JP5321580B2 - 含フッ素弾性共重合体及び製造方法 - Google Patents

含フッ素弾性共重合体及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、架橋反応性に優れ、流動性が高く、圧縮永久歪及び耐塩基性に優れる含フッ素弾性共重合体及びその製造方法に関する。
含フッ素弾性共重合体は、耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐候性等に優れることから、通常の炭化水素系材料が耐え得ないような過酷な環境においても適用される。含フッ素弾性共重合体としては、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、テトラフルオロエチエレン/プロピレン系共重合体、テトラフルオロエチエレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体等が知られている。
これらの含フッ素弾性共重合体は、反応性に乏しいため架橋反応性や他材料との接着性が充分でなく、従来より反応性官能基を導入し、反応性を向上する方法が提案されている。なかでも過酸化物による架橋反応性を向上するために、特別な硬化性モノマーを共重合する方法や、過酸化物による架橋の前の、前処理が実施されている。例えば、ヨウ素原子を有する含フッ素連鎖移動剤の存在下に、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンを共重合させて得た含フッ素弾性共重合体は、高分子末端にヨウ素原子を含有するので、過酸化物架橋が可能である(特許文献1を参照)。
一方、テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体は、フッ化ビニリデンの繰り返し単位を含む上記含フッ素弾性共重合体に比べ、耐アミン性や耐高温蒸気性に優れる。該テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体についてはビニルエステルモノマーなどの架橋反応性の官能基を含有するモノマーを共重合して得られる含フッ素弾性共重合体が提案されている(特許文献2を参照)。しかし、該テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体は、複雑な形状の製品を製造する場合に、成形金型のキャビティ内での流動性が充分ではなかった。
ヨウ素原子を有する含フッ素連鎖移動剤の存在下、テトラフルオロエチレン/プロピレンを共重合して得られる、含フッ素弾性共重合体も提案されている(特許文献3を参照)。しかし、該特許文献に記載された方法では、重合速度が遅く、含フッ素弾性共重合体の生産性が非常に低くかった。また、得られる含フッ素弾性共重合体は架橋反応性が不十分であり、圧縮永久歪をはじめとする架橋ゴムの諸物性も満足のいくものではなかった。
したがって、架橋反応に優れ、流動性が高く、耐圧縮永久歪性及び耐塩基性に優れる含フッ素弾性共重合体の製造方法の開発が望まれていた。
特開昭53−125491号公報 特開2006−70245号公報 特開平5−222130号公報
本発明の目的は、架橋反応性に優れ、流動性が高く、耐熱性、耐薬品性、耐圧縮永久歪性に優れる含フッ素弾性共重合体及びその製造方法を提供することである。
本発明は、テトラフルオロエチレン、プロピレン、及び必要に応じてパ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)を共重合することにより得られる含フッ素弾性共重合体であって、該含フッ素弾性共重合体100質量部、カーボンブラック30質量部、トリアリルイソシアヌレート5質量部、及び1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン1質量部を混練して得られる含フッ素弾性共重合体組成物の架橋特性を、架橋特性測定機を用いて177℃で12分間、振幅角3度の条件にて測定し、測定されたトルクの最大値(M)及びトルクの最小値(M)の差である(M−M)値が30dN・m以上であることを特徴とする含フッ素弾性共重合体を提供する。
また、本発明は、上記含フッ素弾性共重合体において、含フッ素弾性共重合体中における、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位/プロピレンに基づく繰り返し単位の(モル比率)が30/70〜70/30である含フッ素弾性共重合体を提供する。
また、本発明は、上記の含フッ素弾性共重合体において、ヨウ素原子を含有し、その含有量が、0.01〜5.0質量%である含フッ素弾性共重合体を提供する。
また、本発明は、ラジカル重合開始剤、及び、一般式RI(式中、Rは炭素数3以上のアルキレン基またはパーフルオロアルキレン基である。)で表されるヨウ素化合物の存在下に、テトラフルオロエチレン、プロピレン、及び必要に応じてパ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)を、重合温度0℃〜50℃の範囲で共重合することを特徴とする含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、前記共重合が、水性媒体中で乳化剤の存在下に、前記水性媒体のpHを7〜14の範囲で行う乳化重合による共重合である含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、前記RIが、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジヨードブタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,8−ジヨードオクタン、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン及び1,8−ジヨードパーフルオロオクタンからなる群から選ばれる1種以上である含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、前記乳化剤が、一般式(1):Rf1ORf2COOA(式中、Rf1は炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であり、Rf2は、直鎖状の含フッ素アルキレン基であり、該含フッ素アルキレン基にはエーテル性の酸素原子を含有してもよく、該含フッ素アルキレン基は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基の側鎖を有してもよく、Aは水素原子、アルカリ金属又はNHである。)で表される含フッ素エーテルカルボン酸化合物である含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、前記乳化剤が、一般式(2):F(CFO(CF(X)CFO)CF(X)COOA(式中、Xは、フッ素原子または炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を表し、Aは、水素原子、アルカリ金属、またはNHを表し、pは、1〜10の整数を表し、qは、0〜3の整数を表す。)で表される含フッ素エーテルカルボン酸化合物である含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、前記ラジカル重合開始剤がレドックス系重合開始剤である含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記含フッ素弾性共重合体と、四フッ化エチレン/エチレン共重合体、フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体、該含フッ素弾性共重合体以外の四フッ化エチレン/プロピレン共重合体及びエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体とを含有する含フッ素弾性共重合体組成物であって、該含フッ素弾性共重合体と該共重合体との含有割合が、含フッ素弾性共重合体/共重合体(質量比)=100/1〜100/300であることを特徴とする含フッ素弾性共重合体組成物を提供する。
本発明の含フッ素弾性共重合体は、架橋反応性に優れ、流動性が高く、耐熱性、耐薬品性、耐圧縮永久歪性に優れる。特に、射出成形性に優れ複雑な形状の製品に好適である。
また、本発明の含フッ素弾性共重合体組成物は、押出成形性に優れ、電線被覆材に好適である。
本発明の含フッ素弾性共重合体は、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという。)、プロピレン(以下、Pという)、及び必要に応じてパ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)(以下、PAVEという)を共重合させて得られる含フッ素弾性共重合体である。
TFEとPの共重合比率は、得られる含フッ素弾性共重合体中のTFEに基づく繰り返し単位/Pに基づく繰り返し単位が30/70〜70/30(モル比)となるように、重合系内に存在させるモノマー比率が決定される。好ましくはTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率が45/55〜65/35、さらに好ましくは50/50〜60/40(モル比)である。
上記の共重合比率を得るための重合系内に存在させるモノマーの比率としては、TFE/P=5/95〜98/2(モル比)が好ましく、40/60〜95/5(モル比)がより好ましく、50/50〜93/7(モル比)が最も好ましい。
また、PAVEを共重合させる場合には、得られる含フッ素弾性共重合体中、TFEに基づく繰り返し単位/Pに基づく繰り返し単位/PAVEに基づく繰り返し単位の比率が、30〜60/10〜40/10〜40(モル比)であることが好ましい。
さらに、本発明の含フッ素弾性共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、TFE、P、PAVEに加えて、その他のモノマーを共重合させることもできる。
その他のモノマーとしては、モノフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブチレン、ジクロロジフルオロエチレン等のフッ素化オレフィン;エチレン、1-ブテン、イソブチレン等の炭化水素オレフィン;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、トリフルオロスチレン等が挙げられる。
本発明の含フッ素弾性共重合体の製造方法における、一般式RIで表されるヨウ素化合物は、炭素数3以上のアルキレン基またはパーフルオロアルキレン基の両末端にヨウ素原子が結合した、ヨウ素化合物である。
具体例としては、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジヨードブタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,8−ジヨードオクタン、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン等が挙げられる。一般式RIで表されるヨウ素化合物の炭素数は、好ましくは3〜8である。一般式RIで表されるヨウ素化合物としては、パーフルオロアルキレン基を有するヨウ素化合物がより好ましく、特に1,4−ジヨードパーフルオロブタンが最も好ましい。
本発明において、一般式RIで表されるヨウ素化合物は、含フッ素弾性共重合体中のヨウ素原子含有量が0.01〜5.0質量%となるよう添加することが好ましい。さらに0.1〜1.0質量%となるよう添加することが特に好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体の製造方法において、重合方法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等が挙げられる。特に、分子量および共重合組成の調整がしやすく、生産性に優れる点から、乳化剤の存在下に水性媒体中でTFE及びP等のモノマーを重合する乳化重合法が好ましい。
水性媒体としては、水、または水溶性有機溶媒を含む水が好ましく、水溶性有機溶媒を含む水がより好ましい。
水溶性有機溶媒としては、tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、tert−ブタノールがより好ましい。
水性媒体中における水溶性有機溶媒の含有量は、水の100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。
乳化重合法において、水性媒体のpHは好ましくは7〜14、より好ましくは7〜11、さらに好ましくは7.5〜11、最も好ましくは8〜10.5である。pHが7より小さい場合は、ヨウ素化合物の安定性が低下し、得られる含フッ素弾性共重合体の架橋反応性が低下する場合がある。
水性媒体のpHを上記範囲にするのは、乳化重合の重合開始から重合終了の間の全重合期間であることがよいが、全重合期間でなくてもよい。好ましくは全重合期間の80%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
pHの調整には、pH緩衝剤を用いることが好ましい。pH緩衝剤としては、無機塩類などが挙げられる。無機塩類としては、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどのりん酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩などが挙げられる。リン酸塩のより好ましい具体例としては、リン酸水素二ナトリウム2水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物等が挙げられる。
乳化剤としては、得られる含フッ素弾性共重合体のラテックスの機械的および化学的安定性が優れることから、イオン性乳化剤が好ましく、アニオン性乳化剤がより好ましい。
アニオン性乳化剤としては、公知のものが使用できるが、具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の炭化水素系乳化剤、パーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロヘキサン酸アンモニウム等の含フッ素アルカン酸塩、一般式(1):Rf1ORf2COOA(式中、Rf1は炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であり、Rf2は、直鎖状の含フッ素アルキレン基であり、該含フッ素アルキレン基にはエーテル性の酸素原子を含有してもよく、該含フッ素アルキレン基は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基の側鎖を有してもよく、Aは水素原子、アルカリ金属又はNHである。)で表される含フッ素エーテルカルボン酸化合物(以下、一般式(1)の化合物という)が挙げられる。なお、Rf2の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜8がより好ましい。
本発明における乳化剤としては、含フッ素乳化剤が好ましく含フッ素アルカン酸塩または、一般式(1)の化合物がより好ましい。
さらに、一般式(2):F(CFO(CF(X)CFO)CF(X)COOA (式中、Xは、フッ素原子または炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を表し、Aは、水素原子、アルカリ金属、またはNHを表し、pは、1〜10の整数を表し、qは、0〜3の整数を表す。)で表される含フッ素エーテルカルボン酸化合物(以下、一般式(2)の化合物という。)が最も好ましい。
一般式(1)で表される化合物または(2)で表される化合物として、AがNHの場合の化合物を例示すると、下記の化合物が挙げられる。
OCFCOONH、COCFCOONH、COCFCOONH、C11OCFCOONH、C13OCFCOONH、CFOCFCFOCFCOONH、COCFCFOCFCOONH、COCFCFOCFCOONH、COCFCFOCFCOONH、C11OCFCFOCFCOONH、C13OCFCFOCFCOONH、CO(CFCFO)CFCOONH、CO(CFCFO)CFCOONH、CO(CFCFO)CFCOONH、C11O(CFCFO)CFCOONH、C13O(CFCFO)CFCOONH、CO(CFCFO)CFCOONH、CO(CFCFO)CFCOONH、CO(CFCFO)CFCOONH、C11O(CFCFO)CFCOONH、C13O(CFCFO)CFCOONH、COCF(CF)COONH、COCF(CF)COONH、COCF(CF)COONH、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH、CO(CF(CF)CFO)CF(CF)COONH、CO(CF(CF)CFO)CF(CF)COONH、CFO(CFOCFCOONH、CO(CFOCFCOONH、CFO(CFO(CFCOONH、CFCFO(CFO(CFCOONH、CFO(CFOCF(CF)COONH、CO(CFOCF(CF)COONH、CFO(CFO(CFCOONH、CFOCFOCFOCFCOONH等が挙げられる。
より好ましい、一般式(2)の化合物の例としては、F(CFOCFCFOCFCOONH、F(CFO(CFCFO)CFCOONH、F(CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COONH、F(CFOCFCFOCFCOONH、F(CFO(CFCFO)CFCOONH、F(CFOCFCFOCFCOONH、F(CFO(CFCFO)CFCOONH、F(CFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH等が挙げられる。
乳化剤の含有量は、水性媒体の100質量部に対して、0.01〜15質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.1〜3質量部が最も好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体の製造方法における重合温度は0℃〜50℃であり、好ましくは10℃〜40℃、より好ましくは20℃〜30℃である。重合温度が50℃を超えると、得られる含フッ素弾性共重合体の架橋反応性が著しく低下し、好ましくない。重合温度がこの範囲にあると、得られた含フッ素弾性共重合体は、架橋反応性に優れ、架橋ゴムが機械特性に優れる。
本発明の製造方法におけるラジカル重合開始剤としては、水溶性開始剤及びレドックス重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤の含有量は、モノマーの合計の質量に対して、0.0001〜3質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
水溶性開始剤としては、過硫酸類(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等。)、有機系開始剤(ジコハク酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩等。)等が挙げられ、過硫酸アンモニウム塩等の過硫酸類が好ましい。特に、過硫酸アンモニウムが最も好ましい。
レドックス開始剤としては、過硫酸類と、還元剤との組合せが挙げられるが、重合温度が0℃〜50℃の範囲でTFE及びPなどのモノマーを重合可能にする重合開始剤である必要がある。過硫酸塩の具体例としては、過硫酸アンモニウムや、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸アルカリ金属塩などが挙げられるが、特に好ましくは過硫酸アンモニウムである。一方、還元剤としては、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸塩などが挙げられるが、好ましくはヒドロキシメタンスルフィン酸塩であり、最も好ましくはヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム塩である。
さらに、第三成分として、少量の鉄、第一鉄塩などの鉄塩、硫酸銀等を共存させることが好ましく、特に好ましくは水溶性鉄塩を共存させることである。水溶性鉄塩の具体例としては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウムなどが挙げられる。
該レドックス開始剤系に加えて、キレート剤を加えることが最も好ましい。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩が最も好ましく挙げられる。
過硫酸塩の使用量は、水性媒体(100質量%)に対して0.001〜3質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
還元剤の使用量は、水性媒体(100質量%)に対して0.001〜3質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
また、鉄、第一鉄塩などの鉄塩、硫酸銀などの第三成分の使用量は、水性媒体(100質量%)に対して0.0001〜0.3質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%が特に好ましい。
キレート剤は、水性媒体(100質量%)に対して0.0001〜0.3質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%が特に好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体の製造方法における重合圧力としては、1.0〜10MPaGが好ましく、1.5〜5.0MPaGがより好ましく、2.0〜4.0MPaGが最も好ましい。重合圧力が1.0MPaG未満であると、重合速度が極めて低くなり、好ましくない。この範囲にあると重合速度が適切で制御しやすく、また、生産性に優れる。
本発明の含フッ素弾性共重合体の製造方法によると、重合速度を10〜100g/L・時間にすることができる。重合速度は、5〜70g/L・時間が好ましく、30〜50g/L・時間がより好ましい。重合速度が上記範囲よりも小さいと、生産性が低下し、実用上好ましくない。一方、上記範囲よりも大きいと、分子量が低下し、架橋性が低下することになり、好ましくない。
上記乳化重合法で得られる含フッ素弾性共重合体のラテックスは、公知の方法で凝集させて含フッ素弾性共重合体を単離する。凝集方法としては、金属塩を添加して塩析する方法、塩酸等の無機酸を添加する方法、機械的剪断による方法、凍結/解凍による方法等が挙げられる。
本発明の含フッ素弾性共重合体は、該含フッ素弾性共重合体100質量部、カーボンブラック30質量部、トリアリルイソシアヌレート5質量部、及び1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン1質量部を混練して得られる含フッ素弾性共重合体組成物の架橋特性を、架橋特性測定機を用いて177℃で12分間、振幅角3度の条件にて測定し、測定されたトルクの最大値(M)及びトルクの最小値(M)の差である(M−M)値が30dN・m以上であり、好ましくは35dN・m以上であり、さらに好ましくは38dN・m以上である。
また、トルクの最大値(M)の90%に達するのに要する時間を表すt90(90%架橋時間)は、5分以下が好ましく、さらに好ましくは4分以下であり、特に好ましくは3.5分以下であり、最も好ましくは3分以下である。
なお、上記混練は、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押し出し機などのゴム用混合装置により通常条件で行うことができるが、2本ロールによる混練が好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体のムーニー粘度は、5〜200が好ましく、10〜170がより好ましく、20〜100が最も好ましい。
ムーニー粘度は、JIS K6300に準じ、直径38.1mm、厚さ5.54mmのL型ローターを用い、100℃で、予熱時間を1分間、ローター回転時間を10分間に設定して測定され、ゴムの分子量の目安である。この範囲にあると流動性と架橋性のバランスに優れる。
本発明の含フッ素弾性共重合体のガラス転移温度は、−40〜20℃が好ましく、−20〜10℃がより好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体の比重は、1.20〜1.70が好ましく、1.40〜1.65がより好ましい。
本発明の製造方法によって得られる含フッ素弾性共重合体は、有機過酸化物を用いて架橋することが好ましい。
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキシド類(ジtert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3等。)、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシソプロピルカーボネート等が挙げられ、ジアルキルパーオキシド類が好ましい。
有機過酸化物の使用量は、含フッ素弾性共重合体の100質量部に対して、0.3〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部がさらに好ましい。有機過酸化物の使用量が該範囲にあると、架橋速度が適切で、得られた架橋ゴムは引張強度と伸びのバランスに優れる。
また、必要に応じて架橋助剤を添加すると、架橋反応性が向上し好ましい。架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタクリルイソシアヌレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリアリルトリメリテート、m−フェニレンジアミンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、N,N’,N’’,N’’’−テトラアリルテレフタールアミド、ビニル基含有シロキサンオリゴマー(ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキサン等。)等が挙げられ、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレートが好ましく、トリアリルイソシアヌレートがより好ましい。
架橋助剤の添加量は、含フッ素弾性共重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。架橋助剤の添加量が該範囲にあると、架橋速度が適切で、得られた架橋ゴムは強度と伸びのバランスに優れる。
また、必要に応じて含フッ素弾性共重合体に金属酸化物を添加してもよい。金属酸化物としては、2価金属の酸化物が好ましい。2価金属の酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉛等が好ましく挙げられる。金属酸化物の添加量は、含フッ素弾性共重合体の100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
上記金属酸化物の添加により、本発明の含フッ素弾性共重合体の特徴である高い架橋性能をより向上することができる。
さらに、本発明の含フッ素弾性共重合体を架橋させる際には、含フッ素弾性共重合体に着色させるための顔料、充填剤、補強剤などを配合してもよい。通常よく用いられる充填剤又は補強剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、二酸化珪素、クレー、タルク等が挙げられる。
また、本発明の含フッ素弾性共重合体には、目的に応じて、含フッ素弾性共重合体以外の高分子材料を配合して、含フッ素弾性共重合体組成物とすることも好ましい。該高分子材料としては、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、四フッ化エチレン/エチレン共重合体等の含フッ素樹脂;フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体、含フッ素弾性共重合体以外の四フッ化エチレン/プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン/パ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)共重合体等の含フッ素エラストマー;エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体などの炭化水素系エラストマー;等が挙げられる。例えば、本発明の含フッ素弾性共重合体に四フッ化エチレン/エチレン共重合体等の含フッ素樹脂を配合すると本発明の含フッ素弾性共重合体の特徴である高い架橋性、流動性に加えて、成形性、強度をさらに向上することができる。また、本発明の含フッ素弾性共重合体にエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体などのエラストマーを配合すると、本発明の含フッ素弾性共重合体の特徴である高い架橋性をさらに向上できる。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物に含有される高分子材料としては、四フッ化エチレン/エチレン共重合体、フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体、含フッ素弾性共重合体以外の四フッ化エチレン/プロピレン共重合体及びエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体が好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物に含有される、含フッ素弾性共重合体と上記共重合体との含有割合は、含フッ素弾性共重合体/共重合体(質量比)=100/1〜100/300が好ましく、100/5〜100/200がより好ましく、100/10〜100/100が最も好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物には、上記の架橋助剤や種々の充填剤を配合することも好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体を、有機過酸化物、架橋助剤、他各種添加剤等と、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押し出し機などのゴム用混合装置で、均一に混合することにより、容易に含フッ素弾性共重合体組成物を得ることができる。
該含フッ素弾性共重合体組成物は、通常は加熱プレス等の方法によって、成形と同時に架橋されるが、予め成形した後に架橋してもよい。
成形法としては、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形又は溶剤に溶かしてディッピング、コーティングなどが採用される。
架橋条件は、成形法や架橋物の形状を考慮して加熱プレス架橋、スチーム架橋、熱風架橋、被鉛架橋など種々の条件が採用される。架橋温度は、通常は100〜400℃で数秒〜24時間の範囲が好ましく採用される。また、架橋物の機械特性や圧縮永久歪の向上やその他の特性の安定化を目的に、2次架橋が好ましく採用される。2次架橋条件としては、100〜300℃で30分間〜48時間程度が好ましい。
成形した含フッ素弾性共重合体組成物を放射線照射により架橋することも好ましい。照射する放射線としては、電子線、紫外線などが挙げられる。電子線照射における照射量は、0.1〜30Mradが好ましく、1〜20Mradがより好ましい。
該含フッ素弾性共重合体組成物は、圧縮永久歪を小さくすることができる。該圧縮永久歪は、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、35以下であることがさらに好ましい。
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。各物性の測定は下記の方法を用いた。
(含フッ素弾性共重合体中の繰り返し単位の比)
含フッ素弾性共重合体中のTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比は、含フッ素弾性共重合体のフッ素含有量分析により算出した。
(ガラス転移温度(℃))
セイコーインスツルメント社製DSC220型を用いて、10±0.1mgの含フッ素弾性共重合体を−50℃から10℃/分で150℃まで昇温させ、10℃/分で−50℃まで冷却させた際の吸熱ピーク変化の中心温度をガラス転移温度とした。
(ムーニー粘度)
含フッ素弾性共重合体のムーニー粘度は、JIS K6300に準じて、直径38.1mm、厚さ5.54mmのL型ローターを用い、100℃で、予熱時間を1分間、ローター回転時間を4分間に設定して測定した。値が大きい程、間接的に高分子量であることを示す。
(比重)
含フッ素弾性共重合体の比重は、新光電子社製比重計を用い、JIS K6220−1に準ずる方法にて測定した。
(架橋物性及び架橋ゴム物性の測定)
含フッ素弾性共重合体の100質量部、カーボンブラックの30質量部、トリアリルイソシアヌレートの5質量部、及び1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ社製、商品名「パーカドックス14」)の1質量部を2本ロールにより、室温下にて10分間混練し、均一に混合された含フッ素弾性共重合体組成物を得た。得られた含フッ素弾性共重合体組成物は架橋特性測定機(アルファーテクノロジーズ社製、商品名「RPA2000」)を用いて177℃で12分間、振幅角3度の条件にて架橋特性を測定した。架橋特性において、Mはトルクの最大値を示し、Mはトルクの最小値を示し、M−Mは架橋度を示す。該架橋特性は、含フッ素弾性共重合体の架橋反応性の指標となり、(M−M)の値が大きいほど、架橋反応性に優れることを示す。トルクの単位は、dN・mである。また、t10及びt90は10%架橋時間及び90%架橋時間であり、架橋特性測定中に示す最大トルクの10%及び90%に達するのに要する時間を表す。t90が小さいほど、架橋が速いことを示す。
また、該含フッ素弾性共重合体組成物を170℃で20分間の熱プレスを行った後、200℃のオーブン内で4時間の2次架橋を行い、含フッ素弾性共重合体組成物の厚さ2mmの架橋ゴムシートを得た。得られた架橋ゴムシートを3号ダンベルで打ち抜き試料を作製した。JISK6251に準じて、100%引張応力、引張強さ及び破断伸びを測定した。また、JIS K6253に準じて硬度を測定した。
(圧縮永久歪)
前記含フッ素弾性共重合体組成物につき、JIS K6262に準じて200℃で72時間の圧縮永久歪試験を行い、圧縮永久歪を測定した。
(実施例1)含フッ素弾性共重合体Aの製造:
撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス鋼製の耐圧反応器の内部を脱気した後、該反応器に、イオン交換水の1500g、リン酸水素二ナトリウム12水和物の60g、水酸化ナトリウムの0.9g、tert−ブタノールの198g、含フッ素乳化剤としてCOCFCFOCFCOONHの9g、及び過硫酸アンモニウムの3.8g、を加えた。さらに、200gのイオン交換水に0.4gのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物(以下、EDTAと記す。)および0.3gの硫酸第一鉄7水和物を溶解させた水溶液を、反応器に加えた。このときの反応器内の水性媒体のpHは9.5であった。
ついで、24℃で、TFE/P=88/12(モル比)のモノマー混合ガスを、反応器の内圧が2.50MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、1,4−ジヨードパーフルオロブタンの6.4gを添加した。その後、水酸化ナトリウムでpHを10.0に調整したヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム2水和物(以下、ロンガリットと記す。)の2.5質量%水溶液(以下、ロンガリット2.5質量%水溶液と記す。)を反応器に加え、重合反応を開始させた。以降、ロンガリット2.5質量%水溶液を、高圧ポンプを用いて連続的に反応器に加えた。
重合温度を24℃に維持して重合を進行させ、重合の進行に伴い、反応器内の圧力が低下するので、反応器の内圧が2.49MPaGに降下した時点で、TFE/P=56/44(モル比)のモノマー混合ガスを圧入し、反応器の内圧を2.51MPaGまで昇圧させた。この操作を繰り返し、反応器の内圧を2.49〜2.51MPaGに保持し、重合反応を続けた。TFE/Pのモノマー混合ガスの圧入量の総量が900gとなった時点で、ロンガリット2.5質量%水溶液の添加を停止し、反応器の内温を10℃まで冷却し、重合反応を停止し、含フッ素弾性共重合体Aのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは8.0であった。ロンガリット2.5質量%水溶液の添加量は88gであった。重合時間は約7時間であった。
含フッ素弾性共重合体Aのラテックスを塩化カルシウムの5質量%水溶液に添加して、塩析により含フッ素弾性共重合体Aのラテックスを凝集させ、含フッ素弾性共重合体Aを析出させた。含フッ素弾性共重合体Aをろ過、回収した。ついで、含フッ素弾性共重合体Aをイオン交換水により洗浄し、100℃のオーブンで15時間乾燥させ、白色の含フッ素弾性共重合体Aの880gを得た。
含フッ素弾性共重合体A中のTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率は56/44(モル比)であった。また、含フッ素弾性共重合体Aのムーニー粘度は80、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。
含フッ素弾性共重合体Aの架橋特性および架橋ゴム物性を表1に示す。
(実施例2)含フッ素弾性共重合体Bの製造:
1,4−ジヨードパーフルオロブタンの添加量を12.8gとし、TFE/Pのモノマー混合ガスの圧入量の総量を800gとした以外は実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Bのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは7.8であった。ロンガリット2.5質量%水溶液の添加量は90gであった。重合時間は約6時間であった。実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Bのラテックスから含フッ素弾性共重合体Bの760gを得た。
含フッ素弾性共重合体B中のTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率は56/44(モル比)であった。また、含フッ素弾性共重合体Bのムーニー粘度は27、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。
含フッ素弾性共重合体Bの架橋特性および架橋ゴム物性を表1に示す。
(実施例3)含フッ素弾性共重合体Cの製造:
含フッ素乳化剤としてCOCFCFOCFCOONHに代えてパーフルオロオクタン酸アンモニウムの9gを添加した以外は、実施例1と同様にして製造し、含フッ素弾性共重合体Cのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは8.0であった。ロンガリット2.5質量%水溶液の添加量は85gであった。重合時間は約7時間であった。
実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Cのラテックスから含フッ素弾性共重合体Bの880gを得た。
含フッ素弾性共重合体C中のTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率は56/44(モル比)であった。また、含フッ素弾性共重合体Cのムーニー粘度は77、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。
含フッ素弾性共重合体Cの架橋特性および架橋ゴム物性を表1に示す。
(実施例4)含フッ素弾性共重合体Dの製造:
重合温度を40℃とし、TFE/Pのモノマー混合ガスの圧入量の総量を800gとした以外は、実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Dのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは7.6であった。ロンガリット2.5質量%水溶液の添加量は90gであった。重合時間は約6時間であった。
実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Dのラテックスから含フッ素弾性共重合体Bの780gを得た。
含フッ素弾性共重合体D中のTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率は56/44(モル比)であった。また、含フッ素弾性共重合体Dのムーニー粘度は60、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。
含フッ素弾性共重合体Dの架橋特性および架橋ゴム物性を表1に示す。
(実施例5)含フッ素弾性共重合体Eの製造:
1,4−ジヨードパーフルオロブタンに代えて、1,4−ジヨードブタンの4.4gを添加した以外は実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Eのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは7.6であった。ロンガリット2.5質量%水溶液の添加量は99gであった。重合時間は約7時間であった。
実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Eのラテックスから含フッ素弾性共重合体Eの880gを得た。
含フッ素弾性共重合体E中のTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率は56/44(モル比)であった。また、含フッ素弾性共重合体Eのムーニー粘度は95、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。
含フッ素弾性共重合体Eの架橋特性および架橋ゴム物性を表1に示す。
(実施例6)含フッ素弾性共重合体Fの製造:
重合温度を20℃とした以外は、実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Fのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは7.9であった。ロンガリット2.5質量%水溶液の添加量は85gであった。重合時間は約7時間であった。
実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Fのラテックスから含フッ素弾性共重合体Fの880gを得た。
含フッ素弾性共重合体F中のTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率は56/44(モル比)であった。また、含フッ素弾性共重合体Fのムーニー粘度は83、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。
含フッ素弾性共重合体Fの架橋特性および架橋ゴム物性を表1に示す。
(実施例7)含フッ素弾性共重合体Hの製造:
1,4−ジヨードパーフルオロブタンに代えて、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサンの7.8gを添加し、重合温度を30℃とした以外は実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Hのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは7.5であった。ロンガリット2.5質量%水溶液の添加量は90gであった。重合時間は約7時間であった。
実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Hのラテックスから含フッ素弾性共重合体Hの880gを得た。
含フッ素弾性共重合体E中のTFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率は56/44(モル比)であった。また、含フッ素弾性共重合体Hのムーニー粘度は95、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。
含フッ素弾性共重合体Hの架橋特性および架橋ゴム物性を表1に示す。
(比較例1)含フッ素弾性共重合体Gの製造:
撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス鋼製の耐圧反応器の内部を脱気した後、該反応器に、イオン交換水の1500g、リン酸水素二ナトリウム12水和物の60g、水酸化ナトリウムの0.9g、tert−ブタノールの198g、及び含フッ素乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウムの9g、を加えた。このときの反応器内の水性媒体のpHは10.0であった。
ついで、75℃で、TFE/P=88/12(モル比)のモノマー混合ガスを、反応器の内圧が2.50MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、1,4−ジヨードパーフルオロブタンの6.4gを添加した。その後、水酸化ナトリウムでpHを10.0に調整した過硫酸アンモニウムの14.4質量%水溶液を反応器に加え、重合反応を開始させた。以降、過硫酸アンモニウムの14.4質量%水溶液を、高圧ポンプを用いて、75℃に維持して重合を進行させ、重合の進行に伴い、反応器内の圧力が低下するので、反応器の内圧が2.49MPaGに降下した時点で、TFE/P=56/44(モル比)のモノマー混合ガスを圧入し、反応器の内圧を2.51MPaGまで昇圧させた。この操作を繰り返し、反応器の内圧を2.49〜2.51MPaGに保持し、重合反応を続けた。過硫酸アンモニウムの14.4質量%水溶液は重合開始から4時間かけ、過硫酸アンモニウムの14.4質量%水溶液として66g添加した。TFE/Pのモノマー混合ガスの圧入量の総量が800gとなった時点で、反応器の内温を10℃まで冷却し、重合反応を停止し、含フッ素弾性共重合体Gのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは7.0であった。重合時間は約13時間であった。
含フッ素弾性共重合体Gのラテックスを塩化カルシウムの5質量%水溶液に添加して、塩析により含フッ素弾性共重合体Gのラテックスを凝集させ、含フッ素弾性共重合体Gを析出させた後、含フッ素弾性共重合体Gをろ過、回収した。ついで、含フッ素弾性共重合体Gをイオン交換水により洗浄し、100℃のオーブンで15時間乾燥させ、白色の含フッ素弾性共重合体Gの770gを得た。
含フッ素弾性共重合体Gのムーニー粘度は30、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。含フッ素弾性共重合体Gの架橋特性および架橋ゴム物性を表2に示す。
(比較例2)含フッ素弾性共重合体Jの製造:
1,4−ジヨードパーフルオロブタンを添加しない以外は実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Jのラテックスを得た。得られたラテックスのpHは7.5であった。ロンガリット2.5質量%水溶液の添加量は70gであり、重合時間は約7時間であった。
実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体Jのラテックスから含フッ素弾性共重合体Jの900gを得た。含フッ素弾性共重合体Jの架橋特性および架橋ゴム物性を表2に示す。
(比較例3)
含フッ素弾性共重合体として、旭硝子社製「アフラス150E」(商品名)を使用した。「アフラス150E」は四フッ化エチレン−プロピレン共重合体であり、TFEに基づく繰り返し単位とPに基づく繰り返し単位の比率は56/44(モル比)であった。
「アフラス150E」のムーニー粘度は60、比重は1.55、ガラス転移温度は−3℃であった。「アフラス150E」の架橋特性および架橋ゴム物性を表2に示す。
Figure 0005321580
Figure 0005321580
50℃以下の重合温度で重合して得られた、実施例1〜6の含フッ素弾性共重合体は、いずれも(M−M)の値が大きく、架橋反応性に優れていた。また、優れた架橋ゴム物性を示した。
50℃を超える重合温度で重合した、比較例1の含フッ素弾性共重合体は、架橋反応性に乏しく、架橋ゴム物性が不充分であった。
(実施例8)
含フッ素弾性共重合体Bの70質量部、含フッ素弾性共重合体Jの30質量部、カーボンブラックの30質量部、トリアリルイソシアヌレートの5質量部、及び1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ社製、商品名「パーカドックス14」)の1質量部を2本ロールにより、室温下にて10分間混練し、均一に混合された含フッ素弾性共重合体組成物を得た。架橋特性および架橋ゴム物性を表3に示す。
(実施例9)
含フッ素弾性共重合体Bの70質量部、旭硝子社製「アフラス150E」(商品名)の30質量部、カーボンブラックの30質量部、及びトリアリルイソシアヌレートの5質量部、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ社製、商品名「パーカドックス14」)の1質量部を2本ロールにより、室温下にて10分間混練し、均一に混合された含フッ素弾性共重合体組成物を得た。架橋特性および架橋ゴム物性を表3に示す。
(実施例10)
含フッ素弾性共重合体Aの70質量部にエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体として、住友化学工業社製「エスプレン505A」(商品名)の30質量部、カーボンブラックの30質量部、トリアリルイソシアヌレートの5質量部、及び1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ社製、商品名「パーカドックス14」)の1質量部を2本ロールにより、室温下にて10分間混練し、均一に混合された含フッ素弾性共重合体組成物を得た。架橋特性および架橋ゴム物性を表3に示す。
Figure 0005321580
(スパイラルフロー試験)
実施例1、比較例1及び比較例2の含フッ素弾性共重合体組成物につき、下記の装置、条件でスパイラルフロー長さを測定した。結果を表2に示す。
射出成形機:三友工業社製 ゴム射出成形機 STI−0.5−75VA
バレル温度:80℃
金型温度:180℃
射出時間:5秒間
加熱時間:5分間
スパイラル金型:8×4×1230mm
Figure 0005321580
実施例1の含フッ素弾性共重合体組成物が流動性に優れ、射出成形に好適であった。また、加熱後、実施例1の含フッ素弾性共重合体組成物からなる架橋ゴムは容易に金型から取り出せ、金型の汚れも認められなかった。これに対し、比較例1及び比較例2の含フッ素弾性共重合体組成物からなる架橋ゴムは架橋が不充分のため、金型から容易に剥離せず、剥離後の金型にはフッ素弾性共重合体組成物が一部付着したままであった。
本発明の含フッ素共弾性重合体は、架橋反応により架橋ゴムにすることができる。該架橋ゴムは、O−リング、シート、ガスケット、オイルシール、ダイヤフラム、V−リング等の材料に適する。また、耐熱性耐薬品性シール材、耐熱性耐油性シール材、電線被覆材、半導体装置用シール材、耐蝕性ゴム塗料、耐ウレア系グリース用シール材等の用途にも適用できる。特に、流動性に優れることから、形状の複雑なゴム製品や射出成形により得られる製品の用途に適する。

なお、2008年3月28日に出願された日本特許出願2008−087936号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. テトラフルオロエチレン、プロピレン、及び必要に応じてパ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)を共重合することにより得られる含フッ素弾性共重合体であって、該含フッ素弾性共重合体100質量部、カーボンブラック30質量部、トリアリルイソシアヌレート5質量部、及び1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン1質量部を混練して得られる含フッ素弾性共重合体組成物の架橋特性を、架橋特性測定機を用いて177℃で12分間、振幅角3度の条件にて測定し、測定されたトルクの最大値(M)及びトルクの最小値(M)の差である(M−M)値が30dN・m以上であることを特徴とする含フッ素弾性共重合体。
  2. 前記含フッ素弾性共重合体中における、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位/プロピレンに基づく繰り返し単位(モル比率)が30/70〜70/30である請求項1に記載の含フッ素弾性共重合体。
  3. 前記含フッ素弾性共重合体が、ヨウ素原子を含有し、その含有量が0.01〜5.0質量%である請求項1または2に記載の含フッ素弾性共重合体。
  4. ラジカル重合開始剤、及び、一般式RI(式中、Rは炭素数3以上のアルキレン基またはパーフルオロアルキレン基である。)で表されるヨウ素化合物の存在下に、テトラフルオロエチレン、プロピレン、及び必要に応じてパ−フルオロ(アルキルビニルエ−テル)を、重合温度0℃〜50℃の範囲で共重合することを特徴とする、含フッ素弾性共重合体の製造方法。
  5. 前記共重合が、水性媒体中で乳化剤の存在下に、前記水性媒体のpHを7〜14の範囲で行う乳化重合による共重合である請求項4に記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法。
  6. 前記ラジカル重合開始剤がレドックス系重合開始剤である請求項4または5に記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法。
  7. 前記RIが、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジヨードブタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,8−ジヨードオクタン、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン及び1,8−ジヨードパーフルオロオクタンからなる群から選ばれる1種以上である請求項4〜6のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法。
  8. 前記乳化剤が、一般式(1):Rf1ORf2COOA(式中、Rf1は炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であり、Rf2は、直鎖状の含フッ素アルキレン基であり、該含フッ素アルキレン基にはエーテル性の酸素原子を含有してもよく、該含フッ素アルキレン基は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基の側鎖を有してもよく、Aは水素原子、アルカリ金属又はNHである。)で表される含フッ素エーテルカルボン酸化合物である請求項5〜7のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法。
  9. 前記乳化剤が、一般式(2):F(CFO(CF(X)CFO)CF(X)COOA(式中、Xは、フッ素原子または炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル基を表し、Aは、水素原子、アルカリ金属、またはNHを表し、pは、1〜10の整数を表し、qは、0〜3の整数を表す。)で表される含フッ素エーテルカルボン酸化合物である請求項5〜7のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法。
  10. 請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合体と、四フッ化エチレン/エチレン共重合体、フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体、該含フッ素弾性共重合体以外の四フッ化エチレン/プロピレン共重合体及びエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体とを含有する含フッ素弾性共重合体組成物であって、該含フッ素弾性共重合体と該共重合体との含有割合が、含フッ素弾性共重合/共重合体(質量比)=100/1〜100/300であることを特徴とする含フッ素弾性共重合体組成物。
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