF、TFEおよびHFPの混合ガス(VdF/TFE/HFP=36/31/33モル%)の合計仕込み量が68gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度23.0質量%の水性分散体1735gを得た。
得られた分散液を硫酸アルミニウムを用いて凝析し、純水で充分に洗浄した後、80℃で8時間、120℃で12時間熱風乾燥させ、397gのポリマーを得た。得量より算出される、得られたポリマーにおけるVdF/TFE/HFPセグメントの含有量は、ポリマー中15質量%であった。また、VdF/TFE/HFPセグメントのフッ素含有量は73質量%であった。
得られたポリマー(ブロック共重合体)における100℃でのムーニー粘度およびフッ素含有量、ガラス転移温度を表1に示す。
このポリマーを実施例1と同様の方法で成形品を作成し、その特性を調べた。結果を表1に示す。
比較例1
参考例1で得られたVdF/TFE/PMVE共重合体を用いて実施例1と同様の方法で成形品を作成し、その特性を調べた。結果を表1に示す。表1に示すように、燃料透過性が大きいことがわかる。
Figure 0005353880

Claims (9)

  1. (1)フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の組成割合が50〜85/15〜50モル%、または(2)フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の組成割合が45〜85/1〜30/14〜30モル%のいずれかの組成を有する含フッ素エラストマーセグメント(A)と、
    含フッ素エラストマーセグメント(A)と実質的に相溶性のない含フッ素エラストマーセグメント(B)のみからなるブロック共重合体であって、
    含フッ素エラストマーセグメント(B)が、(b1)テトラフルオロエチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体の組成割合が45〜85/15〜55モル%、(b2)テトラフルオロエチレン/エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体の組成割合が15〜85/1〜30/14〜55モル%、および(b3)フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンの組成割合が25〜85/0〜40/15〜40モル%よりなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体であり、
    含フッ素エラストマーセグメント(A)の含有割合が、含フッ素エラストマー中60〜95質量%であり、含フッ素エラストマーセグメント(B)の含有割合が、含フッ素エラストマー中5〜40質量%である
    ヨウ素原子を有するパーオキサイド加硫可能な含フッ素エラストマー。
  2. フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(1)がフッ化ビニリデン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体であり、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(2)がフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体である請求項1記載の含フッ素エラストマー。
  3. 含フッ素エラストマーセグメント(A)の両末端に、含フッ素エラストマーセグメント(B)を有する請求項1または2のいずれかに記載の含フッ素エラストマー。
  4. フッ素含有量が64.0〜70.0質量%である請求項1〜のいずれかに記載の含フッ素エラストマー。
  5. 示差走査熱量測定装置によって測定されるガラス転移温度を2つ有する請求項1〜のいずれかに記載の含フッ素エラストマー。
  6. (i)請求項1〜のいずれかに記載の含フッ素エラストマー、(ii)多官能性不飽和化合物および(iii)パーオキサイドを含むパーオキサイド加硫用組成物。
  7. 請求項記載のパーオキサイド加硫用組成物を用いて成形された燃料に接触する自動車部品。
  8. RI(式中、nは1〜2の整数であり、Rは炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される含ヨウ素化合物の存在下で、ラジカル重合を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
  9. 含フッ素エラストマーセグメント(A)を重合した後に、含フッ素エラストマーセグメント(B)を重合することを特徴とする請求項記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
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