JP2005310658A - 非水電解液一次電池用結着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム一次電池の高容量化を達成する。
【解決手段】正極活物質と導電剤と結着剤よりなる正極合剤が正極集電体に保持されてなる正極および/または負極活物質と結着剤よりなる負極合剤が負極集電体に保持されてなる負極、もしくは負極金属、ならびに非水電解液を具備してなる非水電解液一次電池に用いる結着剤において、該結着剤がフッ化ビニリデン50〜80モル%とテトラフルオロエチレン17〜50モル%およびそれらと共重合しうる少なくとも1種の単量体3モル%以下から構成される二元もしくは三元以上の共重合体からなり、該共重合体は室温〜50℃の温度でN−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンおよびアセトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤に該溶剤重量の10重量%以上溶解し得る、非水電解液一次電池用結着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液一次電池用結着剤およびそれを用いた電池電極合剤及びそれを用いて得られる電極、特に正極およびその製法に関する。
近年、デジタル機器の進化及び需要増が増大してきている。中でも、携帯電話などの使用頻度の高いものでは充放電可能な二次電池が採用されているが、反対に、利用頻度が定まりにくいデジタルカメラやフィルム式コンパクトカメラ、密閉型パーツに組み込むため途中交換しないような自動車のリモコンキー、デジタル家電化にともなうバックアップ用電池などでは、信頼性と一次電池の中でも高電圧、高容量の、リチウム一次電池の利用例が多い。上記のように、機器の高機能化に伴い一次電池でも、高容量化が望まれるようになってきた。リチウム一次電池には、コイン型、円筒型などがあるが、リチウム電池に限らず、エネルギー密度向上には電極作製技術が大きなポイントとなる。
特許文献1に示されるように、従来、リチウム一次電池を構成する負極材料としては、リチウム、リチウム合金、リチウムをドープ可能な素材との複合化したものが使用可能であるが、一般的にはリチウム金属が使用される。一方、正極活物質としては、TiS2、二酸化マンガン、黒鉛、FeS2、フッ素化カーボンなどが使用可能である。特許文献2に示されているように、正極の製法としては、これら正極活物質にアセチレンブラックなどの導電剤を混合したものを集電体に保持させる必要があり、保持させるため従来はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロエチレンの共重合体(FEP)の水性分散体を最低限必要量添加し、ペーストの粘度調整のためカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液を適宜使用した水性ペーストを作製する。その後、これらを混合し、粘土状の塊を得、これを水分乾燥させ、圧縮成型したものを正極ペレットとして得る。
しかし、一次電池の高容量化を考えた場合、二次電池の電極構造のような薄膜化することで、正負極間の有効反応面積の拡大を考慮することが必要といえる。
リチウム一次電池に使用される結着剤としては、特に正極は耐酸化性が要求されることもあり、含フッ素ポリマーが採用されている。特にPTFEは混合過程に生じるせん断力により繊維化する特異な挙動を発現することから、正極のペレット化製造工程に対しては最適な材料であり、広く使用されてきた。
しかし、PTFEやFEPなどは金属面との接着性が乏しいことから、使用量を減らしにくいことが弱点であり、それを補うために、高接着性を示す結着剤を別途添加するような内容も紹介されている(特許文献2)。
更に、特許文献1に示されているように、一次電池、二次電池ともに、できた電池内部に水分が混入することは電池性能劣化につながるため、各社とも製造に際しては、水分除去の工程を設けている。それにも関わらず、電極製造工程ではCMC水溶液を用いた水性ペーストから電極を作製するためあまり効率が良いとは言えない。
有機溶剤を使用する電極製法も公知であるが、ほとんどは二次電池としての電極製法であり、そのほとんどが二次電池の正極用バインダーとして一般に使用されているPVDFのN−メチルピロリドン(NMP)溶液での電極作製例である。(特許文献1、特許文献3,特許文献4)。
特許文献5には、正極活物質としてLiCoO2 のようなリチウム含有酸化物と導電剤としてのグラファイトをポリフッ化ビニリデンと混合し作製した正極合剤をN−メチルピロリドンに分散させてスラリー状にしたものをアルミ箔の正極集電体に塗布し、乾燥後、ローラープレス機により圧縮成形して電極シートに加工する技術が開示されている。
また、特許文献6には、ポリフッ化ビニリデン結着剤を使用した電極シートは柔軟性に乏しく、角型電池作製での電極シートを180度に折り畳む工程時や、円筒型電池作製での電極シートを小さく丸める工程時に、電極シートから電極合剤が剥離するといった問題が生じやすく、生産の歩留りがわるくなっている等が紹介されている。更に、それを改善するために、ポリフッ化ビニリデンよりも柔軟な、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン系共重合体の非水電解液二次電池電極の結着剤としての使用が紹介されている。この共重合体はNMP以外の溶剤にも可溶な旨記載されているが、残念ながら二次電池としての適用に関してである。
特許文献1にはリチウム電池用電極内に電極作製時にペースト溶剤として使用したNMPが、電極乾燥後も電極内部に微量残留することで電池特性が低下することが記載されており、公報ではその残留NMP量を一定量以下にすることで電池特性のうち、自己放電が抑制できると紹介されている。ただ、現状のリチウム二次電池製造工程ではNMPが使用されているのは周知の事実である。
特許文献7では、非水電解液二次電池における充放電時の正極活物質の膨脹、収縮に対して結着性をもたせる目的でフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−三フッ化塩化エチレン共重合体というフッ素系二元共重合体を主成分とするゴム弾性を有する材料が結着剤として記載されている。しかし、このような共重合体はポリフッ化ビニリデンに比べ結晶性がわるく、そのためポリフッ化ビニリデン以上に非水電解液の有機溶媒に対して膨潤しやすく、電解液の種類によっては溶出してしまい結着剤としての役目を果たさなくなる。
特開2002−252038号公報 特開平11−273665号公報 特開平10−321235号公報 特開2002−289195号公報 特開平4−249859号公報 特開平10−233217号公報 特開平4−95363号公報
本発明の目的は、リチウム一次電池の高容量化を達成し、かつ、電極作製後に電極内部に電池特性を低下させるような,水分やN−メチルピロリドンを極力残留させることなく、電極の作製が可能となり、従来のリチウム一次電池用結着剤として一般的に使用されているPTFEやFEP水性分散体を使用した場合より、結着剤の使用量削減が可能となるような結着剤、および該結着剤を用いる電池電極合剤、さらにはその合剤を用いて得られる電極、好ましくは正極と、その製法を提供することにある。
本発明者の研究によれば、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンから主として構成される共重合体を非水電解液一次電池用結着剤として有機溶剤に分散、溶解したペースト状態で使用することにより、電極製造後の電極内に水分が残留することが少なくなり、製造工程の簡素化の達成、及び、高容量化につながる集電体への薄膜塗布化達成、バインダー量の低減を可能にする。
すなわち本発明は、以下の発明に関する。
1. 正極活物質と導電剤と結着剤よりなる正極合剤が正極集電体に保持されてなる正極および/または負極活物質と結着剤よりなる負極合剤が負極集電体に保持されてなる負極、もしくは負極金属、ならびに非水電解液を具備してなる非水電解液一次電池に用いる結着剤において、該結着剤がフッ化ビニリデン50〜80モル%とテトラフルオロエチレン17〜50モル%およびそれらと共重合しうる少なくとも1種の単量体3モル%以下から構成される二元もしくは三元以上の共重合体からなり、該共重合体は室温〜50℃の温度でN−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンおよびアセトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤に該溶剤重量の10重量%以上溶解し得る、非水電解液一次電池用結着剤。
2. 前記共重合体の数平均分子量が100,000〜500,000である項1記載の非水電解液一次電池用結着剤。
3. 前記共重合体を熱圧縮成型したフィルムを非水電解液に、60℃、72時間浸した後のフィルム体積の増加率が200体積%未満である項1又は2記載の非水電解液一次電池用結着剤。
4. 正極活物質が、フッ素化した炭素化合物である、項1〜3のいずれかに記載の非水電解液一次電池用結着剤。
5. 正極活物質が、二酸化マンガンである、項1〜3のいずれかに記載の非水電解液一次電池用結着剤。
6. 項1〜5記載の結着剤と導電剤、正極剤を集電体に保持させるために作製される合剤ペーストの溶剤として有機溶剤を使用した正極用合剤ペースト。
7. 前記有機溶剤として、ケトン類を20重量%以上含む項6記載の正極用合剤ペースト。
8. ケトン類が沸点120℃以下のケトン系溶剤である項7に記載の正極合剤ペースト。
9. 項6〜8のいずれかに記載のペーストを使用して得られた非水電解液一次電池用正極。
以下、本発明をより詳細に説明する
本発明の結着剤は、フッ化ビニリデンの共重合割合が50〜80モル%、好ましくは55〜75モル%であるフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン系の二元もしくは三元以上の共重合体からなることを特徴とする。具体的には、フッ化ビニリデン50〜80 モル%、好ましくは55〜75モル%、テトラフルオロエチレン17〜50モル%、好ましくは22〜45モル%およびこれらと共重合可能な少なくとも一種の単量体3モル%以下、好ましくは2.8モル%以下、さらに好ましくは2.5モル%以下から構成される二元もしくは三元以上の共重合体からなる結着剤があげられる。
本発明で用いるフッ化ビニリデン共重合体は公知の重合方法により重合することができ、そのうちでも主としてラジカル共重合法が好ましい。すなわち重合方法としては、ラジカル的に進行するものであれば手段は何ら制限されないが、たとえば有機もしくは無機のラジカル重合開始剤、熱、光または電離放射線などによって開始される。重合の形態も溶液重合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合などを用いることができる。
フッ化ビニリデンが50モル%より少ない場合、有機溶剤全般に対して溶解しにくくなる。一方、80モル%より多い場合はプロピレンカーボネートやエチレンカーボネート、ジエチレンカーボネートなどの電解液に対して膨潤性が大きくなり、その結果それらを結着剤として用いた電池の保存特性や自己放電特性などの電池性能が低下していく。さらに80モル%より多い場合は汎用の低沸点有機溶剤に対する溶解性が悪くなり、PVDFと同様、NMP、ジメチルホルムアミドなどの特殊な高沸点有機溶剤を使用せざるを得なくなるため、電池製造時に溶剤の乾燥に時間がかかるのと、電池保存特性の低下につながりやすい電極内部のNMP残留のないように工程管理する必要性がでてきて、生産効率が悪くなる。また、得られる共重合体材料も硬くなり柔軟性に乏しいため、電極シートの小さな巻付けや折り畳み加工に限界があり、電池高容量化への電池設計、構造、製造工程の自由度が制約されやすい。
本発明における結着剤の電解液への溶解溶出する成分が含まれる場合、電池性能である保存特性や自己放電特性に悪影響を与えない条件は、電極内に添加した結着剤全量の5重量%未満、好ましくは1重量%未満、更に好ましくは実質的に溶出物がない状態が好ましい。
また、本発明における結着剤から電解液への溶出物はないが、結着剤が電解液に大きく膨潤する場合も、電池特性、特に保存特性や自己放電特性、更には電池の寸法変化などの悪影響を与える。これらの特性に悪影響を与えない結着剤の条件とは、結着剤を熱圧縮成型したフィルムを実際に使用する電解液に、60℃に72時間溶解した後の体積膨潤増加率が、200体積%未満、好ましくは、100体積%未満、更に好ましくは、60体積%未満が好ましい。
本発明で用いる二元もしくは三元以上の共重合体の分子量は、薄膜化の際の集電体への塗膜接着性や、ペレット状に固める際の歩留まりを向上させるために、比較的分子量が高い方が好ましい。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)測定は、カラムはポリスチレンゲル製MIXカラム(東ソーGMHシリース゛、30cmサイズ)を3本、40℃、NMP(5mmol/L LiBr含有)溶剤 流速0.7mL/分で行うことができる。サンプル濃度は、0.1重量%で打ち込み量は500μLで行うことができる。数平均分子量がポリスチレン換算値で100,000〜500,000程度のもの、好ましくは130,000〜450,000程度のもの、更に好ましくは、160,000〜400,000程度のものがより好ましい。
ところで、結着剤と集電体との接着性はフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体で充分ではあるが、さらに共重合体の優れた非水電解液膨潤性を損なわない程度にそれらと共重合しうる単量体を共重合させて接着性をさらに向上させることができる。ただし、添加量は3モル%以下がよく、それを超えて添加すると一般的にフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの共重合体の結晶性が著しく低下し、その結果非水電解液膨潤性が増大する傾向がある。フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンと共重合しうる単量体としては、特開平6−172452号公報に記載されているような不飽和二塩基酸モノエステル、たとえばマレイン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステルやビニレンカーボネートなど、また特開平7−201316号公報に記載されているような、−SO3M、−OSO3M、−COOM、−OPO3M(Mはアルカリ金属を表わす)やアミン系極性基である−NHR1、−NR23(R1、R2、R3は同一又は異なってアルキル基を表わす)などの親水性極性基を有する化合物、たとえばCH2=CH−CH2−Y、CH2=C(CH3)−CH2−Y、CH2=CH−CH2−O−CO−CH(CH2COOR4)−Y、CH2=CH−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−Y、CH2=C(CH3)−CO−O−CH2−CH2−CH2 −Y、CH2=CH−CO−O−CH2−CH2−Y、CH2=CHCO−NH−C(CH3)2−CH2−Y(Yは親水性極性基、またR4はアルキル基を表わす)やその他、マレイン酸や無水マレイン酸などがあげられる。さらに、CH2=CH−CH2−O−(CH2)n−OH(3≦n≦8)、
Figure 2005310658
CH2=CH−CH2−O−(CH2−CH2−O)n−H(1≦n≦14)、CH2=CH−CH2−O−(CH2−CH(CH3)−O)n−H(1≦n≦14)のなどの水酸化アリルエーテルモノマーや、カルボキシル化および/または−(CF2)n−CF3(3≦n≦8)で置換されるアリルエーテルおよびエステルモノマー、たとえばCH2=CH−CH2−O−CO−C24−COOH、CH2=CH−CH2−O−CO−C510−COOH、CH2=CH−CH2−O−C24−(CF2)nCF3、CH2=CH−CH2−CO−O−C24−(CF2)nCF3、CH2=C(CH3)−CO−O−CH2−CF3なども同様に共重合可能な単量体として使用できる。ところで、以上のような極性基などを含む化合物以外でもフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体の結晶性を少し低下させ材料に柔軟性を与えることによりアルミや銅の金属箔からなる集電体との接着性を向上させられることがこれまでの研究より類推できるようになった。これより、たとえばエチレン、プロピレンなどの不飽和炭化水素系モノマー(CH2=CHR、Rは水素原子、アルキル基またはClなどのハロゲン)や、フッ素系モノマーである3フッ化塩化エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテンやCF2=CF−O−Cn2n+1(nは1以上の整数)、CH2=CF−Cn2n+1(nは1以上の整数)、CH2=CF−(CF2CF2)nH(nは1以上の整数)、さらにCF2=CF−O−(CF2CF(CF3)O)m−Cn2n+1(m、nは1以上の整数)も使用可能である。
その他、式(1):
Figure 2005310658
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩(例えばアルカリ金属塩)、アルコキシカルボニル基またはエポキシ基、X1は水素原子またはフッ素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含有する2価の含フッ素アルキレン基を表わす)で示される少なくとも1種の官能基を有する含フッ素エチレン性単量体も使用可能である。これらの単量体を1種または2種以上共重合することにより、さらに集電体との接着性が向上し、実際に電池に加工した際でも、集電体より電極活物質が剥がれ落ちることがなく、良好な電池特性を発現する。
本発明の結着剤として使用する場合は、該共重合体を溶剤に溶解させた溶液に電極活物質などの電極材料を分散、混合させるといった方法が好ましい。そのほかにも、たとえば共重合体粉末と電極活物質の粉末同士を先に混合した後、有機溶剤を添加し合剤を作製してもよい。また、共重合体と電極活物質の粉末同士を加熱溶融し、押出成形機で押し出して薄膜の合剤を作製しておき、導電性接着剤や前記汎用性有機溶剤を塗布した集電体上に張り合せて電極シートを作製することもできる。さらに、あらかじめ予備成形した電極活物質に共重合体の溶液を塗布してもよい。このように、結着剤としての適用方法は特に限定されない。
ところで、共重合体からなる結着剤を含む合剤と集電体との接着性を向上させる方法の1つとして、集電体上に塗布した合剤塗料を結着剤中の共重合体の融点以上で乾燥処理する方法も使用可能である。
本発明の電池用結着剤に用いる主としてフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンからなる共重合体(以下、「フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン系共重合体」ということもある)は、ポリフッ化ビニリデンの溶剤であるN−メチルピロリドン(以下NMPと称す)、ジメチルホルムアミド(以下DMFと称す)、ジメチルアセトアミド(以下DMACと称す)などの含窒素系有機溶剤はもちろん、一般的によく使用される低沸点の汎用有機溶剤にも可溶であるにもかかわらず、前記有機電解液に対して膨潤度が小さい。したがって、該共重合体を用いると柔軟性のある電極合剤および電極シートを与えることができる。
低沸点の汎用有機溶剤には、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;さらにそれらの混合溶剤をあげることができる。
本発明の結着剤の溶剤として、NMP、DMF、DMACなどの高沸点で吸湿性の高い含窒素溶剤を電極合剤ペースト溶剤として使用することに関しては、電極作製後の電極内部に含窒素溶剤や水分が残留し、電池特性に悪影響を及ぼすことがあるので、これらが残留しないように工程管理が必要である。また、NMPやDMFなどは塩基性を示すので、フッ化ビニリデン含有ポリマーを溶解した場合に脱フッ酸するなどのポリマーが変質する場合もあるので、その面でも好ましくない。それに対し、低沸点の有機溶剤を電極合剤ペーストとして使用した場合には、低沸点であるが故に、電極合剤ペーストを集電体のアルミ箔に塗布乾燥した電極は、合剤スラリーをペレット化して固めた電極などの合剤内部に溶剤が残りにくい。また、水分もNMPなど高沸点溶剤を使用した場合と同様の乾燥方法で得た電極を比較しても、電極内部の溶剤や水分はより短時間で除去できる。そのため、工程の簡素化が達成でき、コストダウンと生産性を両方向上させることが可能である。
汎用有機溶剤としては、ケトン系溶剤が好ましく、中でも沸点は120℃未満、より好ましくは100℃未満溶剤が好ましい。具体的には、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと称す)や、メチルエチルケトン(以下MEKと称す)、アセトンなどが好ましい。これらケトン系溶剤を単独、もしくは必要に応じて他の高沸点溶剤、例えばNMP、DMF、DMAC、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ、メチルセロソルブなどと二種類以上の混合溶液としても使用可能である。高沸点溶剤や吸湿性の高い溶剤を単独で使用する場合と比べ、電極内部の残留水分、残留溶剤などを低減させる目的としては、これら低沸点溶剤、好ましくは沸点120℃未満のケトン系溶剤を20%重量以上、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最終的には電極合剤の塗布やペレット化工程で、取り扱い性が困難にならない範囲まで、ケトン系溶剤比率をより高めて混合した混合溶液として使用することが望ましい。
低沸点溶剤を単独、もしくは他の高沸点溶剤と混合溶液化することの利点は他にもある。それは、NMPやDMFなどの極性の高い溶剤は、その溶剤自体の粘度が高いし、本発明の結着剤を溶解したポリマー溶液自体の粘度は、同じポリマー固形分濃度での溶液粘度で比較した場合、NMPやDMFポリマー溶液と比べMEKなどの低沸点ケトン類のポリマー溶液は極端に低くなる。これは、電極合剤ペースト化した際のペーストやスラリーの粘度にも反映される。これにより、実際に電極作製時のペーストへの溶剤使用量は、ペースト粘度を通常通り使用する場合、MEKなどのケトン系溶剤を単独もしくは混合溶液化して使用すると、NMPなどの溶剤を単独使用した場合と比べ、使用溶剤が少なくできる。これにより、当初あまり予想していなかったのだが、MEKペーストの塗布膜は、NMPペースト塗布膜と比べ、集電体のアルミ箔へ塗布した膜の密着性、接着性が大幅に高い結果が得られた。これにより、MEKペーストのものは、NMPなどの高沸点溶剤ペーストでの製造工程と比べ、結着剤の使用量が低減できる方向であることを発見した。なお、ペースト溶剤にケトン系溶剤(MEKなど)をNMPなどの高沸点溶剤に対し少なくとも20重量%以上混合、もしくはケトン系溶剤(MEKなど)を単独で使用することによる利点、すなわち電極を塗布作製後に電極内部にNMPなどの高沸点溶剤や水分が残留しにくいこと、電極の表面抵抗が下がること、集電体への密着性が向上することなどであるが、これらはリチウム二次電池の電極作製の際にも同様の効果発現が期待できる。
本発明の結着剤としては、さらに接着性を向上させるため前記三元以上の共重合体にポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネートなどの樹脂が含まれるものでもよいが、これらの樹脂の結着剤中における含有量は約20体積%以下であるのが好ましい。
本発明の結着剤を適用する対象となる非水電解液一次電池は、正極活物質と導電剤と結着剤よりなる正極合剤が正極集電体に保持されてなる正極、負極活物質単体、及び負極活物質と結着剤よりなる負極合剤が負極集電体に保持されてなる負極、および非水電解液を備えている。
本発明はまた、前記結着剤と他の電極材料と有機溶剤からなる電池電極合剤ペースト、及びそれから得られた電極及び製法に関する。他の電極材料としては以下に示す正極活物質、負極活物質および導電剤がある。
本発明で使用される正極活物質としては、特に限定されるものではないが、一例をあげるとすると、二酸化マンガン(MnO2)、MoO3、TiS2、V2O5、FeS2などの遷移金属酸化物や、リチウム含有酸化物(LiCoO2,LiNiO2、LiMn2O4など)の無機化合物、その他、黒鉛、フッ素化した炭素化合物(例えばフッ化カーボン)、炭素繊維、ポリアセチレンなどの導電性高分子などが挙げられる。
負極材料としては、特に限定されるものではないが、一例をあげると、リチウム、リチウム合金等の負極金属、リチウムをドープ可能な素材との複合化したものが挙げられるが、一般的にはリチウム金属が使用される。導電剤としては、たとえばアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック類やグラファイトなどの炭素材料などがあげられる。
本発明の結着剤は正極合剤および/または負極合剤中の結着剤として使用され、その配合割合は電極合剤の0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。残部は前記電極材料である。
電極合剤を張り合わせる正極集電体としては、たとえばステンレス、ニッケル、アルミの多孔質板、箔などがあげられる。
非水電解液は特に限定されるものではないが、有機溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの公知の溶媒の1種もしくは2種以上が使用できる。電解質も従来より公知のものがいずれも使用でき、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCl、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO3Li、炭酸セシウムなどを用いることができる。
さらに本発明の電池電極合剤には、このほか集電体との接着性をさらに向上させるため、たとえばポリメタクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミド系樹脂などを併用してもよい。
本発明によれば、従来のポリフッ化ビニリデンに比べ柔軟性があり、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの従来の溶剤にはもちろんのこと、アセトンやメチルエチルケトンなどの低沸点の汎用有機溶剤に可溶で、また、従来のフッ素系二元または三元共重合体に比べ非水電解液の有機溶媒に対して膨潤性の少ない非水電解液一次電池用結着剤および電池電極合剤がえられる。その結果、電池製造上では製造設備の簡略化および歩留りの向上による製造コスト低減ができるうえ、電池特性へ悪影響を及ぼす電極塗膜内部のペースト溶剤及び水分の残留を比較的容易に削減することが可能となった。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1〜8及び比較例1〜6
表1に示すフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの二元共重合体、および接着性向上のために他の共重合可能な単量体を共重合させた三元共重合体を常法により製造した。それらの組成、分子量およびそれらの有機溶剤溶解性を表1に示す。また比較例1〜6として、表1に示す共重合体およびポリフッ化ビニリデンについての結果を併せて示す。有機溶剤溶解性は、各溶剤に対して表1に示す共重合体10重量%について、室温〜50℃の環境下での溶解性を試験するという方法で調べ、表1中、○は可溶、×は不溶を示す。比較例6のポリマーは有機溶剤に溶解できなかった。
Figure 2005310658
実施例9〜16及び比較例7〜12
実施例1〜8、及び比較例1〜6のポリマー粉末40〜50gを直径12cmの金型に充填し、50トンプレスで230℃、30分予熱溶融させた後、ゲージ圧5MPa/cm2で3分間プレスし、厚さ約2mmのシートを得た。得られたシートを幅1cm、長さ5cmの短冊に切り出し、比重計(東洋精機(株)製、DENSIMETER)でその体積を測定した。つぎに60℃に加熱したプロピレンカーボネートとエチレンカーボネート混合液(体積比1:1)およびエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合液(体積比1:1)中にそれぞれ浸漬し、72時間後の体積変化率(浸漬により増加した体積の割合)を測定した。比較例7,8のポリマーのみ電解液に溶解した。
Figure 2005310658
実施例17〜24及び比較例13〜17
正極活物質としての二酸化マンガン93gに、導電剤のアセチレンブラックを5g、結着剤として、実施例1のポリマーのNMPに8重量%溶液化したものを、ポリマー固形分として2g分を添加し混合した。その混合ペーストを20μm厚みのアルミ箔板上にアプリケーターで塗布し、乾燥機で80℃で20分乾燥し、乾燥後の電極厚みが100μmの電極膜を得た。同様の処方で、実施例1〜8のポリマー、比較例3〜5までのポリマーを添加して、膜を塗布した。
正極活物質としての二酸化マンガン93gに、導電剤のアセチレンブラックを5g、PTFE固形分4g(PTFEの水性分散体(ダイキン工業製D−1)60重量%品を用いて調製)を1重量%のカルボキシルメチルセルロース水溶液に分散させて、スラリーを作製し、アルミ箔上にアプリケーターで塗布し、80℃熱風乾燥した。
正極活物質としての二酸化マンガン93gに、導電剤のアセチレンブラックを5g、FEP固形分4g(FEPの水性分散体(ダイキン工業製ND−1)56重量%品を用いて調製)を1重量%のカルボキシルメチルセルロース水溶液に分散させて、スラリーを作製し、アルミ箔上にアプリケーターで塗布し、80℃熱風乾燥した。
塗布された膜のアルミ箔への接着性を測定するために、塗布膜表面に両面テープを貼り付けた後、その塗膜を縦200mm、幅40mmにカットした試験片を3本用意し、その塗膜表面に両面テープを貼り付ける。その試験片の両面テープをはがし、SUS製板などに固定した後、アルミ箔側を180度に剥離してその強度を剥離強度とした。固定した試験片がSUS板からはずれたりしないように注意する。剥離強度の測定は、引っ張り試験機を使用した。機器は、テンシロン万能試験機UCT500を用いた。
比較例16、17は乾燥した後の塗膜の密着性が非常に劣るものであった。それに比べ、実施例9〜16及び比較例13〜17の塗膜は80℃の低温下での乾燥条件でも十分に密着性のある表面平滑な塗膜が得られた。比較例16、17も乾燥温度を300℃程度まで上げればアルミ箔への接着性は確保できたが、活物質の劣化や、アルミ箔のそりが発生し、電池設計やプロセス上問題があるようなものとなった。
Figure 2005310658
実施例25〜32及び比較例18〜22
正極活物質としてのフッ化カーボン93gに、導電剤のアセチレンブラックを5g、結着剤として、実施例1のポリマーのNMPに8重量%溶液化したものを、ポリマー固形分として2g分を添加し混合した。その混合ペーストを20μm厚みのアルミ箔板上にアプリケーターで塗布し、乾燥機で80℃で20分乾燥し、乾燥後の電極厚みが100μmの電極膜を得た。同様の処方で、実施例26〜32、及び比較例18〜20までの膜を塗布した。ただ、その際、ペースト溶剤は表4に記載したように種々変更して行った。
正極活物質としてのフッ化カーボン93gに、導電剤のアセチレンブラックを5g、PTFE固形分4g(PTFEの水性分散体(ダイキン工業製D−1)60重量%品を用いて調製)を1重量%のカルボキシルメチルセルロース水溶液に分散させて、スラリーを作製し、アルミ箔上にアプリケーターで塗布し、80℃熱風乾燥した。
正極活物質としてのフッ化カーボン93gに、導電剤のアセチレンブラックを5g、FEP固形分4g(FEPの水性分散体(ダイキン工業製ND−1)56重量%品を用いて調製)を1重量%のカルボキシルメチルセルロース水溶液に分散させて、スラリーを作製し、アルミ箔上にアプリケーターで塗布し、80℃熱風乾燥した。
比較例21、22は乾燥した後の塗膜の密着性が非常に劣るものであった。それに比べ、実施例25〜32及び比較例18〜20の塗膜は80℃の低温下での乾燥条件でも十分に密着性のある表面平滑な塗膜が得られた。比較例21、22も乾燥温度を300℃程度まで上げればアルミ箔への接着性は確保できたが、活物質の劣化や、アルミ箔のそりが発生し、電池設計やプロセス上問題があるようなものとなった。
Figure 2005310658
実施例33〜39
実施例29で塗膜を得たのと同様の処方で、溶剤種を表5記載の種類に変更して塗膜を得た。乾燥溶剤として、MEKとNMPを比較した場合、MEK成分比が多いペーストほど、塗膜の剥離強度が高いものが得られた。
Figure 2005310658
実施例32及び比較例18,19
ポリマーの分子量の違いによる効果を表6にまとめた。分子量が低いものは塗膜の剥離強度が低かった。分子量が高いものは、ペースト粘度を調整するため、使用する溶剤量が多くなり、そのため乾燥後の塗膜割れが多く見られた。
Figure 2005310658
実施例41〜44及び比較例23
空気中における熱分解重量減少開始温度を測定した。測定は、示差熱-熱重量測定装置(TG−DTA)(SEIKORTG220型)を使用し、サンプル重量10mg、昇温速度20℃/分で空気中雰囲気下で行った。これにより塗膜内の残存溶剤の有無を評価した。
塗膜内含水率は、京都電子工業株式会社カールフィシャ−水分測定器で測定した。塗膜をカールフィッシャー恒温槽内のサンプル容器に入れ、120℃で恒温することで塗膜からの揮発水分を測定した。
結果は、塗膜乾燥条件を80℃20分と同条件で塗膜作製して比較すると、低沸点溶剤であるMEK成分の多い塗膜は、残存溶剤量、含水率ともに、少ない傾向が見られた。
Figure 2005310658
実施例45〜49及び比較例24
表8記載のように、前記実施例で作製した塗膜を用いて、表面抵抗値及びそれを正極として使用したコインセル電池を作製し放電容量保持率を測定した。
コインセルは、以下のように作製した。正極は表記載の塗布膜をロール圧延した膜を打抜き片を120℃の温度で2時間真空引きした後使用。負極はリチウム金属を所定厚みに打抜いたものを使用。電解液はプロピレンカーボネート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合溶液に、電解質としてLiBF4)を1モル/L濃度で溶解させたものを使用。セパレータはポリプロピレン製不織布を使用。
コイン状の正極缶内に正極、セパレータを入れたところに、リチウム片を圧着した負極キャップをはめ込んだ後、かしめて、コイン型電池を作製する。2mAの定電流で放電し、放電終止電圧から放電容量を計算により導いた。
電極の表面抵抗は、おもしろいことに、MEK成分の多いペースト溶剤で得られた。塗膜ほど、電極表面抵抗が低いものが得られた。ペースト溶剤の乾燥速度が速いことや、使用溶剤量が少ないことで、乾燥時後の塗膜内の分布が均一化できたためと考えられる
放電容量もMEK成分の多いペースト溶剤で得られた塗膜ほど、容量が高い結果となった。
Figure 2005310658
以上の結果より、正極の熱分解開始温度が高いもの、すなわち電極内の溶剤残存量が少ないものが容量維持率が高い結果となった。これにより、MEKなど低沸点溶剤を単独及び混合したペースト溶剤でリチウム電池の電極を得ることは有効な処方であることいえる。

Claims (9)

  1. 正極活物質と導電剤と結着剤よりなる正極合剤が正極集電体に保持されてなる正極および/または負極活物質と結着剤よりなる負極合剤が負極集電体に保持されてなる負極、もしくは負極金属、ならびに非水電解液を具備してなる非水電解液一次電池に用いる結着剤において、該結着剤がフッ化ビニリデン50〜80モル%とテトラフルオロエチレン17〜50モル%およびそれらと共重合しうる少なくとも1種の単量体3モル%以下から構成される二元もしくは三元以上の共重合体からなり、該共重合体は室温〜50℃の温度でN−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンおよびアセトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶剤に該溶剤重量の10重量%以上溶解し得る、非水電解液一次電池用結着剤。
  2. 前記共重合体の数平均分子量が100,000〜500,000である請求項1記載の非水電解液一次電池用結着剤。
  3. 前記共重合体を熱圧縮成型したフィルムを非水電解液に、60℃、72時間浸した後のフィルム体積の増加率が200体積%未満である請求項1又は2記載の非水電解液一次電池用結着剤。
  4. 正極活物質が、フッ素化した炭素化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液一次電池用結着剤。
  5. 正極活物質が、二酸化マンガンである、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液一次電池用結着剤。
  6. 請求項1〜5記載の結着剤と導電剤、正極剤を集電体に保持させるために作製される合剤ペーストの溶剤として有機溶剤を使用した正極用合剤ペースト。
  7. 前記有機溶剤として、ケトン類を20重量%以上含む請求項6記載の正極用合剤ペースト。
  8. ケトン類が沸点120℃以下のケトン系溶剤である請求項7に記載の正極合剤ペースト。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載のペーストを使用して得られた非水電解液一次電池用正極。

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