JP4218207B2 - 成形用材料 - Google Patents

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Description

本発明はシール性やクリーン性が要求される各種成形品の成形に好適に用いられる含フッ素多元セグメント化ポリマーからなる成形用材料および架橋性成形用組成物、ならびにそれを用いて成形してなる各種の成形品、特にシール材、該シール材を組み込んでなる半導体関連製造装置に関する。
含フッ素エラストマーは優れた耐熱性、耐油性、耐薬品性などを有しており、各種の分野、たとえば電気・電子、輸送機、化学、機械、食品、金属などの分野でシール材、Oリング、ガスケット、オイルシール、ダイヤフラム、ホース、ロール、ベルト、パッキンなどの成形用材料として広く使用されている。
たとえば半導体関連の製造分野では、半導体の製造におけるコンタミネーションを可能な限り排除する必要があり、フルオロオレフィンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる含フッ素エラストマーにフッ素樹脂微粉末を配合することによって溶出金属量を抑えると共に強度を高める試みが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかし、フッ素樹脂微粉末を物理的に練り込んでいるにすぎないため、使用時にフッ素樹脂が脱落し、異物としてのパーティクルの原因となったり、ガス不透過性を低下させたりするため、クリーン性やシール性の点で不充分である。
また、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントとをブロック共重合した含フッ素多元セグメント化ポリマーも知られている。
特許文献2には、含フッ素多元セグメント化ポリマーを構成する成分(単量体)の種々の組合せが開示されている。しかし具体例として開示されているものは、ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)からなるエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントにポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントをブロック共重合したものだけである。
特許文献3には、含フッ素多元セグメント化ポリマーを構成する成分(単量体)の種々の組合せが開示されている。しかし、具体例として開示されているものは、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントとしてTFE/プロピレン、TFE/プロピレン/VdF、TFE/C2〜C3の炭化水素系オレフィン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)の組合せが、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントとしてPTFE、TFE/エチレン、TFE/PAVEなどの組合せだけである。
しかし、これらの含フッ素多元セグメント化ポリマーはそもそもブロック化率が低く、非エラストマー性成分が結合していないエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントのみからなるポリマー分子を多く含み、したがってそれを用いて成形した各種の成形品ではエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントやその他の低分子量物の溶出が生じたり、耐熱性、耐薬品性、機械的物性が不充分であったりする。特にクリーン性が要求される半導体デバイス製造装置用シール材に使用したばあい、ブロック化率の低さによるエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントやその他の低分子量物の溶出が問題となる。また、ポリマー自体も乳白化しており、含フッ素多元セグメント化ポリマーの特性である透明性が損われている。
WO97/08239号パンフレット 特開平7−316246号公報 特開平6−220143号公報
本発明は、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントを有する含フッ素多元セグメント化ポリマーからなる成形用材料および架橋性成形用組成物、なかでもそれらを用いて成形してなるエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントやその他低分子量物の溶出の少ない半導体関連製造装置用シール材および該シール材を組み込んだ半導体製造装置を提供することを課題とする。
本発明は、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント(以下、「エラストマー性セグメントA」という)と非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント(以下、「非エラストマー性セグメントB」という)を有し、該エラストマー性セグメントAが、ポリマー全体に柔軟性を与えうるものであり、かつパーハロオレフィン単位を構成単位とするセグメントである含フッ素多元セグメント化ポリマーからなる成形用材料に関する。
また、本発明の成形用材料はエラストマー性セグメントAの構成単位としてパーハロオレフィン単位を90モル%以上、好ましくは95モル%以上含むものである。
本発明においては、エラストマー性セグメントAが、および/または非エラストマー性セグメントBが、それぞれのセグメントに硬化部位を与える単量体に基づく構成単位を、好ましくは各セグメントの5モル%以下含んでいてもよい。
また、エラストマー性セグメントAが、非晶性であってかつガラス転移点が25℃以下であるのが好ましく、さらにまたテトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)/硬化部位を与える単量体の45〜90/10〜50/0〜5モル%からなることが好ましい。
非エラストマー性セグメントBは結晶融点が150℃以上のポリマー鎖であることが好ましく、またパーハロオレフィン単位を構成単位とするものが好ましい。さらにTFEが85〜100モル%、およびCF2=CF−Rf 1〔Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)〕が0〜15モル%からなる非エラストマー性のものが好ましい。
非エラストマー性セグメントBは少なくとも一つのフルオロオレフィン単位を含み、必要に応じて水素を含むハロオレフィン単位を構成単位とするものであっても好ましく用いることができる。
本発明の成形用材料における含フッ素多元セグメント化ポリマー(たとえばB−A−B、A−Bなど)は、非エラストマー性セグメントBと結合していないエラストマー性セグメントAのみからなるポリマー分子Cを含んでいないか、含んでいても35重量%以下、特に10重量%以下であること、つまりA/(A+C)≧65重量%、特にA/(A+C)≧90重量%であることが好ましい。
本発明はまた、硬化部位を含む前記含フッ素多元セグメント化ポリマー100重量部(以下、「部」という)、有機過酸化物0.05〜10部および架橋助剤0.1〜10部を含んでなる架橋性成形用組成物に関する。
本発明はまた、硬化部位としてニトリル基を含む前記含フッ素多元セグメント化ポリマー100部、該ニトリル基と反応可能な官能基を持つ架橋剤0.1〜10部を含んでなる架橋性成形用組成物に関する。
本発明の成形用材料および架橋性成形用組成物は各種の成形品に使用できるが、特にコンタミネーションを発生しにくいことから半導体関連分野における各種製造装置のシール用の材料として好適である。
また、前記含フッ素多元セグメント化ポリマーは、高エネルギー線架橋させてシール材に適用するのが好ましい。
かかるシール材はますます微細化が進み、クリーン化が求められている。具体的には、たとえばエッチング装置、洗浄装置、露光装置、研磨装置、成膜装置または拡散・イオン注入装置などの半導体製造装置に組み込まれる。
本発明によれば、柔軟性、弾性、シール性、耐薬品性、耐熱性という含フッ素エラストマーの特性を維持したまま、機械的特性(特に高温時など)、耐摩耗性、低汚染性、ガス低透過性、透明性に優れた含フッ素多元セグメント化ポリマーからなる、特に半導体関連製造装置用のシール材などの成形に適する成形用材料を提供することができる。
本発明の成形用材料は、エラストマー性セグメントAと非エラストマー性セグメントBのブロック共重合体である柔軟性の含フッ素多元セグメント化ポリマーであって、エラストマー性セグメントAがパーハロオレフィン単位を構成単位とするポリマーからなる。
本発明者らは、特公昭58−4728号公報などで示した含フッ素多元セグメント化ポリマーの製法である高分子論文集(Vol.49,No.10,1992)に記載の、いわゆるヨウ素移動重合法において、エラストマー性セグメントAの構成単位として90モル%以上、特に95モル%以上をパーハロオレフィン単位とすることにより、非エラストマー性セグメントB用の単量体とのブロック共重合反応が規則的に均一に進行し、未反応のエラストマー性セグメントAや反応しても分子量の低い非エラストマー性セグメントBなどの目的外の生成物量を大幅に少なくできることを見出し、さらにこれらを用いた成形品が半導体関連製造装置用シール材として有用であることを見出した。一方、目的外の未反応のエラストマー性セグメントAなどを含む含フッ素多元セグメント化ポリマーからなる成形用材料は、それを用いて成形した成形品に機械的強度の低下、耐熱性の低下、耐薬品性の低下、不純物の溶出によるクリーン性の低下という悪影響を及ぼすものである。
エラストマー性セグメントAの構成単位として使用可能なパーハロオレフィンとしては、たとえばTFE、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔アルキル基の炭素数は1〜5〕、
Figure 0004218207
[式中、YはFまたはCF3、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、pは0〜5の整数、qは0〜5の整数、ただしp+q≧1]などのパーフルオロビニルエーテル類、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などがあげられ、これらのうちからエラストマー性をもつ組合せと組成のものが使用できる。なお、パーオキサイド加硫やポリオール加硫、ポリアミン加硫、さらには架橋剤としてビスアミノフェノールなどの化合物を用いる加硫のために硬化部位を与える単量体を5モル%以下、好ましくは2モル%以下、より好ましくは1モル%以下導入してもよい。これにより、セグメントAはさらに良好な圧縮永久歪性を示す。
本発明で用いる含フッ素多元セグメント化ポリマーにおいて、エラストマー性セグメントAとは、非晶性でかつガラス転移点が25℃以下であるセグメントを示し、具体的に好ましい組成としては、たとえばTFE/PAVE/硬化部位を与える単量体(45〜90/10〜50/0〜5。モル%、以下同様)があげられ、さらに好ましい組成は45〜80/20〜50/0〜5、特に53〜70/30〜45/0〜2である。
硬化部位を与える単量体としては、たとえばフッ化ビニリデン、CX2=CX−Rf 3CHRI(式中、XはH、FまたはCH3、Rf 3はフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、RはHまたはCH3)で示されるヨウ素含有単量体、
Figure 0004218207
(式中、mは0〜5、nは1〜3)
Figure 0004218207
で示されるニトリル基含有単量体、臭素含有単量体などがあげられ、通常、ヨウ素含有単量体、ニトリル基含有単量体などが好適である。
ヨウ素含有単量体としては、パーフルオロビニルエーテル化合物がその共重合性から好適である。たとえばパーフルオロ(6,6ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)や、パーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などが好適である。
そのほか特公平5−63482号公報に記載されている一般式:
Figure 0004218207
(式中、Yはトリフルオロメチル基、nは0〜2)で示されるフルオロビニルエーテルなどがあげられる。
また、特開平7−316246号公報に記載されている一般式:
Figure 0004218207
(式中、Xは水素原子、フッ素原子またはメチル基、Rは水素原子またはメチル基、Rfは1個以上のエーテル型酸素原子を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のフルオロ−またはパーフルオロアルキレン基、またはフルオロ−またはパーフルオロオキシアルキレン基)で示されるヨウ化オレフィンなども使用できる。そのほかCF2=CHIなども好適に使用できる。
なお、加硫(架橋)を放射線(α線、β線、γ線、X線)、電子線、紫外線などの高エネルギー線で行なうばあいは、硬化部位用の単量体の導入は、必ずしも必要ではない。高エネルギー線架橋は、有機過酸化物などの架橋剤が不要であり、しかも架橋剤の混練工程も不要であるので、工程的に簡略化できるだけでなく混練工程での汚染を回避でき、高度の非汚染性が要求される半導体製造用の各種成形品の製造には特に好ましい。しかし、高温でのシール性を要求される用途については硬化部位を導入し、有機過酸化物と架橋助剤で、あるいは、ビスアミノフェノールなどのニトリル基と反応可能な官能基を持つ架橋剤で架橋させるのが物理的特性の点で有利である。
エラストマー性セグメントAはフッ素系エラストマーの製造法として公知のヨウ素移動重合法で製造できる(特公昭58−4728号公報、特開昭62−12734号公報)。
たとえば実質的に無酸素下で、水媒体中で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下に、前記パーハロオレフィン、要すれば硬化部位を与える単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存在下乳化重合を行なう方法があげられる。
用いるジヨウ素化合物の代表例としては、たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨードー2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカンおよび1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタンである。これらの化合物は単独で使用してもよく、相互に組み合せて使用することもできる。なかでも、1,4−ジヨードパーフルオロブタンが好ましい。ジヨウ素化合物の量は、エラストマー性セグメントAを構成する単量体の全重量に対して0.01〜5重量%である。
重合温度は、60℃を超えると、常態特性は特に影響されないようであるが、圧縮永久歪は劣化する傾向にある。また、40℃未満では、過硫酸塩単独では重合速度が小さい。また、亜硫酸塩等を添加したレドックス系を使用しても、重合速度が小さく、その上、還元剤の金属イオンがポリマー中に残り、半導体製造用の用途などでは使えなくなる。
本発明におけるエラストマー性セグメントAの製造で使用するラジカル重合開始剤は、従来からフッ素系エラストマーの重合に使用されているものと同じものであってよい。これらの開始剤には有機および無機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エステル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤と組み合わせて使用することもできる。しかしえられたエラストマーがクリーン度を要求される半導体製造装置などのシール材などに使用されることが多く、金属イオン源となる還元剤はできる限り使用しない方が好ましい。
乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖または、フルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加された水の約0.05〜2重量%が望ましく、特に0.2〜1.5重量%が望ましい。
本発明で使用するモノマー混合ガスは、カルブ(G.H.Kalb)ら、アドヴァンシーズ・イン・ケミストリー・シリーズ(Advances in Chemistry Series.)129,13(1973)に記載されるように、爆発性を有するので、重合装置には着火源となるスパークなどが発生しないように工夫する必要がある。また、その意味からは、重合圧力はできる限り低く抑えることが好ましい。
重合圧力は、広い範囲で変化させることができる。一般には、0.5〜5MPaの範囲である。重合圧力は、高い程重合速度は大きくなるため、生産性の向上の観点から、0.8MPa以上であることが望ましい。
かくしてえられるエラストマー性セグメントAは数平均分子量が5,000〜750,000、特に20,000〜400,000のものが、えられる含フッ素多元セグメント化ポリマー全体へ柔軟性の付与、弾性の付与、機械的物性の付与、また成形性の点から好ましい。
本発明においてエラストマー性セグメントAの末端部分はパーハロ型となっており、非エラストマー性セグメントのブロック共重合の開始点となるヨウ素原子を有している。
本発明において非エラストマー性セグメントBとしては、フッ素原子を含み前記エラストマー性を有していなければ基本的には限定されず、非エラストマー性セグメントBをブロック共重合することによりえようとする特性・機能に合わせて選択すればよい。なかでも、機械的物性を付与するためには結晶融点が150℃以上である結晶性ポリマー鎖セグメントであることが好ましい。
非エラストマー性セグメントBを構成しうる単量体のうち含フッ素単量体としては、たとえばTFE、CTFE、PAVE、HFP、CF2=CF(CF2pX(pは1〜10の整数、XはFまたはCl)、パーフルオロ−2−ブテンなどのパーハロオレフィン類;フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、
Figure 0004218207
(X1およびX2はHまたはF、qは1〜10の整数)、CH2=C(CF32などの部分フッ素化オレフィン類の1種または2種以上があげられる。また、これらと共重合可能な単量体、たとえばエチレン、プロピレン、塩化ビニル、ビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、アクリル類の1種または2種以上も共重合成分として使用できる。
これらのうち、耐薬品性、耐熱性の点から、主成分に用いる単量体としては含フッ素オレフィン単独または含フッ素オレフィン同士の組合せ、エチレンとTFEの組合せ、エチレンとCTFEの組合せが好ましく、特にパーハロオレフィンの単独またはパーハロオレフィン同士の組合せが好ましい。
具体的には、
(1)VdF/TFE(0〜100/100〜0)、特にVdF/TFE(70〜99/30〜1)、PTFEまたはPVdF;
(2)エチレン/TFE/HFP(6〜60/40〜81/1〜30)、3,3,3−トリフルオロプロピレン−1,2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピレン−1/PAVE(40〜60/60〜40);
(3)TFE/CF2=CF−Rf 1(非エラストマー性を示す組成範囲、すなわち、CF2=CF−Rf 1が15モル%以下);
(4)VdF/TFE/CTFE(50〜99/30〜0/20〜1);
(5)VdF/TFE/HFP(60〜99/30〜0/10〜1);
(6)エチレン/TFE(30〜60/70〜40);
(7)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);
(8)エチレン/CTFE(30〜60/70〜40)
などがあげられる。これらのうち、耐薬品性と耐熱性の点から、特にPTFEおよびTFE/CF2=CF−Rf 1の非エラストマー性の共重合体が好ましい。
また、非エラストマー性セグメントBを構成しうる単量体として、各種加硫のために前記した硬化部位を与える単量体を5モル%以下、好ましくは2モル%以下、より好ましくは1モル%以下導入してもよい。
非エラストマー性セグメントBのブロック共重合は、エラストマー性セグメントAの乳化重合に引き続き、単量体を非エラストマー性セグメントB用に変えることにより行なうことができる。
非エラストマー性セグメントBの数平均分子量は、1,000〜1,200,000、好ましくは3,000〜400,000と広い幅で調整できる。
本発明における重要な特徴は、エラストマー性セグメントAに確実に非エラストマー性セグメントBをブロック共重合でき、しかも非エラストマー性セグメントBの分子量(重合度)を大きくすることができた点にある。この点は前述したとおり、エラストマー性セグメントAの構成単位の90モル%以上、特に95モル%以上をパーハロオレフィン単位とすることにより達成できる。
かくしてえられる含フッ素多元セグメント化ポリマーは、エラストマー性セグメントAの両側に非エラストマー性セグメントBが結合したポリマー分子(B−A−B)、エラストマー性セグメントAの片側に非エラストマー性セグメントBが結合したポリマー分子(A−B)を主体とするものであり、非エラストマー性セグメントBが結合していないエラストマー性セグメントAのみのポリマー分子(C)は、含フッ素多元セグメント化ポリマー中のAセグメントとポリマーCとの合計量に対し35重量%以下、特に10重量%以下である。このポリマー分子(C)は加硫後であってもたとえばフッ素系の有機溶剤により溶出され、成形品の品質劣化だけでなく汚染の原因にもなるため、できるだけ少ない方がよく、望ましくは5重量%以下、特に実質的にゼロであるのが望ましい。
本発明において含フッ素多元セグメント化ポリマー中のエラストマー性セグメントAと非エラストマー性セグメントBとの割合は、前記分子量の範囲内で選定すればよいが、たとえば重量比でA/Bが10〜99/90〜1、特に60〜95/40〜5であるのが好ましい。
以上、本発明に係る含フッ素多元セグメント化ポリマーの製造法について、ブロックポリマーとするばあいについて説明したが、特開昭62−34324号公報に示されるような製造法を用いてグラフトポリマーとすることも可能である。
本発明の成形用材料は、前記含フッ素多元セグメント化ポリマーからなるものであり、用途および加硫方法、要求物性(機械的特性、電気的特性、外観)などによって適宜公知の添加剤を使用することができる。
またエラストマー性セグメントAおよび/または非エラストマー性セグメントBに硬化部位を導入して架橋点を設けたばあい、加硫(架橋)を公知の有機過酸化物によるパーオキサイド加硫や公知の多価アルコール類によるポリオール加硫、公知の多価アミン化合物によるポリアミン加硫、公知の有機すず系触媒によるトリアジン加硫、ニトリル基と反応可能な官能基をもつ架橋剤による加硫などにより行なうことができる。
パーオキサイド加硫を行なうばあい、前記硬化部位を有する含フッ素多元セグメント化ポリマーと有機過酸化物と架橋助剤とを有する架橋性成形用組成物とするのが好ましい。
用いる有機過酸化物としては、加硫温度条件下でパーオキシラジカルを発生する公知有機過酸化物ならいずれでもよく、好ましい有機過酸化物は、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどである。
有機過酸化物の含有量は、含フッ素多元セグメント化ポリマー100部当たり、通常0.05〜10部、好ましくは1〜5部である。
有機過酸化物の含有量が0.05部より少ないと、含フッ素多元セグメント化ポリマーが充分架橋されず、一方10部を超えると、加硫物の物性を悪化させる。
かかるパーオキサイド加硫において多官能性共架橋剤などの架橋助剤を用いることができる。使用する多官能性共架橋剤としては、含フッ素エラストマーのパーオキサイド加硫において有機過酸化物と共に用いられる多官能性共架橋剤が使用でき、たとえばトリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホルマール、トリアリルホスフェート、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサンに代表されるビスオレフィンなどがあげられる。
また、トリアリルイソシアヌレートの3つのアリル基の中の水素原子の一部をより耐熱性の高いフッ素原子に置き換えた含フッ素トリアリルイソシアヌレートなども好適にあげられる(米国特許第4,320,216号明細書、WO98/00407パンフレット、Klenovic h,S.V.ら、Zh.Prikl,Khim.(Leningrad)(1987,60(3), 656−8) 参照)。
架橋助剤の含有量は、含フッ素多元セグメント化ポリマー100部当たり、通常0.1〜10部、好ましくは0.5〜5部である。
架橋助剤の含有量が0.1部より少ないと、含フッ素多元セグメント化ポリマーが充分架橋されず、一方10部を超えると、加硫物の伸びが低下する。
硬化部位としてニトリル基を有する含フッ素多元セグメント化ポリマーの加硫を行なう場合、ニトリル基を有する含フッ素多元セグメント化ポリマーとビスアミノフェノールなどのニトリル基と反応可能な官能基をもつ架橋剤とを有する架橋性成形用組成物とするのが好ましい。
ニトリル基と反応可能な官能基をもつ架橋剤としては、公知のビスアミノフェノール化合物、テトラアミン化合物、ビスアミノチオフェノール化合物、ビスアミドラゾン化合物、ビスアミドキシム化合物(特開昭59−109546号公報、特開平8−120144号公報、特開平8−104789号公報、特開平8−119926号公報、特開平8−217742号公報、特開平9−31283号公報、特開平9−31284号公報参照)などがある。
本発明の成形用材料および架橋性成形用組成物において、特に高純度かつ非汚染性が要求されない分野では、必要に応じて含フッ素エラストマー組成物に配合される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤などを配合することができ、前記のものとは異なる常套の加硫剤や加硫促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲において、公知のフッ素ゴムを混合してもよい。
本発明の成形用材料または架橋性成形用組成物は、上記の各成分を、通常のゴム用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法やエマルジョン混合から共凝析する方法によっても調製することができる。
上記成形用材料または架橋性成形用組成物から予備成形体を得る方法は通常の方法で良く、金型にて加熱圧縮する方法、加熱された金型に圧入する方法、押出機で押出す方法など公知の方法で行うことができる。ホースや電線などの押出製品の場合は押出後も形を保持することが可能なので、架橋剤を使用せずに押出した予備成形体をそのまま用いることができる。もちろん架橋剤を使用してスチームなどによる加熱架橋を施した予備成形体を用いることも可能である。またO−リングなどの型物製品で未架橋状態では離型後も形を保持することが困難な場合は、架橋剤を使用してあらかじめ架橋した予備成形体を用いることにより実施可能となる。
本発明においてパーオキサイド加硫を行なうばあい、通常のフッ素ゴムの加硫条件下で行なうことができる。たとえば、金型に入れ、加圧下において120〜200℃で1〜60分間保持することによってプレス加硫を行ない、続いて120〜320℃の炉中で0〜48時間保持することによってオーブン加硫を行なうと、加硫ゴムをうることができる。
本発明においてビスアミノフェノールなどの架橋剤を用いて加硫を行なう場合、通常のフッ素ゴムの加硫条件下で行なうことができる。たとえば、金型に入れ、加圧下において120〜200℃で1〜60分間保持することによって、プレス加硫を行ない、続いて120〜320℃の炉中で0〜48時間保持することによってオーブン加硫を行なうと、加硫ゴムを得ることができる。
半導体関連製造装置などの非汚染性を強く求められる用途のばあい、架橋剤などを添加せずに高エネルギー線架橋をするのが好ましい。架橋源としては、α線、β線、γ線、X線などの放射線、電子線、紫外線などが用いられる。
予備成形体に照射される高エネルギー線は、たとえば電子線のばあい、照射線量は5〜500kGyが好ましく、さらに好ましくは10〜300kGyである。5kGyより少ないと放射線の照射による機械的強度の改善が不充分となり、500kGyより多いとポリマーの崩壊が進行し、分子間結合が一部切断されて、成形体の機械的強度が低下する。また機械的強度の改善のためには線量率は500kGy/h以上が好ましく、さらに好ましくは1000kGy/h以上が良い。
また、半導体製造装置用の各種成形品、たとえばシール材の成形用材料として用いるばあい、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、塩酸、硫酸などの強酸類;アンモニア、水酸化ナトリウム、アミン類などのアルカリ類;酸素、ネオン、CF4などの各種プラズマなどの極めて厳しい条件に耐えうる特性が求められる。かかる要求を満たすためには、本発明の成形用材料として、つぎの構成のものを使用すればよい。
(1)含フッ素多元セグメント化ポリマー
(1−a)エラストマー性セグメントA:
テトラフルオロエチレン45〜90モル%とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)10〜50モル%とヨウ素原子を有する架橋部位となる単量体0〜5モル%の共重合体
分子量:20,000〜400,000
(1−b)非エラストマー性セグメントB:
テトラフルオロエチレンのホモ重合体、テトラフルオロエチレン90〜99.99モル%とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)0.01〜10モル%との共重合体、テトラフルオロエチレン85〜99.99モル%とヘキサフルオロプロピレン0.01〜15モル%との共重合体などが好ましい。
分子量:1,000〜400,000
(2)添加剤
基本的には使用しないのが好ましいが、目的、部品により補強や帯電性の低下が必要であるばあいにのみカーボンブラック、酸化チタン、酸化ケイ素、フッ素樹脂粉末などをできるだけ少量添加してもよい。
(3)加硫方法
加硫操作を必要としなくとも充分な強度はえられるが、さらに加硫により機械的特性を向上させるばあい、公知の加硫方法が適用できる。しかし、なるべく金属、金属化合物、金属イオンを用いない加硫方法が好ましい。具体的にはパーオキサイド加硫、ビスアミノフェノール加硫または放射線、電子線、紫外線などの高エネルギー線加硫が好ましい。
(4)成形方法
公知の射出成形、押出成形、圧縮成形などが適用できる。
本発明の含フッ素多元セグメント化ポリマーは柔軟性、弾性、シール性というエラストマーという面からみた特性と機械的強度、耐摩耗性、耐熱性という結晶性樹脂からみた特性に優れており、しかも両セグメントが化学的に結合していることにより、クリーン性、透明性に優れている。
こうした特性を生かし、本発明の成形用材料および組成物はつぎの表1、表2および表3に示す分野の各種成形品の材料として有用である。
Figure 0004218207
Figure 0004218207
Figure 0004218207
特に本発明のシール材は、具体的には次のような半導体製造装置に組み込んで用いることができる。
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置
プラズマエッチング装置
反応性イオンエッチング装置
反応性イオンビームエッチング装置
スパッタエッチング装置
イオンビームエッチング装置
ウェットエッチング装置
アッシング装置
(2)洗浄装置
乾式エッチング洗浄装置
UV/O3洗浄装置
イオンビーム洗浄装置
レーザービーム洗浄装置
プラズマ洗浄装置
ガスエッチング洗浄装置
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置
高温高圧抽出洗浄装置
マイクロウェーブ抽出洗浄装置
超臨界抽出洗浄装置
(3)露光装置
ステッパー
コータ・デベロッパー
(4)研磨装置
CMP装置
(5)成膜装置
CVD装置
スパッタリング装置
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置
イオン注入装置
実施例
つぎに本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
合成例1(エラストマー性セグメントAの合成)
着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オートクレーブに、純水30リットルおよび乳化剤としてC715COONH4300g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩300gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=32/68モル比)を、内圧が8.0kgf/cm2Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の55.8mg/mlの濃度の水溶液100mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、7.0kgf/cm2Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(CF24Iを27.24gとC715COONH4の10重量%水溶液234gとを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が8.0kgf/cm2Gになるように、TFEを自圧にて60g、PMVE58g(TFE/PMVE=63/37モル比)をプランジャーポンプにて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、7〜8kgf/cm2Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返した。
重合反応の開始から12時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、6000gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度18.04重量%の水性分散体をえた。
この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム状重合体をえた。この重合体のムーニー粘度ML1+10(100℃)は、94であった。極限粘度は、[η]=0.654(dl/g、35℃、FC−75(3M社製))であった。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE=60/40モル%であり、DSC分析により測定したTg(中央値)は、2℃であった。
合成例2(エラストマー性セグメントAの合成)
着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オートクレーブに、純水30リットルおよび乳化剤としてC715COONH4300g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩300gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=32/68モル比)を、内圧が8.0kgf/cm2Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の27.9mg/mlの濃度の水溶液100mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、7.0kgf/cm2Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(CF24Iを13.62gとC715COONH4の10重量%水溶液117gとを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が8.0kgf/cm2Gになるように、TFEを自圧にて60g、PMVE58g(TFE/PMVE=63/37モル比)をプランジャーポンプにて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、7〜8kgf/cm2Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返した。
重合反応の開始から16時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、6000gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度18.16重量%の水性分散体をえた。
この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム状重合体をえた。この重合体のムーニー粘度ML1+10(100℃)は、溶融せず測定できなかった。極限粘度は、[η]=1.387(dl/g、35℃、FC−75(3M社製))であった。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE=60/40モル%であり、DSC分析により測定したTg(中央値)は、2℃であった。
合成例3(エラストマー性セグメントAの合成)
着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オートクレーブに、純水30リットルおよび乳化剤としてC715COONH4300g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩2.7gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=32/68モル比)を、内圧が8.5kgf/cm2Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の87.35mg/mlの濃度の水溶液100mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、7.5kgf/cm2Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(CF24Iを61.59g、CF2=CFOCF2CF2CH2Iを100.4gとC715COONH4の10重量%水溶液1392gとを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が8.5kgf/cm2Gになるように、TFEを自圧にて60g、PMVE66.4g(TFE/PMVE=60/40モル比)をプランジャーポンプにて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、7.5〜8.5kgf/cm2Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返した。
重合反応の開始から69時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、14kgになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度30重量%の水性分散体をえた。
この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム状重合体をえた。この重合体のムーニー粘度ML1+10(100℃)は、68であった。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE=60/40モル%であり、DSC分析により測定したTg(中央値)は、−4℃であった。
合成例4(エラストマー性セグメントAの合成)
着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オートクレーブに、純水30リットルおよび乳化剤として
Figure 0004218207
pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩300gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=32/68モル比)を、内圧が8.0kgf/cm2Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の55.8mg/mlの濃度の水溶液100mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、7.0kgf/cm2Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(CF24Iを109gとC715COONH4の10重量%水溶液363gとを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が8.0kgf/cm2Gになるように、TFEを自圧にて60g、PMVE58g(TFE/PMVE=63/37モル比)をプランジャーポンプにて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、7〜8kgf/cm2Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返した。
重合反応の開始から17時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、6000gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度16.00重量%の水性分散体をえた。
この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝析を行ない、解凍後凝析物を水洗、真空乾燥してゴム状重合体をえた。この重合体のムーニー粘度ML1+10(100℃)は、1であった。また、160℃、5kgf/cm2荷重でMFRを測定しようとしたところ、流れすぎて値を求めることはできなかった。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE=66/34モル%であった。DSC分析により測定したTg(中央値)は、−9℃であった。
実施例1(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積3リットルのステンレス製オートクレーブに、合成例1でえられた水性分散体1096gと、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)4.15gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を80℃に保った。400rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、7.0kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで8.0kgf/cm2Gまで再加圧し、7.0〜8.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合開始よりTFEが29.6g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体1132gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は19.6重量%であり、動的光散乱法で測定した粒子径は55.3nmであった。
ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は16.2重量%であった。
えられた水性分散体を凍結凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
えられた含フッ素多元セグメント化ポリマー中の非エラストマー性セグメントの組成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE=99.5/0.5モル%であった。また、DSC分析により、エラストマー性セグメントAのガラス転移点は2℃であり、非エラストマー性セグメントBの結晶融点は324℃と検知された。
実施例2(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積3リットルのステンレス製オートクレーブに、合成例2でえられた水性分散体993.7gと、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)10.3gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を80℃に保った。400rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、7.0kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで8.0kgf/cm2Gまで再加圧し、7.0〜8.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合開始よりTFEが57.0g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体1200gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は20.0重量%であり、動的光散乱法で測定した粒子径は53.4nmであった。
ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は24.8重量%であった。
えられた水性分散体を凍結凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
えられた含フッ素多元セグメント化ポリマー中の非エラストマー性セグメントBの組成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE=98.9/1.1モル%であった。また、DSC分析により、エラストマー性セグメントAのガラス転移点は2℃であり、非エラストマー性セグメントBの結晶融点は310℃と検知された。
実施例3(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのステンレス製オートクレーブに、合成例3でえられたディスパージョン3000gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を80℃に保った。600rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧が2.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、1.5kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで2.0kgf/cm2Gまで再加圧し、1.5〜2.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合開始よりTFEが約10g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体3011gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は31.3重量%であり、ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は4.5重量%であった。
えられた水性分散体を凍結凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
DSC分析により、エラストマー性セグメントAのガラス転移点は−4℃であり、非エラストマー性セグメントBの結晶融点は263℃と検知された。この含フッ素多元セグメント化ポリマーのムーニー粘度ML1+10(140℃)は101であった。
実施例4(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのステンレス製オートクレーブに、合成例3でえられたディスパージョン3000gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を80℃に保った。600rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧が2.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、1.5kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで2.0kgf/cm2Gまで再加圧し、1.5〜2.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合開始よりTFEが約120g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体3137gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は19.6重量%であり、動的光散乱法で測定した粒子径は55.3nmであった。
ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は18.5重量%であった。
えられた水性分散体を凍結凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
DSC分析により、エラストマー性セグメントAのガラス転移点は−4℃であり、非エラストマー性セグメントBの結晶融点は328℃と検知された。この含フッ素多元セグメント化ポリマーのムーニー測定(140℃)は溶融せず測定できなかった。
実施例5(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのガラスライニング製オートクレーブに、合成例4でえられたディスパージョン2000gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を50℃に保った。600rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧8.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)20mgを水8mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで8.0kgf/cm2Gまで再加圧し、7.5〜8.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合反応の開始よりTFEが約9g、28g、45g消費された時点でパーフルオロ−(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)(CNVE)をそれぞれ約13gずつ窒素を用いて圧入した。
重合開始よりTFEが約66g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体2242gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は17.9重量%であり、ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は20.3重量%であった。
えられた水性分散体を凍結凝析し、析出したポリマーを141bにて洗浄、60℃にて真空乾燥し、白色固体をえた。
非エラストマー性セグメントBの組成は、IR分析によりTFE/CNVE=96.5/3.5(モル比)であった。この含フッ素多元セグメント化ポリマーのMFR値は、160℃、5kgf/cm2荷重で4.9×10-2g/10mimであった。
実施例6(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのガラスライニング製オートクレーブに、合成例4でえられたディスパージョン2000gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を80℃に保った。600rpmで撹拌を行ないながら、フッ化ビニリデン(VdF)を内圧8.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でVdFで8.0kgf/cm2Gまで再加圧し、7.5〜8.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合中、適度な重合速度を保つように、過硫酸アンモニウム(APS)を追加した。
重合開始よりVdFが約50g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体2057gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は18.2重量%であり、ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は14.5重量%であった。
えられた水性分散体を硝酸で凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
DSC分析により、エラストマー性セグメントAのガラス転移点は−9℃であり、非エラストマー性セグメントBの結晶融点は162℃と検知された。この含フッ素多元セグメント化ポリマーのMFR値は、160℃、5kgf/cm2荷重で7.2×10-3g/10mimであった。
実施例7(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのガラスライニング製オートクレーブに、合成例4でえられたディスパージョン2000gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を80℃に保った。600rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)とエチレン(Et)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の混合ガス(TFE/Et/HFP=67/16/17モル比)を内圧8.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でTFE/Et/HFP(47/46/7モル比)の混合ガスで8.0kgf/cm2Gまで再加圧し、7.5〜8.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合中、適度な重合速度を保つように、過硫酸アンモニウム(APS)を追加した。
重合開始より前記混合ガスが約54g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体2258gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は17.0重量%であり、ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は16.6重量%であった。
えられた水性分散体を硝酸で凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
DSC分析により、エラストマー性セグメントAのガラス転移点は−9℃、非エラストマー性セグメントBの結晶融点は198℃と検知された。この含フッ素多元セグメント化ポリマーのMFR値は、160℃、5kgf/cm2荷重で1.2×10-1g/10mimであった。
実施例8(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのガラスライニング製オートクレーブに、合成例4でえられたディスパージョン2000gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を80℃に保った。600rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧が2.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、1.5kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで2.0kgf/cm2Gまで再加圧し、1.5〜2.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合開始よりTFEが約77g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体2063gをえた。
えられた水性分散体中のポリマー濃度は19.8重量%であり、ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は21.6重量%であった。
えられた水性分散体を硝酸で凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
この含フッ素多元セグメント化ポリマーは160℃、5kgf/cm2荷重のMFR測定では流れなかった。
参考例1(パーハロオレフィン以外の構造単位からなるエラストマー性セグメントをもつ含フッ素多元セグメント化ポリマーの合成)
(1)エラストマー性セグメントAの合成
6リットルのステンレス製オートクレーブに純水3000gおよびパーフルオロオクタン酸アンモニウム6gを仕込み、内部空間を純窒素ガスで完全に置換した後、フッ化ビニリデン(VdF)とテトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の混合ガス(VdF/TFE/HFP=69/11/20モル比)で80℃、撹拌下に15kg/cmGに加圧した。過硫酸アンモニウム(APS)1%水溶液4gを槽内に圧入すると直ちに圧力低下が起るので、圧力を保つようにVdF/TFE/HFP(50/20/30モル比)混合ガスを圧入しながら反応を継続し、追加混合ガスが2g消費した段階で1,4−ジヨードパーフルオロブタン3.1gを圧入した。以後3時間毎にAPS1%水溶液2gを圧入しながら15時間反応を行なった後、急速降温およびガス放出を行なって反応を終了させた。固形分含量25%の白色水性ディスパージョンがえられた。このディスパージョンの一部をとり、強力な剪断力を有するラインミキサーにより凝析し、凝析物を水洗、乾燥して、無色透明な弾性状ポリマーをえた。19F−NMR分析より共重合体の組成は、VdF/TFE/HFP=50/20/30モル%、DSC分析によるガラス転移点は−10℃、[η]=0.65(dl/g、35℃、MEK)。ムーニー粘度ML1+20(100℃)=75であった。
(2)(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのステンレス製オートクレーブに、上記(1)でえられたディスパージョン3000gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換した後、系内の温度を80℃に保った。200rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧が1.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
次いで過硫酸アンモニウム10mgを水2mlに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので0kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで1.0kgf/cm2Gまで再加圧し、1.0kgf/cm2Gまでの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合開始よりTFEが約40g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体3061gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は25.5%であり、ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち
{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100
は4.5重量%であった。
えられた水性分散体を凍結凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
DSC分析により、エラストマー性セグメントAのTg−4℃に加えて、非エラストマー性セグメントBの結晶融点が305℃と検知された。この含フッ素多元セグメント化ポリマーのムーニー粘度ML1+20(100℃)は89、ML1+10(140℃)は41であった。
参考例2(エラストマー性セグメントAと非エラストマー性セグメントBとのブレンド)
テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)との共重合体(ダイキン工業(株)製ネオフロンPFA AP−201)13.5g(15重量%)を350℃に設定した内容積60cm3のブラベンダーミキサーに投入、回転数10rpmで3分間溶融させたのち、合成例1でえられたエラストマー性セグメントAのみからなるポリマー73.5g(85重量%)を加え回転数30rpmで5分間混練し、組成物をえた。
参考例3(エラストマー性セグメントAと非エラストマー性セグメントBとのブレンド)
テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)との共重合体(参考例2と同じ)を22.5g(25重量%)、合成例1でえたエラストマー性セグメントAのみからなるポリマー67.5g(75重量%)を用いること以外は参考例2と同様にして混練し、組成物をえた。
実施例9〜15、比較例1〜2(ブロック化率の測定)
実施例1、2、4、5、6、7、8および参考例1でえた含フッ素多元セグメント化ポリマーおよび、参考例2でえた組成物(合成例1でえたエラストマー性含フッ素ポリマーと非エラストマー性含フッ素ポリマーであるPFAとのブレンド物)について以下に示した方法でブロック化率を測定した。結果を表4に示す。
(ブロック化率の測定)
ブロック化率とは、第1工程(エラストマー性セグメントAの合成)でえたポリマーから後重合によって含フッ素多元セグメント化ポリマーをうる工程において、原料となるエラストマー性セグメントAの何%がブロック化(あるいはセグメント化)するかを表わす割合を示し、以下の方法で測定した。
えられた含フッ素多元セグメント化ポリマーのDgを実施例1、2、4、5、6、7、8のポリマー(実施例9〜15)および参考例2のポリマー(比較例2)に関してはフロリナート(登録商標)FC−75(住友スリーエム(株)製)に、参考例1のポリマー(比較例1)に関してはアセトンに5重量%入れ密封し、60℃で24時間放置した。
ブロック化されていないエラストマー性セグメントAのみからなるポリマー分子が溶出してくるため、溶液と不溶物を分離し、溶液を取り出し120℃1時間乾燥させ溶液中の溶出してくるポリマー濃度を測定し、溶出ポリマー量(エラストマー性含フッ素ポリマーのみからなるもの)(C)を調べ、次式でブロック化率を求めた。
Figure 0004218207
Figure 0004218207
実施例16〜18、比較例3〜4(物性測定)
実施例1、2でえた含フッ素多元セグメント化ポリマー、および参考例2、3でえた組成物をそれぞれ100mmφの金型に入れ、350℃に設定したプレス機にセットし、予熱を30分間行なったのち、70kg/cm2で1分間圧縮成形を行ない、厚さ約0.5mmのフィルムをえた。
実施例3でえた含フッ素多元セグメント化ポリマーについては、160℃のプレス機を用いた以外は上記と同様にして圧縮成形を行ない、厚さ約2mmのシートをえた。
上記でえられた成形フィルム、成形シートを用いて以下に示す各種物性を測定した。結果を表5に示す。
(1)硬度
JIS K 6301に従い、A硬度を測定した。
(2)引張強度
上記それぞれのフィルムまたはシートをASTM−1467記載のダンベル状に切りとり、オリエンテック(株)製のテンシロン万能試験機を用い、クロスヘッドスピード200mm/minにて測定した。
(3)粘弾性
約35×5mmの短冊状に切断し、レオメトリック社製の粘弾性測定装置RSA−2をセットし、周波数1Hzにて各温度で引張弾性率を測定した。
Figure 0004218207
実施例19(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのステンレス製オートクレーブに、合成例1でえられた水性分散体3000gと、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)34gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を80℃に保った。600rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧が3.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、2.5kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで3.0kgf/cm2Gまで再加圧し、2.5〜3.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合開始よりTFEが84.8g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体3125gをえた。えられた水性分散体中の固形分濃度は20.2重量%であった。
ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は14.3重量%であった。
えられた水性分散体を硝酸で凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。この固体のムーニー粘度ML1+10(140℃)は、109であった。
また、えられた含フッ素多元セグメント化ポリマー中の非エラストマー性セグメントBの組成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE=93.1/6.9モル%であった。
実施例20(非エラストマー性セグメントBのブロック共重合)
内容積6リットルのステンレス製オートクレーブに、合成例1でえられた水性分散体3000gと、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)68gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したのち、系内の温度を15℃に保った。400rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレン(TFE)を内圧が3.0kgf/cm2Gとなるよう圧入した。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)10mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
重合反応の進行にともなって圧力が低下するので、2.5kgf/cm2Gまで低下した時点でTFEで3.0kgf/cm2Gまで再加圧し、2.5〜3.0kgf/cm2Gの間で降圧、昇圧を繰り返した。
重合開始よりTFEが67.5g消費された時点(207分後)で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体3154gをえた。
えられた水性分散体中の固形分濃度は19.3重量%であった。
ポリマーの得量の増加により計算された重合体全体に対する非エラストマー性セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられたポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合でえられたポリマー得量)×100は11.0重量%であった。
えられた水性分散体を硝酸で凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。この固体のムーニー粘度ML1+10(140℃)は、101であった。
また、えられた含フッ素多元セグメント化ポリマー中の非エラストマー性セグメントBの組成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE=90.3/9.7モル%であった。
実施例21および22
実施例19および20でそれぞれえられた含フッ素多元セグメント化ポリマーを有機過酸化物である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ2.5B。日本油脂(株)製)と架橋助剤である日本化成(株)製のトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を重合比100/1/1で混合しオープンロールにて混練して架橋性成形用組成物を調製した。
この架橋性成形用組成物を160℃で10分間プレスして加硫したのち、さらにオーブン中で180℃で4時間加硫し、厚さ2mmの加硫物の被験サンプルを作製した。
この加硫物について、つぎの物性を測定した。
(機械的特性)
常態(25℃)における100%モジュラス、引張強度、引張伸びおよび硬度(JIS A硬度)をJIS K 6301に準じて測定する。
結果を表6に示す。
比較例5
合成例1でえた水性分散液をそのまま硝酸で凝析し、析出したポリマーを洗浄、乾燥し、ゴム状物353gをえた。
ついで実施例21において白色固体に代えてこのゴム状物を用いたほかは実施例21と同様にして比較用の成形用組成物を調製し、同実施例と同様にして加硫して被験サンプルを作製した。
この比較用サンプルについて実施例21と同様の物性を調べた。結果を表6に示す。
Figure 0004218207
表6から明らかなように、本発明の含フッ素多元セグメント化ポリマーを用いるときは、機械的特性に優れた加硫物がえられる。
実施例23
実施例3でえた含フッ素多元セグメント化ポリマーを用いて実施例18の成形シート(架橋剤なし)をバルブ付きのガラス容器に入れ、減圧と窒素ガスによる加圧を繰り返して脱気したのち、コバルト60を線源とするγ線を10MRad照射し、架橋した。
未照射のシートおよびえられた架橋シートにつき、実施例21と同様にして機械的特性(100%モジュラス、引張強度、引張伸び)を測定した。
結果を表7に示す。
実施例24
実施例3でえた含フッ素多元セグメント化ポリマー100部に対してトリアリルイソシアヌレート(TAIC)0.2部および1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン(F−TAIC)0.3部を配合した組成物を160℃にて圧縮成形した後、100℃まで冷却し、成形シートを取り出した。
このシートを実施例23と同様にしてγ線を照射して架橋し、架橋シートをえ、実施例23と同様にして機械的特性を調べた。未架橋シートについても同様に機械的特性を調べた。
結果を表7に示す。
Figure 0004218207
表7に示すように放射線(γ線)架橋法によっても機械的特性、特に引張強度に優れた成形物がえられる。
実施例25および参考例
実施例6で得た含フッ素多元セグメント化ポリマーをオープンロールにより混練し、これらを金型に充填し、表8記載の条件で予備成形を行なった。得られた予備成形体に対し空気中で電子線照射を行ない、架橋成形体を得た。
この架橋成形体についてつぎの物性を測定した。結果を表8に示す。参考として、電子線照射を行なわないものの物性を併せて表8に示す。
(機械的特性)
JIS K 6301に準じて常態(25℃)での50%モジュラス、引張強度、引張伸び、硬度(JIS A硬度)を測定する。
Figure 0004218207
実施例26〜28
実施例6、7および8でそれぞれ得た含フッ素多元セグメント化ポリマーと有機過酸化物である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ2.5B(日本油脂(株)製))と架橋助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)(日本化成(株)製)とを重量比100/0.5/1で混合し、オープンロールにて混練して架橋性の成形用組成物を調製した。
この架橋性成形用組成物を160℃20分間プレス加硫したのち、さらにオーブン中で180℃4時間加硫し、20×20×2mmのシート状加硫物の試料を作成した。
この加硫試料についてつぎの物性を調べた。結果を表9に示す。
(機械的特性)
実施例25と同じ。圧縮永久歪み(100℃、24時間)はJIS K 6301に準じて測定する。
(耐プラズマ性)
(株)サムコインターナショナル研究所製のプラズマドライクリーナー モデルPX−1000を用い、真空圧50mTorr、酸素流量200cc/min、電力400W、周波数13.56KHzの条件でプラズマを発生させ、リアクティブイオンエッチング(RIE)条件に従って試料(20×20×2mm)に30分間照射する。
耐プラズマ性は照射後の重量減少度と発生パーティクル数により評価する。
重量減少度
プラズマ照射前後の試料重量を100分の1mg単位で測定し、次式により被照射単位面積(mm2)あたりの重量減少度(%/cm2)を算出する。
Figure 0004218207
なお、照射を上方から試料に垂直に行なうRIE条件で行なっているため、試料の被照射部分(面積)は試料上面積の400mm2(20mm×20mm)である。
Figure 0004218207
実施例29
実施例5で得た含フッ素多元セグメント化ポリマーと架橋剤である2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと充填材であるカーボンブラック(Cancarb社製 Thermax N−990)とを重量比100/2/20で混合し、オープンロールにて混練して架橋性の成形用組成物を調製した。
この架橋性成形用組成物を金型に充填し、表10に記載の条件で一次加硫を行なった。この一次加硫物に対し、表10に記載の条件で2段階の二次加硫を施し、成形体を得た。この成形体の機械的特性について、実施例25と同様にして測定した(100%引張応力はJIS K 6301に準じて測定)。結果を表10に示す。
Figure 0004218207

Claims (17)

  1. エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントを有し、該エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、ポリマー全体に柔軟性を与えうるものであり、かつ構成単位として90モル%以上をパーハロオレフィン単位とするセグメントである含フッ素多元セグメント化ポリマー100重量部、有機過酸化物0.05〜10重量部および架橋助剤0.1〜10重量部を含み、
    該エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、非晶性であって、かつガラス転移点が25℃以下であり、
    該非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、結晶融点150℃以上のポリマー鎖である架橋性成形用組成物
  2. エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、構成単位として95モル%以上をパーハロオレフィン単位とする請求項1記載の架橋性成形用組成物
  3. 前記含フッ素多元セグメント化ポリマーにおいて、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントおよび/または非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントがそれぞれのセグメントに硬化部位を与える単量体に基づく構成単位を含む請求項1または2記載の架橋性成形用組成物
  4. 前記硬化部位を与える単量体に基づく構成単位がそれぞれのセグメントの5モル%以下を占める請求項3記載の架橋性成形用組成物
  5. 前記含フッ素多元セグメント化ポリマーにおいて、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントをA、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントをBとし、含フッ素多元セグメント化ポリマーをB−A−BおよびA−Bと表わし、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントBと結合していないエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントAのみからなるポリマー分子をCと表わすとき、A/(A+C)≧90重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の架橋性成形用組成物
  6. エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、テトラフルオロエチレン45〜90モル%、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)10〜50モル%および硬化部位を与える単量体0〜5モル%からなる請求項1〜5のいずれかに記載の架橋性成形用組成物
  7. 非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントがパーハロオレフィン単位を構成単位とする請求項1〜6のいずれかに記載の架橋性成形用組成物
  8. 非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが少なくとも一つのフルオロオレフィン単位を含み、必要に応じて水素を含むオレフィン単位を構成単位とする請求項1〜6のいずれかに記載の架橋性成形用組成物
  9. 非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、テトラフルオロエチレン85〜100モル%、およびCF2=CF−Rf 1[Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)]0〜15モル%からなる非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントである請求項記載の架橋性成形用組成物
  10. 半導体関連製造装置用の成形用組成物である請求項1〜のいずれかに記載の架橋性成形用組成物
  11. エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントを有し、該エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、ポリマー全体に柔軟性を与えうるものであり、かつ構成単位として90モル%以上をパーハロオレフィン単位とするセグメントであって、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントおよび/または非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントがそれぞれのセグメントに硬化部位としてニトリル基を含む含フッ素多元セグメント化ポリマー100重量部、該ニトリル基と反応可能な官能基を持つ架橋剤0.1〜10重量部を含み、
    該エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、非晶性であって、かつガラス転移点が25℃以下であり、
    該非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントが、結晶融点150℃以上のポリマー鎖である架橋性成形用組成物。
  12. 非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントがパーハロオレフィン単位を構成単位とする請求項11記載の架橋性成形用組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の成形用組成物を用いて成形し架橋してえられる成形品。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の成形用組成物を高エネルギー線架橋してえられる成形品。
  15. 請求項13または14記載の成形品からなるシール材。
  16. 請求項15記載のシール材が組み込まれた半導体製造装置。
  17. エッチング装置、洗浄装置、露光装置、研磨装置、成膜装置または拡散・イオン注入装置である請求項16記載の半導体製造装置。
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