JP2001075317A - 画像形成装置およびこれに用いられる画像処理方法 - Google Patents

画像形成装置およびこれに用いられる画像処理方法

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JP2001075317A JP25078199A JP25078199A JP2001075317A JP 2001075317 A JP2001075317 A JP 2001075317A JP 25078199 A JP25078199 A JP 25078199A JP 25078199 A JP25078199 A JP 25078199A JP 2001075317 A JP2001075317 A JP 2001075317A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 階調パターンチャートを形成してこれを読み
取らせることによって、階調性を適切なものに補正する
画像形成装置において、画像形成条件を確実かつ適切に
調整可能とする画像形成装置を提供する。 【解決手段】 画像形成手段が読取用階調パターンチャ
ート100を形成する場合に、画像形成部の副走査方向
に隣接する各階調パターン101・101の静電潜像に
おける境界部位での電位差の違いによる電界の強調を回
避するように、各階調パターン101を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多階調の画像を形
成するために用いられる画像処理装置と、該画像処理装
置を備える画像形成装置と、この画像形成装置における
入出力特性の決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタや複写機などの画像
形成装置においては、入力された多階調の画像データに
基づいて画像を出力する際に、入力系や出力系に用いら
れる装置特性に応じて、入力画像データの階調を忠実に
再現すべく、入力画像データの階調を補正するようにな
っている。
【0003】このような階調補正の技術としては、たと
えば、特開平10−173942号公報、特開平1
0−278347号公報などの技術が挙げられる。
【0004】まず、の技術では、まず、感光体上に基
準パッチ(階調パターン)を形成し、この基準パッチの
目標濃度値を記憶する一方、該基準パッチの濃度値を画
像読取手段によって直接読み取った後に、記憶された上
記目標濃度値と実際に読み取られた濃度値との差分に基
づいて、形成される画像の濃度階調特性を補正する補正
データを生成している。これによって、短時間で高精度
の階調補正を可能としている。
【0005】次にの技術では、連続した階調のテスト
パターン(階調パターン)を隣接して形成するようなパ
ターン情報に基づいて、異なる階調を2次元に配列した
テストパターンを形成し、このテストパターンを読み取
ることによって画像形成条件を制御している。これによ
って、画像形成手段の特性を精度良く検出することが可
能になり、良好な画像形成を実施できるように補正する
ことが可能になる。
【0006】また、上記階調補正のために、上記階調パ
ターンをチャートとして用紙上に画像形成する際に、こ
の階調パターンに対応した静電潜像を感光体上に形成す
ると、階調パターンの端部などのように静電電位が急激
に変化する部分が生じる。このような部分を現像する
と、本来の濃度よりも高濃度になってしまう。これを一
般にエッジ効果というが、このエッジ効果を防止する技
術として、たとえば、特開平7−160075号公報
などの技術が挙げられる。
【0007】このの技術では、感光体上におけるトナ
ーの付着部分と非付着部分とから反射光量を検出し、検
出結果を一次以上の次数で時間積分し、積分結果の最大
値を検出して、検出された付着部分の最大値と非付着部
分の最大値との比に応じて、形成する像の濃度を制御し
ている。これによって、エッジ効果に影響されない濃度
制御を実現することができる。
【0008】さらに、電子写真プロセスの画像形成装置
では、画像が形成される用紙の下地の色を検知して、こ
れに基づいて、形成される画像の濃度を調整する技術が
ある。これによって、用紙の下地の色に応じた良好な画
像を形成することができる。このような技術としては、
特開平2−230870号公報、特開平10−14
5598号公報などの技術が挙げられる。
【0009】まずの技術では、画像信号を出力するた
めに行う、原稿読み取りのための本走査の前に、原稿の
所定領域内の最大濃度と下地濃度とを検知して画像デー
タを補正するための濃度係数データと該下地濃度に対応
する下地データとを算出するとともに、上記本走査に際
して、下地除去手段により、画像データを下地データに
基づいて減少させ、濃度補正演算手段により、上記濃度
係数データに基づいて下地除去手段からの出力を増大さ
せる演算を行った補正画像データを出力している。これ
によって、下地の濃度にかかわらずコントラストのよい
鮮明な画像を形成することができる。
【0010】次にの技術では、濃度が異なる複数の基
準パッチを形成し、形成された各基準パッチの濃度およ
び下地濃度を測定する。そして、測定された下地濃度の
測定値と予め定められた下地濃度の目標値とから基準の
下地補正量を算出し、算出された基準の下地補正量を超
えずかつ基準パッチの濃度が高くなるにしたがって低く
なる補正量によって、各基準パッチの濃度測定値または
予め定められた各基準パッチの濃度目標値の何れか一方
を補正している。これによって、高濃度部分での過剰な
濃度補正を回避しつつ、ハイライト部分での用紙の種類
差や濃度測定器のばらつきに起因した画像濃度制御の誤
差を小さくすることができる。
【0011】また、上記階調パターンを画像読取手段で
読み取る際に、該階調パターンが形成されている原稿と
CCD(画像読取手段)との空間周波数の間で干渉が生
じてモアレが発生するなどといった問題点が生じること
がある。このような干渉を防止する技術として、特公
平6−95240号公報の技術が挙げられる。
【0012】このの技術では、テストチャートを画像
読取手段によって読み取る際に、該画像読取手段の結像
光学系の光路長を、通常の原稿を読み取る際の光路長か
ら変化させることで、画像読取手段の空間周波数を変化
させ、画像出力手段の空間周波数との間で干渉が生じる
ことを防止している。そのため、テストチャートを画像
読取手段によって正確に読み取り、特性の調整を精度よ
く行うことができる。また、この特性の調整が画像出力
手段の空間周波数に依存しなくなるため、空間周波数の
異なる種々の画像出力手段を用いても、特性を自動的に
調整することができる。
【0013】加えて、一般に、濃度入力値に対する濃度
出力値の関係はγ特性と呼称されている。このγ特性
は、換言すれば、階調性の尺度を表すパラメータであ
り、このγ特性を適宜補正することによって、形成され
る画像の階調性を適切なものに調整する。このγ特性を
補正する技術としては、たとえば、上記の技術と特
許番号2643951号公報の技術とが挙げられる。
【0014】上記の技術では、上述したように、記憶
された目標濃度値と実際に読み取られた濃度値との差分
に基づいて、形成される画像の濃度階調特性(γ特性)
を補正する補正データを生成している。
【0015】またの技術では、画像読取手段によって
読み取られた基準チャートの画像データに基づいて該画
像読取手段の補正データを作成し、出力手段を補正する
ための基準データに基づき出力手段によって補正された
画像を、作成された補正データによって補正された画像
読取手段によって読み取り、この読み取られた画像デー
タに基づき出力手段の補正データを作成している。
【0016】これによって、画像読取手段および出力手
段の補正を別々に行うことができ、各々の手段における
特性の変化を正確に補正することができる。また、その
際に特性を補正した画像読取手段を、出力手段の補正デ
ータを作成する際に用いるので、出力手段の補正を、特
別な入力機器を使用することを必要とせずに簡単な構成
で行うことができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記エッジ
効果は画像形成の主走査方向よりも副走査方向のほうが
大きく影響することになる。また、電子写真プロセスに
よる画像形成装置では、階調パターンに対応した静電潜
像を現像する際には、一般に、現像装置のトナー濃度は
代表した箇所の濃度に基づいて決定され、これのトナー
濃度によって、新たにトナーを補給するか否かが決定さ
れている。そのため副走査方向に高濃度の階調パターン
が連続すると、トナーの補給追従性が低くなるおそれが
ある。
【0018】したがって、このエッジ効果の影響と、ト
ナーの静電潜像に対して補給する追従性を考慮に入れず
階調パターンを形成すると、適切な階調性を有する階調
パターンが形成されなくなる上に、画像読取手段で階調
パターンの濃度が適切に読み取られず、画像形成装置の
調整が適切に行われないといった問題点が生ずる。
【0019】ここで、上述したやの技術には、エッ
ジ効果によって階調パターンに生じる読取精度の低下に
関しては何ら言及されていない。また、の技術では、
エッジ効果によって階調パターンに生じる濃度バラツキ
を補正してはいるものの、現像バイアスなどの応答特性
が階調パターンのエッジ部に対応して変化しにくいの
で、結果として得られる階調パターンの濃度は本来の所
望の濃度にはなりにくく、適切な階調パターンを得るこ
とができないという問題点を招来している。
【0020】一方、画像形成される用紙の下地の色に基
づいた画像補正に関する上記およびの技術では、何
れも通常の画像形成の際に、読み取られた画像データ
を、単に用紙の下地データによって補正しているだけで
ある。ここで、画像読取手段の読取値のゼロレベルは基
準白板を読み取ることによって決定されるが、階調パタ
ーンが形成された用紙の白度合いが、上記基準白板の読
取値よりもよりも大きくなっていると、下地と階調パタ
ーンとが階調補正のための適切なコントラストになって
いないことになる。
【0021】そのため、該用紙に形成されている階調パ
ターンを読み取っても、各階調パターンの読取値は下地
の白度に対応したものではないため、画像読取手段が適
切な読取値を得ることができず、十分な階調補正ができ
なくなる。すなわち形成された階調パターンをより有効
に使用することができない。
【0022】さらに、原稿および画像読取手段の空間周
波数間に発生する干渉作用を防止するの技術では、干
渉を防止するために結像光学系の光路長を変化させてい
る。つまりの技術では、上記光路長を変化させるため
に機械的手段を用いる必要があり、階調パターンの読取
精度を向上させるためには、別途駆動手段が必要となっ
ている。そのため、装置構成が複雑化するという問題点
を招来している。
【0023】上記およびの技術では、単に、階調パ
ターンを読み取って、基準のγ特性のカーブを補正する
だけである。また、画像の階調補正に関しては、画像読
取手段で読み取るための読取用階調パターンチャート以
外に、目視用階調パターンチャートを用いる場合があ
る。この目視用階調パターンチャートは、目視した際に
階調間の濃度が実際とは異なって認識されるのを防止す
るためのものである。しかしながら、上記各技術には、
読取用階調パターンの数と目視用階調パターンの数とを
どのように設定するかについては言及されていない。
【0024】本発明は上記各問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、階調パターンを形成してこれ
を画像読取手段に読み取らせることによって、階調性を
適切なものに補正する画像形成装置において、エッジ効
果やトナーの補給追従性を加味した上で階調パターンの
チャートを形成することによって、階調パターンの読取
濃度をより適切なものとすることで、画像形成条件を確
実かつ適切に調整可能とする画像形成装置を提供するこ
とにある。
【0025】また、本発明の他の目的は、上記階調パタ
ーンを読み取る際に、該階調パターンが形成されている
用紙の下地分を補正することによって階調パターンの読
取濃度をより適切なものとすることで、画像形成条件を
確実かつ適切に調整可能とする画像形成装置を提供する
ことにある。
【0026】本発明のさらに他の目的は、上記階調パタ
ーンを読み取る際に、機械的手段を用いて装置構成を複
雑化させることなく、容易に階調パターンの読み取り精
度を向上させることができる画像形成装置を提供するこ
とにある。
【0027】本発明のさらに他の目的は、上記階調パタ
ーンを読み取って入力濃度とディザ値との関係性を求め
ることで、簡単かつ適切にγ特性を決定することを可能
にする画像形成装置およびこれに用いられる画像処理方
法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる画像形成
装置は、上記の課題を解決するために、第1の画像情報
に基づいて感光体上に静電潜像を形成することによって
記録材上に画像を形成する画像形成手段と、記録材上に
形成された上記画像に基づいた第2の画像情報を入力す
る画像情報入力手段と、上記画像が異なる階調パターン
を配列したパターンチャートである場合に、上記第2の
画像情報を処理して、画像処理条件を調整する画像処理
手段とを備えている画像形成装置において、さらに、画
像形成手段が上記パターンチャートを形成する場合に、
上記画像形成手段の副走査方向に隣接する各階調パター
ンの静電潜像における境界部位での電位差の違いによる
電界の強調を回避するように、各階調パターンを形成す
ることを特徴としている。
【0029】上記構成によれば、パターンチャートを形
成してこれを画像情報入力手段に入力することによって
階調性を適切なものに補正する際に、副操作方向に隣接
する階調パターンの濃度差を所定値より小さくしたパタ
ーンチャートを形成している。そのため、エッジ効果の
発生やトナーの補給追従性による階調パターンの濃度の
不均一性を回避することができるので、パターンチャー
トにおける個々の階調パターンの全体の濃度が均一なも
のとなる。その結果、階調パターンを安定して読み取る
ことができるので、画像形成条件を確実かつ適切に調整
することができる。
【0030】上記画像形成装置においては、上記画像形
成手段が、該画像形成手段の副走査方向に隣接している
各階調パターンが直接接触するように、パターンチャー
トを形成することが好ましい。
【0031】上記構成によれば、階調パターン間に白表
示や黒表示の境界部が設けられないため、階調パターン
と境界部との間におけるエッジ効果の発生を防止するこ
とができる。そのため、階調パターンの全体の濃度をよ
り均一なものとして、階調パターンの入力安定性をより
一層向上させることができる。
【0032】上記画像形成装置においては、さらに、上
記画像形成手段が、上記パターンチャートにおける上記
副走査方向の端部となる階調パターンに隣接させて、該
端部となる階調パターンと同一または近い濃度を有する
ダミーパターンを形成することが好ましい。
【0033】上記構成によれば、パターンチャートにお
ける副走査方向の端部にダミーパターンを形成している
ので、パターンチャートを形成する記録材の下地と階調
パターンとの間の濃度差をダミーパターンで緩和するこ
とができる。その結果、特に副操作方向端部の階調パタ
ーンにエッジ効果が発生することをより確実に回避する
ことができる。
【0034】上記画像形成装置においては、さらに、上
記画像形成手段が、該画像形成手段の副走査方向に沿っ
て、階調パターンが低濃度から高濃度となるとともに、
互いに最も濃度が近い複数の階調パターンが主走査方向
に並ぶように、パターンチャートを形成することが好ま
しい。
【0035】上記構成によれば、画像形成手段によりパ
ターンチャートを形成する際に、パターンチャートが現
像される方向により濃度の高い階調パターンが連続する
ことがない。そのため、パターンチャート形成時におけ
るトナーの補給追従性による階調パターンの濃度不均一
性の発生を良好に回避することができる。
【0036】本発明にかかる画像形成装置は、上記の課
題を解決するために、第1の画像情報に基づいて記録材
上に画像を形成する画像形成手段と、記録材上に形成さ
れた上記画像を読み取って第2の画像情報とする画像読
取手段と、上記画像が異なる階調パターンを配列したパ
ターンチャートである場合に、上記第2の画像情報を処
理して、画像処理条件を調整する画像処理手段とを備え
ている画像形成装置において、上記画像処理手段は、パ
ターンチャートが形成される記録材の下地の色を基準と
して、第2の画像情報を画像処理して、画像処理条件を
調整することを特徴としている。
【0037】上記構成によれば、シェーディング補正時
に、パターンチャートを形成する記録材の下地の色を考
慮した上で画像処理を実施することになる。そのため、
下地に対する階調パターンの入力濃度をより適切なもの
にすることが可能になり、その結果、階調パターンを安
定して読み取ることができるので、画像形成条件を確実
かつ適切に調整することができる。
【0038】上記画像形成装置においては、さらに、上
記画像処理手段が、画像読取手段によるパターンチャー
トの読み取りの際に、該パターンチャートに照射される
光量を低下させるか、または画像読取手段の読取ゲイン
を小さくすることにより得られた読取値に基づいて第2
の画像情報を画像処理することが好ましい。
【0039】上記構成によれば、画像読取手段によるパ
ターンチャート(階調パターン)の読取値が実際よりも
小さくなるように読み取られることになる。そのため、
シェーディング補正時に、基準白板の白度がパターンチ
ャートの下地濃度の白度よりも低い場合でも、画像読取
手段によって下地濃度を読み取ることが可能になる。そ
の結果、基準白板の白度が上記下地濃度の白度よりも低
いような場合であっても、下地に対する階調パターンの
入力濃度をより適切なものにして、安定して階調パター
ンを読み取ることができる。
【0040】本発明にかかる画像形成装置は、上記の課
題を解決するために、第1の画像情報に基づいて記録材
上に画像を形成する画像形成手段と、記録材上に形成さ
れた上記画像を読み取って第2の画像情報とする画像読
取手段と、上記画像が異なる階調パターンを配列したパ
ターンチャートである場合に、上記第2の画像情報を処
理して、画像処理条件を調整する画像処理手段とを備え
ている画像形成装置において、上記パターンチャートを
形成するための第1の画像情報は、ディザマトリクスに
よるディザ値を加えることによって多階調化されたもの
であり、上記画像読取手段は、上記ディザマトリクスと
同サイズの画像フィルタを介して、該パターンチャート
を読み取ることを特徴としている。
【0041】上記構成によれば、画像情報のディザマト
リクスと同サイズの画像フィルタを介して、該パターン
チャートを読み取っているので、階調パターンと画像読
取手段との空間周波数の間で干渉が生じてモアレが発生
するという問題点を機械的手段を用いることなく防止す
ることができる。そのため装置の複雑化を回避した上
で、容易に階調パターンの読み取り精度を向上させるこ
とができる。
【0042】本発明にかかる画像形成装置は、上記の課
題を解決するために、第1の画像情報に基づいて記録材
上に画像を形成する画像形成手段と、記録材上に形成さ
れた上記画像を読み取って第2の画像情報とする画像読
取手段と、上記画像が異なる階調パターンを配列したパ
ターンチャートである場合に、上記第2の画像情報を処
理して、画像処理条件を調整する画像処理手段とを備え
ている画像形成装置において、上記画像形成手段は、上
記画像読取手段の入力精度、および画像形成手段におけ
る濃度についての画像形成精度の双方に基づいて、上記
パターンチャートにおける高濃度側の階調パターンにお
ける上記画像読取手段の出力値を、低濃度側の階調パタ
ーンにおける上記画像読取手段の出力値よりも大きくす
るように該パターンチャートを形成することを特徴とし
ている。
【0043】上記構成によれば、上記画像形成手段の濃
度における画像形成精度および画像読取手段の濃度の入
力精度の双方に基づいて画像形成することになるので、
これら画像形成精度および入力精度に発生するバラツキ
を考慮した上でパターンチャートを形成することができ
る。その結果、パターンチャートに発生し易い、本来高
濃度側となる方の階調パターンが低濃度側に対応した値
となる逆転現象の発生を回避して、パターンチャートの
無駄な形成を防止するとともに、より正確な画像形成条
件の調整が可能になる。
【0044】本発明にかかる画像形成装置は、上記の課
題を解決するために、ディザマトリクスによるディザ値
を加えることによって多階調化された第1の画像情報に
基づいて記録材上に画像を形成する画像形成手段と、記
録材上に形成された上記画像を読み取って第2の画像情
報とする画像読取手段と、上記画像が異なる階調パター
ンを配列したパターンチャートである場合に、上記第2
の画像情報を処理するとともに、画像処理条件を調整す
る画像処理手段とを備えている画像形成装置において、
上記画像処理手段は、画像読取手段の読取濃度の目標読
取値と該目標読取値に対応して決定されている上記画像
読取手段の読取基準値との関係性と、上記パターンチャ
ートを上記画像読取手段により読み取ることにより得ら
れる実読取値と上記ディザ値との関係性とに基づいて、
上記画像形成手段の入力濃度と上記ディザ値との関係性
を求める画像処理を実施することを特徴としている。
【0045】また、本発明にかかる画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、画像情報に基づいて画像形
成手段により画像形成する画像形成装置に用いられる画
像処理方法において、既知の異なるディザ値に対応する
複数種の階調パターンを読取用パターンチャートとし
て、画像形成手段により記録材上に形成する第1の行程
と、画像読取手段により上記読取用パターンチャートを
直接読み取って入力し、その入力値と上記ディザ値との
関係性を記憶する第2の行程と、画像読取手段の入力濃
度の目標値に対応して決定されている読取基準値と、上
記第2の行程で記憶された読取値とに基づいて、画像形
成手段の入力濃度と上記ディザ値との関係性を求める第
3の行程とを有することを特徴としている。
【0046】上記構成または方法によれば、読取基準値
と実際の読取値とに基づいて得られる入力濃度と、画像
形成時におけるディザ値との関係性を適宜求めることに
なる。そのため、基準のγ特性の関係性を記憶手段に記
憶していなくても、常に最適のγ特性を簡単に求めるこ
とができる。
【0047】上記画像処理方法においては、さらに、上
記第3の行程で決定した入力濃度とディザ値との関係性
に基づいて、目視用パターンチャートを記録材上に形成
する第4の行程と、上記目視用パターンチャートを目視
して上記関係性を手動調整する第5の行程と、上記第5
の行程で調整した上記関係性により得られる上記目標値
に対応した値を、上記読取基準値とする第6の行程とを
有することが好ましい。
【0048】上記方法によれば、読取用パターンチャー
トだけでなく使用者の目視によって判定される目視用パ
ターンチャートの濃度を画像処理に加味することができ
る。そのため、簡単かつ適切にγ特性を決定することが
できる。
【0049】上記処理方法においては、さらに、上記第
6の行程で得られた読取基準値および上記第3の行程の
入力濃度の目標入力値に対応して決定されている読取基
準値のうちの何れか一方を、上記第3の行程の読取基準
値として使用することが好ましい。
【0050】上記方法によれば、標準的な読取基準値
(第3の行程で決定された値)と使用者の好みを加味し
た読取基準値(第6の行程で得られた値)との二種類の
読取基準値を適宜使い分けることになる。そのため、た
とえば、画像形成装置を工場から出荷する際には、使用
者の好みを考慮する必要がないので、標準的な読取基準
値を使用し、また、該装置を使用者の手元で設置する場
合には使用者の好みを加味した読取基準値を設定し、さ
らには、使用者側で装置を移動させたような場合には、
元の標準的な読取基準値を使用するように、その状況に
応じて読取基準値を適切なものとすることができる。そ
の結果、設定の簡易化を図ることが可能になる。
【0051】本発明にかかる画像処理方法は、上記の課
題を解決するために、第1の画像情報に基づいて記録材
上に第1の画像を形成し、該第1の画像を画像読取手段
により読み取って得られる情報に基づいて記録材上に第
2の画像を形成した後、該第2の画像から目視で得られ
る情報を手動入力手段により入力することで画像処理条
件を調整する画像処理方法において、上記第1の画像が
有する階調数を、第2の画像が有する階調数よりも大き
くすることを特徴としている。
【0052】一般に、画像読取手段により階調性を判定
する場合には、階調数が多い方がより正確な階調性の判
定が可能になるが、使用者が階調性を目視で判定する場
合には、階調数が多過ぎると判定が煩雑化して正確な階
調性の判定ができなくなる。逆に、階調数が少ないと使
用者の判定には好適であるものの、画像読取手段におい
ては正確な判定ができなくなる。これに対して、上記方
法によれば、第1の画像の階調数が第2の画像の階調数
よりも大きくなっているので、より正確な階調性の判定
を実現することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図40に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、本発明はこれに限定されるものではない。本
発明にかかる画像形成装置は、階調補正のために、画像
形成手段によって異なる階調を配列した階調パターンを
生成する場合に、階調パターンにおける上記画像形成手
段の副走査方向に隣接する領域の濃度差を階調パターン
の濃度がエッジ効果により影響を受けない所定値以内と
している。
【0054】また、本発明にかかる画像形成装置は、階
調パターンの下地分を補正することによりダイナミック
レンジを拡大したり、階調パターン読取時の画像フィル
タのサイズを階調パターンのディザマトリックスと同サ
イズにすることで、階調パターンの読取濃度をより適切
として、画像形成装置の画像形成条件を適切に調整可能
としている。
【0055】さらに本発明にかかる画像形成装置および
これに用いられる画像処理方法は、既知のディザ値に対
応した階調パターンを画像読取手段(画像情報入力手
段)で読み取った読取値と、目標となる画像形成濃度に
対応して決定された該画像読取手段の基準読取値とによ
り、画像形成手段の出力濃度と多値ディザ法におけるデ
ィザ値との関係性を求めることで、簡単かつ適切にγ特
性を決定することを可能にする。
【0056】まず、本発明にかかる画像形成装置の構成
について説明する。本発明にかかる画像形成装置として
は、図2に示すように、上方にカラー画像読取部(画像
読取手段、以下、単に画像読取部とする)110が配置
され、下方にカラー画像形成部(以下、単に画像形成部
とする)210が配置され、さらに図2には図示しない
画像処理部2(後述)を備えているデジタルカラー複写
機(以下、単に画像形成装置1とする)が挙げられる。
【0057】画像形成装置1本体において、画像読取部
110が配置されている上方には、原稿台111、両面
原稿自動送り装置(RADF:Reversing Automatic Do
cument Feeder )112、および後述する操作パネル5
が設けられている。
【0058】原稿台111は、画像形成装置1本体の上
面に配置されている。一方、RADF112は、原稿台
111の上面に、該原稿台111に対して開閉可能な状
態で支持され、原稿台111面に対して所定の位置関係
を有して装着されている。このRADF112は、原稿
台111に対して、原稿の両面をそれぞれ自動的に配置
させる両面搬送動作を実施するものである。
【0059】この両面搬送動作について説明すると、ま
ず、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置にて画像
読取部110に対向するように、該原稿を原稿台111
に向けて搬送する。次に、この一方の面について、画像
読取部110による画像入力(画像読取)が終了した後
に、他方の面が原稿台111の所定位置において画像読
取部110に対向するように、該原稿を原稿台111に
向けて搬送する。上記動作によって1枚の原稿における
両面の画像入力が終了すれば、RADF112は、この
原稿をRADF112に備えられている排紙部に排出
し、次の原稿に対しても同様の両面搬送動作を実行す
る。なお、RADF112による上記原稿の搬送および
表裏反転の動作は、画像形成装置1全体の動作に関連し
て制御される。
【0060】画像読取部110は、RADF112によ
り原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像情報を入
力するために、原稿台111の下方に配置されており、
該原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する第1
および第2の原稿走査体113・114、光学レンズ1
15、および光電変換素子であるCCD(Charge Coupl
ed Device )116などを有している。
【0061】上記第1の原稿走査体113は、原稿画像
表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所
定の方向に向かって変更する第1ミラーとを有し、原稿
台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の
走査速度で平行に往復移動する。第2の原稿走査体11
4は、第1の原稿走査体113の第1ミラーにより偏向
された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かっ
て偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の原稿
走査体113と一定の速度関係を保って平行に往復移動
する。
【0062】光学レンズ115は、第2の原稿走査体1
14の第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光を
縮小し、縮小された光像をCCD116上の所定位置に
結像させる。CCD116は、結像された光像を順次光
電変換して電気信号として出力する。
【0063】このCCD116は、原稿の表面上にある
白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)・G
(緑)・B(青)の各色成分に色分解したラインデータ
を出力することのできる3ラインのカラーCCDのライ
ンセンサとなっている。このCCD116により電気信
号(RGB信号など)に変換された原稿の画像情報は、
さらに、後述する画像処理部2に転送され、上述した色
補正処理などの画像処理が実施される。
【0064】画像読取部110の下方に配置されている
画像形成部210は、画像形成装置1のほぼ中央に位置
し、用紙トレイ251、給紙機構211、一対のレジス
トローラ212、画像形成ステーションPa〜Pd、転
写搬送ベルト機構213、定着装置217、切り換えゲ
ート218、排出ローラ219、排紙トレイ220、ス
イッチバック搬送経路221などを備えている。
【0065】用紙トレイ251は、画像形成部210の
下方に配置され、記録媒体である用紙Pを収納してい
る。給紙機構211も用紙トレイ251と同様、画像形
成部210の下方に配置され、用紙トレイ251内に積
載収容されている用紙Pを1枚ずつ分離して画像形成部
210の画像形成ステーションPa〜Pdに向かって供
給する。一対のレジストローラ212は、画像形成ステ
ーションPa〜Pdにおける用紙Pが搬送される手前の
位置に、用紙Pの搬送路を介して2つのローラが互いに
対向配置してなっている。このレジストローラ212
は、給紙された用紙Pを画像形成ステーションPa〜P
dに搬送する際のタイミングを制御する。なお、片面に
画像が形成された用紙Pは、画像形成ステーションPa
〜Pdの画像形成のタイミングに合わせて、該画像形成
ステーションPa〜Pdに再供給される。
【0066】画像形成ステーションPa〜Pdは、搬送
されてきた用紙Pに対して画像を形成する。転写搬送ベ
ルト機構213は、画像形成ステーションPa〜Pdの
下方に配置されており、駆動ローラ214と従動ローラ
215との間に略平行に伸びるように張架された転写搬
送ベルト216に用紙Pを静電吸着させて搬送する。な
お、転写搬送ベルト機構213の詳細については後述す
る。
【0067】定着装置217は、転写搬送ベルト機構2
13の下流側(すなわち用紙搬送方向の下流側)に配置
されており、用紙P上に転写形成されたトナー画像を用
紙P上に定着させる。この定着装置217には一対の定
着ローラが設けられており、この定着ローラ間のニップ
を通過した用紙Pは、搬送方向切り換えゲート218を
経て、排出ローラ219により画像形成装置1の外壁に
取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0068】上記切り換えゲート218は、定着後の用
紙Pの搬送経路を、画像形成装置1へ用紙Pを排出する
経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給す
る経路との間で選択的に切り換えるようになっている。
この切り換えゲート218により再び画像形成ステーシ
ョンPa〜Pdに向かうように搬送方向が切り換えられ
た用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して表
裏反転された後、画像形成ステーションPa〜Pdへ再
度供給される。
【0069】転写搬送ベルト機構213の上方には、上
述したように、該転写搬送ベルト216に近接して4つ
の画像形成ステーションPa〜Pdが併設されている。
これら画像形成ステーションPa〜Pdは、用紙Pの搬
送方向から見て上流側から、画像形成ステーションPa
・Pb・Pc・Pdの順に並んで配置されており、それ
ぞれ異なる色のトナーにより画像を形成する。
【0070】なお、用紙Pの搬送方向の上流側から、第
1の画像形成ステーションPa・第2の画像形成ステー
ションPb・第3の画像形成ステーションPc・第4の
画像形成ステーションPdとする。また、本実施の形態
では、第1の画像形成ステーションPaが黒色(ブラッ
ク・K)のトナーにより画像を形成し、第2の画像形成
ステーションPbがシアン(C)のトナーにより画像を
形成し、第3の画像形成ステーションPcがマゼンタ
(M)のトナーにより画像を形成し、第4の画像形成ス
テーションPdがイエロー(Y)のトナーにより画像を
形成する。
【0071】転写搬送ベルト機構213は、転写搬送ベ
ルト216、駆動ローラ214、従動ローラ215、用
紙吸着用帯電器228、および除電器229などを備え
ている。この転写ベルト機構213は上述したように、
画像形成ステーションPa〜Pdの下方に配置されてお
り、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に略平
行に伸びるように転写搬送ベルト216を張架してい
る。この転写搬送ベルト機構213の配置されている部
位が用紙搬送路となる。
【0072】転写搬送ベルト216は駆動ローラ214
および従動ローラ215によって略平行に支持され、駆
動ローラ214によって回転駆動される。この回転駆動
の方向としては、図2に示すように、転写搬送ベルト2
16における画像形成ステーションPa〜Pdに対向す
る側が、レジストローラ212側から定着装置217側
へ移動するように駆動される(図中矢印Z)。このと
き、上述したように給紙機構211から供給される用紙
Pを担持し、この用紙Pを画像形成ステーションPa〜
Pdへと順次搬送する。
【0073】転写搬送ベルト216は、用紙Pを安定し
て搬送するために用紙吸着用帯電器228によってその
表面が帯電される。この用紙吸着用帯電器228は、第
1の画像形成ステーションPaと給紙機構211との
間、すなわち転写搬送ベルト216の回転方向の上流側
に設けられている。これによって、給紙機構211から
供給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上の確実に
吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから
第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく
搬送される。
【0074】一方、転写搬送ベルト216の回転方向の
下流側、すなわち第4の画像形成ステーションPdと定
着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部に
は除電器229が設けられている。この除電器229に
は、転写搬送ベルト216に静電吸着されている用紙P
を転写搬送ベルト216から分離するために、交流電圧
が印加されている。これによって、転写搬送ベルト21
6から用紙Pが剥離される。
【0075】各画像形成ステーションPa〜Pdは、実
質的に同一の構成を有している。各画像形成ステーショ
ンPa・Pb・Pc・Pdは、転写搬送ベルト216に
対向して配置され、該転写搬送ベルト216のベルトの
回転方向と順方向(図2では矢印F方向)に回転駆動さ
れる感光体ドラム222a・222b・222cおよび
222dをそれぞれ含んでいる。
【0076】各感光体ドラム222a〜222dの周辺
には、帯電器223a・223b・223c・223
d、現像装置224a・224b・224c・224
d、転写器225a・225b・225c・225d、
クリーニング装置226a・226b・226c・22
6dが、感光体ドラム222a〜222dの回転方向に
沿ってこの順で配置されている。
【0077】帯電器223a・223b・223c・2
23dは、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ
一様に帯電する。現像装置224a・224b・224
c・224dは、感光体ドラム222a〜222d上
に、後述するレーザビームスキャナユニット227a・
227b・227c・227dにより形成された静電潜
像をそれぞれ現像する。転写器225a・225b・2
25c・225dは、現像された感光体ドラム222a
〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写する。クリーニ
ング装置226a・226b・226c・226dは、
感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを
除去する。
【0078】各感光体ドラム222a〜222dの上方
には、レーザビームスキャナユニット(以下LSUと略
す)227a・227b・227c・227dがそれぞ
れ設けられている。LSU227a〜227dは、半導
体レーザ素子(図示せず)、ポリゴンミラー(偏向装
置)240a〜240d、fθ(走査)レンズ241a
〜241dやミラー242a・242b・242c・2
42dおよび243a・243b・243c・243d
などを備えている。半導体レーザ素子は、前述した画像
処理部2によって色補正などの画像処理が実施された出
力データに応じて変調された光を発する。ポリゴンミラ
ー240a〜240dは、半導体レーザ素子からのレー
ザビームを主走査方向に偏向させる。fθレンズ241
a〜241dやミラー242a〜242dおよび243
a〜243dなどは、ポリゴンミラー240a〜240
dにより偏向されたレーザビームを感光体ドラム222
a〜222d表面に結像させる。
【0079】LSU227aにはカラー原稿画像におけ
る黒(ブラック)成分像に対応する画像信号が入力さ
れ、LSU227bにはカラー原稿画像におけるシアン
成分の像に対応する画像信号が入力され、LSU227
cにはカラー原稿画像におけるマゼンタ成分の像に対応
する画像信号が入力され、LSU227dにはカラー原
稿画像におけるイエロー成分の像に対応する画像信号が
入力される。
【0080】画像形成ステーションPa〜Pdにそれぞ
れ備えられている現像装置224a〜224dには、各
画像形成ステーションPa〜Pdに入力される画像信号
に対応する色のトナーが収容されている。具体的には、
現像装置224aにはブラックのトナーが、現像装置2
24bにはシアンのトナーが、現像装置224cにはマ
ゼンタのトナーが、現像装置224dにはイエローのト
ナーがそれぞれ収容されている。感光体ドラム222a
〜222d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより
現像される。これにより、画像形成部210にて原稿画
像の情報が各色のトナー像として再現される。
【0081】上記構成の画像形成装置1においては、用
紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙
Pは、用紙トレイ251から送り出されて、給紙機構2
11における給紙搬送経路のガイド内に供給されると、
その用紙Pの先端部分がセンサ(図示せず)にて検知さ
れ、このセンサから出力される検知信号に基づいて、一
対のレジストローラ212により一旦停止される。
【0082】そして、用紙Pは各画像形成ステーション
Pa〜Pdとタイミングをとって上記矢印Z方向に回転
している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき
転写搬送ベルト216には上述したように用紙吸着用帯
電器228により所定の帯電が施されているので、用紙
Pは、各画像形成ステーションPa〜Pdを通過する
間、安定して搬送供給される。
【0083】各画像形成ステーションPa〜Pdにおい
ては、ブラック・シアン・マゼンタ・イエロー各色のト
ナー像がそれぞれ形成され、転写搬送ベルト216によ
り静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合
わせられる。第4の画像形成ステーションPdによる画
像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順
次、除電器229により転写搬送ベルト216上から剥
離され、定着装置217へと導かれる。最後に、トナー
画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)か
ら排紙トレイ220上へと排出される。
【0084】なお、上述の説明では、LSU227a〜
227dによって、レーザビームを走査して露光するこ
とにより、感光体ドラム222a〜222d上へ光書き
込みを行う。しかしながら、感光体ドラム222a〜2
22d上に光書き込みを実施する書き込み手段として
は、LSU227a〜227dに限定されるものではな
い。
【0085】たとえば、他の書き込み手段としては、発
光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込
み光学系(LED:Light Emitting Diodeヘッド)を用
いてもよい。LEDヘッドはレーザビームスキャナユニ
ットに比べてサイズも小さく、また可動部分がなく無音
である。よって複数個の光書き込みユニットを必要とす
るタンデム方式のデジタルカラー画像形成装置などで
は、好適に用いることができる。
【0086】上記画像形成装置1に備えられている画像
処理部2について説明する。この画像処理部2は、図3
に示すように、画像データ入力部40、画像データ処理
部41、ハードディスク装置もしくはRAM(ランダム
アクセスメモリ)などから構成される画像メモリ43、
画像データ出力部42、中央処理装置(以下、CPUと
略す)44、画像編集部45、外部インターフェイス部
46および47、並びに画像判定部48から構成されて
いる。
【0087】画像データ入力部40は、カラーCCD4
0a、シェーディング補正回路40b、ライン合わせ部
40c、センサ色補正部40d、MTF補正部40e、
およびγ補正部40fなどを備えている。
【0088】カラーCCD40aは、前述したように、
白黒原稿あるいはカラー原稿画像を読み取り、RGBの
色成分に色分解したラインデータを出力することのでき
る3ラインのカラーCCDであり、図2に示す画像読取
部110における光電変換素子であるCCD116に相
当する。
【0089】シェーディング補正回路40bは、カラー
CCD40aにて読み取られたラインデータのライン画
像レベルを補正するものである。ライン合わせ部40c
は、カラーCCD40aにて読み取られた画像ラインデ
ータのずれを補正するもので、ラインバッファなどから
構成される。
【0090】センサ色補正部40dは、3ラインのカラ
ーCCD40aから出力される各色のラインデータの色
データを補正するものである。MTF補正部40eは、
各画素の信号の変化にめりはりを持たせるように補正す
るものである。γ補正部40fは、画像の明暗を補正し
て視感度補正を行うものである。
【0091】画像データ処理部41は、モノクロデータ
生成部41a、入力処理部41b、領域分離部41c、
黒生成部41d、色補正回路41e、ズーム処理回路4
1f、空間フィルタ41g、および中間調処理部41h
などを備えている。
【0092】モノクロデータ生成部41aは、原稿が白
黒原稿の場合、上記画像データ入力部40から入力され
るカラー画像信号であるRGB信号よりモノクロデータ
を生成するものである。
【0093】入力処理部41bは、原稿がカラー原稿の
場合、上記画像データ入力部40から入力されるカラー
画像信号であるR・G・B信号を、画像形成ステーショ
ンPb・Pc・Pdに対応したCMY信号に変換し、ま
た、併せて、クロック変換処理、およびAEヒストグラ
ム処理も実施するものである。AEヒストグラム処理に
より、上記画像データ入力部40から入力されるカラー
画像信号から、原稿における文字情報や絵情報を分離す
ることができる。
【0094】領域分離部41cは、モノクロデータ生成
部41aあるいは入力処理部41bから入力された画像
データが、文字部なのか網点写真なのか、あるいは印画
紙写真なのかをそれぞれ分離するものである。
【0095】黒生成部41dは、入力処理部41aから
出力されるCMY信号に基づいて下色除去処理を行い黒
生成するものであり、カラー画像形成時の黒の色データ
(K信号)を生成するものである。色補正回路41e
は、各色変換テーブルに基づいて、CMYの各カラー画
像信号の各色を調整するものである。
【0096】ズーム処理回路41fは、設定されている
倍率に基づいて入力された画像情報を倍率変換するもの
である。中間調処理部41hは、多値誤差拡散や多値デ
ィザなどの階調性を表現するためのものである。
【0097】画像メモリ43は、中間調処理部41hに
よる中間調処理までが施された各色の画像データを一旦
格納するものであり、画像データ処理部41からシリア
ル出力される8ビット4色(32ビット)の画像データ
を順次受け取り、バッファに一時貯えながら32ビット
のデータから8ビット4色の画像データに変換して各色
毎の画像データとして記憶管理する4基のハードディス
ク(回転記憶媒体)43a・43b・43c・43dを
備えている。
【0098】また、画像メモリ43は、各画像形成ステ
ーションPa・Pb・Pc・Pdの位置が異なるため、
画像メモリ43の遅延バッファメモリ43e(半導体メ
モリ)に各色画像データを一旦記憶させ、それぞれ時間
をずらすことにより、各LSU227a〜227dに画
像データを送るタイミングを合わせ、色ずれを防ぐよう
になっている。さらに画像メモリ43には、複数の画像
の合成を行うための画像合成メモリ(図示せず)も含ま
れている。
【0099】画像データ出力部42はレーザコントロー
ルユニット(以下、LCUと略す)42aと、LSU4
2b・42c・42d・42eを備えている。
【0100】LCU42aは、中間調処理部41hから
の各色の画像データに基づいてパルス幅変調を行うもの
である。LSU42b・42c・42d・42eは、L
CU42aから出力される各色の画像信号に応じたパル
ス幅変調信号に基づいてレーザ記録を行う。これらLS
U42b〜42eは、図2に示す画像形成部210にお
けるLSU227a〜227dに相当する。
【0101】CPU44は、画像データ入力部40、画
像データ処理部41、画像メモリ43、画像データ出力
部42、さらに後述する画像編集部45、および外部イ
ンターフェイス部46および47を所定のシーケンスに
基づいてコントロールするものである。
【0102】画像編集部45は、画像データ入力部4
0、画像データ処理部41、あるいは後述する外部イン
ターフェイス46および47を経て、一旦、画像メモリ
43に記憶された画像データに対して所定の画像編集を
施すためのものである。この画像データの編集作業は、
画像メモリ43における画像合成用メモリを用いて行わ
れる。
【0103】上記外部インターフェイス46は、画像形
成装置1とは別に設けられた外部の画像入力処理手段で
ある、たとえば、通信携帯端末、デジタルカメラ、デジ
タルビデオカメラなどからの画像データを受け入れるた
めの通信インターフェイス手段(画像情報入力手段)で
ある。
【0104】なお、この外部インターフェイス46から
入力される画像データも、一旦、画像データ処理部41
に入力して色空間補正などを行うことが好ましい。これ
によって、画像形成装置1の画像記録部210で取り扱
うことのできるデータレベルに変換した後、画像メモリ
43のハードディスク43a〜43dに記憶管理される
ことになる。
【0105】さらに、上記外部インターフェイス47
は、図示しないパーソナルコンピュータにより作成され
た画像データを入力するプリンタインターフェイスであ
り、またFAX受信した画像データを受け入れるための
白黒またはカラーFAXインターフェイスである。この
外部インターフェイス47から入力される画像データ
は、すでにCMYK信号であり、一旦、中間調処理部4
1hにより中間調処理を施して画像メモリ43のハード
ディスク43a〜43dに記憶管理されることになる。
【0106】画像判定部48は、領域分離のために、文
字領域と写真領域とを分けるものであり、また、読取領
域がカラー画像か白黒画像かを判定するためのものであ
る。さらに、読取画像に含まれる各種パターンを照合し
て紙幣や有価証券のコピーを防止するためのものでもあ
る。なお、読取領域がカラー画像か白黒画像かを判定す
るような場合には、プリスキャンが必要である。
【0107】上記画像形成装置1における装置全体の動
作を制御する制御系について説明すると、図4に示すよ
うに、CPU44により装置全体の各部が動作管理され
るようになっている。
【0108】図4に示す、画像データ入力部40、画像
データ処理部41、画像データ出力部42、画像メモリ
43、CPU44、および外部インターフェイス46の
詳細については前述した通りである。濃度センサ140
は、後述するように、感光体ドラム222a〜222d
表面に形成された高濃度のトナーパッチの濃度を測定す
るためのものである。なお、外部インターフェイス46
は、画像メモリ43と相互にデータのやりとりが可能と
なっており、さらに画像メモリ43を介してCPU44
に接続されている。
【0109】CPU44は、その他、RADF112、
画像読取部110、画像形成部210など画像形成装置
1を構成する各駆動機構部をシーケンス制御により管理
するとともに、各部へ制御信号を出力している。
【0110】さらにCPU44には、操作パネル5から
なる操作基板ユニット48が相互通信可能な状態で接続
されており、操作パネル5の操作に応じて操作者が設定
入力した複写モード内容を示す制御信号をCPU44に
転送して、画像形成装置1全体が設定されたモードに応
じて動作するように制御している。
【0111】また、CPU44からは、後述する操作パ
ネル5(図5参照)を含む画像形成装置1の各種動作状
態を示す制御信号を操作基板ユニット49と相互通信可
能な状態で接続されている。
【0112】操作パネル5を用いて使用者がコピーモー
ド(複写モード)を設定すると、その内容を示す制御信
号が、操作基板ユニット49からCPU44へと転送さ
れ、これにより、CPU44は、画像形成装置1全体
を、設定されたモードに応じて動作するように制御す
る。
【0113】反対にCPU44からは、画像形成装置1
の各種動作状態を示す制御信号が操作基板ユニット49
へと転送されており、操作基板ユニット49側では、こ
の制御信号により画像形成装置1が現在どのような状態
にあるのか操作パネル5に設けられた後述するカラー表
示のタッチパネル式液晶表示装置6に表示して使用者が
認識できるようになっている。
【0114】次に操作パネル5について説明すると、操
作パネル5は、図5に示すように、中央部分には、カラ
ー表示のタッチパネル式液晶表示装置6(以降、カラー
LCDと呼称する)が配置されており、その右側にテン
キー8、スタートキー11、クリアキー9、および全解
除キー10が配置されている。また、カラーLCD6の
左側には、カラーLCD6の画面の明るさを調節するダ
イヤル7が配置されている。
【0115】カラーLCD6の右側に配置されたキー群
のうち、テンキー8はカラーLCD6の画面における数
値を入力するのに使用するキーであり、スタートキー1
1は画像形成動作の開始を指示するためのキーである。
モード切り換えキー12は、画像形成動作をコピーモー
ド・FAXモード・プリントモードの何れかモードから
選択するためのキーである。
【0116】また、クリアキー9はカラーLCD6に表
示される設定値をクリアしたり画像形成動作の中断を行
うキーであり、全解除キー10は、画像形成条件の設定
をデフォルト値に戻すためのキーである。なお、図5に
は図示しないが、操作パネル5には、実行中の画像形成
動作を一次中断して他の複写を許容するためのキーであ
る割込キーが設けられていてもよい。
【0117】上記カラーLCD6の画面には、後述する
ように、種々の画面が切り換えて表示される。これら画
面中では、種々の条件を設定するタッチキーが配置され
ており、該タッチキーを指などで直接押圧操作(以下、
単に操作と略す)することにより、各種の条件設定が可
能になっている。また、操作のガイダンスや警告なども
このカラーLCD6に表示される。
【0118】上記カラーLCD6に表示される画面の概
要について以下に説明する。画像形成装置1が待機状態
であれば、カラーLCD6には、図6に示すような待機
時画面601が表示されている。待機時画面601の上
側には、メッセージ領域602および画像形成枚数表示
領域603がある。メッセージ領域602には、使用者
が操作パネル5を確実に操作できるように、操作手順を
指示するメッセージが適宜表示される。画像形成枚数表
示領域603には、画像形成する枚数がテンキー8によ
り入力され、その枚数が置数されるようになっている。
【0119】待機時画面601の中央部左側には画像形
成装置1の全体の装置外観を概略図として表示する外観
図表示領域605がある。この外観図表示領域605で
は、装置本体、用紙トレイ、および装着されたオプショ
ン(RADF112・各種ソータ・大容量トレイ・多段
デスクなど)が表示されている。用紙トレイには、セッ
トされた用紙の種類、サイズおよび残量が表示されてい
る。
【0120】待機時画面601の中央部右側には、仕上
がり形態表示領域606があり、ここでは、画像形成さ
れた画像の仕上がり形態が概略図で図示されるようにな
っている。この仕上がり形態とは、選択された用紙に対
して画像形成される画像の領域がどのようになるかを示
すものであり、使用者がこれを確認することによってそ
の誤操作を防止できるようになっている。なお、この仕
上がり形態表示領域606では、タッチキーである条件
キー(後述)で設定された条件のうち、図として表現可
能な条件を適宜表示することができるようになってい
る。
【0121】外観図表示領域605の左上にはモード表
示領域604がある。このモード表示領域604は、画
像形成装置1の現在のモードが表示されるようになって
いる。このモードとしては、上述したように、モード切
り換えキー12の操作によってコピーモード、FAXモ
ード、およびプリンタモードの何れかが選択され、表示
されるようになっている(図6ではコピーモード)。ま
た、テンキー8を特定順に操作したときには、画像形成
装置1のメンテナンスを行うサービスマンの設定用モー
ドも表示可能となっている。
【0122】待機時画面601の下方には条件キー領域
607がある。この条件キー領域607では、画像形成
装置1の種々の条件設定をするためのタッチキーである
条件キー610が配置されている。本実施の形態では、
カラーモードを選択するカラー選択キー610a、画像
形成時の濃度に関する設定を行うコピー濃度キー610
b、用紙の種類やサイズを選択する用紙の種類/サイズ
キー610c、画像形成時の倍率を設定する拡大/縮小
キー610dが設けられている。なお、条件キー610
としてはこれらに限定されるものではない。
【0123】条件キー領域607の上部には設定内容表
示領域608があり、条件キー610で選択された条件
が個々の条件キー610に対応してその上部に表示され
ている。図6では、カラー選択キー610aの条件とし
て「白黒」が表示されており、コピー濃度キー610b
の条件として「自動(自動設定)」が表示されており、
用紙の種類/サイズキー610cの条件として「普通紙
/自動(自動設定)」が表示されており、拡大/縮小キ
ー610dの条件として「100%(原寸)」が表示さ
れている。
【0124】さらに、設定内容表示領域608と、外観
図表示領域605および仕上がり形態表示領域606と
の間には選択条件表示領域609がある。ここには、条
件キー610を操作した際に、該条件キー610に対応
した種々の条件を選択できる選択キー611が表示され
る。
【0125】たとえば、図7に示すように、条件キー6
10のうちカラー選択キー610aが操作されたとする
と、選択条件表示領域609には、選択キー611とし
て、白黒キー611a、単色カラーキーとしてのシアン
キー611b、マゼンタキー611c、およびイエロー
キー611d、並びにフルカラーキー611eが表示さ
れる。
【0126】このうち、白黒モードを選択するのであれ
ば、図7に示すように白黒キー611aを操作する。こ
れによって、白黒モードが選択されたことになるので、
表示上、白黒キー611aはアクティブに表示されてい
る。このアクティブ表示の手法については特に限定され
るものではないが、たとえば、図7に示すように、キー
の枠が二重になっている手法を挙げることができるが特
に限定されるものではなく、他に枠を太線にしたりする
手法が挙げられる。
【0127】画像形成装置1が待機状態から動作設定状
態になると、カラーLCD6には、図8に示すように、
動作設定初期画面621が表示される。この動作設定初
期画面621では、図6に示す待機時画面601とは異
なり、画像形成枚数表示領域603は閉じられて、仕上
がり形態表示領域606、条件キー領域607、設定内
容表示領域608、および選択条件表示領域609に代
わって、動作の設定内容を表示するための動作設定内容
領域622が表示される。モード表示領域604は、動
作の設定をするモードであることを示している。
【0128】また、外観図表示領域605には、待機時
画面601と同様に画像形成装置1の外観図が表示され
ている。この外観図は、選択された動作設定内容が実行
されるときに、装置におけるどの機能を使用するのかを
示すために用いられる。動作設定内容領域622には、
動作の設定内容を選択するための設定内容キー623
(γ特性キー623a、環境特性キー623b、AEキ
ー623c、用紙搬送キー623d)、実行キー624
および終了キー625が表示されている。
【0129】上記設定内容キー623のうち、γ特性キ
ー623aは、画像データの濃度入力値をどのように変
換して濃度出力値とするかを決めるものである。このγ
特性キー623aの操作によって実行されるγ特性の設
定については後述する。環境特性キー623bは、環境
特性、特に、温湿度特性を考慮して画像条件の設定を行
うか否かを設定するためのキーである。AEキー623
cは、自動濃度が適切に働くように補正を行うためのキ
ーである。用紙搬送キー623dは、用紙の搬送に関わ
る設定、たとえば整合ローラ(たとえば図2のレジスト
ローラ212など)における用紙撓み量などを設定する
ためのキーである。
【0130】上記実行キー624は、設定内容キー62
3の何れかを操作してアクティブ表示にした後に、この
キーを操作すると選択された設定内容の設定処理が開始
される。上記終了キー625は、動作設定状態を終了さ
せて待機状態にするためのキーである。
【0131】次に、上記操作パネル5を用いて、待機状
態から動作設定状態への移行、並びに待機状態から画像
形成動作状態への移行を実施するための操作方法につい
て、図9および図10のフローチャートに基づいて説明
する。
【0132】上記操作パネル5に待機時画面601が表
示された待機状態(ステップ1、以降ステップをSと略
す)で、テンキー8が特定順に操作されたか否かを判定
する(S2)。テンキー8が特定順に操作されていなけ
れば、次に、全解除キー10が操作されたか否かを判定
し(S3)、全解除キー10(図9および図10ではA
Cキーと略す)が操作されていれば、S1に戻り、再
度、待機時画面601を表示する。S3で全解除キー1
0が操作されていなければ、次にテンキー8が操作され
たか否かを判定し(S4)、テンキー8が操作されてお
れば、操作されたテンキー8に対応した数値を画像形成
枚数表示領域603に置数し(S9)、S2に戻る。
【0133】S4でテンキー8が操作されていなけれ
ば、次に、クリアキー9が操作されたか否かを判定し
(S5)、クリアキー9が操作されていなければ、画像
形成枚数表示領域603に1を置数し(S10)、S2
に戻る。S5で、クリアキー9が操作されていなけれ
ば、次に、条件キー610が操作されたか否かを判定し
(S6)、条件キー610が操作されていれば、直前画
面として、選択条件表示領域609に選択キー611が
表示された画面(選択画面)が表示されていたか否かを
判定する(S11)。選択キー611が表示されていれ
ば、表示されている選択画面は、操作された条件キー6
10に対応したものであるか否かを判定する(S1
3)。
【0134】S13で選択画面が操作された条件キー6
10に対応したものであれば、現在表示している選択画
面を閉じて、選択した条件を設定内容表示領域608に
表示して(S14)、S2に戻る。S11で、直前画面
に選択画面が表示されていなければ、操作された条件キ
ーに対応した選択画面を表示して(S12)、S2に戻
る。
【0135】S13で選択画面が操作された条件キー6
10に対応したものでなければ、現在表示している選択
画面を閉じて選択した条件を設定内容表示領域608に
表示した後、操作された条件キー610に対応した選択
画面を表示し(S15)、S2に戻る。S6で条件キー
610が操作されていなければ、次に、選択キー611
が操作されたか否かを判定し(S7)、選択キー611
が操作されていれば、操作された選択キー611をアク
ティブ表示して(S16)、S2に戻る。
【0136】S7で、選択キー611が選択されていな
ければ、次に、スタートキー11が操作されたか否かを
判定(S8)、スタートキー11が操作されていれば、
画像形成動作を実行し(S17)、画像形成動作が完了
したら、S2に戻る。S8でスタートキー11が操作さ
れていなければ、S2に戻る。
【0137】なお、S2で、テンキー8が特定順に操作
されていれば、動作設定初期画面621にカラーLCD
6の画面が切り替わる(S18)が、S18以降の動作
設定については後述する。
【0138】上述したS1〜S17までの操作制御にお
いて、S6で条件キー610が操作された後の画面の変
化の一事例について説明する。まず、図6に示す待機時
画面601において、まず、条件キー610のうち白黒
モードに設定されているカラー選択をフルカラーモード
にする場合の操作について説明する。
【0139】条件キー領域607におけるカラー選択キ
ー610aを操作すると、図7に示すように、選択条件
表示領域609に、カラー選択の選択条件である白黒・
単色カラー(シアン・マゼンタ・イエロー)およびフル
カラーの各条件が、それぞれ選択キー611(611a
〜611e、前述の説明を参照)として表示されてい
る。
【0140】このとき、カラー選択キー610aの操作
の前には、白黒の条件が選択されていたので、他の選択
キー611を操作するまでは、選択キー611のうち白
黒キー611aがアクティブに表示されている。選択キ
ー611がアクティブ表示されているときには、設定内
容表示領域608における条件表示枠(カラー選択キー
610aの直上の表示枠)には、▲が表示されており、
これによって現在条件の選択中であることを示す。
【0141】図11に示すように、選択条件表示領域6
09におけるカラー選択において、フルカラーキー61
1eを操作すると、このフルカラーキー611eがアク
ティブ表示される。次いで、再度、条件キー610であ
るカラー選択キー610aを操作すると、図12に示す
ように、選択条件表示領域609における選択キー61
1は閉じられて、アクティブ表示であったフルカラーキ
ー611eの条件である「フルカラー」が、設定内容表
示領域608のカラー選択キー610aの直上の表示枠
に表示される。
【0142】また、図11の画面で再度、条件キー61
0の操作を行って、選択条件表示領域609の選択キー
611を閉じる代わりに、他の条件キー610、たとえ
ば用紙の種類/サイズキー610cを操作すると、図1
3に示すように、カラー選択のための選択キー611は
閉じられ、設定内容表示領域608の表示枠に「フルカ
ラー」が表示されて、用紙の種類/サイズキー610c
の選択キー611が表示される。
【0143】このとき、用紙の種類/サイズキー610
cに対応する設定内容表示領域608の表示枠には▲が
表示されて、現在、用紙の種類/サイズの条件が選択中
であることが表示される。なお、図13に表示されてい
る選択キー611としては、用紙を選択するための選択
キー611である、普通紙キー611f、OHPキー6
11g、およびコート紙キー611hと、用紙のサイズ
を選択する選択キー611である、A3キー611m、
B4キー611n、A4キー611p、B5キー611
qが表示されている。
【0144】次に、画像形成装置1が動作設定状態にあ
る場合について説明すると、上述したように、S2で、
テンキー8が特定順に操作されていれば、待機時画面6
01から動作設定初期画面621にカラーLCD6の画
面が切り替わる(S18)。そして、動作設定内容領域
622に表示されている実行キー624が操作されてい
るか否かを判定して(S19)、実行キー624が操作
されていれば、同じく動作設定内容領域622に表示さ
れている選択された設定内容キー623の内容に対応し
た設定処理の実行を行う(S23)。
【0145】S19で実行キー624が操作されていな
ければ、次に、全解除キー10が操作されているか否か
を判定し(S20)、全解除キー10が操作されていれ
ばS1に戻る。一方S20で全解除キー10が操作され
ていなければ、次に終了キー625が操作されているか
否かを判定する(S21)。終了キー625が操作され
ていれば、全解除キー10を操作した場合と同様にS1
に戻る。
【0146】S21で、終了キー625が操作されてい
なければ、次に、設定内容キー623が操作されたか否
かを判定し(S22)、設定内容キー623が操作され
ていれば、操作された設定内容キー623をアクティブ
表示とする(S24)。S22で、設定内容キー623
が操作されていなければ、S19に戻り、実行キー62
4、全解除キー10、終了キー625、または設定内容
キー623のうち何れかのキーの操作を待つ。
【0147】本実施の形態における画像形成装置1で
は、画像読取部110で読み取った原稿の画像を画像形
成部210で適切に画像形成するためには、画像データ
の濃度入力値をどのように変換して濃度出力値とするか
を決定する必要がある。これは、画像形成部210の作
像特性が、画像形成部210毎に異なるためである。な
お、濃度入力値に対する濃度出力値の関係は、一般にγ
特性と呼称される。
【0148】上記γ特性の決定は、画像形成装置1を工
場から出荷する前、または画像形成装置1の設置時に行
われる。このγ特性の設定処理の手順について、図14
および図15のフローチャートに基づいて説明する。
【0149】図14および図15に示すフローチャート
は、図9および図10に示す操作方法のフローチャート
における動作設定状態(S18〜S24)で、設定内容
キー623のうち、γ特性キー623aを操作した場合
の手順を示すものである。
【0150】まず、動作設定初期画面621が表示され
ている状態で、動作内容設定領域622のγ特性キー6
23aを操作すると、図8に示すようにγ特性キー62
3aがアクティブ表示される。その後、実行キー624
を操作すると、γ特性の設定処理が実施される。
【0151】その後、図16に示すように、γ特性設定
初期画面631が表示される(S50)。このγ特性設
定初期画面631は、γ特性の設定を自動、すなわち画
像形成装置1自身の判定により行うかを選択する自動キ
ー632a、およびγ特性の設定を手動、すなわち使用
者自身が判定するかを選択する手動キー632bからな
るγ特性選択キー632が表示される。また、γ特性設
定初期画面631には、前述した実行キー624および
終了キー625も同時に表示される。
【0152】γ特性設定初期画面631において、実行
キー624、終了キー625、自動キー632aおよび
手動キー632bの何れかのキー操作を待つ(S51、
S53、S54、S56、S51を結ぶループ)。S5
1で終了キー625の操作があれば、γ特性の設定処理
を終了し、図9および図10のフローチャートにおける
S18に戻り、S18で動作設定初期画面621(図8
参照)を表示する。S54で自動キー632aの操作が
あれば、自動キー632aをアクティブ表示にして(S
57)、S51に戻る。S56で手動キー632bの操
作があれば、手動キー632bをアクティブ表示にして
(S58)、S51に戻る。S53で実行キー624の
操作があれば、次に、自動のγ特性の設定(以下、適宜
γ設定と略す)を選択しているか否かを判定する(S5
9)。
【0153】S59で、自動のγ設定をしていない、す
なわち、手動のγ設定を選択していれば、以前に自動の
γ設定を実行したか否かを判定する(S60)。S60
で以前に自動のγ設定を実行していれば、S77(図1
5の)に進む。S60で以前に自動のγ設定を実行し
ていなければ、手動のγ設定が不可であることを報知し
て(S61)、S51に戻る。
【0154】S60で以前に自動のγ設定を実行したか
否かを判定するのは、工場で画像形成装置1のγ特性を
設定し判定する際に、自動のγ設定の前に手動設定でγ
設定を行うことを防止し、自動で先に行うようにする。
これによってγ特性の設定時間が長くなることを防止す
ることができる。
【0155】また、帯電器223a〜223d、転写器
225a〜225d、感光体ドラム222a〜222
d、現像装置224a〜224d、あるいは高圧トラン
スなどといった画像形成ステーションPa〜Pdの構成
手段の個々の特性にはバラツキがあり、これらの構成手
段が交換されると、組み合わせが変わるために画像形成
ステーションPa〜Pdの作像特性も変化する。
【0156】そのため、S60で、画像形成ステーショ
ンPa〜Pdの構成手段の交換以後に、自動γ設定を実
行したか否かの判定をしてもよい。これによって画像形
成ステーションPa〜Pdの構成手段の交換後のγ設定
に際して、自動のγ設定の前に手動でγ設定を行うこと
を防止し、自動で先に行うようにする。これによってγ
特性の設定時間が長くなることを防止することができ
る。
【0157】S59において自動のγ設定が選択されれ
ば、その後、自動的にγ設定が実行される。この自動γ
設定では、まず、画像形成ステーションPa〜Pdの調
整が実行される(S62)。
【0158】この画像形成ステーションPa〜Pdの調
整について説明する。まず、最初に、画像形成ステーシ
ョンPa〜Pdのパラメータを適宜変更する調整を実施
する。図17に示すように、画像形成装置1の前側を
F、後側をRで表した場合に、たとえば、感光体ドラム
222a〜222dにおける後側となる端部に、高濃度
のトナーパッチ(以下、高濃度パッチと略す)141を
形成する。
【0159】そしてパターン画像検出ユニットに設けら
れている光検出センサなどの濃度センサ140(図4参
照)は高濃度パッチ141の濃度を検出し、画像データ
処理部41へ出力させる。画像データ処理部41では、
上記検出値を予め設定されている基準値と比較し、該検
出値が所定範囲内の基準値となるように画像形成ステー
ションPa〜Pdのパラメータを算出する。
【0160】このように、S62では、高濃度パッチ1
41の濃度検出値と、検出した高濃度パッチ141に対
応した画像形成ステーションPa〜Pdのパラメータ
(所定のパラメータ値でパッチを作像している)とによ
り、全濃度域にわたって画像が適切に形成できる画像形
成ステーションPa〜Pdのパラメータ値を求めてい
る。ここで、高濃度パッチ141の検出によって全濃度
域を代表させて画像形成ステーションPa〜Pdのパラ
メータ値を求めているのは、高濃度パッチ141は、環
境などの諸条件が変動しても、中間濃度域や低濃度域の
トナーパッチに比べて、より安定した濃度のトナーパッ
チを形成することができるためである。
【0161】なお、本実施の形態において、高濃度パッ
チ141の濃度検出値に基づいて調整される画像形成ス
テーションPa〜Pdのパラメータとは、現像バイアス
電圧およびスコロトロン帯電器のグリッド電圧である
が、これに限らず、たとえば、特開平8−202092
号公報に開示されている技術のように、帯電電位や書き
込みレーザのパワーなどであってもよい。
【0162】また、本実施の形態では、画像形成ステー
ションPa〜Pdの調整に際して、感光体ドラム222
a〜222d上に形成した高濃度パッチ141の濃度を
検出しているが、これに限定されるものではなく、転写
搬送ベルト216上に転写した高濃度パッチ141の濃
度を検出するようにしてもよい。
【0163】S62で画像形成ステーションPa〜Pd
のパラメータ調整が終了すれば、次に、図18に示すよ
うな、読取用階調パターンチャート(パターンチャー
ト)の画像形成を開始する(S63)。次いで、この読
取用階調パターンチャートをどのようにセットするかを
報知する画面を、各種キーの操作を不能とした状態で表
示する(S64)。
【0164】次に、読取用階調パターンチャートの画像
形成が終了するのを待って(S65)、読取用階調パタ
ーンチャートの画像形成が終了すると、先にカラーLC
D6に表示されている読取用階調パターンチャートのセ
ット報知画面の各種キーの操作を可能とするように表示
する(S66)。
【0165】S66でカラーLCD6に表示される画面
は、図19に示すように、γ特性設定初期画面631か
ら、γ特性設定第二画面641に変更される。このγ特
性設定第二画面641は、読取用階調パターンチャート
をセットするためのセット画面であり、γ特性設定初期
画面631における実行キー624および終了キー62
5がそのまま表示されている。また、外観図表示領域6
05には画像形成装置1の装置外観図が表示されてお
り、その横には、後述する読取用階調パターンチャート
の配置状態を示すパターンチャートセット形態図も表示
されている。
【0166】なお、S64でカラーLCD6に表示され
る画面は、基本的にγ特性設定第二画面641と同様で
あるが、各種キーの操作が不能になっているので、上記
実行キー624や終了キー625などの各キーの枠が点
線様に表示されるか、キーの色を淡く表示するかして、
現状では操作不能であることを表示するようになってい
る。
【0167】次に、γ特性設定第二画面641におい
て、終了キー625が操作されたか否かを判定する(S
67)。終了キー625が操作されておれば、自動のγ
設定を中止して(S68)、S50に戻り、γ特性設定
初期画面631で何れかのキーが操作されるのを待つ。
S67で終了キー625の操作がなければ、実行キー6
24が操作されているか否かを判定する(S69)。実
行キー624の操作がなければS67に戻る一方、実行
キー624の操作があれば、読取用階調パターンチャー
トのセット位置に読取用階調パターンチャート(用紙)
がセットされているか否かを判定する(S70)。
【0168】S70で用紙のセットが検知されなけれ
ば、読取用階調パターンチャートをセットするように報
知し(S71)、S67に戻る。S70で用紙のセット
が検知されれば、読取用階調パターンチャートがセット
されたものとして、この読取用階調パターンチャートに
形成されている読取用の各階調パターンを読み込む(S
72)。
【0169】読み込まれた各階調パターンの読み取り濃
度と、各階調パターンに対応付けられたディザ値とによ
り、各画像形成ステーションPa〜Pdのγ特性の算出
を開始する(S73)。γ特性の算出を開始して現在算
出中であることを画面に表示し(S74)、γ特性の算
出が完了するのを待って(S75)、算出が完了した時
点で、算出した自動設定によるγ特性を画面に表示する
(S76)。このS76ではγ特性の手動設定を行うた
めに、手動設定のための画面を表示するようになってい
る。このようにγ特性の算出が完了すると、図20に示
すような目視用階調パターンチャート(パターンチャー
ト)200を画像形成する(図15におけるS77)。
【0170】なお、図20に示す目視用階調パターンー
チャート200の階調数は、後に詳述する読取用階調パ
ターンチャートの階調数よりも小さくなっている。
【0171】上記のように、本発明にかかる画像形成装
置1では、まず最初の画像情報(第1の画像情報とす
る)に基づいて用紙上に読取用階調パターンチャートを
形成し、その後、この読取用階調パターンチャートを第
2の画像情報として読み取って調整情報(上記の場合は
γ特性)を得て、画像処理部2により、この調整情報に
基づいて画像処理条件を調整するようになっている。
【0172】しかしながら、上記のような自動的な階調
性の判定だけでは、使用者の階調性に対する好みあるい
は要望などは満たされないことになる。そこで、上記の
ような目視用階調パターンーチャート200を用いて階
調性を判定することが好ましい。なお、上記読取用階調
パターンチャートを第1の画像とした場合には、目視用
階調パターンチャート200は第2の画像とする。
【0173】ここで、一般に、画像読取手段により階調
性を判定する場合には、階調数が多い方がより正確な階
調性の判定が可能になるが、使用者が階調性を判定する
場合には、階調数が多過ぎると判定が煩雑化して正確な
階調性の判定ができなくなる。逆に、階調数が少ないと
使用者の判定には好適であるものの、画像読取手段にお
いては正確な判定ができなくなる。
【0174】そこで、上記のように、目視用階調パター
ンーチャート200の階調数は、上記読取用階調パター
ンチャートの階調数よりも小さくする、すなわち読取用
階調パターンチャートの階調数を目視用階調パターンチ
ャート200の階調数よりも大きくすることで、より正
確な階調性の判定を実現することが可能になる。
【0175】ここで、γ特性設定第二画面641におい
ては、読取用階調パターンチャートの画像形成が終了す
る前に、該読取用階調パターンチャートに関するメッセ
ージや該読取用階調パターンチャートをセットするため
の位置を表示するようになっている。つまり、画像形成
が完了する前に、得られる読取用階調パターンチャート
をどのようにセットするのかを使用者が把握できるよう
にしてある。
【0176】図19に示すように、外観図表示領域60
5に表示されている装置外観図には、どこに読取用階調
パターンチャートをセットするか、セットすべき読取用
階調パターンチャートの表裏方向や上下方向はどのよう
にすべきであるかなどの読取用階調パターンチャートに
関わる情報が示される。
【0177】具体的には、RADF112(図2参照)
の原稿セットトレイには、▼印が表示されており、これ
によって読取用階調パターンチャートのセット位置(セ
ット情報)が示される。このときセットされる読取用階
調パターンチャートは、階調パターンが形成されている
面側が上になり、シアンの階調パターンが装置の後側で
あり、かつブラックの階調パターンが装置の前側になる
ようにセットされる。RADF112では、読取用階調
パターンチャートの表裏を反転してコンタクトガラスに
搬送することになるので、セットに際しては、階調パタ
ーンが形成された面が上向きになるように示されてい
る。
【0178】ところで、RADF112による読取用階
調パターンチャートの搬送では、搬送の最中に該読取用
階調パターンチャートが汚れたり、ジャムしたりするお
それがある。そこで、図21に示すように、RADF1
12を使用せずに、コンタクトガラスに直接、読取用階
調パターンチャートをセットするように報知してもよ
い。この場合、装置外観図には、両面自動原稿送り装置
112が開放された状態が図示され、コンタクトガラス
の部位に▼印が表示される。
【0179】このとき読取用階調パターンチャートのセ
ット方向に関しては、コンタクトガラス上に原稿セット
基準板のA3サイズに合わせてセットし、階調パターン
の形成面側を下向きにし(すなわち裏面を上にセットす
る)、シアンの階調パターンが装置後側でブラックの階
調パターンが装置前側になるようにセットされる。この
セット形態は、パターンチャートセット形態図に表示さ
れる。
【0180】ここで、上述した過程において、カラーL
CD6に表示される表示画面について説明する。S74
におけるγ特性の算出中には、カラーLCD6は、図2
2に示すように、γ特性設定第二画面641からγ特性
設定第三画面651が表示される。この画面では、γ特
性算出中である旨がメッセージ領域602に表示され、
各種キーは操作不能の状態になっている(前述したよう
に、操作不能の状態では、各種キーは点線表示となって
いる)。
【0181】また、S75におけるγ特性の算出完了後
には、カラーLCD6は、図23に示すように、γ特性
設定第三画面651からγ特性設定第四画面661が表
示される。この画面では、各色毎にγ特性が表示できる
ようにCMYK濃度キー662が設けられており、図2
3では、シアン濃度キー662a、マゼンタ濃度キー6
62b、イエロー濃度キー662c、およびブラック濃
度キー662dの計4つのキーが含まれている。
【0182】このCMYK濃度キー662を操作するこ
とによって、操作したキーに対応した色のγ特性が、縦
軸が画像形成濃度で横軸が調整点となっているγ特性グ
ラフで表示される。なお、図23では、シアン濃度キー
662aが操作されているので、シアンのγ特性がグラ
フで表示されている。
【0183】さらに図23に示すγ特性設定第四画面6
61では、算出した各色別のγ特性をグラフ表示すると
同時に、使用者の好みに応じて、シアン・マゼンタ・イ
エローおよびブラックの各色相を調節できるようになっ
ている。具体的には、上述したS77で得られた目視用
階調パターンチャート200を使用者が目視しながら、
上記各色の色相を調節できるようになっており、そのた
めにγ特性設定第四画面661には、濃度アップキー6
63a、濃度ダウンキー663b、調整点アップキー6
64aおよび調整点ダウンキー664bが設けられてい
る。
【0184】濃度アップキー663aおよび濃度ダウン
キー663bは、図23では、CMYK濃度キー662
の下方に設けられており、CMYK濃度キー662で選
択された色の濃度を調整するために用いられる。調整点
アップキー664aおよび調整点ダウンキー664b
は、γ特性グラフにおける横軸の調整点を移動させるた
めに用いられるもので、図23ではγ特性グラフの下方
に設けられている。
【0185】また、上記γ特性グラフの調整点と目視用
階調パターンチャート200の階調パターンとは互いに
対応している。そのため、調整点アップキー664aお
よび調整点ダウンキー664bによって調整点を移動さ
せることによって、目視用階調パターンチャート200
を使用者が目視しながら、該目視用階調パターンチャー
ト200における所望の階調パターンの濃度を使用者の
好みに応じて変えることができるようになっている。
【0186】上記γ特性の手動設定について、図15の
フローチャートに基づいて説明する。図15に示すよう
に、S77で目視用階調パターンチャート200を形成
した後に、S78、S79、S80、S81、S82、
S83、S84でそれぞれ、終了キー625、実行キー
624、CMYK濃度キー662、濃度アップキー66
3a、濃度ダウンキー663b、調整点アップキー66
4aおよび調整点ダウンキー664bの操作の有無を判
定する。
【0187】S78で終了キー625の操作があれば、
γ特性の手動設定がなされたか否かを判定し(S8
5)、手動設定がなければ、γ特性の設定処理を終了す
る。これによって、図9および図10のフローチャート
におけるS23が終了することになり、それゆえ、S1
8に戻ることになる。
【0188】S85で手動設定がなされておれば、次に
γ特性の目標濃度(γ特性グラフにおける所定の調整点
の画像形成濃度)をこの手動設定値と置き換えるか否か
を選択する旨を画面に表示し(S86)、実行キー62
4の操作があるか否かを判定する(S87)。実行キー
624の操作があれば、目標濃度をこの手動設定値で置
き換えて(S89)、γ特性の設定処理を終了する。一
方、S87で実行キー624の操作がなければ、次に、
終了キー625の操作があるか否かを判定する(S8
8)。終了キー625の操作があれば、γ特性の設定処
理を終了する。S88で終了キー625の操作がなけれ
ば、S87の直前に戻って、実行キー624または終了
キー625の操作を待つ。
【0189】S79で、実行キー624の操作があれ
ば、画面で調整されたγ特性に基づいて再度、目視用階
調パターンチャート200を画像形成し(S90)、S
78に戻る。S80で、CMYK濃度キー662の操作
があれば、操作されたCMYK濃度キー662をアクテ
ィブ表示し(S91)、その後、操作されたCMYK濃
度キー662に対応した色のγ特性をグラフに表示して
(S92)、S78に戻る。
【0190】S81で濃度アップキー663aが操作さ
れれば、γ特性グラフにおいてアクティブ表示されてい
る調整点の濃度を1目盛り上げて(S93)、アップダ
ウンキー操作可能/不能表示切り換え処理(後述)を実
行した(S94)後に、S78の直前に戻る。
【0191】S82で濃度ダウンキー663bの操作が
あれば、アクティブ表示されている調整点の濃度を1目
盛り下げて(S95)、アップダウンキー操作可能/不
能表示切り換え処理を実行した(S94)後に、S78
に戻る。
【0192】S83で調整点アップキー664aの操作
があれば、アクティブな調整点を現在の調整点より1つ
上に移動し(S96)、アップダウンキー操作可能/不
能表示切り換え処理を実行した(S94)後に、S78
の直前に戻る。
【0193】S84で調整点ダウンキー664bの操作
があれば、次いで調整点ダウンキー664bは操作不能
表示か否かを判定し(S97)、アクティブな調整点を
現在の調整点より1つ下に移動し(S98)、アップダ
ウンキー操作可能/不能表示切り換え処理を実行した
(S94)後に、S78に戻る。
【0194】なお、S97で調整点ダウンキー664b
が操作不能表示であるか否かを判定しているのは、S7
6で表示される画面(図23に示すような画面)では、
アクティブな調整点が調整点1であるので、この状態で
調整点ダウンキー664bの操作を行っても、これより
下の調整点がなく、移動させることができないようにす
るためである。
【0195】ここで、上記アップダウンキー操作可能/
不能表示切り換え処理について、図24のフローチャー
トに基づいて説明する。
【0196】このアップダウンキー操作可能/不能表示
切り換え処理は、濃度アップキー663a、濃度ダウン
キー663b、調整点アップキー664aおよび調整点
ダウンキー664bの操作により、画像形成濃度または
調整点が上限値となったときに濃度または調整点をアッ
プさせるキー(以下、アップキーとする)を操作不能に
表示し、画像形成濃度または調整点が下限値となったと
きに濃度または調整点をダウンさせるキー(以下、ダウ
ンキーとする)を操作不能に表示するための処理であ
る。
【0197】また、アップダウンキー操作感応/不能表
示切り換え処理では、アップキーまたはダウンキーの一
方が操作不能表示のときに、操作可能な他方のキーを操
作した場合に、操作不能キーの操作不能表示状態を解除
して操作可能状態にするようにもなっている。
【0198】アップダウンキー操作可能/不能表示切り
換え処理が開始されると、アップキーまたはダウンキー
の操作後にアップキーで操作する対象が上限値となって
いるか否かを判定する(S100)。上限値となってい
れば、アップキーを操作不能にして(S101)、アッ
プダウンキー操作可能/不能切り換え処理を終了する。
S100で上限値となっていなければ、次に、アップキ
ーまたはダウンキーの操作後にアップキーで操作する対
象が上限値となっているか否かを判定し(S102)、
下限値となっていれば、ダウンキーを操作不能にし(S
103)、アップダウンキー操作可能/不能表示切り換
え処理を終了する。S102で、キー操作直後のダウン
キーの操作対象の値が下限値でなければ、次に、アップ
キーまたはダウンキーにおいて、操作直前のこれらキー
の操作対象の値が上限値か否かを判定する(S10
4)。上限値であれば、操作キーがダウンキーか否かを
判定し(S105)、ダウンキーであれば、アップキー
の操作不能表示を解除して操作可能に表示する(S10
6)。これによってアップダウンキー操作可能/不能表
示切り換え処理を終了する。S105で操作キーがダウ
ンキーでなければ、アップダウンキー操作可能/不能表
示切り換え処理を終了する。
【0199】S104で、アップキーまたはダウンキー
の操作直前のこれらキーの操作対象の値が上限値でなけ
れば、次に、アップキーまたはダウンキーにおいて、操
作直前のこれらキーの操作対象の値が下限値か否かを判
定する(S107)。下限値であれば、操作キーはアッ
プキーであるか否かを判定する(S108)。操作キー
がアップキーであれば、ダウンキーの操作不能表示を解
除して操作可能に表示し(S109)、アップダウンキ
ー操作能/不能表示切り換え処理を終了し、操作キーが
アップキーでなければ、そのまま、アップダウンキー操
作可能/不能表示切り換え処理を終了する。
【0200】次に、γ特性の上記手動設定についてより
具体的に説明する。たとえば、最初、図23に示すよう
にシアンのγ特性グラフが表示されており、その後、目
視用階調パターンチャート200の目視確認により、マ
ゼンタの調整点10の濃度を上げたいとする。このと
き、図23に示すγ特性設定第四画面画面661におけ
るCMYK濃度キー622のうちマゼンタ濃度キー66
2bを操作して、図25に示すように、マゼンタのγ特
性グラフを表示させる。
【0201】次に、マゼンタの調整点10の濃度を向上
させたいので、図25に示す画面(γ特性設定第四画面
画面661)において、調整点アップキー664aを操
作しててアクティブな調整点を調整点10の位置に移動
させる(図26参照)。次に、図26に示すように、濃
度アップキー663aを操作して、調整点10の画像形
成濃度を上げる(図27参照)。その結果、図27に示
すように、マゼンタの調整点10における濃度が使用者
の目視確認によって適当な濃度に再調整されることにな
る。このようにして、各色および各調整点の濃度を調整
点別に手動で調整することができる。
【0202】つまり、上記γ特性設定第四画面661に
表示される濃度アップキー663a、濃度ダウンキー6
63b、調整点アップキー664aおよび調整点ダウン
キー664b、並びに、このγ特性設定第四画面661
で設定された内容を実行する実行キー624は、画像情
報を手動で入力する手動入力手段であり、これら手動入
力手段と上記画像読取部110(画像読取手段)とによ
って、本発明にかかる画像形成装置1における画像情報
入力手段が構成される。
【0203】なお、上記手動調整により調整できる範囲
は予め規定されていることが好ましい。つまり、ある調
整点には、調整上限値および調整下限値が設けられてお
り、それ以上には濃度を変更できないようになっている
ことが好ましい。この場合、調整点の上限値は、その上
の調整点の現濃度よりも所定量小さい値となっている。
一方、調整点の下限値は、その下の調整点の現濃度より
も所定量大きい値となっている。上限値および下限値を
このように設定しているのは、調整点間で所定以下の濃
度差となり、多階調が適切に表現できなくなることを防
止するとともに、下の調整点の濃度が上の調整点の濃度
を超えることがないようにするためである。
【0204】たとえば、図28に示すように、調整点1
0における調整下限値および調整上限値について見てみ
ると、調整点上限値は、高濃度側隣接調整点(調整点1
1)の濃度よりも所定量小さい値に設定されており、調
整点下限値は、低濃度隣接調整点(調整点9)の濃度よ
りも所定量大きい値に設定されている。それゆえ、隣接
する調整点である調整点11または調整点9の濃度と調
整点10の濃度との逆転は生じず、その結果、画像形成
の階調性が確保できる。
【0205】このように、本発明にかかる画像形成装置
1では、γ特性を単に自動で設定するだけでなく、使用
者が目視用階調パターンチャート200を用いることに
よって、特定の濃度域で特定の色相を強くしたり、弱く
したりすることが可能になる。その結果、より使用者の
要求に応じた色補正を実施することができる。
【0206】なお、本実施の形態では図示しなかった
が、γ特性の全領域にわたって特定の色相を強めたけれ
ば、γ特性グラフにおける濃度値を全調整点にわたって
上下にシフトさせるキーを設けて、色相調整を行っても
よい。また、数個の連続した調整点をまとめて調整する
ようにして、調整の手間を省くようにしてもよい。
【0207】また、本実施の形態では、S89において
実行キー624の操作があれば、目標濃度を手動設定値
で置き換えるようにしているが、手動設定した濃度値
を、目標濃度値として元来記憶している目標濃度とは別
に記憶し、状況に応じて何れか一方を用いてγ特性を設
定してもよい。
【0208】上記元来記憶している目標濃度は、使用者
の好みが考慮されていない標準的なものであるが、手動
設定した濃度値を目標濃度値として置き換えたものは、
手動調整により使用者の好みが反映された値となってい
る。そのため、これら各目標濃度値の使い分けは次のよ
うになる。
【0209】まず、画像形成装置1の工場出荷時には、
使用者が限定されないので使用者の好みを考慮する必要
はなく、標準的な目標濃度値で調整する。その後、画像
形成装置が使用者に手元に届き、設置される際には、使
用者の好みが考慮され反映される必要があるので、手動
設定した濃度値を目標濃度値として置き換えて使用す
る。この場合、読取用階調パターンチャートを使用して
γ特性を設定する際に、すでに使用者の好みを反映した
目標濃度値を使用することになる。そのため、目視用階
調パターンチャート200を見て使用者の好みに応じて
γ特性の手動調整を実施する手間を省くことができる。
【0210】また、使用者側で、他の部門に画像形成装
置1を移動させた場合には、当初設定された目標濃度値
は、前の部門の使用者の好みを反映したものであり、新
たな部門の好みとは異なることになる。そこで、画像形
成装置1の設置場所を移動させたような場合には、元の
標準的な目標濃度を使用するように選択できるようにし
ておけばよい。
【0211】次に、読取用階調パターンチャートについ
て説明する。図18に示すように、上記読取用階調パタ
ーンチャート100には、CMYK4色に対応させて、
それぞれ1列に16個ずつ2列の異なる濃度で、32個
の階調パターン101…がたとえばA3サイズの用紙上
に形成される。
【0212】この読取用階調パターンチャート100に
おける濃度が低い側(淡い側)の端部には、用紙の下地
濃度を測定するための下地濃度測定部102が設けられ
ている。また後述するが、二列並んでいる各色の階調パ
ターン101…の濃度は、左側の列が薄く、右側の列が
濃くなっている。また、読取用階調パターンチャート1
00をセットする際に、カラーLCD6に表示されるセ
ット方向との対応付けがより簡素となるように、各色お
よび濃淡の方向(濃度の変化方向)は階調パターン10
1…とともに形成される。
【0213】また、上記読取用階調パターンチャート1
00は、前述した第1の画像情報であるパターン情報に
基づいて画像形成される。このパターン情報は、パター
ン情報生成手段によって適宜生成されてもよいし、ディ
ザ値および画像形成位置情報などと対応付けられて、画
像メモリ43におけるハードディスク43a〜43d
(図3参照)に格納されていてもよい。
【0214】上記読取用階調パターンチャート100の
画像形成に際しては、まず、ハードディスク43a〜4
3dから読み出した階調パターン101…のパターン情
報を、画像データバスを介して、LCU42aに転送す
る。そして、このLCU42aの制御により、各色のL
SU42b、42c、42d、および42eにより感光
体ドラム222a〜222d(図2参照)上に静電潜像
を形成し、前述した作像固定により、1枚の用紙上に、
パターン情報に対応した位置に、該パターン情報に対応
したディザ値で個々の階調パターン101…を形成す
る。
【0215】ところで、静電式の画像形成ステーション
Pa〜Pdの画像形成に関する特性の中には、静電潜像
の電位が急激に変化する部位が本来の濃度よりも高濃度
になるという現象がある。具体的には、線画または面画
の静電潜像の境界部位では、強い静電的な電場が作用す
る。一方、面画における中央など境界部位以外の部位の
ような広い面積の静電潜像においては電場が弱くなり、
現像プロセスで現像されにくくなる。そのため、特に面
画において境界部位が中央よりも高濃度になってしまう
ことがある。これを一般的にエッジ効果と呼称する。
【0216】換言すれば、このエッジ効果とは、面画の
画像の端部(境界部位)では、電位差が大きくなるため
電界が強調されて高くなり易く、逆に面画の中央では、
電位差が大きくないため電界が低くなり易いことにより
発生する現象である。したがって、面画である階調パタ
ーン101…を形成する場合、このエッジ効果により、
階調パターン101の縁部は濃度が本来の濃度よりも高
くなるけれども、画像形成の主走査方向に比べて、副走
査方向の方が、濃度が高くなる領域が広くなってしま
う。
【0217】なお、画像形成の副走査方向とは、画像形
成部210における感光体ドラム222a〜222dの
回転方向に沿った方向であり、主走査方向とは、感光体
ドラム222a〜222dの回転方向に沿った方向であ
る。
【0218】上記エッジ効果は、上述したように、濃度
差が急激に大きくなる部分、すなわち感光体ドラム22
2a〜222d上の静電潜像の電位差がある位置を境界
として大きく異なっている部分には、その境界に電界が
集中し、現像の際にトナーを必要以上に集めてしまうた
めに生じる。
【0219】また、階調パターン101の副走査方向に
関していえば、先に現像される縁部の方が後で現像され
る縁部よりも、その濃度が高くなる領域が広くなる傾向
にある。たとえば、図29に示すように、現像が先に行
われる方向(すなわち副走査方向)を矢印P方向とし
て、下地濃度測定部102、および濃度1の階調パター
ン101a、濃度2の階調パターン101b、ないし濃
度Nの階調パターン101nがこの順で現像されていく
とする。なお、副走査方向に直交する方向である主走査
方向については、図29では矢印Q方向とする。
【0220】なお、濃度1から濃度Nに向かうに伴って
階調パターン101…の濃度が増大するようになってい
る。また、図30に示すように、上記P方向は、感光体
ドラム222a〜222dの回転方向であり、この表面
に形成されている静電潜像が対向配置されている現像ロ
ーラ2241a〜2241dによって現像される。した
がって、感光体ドラム222a〜222dの回転に伴っ
て、主走査方向に沿った一定幅の領域(現像幅)が副走
査方向に徐々に現像されていくことになる。
【0221】このとき、図29の下方のグラフからもわ
かる通り、濃度1の階調パターン101aにおける下地
濃度測定部102に隣接する側の縁部の方が、濃度2の
階調パターン101bに隣接する側の縁部よりも高濃度
領域が広くなっている。濃度2の階調パターン101b
および濃度Nの階調パターン101nについても同様で
ある。
【0222】つまり、下地濃度測定部102に続いて、
濃度の低い(淡い)階調パターン101から濃度の高い
(濃い)階調パターン101がこの順で形成される場
合、階調パターン101の副走査方向の先に現像される
縁部側(すなわち境界部位)が副走査方向の後に現像さ
れる縁部側よりも濃度の高くなる領域が広くなってしま
う。また、階調パターン101の副走査方向の後に現像
される縁部側の方が、主走査方向の縁部よりも濃度の高
くなる領域が広くなってしまう。このように、階調パタ
ーン101の濃度の高くなる領域の濃度と、階調パター
ン101の本来の濃度との濃度差は、階調パターン10
1の縁部での濃度差が大きいほど大きくなる。
【0223】さらに、図31に示すように、たとえば濃
度1の階調パターン101aと濃度2の階調パターン1
01bとの間に、白または黒からなる境界部103を設
けて各階調パターン101…を区分した場合であって
も、境界部103または境界部103と隣接する階調パ
ターン101との濃度差により、該階調パターン101
の濃度差が高くなってしまう部位が生じる。
【0224】上記のように、一つの階調パターン101
に本来の濃度よりも高い濃度の箇所があると、階調パタ
ーン101の濃度を読み取って、現像バイアスやグリッ
ドなどの画像形成ステーションPa〜Pdのパラメータ
を調整したり、またはγ特性などを設定する際に不都合
が生じる。
【0225】たとえばCCD116などの画像読取手段
(画像情報入力手段)が読取用階調パターンチャート1
00を読み取る場合には、一つの階調パターン101に
対して複数箇所を読み取り、その読取値を平均して最終
的な読取値を出力している。これは、CCD116にお
ける個々の受光素子部およびCCD116全体の読取精
度(入力精度)、並びに画像形成ステーションPa〜P
dにおける画像形成の濃度精度などのバラツキなどに対
応するためである。
【0226】さらに、読取用階調パターンチャート10
0では、濃度の異なる階調パターン101…の数が多い
ほど、画像形成ステーションPa〜Pdにおけるパラメ
ータ調整やγ特性などの決定はより有利になる。
【0227】ここで、一つの階調パターン101に本来
の濃度よりも高い濃度の箇所があると、上記最終的な読
取値にバラツキが生じてしまう。そこで、階調パターン
101を大きく形成すれば、本来の濃度よりも高い濃度
の箇所の領域は相対的に小さくなるため、理論上は上記
のような不都合が生じない。しかしながら実際には、一
つの階調パターン101内における本来の濃度の箇所の
領域を大とするように、一つの階調パターンのサイズを
大きくすると、一枚の用紙上に十分な数の階調パターン
101…を形成できなくなり、画像形成ステーションP
a〜Pdの形成濃度の変動(つまり画像形成精度)、お
よび用紙特性のバラツキなどにより階調パターン101
…の濃度に変動が生じて、階調パターン101…の濃度
の読み取りが不正確になってしまう。
【0228】さらに画像形成ステーションPa〜Pdの
画像形成に関する特性として、トナー濃度の補給追従性
がある。つまり、一般的に、現像装置224a〜224
dのトナー濃度は代表した特定の箇所の濃度に基づいて
決定されており、さらにこの濃度に基づいて新たにトナ
ーを補給するか否かが決定されている。そのため、主走
査方向に並んでいる階調パターン101の列毎で、階調
パターン101の副走査方向に高濃度の箇所が連続して
存在しているとすれば、高濃度の箇所が連続した主走査
方向の階調パターン101の列では、トナー濃度が本来
値より低下しているにも関わらず、他の高濃度の箇所が
連続しない主走査方向の階調パターン101の列では、
トナー濃度は適切になっているという状態が生じてしま
う。
【0229】逆に、連続した高濃度の箇所のために、ト
ナーの補給が行われて、本来よりも高いトナー濃度値を
示す箇所が生じ、その部分では、現像される階調パター
ン101の濃度は本来の濃度よりも高くなる場合があ
る。さらに、CMYKの各画像形成ステーションPa〜
Pdに関しては、読取用階調パターンチャート100の
形成濃度が、本来の濃度となっている色の部分と本来の
濃度となっていない色の部分とに分かれることになり、
各色間のバランスを適切に設定できなくなる。
【0230】そこで本発明にかかる画像形成装置1で
は、画像形成の副走査方向に隣接する各階調パターン1
01・101の静電潜像における境界部位での電位差に
よる電界の強調を回避するように、各階調パターン10
1の画像情報が、予め画像形成部210の画像形成特性
を考慮して決められており、これがハードディスク43
a〜43dなどに記憶されている。
【0231】具体的には、本発明における読取用階調パ
ターンチャート100は、図18および図1に示すよう
に、CMYKの各色別に、副走査方向の一列につき16
個の階調パターン101を主走査方向に二列ずつ形成し
ており、さらに、副走査方向に沿って、階調パターン1
01が低濃度から高濃度側へとなるように配列するとと
もに、互いに最も濃度が近い階調パターン101・10
1同士が主走査方向に複数隣接して配置するようになっ
ている。
【0232】なお、図1では、各階調パターン101中
に記入されている数字は、階調パターン101の濃度値
の順を示しており、この場合、数字が小さければ濃度が
低い(淡い)ことを示している。
【0233】上記読取用階調パターンチャート100に
おける階調パターン101…の濃度は、副走査方向側に
低濃度から高濃度となっているとともに、主走査方向
に、近い濃度の階調パターン101が隣接しているが、
具体的な濃度の順序は、主走査方向に濃度が隣り合った
階調パターン101・101が配置されるようになって
おり、副走査方向に隣接した階調パターン101に次の
濃度の各階調パターン101が配置されるようになって
いる。
【0234】つまり、濃度の淡い方からみると、たとえ
ばシアンにおいては、下地濃度測定部102に次いで濃
度1および2の階調パターンが主走査方向に隣接して配
置され、濃度が高くなる副走査方向側に、濃度3および
4の各階調パターンが配置されるようになっている。換
言すれば、上記読取用階調パターンチャート100にお
いては、階調パターン101…の濃度の順序は千鳥状に
なっている。
【0235】上記読取用階調パターンチャート100に
おける階調パターン101の配置が上記のようになって
いれば、該読取用階調パターンチャート100の画像形
成時に、副走査方向に濃度差の大きな階調パターン10
1が並ぶことがない。そのため、エッジ効果による影響
(本来の濃度となる面積が狭くなること)をより小さく
することができる。加えて、副走査方向に、濃度のより
近い高濃度の階調パターン101が連続していないの
で、トナーの補給追従性に対して好適に対応することが
できる。
【0236】また、上記読取用階調パターンチャート1
00は、画像形成の副走査方向に隣接している階調パタ
ーン101が直接接触するように配置されている。これ
によって、副走査方向に並んだ階調パターン101・1
01間には、白や黒からなる境界部103が設けられな
い。そのため、これら境界部103によるエッジ効果の
影響も回避することができる。
【0237】ここで、図1に示すような読取用階調パタ
ーンチャート100では、下地濃度測定部102と濃度
1の階調パターン101または濃度2の階調パターン1
01との濃度差はさほど大きくはない。しかしながら、
このような濃度1および2とは非常に淡い濃度域である
ため、高濃度の階調パターン101に比べてエッジ効果
によって本来の濃度との差が大きくなるおそれがある。
同様に、濃度31の階調パターン101および濃度32
の階調パターン101と下地との濃度差は非常に大きい
ので、エッジ効果が顕著に現れるおそれがある。
【0238】それゆえ、副走査方向の端部となる階調パ
ターン101に隣接させて、該端部となる階調パターン
101に近い濃度を有するダミーパターンを形成するこ
とが好ましい。これによって、たとえば、図32に示す
ように、読取用階調パターンチャート100における濃
度1および2の階調パターン101・101、並びに濃
度31および32の階調パターン101・101と下地
(下地濃度測定部102)との間にダミーの階調パター
ン(以下、ダミーパターンと称する)131が配置され
る。
【0239】このダミーパターン131は、濃度1およ
び2、または濃度31および32の階調パターン101
に濃度の近いものか同一の濃度のものであればよいが、
高濃度の階調パターン101の隣にダミーパターン13
1を配置する際には、トナーの補給追従性を考慮して、
該ダミーパターン131の濃度を少し低めにすることが
好ましい。この高濃度の階調パターン101のダミーパ
ターン131で、トナーの補給追従性を考慮するのは、
読取用階調パターンチャート100を複数種形成した
り、高濃度側が先に現像される側である場合には必要で
ある。
【0240】たとえば図32では、濃度の淡い側である
濃度1および2の階調パターン101に隣接するダミー
パターン131は濃度が同一のもの(濃度1および2)
であるが、濃度の濃い側である濃度31および32の階
調パターン101に隣接するダミーパターン131は、
濃度が若干低めである濃度29および30となってい
る。
【0241】また、階調パターン101の副走査方向へ
の配置については、図1や図32に示すように、濃度の
順を1番毎に飛ばして並べる配置に限定されるものでは
なく、エッジ効果やトナーの追従性の影響がない範囲内
の濃度差であれば、図33に示すように、ランダムに配
置してもよいし、図34に示すように、階調パターン1
01の副走査方向の列が二列ではなく三列とした上でラ
ンダムに配置してもよい。
【0242】つまり、上記読取用階調パターンチャート
100は、上記画像形成の副走査方向に沿って、階調パ
ターン101が低濃度から高濃度側へ配列するととも
に、互いに最も濃度が近い階調パターン101・101
同士が主走査方向に複数隣接して配置するようにすれば
よい。
【0243】エッジ効果やトナーの補給追従性は、画像
形成ステーションPa〜Pdの現像装置224a〜22
4dの現像方式、現像バイアス値、感光体ドラム222
a〜222dの帯電電位、トナーを静電潜像に供給する
現像ローラ2241a〜2241dの径および現像ロー
ラ2241a〜2241dの回転速度、あるいは二成分
方式の現像であれば、デベ中へのトナー補給方法、デベ
中のトナー濃度を均一化するための撹拌性能、デベ中の
トナー濃度を検出するトナー濃度センサーの位置、トナ
ー濃度センサーからトナー補給信号が出力されるまでの
間のデベ中のトナー濃度の変化値などにより、様々に変
化する。
【0244】そのため、個々の画像形成ステーションP
a〜Pdや現像装置224a〜224dの実際の特性を
基に、副走査方向の階調パターン101・101間の濃
度差によって、エッジ効果の影響やトナーの補給追従性
の影響が抑制できるように、事前に階調パターン101
のパターン情報(ディザ値および位置情報を含む)とを
決定しておけばよい。
【0245】上記読取用階調パターンチャート100に
おける各階調パターン101および下地(下地濃度測定
部102は、CCD116の各素子で読み取られて、そ
の読取値が画像メモリ43におけるハードディスク43
a〜43dなどの記憶手段に格納されるようになってい
る。一つの階調パターン101は、副走査方向にn個、
主走査方向にm個読み取られているとすると、図35に
模式的に示すように、読み取られた部位をAとすれば、
A11、A1n、Am1、Amnの4点で囲まれた領域内が全読
み取り領域となる。
【0246】このうち、Acd、Aek、Abl、Aijで囲ま
れた領域が本来の濃度の領域(本来濃度領域101αと
する)となり、その周囲に、エッジ効果により高濃度と
なっている領域に対応した領域(図中斜線部、高濃度領
域101βとする)が存在する。つまり、一つの階調パ
ターン101には、エッジ効果により高濃度となってい
る領域が含まれる。
【0247】そのためより正確な読取値を得るために、
一つの階調パターン101全体の読取値から読取値が大
きく異なる高濃度領域101βを算出して、この高濃度
領域101β以外の本来濃度領域101αの読取値か
ら、読取値を所定数サンプリングしてその平均値をと
り、対応する階調パターン101の読取値を決定するこ
とが好ましい。このサンプリングの所定数は特に限定さ
れるものではないが、本実施の形態では、たとえば16
(主走査方向)×16(副走査方向)の256点となっ
ている。
【0248】ところで、階調パターン101は、前述し
たように既知のディザ値によって形成されるが、この階
調パターン101のディザ値のディザマトリクスサイズ
に対して、上記読取値をどのようにサンプリングするか
によって、読取値が不要にばらつくことを防止すること
ができる。
【0249】たとえば、画像形成装置1における画像形
成部210の画像形成密度が600dpiであり、画像
読取部110の解像度が600dpiに対応しており、
図36(a)に示すように、1つの画素201は1ドッ
トD(図中では、D1 ・D2・D3 ・D4 )が縦横に2
個ずつ並んだ2×2のディザマトリクスで構成されるも
のとする。このとき、画像形成部210における書き込
みレーザ(LSU42b、42c、42d、および42
e)の1ドットの大きさとCCD116の一つの素子で
読み取れる大きさとが同一であるので、1つの画素20
1を2×2のディザマトリクスとした場合には、CCD
116の一つの素子の読み取り領域は画素201の1/
4に相当する。
【0250】したがって、図36(b)に示すように、
CCD116の素子の読取値をそのまま階調パターン1
01の読取値とすると、CCD116と画素201との
相対位置によっては、読取値が大きく異なってしまう。
そこで、本実施の形態では、これを防止するために、画
像メモリ43などの記憶手段に格納されたCCD116
の各素子での読取値に基づいて、隣接する4個のCCD
116の素子の読取値を階調パターン101の読取値と
するように計算する。
【0251】つまり、図36(b)に示すように、CC
D116で読み取られた階調パターンの各領域の読取値
のうち、副走査方向および主走査方向それぞれ2個ずつ
隣接する領域の読取値を足し合わせて1/4とし、これ
をCCD116の素子の読取値とする。具体的には、D
1 +D2 =D12、D1 +D3 =D13、D2 +D4
24、D3 +D4 =D34のそれぞれが1/4である。
【0252】この場合、階調パターン101のディザマ
トリクスと同サイズの画像フィルタを介して階調パター
ン101を読み取っていくことになるので、このような
読み取り動作を、一般に、「CCD116の読取値に画
像フィルタを介して読み取る」という。これによって、
CCD116の素子の読取値が素子と画素201との相
対関係で大きく異なることがないので、適切な読取値を
得ることができる。
【0253】また、一般の原稿を読み取る際には、基準
白板をCCD116で読み取った値を基にCCD116
の読取値に対して白レベルを決定することによって出力
値を決定するというシェーディング補正を実施してい
る。ここで、読取用階調パターンチャート100を読み
取る際に、基準白板の読取値を基にすると、階調パター
ン101が形成された下地が上記基準白板より白度の高
いものであった場合には、白レベルを適切に決定できな
いという問題が生じる。
【0254】そこで、本実施の形態では、CCD116
で読み取った読取値のうち、下地の読取値の出力値をゼ
ロ値に対応するように処理する。これによって白レベル
を適切に決定することが可能になる。この下地の読取値
をゼロ値に対応させる処理としては、具体的には、次の
ような手法が挙げられる。
【0255】まず、基準白板の白度が読取用階調パター
ンチャート100の下地に比べて十分に高くなるように
設定されてある場合には、CCD116で読み取った値
を差し引いて階調パターン101の読取値とすればよ
い。これに対して、基準白板の白度が読取用階調パター
ンチャート100の下地の白度よりも低い場合には、た
とえば、図37のグラフb1 に示すように、「階調パタ
ーン1」の読取値(図中CCD出力値)がゼロ値よりも
低くなるので、CCD116の読取値に使用できない階
調パターン101の読取値が含まれることになる。
【0256】そこで、CCD116による階調パターン
101の読み取りの際に、原稿(階調パターンチャート
100)に対して照射されるランプ光量を下げたり、C
CD116の読取ゲインを小さくするなどして、CCD
116の読取値が実際よりも小さくなるように読み取る
読取値低下動作を実施する。また、このとき、基準白板
のCCD116による読取値は、該CCD116の読取
値を、上記のような読取値低下動作の実施前の読取値
(すなわち元の読取値)を用いる。
【0257】このように、基準白板の白度が下地の白度
よりも低い場合には、CCD116で読み取った読取用
階調パターンチャート100の下地濃度が、該CCD1
16の読取値(CCD出力値)のゼロ値よりも大きくな
るように、すなわちCCD116で下地を読み取った際
に下地濃度がCCD116の出力値として得られるよう
に、上記のような読取値低下動作を実施する。
【0258】その結果得られるCCD116の読取値、
すなわちCCD116の出力値は図37のグラフb3
示すように、下地濃度がゼロ値よりも大きくなってい
る。その後、画像処理部2によって、図37に示すよう
に、読取値の全体を下地の読取値分(図中矢印B)だけ
シフトすればよい。これによって基準白板の白度が読取
用階調パターンチャート100の下地濃度の白度よりも
低い場合でも、CCD116によって下地濃度を読み取
ることが可能になる。その結果、下地に対する階調パタ
ーン101の入力濃度をより適切なものにして、より安
定して階調パターン101を読み取ることができる。
【0259】図37では、縦軸がCCD116からの出
力を示し、横軸が階調パターン101の濃度順位を示
す。また、グラフb1 は、基準白板よりも下地の白度が
高い場合にCCD116の読取値が小さくなるようにせ
ずに下地を読み取った値を示す。また、グラフb2 は、
上記グラフb3 をシフトして下地の読取値をゼロ値に設
定したグラフを示す。
【0260】上述した例では、白レベルを適切に決定す
る処理として、CCD116の出力レベルに白レベルの
基準を設定した読取値を得る処理方法を示したが、これ
に限定されるものではなく、たとえば、個々のCCD1
16の出力レベルから白レベルを求めることもできる。
【0261】たとえば、下地に対応したCCD116の
出力レベルをScとし、各階調パターン101のCCD
116の出力レベルをTcとすると、図40に示すよう
に、各階調パターンの出力レベルTcにCCD116の
出力レベルScが上積みされていることになる。ここ
で、出力される階調数の最大値をnとして、上記Scに
このnを当てはめたと仮定した場合に、上記下地の白レ
ベル分の補正値Snは次式から得られる。
【0262】 Sn=n−{(n−Tc)/(n−Sc)}×n なお、上記階調数nは画像形成装置1が形成可能な階調
数の最大値であって、特定の数値に限定されるものでは
ない。たとえば、本実施の形態では、256階調の画像
形成を想定しているので、上記階調数の最大値nはn=
255(階調数256の場合0〜255階調であるの
で)となる。
【0263】このようにして、階調パターン101にお
けるディザ値と階調パターン101における読取値との
関係性が、図38に示すようなほぼ直線として得られ
る。なお、図38では、横軸が階調パターン101のデ
ィザ値であり、0〜1020までとなっている(途中の
任意の値を、xiで表す)。また縦軸が階調パターンの
読取値である(任意の値をyiとする)。さらに図中の
×印は、読取用階調パターン101に用いられた各32
種のディザ値に対応した読取値である。このように、図
38に示す階調パターン101のディザ値および読取値
の関係性を決定する。
【0264】また、表1に示すように、該関係性とは別
に標準の階調パターンチャート(ディザ値で画像形成し
ていなくてもよく、標準の濃度を示す標準濃度のパター
ンチャートであればよい)をCCD116で読み取った
ときの入力濃度の読取値、すなわち目標読取値(目標入
力値、なお、図15のフローチャートおよびその説明で
は目標濃度と呼称している)と、この目標読取値に白レ
ベルを規定して256段階の階調にしたCCD116の
出力値、すなわち読取基準値(入力基準値)との関係
を、実験などにより事前に決定しておく。
【0265】
【表1】
【0266】この表1に示す目標読取値とCCD116
の読取基準値との関係性は、関係性テーブル(対応テー
ブル)として画像形成装置1の各種記憶手段に格納して
おく。この関係性テーブルは、基準のγ特性の関係性に
比べてメモリ容量が小さくて済み、かつ常に最適のγ特
性を簡単に求めることができるものである。上記読取基
準値は、画像形成部210への入力値となる。より詳し
くは、図3に示した画像データ処理部41への入力値と
なる。また、目標読取値と読取基準値との関係性テーブ
ル中の値は、たとえば10組分程度であればよい。
【0267】γ特性の決定には、上記関係性テーブルに
おける読取基準値(CCD116の出力値)に対応した
目標読取値に対して、図38に示した関係性、つまり画
像形成部210により形成された読取用階調パターンチ
ャートを読み取って、得られた関係性から、階調パター
ン101のディザ値がどのようになるかを求める。
【0268】すなわち、表1における目標読取値とCC
D116の出力値との関係から、任意の目標読取値を、
図38における階調パターン101の読取値から階調パ
ターン101のディザ値方向にたどって、図38におけ
る略直線関係から最も近いディザ値を求め、これを目標
読取値と対応関係にあるCCD116の出力値(画像形
成部210への入力値に同じ)と関連付けると、図39
に示すような曲線の関係が得られる。
【0269】図39では、縦軸がディザ値であり(最大
1020)、横軸がCCD116の出力値(最大25
5、すなわち256階調)となっており、この関係性か
ら、画像形成部210における第2の画像情報と濃度に
関する入力値および出力値の関係、すなわちγ特性を適
宜決定するという画像処理条件の調整が可能になる。
【0270】なお、本実施の形態では、目標読取値と読
取基準値との関係性テーブルを予め決めておき、記憶手
段に記憶させているが、標準濃度チャートをγ特性を設
定する対象の画像形成装置に読み取らせた値を読取基準
値とし、この各値に、標準濃度チャートの濃度を入力す
ることで、目標読取値と読取基準値との関係性テーブル
を作成するようにしてもよい。
【0271】ここで、上述した実施の形態では、階調パ
ターン101のディザ値を、画像形成部210で階調パ
ターンチャートを形成して画像読取部110で読み取っ
た際に、該画像読取部110の読み取りバラツキ、およ
び画像形成部210での画像形成にバラツキが発生する
場合があり得る。
【0272】つまり、読取用階調パターンチャート10
0が画像形成部210で画像形成されたときの階調パタ
ーンの濃度は、該画像形成部210の濃度における画像
形成精度によってばらつくとともに、同じ読取用階調パ
ターンチャート100を画像読取部110で読み取った
ときの読取値も画像読取部110の濃度の読取精度によ
ってばらつく。この双方のばらつきのために、読取用階
調パターンチャート100における本来高濃度側となる
方の階調パターン101が、読取値として低い値(低濃
度側に対応した値)となる逆転が生じてしまう。
【0273】したがって、上記各バラツキにより逆転現
象が生じている値を画像形成条件の調整に対して使用す
ると、該調整が適切に実施できなくなるので、処理上採
用しない。ところが、このため読取用階調パターンチャ
ート100が無駄になる場合がある。
【0274】そこで、上記画像形成部210において
は、画像読取部110の読取精度、および、画像形成部
210における濃度についての画像形成精度の双方に基
づいて、上記読取用階調パターンチャート100におけ
る高濃度側の階調パターン101の上記画像読取部11
0の読取値が、低濃度側の階調パターン101における
上記画像読取部110の読取値よりも大きくなるように
各階調パターン101を形成するようになっていること
が好ましい。
【0275】具体的には、たとえば画像読取部110の
読取精度のバラツキ、および画像形成部210における
濃度についての画像形成精度のバラツキを適宜、精度情
報として生成するか、または事前にバラツキの分布など
を精度情報として記憶手段に記憶させておく。そして、
各々異なる階調パターン101に対応した画像読取部1
10の読取値が異なるように、上記精度情報に基づいて
事前に階調パターン101を形成するためのディザ値を
決定しておく。これによって、読取用階調パターンチャ
ート100における階調パターン101の読取値が逆転
しないので、読取値をγ特性の決定に好適に用いること
ができる。
【0276】このように、本発明にかかる画像処理方法
では、既知の異なるディザ値に対応する複数種の階調パ
ターン101…を有する読取用階調パターンチャート1
00を形成する第1の行程と、上記読取用階調パターン
チャートをCCD116により読み取って、その読取値
と上記ディザ値との関係性を記憶する第2の行程と、標
準のパターンチャートをCCD116で読み取って得ら
れる入力濃度の目標読取値に対応して決定されている読
取基準値と、上記第2の行程で記憶された読取値とに基
づいて、CCD116の入力濃度と上記ディザ値との関
係性を求める第3の行程とを有している。
【0277】これによって、読取基準値と実際の読取値
とに基づいて得られる入力濃度と、画像形成時における
ディザ値との関係性を適宜求めることになる。そのた
め、基準のγ特性の関係性を記憶手段に記憶していなく
ても、常に最適のγ特性を簡単に求めることができる。
【0278】さらに、上記画像処理方法においては、上
記第3の行程で決定した入力濃度とディザ値との関係性
に基づいて、目視用階調パターンチャート200を形成
する第4の行程と、該目視用階調パターンチャート20
0を目視して上記関係性を手動調整する第5の行程と、
上記第5の行程で調整した上記関係性により得られる上
記目標値に対応した値を上記読取基準値とする第6の行
程とを有している。
【0279】これによって、使用者の目視によって判定
される目視用階調パターンチャートの濃度を画像処理に
加味することができる。そのため、簡単かつ適切にγ特
性を決定することができる。
【0280】なお、上述した実施の形態においては、画
像読取部と画像形成部とを一体的に構成してなる画像形
成装置についてのγ特性の決定を説明したが、画像読取
部と画像形成部とが独立して設けられた装置、すなわち
原稿画像の読み取り機能のみを有するスキャナ装置と画
像データに基づいて画像形成する機能のみを有するプリ
ンタ装置とを、ネットワーク上で接続して使用する場合
にも適用することが可能である。また、単にプリンタ装
置をスキャナ装置で補正する場合にも適用させることが
でる。
【0281】さらに階調パターンのエッジ効果の影響お
よびトナーの補給追従性の影響を抑制する手法に関して
も、読取用階調パターンチャートだけではなく、目視用
階調パターンチャートにも適用することができる。目視
用階調パターンチャートへの適用は、目視した際に階調
間の濃度が実際とは異なって認識されるのを防止するた
めのものである。
【0282】
【発明の効果】本発明にかかる画像形成装置は、以上の
ように、画像形成手段が上記パターンチャートを形成す
る場合に、上記画像形成手段の副走査方向に隣接する各
階調パターンの静電潜像における境界部位での電位差の
違いによる電界の強調を回避するように、各階調パター
ンを形成する構成である。
【0283】上記構成によれば、副操作方向に隣接する
階調パターンの濃度差を所定値より小さくしたパターン
チャートを形成している。そのため、エッジ効果の発生
やトナーの補給追従性による階調パターンの濃度の不均
一性を回避することができるので、パターンチャートに
おける個々の階調パターンの全体の濃度がより均一なも
のとなる。その結果、階調パターンを安定して読み取る
ことができるので、画像形成条件を確実かつ適切に調整
することができるという効果を奏する。
【0284】上記画像形成装置においては、さらに、上
記画像形成手段が、画像形成手段の副走査方向に隣接し
ている各階調パターンが直接接触するように、パターン
チャートを形成することが好ましい。
【0285】上記構成によれば、階調パターン間に白表
示や黒表示の境界部が設けられないため、階調パターン
と境界部との間におけるエッジ効果の発生を防止するこ
とができる。そのため、階調パターンの全体の濃度をよ
り均一なものとして、階調パターンの入力安定性をより
一層向上させることができるという効果を奏する。
【0286】上記画像形成装置においては、さらに、上
記画像形成手段が、上記パターンチャートにおける上記
副走査方向の端部となる階調パターンに隣接させて、該
端部となる階調パターンと同一または近い濃度を有する
ダミーパターンを形成することが好ましい。
【0287】上記構成によれば、上記ダミーパターンに
よりパターンチャートを形成する記録材の下地と階調パ
ターンとの間の濃度差を緩和することができる。その結
果、特に副操作方向端部の階調パターンにエッジ効果が
発生することをより確実に回避することができるという
効果を奏する。
【0288】上記画像形成装置においては、さらに、上
記画像形成手段が、該画像形成手段の副走査方向に沿っ
て、階調パターンが低濃度から高濃度となるとともに、
互いに最も濃度が近い複数の階調パターンが主走査方向
に並ぶように、パターンチャートを形成することが好ま
しい。
【0289】上記構成によれば、パターンチャートが現
像される方向により濃度の高い階調パターンが連続する
ことがない。そのため、パターンチャート形成時におけ
るトナーの補給追従性による階調パターンの濃度不均一
性の発生を良好に回避することができるという効果を奏
する。
【0290】本発明にかかる画像形成装置は、以上のよ
うに、画像処理手段が、パターンチャートが形成される
記録材の下地の色を基準として、第2の画像情報を画像
処理して、画像処理条件を調整する構成である。
【0291】上記構成によれば、シェーディング補正時
に、パターンチャートを形成する記録材の下地の色を考
慮した上で画像処理を実施することになる。そのため、
下地に対する階調パターンの入力濃度をより適切なもの
にすることが可能になり、その結果、階調パターンを安
定して読み取ることができるので、画像形成条件を確実
かつ適切に調整することができるという効果を奏する。
【0292】上記画像形成装置においては、さらに、上
記画像処理手段が、画像読取手段によるパターンチャー
トの読み取りの際に、該パターンチャートに照射される
光量を低下させるか、または画像読取手段の読取ゲイン
を小さくすることにより得られた読取値に基づいて第2
の画像情報を画像処理することが好ましい。
【0293】上記構成によれば、シェーディング補正時
に、基準白板の白度がパターンチャートの下地濃度の白
度よりも低い場合でも、画像読取手段によって下地濃度
を読み取ることが可能になる。その結果、下地に対する
階調パターンの入力濃度をより適切なものにして、安定
して階調パターンを読み取ることができるという効果を
奏する。
【0294】本発明にかかる画像形成装置は、以上のよ
うに、上記パターンチャートを形成するための第1の画
像情報が、ディザマトリクスによるディザ値を加えるこ
とによって多階調化されたものであり、画像読取手段
は、上記ディザマトリクスと同サイズの画像フィルタを
介して、該パターンチャートを読み取る構成である。
【0295】上記構成によれば、画像情報のディザマト
リクスと同サイズの画像フィルタを介して、該パターン
チャートを読み取っているので、階調パターンと画像読
取手段との空間周波数の間で干渉が生じてモアレが発生
するという問題点を機械的手段を用いることなく防止す
ることができる。そのため装置の複雑化を回避した上
で、容易に階調パターンの読み取り精度を向上させるこ
とができるという効果を奏する。
【0296】本発明にかかる画像形成装置は、以上のよ
うに、画像形成手段が、画像読取手段の入力精度、およ
び画像形成手段における濃度についての画像形成精度の
双方に基づいて、上記パターンチャートにおける高濃度
側の階調パターンにおける上記画像読取手段の出力値
を、低濃度側の階調パターンにおける上記画像読取手段
の出力値よりも大きくするように該パターンチャートを
形成する構成である。
【0297】上記構成によれば、画像形成精度および入
力精度に発生するバラツキを考慮した上でパターンチャ
ートを形成することができる。その結果、パターンチャ
ートに発生し易い、本来高濃度側となる方の階調パター
ンが低濃度側に対応した値となる逆転現象の発生を回避
して、パターンチャートの無駄な形成を防止するととも
に、より正確な画像形成条件の調整が可能になるという
効果を奏する。
【0298】本発明にかかる画像形成装置は、以上のよ
うに、画像処理手段が、画像読取手段の読取濃度の目標
読取値と該目標読取値に対応して決定されている上記画
像読取手段の読取基準値との関係性と、上記パターンチ
ャートを上記画像読取手段により読み取ることにより得
られる実読取値と上記ディザ値との関係性とに基づい
て、上記画像形成手段の入力濃度と上記ディザ値との関
係性を求める画像処理を実施する構成である。
【0299】また、本発明にかかる画像処理方法は、以
上のように、画像情報に基づいて画像形成手段により画
像形成する画像形成装置に用いられる画像処理方法にお
いて、既知の異なるディザ値に対応する複数種の階調パ
ターンを読取用パターンチャートとして、画像形成手段
により記録材上に形成する第1の行程と、画像読取手段
により上記読取用パターンチャートを直接読み取って入
力し、その入力値と上記ディザ値との関係性を記憶する
第2の行程と、画像読取手段の入力濃度の目標値に対応
して決定されている読取基準値と、上記第2の行程で記
憶された読取値とに基づいて、画像形成手段の入力濃度
と上記ディザ値との関係性を求める第3の行程とを有す
る方法である。
【0300】上記構成または方法によれば、入力基準値
と実際の入力値とに基づいて得られる入力濃度と、画像
形成時におけるディザ値との関係性を適宜求めることに
なる。そのため、多くのメモリ容量が必要な基準のγ特
性の関係性を記憶手段に記憶していなくても、メモリ容
量が小さくて済む、γ特性の濃度の目標入力値と入力基
準値との対応テーブルを持っていればよく、常に最適の
γ特性を簡単に求めることができるという効果を奏す
る。
【0301】上記画像処理方法においては、さらに上記
第3の行程で決定した入力濃度とディザ値との関係性に
基づいて、目視用パターンチャートを記録材上に形成す
る第4の行程と、上記目視用パターンチャートを目視し
て上記関係性を手動調整する第5の行程と、上記第5の
行程で調整した上記関係性により得られる上記目標値に
対応した値を、上記読取基準値とする第6の行程とを有
することが好ましい。
【0302】上記方法によれば、読取用パターンチャー
トだけでなく使用者の目視によって判定される目視用パ
ターンチャートの濃度を画像処理に加味することができ
る。そのため、簡単かつ適切にγ特性を決定することが
できるという効果を奏する。
【0303】上記画像処理方法においては、さらに、上
記第6の行程で得られた読取基準値および上記第3の行
程の入力濃度の目標入力値に対応して決定されている読
取基準値のうちの何れか一方を、上記第3の行程の読取
基準値として使用することが好ましい。
【0304】上記方法によれば、標準的な読取基準値
(第3の行程で決定された値)と使用者の好みを加味し
た読取基準値(第6の行程で得られた値)との二種類の
読取基準値を適宜使い分けることになる。そのため、そ
の状況に応じて読取基準値を適切なものとすることがで
き、設定の簡易化を図ることが可能になるという効果を
奏する。
【0305】本発明にかかる画像処理方法は、以上のよ
うに、第1の画像情報に基づいて記録材上に第1の画像
を形成し、該第1の画像を画像読取手段により読み取っ
て得られる情報に基づいて記録材上に第2の画像を形成
した後、該第2の画像から目視で得られる情報を手動入
力手段により入力することで画像処理条件を調整する画
像処理方法において、上記第1の画像が有する階調数
を、第2の画像が有する階調数よりも大きくする方法で
ある。
【0306】上記方法によれば、第1の画像の階調数が
第2の画像の階調数よりも大きくなっているので、より
正確な階調性の判定を実現することができるとともに、
使用者が目視して画像形成条件を調整する際に、階調性
が増加したり、近接した階調のために目視判別が難しく
なるような事態を回避することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる画像形成装置に
用いられる読取用階調パターンチャートの各階調パター
ンの濃度順を示す説明図である。
【図2】図1に示す階調パターンチャートが用いられる
本発明にかかる画像形成装置の構成を示す概略断面図で
ある。
【図3】図2に示す画像形成装置における画像処理部の
構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示す画像形成装置における制御系の構成
を示すブロック図である。
【図5】図2に示す画像形成装置に備えられている操作
パネルの構成を示す平面図である。
【図6】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCDの
待機時に表示される待機時画面を示す説明図である。
【図7】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCDの
待機時に表示される選択画面の一例を示す説明図であ
る。
【図8】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCDの
動作初期設定時に表示される動作初期設定画面を示す説
明図である。
【図9】図2に示す画像形成装置における操作パネルに
よる操作手順を示すフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートの続きを示すフローチ
ャートである。
【図11】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
の待機時に表示される選択画面の他の例を示す説明図で
ある。
【図12】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
の待機時に表示される選択画面の他の例を示す説明図で
ある。
【図13】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
の待機時に表示される選択画面の他の例を示す説明図で
ある。
【図14】図2に示す画像形成装置におけるγ特性の設
定処理の操作手順を示すフローチャートである。
【図15】図14に示すフローチャートの続きを示すフ
ローチャートである。
【図16】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
のγ特性の設定時に表示されるγ特性設定初期画面を示
す説明図である。
【図17】図2に示す画像形成装置において、画像形成
ステーションの調整に用いられる高濃度域のトナーパッ
チの形成状態を示す説明図である。
【図18】図1に示す読取用階調パターンチャートの概
要を示す説明図である。
【図19】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
のγ特性の設定時に表示されるγ特性設定初期画面を示
す説明図である。
【図20】図2に示す画像形成装置のγ特性の手動調整
に用いられる目視用階調パターンチャートの概要を示す
説明図である。
【図21】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
のγ特性の設定時に表示されるγ特性設定初期画面を示
す説明図である。
【図22】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
のγ特性の設定時に表示されるγ特性の自動計算中の画
面を示す説明図である。
【図23】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
のγ特性の設定時に表示されるγ特性の手動調整時の画
面を示す説明図である。
【図24】図15に示すフローチャートにおけるアップ
ダウンキー操作可能/不能表示切換え処置の制御手順を
示すフローチャートである。
【図25】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
のγ特性の設定時に表示されるγ特性の手動調整時の画
面を示す説明図である。
【図26】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
のγ特性の設定時に表示されるγ特性の手動調整時の画
面を示す説明図である。
【図27】図5に示す操作パネルにおけるカラーLCD
のγ特性の設定時に表示されるγ特性の手動調整時の画
面を示す説明図である。
【図28】図25ないし図27に示す操作パネルにおけ
るカラーLCDのγ特性の設定時における調整点の上限
値および下限値の範囲の一例を示す説明図である。
【図29】図2に示す画像形成装置における読取用階調
パターンチャートの読取時の問題点を示す説明図であ
る。
【図30】図29に示す読取用階調パターンチャートの
読取方向を説明するための感光体ドラムの回転方向を示
す説明図である。
【図31】図2に示す画像形成装置における読取用階調
パターンチャートの読取時の他の問題点を示す説明図で
ある。
【図32】図1に示す読取用階調パターンチャートの他
の例を示す説明図である。
【図33】図1に示す読取用階調パターンチャートのさ
らに他の例を示す説明図である。
【図34】図1に示す読取用階調パターンチャートのさ
らに他の例を示す説明図である。
【図35】図1に示す読取用階調パターンチャートにお
ける個々の階調パターンの濃度分布の概要を示す説明図
である。
【図36】(a)は、図2に示す画像形成装置が備える
CCDが読み取る1画素とディザマトリクスの1ドット
との対応関係を示す説明図であり、(b)は、図1に示
す読取用階調パターンチャートをCCDで読み取る際の
1画素と個々の階調パターンとの関係を示す説明図であ
る。
【図37】図2に示す画像形成装置が備えるCCDが図
1に示す読取用階調パターンチャートを読み取る際に、
該読取用階調パターンチャートの下地分の白度を補正す
る例を示す説明図である。
【図38】図2に示す画像形成装置における階調パター
ンの読取値と階調パターンのディザ値との関係を示すグ
ラフである。
【図39】図38に示す階調パターンの読取値と階調パ
ターンのディザ値との関係と、目標読取値とCCD出力
値との関係から得られる、ディザ値とCCD出力値との
関係を示すグラフである。
【図40】図2に示す画像形成装置が備えるCCDが図
1に示す読取用階調パターンチャートを読み取る際に、
下地の出力レベルと階調パターンの出力レベルの関係を
示す説明図である。
【符号の説明】
2 画像処理部(画像処理手段) 100 読取用階調パターンチャート(パターンチャ
ート・第1の画像) 101 階調パターン 110 画像読取部(画像読取手段・画像情報入力手
段) 131 ダミーパターン 200 目視用階調パターンチャート(パターンチャ
ート・第2の画像) 210 画像形成部(画像形成手段) 222a〜222d 感光体ドラム(感光体) 624 実行キー(手動入力手段・画像情報入力手
段) 663a 濃度アップキー(手動入力手段・画像情報
入力手段) 663b 濃度ダウンキー(手動入力手段・画像情報
入力手段) 664a 調整点アップキー(手動入力手段・画像情
報入力手段) 664b 調整点ダウンキー(手動入力手段・画像情
報入力手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C262 AA04 AA24 AA25 AA26 AB07 FA13 2H027 DA09 DC01 EA02 EB04 EC03 HA07 2H076 AB75 DA07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の画像情報に基づいて感光体上に静電
    潜像を形成することによって記録材上に画像を形成する
    画像形成手段と、 記録材上に形成された上記画像に基づいた第2の画像情
    報を入力する画像情報入力手段と、 上記画像が異なる階調パターンを配列したパターンチャ
    ートである場合に、上記第2の画像情報を処理して、画
    像処理条件を調整する画像処理手段とを備えている画像
    形成装置において、 さらに、画像形成手段が上記パターンチャートを形成す
    る場合に、上記画像形成手段の副走査方向に隣接する各
    階調パターンの静電潜像における境界部位での電位差の
    違いによる電界の強調を回避するように、各階調パター
    ンを形成することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】上記画像形成手段は、該画像形成手段の副
    走査方向に隣接している各階調パターンが直接接触する
    ように、パターンチャートを形成することを特徴とする
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】上記画像形成手段は、上記パターンチャー
    トにおける上記副走査方向の端部となる階調パターンに
    隣接させて、該端部となる階調パターンと同一または近
    い濃度を有するダミーパターンを形成することを特徴と
    する請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】上記画像形成手段は、該画像形成手段の副
    走査方向に沿って、階調パターンが低濃度から高濃度と
    なるとともに、互いに最も濃度が近い複数の階調パター
    ンが主走査方向に並ぶように、パターンチャートを形成
    することを特徴とする請求項1、2、または3記載の画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】第1の画像情報に基づいて記録材上に画像
    を形成する画像形成手段と、 記録材上に形成された上記画像を読み取って第2の画像
    情報とする画像読取手段と、 上記画像が異なる階調パターンを配列したパターンチャ
    ートである場合に、上記第2の画像情報を処理して、画
    像処理条件を調整する画像処理手段とを備えている画像
    形成装置において、 上記画像処理手段は、パターンチャートが形成される記
    録材の下地の色を基準として、第2の画像情報を画像処
    理して、画像処理条件を調整することを特徴とする画像
    形成装置。
  6. 【請求項6】上記画像処理手段は、画像読取手段による
    パターンチャートの読み取りの際に、該パターンチャー
    トに照射される光量を低下させるか、または画像読取手
    段の読取ゲインを小さくすることにより得られた読取値
    に基づいて第2の画像情報を画像処理することを特徴と
    する請求項5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】第1の画像情報に基づいて記録材上に画像
    を形成する画像形成手段と、 記録材上に形成された上記画像を読み取って第2の画像
    情報とする画像読取手段と、 上記画像が異なる階調パターンを配列したパターンチャ
    ートである場合に、上記第2の画像情報を処理して、画
    像処理条件を調整する画像処理手段とを備えている画像
    形成装置において、 上記パターンチャートを形成するための第1の画像情報
    は、ディザマトリクスによるディザ値を加えることによ
    って多階調化されたものであり、 上記画像読取手段は、上記ディザマトリクスと同サイズ
    の画像フィルタを介して、該パターンチャートを読み取
    ることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】第1の画像情報に基づいて記録材上に画像
    を形成する画像形成手段と、 記録材上に形成された上記画像を読み取って第2の画像
    情報とする画像読取手段と、 上記画像が異なる階調パターンを配列したパターンチャ
    ートである場合に、上記第2の画像情報を処理して、画
    像処理条件を調整する画像処理手段とを備えている画像
    形成装置において、 上記画像形成手段は、上記画像読取手段の入力精度、お
    よび画像形成手段における濃度についての画像形成精度
    の双方に基づいて、上記パターンチャートにおける高濃
    度側の階調パターンにおける上記画像読取手段の出力値
    を、低濃度側の階調パターンにおける上記画像読取手段
    の出力値よりも大きくするように該パターンチャートを
    形成することを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】ディザマトリクスによるディザ値を加える
    ことによって多階調化された第1の画像情報に基づいて
    記録材上に画像を形成する画像形成手段と、 記録材上に形成された上記画像を読み取って第2の画像
    情報とする画像読取手段と、 上記画像が異なる階調パターンを配列したパターンチャ
    ートである場合に、上記第2の画像情報を処理するとと
    もに、画像処理条件を調整する画像処理手段とを備えて
    いる画像形成装置において、 上記画像処理手段は、画像読取手段の読取濃度の目標読
    取値と該目標読取値に対応して決定されている上記画像
    読取手段の読取基準値との関係性と、上記パターンチャ
    ートを上記画像読取手段により読み取ることにより得ら
    れる実読取値と上記ディザ値との関係性とに基づいて、
    上記画像形成手段の入力濃度と上記ディザ値との関係性
    を求める画像処理を実施することを特徴とする画像形成
    装置。
  10. 【請求項10】画像情報に基づいて画像形成手段により
    画像形成する画像形成装置に用いられる画像処理方法に
    おいて、 既知の異なるディザ値に対応する複数種の階調パターン
    を読取用パターンチャートとして、画像形成手段により
    記録材上に形成する第1の行程と、 画像読取手段により上記読取用パターンチャートを直接
    読み取って入力し、その入力値と上記ディザ値との関係
    性を記憶する第2の行程と、 画像読取手段の入力濃度の目標値に対応して決定されて
    いる読取基準値と、上記第2の行程で記憶された読取値
    とに基づいて、画像形成手段の入力濃度と上記ディザ値
    との関係性を求める第3の行程とを有することを特徴と
    する画像処理方法。
  11. 【請求項11】上記第3の行程で決定した入力濃度とデ
    ィザ値との関係性に基づいて、目視用パターンチャート
    を記録材上に形成する第4の行程と、 上記目視用パターンチャートを目視して上記関係性を手
    動調整する第5の行程と、 上記第5の行程で調整した上記関係性により得られる上
    記目標値に対応した値を、上記読取基準値とする第6の
    行程とを有することを特徴とする請求項10記載の画像
    処理方法。
  12. 【請求項12】上記第6の行程で得られた読取基準値お
    よび上記第3の行程の入力濃度の目標入力値に対応して
    決定されている読取基準値のうちの何れか一方を、上記
    第3の行程の読取基準値として使用することを特徴とす
    る請求項11記載の画像処理方法。
  13. 【請求項13】第1の画像情報に基づいて記録材上に第
    1の画像を形成し、該第1の画像を画像読取手段により
    読み取って得られる情報に基づいて記録材上に第2の画
    像を形成した後、該第2の画像から目視で得られる情報
    を手動入力手段により入力することで画像処理条件を調
    整する画像処理方法において、 上記第1の画像が有する階調数を、第2の画像が有する
    階調数よりも大きくすることを特徴とする画像処理方
    法。
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