JP4496441B2 - 高純度エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は配線幅が狭い半導体用の半導体封止材料に適用できる不純物塩素含有量が低減された高純度エポキシ樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は、種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などの優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成型材料、注型材料等、幅広い分野に使用されている。
【0003】
また特に半導体封止材料用途においては、近年、集積度が高まり配線幅が0.3ミクロン以下のチップが搭載された半導体が急速に普及しつつある。このような配線幅が狭いチップを搭載した半導体は、微量のハロゲン系のイオン性不純物によって、配線腐食等の不良が発生しやすい。
【0004】
ところで半導体デバイスの大部分は、エポキシ樹脂を主成分とした封止材料によって封止されている。しかし、エピクロルヒドリンを原料として製造されているエポキシ樹脂には、微量の不純物塩素を含んでいる。そのため不純物塩素量の低減された高純度エポキシ樹脂が要求されている。
【0005】
高純度化の製造法としては、特開昭63−254121号公報、特開平5−155978号公報又は特開平6−73039号公報には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルスルホン、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルイミダゾリジノンなどの高沸点非プロトン性極性溶媒の存在下で反応させる方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記各公報記載の高沸点非プロトン性極性溶媒を用いる技術においては、反応系内からの溶媒除去に際して、高温環境での蒸留が必要になることからエポキシ樹脂の着色やゲル化等の品質低下や、使用する有機溶媒の分解物に因る悪臭が発生する等の課題を有していた。
【0007】
また、工業的生産に際して、高価な非プロトン性極性溶媒が廃水中に排出されるために、生産コストが高くなる他、廃水中から溶媒を回収して再利用する場合は、多大なユーティリティーコストを要するという課題も生じていた。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、エポキシ樹脂の着色やゲル化といった品質低下を招くことなく、かつ、工業的生産過程での生産コストの低減できる高純度エポキシ樹脂の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、反応溶媒として有機溶媒(c)が120℃以下の沸点(常圧)と30以上(20℃)の誘電率をもつニトリル基含有非プロトン性極性溶媒と共に、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒又はケトン系溶媒(c2)を用い、前記非プロトン性極性溶媒(c1)100重量部に対し、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒又はケトン系溶媒(c2)を20〜300重量部の範囲で用いることにより生成エポキシ樹脂の熱劣化を防止でき、かつ、生産コストを低く抑え乍ら高純度エポキシ樹脂を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、フェノール類化合物(a)とエピハロヒドリン(b)とを、有機溶媒(c)とアルカリ金属水酸化物(d)の存在下で反応させてエポキシ樹脂を製造する方法において、有機溶媒(c)として、120℃以下の沸点(常圧)と30以上(20℃)の誘電率をもつニトリル基含有非プロトン性極性溶媒(c1)と共に、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒又はケトン系溶媒(c2)を用い、前記非プロトン性極性溶媒(c1)100重量部に対し、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒又はケトン系溶媒(c2)を20〜300重量部の範囲で用いることを特徴とする高純度エポキシ樹脂の製造方法に関する。
【0011】
本発明で使用されるフェノール類化合物(a)としては、1分子中に少なくとも1つの芳香族性水酸基を有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、2価フェノール類、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応物、又はフェノール類と不飽和炭化水素化合物との重付加反応物などが挙げられる。
【0012】
2価フェノール類としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ジヒドロキシベンゾフェノン、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ビナフトールなどが挙げられる。
【0013】
フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応物としては、特に限定されるものではないが、フェノール類が無置換フェノール、及びアルキル基、アルケニル基、アリル基、アリール基、アラルキル基或いはハロゲン基等が結合した置換フェノール類が挙げられる。このような置換フェノールとして具体的には、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、アリルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフェノール(各々o、m、p−異性体を含む)などの一置換フェノール類や、ジメチルフェノール、ジメチルフェノール、t−ブチル−メチルフェノール(各々異性体を含む)などの二置換フェノール類、又はトリメチルフェノール(異性体を含む)などの3置換フェノール類や、1−ナフトール、2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノン、レゾルシンなどの2価フェノール類などが例示されるがこれらに限定されるものではない。
【0014】
またアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒドなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
またフェノール類と不飽和炭化水素化合物の重付加反応物としても特に限定されるものではないが、フェノール類には上述の化合物などが例示され、不飽和炭化水素化合物としては、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4−ビニルシクロヘキセン、5−ビニルノルボナ−2−エン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0016】
これらのなかでも半導体封止材料用途としては、オルソクレゾ−ルとホルムアルデヒドの重縮合反応物や、フェノールとジシクロペンタジエンの重付加反応物などが、用途に要求される耐熱性、耐湿性、成形性、耐ハンダクラック性などの特性が優れることから特に好ましい。
【0017】
また、上記フェノール類化合物(a)と反応させるエピハロヒドリン(b)としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨ−ドヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられるが、安価で経済的利点があり、また、フェノール類化合物(a)との硬化性も良好である点からエピクロルヒドリンが特に好ましい。
【0018】
エピハロヒドリン(b)の使用量は、特に制限されるものではないが、フェノール類化合物(a)の水酸基に対して、2.5〜10当量となる割合が好ましい。即ち、2.5当量以上にすることにより、生成エポキシ樹脂のエポキシ当量を低減でき、半導体封止材料として耐熱性、耐湿性及び耐ハンダクラック性が良好となる他、10当量を超えてもエポキシ当量の低減効果は小さくなる。
【0019】
有機溶媒(c)として用いられる非プロトン性極性溶媒(c1)は、120℃以下の沸点(常圧)と30以上(20℃)の誘電率を有するものである。この様な有機溶媒を用いることにより、反応終了後の反応系内から蒸留回収が容易となり、120℃以下の低温でも十分に蒸留回収できるため、エポキシ樹脂の品質劣化や、分解物による悪臭などの問題は生じない。
【0020】
また、従来の高沸点非プロトン性極性溶媒は常圧での沸点が非常に高く、具体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)は189℃、ジメチルスルホンは233℃、ジメチルアセトアミドは233℃、テトラメチル尿素は178℃、ヘキサメチルホスホルアミドは235℃、ジメチルホルムアミド(DMF)は153℃であり、このような高沸点溶媒は蒸留回収が困難なため、繰り返しの水洗の必要があり水洗工程中にエポキシ樹脂や併用する有機溶媒も廃水中に流出して、生産収率が低下するという課題を招いていた。
【0021】
本発明においては、120℃以下の沸点(常圧)と30以上(20℃)の誘電率を有する非プロトン性極性溶媒(c1)を用いることにより、蒸留回収が容易であるため、効率の悪い水洗除去を必要としなくなる為、エポキシ樹脂の生産性も飛躍的に向上する他、水洗工程中のエポキシ樹脂が廃水中に流出する課題も解決されるため、生産収率も向上する。更に、このような非プロトン性極性溶媒(c1)を用い、反応させて得られるエポキシ樹脂は、エポキシ当量が低く、配線幅が0.3ミクロン以下の高集積度半導体チップ用の封止材料に要求される不純物塩素量の低減を実現できる。
【0022】
本発明で使用する120℃以下の沸点(常圧)と30以上(20℃)の誘電率をもつ非プロトン性極性溶媒(c1)としては、特に限定されるものではないが、具体的にはアセトニトリル、アクリロニトリル、ニトロメタンなどが挙げられる。なかでもアセトニトリルやアクリロニトリルなどのニトリル基含有化合物が本発明の効果が一層顕著が好ましく、熱安定性などの面からなかでもアセトニトリルが好ましい。また、アセトニトリルは沸点が82℃と沸点が低く、かつ、20℃における誘電率が38.8であり、非常に高い誘電率を有するため、エポキシ樹脂の品質劣化防止や生産性のみならず、生成するエポキシ樹脂の純度も著しく優れたものとなる。
【0023】
非プロトン性極性溶媒(c1)の使用量は、特に制限されるものではないが、エピハロヒドリン100重量部当たり5〜100重量部の範囲が好ましい。即ち、使用量が5重量部以上使用することにより、エポキシ樹脂純度の向上効果が顕著なものとなり、100重量部以下においては、反応速度が速くなり、エポキシ当量を低く抑えられる点から好ましい。
【0024】
また、本発明においては、有機溶媒(c)として、上記非プロトン性極性溶媒(c1)のみならず、エポキシ当量の低下などを目的とし、かつ、本発明の効果を損なわない範囲で非プロトン性極性溶媒(c1)の他の有機溶媒(c2)(以下、単に「その他の有機溶媒(c2)」と略記する)を併用してもよい。
【0025】
ここで、使用し得るその他の有機溶媒(c2)としては、特に限定されるのものではないが、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。そのなかでもアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒などが反応速度の向上に寄与するため併用する溶媒として好ましい。
【0026】
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、タシャリーブタノールなどが挙げられ、エーテル系溶媒としては、ジメチルエーテルやジエチルエーテルやジエトキシエタンなどの直鎖状エーテル化合物や、テトラヒドロフランや1、4−ジオキサンや1、3−ジオキソランなどの環状エーテル化合物などが挙げられる。またケトン系溶媒としては、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンやシクロヘキサノンなどが挙げられるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
【0027】
上記したその他の有機溶媒(c2)の使用量は、既述の通り、本発明の効果を損なわない範囲であるが、具体的には非プロトン性極性溶媒100重量部に対して、20〜300重量部の範囲が好ましい。使用量が20重量部以上の範囲では、反応速度が一層向上する。また、300重量部を超える場合は、反応速度が遅くなり、エポキシ当量が増加を招き、エポキシ樹脂の品質低下を招く。
【0028】
本発明で使用するアルカリ金属水酸化物(d)としては、特に限定されるものではないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。これらは固形状で添加しても、水溶液或いはメタノール、エタノールなどの有機溶媒溶液として添加してもよい。これらのアルカリ金属水酸化物(d)は、一種のみ単独で使用してもよいし、数種類を組み合わせてもよい。
【0029】
アルカリ金属水酸化物(d)の添加量としては、特に制限されないが、フェノール類化合物(a)の芳香族性水酸基に対して、0.7〜1.5当量の範囲が好ましいが、得られるエポキシ樹脂の純度が高く、かつ、エポキシ当量をより一層低くできる点から、0.9〜1.2当量の範囲が特に好ましい。
【0030】
フェノール類化合物(a)とエピハロヒドリン(b)とを、有機溶媒(c)とアルカリ金属水酸化物(d)の存在下で反応させる方法は、特に制限されるものではないが、例えば次のようにしておこなうことができる。
【0031】
即ち、前述のフェノール類化合物(a)、エピハロヒドリン(b)、有機溶媒(c)を前述に記載された割合で混合して溶解する。それを撹拌混合しながら、アルカリ金属水酸化物(d)を加え反応を行う方法が挙げられる。
【0032】
この際の反応温度は、特に制限されるものではないが20〜80℃の範囲が好ましい。即ち、20℃以上の温度範囲においては反応速度が向上し、また、80℃以下の温度範囲では、エポキシ当量が低くなり、エポキシ樹脂の純度が著しく向上する。これらのバランスに優れる点から、なかでも30〜70℃の範囲が好ましい。
【0033】
また、アルカリ金属水酸化物(d)を添加する際に、減圧下にして揮発分を冷却器で凝縮させて、その凝縮液をデカンタなどを用いて油相と水相に分離して、油相のみを反応系に戻す方法(デカンタ脱水法)を採用することが好ましい。
【0034】
その場合は、反応系内の水分濃度を0.5〜5.0重量%の範囲に、望ましくは0.5〜2.0重量%の範囲にできるような温度と圧力の条件に設定することが好ましい。それにより、エピハロヒドリン(b)や非プロトン性極性溶媒(c1)の加水分解を低減することができる。アルカリ金属水酸化物を添加する場合は、2〜10時間要して少量づつ分割添加或いは連続滴下させることが好ましい。
【0035】
反応終了後は、蒸留によって未反応のエピハロヒドリン(b)を回収して粗樹脂を得ることができる。また、反応で生成する塩の除去は、エピハロヒドリン回収前或いは回収後に溶解するに十分な水を加えて水洗排出によっても構わないし、濾過によっても構わない。
【0036】
次いで、その粗樹脂にメチルイソブチルケトンやトルエンの様な疎水性溶媒を加えて溶解する。次に得られた粗樹脂溶液に対して、さらに少量のアルカリ金属水酸化物を加えて反応させ、さらに精製する。その際の添加するアルカリ金属水酸化物の量は、粗樹脂中の未閉環クロロヒドリン基濃度に対して、1.0〜10当量の範囲が好ましい。また、この際、反応速度の向上を目的に、4級アンモニウム塩のような相関移動触媒や炭素数5以下の低級アルコール類を添加してもよい。
【0037】
精製工程におけるアルカリ金属水酸化物の温度は40〜100℃の範囲が好ましい。精製工程終了の後、水洗或いはリン酸ソーダ等で中和するなどして、系内のpHを調整した後、溶媒との共沸によって系内を脱水して無機塩などを濾過して除去する。そして得られた溶液から蒸留によって溶剤を回収して目的の高純度エポキシ樹脂を得ることができる。
【0038】
【実施例】
次に本発明を実施例を用いて説明する。尚、例中において部は特に断りのない限りすべて重量部である。
【0039】
尚、全塩素含有量とは、エポキシ樹脂0.2gを1−ブタノール20mlに溶解して、それに金属ナトリウムを1g添加した後に、120℃還流条件下で3時間加熱処理して脱離する塩素イオンを硝酸銀溶液で逆滴定によって定量することによって得られるエポキシ樹脂中の全塩素原子濃度を表す。
【0040】
実施例1〜4及び比較例1〜4
撹拌機、温度計、コンデンサーが装着された2リットルの4つ口フラスコを用いて、表1又は表2に示す種類及び量のフェノール類化合物をエピクロルヒドリンと反応させた。
【0041】
該反応は表1又は表2に示す量のアルカリ金属水酸化物を2段階に分けて添加した。まず40℃で全添加量の10%を添加して、40℃を保ちながら4時間撹拌した。次いで50℃に昇温して残りの90%を50℃を保持しながら3時間要して滴下した。さらに50℃で30分間撹拌した後に、生成塩が飽和濃度になるような量の水を添加して塩を溶解して、撹拌を止めて水層を棄却した。その後に未反応のエピクロルヒドリンを150℃まで加熱し減圧蒸留にて回収して、粗樹脂を得た。次いで得られた粗樹脂に粗樹脂が40重量%溶液になる量のメチルイソブチルケトンを添加して、粗樹脂を溶解した。その粗樹脂溶液に10重量%のNaOH水溶液40gをテトラエチルベンジルアンモニウムクロライド3gとともに添加して、80℃で2時間撹拌した。次いで水200gを用いて3回水洗を繰り返して、メチルイソブチルケトンと共沸によって脱水して、その溶液を濾過した後に、濾液からメチルイソブチルケトンを蒸留回収して目的のエポキシ樹脂を得た。
【0042】
比較例1はエピクロルヒドリンを150℃で蒸留回収した際に、ジメチルスルホキシドの分解物による激しい悪臭が発生して、さらにエポキシ樹脂も真っ黒に変色した。また比較例2ではエピクロルヒドリンを蒸留回収中に、エポキシ樹脂がゲル化した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
表1及び表2中、「CN」は、オルソクレゾールノボラック樹脂、「DCPD」はフェノール−ジシクロペンタジエン重付加物、「BPA」はビスフェノールAをそれぞれ表す。
また、上記各実施例及び比較例で用いた、オルソクレゾールノボラック樹脂は軟化点100℃、水酸基当量120g/eqであり、フェノール−ジシクロペンタジエン重付加物は軟化点95℃、水酸基当量170g/eqのものである。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、不純物塩素含有量が低減された高純度エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂の着色やゲル化といった品質低下を招くことなく、工業的生産過程で生産性よく製造でき、かつ、環境への影響のない製造方法を提供できる。
従って、本発明によって得られた高純度エポキシ樹脂は、配線幅が狭い半導体用の半導体封止材料に良好に適用できる。
Claims (4)
- フェノール類化合物(a)とエピハロヒドリン(b)とを、有機溶媒(c)とアルカリ金属水酸化物(d)の存在下で反応させてエポキシ樹脂を製造する方法において、有機溶媒(c)として、120℃以下の沸点(常圧)と30以上(20℃)の誘電率をもつニトリル基含有非プロトン性極性溶媒(c1)と共に、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒又はケトン系溶媒(c2)を用い、前記非プロトン性極性溶媒(c1)100重量部に対し、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒又はケトン系溶媒(c2)を20〜300重量部の範囲で用いることを特徴とする高純度エポキシ樹脂の製造方法。
- ニトリル基含有非プロトン性極性溶媒(c1)がアセトニトリルであることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂の製造方法。
- フェノール類化合物(a)がビスフェノール化合物、フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応物、又はフェノール類と不飽和炭化水素化合物との重付加反応物である請求項1又は2記載の製造方法。
- 反応温度が20〜80℃の範囲である請求項1〜3の何れか1つに記載の製造方法。
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