JP2001040065A - 高純度エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

高純度エポキシ樹脂の製造方法

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JP2001040065A
JP2001040065A JP11213544A JP21354499A JP2001040065A JP 2001040065 A JP2001040065 A JP 2001040065A JP 11213544 A JP11213544 A JP 11213544A JP 21354499 A JP21354499 A JP 21354499A JP 2001040065 A JP2001040065 A JP 2001040065A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線幅が狭い半導体用の半導体封止材料に適
用できる不純物塩素含有量が低減された高純度エポキシ
樹脂の製造方法において、エポキシ樹脂の着色やゲル化
といった品質低下を招くことなく、かつ、生産性を改善
する。 【解決手段】 フェノール類化合物とエピハロヒドリン
とを,有機溶媒とアルカリ金属水酸化物の存在下で反応
させてエポキシ樹脂を製造する方法において、アセトニ
トリルに代表される、有機溶媒が120℃以下の沸点
(常圧)と30以上(20℃)の誘電率をもつ有機溶媒
の存在下に反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は配線幅が狭い半導体
用の半導体封止材料に適用できる不純物塩素含有量が低
減された高純度エポキシ樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、種々の硬化剤で硬化さ
せることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質などの優れた硬化物となり、接
着剤、塗料、積層板、成型材料、注型材料等、幅広い分
野に使用されている。
【0003】また特に半導体封止材料用途においては、
近年、集積度が高まり配線幅が0.3ミクロン以下のチ
ップが搭載された半導体が急速に普及しつつある。この
ような配線幅が狭いチップを搭載した半導体は、微量の
ハロゲン系のイオン性不純物によって、配線腐食等の不
良が発生しやすい。
【0004】ところで半導体デバイスの大部分は、エポ
キシ樹脂を主成分とした封止材料によって封止されてい
る。しかし、エピクロルヒドリンを原料として製造され
ているエポキシ樹脂には、微量の不純物塩素を含んでい
る。そのため不純物塩素量の低減された高純度エポキシ
樹脂が要求されている。
【0005】高純度化の製造法としては、特開昭63−
254121号公報、特開平5−155978号公報又
は特開平6−73039号公報には、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)、ジメチルスルホン、ジメチルアセト
アミド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルイミダ
ゾリジノンなどの高沸点非プロトン性極性溶媒の存在下
で反応させる方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記各公報記載
の高沸点非プロトン性極性溶媒を用いる技術において
は、反応系内からの溶媒除去に際して、高温環境での蒸
留が必要になることからエポキシ樹脂の着色やゲル化等
の品質低下や、使用する有機溶媒の分解物に因る悪臭が
発生する等の課題を有していた。
【0007】また、工業的生産に際して、高価な非プロ
トン性極性溶媒が廃水中に排出されるために、生産コス
トが高くなる他、廃水中から溶媒を回収して再利用する
場合は、多大なユーティリティーコストを要するという
課題も生じていた。
【0008】本発明が解決使用とする課題は、エポキシ
樹脂の着色やゲル化といった品質低下を招くことなく、
かつ、工業的生産過程での生産コストの低減できる高純
度エポキシ樹脂の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、反応溶媒として有機溶媒
(c)が120℃以下の沸点(常圧)と30以上(20
℃)の誘電率をもつ非プロトン性極性溶媒を用いること
により生成エポキシ樹脂の熱劣化を防止でき、かつ、生
産コストを低く抑え乍ら高純度エポキシ樹脂を製造でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、フェノール類化合物
(a)とエピハロヒドリン(b)とを、有機溶媒(c)
とアルカリ金属水酸化物(d)の存在下で反応させてエ
ポキシ樹脂を製造する方法において、有機溶媒(c)と
して、120℃以下の沸点(常圧)と30以上(20
℃)の誘電率をもつ非プロトン性極性溶媒(c1)を用
いることを特徴とする高純度エポキシ樹脂の製造方法に
関する。
【0011】本発明で使用されるフェノール類化合物
(a)としては、1分子中に少なくとも1つの芳香族性
水酸基を有する化合物であれば、特に限定されるもので
はなく、例えば、2価フェノール類、フェノール類とア
ルデヒド類との重縮合反応物、又はフェノール類と不飽
和炭化水素化合物との重付加反応物などが挙げられる。
【0012】2価フェノール類としては、特に限定され
るものではないが、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ジヒドロ
キシベンゾフェノン、ハイドロキノン、レゾルシン、ジ
ヒドロキシナフタレン、ビフェノール、テトラメチルビ
フェノール、ビナフトールなどが挙げられる。
【0013】フェノール類とアルデヒド類との重縮合反
応物としては、特に限定されるものではないが、フェノ
ール類が無置換フェノール、及びアルキル基、アルケニ
ル基、アリル基、アリール基、アラルキル基或いはハロ
ゲン基等が結合した置換フェノール類が挙げられる。こ
のような置換フェノールとして具体的には、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフ
ェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノ
ニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフ
ェノール、アリルフェノール、フェニルフェノール、ベ
ンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフェノー
ル(各々o、m、p−異性体を含む)などの一置換フェ
ノール類や、ジメチルフェノール、ジメチルフェノー
ル、t−ブチル−メチルフェノール(各々異性体を含
む)などの二置換フェノール類、又はトリメチルフェノ
ール(異性体を含む)などの3置換フェノール類や、1
−ナフトール、2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレ
ンなどのナフトール類、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ハイドロキノン、レゾルシンなどの2価フェノ
ール類などが例示されるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0014】またアルデヒド類としては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド
などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。
【0015】またフェノール類と不飽和炭化水素化合物
の重付加反応物としても特に限定されるものではない
が、フェノール類には上述の化合物などが例示され、不
飽和炭化水素化合物としては、ジシクロペンタジエン、
テトラヒドロインデン、4−ビニルシクロヘキセン、5
−ビニルノルボナ−2−エン、α−ピネン、β−ピネ
ン、リモネン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0016】これらのなかでも半導体封止材料用途とし
ては、オルソクレゾ−ルとホルムアルデヒドの重縮合反
応物や、フェノールとジシクロペンタジエンの重付加反
応物などが、用途に要求される耐熱性、耐湿性、成形
性、耐ハンダクラック性などの特性が優れることから特
に好ましい。
【0017】また、上記フェノール類化合物(a)と反
応させるエピハロヒドリン(b)としては、エピクロル
ヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨ−ドヒドリン、
β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられるが、安価
で経済的利点があり、また、フェノール類化合物(a)
との硬化性も良好である点からエピクロルヒドリンが特
に好ましい。
【0018】エピハロヒドリン(b)の使用量は、特に
制限されるものではないが、フェノール類化合物(a)
の水酸基に対して、2.5〜10当量となる割合が好ま
しい。即ち、2.5当量以上にすることにより、生成エ
ポキシ樹脂のエポキシ当量を低減でき、半導体封止材料
として耐熱性、耐湿性及び耐ハンダクラック性が良好と
なる他、10当量を超えてもエポキシ当量の低減効果は
小さくなる。
【0019】有機溶媒(c)として用いられる非プロト
ン性極性溶媒(c1)は、120℃以下の沸点(常圧)
と30以上(20℃)の誘電率を有するものである。こ
の様な有機溶媒を用いることにより、反応終了後の反応
系内から蒸留回収が容易となり、120℃以下の低温で
も十分に蒸留回収できるため、エポキシ樹脂の品質劣化
や、分解物による悪臭などの問題は生じない。
【0020】また、従来の高沸点非プロトン性極性溶媒
は常圧での沸点が非常に高く、具体的には、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)は189℃、ジメチルスルホン
は233℃、ジメチルアセトアミドは233℃、テトラ
メチル尿素は178℃、ヘキサメチルホスホルアミドは
235℃、ジメチルホルムアミド(DMF)は153℃
であり、このような高沸点溶媒は蒸留回収が困難なた
め、繰り返しの水洗の必要があり水洗工程中にエポキシ
樹脂や併用する有機溶媒も廃水中に流出して、生産収率
が低下するという課題を招いていた。
【0021】本発明においては、120℃以下の沸点
(常圧)と30以上(20℃)の誘電率を有する非プロ
トン性極性溶媒(c1)を用いることにより、蒸留回収
が容易であるため、効率の悪い水洗除去を必要としなく
なる為、エポキシ樹脂の生産性も飛躍的に向上する他、
水洗工程中のエポキシ樹脂が廃水中に流出する課題も解
決されるため、生産収率も向上する。更に、このような
非プロトン性極性溶媒(c1)を用い、反応させて得ら
れるエポキシ樹脂は、エポキシ当量が低く、配線幅が
0.3ミクロン以下の高集積度半導体チップ用の封止材
料に要求される不純物塩素量の低減を実現できる。
【0022】本発明で使用する120℃以下の沸点(常
圧)と30以上(20℃)の誘電率をもつ非プロトン性
極性溶媒(c1)としては、特に限定されるものではな
いが、具体的にはアセトニトリル、アクリロニトリル、
ニトロメタンなどが挙げられる。なかでもアセトニトリ
ルやアクリロニトリルなどのニトリル基含有化合物が本
発明の効果が一層顕著が好ましく、熱安定性などの面か
らなかでもアセトニトリルが好ましい。また、アセトニ
トリルは沸点が82℃と沸点が低く、かつ、20℃にお
ける誘電率が38.8であり、非常に高い誘電率を有す
るため、エポキシ樹脂の品質劣化防止や生産性のみなら
ず、生成するエポキシ樹脂の純度も著しく優れたものと
なる。
【0023】非プロトン性極性溶媒(c1)の使用量
は、特に制限されるものではないが、エピハロヒドリン
100重量部当たり5〜100重量部の範囲が好まし
い。即ち、使用量が5重量部以上使用することにより、
エポキシ樹脂純度の向上効果が顕著なものなり、100
重量部以下においては、反応速度が速くなり、エポキシ
当量を低く抑えられる点から好ましい。
【0024】また、本発明においては、有機溶媒(c)
として、上記非プロトン性極性溶媒(c1)のみなら
ず、エポキシ当量の低下などを目的とし、かつ、本発明
の効果を損なわない範囲で非プロトン性極性溶媒(c
1)の他の有機溶媒(c2)(以下、単に「その他の有
機溶媒(c2)」と略記する)を併用してもよい。
【0025】ここで、使用し得るその他の有機溶媒(c
2)としては、特に限定されるのものではないが、例え
ば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶
媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒など
が挙げられる。そのなかでもアルコール系溶媒、エーテ
ル系溶媒、ケトン系溶媒などが反応速度の向上に寄与す
るため併用する溶媒として好ましい。
【0026】アルコール系溶媒としては、メタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1
−ブタノール、2−ブタノール、タシャリーブタノール
などが挙げられ、エーテル系溶媒としては、ジメチルエ
ーテルやジエチルエーテルやジエトキシエタンなどの直
鎖状エーテル化合物や、テトラヒドロフランや1、4−
ジオキサンや1、3−ジオキソランなどの環状エーテル
化合物などが挙げられる。またケトン系溶媒としては、
メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンやシクロ
ヘキサノンなどが挙げられるが、いずれもこれらに限定
されるものではない。
【0027】上記したその他の有機溶媒(c2)の使用
量は、既述の通り、本発明の効果を損なわない範囲であ
るが、具体的には非プロトン性極性溶媒100重量部に
対して、20〜300重量部の範囲が好ましい。使用量
が20重量部以上の範囲では、反応速度が一層向上す
る。また、300重量部を超える場合は、反応速度が遅
くなり、エポキシ当量が増加を招き、エポキシ樹脂の品
質低下を招く。
【0028】本発明で使用するアルカリ金属水酸化物
(d)としては、特に限定されるものではないが、例示
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ
る。これらは固形状で添加しても、水溶液或いはメタノ
ール、エタノールなどの有機溶媒溶液として添加しても
よい。これらのアルカリ金属水酸化物(d)は、一種の
み単独で使用してもよいし、数種類を組み合わせてもよ
い。
【0029】アルカリ金属水酸化物(d)の添加量とし
ては、特に制限されないが、フェノール類化合物(a)
の芳香族性水酸基に対して、0.7〜1.5当量の範囲
が好ましいが、得られるエポキシ樹脂の純度が高く、か
つ、エポキシ当量をより一層低くできる点から、0.9
〜1.2当量の範囲が特に好ましい。
【0030】フェノール類化合物(a)とエピハロヒド
リン(b)とを、有機溶媒(c)とアルカリ金属水酸化
物(d)の存在下で反応させる方法は、特に制限される
ものではないが、例えば次のようにしておこなうことが
できる。
【0031】即ち、前述のフェノール類化合物(a)、
エピハロヒドリン(b)、有機溶媒(c)を前述に記載
された割合で混合して溶解する。それを撹拌混合しなが
ら、アルカリ金属水酸化物(d)を加え反応を行う方法
が挙げられる。
【0032】この際の反応温度は、特に制限されるもの
ではないが20〜80℃の範囲が好ましい。即ち、20
℃以上の温度範囲においては反応速度が向上し、また、
80℃以下の温度範囲では、エポキシ当量が低くなり、
エポキシ樹脂の純度が著しく向上する。これらのバラン
スに優れる点から、なかでも30〜70℃の範囲が好ま
しい。
【0033】また、アルカリ金属水酸化物(d)を添加
する際に、減圧下にして揮発分を冷却器で凝縮させて、
その凝縮液をデカンタなどを用いて油相と水相に分離し
て、油相のみを反応系に戻す方法(デカンタ脱水法)を
採用することが好ましい。
【0034】その場合は、反応系内の水分濃度を0.5
〜5.0重量%の範囲に、望ましくは0.5〜2.0重
量%の範囲にできるような温度と圧力の条件に設定する
ことが好ましい。それにより、エピハロヒドリン(b)
や非プロトン性極性溶媒(c1)の加水分解を低減する
ことができる。アルカリ金属水酸化物を添加する場合
は、2〜10時間要して少量づつ分割添加或いは連続滴
下させることが好ましい。
【0035】反応終了後は、蒸留によって未反応のエピ
ハロヒドリン(b)を回収して粗樹脂を得ることができ
る。また、反応で生成する塩の除去は、エピハロヒドリ
ン回収前或いは回収後に溶解するに十分な水を加えて水
洗排出によっても構わないし、濾過によっても構わな
い。
【0036】次いで、その粗樹脂にメチルイソブチルケ
トンやトルエンの様な疎水性溶媒を加えて溶解する。次
に得られた粗樹脂溶液に対して、さらに少量のアルカリ
金属水酸化物を加えて反応させ、さらに精製する。その
際の添加するアルカリ金属水酸化物の量は、粗樹脂中の
未閉環クロロヒドリン基濃度に対して、1.0〜10当
量の範囲が好ましい。また、この際、反応速度の向上を
目的に、4級アンモニウム塩のような相関移動触媒や炭
素数5以下の低級アルコール類を添加してもよい。
【0037】精製工程におけるアルカリ金属水酸化物の
温度は40〜100℃の範囲が好ましい。精製工程終了
の後、水洗或いはリン酸ソーダ等で中和するなどして、
系内のpHを調整した後、溶媒との共沸によって系内を
脱水して無機塩などを濾過して除去する。そして得られ
た溶液から蒸留によって溶剤を回収して目的の高純度エ
ポキシ樹脂を得ることができる。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例を用いて説明する。尚、
例中において部は特に断りのない限りすべて重量部であ
る。
【0039】尚、全塩素含有量とは、エポキシ樹脂0.
2gを1−ブタノール20mlに溶解して、それに金属
ナトリウムを1g添加した後に、120℃還流条件下で
3時間加熱処理して脱離する塩素イオンを硝酸銀溶液で
逆滴定によって定量することによって得られるエポキシ
樹脂中の全塩素原子濃度を表す。
【0040】実施例1〜6及び比較例1〜2 撹拌機、温度計、コンデンサーが装着された2リットル
の4つ口フラスコを用いて、表1又は表2に示す種類及
び量のフェノール類化合物をエピクロルヒドリンと反応
させた。
【0041】該反応は表1又は表2に示す量のアルカリ
金属水酸化物を2段階に分けて添加した。まず40℃で
全添加量の10%を添加して、40℃を保ちながら4時
間撹拌した。次いで50℃に昇温して残りの90%を5
0℃を保持しながら3時間要して滴下した。さらに50
℃で30分間撹拌した後に、生成塩が飽和濃度になるよ
うな量の水を添加して塩を溶解して、撹拌を止めて水層
を棄却した。その後に未反応のエピクロルヒドリンを1
50℃まで加熱し減圧蒸留にて回収して、粗樹脂を得
た。次いで得られた粗樹脂に粗樹脂が40重量%溶液に
なるな量のメチルイソブチルケトンを添加して、粗樹脂
を溶解した。その粗樹脂溶液に10重量%のNaOH水
溶液40gをテトラエチルベンジルアンモニウムクロラ
イド3gとともに添加して、80℃で2時間撹拌した。
次いで水200gを用いて3回水洗を繰り返して、メチ
ルイソブチルケトンと共沸によって脱水して、その溶液
を濾過した後に、濾液からメチルイソブチルケトンを蒸
留回収して目的のエポキシ樹脂を得た。
【0042】比較例1はエピクロルヒドリンを150℃
で蒸留回収した際に、ジメチルスルホキシドの分解物に
よる激しい悪臭が発生して、さらにエポキシ樹脂も真っ
黒に変色した。また比較例2ではエピクロルヒドリンを
蒸留回収中に、エポキシ樹脂がゲル化した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表1及び表2中、「CN」は、オルソクレ
ゾールノボラック樹脂、「DCPD」はフェノール−ジ
シクロペンタジエン重付加物、「BPA」はビスフェノ
ールAをそれぞれ表す。また、上記各実施例及び比較例
で用いた、オルソクレゾールノボラック樹脂は軟化点1
00℃、水酸基当量120g/eqであり、フェノール
−ジシクロペンタジエン重付加物は軟化点95℃、水酸
基当量170g/eqのものである。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、不純物塩素含有量が低
減された高純度エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂の着色や
ゲル化といった品質低下を招くことなく、工業的生産過
程で生産性よく製造でき、かつ、環境への影響のない製
造方法を提供できる。従って、本発明によって得られた
高純度エポキシ樹脂は、配線幅が狭い半導体用の半導体
封止材料に良好に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AA01 AC01 AC05 AD01 AD07 AD08 AD13 AD21 AE07 AF05 AF06 AF07 AF08 AF09 AF10 AF16 AF27 AF33 AF34 BA02 BA06 BA09 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EB18 EC20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類化合物(a)とエピハロヒ
    ドリン(b)とを、有機溶媒(c)とアルカリ金属水酸
    化物(d)の存在下で反応させてエポキシ樹脂を製造す
    る方法において、有機溶媒(c)として、120℃以下
    の沸点(常圧)と30以上(20℃)の誘電率をもつ非
    プロトン性極性溶媒(c1)を用いることを特徴とする
    高純度エポキシ樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 120℃以下の沸点(常圧)と30以上
    (20℃)の誘電率をもつ非プロトン性極性溶媒(c
    1)がニトリル基含有化合物である請求項1記載の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 ニトリル基含有化合物がアセトニトリル
    であることを特徴とする請求項2記載のエポキシ樹脂の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒(c)として、非プロトン性極
    性溶媒(c1)と共に、アルコール系溶媒、エーテル系
    溶媒又はケトン系溶媒を用いることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 フェノール類化合物(a)がビスフェノ
    ール化合物、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反
    応物、又はフェノール類と不飽和炭化水素化合物との重
    付加反応物である請求項1〜4の何れか1つに記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 反応温度が20〜80℃の範囲である請
    求項1〜5の何れか1つに記載の製造方法。
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