JPH11130836A - 高純度エポキシ樹脂の製造法 - Google Patents
高純度エポキシ樹脂の製造法Info
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- JPH11130836A JPH11130836A JP29847597A JP29847597A JPH11130836A JP H11130836 A JPH11130836 A JP H11130836A JP 29847597 A JP29847597 A JP 29847597A JP 29847597 A JP29847597 A JP 29847597A JP H11130836 A JPH11130836 A JP H11130836A
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- Japan
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- purity
- epoxy resin
- organic solvent
- caustic
- epihalohydrin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来公知になく全ハロゲン量が低減された高
純度エポキシ樹脂を提供する。 【解決手段】 オルソクレゾールノボラック樹脂とエピ
クロルヒドリンとを、純度92重量%以上の苛性カリの
存在下に反応させる。
純度エポキシ樹脂を提供する。 【解決手段】 オルソクレゾールノボラック樹脂とエピ
クロルヒドリンとを、純度92重量%以上の苛性カリの
存在下に反応させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線幅が狭い高集
積半導体用の半導体封止材料に適用できる全ハロゲン量
が低減された高純度エポキシ樹脂の製造法に関する。
積半導体用の半導体封止材料に適用できる全ハロゲン量
が低減された高純度エポキシ樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、種々の硬化剤で硬化さ
せることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質などの優れた硬化物となり、接
着剤、塗料、積層板、成型材料、注型材料等、幅広い分
野に使用されている。
せることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質などの優れた硬化物となり、接
着剤、塗料、積層板、成型材料、注型材料等、幅広い分
野に使用されている。
【0003】また、特に半導体封止材料用途において
は、近年、集積度が高まり配線幅が0.3ミクロン以下
のチップが搭載された半導体が急速に普及しつつある。
このような配線幅が狭いチップを搭載した半導体は、微
量のハロゲン系のイオン性不純物によって、配線腐食等
の不良が発生しやすいという問題があった。
は、近年、集積度が高まり配線幅が0.3ミクロン以下
のチップが搭載された半導体が急速に普及しつつある。
このような配線幅が狭いチップを搭載した半導体は、微
量のハロゲン系のイオン性不純物によって、配線腐食等
の不良が発生しやすいという問題があった。
【0004】ところで半導体デバイスの大部分は、エポ
キシ樹脂を主成分とした封止材料によって封止されてい
る。しかしエピクロルヒドリンを原料として製造されて
いるエポキシ樹脂には、微量の不純物塩素を含んでお
り、そのため全塩素量の低減された高純度エポキシ樹脂
が要求されている。高純度化の製造法としては、特開平
5−155978号公報には、非プロトン性極性溶媒と
固形アルカリを用いる高純度エポキシ樹脂の製造法が記
載されている。
キシ樹脂を主成分とした封止材料によって封止されてい
る。しかしエピクロルヒドリンを原料として製造されて
いるエポキシ樹脂には、微量の不純物塩素を含んでお
り、そのため全塩素量の低減された高純度エポキシ樹脂
が要求されている。高純度化の製造法としては、特開平
5−155978号公報には、非プロトン性極性溶媒と
固形アルカリを用いる高純度エポキシ樹脂の製造法が記
載されている。
【0005】
【解決しようとする課題】しかし、上記特開平5−15
5978号公報に記載された、非プロトン性極性溶媒と
固形アルカリを用いる製造法では、塩素量の低減効果が
充分でなく、前述の厳しい要求を満足できることができ
ないものであった。
5978号公報に記載された、非プロトン性極性溶媒と
固形アルカリを用いる製造法では、塩素量の低減効果が
充分でなく、前述の厳しい要求を満足できることができ
ないものであった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、エピハ
ロヒドリンに起因する全ハロゲン量が従来公知になく低
減された高純度エポキシ樹脂を提供することにある。
ロヒドリンに起因する全ハロゲン量が従来公知になく低
減された高純度エポキシ樹脂を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、使用する固形アルカリの純度を向上させること
により、非常に高い純度のエポキシ樹脂を得ることがで
きることを見いだしたことにより本発明を完成するに至
った。
た結果、使用する固形アルカリの純度を向上させること
により、非常に高い純度のエポキシ樹脂を得ることがで
きることを見いだしたことにより本発明を完成するに至
った。
【0008】即ち、本発明は、多官能型フェノール類化
合物(a)とエピハロヒドリン(b)とアルカリ(c)
とを、有機溶媒(d)の存在下で反応させるエポキシ樹
脂製造法において、苛性アルカリ(c)として、純度9
2重量%以上の固形苛性アルカリを用いることを特徴と
する高純度エポキシ樹脂の製造法に関する。
合物(a)とエピハロヒドリン(b)とアルカリ(c)
とを、有機溶媒(d)の存在下で反応させるエポキシ樹
脂製造法において、苛性アルカリ(c)として、純度9
2重量%以上の固形苛性アルカリを用いることを特徴と
する高純度エポキシ樹脂の製造法に関する。
【0009】多官能型フェノール類化合物(a)として
は、1分子中に少なくとも1つの芳香族性水酸基を有す
る化合物であれば、特に限定されるものではない。例え
ば、ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等の多価フ
ェノール、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応
物、或いはフェノール類と不飽和脂肪族炭化水素化合物
との重付加反応物などが挙げられる。これらの中でもと
くに半導体封止材料として耐湿性、耐熱性に優れる点か
ら、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応物、及
び、フェノール類と不飽和脂肪族炭化水素化合物との重
付加反応物が好ましい。これらの重縮合反応物及び重付
加反応物で用いられるフェノール類としては、無置換フ
ェノール、及びアルキル基、アルケニル基、アリル基、
アリール基、アラルキル基或いはハロゲン基等が結合し
た置換フェノール類が挙げられるが、具体的には、クレ
ゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピ
ルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペ
ニルフェノール、アリルフェノール、フェニルフェノー
ル、ベンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフ
ェノール(各々o、m、p−異性体を含む)などの一置
換フェノール類や、ジメチルフェノール、ジメチルフェ
ノール、t−ブチル−メチルフェノール(各々異性体を
含む)などの二置換フェノール類、又は−トリメチルフ
ェノール(異性体を含む)などの3置換フェノール類
や、1−ナフトール、2−ナフトール、ジヒドロキシナ
フタレンなどのナフトール類、ビスフェノールA、ビス
フェノールF,ハイドロキノン、レゾルシンなどの2価
フェノール類などが挙げられる。
は、1分子中に少なくとも1つの芳香族性水酸基を有す
る化合物であれば、特に限定されるものではない。例え
ば、ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等の多価フ
ェノール、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応
物、或いはフェノール類と不飽和脂肪族炭化水素化合物
との重付加反応物などが挙げられる。これらの中でもと
くに半導体封止材料として耐湿性、耐熱性に優れる点か
ら、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応物、及
び、フェノール類と不飽和脂肪族炭化水素化合物との重
付加反応物が好ましい。これらの重縮合反応物及び重付
加反応物で用いられるフェノール類としては、無置換フ
ェノール、及びアルキル基、アルケニル基、アリル基、
アリール基、アラルキル基或いはハロゲン基等が結合し
た置換フェノール類が挙げられるが、具体的には、クレ
ゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピ
ルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペ
ニルフェノール、アリルフェノール、フェニルフェノー
ル、ベンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフ
ェノール(各々o、m、p−異性体を含む)などの一置
換フェノール類や、ジメチルフェノール、ジメチルフェ
ノール、t−ブチル−メチルフェノール(各々異性体を
含む)などの二置換フェノール類、又は−トリメチルフ
ェノール(異性体を含む)などの3置換フェノール類
や、1−ナフトール、2−ナフトール、ジヒドロキシナ
フタレンなどのナフトール類、ビスフェノールA、ビス
フェノールF,ハイドロキノン、レゾルシンなどの2価
フェノール類などが挙げられる。
【0010】また、アルデヒド類としては、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒ
ドなどが例示される。
デヒド、アセトアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒ
ドなどが例示される。
【0011】また、不飽和脂肪族炭化水素化合物として
は、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4
−ビニルシクロヘキセン、5−ビニルノルボナ−2−エ
ン、α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどが挙げられ
る。
は、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4
−ビニルシクロヘキセン、5−ビニルノルボナ−2−エ
ン、α−ピネン、β−ピネン、リモネンなどが挙げられ
る。
【0012】なかでも半導体封止材料用途としては、フ
ェノール類としてオルソクレゾールを、アルデヒド類と
してホルムアルデヒドを用いた、オルソクレゾ−ルとホ
ルムアルデヒドの重縮合反応物、および、フェノール類
としてフェノールを、不飽和脂肪族炭化水素化合物とし
てジシクロペンタジエンを用いた、フェノールとジシク
ロペンタジエンの重付加反応物などが、用途に要求され
る耐熱性、耐湿性、成形性、耐ハンダクラック性などの
特性が優れることから特に好ましい。
ェノール類としてオルソクレゾールを、アルデヒド類と
してホルムアルデヒドを用いた、オルソクレゾ−ルとホ
ルムアルデヒドの重縮合反応物、および、フェノール類
としてフェノールを、不飽和脂肪族炭化水素化合物とし
てジシクロペンタジエンを用いた、フェノールとジシク
ロペンタジエンの重付加反応物などが、用途に要求され
る耐熱性、耐湿性、成形性、耐ハンダクラック性などの
特性が優れることから特に好ましい。
【0013】次に、エピハロヒドリン(b)としては、
エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨ−ド
ヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどが使用で
きるが、なかでもや硬化性などの特性上からエピクロル
ヒドリンが特に好ましい。
エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨ−ド
ヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどが使用で
きるが、なかでもや硬化性などの特性上からエピクロル
ヒドリンが特に好ましい。
【0014】エピハロヒドリン(b)の使用量は多価フ
ェノール化合物の水酸基濃度に対して、2.5〜10当
量の範囲が好ましい。即ち、2.5当量以上において高
分子量体の生成を抑制でき、エポキシ当量を充分低減で
きて、耐水性、電気的性能を低下させる2級水酸基の生
成を抑制できる。一方、10当量以下においては、釜生
産性が良好なものとなる。
ェノール化合物の水酸基濃度に対して、2.5〜10当
量の範囲が好ましい。即ち、2.5当量以上において高
分子量体の生成を抑制でき、エポキシ当量を充分低減で
きて、耐水性、電気的性能を低下させる2級水酸基の生
成を抑制できる。一方、10当量以下においては、釜生
産性が良好なものとなる。
【0015】次に本発明で用いる、(c)成分である、
純度92重量%以上の固形苛性アルカリ(以下、固形苛
性アルカリ(c)と略記する)であり、それによって従
来にない高純度なエポキシ樹脂を得ることができる。固
形苛性アルカリ(c)中に含まれる不純物は、鉄分や他
の金属イオン等であり、前述の通り、これらは極力低減
されている方が全ハロゲン量低減の点から好ましい。し
かし、固形苛性アルカリ(c)の純度が高くなりすぎる
と系内における固形苛性アルカリ(c)の溶解性が低下
し、得られるエポキシ樹脂のエポキシ当量が高くなって
しまう傾向がある。その為、苛性アルカリ(c)の純度
は、全ハロゲン量低減の効果とエポキシ当量を低くする
効果の点から92〜97重量%であることが好ましい。
純度92重量%以上の固形苛性アルカリ(以下、固形苛
性アルカリ(c)と略記する)であり、それによって従
来にない高純度なエポキシ樹脂を得ることができる。固
形苛性アルカリ(c)中に含まれる不純物は、鉄分や他
の金属イオン等であり、前述の通り、これらは極力低減
されている方が全ハロゲン量低減の点から好ましい。し
かし、固形苛性アルカリ(c)の純度が高くなりすぎる
と系内における固形苛性アルカリ(c)の溶解性が低下
し、得られるエポキシ樹脂のエポキシ当量が高くなって
しまう傾向がある。その為、苛性アルカリ(c)の純度
は、全ハロゲン量低減の効果とエポキシ当量を低くする
効果の点から92〜97重量%であることが好ましい。
【0016】この様な固形苛性アルカリ(c)として
は、具体的には、固形苛性カリ及び固形苛性ソーダが挙
げられるが、なかでも本発明の効果が顕著である点から
固形苛性カリが好ましい。
は、具体的には、固形苛性カリ及び固形苛性ソーダが挙
げられるが、なかでも本発明の効果が顕著である点から
固形苛性カリが好ましい。
【0017】次に、有機溶媒(d)としては、特に限定
されるものではないが、シクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族有機溶媒、炭素数が3〜6
のアルコ−ル性水酸基含有化合物、或いは非プロトン性
極性溶媒が挙げられるが、不純物塩素量低減の点から炭
素数が3〜6のアルコ−ル性水酸基含有化合物、或いは
非プロトン性極性溶媒が好ましい。炭素数が3〜6のア
ルコ−ル性水酸基含有化合物としては、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−
ル、sec−ブタノ−ル、t−ブタノ−ルなどが挙げら
れる。一方、非プロトン性極性溶媒としてはジメチルス
ルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等が挙げられる。
されるものではないが、シクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族有機溶媒、炭素数が3〜6
のアルコ−ル性水酸基含有化合物、或いは非プロトン性
極性溶媒が挙げられるが、不純物塩素量低減の点から炭
素数が3〜6のアルコ−ル性水酸基含有化合物、或いは
非プロトン性極性溶媒が好ましい。炭素数が3〜6のア
ルコ−ル性水酸基含有化合物としては、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−
ル、sec−ブタノ−ル、t−ブタノ−ルなどが挙げら
れる。一方、非プロトン性極性溶媒としてはジメチルス
ルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等が挙げられる。
【0018】これらの有機溶媒(d)の添加量は、エピ
ハロヒドリン(b)に対して、5〜100重量%の範囲
が好ましい。5重量%以上において生成するエポキシ樹
脂純度がより優れたものとなり、一方、100重量%以
下においてはエポキシ樹脂の生産性に著しく優れたもの
となる。
ハロヒドリン(b)に対して、5〜100重量%の範囲
が好ましい。5重量%以上において生成するエポキシ樹
脂純度がより優れたものとなり、一方、100重量%以
下においてはエポキシ樹脂の生産性に著しく優れたもの
となる。
【0019】固形苛性アルカリ(c)の添加量として
は、特に制限されないが、多官能型フェノール類化合物
(a)の芳香族性水酸基に対して、0.7〜1.3当量
の範囲が好ましい。特に得られるエポキシ樹脂中の全ハ
ロゲン量の低減効果とエポキシ当量の低減効果とに優れ
る点から、0.9〜1.2当量の範囲が特に好ましい。
は、特に制限されないが、多官能型フェノール類化合物
(a)の芳香族性水酸基に対して、0.7〜1.3当量
の範囲が好ましい。特に得られるエポキシ樹脂中の全ハ
ロゲン量の低減効果とエポキシ当量の低減効果とに優れ
る点から、0.9〜1.2当量の範囲が特に好ましい。
【0020】製造方法を以下に具体的に詳述する。多官
能型フェノール類化合物(a)とエピハロヒドリン
(b)と有機溶媒(d)とを反応容器内に導入混合した
後、系内の水分含有量が1重量%と以下となる条件下
で、純度92%以上の固形苛性アルカリ(c)を連続的
乃至断続的に反応容器に加え乍ら反応(第1工程)さ
せ、次いで、水洗、未反応のエピハロヒドリン(b)と
有機溶媒(d)を除去した後、再度、前記苛性アルカリ
の残量分を添加し閉環反応(第2工程)を行う方法が好
ましい。
能型フェノール類化合物(a)とエピハロヒドリン
(b)と有機溶媒(d)とを反応容器内に導入混合した
後、系内の水分含有量が1重量%と以下となる条件下
で、純度92%以上の固形苛性アルカリ(c)を連続的
乃至断続的に反応容器に加え乍ら反応(第1工程)さ
せ、次いで、水洗、未反応のエピハロヒドリン(b)と
有機溶媒(d)を除去した後、再度、前記苛性アルカリ
の残量分を添加し閉環反応(第2工程)を行う方法が好
ましい。
【0021】即ち、まず反応釜に多官能型フェノール類
化合物(a)、エピハロヒドリン(b)、有機溶媒
(d)を仕込み溶解する。この溶液中に多量の水分が存
在している場合には純度が悪化するため1重量%以上の
水分が存在している場合は、共沸脱水や脱水剤などを用
いて、系内水分を1重量%に低減してから、固形苛性ア
ルカリ(c)を添加するほうが好ましい。次に固形苛性
アルカリ(c)を添加するが、添加量の全量を一気に添
加すると、大きな発熱が発生し、反応温度をコントロ−
ルすることが困難になる。そのため冷却しながら発熱に
注意し、連続的又は数回に分けて断続的に添加し、第1
工程の反応を行うことが好ましい。
化合物(a)、エピハロヒドリン(b)、有機溶媒
(d)を仕込み溶解する。この溶液中に多量の水分が存
在している場合には純度が悪化するため1重量%以上の
水分が存在している場合は、共沸脱水や脱水剤などを用
いて、系内水分を1重量%に低減してから、固形苛性ア
ルカリ(c)を添加するほうが好ましい。次に固形苛性
アルカリ(c)を添加するが、添加量の全量を一気に添
加すると、大きな発熱が発生し、反応温度をコントロ−
ルすることが困難になる。そのため冷却しながら発熱に
注意し、連続的又は数回に分けて断続的に添加し、第1
工程の反応を行うことが好ましい。
【0022】この第1工程の反応における温度条件は2
0〜100℃の範囲が好ましいが、特に30〜60℃の
範囲が、全ハロゲン量とエポキシ当量とのバランスを良
くできるために特に好ましい。固形苛性アルカリ(c)
の添加時間は特に制限されなが、15〜120分間要し
て添加することが好ましく、添加終了後、さらに前記反
応温度で30〜300分間攪拌を続ける。その後に生成
した塩を溶解するに十分な水を添加して溶解して攪拌を
停止する。そして水層を棄却後、過剰のエピハロヒドリ
ンと有機溶媒を蒸留回収する。また水溶性の溶媒、例え
ばジメチルスルホキシドなどを有機溶媒として使用した
場合は、水洗によって有機溶媒を棄却した後にエピハロ
ヒドリンの蒸留回収を行なってもよい。エピハロヒドリ
ン(b)を回収後に有機溶媒(d)で粗樹脂を溶解す
る。
0〜100℃の範囲が好ましいが、特に30〜60℃の
範囲が、全ハロゲン量とエポキシ当量とのバランスを良
くできるために特に好ましい。固形苛性アルカリ(c)
の添加時間は特に制限されなが、15〜120分間要し
て添加することが好ましく、添加終了後、さらに前記反
応温度で30〜300分間攪拌を続ける。その後に生成
した塩を溶解するに十分な水を添加して溶解して攪拌を
停止する。そして水層を棄却後、過剰のエピハロヒドリ
ンと有機溶媒を蒸留回収する。また水溶性の溶媒、例え
ばジメチルスルホキシドなどを有機溶媒として使用した
場合は、水洗によって有機溶媒を棄却した後にエピハロ
ヒドリンの蒸留回収を行なってもよい。エピハロヒドリ
ン(b)を回収後に有機溶媒(d)で粗樹脂を溶解す
る。
【0023】次いで、第2工程として、適量のアルカリ
を再び添加して未閉環のハロヒドリン基の閉環反応を行
なう。この閉環反応における温度条件は20〜120℃
の範囲が好ましいが、特に30〜60℃の範囲が、全ハ
ロゲン量とエポキシ当量とのバランスを良くできるため
に特に好ましい。
を再び添加して未閉環のハロヒドリン基の閉環反応を行
なう。この閉環反応における温度条件は20〜120℃
の範囲が好ましいが、特に30〜60℃の範囲が、全ハ
ロゲン量とエポキシ当量とのバランスを良くできるため
に特に好ましい。
【0024】ここで用いるアルカリとしては、具体的に
は苛性カリ、苛性ソーダ等が挙げられる。また、第2工
程では更に反応触媒を使用してもよく、具体的には、4
級アンモニウム塩、ポリアルキレングリコール等が挙げ
られる。
は苛性カリ、苛性ソーダ等が挙げられる。また、第2工
程では更に反応触媒を使用してもよく、具体的には、4
級アンモニウム塩、ポリアルキレングリコール等が挙げ
られる。
【0025】そして、水洗、脱水、精密濾過、脱溶媒工
程を行なうことによって目的とする高純度エポキシ樹脂
を得ることができる。
程を行なうことによって目的とする高純度エポキシ樹脂
を得ることができる。
【0026】この様にして得られる高純度エポキシ樹脂
の全ハロゲン量は、樹脂構造によって異なるものの、7
00ppm以下と従来になく低い水準となる。また、そ
のエポキシ当量は、理論エポキシ当量の15%以下に抑
えることができる。
の全ハロゲン量は、樹脂構造によって異なるものの、7
00ppm以下と従来になく低い水準となる。また、そ
のエポキシ当量は、理論エポキシ当量の15%以下に抑
えることができる。
【0027】
【実施例】次に本発明を製造例、実施例およびその比較
例により具体的に説明する。尚、例中において部は特に
断りのない限りすべて重量部である。
例により具体的に説明する。尚、例中において部は特に
断りのない限りすべて重量部である。
【0028】尚、下記実施例及び比較例における全塩素
含有量は、樹脂試料0.2gをn−ブタノール20ml
に溶解して、金属ナトリウム1gを加えた後に、120
℃で3時間加熱処理を行う。その溶液を硝酸処理して酸
性化した後に、硝酸銀を用いて電位差滴定して、全塩素
を測定した。
含有量は、樹脂試料0.2gをn−ブタノール20ml
に溶解して、金属ナトリウム1gを加えた後に、120
℃で3時間加熱処理を行う。その溶液を硝酸処理して酸
性化した後に、硝酸銀を用いて電位差滴定して、全塩素
を測定した。
【0029】実施例1 撹拌機、温度計、コンデンサーが装着された2リットル
の4つ口フラスコに、この軟化点100℃のオルソクレ
ゾールノボラック樹脂360g(芳香族性水酸基=3.
0当量)、エピクロルヒドリン1110(4モル)g、
2−プロパノール330gを加えて溶解する。40℃ま
で昇温した後に、純度95.5重量%固形苛性カリ19
5g(水酸化カリウム3.3モル)を60分間要して1
0分割添加した。添加後に120分間、40℃で攪拌を
続けた後に、水550gを添加して、生成塩を溶解し
た。この水層を棄却した後に、過剰のエピクロルヒドリ
ンと2−プロパノールを蒸留回収した。その粗樹脂にM
IBK800gを添加して溶解した。その溶液に10重
量%苛性ソ−ダ45gを添加して80℃で2時間攪拌し
た。それを2回水洗して上層を中和した後に、脱水、精
密濾過、脱溶媒を経て製品化して、目的のエポキシ樹脂
(A)502gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は
640ppm、エポキシ当量は198g/eqであった。
の4つ口フラスコに、この軟化点100℃のオルソクレ
ゾールノボラック樹脂360g(芳香族性水酸基=3.
0当量)、エピクロルヒドリン1110(4モル)g、
2−プロパノール330gを加えて溶解する。40℃ま
で昇温した後に、純度95.5重量%固形苛性カリ19
5g(水酸化カリウム3.3モル)を60分間要して1
0分割添加した。添加後に120分間、40℃で攪拌を
続けた後に、水550gを添加して、生成塩を溶解し
た。この水層を棄却した後に、過剰のエピクロルヒドリ
ンと2−プロパノールを蒸留回収した。その粗樹脂にM
IBK800gを添加して溶解した。その溶液に10重
量%苛性ソ−ダ45gを添加して80℃で2時間攪拌し
た。それを2回水洗して上層を中和した後に、脱水、精
密濾過、脱溶媒を経て製品化して、目的のエポキシ樹脂
(A)502gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は
640ppm、エポキシ当量は198g/eqであった。
【0030】実施例2 2−プロパノールを1−ブタノ−ルに変更した以外は、
実施例1と同様にして目的のエポキシ樹脂(B)498
gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は580ppm、
エポキシ当量は200g/eqであった。
実施例1と同様にして目的のエポキシ樹脂(B)498
gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は580ppm、
エポキシ当量は200g/eqであった。
【0031】実施例3 n−ブタノ−ルをジメチルスルホキシド(DMSO)に
変更した以外は、実施例1と同様にして目的のエポキシ
樹脂(C)518gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素
量は390ppm、エポキシ当量は193g/eqであった。
変更した以外は、実施例1と同様にして目的のエポキシ
樹脂(C)518gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素
量は390ppm、エポキシ当量は193g/eqであった。
【0032】実施例4 オルソクレゾールノボラック樹脂を、軟化点が95℃の
フェノール−ジシクロペンタジエン重付加反応物510
g(芳香族性水酸基=3.0当量)に変更した以外は、
実施例1と同様にして目的のエポキシ樹脂(D)649
gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は530ppm、
エポキシ当量は243g/eqであった。
フェノール−ジシクロペンタジエン重付加反応物510
g(芳香族性水酸基=3.0当量)に変更した以外は、
実施例1と同様にして目的のエポキシ樹脂(D)649
gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は530ppm、
エポキシ当量は243g/eqであった。
【0033】実施例5 1−ブタノ−ルをジメチルスルホキシド(DMSO)に
変更した以外は、実施例4と同様にして目的のエポキシ
樹脂(E)655gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素
量は380ppm、エポキシ当量は239g/eqであった。
変更した以外は、実施例4と同様にして目的のエポキシ
樹脂(E)655gを得た。このエポキシ樹脂の全塩素
量は380ppm、エポキシ当量は239g/eqであった。
【0034】比較例1 固形苛性カリを純度90重量%の固形苛性カリ203g
(水酸化カリウム3.3モル)に変更した以外は、製造
例1と同様にして目的のエポキシ樹脂(F)499gを
得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は920ppm、エポ
キシ当量は206g/eqであった。
(水酸化カリウム3.3モル)に変更した以外は、製造
例1と同様にして目的のエポキシ樹脂(F)499gを
得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は920ppm、エポ
キシ当量は206g/eqであった。
【0035】比較例2 固形苛性カリを純度85重量%の固形苛性カリ225g
(水酸化カリウム3.3モル)に変更した以外は、製造
例3と同様にして目的のエポキシ樹脂(G)487gを
得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は890ppm、エポ
キシ当量は209g/eqであった。
(水酸化カリウム3.3モル)に変更した以外は、製造
例3と同様にして目的のエポキシ樹脂(G)487gを
得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は890ppm、エポ
キシ当量は209g/eqであった。
【0036】比較例3 固形苛性カリを純度90重量%の固形苛性カリ203g
(水酸化カリウム3.3モル)に変更した以外は、製造
例4と同様にして目的のエポキシ樹脂(H)500gを
得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は950ppm、エポ
キシ当量は258g/eqであった。
(水酸化カリウム3.3モル)に変更した以外は、製造
例4と同様にして目的のエポキシ樹脂(H)500gを
得た。このエポキシ樹脂の全塩素量は950ppm、エポ
キシ当量は258g/eqであった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、エピハロヒロリンに起
因する全ハロゲン量が従来公知になく低減された高純度
な高純度エポキシ樹脂を提供できる。
因する全ハロゲン量が従来公知になく低減された高純度
な高純度エポキシ樹脂を提供できる。
【0038】従って、本発明で得られるエポキシ樹脂
は、配線幅が狭い高集積半導体用の半導体封止材料に充
分適用できるものとなる。
は、配線幅が狭い高集積半導体用の半導体封止材料に充
分適用できるものとなる。
Claims (8)
- 【請求項1】 多官能型フェノール類化合物(a)とエ
ピハロヒドリン(b)と苛性アルカリ(c)とを、有機
溶媒(d)の存在下で反応させるエポキシ樹脂製造法に
おいて、苛性アルカリ(c)として、純度92重量%以
上の固形苛性アルカリを用いることを特徴とする高純度
エポキシ樹脂の製造法。 - 【請求項2】 苛性アルカリ(c)が、純度92〜97
重量%の固形苛性アルカリである請求項1記載の製造
法。 - 【請求項3】 苛性アルカリ(c)が、固形苛性カリで
ある請求項1又は2記載の製造法。 - 【請求項4】 多官能型フェノール類化合物(a)が、
フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応物、又は、
フェノール類と不飽和脂肪族炭化水素化合物との重付加
反応物である請求項1、2又は3記載の製造法。 - 【請求項5】 有機溶媒(d)が炭素数3〜6のアルコ
ール性水酸基含有化合物、又は、非プロトン性極性溶媒
である請求項1、2、3又は4記載の製造法。 - 【請求項6】 多官能型フェノール類化合物(a)とエ
ピハロヒドリン(b)と有機溶媒(d)とを反応容器内
に導入混合した後、系内の水分含有量が1重量%と以下
となる条件下で、純度92%以上の固形苛性アルカリ
(c)を連続的乃至断続的に反応容器に加え乍ら反応
(第1工程)させ、次いで、水洗、未反応のエピハロヒ
ドリン(b)と有機溶媒(d)を除去した後、再度、ア
ルカリを添加し閉環反応(第2工程)を行う請求項1〜
5の何れか1つに記載の製造法。 - 【請求項7】 第1工程の温度条件が20〜100℃で
ある請求項6記載の製造法。 - 【請求項8】 第2工程の温度条件が20〜120℃で
ある請求項6記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29847597A JPH11130836A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 高純度エポキシ樹脂の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29847597A JPH11130836A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 高純度エポキシ樹脂の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11130836A true JPH11130836A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=17860189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29847597A Pending JPH11130836A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 高純度エポキシ樹脂の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11130836A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002338657A (ja) * | 2001-05-14 | 2002-11-27 | Toto Kasei Co Ltd | 高純度エポキシ樹脂の製造方法 |
-
1997
- 1997-10-30 JP JP29847597A patent/JPH11130836A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002338657A (ja) * | 2001-05-14 | 2002-11-27 | Toto Kasei Co Ltd | 高純度エポキシ樹脂の製造方法 |
JP4675500B2 (ja) * | 2001-05-14 | 2011-04-20 | 新日鐵化学株式会社 | 高純度エポキシ樹脂の製造方法 |
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