JP4759950B2 - 含フッ素エラストマーおよびその製造方法 - Google Patents

含フッ素エラストマーおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は加硫可能な含フッ素エラストマーおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、四フッ化エチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)/CF=CFOCFCFBrのくり返し単位の比率が45〜58/42〜55/0.01〜10(モル比)である含フッ素エラストマーとその製造方法に関する。
従来より、含フッ素エラストマーとして、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンを主成分として共重合して得られる共重合体や、四フッ化エチレン/プロピレンを主成分として共重合して得られる共重合体と共に、四フッ化エチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)を主成分として共重合して得られる、いわゆるパーフルオロエラストマーが知られている。
該パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の中でもパーフルオロ(メチルビニルエーテル)と四フッ化エチレンの共重合体は従来知られている(特許文献1参照)。しかしながら、従来の四フッ化エチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重合体では、該共重合体中のパーフルオロ(メチルビニルエーテル)は最高でもおおむね40モル%程度であり、該共重合体の低温特性、特にガラス転移温度を十分に低くすることはできていなかった。
また、従来、架橋性単量体として、ブロモトリフルオロエチレンや臭化アリルを共重合させ架橋させる方法が開示されている(特許文献2参照)が、ブロモトリフルオロエチレンでは該共重合体の主鎖に臭素原子が結合しているために、臭素の反応率が低く、臭化アリルでは該共重合体のフッ素含有量が低下するという問題があった。
また、四フッ化エチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)/パーフルオロ(ブロモエチルビニルエーテル)共重合体が開示されている(特許文献3参照)が、その組成は59.8/38.2/2.1(モル比)であり、十分な低温特性を発現するに至っていない。また、この共重合体は、架橋後の圧縮永久歪が十分低くないという問題点があった。
ヨウ素を含有した四フッ化エチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重合体が開示されている(特許文献4、特許文献5参照)が、ヨウ素含有ポリマーは生産性が低く、また光感応性があるため貯蔵安定性が悪いなど、性能・保存の面で問題がある。
四フッ化エチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)の共重合に架橋性単量体として、パーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)を導入して共重合して得られる共重合体とその架橋方法が開示されている(特許文献6、特許文献7参照)が、該共重合体のごときシアノ基を架橋点とするポリマーでは架橋反応に要する時間が10時間程度と非常に長く、生産性の面で満足できるものではなかった。
特許第2888972号公報 特開昭53−4115号公報 特開平7−278392号公報 特許第2888973号公報 特公平1−57125号公報 特公昭63−5409号公報 特開平3−172311号公報
本発明は、生産性が高く、かつ貯蔵に特別な配慮の必要がなく、さらに十分な低温特性を有し、架橋性に優れ、架橋後の圧縮永久歪が小さい含フッ素エラストマー、およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、四フッ化エチレン(以下、TFEと記す)のくり返し単位、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下、PMVEと記す)のくり返し単位およびCF=CFOCFCFBr(以下、BrVEと記す)のくり返し単位のみからなる共重合体であって、TFE/PMVE/BrVEの各くり返し単位の比率が45〜58/42〜55/0.01〜10(モル比)であることを特徴とする含フッ素エラストマーを提供する。
また、本発明は、TFE、PMVEおよびBrVEを、TFE/PMVE/BrVEの比率が45〜58/42〜55/0.01〜10(モル比)の割合で乳化重合することにより含フッ素エラストマーを得ることを特徴とする含フッ素エラストマーの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記含フッ素エラストマーの製造方法において、乳化重合を、含フッ素乳化剤の存在下で行う含フッ素エラストマーの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記含フッ素エラストマーの製造方法において、含フッ素乳化剤がパーフルオロオクタン酸アンモニウム(以下、APFOと記す)および一般式F(CFO(CFCFO)CFCOONH(式中、nは2〜10の整数であり、mは0または1〜3の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種である含フッ素エラストマーの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記含フッ素エラストマーの製造方法において、含フッ素乳化剤がAPFOである含フッ素エラストマーの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記含フッ素エラストマーの製造方法において、含フッ素乳化剤がCOCFCFOCFCOONHまたはCOCFCFOCFCOONH(以下、BEAと記す)である含フッ素エラストマーの製造方法を提供する。
本発明の含フッ素エラストマーは、生産性が高く、かつ貯蔵に特別な配慮の必要がなく、さらに十分な低温特性を有し、架橋が容易であり、架橋後の圧縮永久歪が小さい。
本発明の含フッ素エラストマーは、TFE/PMVE/BrVEの各くり返し単位の比率が45〜58/42〜55/0.01〜10(モル比)である。この組成のエラストマーは架橋が容易で、貯蔵に特別の配慮の必要がなく、さらに十分な低温特性を有する材料を提供できる。
上記比率において、TFE/PMVEの各くり返し単位の比率は、低温特性発現のために45〜58/55〜42(モル比)が好ましい。特に45〜55/55〜45(モル比)が好ましい。この範囲の共重合体のガラス転移温度は−10℃以下であり、低温特性が良好である。なお、動的弾性率を高くするためには、TFE/PMVEの各くり返し単位の比率は、48〜55/51〜44(モル比)が好ましく、50〜55/48〜42(モル比)が特に好ましい。
BrVEの含有量は目的とする物性発現のためにTFE/PMVEの各くり返し単位の合計量100モルに対して0.01〜10モルの範囲で調整することができ、0.01〜5モルがより好ましく、とりわけ0.05〜3モルが好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーは、公知の方法で製造することができる。例えば、溶液重合、バルク重合、乳化重合等を例示することができるが、分子量調整、共重合組成調整、生産性の観点から水性媒体を用いた乳化重合が好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーを乳化重合で製造する場合、乳化剤としてはラテックスの機械的および化学的安定性の観点から、イオン性乳化剤を用いることが好ましく、特にアニオン性乳化剤が好ましい。アニオン性乳化剤であれば特に限定はされないが、ラウリル硫酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの炭化水素系乳化剤や、パーフルオロオクタン酸アンモニウムなどの含フッ素アルキルカルボン酸塩を例示することができる。含フッ素アルキルカルボン酸塩を用いる場合には、パーフルオロアルキルカルボン酸塩もしくはエーテル結合を有するパーフルオロアルコキシカルボン酸塩またはこれらの混合物や、一般式(1):F(CFO(CF(X)CFO)CF(X)COOA(式中、Xはフッ素原子または直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であり、Aは水素原子、アルカリ金属またはNHであり、nは2〜10の整数であり、mは0または1〜3の整数である)で表される含フッ素乳化剤の1種または2種以上が好ましく、特にパーフルオロオクタン酸アンモニウムおよびCOCFCFOCFCOONH、COCFCFOCFCOONHが好ましい。
乳化重合で使用されるラジカル重合開始剤としては、水溶性重合開始剤が好ましく、その具体例としては、過硫酸アンモニウム塩などの過硫酸類、過酸化水素、ジコハク酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩などの有機系重合開始剤、過硫酸類または過酸化水素と亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤との組合せからなるレドックス系重合開始剤、さらにこれらに少量の鉄、第一鉄塩、硫酸銀などを共存させた系の無機系重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤の添加量は、共重合に用いるモノマーに対して0.0001〜3質量%が好ましく、0.001〜1質量%が特に好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーの製造において、重合圧力および重合温度は、共重合比率、重合開始剤の分解温度などによって選択される。重合圧力は0.1MPaG以上20MPaG以下が好ましく、特に0.3MPaG以上10MPaG以下が好ましく、とりわけ0.3MPa以上5MPa以下が好ましい。重合温度は0℃以上100℃以下が好ましく、特に10℃以上80℃以下が好ましい。
本発明の製造方法で製造した含フッ素エラストマーラテックスは、公知の方法で凝集させて含フッ素エラストマーを取り出すことができる。凝集には金属塩等を用いる塩析法や、塩酸などの無機酸を用いる酸凝集法、機械的剪断による方法、凍結解凍による方法など所望の方法を用いることができる。
本発明の含フッ素エラストマーは、公知の方法で架橋反応を行うことができる。架橋反応の具体例としては、パーオキサイド架橋、ポリオール架橋、アミン架橋、トリアジン架橋等を例示することができ、配合物の生産性、耐熱性、耐薬品性からパーオキサイド架橋を好ましく用いることができる。
パーオキサイド架橋における有機過酸化物は、加熱等により過酸化物ラジカルを発生するものが好ましい。有機過酸化物の具体例としては、ジtert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシソプロピルカーボネート等が挙げられる。特に、好ましいものはジアルキルパーオキシド類である。一般に、有機過酸化物の活性、分解温度等から、使用する有機過酸化物の種類及び含フッ素エラストマー組成物中の含有量が選定される。
有機過酸化物の含有量は、含フッ素エラストマーの100質量部に対して0.3〜10質量部である。この範囲にあると強度と伸びのバランスのとれた架橋物性が得られる。好ましくは、0.3〜5質量部であり、とりわけ0.5〜3質量部が好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーは、架橋助剤を含有することが好ましい。架橋助剤を含有すると、生成したラジカルが架橋剤と有効に反応し架橋効率が高くなる。架橋助剤としては、過酸化物ラジカル及びフッ素ゴムの分子上のラジカルに対して反応活性を有する化合物が挙げられる。
架橋助剤の具体例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、N,N′,N′′,N′′′−テトラアリルテレフタールアミド、ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキサン等のビニル基含有シロキサンオリゴマー等を例示でき、特にトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレートが好ましく、とりわけトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
架橋助剤の含有量は、含フッ素エラストマー100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この範囲にあると強度と伸びのバランスのとれた架橋物性が得られる。
本発明の含フッ素エラストマーを架橋させる際に必要に応じて金属酸化物を含有させることができる。金属酸化物を含有させることで、架橋反応を速やかにかつ確実に進行させることができる。金属酸化物の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉛等を例示することができる。金属酸化物の含有量は処方の物性により調整することができる。特に含フッ素エラストマー100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この範囲にあると強度と伸びのバランスのとれた架橋物性が得られる。
本発明の含フッ素エラストマーを架橋させる際には、着色させるための顔料、充填剤、補強剤などを配合してもよい。通常よく用いられる充填剤または補強剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、二酸化珪素、クレー、タルク、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、四フッ化エチレン/エチレン共重合体、四フッ化エチレン/プロピレン共重合体、四フッ化エチレン/フッ化ビニリデン共重合体などを例示できる。
本発明の含フッ素エラストマーを架橋させる際には、通常のオーブンロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて、含フッ素エラストマーと架橋剤および上記配合剤とを混合することが好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーの架橋は、通常のフッ素ゴムの架橋条件下で行うことが好ましい。例えば、含フッ素エラストマーおよび架橋剤、必要に応じて上記配合剤などを含む組成物を金型に入れ、150〜200℃、0.3〜15MPaの圧力下に1〜60分間保持することによりプレス架橋を行うことが好ましい。この方法で、含フッ素エラストマーを含む組成物は成形され、架橋される。また、金型から取り出された成形品は、180〜260℃のオーブン中で0.5〜24時間保持して2次架橋することも好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーを含フッ素乳化剤を用いた乳化重合により製造した場合には、含フッ素エラストマーラテックスを凝集させた廃液中に含まれる含フッ素乳化剤を公知の方法で回収し、再利用することができる。回収法としては、陰イオン交換樹脂に吸着させる方法、合成吸着剤に吸着させる方法、活性炭に吸着させる方法、層状複水酸化物に内包させる方法、排水を濃縮する方法等を例示することができる。上記の方法により回収した本発明の乳化剤は公知の方法で再生することができる。
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されない。
ガラス転移温度および物性の測定は下記の方法を用いた。
[ガラス転移温度(℃)]セイコーインスツルメント社製DSC220型を用いて、10±0.1mgの試料を−50℃から10℃/分で150℃まで昇温させ、10℃/分で−50℃まで冷却させた際の吸熱ピーク変化の中心温度をガラス転移温度とした。
[物性の測定]含フッ素エラストマーの100質量部、カーボンブラック25質量部、トリアリルイソシアヌレートの3質量部、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製「パーカドックス14」)の1質量部、酸化マグネシウムの3質量部の割合で2本ロールで混練し、含フッ素エラストマー組成物を得た。該含フッ素エラストマー組成物を170℃で20分間の熱プレスを行った後、200℃のオーブン内で4時間の2次架橋を行い、含フッ素エラストマー組成物の厚さ2mmの架橋ゴムシートを得た。得られた架橋ゴムシートを用いて、JIS K6251に準じて3号ダンベルを用いて引張強さおよび破断伸びを測定した。
[圧縮永久歪み]JIS K6262に準じて200℃で72時間の圧縮永久歪み試験を行った。
[貯蔵安定性試験]含フッ素エラストマーを無色透明のポリエチレン製の袋に入れ、室温で1週間屋外に静置した。その後該含フッ素エラストマーを用いて、物性の測定を行い、静置前後での引張強さおよび破断伸びを比較した。
(実施例1)
攪拌翼を備えた内容積2100ccのステンレス製耐圧容器に1500gのイオン交換水、17gのパーフルオロオクタン酸アンモニウムを仕込み。アンカー翼を用いて300rpmの速度で攪拌しながら、内温を60℃に昇温させた。内温が60℃になってから予め調整しておいたTFE/PMVE=10/90(モル比)の混合ガスを反応器内圧が1.0MPaGになるように圧入した。2.5質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を5mL添加し、重合反応を開始させた。重合の進行に伴い、反応器内圧が0.01MPa分降下した時点で予め調整しておいたTFE/PMVE=50/50(モル比)の混合ガスを圧入し、反応器内圧を1.01MPaGに昇圧させた。これを繰り返し、反応器内圧を0.99〜1.01MPaGになるようにTFEガスを逐次添加させ、重合反応を続けた。
TFE/PMVE=50/50(モル比)の混合ガスの添加量13gごとにBrVEの0.5gを反応器に圧入した。BrVEの添加はTFE/PMVE混合ガスの消費量が377gまで続けた。BrVEの添加回数は計29回14.5gであった。TFE/PMVE混合ガス添加量の総量が400gとなった時点で、該混合ガス添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却させ、重合反応を停止させた。重合時間は約5.5時間であった。以上の操作によってTFE/PMVE/BrVE共重合体ラテックスを得た。
該ラテックスを5質量%の硫酸アルミニウムカリウム水溶液に添加して、ラテックスを凝集させ、TFE/PMVE/BrVE共重合体を得た。該共重合体を濾過および超純水により洗浄し、オーブンで乾燥させ、白色透明の385gのTFE/PMVE/BrVE共重合体を得た。
得られたTFE/PMVE/BrVE共重合体において、TFE/PMVE/BrVEの各くり返し単位の比率は54.2/44.3/1.5(モル比)であった。ガラス転移点は−11.8℃だった。物性の測定結果を表1に示す。
(実施例2)
攪拌翼を備えた内容積2100ccのステンレス製耐圧容器に1500gのイオン交換水、17gのパーフルオロオクタン酸アンモニウムを仕込み。アンカー翼を用いて300rpmの速度で攪拌しながら、内温を60℃に昇温させた。内温が60℃になってから予め調整しておいたTFE/PMVE=5/95(モル比)の混合ガスを反応器内圧が1.0MPaGになるように圧入した。2.5質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を5mL添加し、重合反応を開始させた。重合の進行に伴い、反応器内圧が0.01MPa分降下した時点で予め調整しておいたTFE/PMVE=45/55(モル比)の混合ガスを圧入し、反応器内圧を1.01MPaGに昇圧させた。これを繰り返し、反応器内圧を0.99〜1.01MPaGになるようにTFEガスを逐次添加させ、重合反応を続けた。
TFE/PMVE=45/55(モル比)の混合ガスの添加量14gごとにBrVEの0.5gを反応器に圧入した。BrVEの添加はTFE/PMVE混合ガスの消費量が378gまで続けた。BrVEの添加回数は計27回13.5gであった。TFE/PMVE混合ガス添加量の総量が400gとなった時点で、該混合ガス添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却させ、重合反応を停止させた。重合時間は約7.5時間であった。以上の操作によってTFE/PMVE/BrVE共重合体ラテックスを得た。
該ラテックスを5質量%の硫酸アルミニウムカリウム水溶液に添加して、ラテックスを凝集させ、TFE/PMVE/BrVE共重合体を得た。該共重合体を濾過および超純水により洗浄し、オーブンで乾燥させ、白色透明の385gのTFE/PMVE/BrVE共重合体を得た。
得られたTFE/PMVE/BrVE共重合体において、TFE/PMVE/BrVEの各くり返し単位の比率は、48.2/50.6/1.2(モル比)であった。ガラス転移点は−13.8℃だった。物性の測定結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、含フッ素乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウムの代わりにCOCFCFOCFCOONHを用いた以外は同様の方法によってTFE/PMVE/BrVE共重合体を得た。共重合体におけるTFE/PMVE/BrVEの各くり返し単位の比率は53.6/44.8/1.4(モル比)であった。物性の測定結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例2において、含フッ素乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウムの代わりにCOCFCFOCFCOONHを用いた以外は同様の方法によってTFE/PMVE/BrVE共重合体を得た。共重合体におけるTFE/PMVE/BrVEの各くり返し単位の比率は46.8/52.2/1.0(モル比)であった。物性の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
攪拌翼を備えた内容積2100ccのステンレス製耐圧容器に1500gのイオン交換水、17gのパーフルオロオクタン酸アンモニウムを仕込み。アンカー翼を用いて300rpmの速度で攪拌しながら、内温を60℃に昇温させた。内温が60℃になってから予め調整しておいたTFE/PMVE=15/85(モル比)の混合ガスを反応器内圧が1.0MPaGになるように圧入した。2.5質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を5mL添加し、重合反応を開始させた。重合の進行に伴い、反応器内圧が0.01MPa分降下した時点で予め調整しておいたTFE/PMVE=60/40(モル比)の混合ガスを圧入し、反応器内圧を1.01MPaGに昇圧させた。これを繰り返し、反応器内圧を0.99〜1.01MPaGになるようにTFEガスを逐次添加させ、重合反応を続けた。
TFE/PMVE=60/40(モル比)の混合ガスの添加量11gごとにBrVEの0.4gを反応器に圧入した。BrVEの添加はTFE/PMVE混合ガスの消費量が385gまで続けた。BrVEの添加回数は計35回14.0gであった。TFE/PMVE混合ガス添加量の総量が400gとなった時点で、該混合ガス添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却させ、重合反応を停止させた。重合時間は約4.5時間であった。以上の操作によってTFE/PMVE/BrVE共重合体ラテックスを得た。
該ラテックスを5質量%の硫酸アルミニウムカリウム水溶液に添加して、ラテックスを凝集させ、TFE/PMVE/BrVE共重合体を得た。該共重合体を濾過および超純水により洗浄し、オーブンで乾燥させ、白色透明の380gのTFE/PMVE/BrVE共重合体を得た。
得られたTFE/PMVE/BrVE共重合体において、TFE/PMVE/BrVEの各くり返し単位の比率は59.8/40.2/2.0(モル比)であった。ガラス転移点は−8.8℃だった。物性の測定結果を表1に示す。
(比較例2)
攪拌翼を備えた内容積2100ccのステンレス製耐圧容器に1300gのイオン交換水、17gのパーフルオロオクタン酸アンモニウム、4.1gの1,4−ジヨードペルフルオロブタンを仕込んだ。アンカー翼を用いて300rpmの速度で攪拌しながら、内温を60℃に昇温させた。内温が60℃になってから予め調整しておいたTFE/PMVE=20/80(モル比)の混合ガスを反応器内圧が1.0MPaGになるように圧入した。0.5質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を5mL添加し、重合反応を開始させた。重合の進行に伴い、反応器内圧が0.01MPa分降下した時点で予め調整しておいたTFE/PMVE=40/60(モル比)の混合ガスを圧入し、反応器内圧を1.01MPaGに昇圧させた。これを繰り返し、反応器内圧を0.99〜1.01MPaGになるようにTFE/PMVE混合ガスを逐次添加させ、重合反応を続けた。
4時間毎に0.5質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を5mL添加した。TFE/PMVE混合ガス添加量の総量が400gとなった時点で、該混合ガス添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却させ、重合反応を停止させた。重合時間は約21時間であった。以上の操作によって含ヨウ素TFE/PMVE共重合体ラテックスを得た。
該ラテックスを5質量%の硫酸アルミニウムカリウム水溶液に添加して、ラテックスを凝集させ、含ヨウ素TFE/PMVE共重合体を得た。該共重合体をろ過および超純水により洗浄し、50℃で真空乾燥させ、白色透明の380gの含ヨウ素TFE/PMVE共重合体を得た。得られた含ヨウ素TFE/PMVE共重合体の各繰り返し単位の比率は、TFE/PMVE=59.3/40.7(モル比)であり、ヨウ素含有量は0.8質量%であった。物性測定の結果を表1に示す。
Figure 0004759950
本発明の含フッ素エラストマーは、貯蔵安定性に優れ、引張強さおよび破断伸びとガラス転移温度および圧縮永久歪みにバランスのとれたフッ素ゴムを与えることができる。
本発明の含フッ素エラストマーは、優れたゴム物性を有しているので、種々のゴム材料として利用できる。

Claims (6)

  1. 四フッ化エチレンのくり返し単位、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)のくり返し単位およびCF=CFOCFCFBrのくり返し単位のみからなる共重合体であって、四フッ化エチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)/CF=CFOCFCFBrの各くり返し単位の比率が45〜58/42〜55/0.01〜10(モル比)であることを特徴とする含フッ素エラストマー。
  2. 四フッ化エチレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)およびCF=CFOCFCFBrを、四フッ化エチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)/CF=CFOCFCFBrの比率が45〜58/42〜55/0.01〜10(モル比)の割合で乳化重合することにより含フッ素エラストマーを得ることを特徴とする含フッ素エラストマーの製造方法。
  3. 乳化重合を、含フッ素乳化剤の存在下で行う請求項2に記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
  4. 含フッ素乳化剤がパーフルオロオクタン酸アンモニウムおよび一般式F(CFO(CFCFO)CFCOONH(式中、nは2〜10の整数であり、mは0または1〜3の整数である)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
  5. 含フッ素乳化剤がパーフルオロオクタン酸アンモニウムである請求項3に記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
  6. 含フッ素乳化剤がCOCFCFOCFCOONHまたはCOCFCFOCFCOONHである請求項3に記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
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