JPH0748425A - ノボラック樹脂のグリシジルエーテルの製造法 - Google Patents

ノボラック樹脂のグリシジルエーテルの製造法

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JPH0748425A
JPH0748425A JP3516894A JP3516894A JPH0748425A JP H0748425 A JPH0748425 A JP H0748425A JP 3516894 A JP3516894 A JP 3516894A JP 3516894 A JP3516894 A JP 3516894A JP H0748425 A JPH0748425 A JP H0748425A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2核体含量が少なく、分子量分布の狭いノボ
ラック樹脂のグリシジルエーテルの製造法を提供する。 【構成】 フェノール類と過剰量(モル)のホルムアル
デヒドとをレゾール化触媒を用いて反応させたのち、前
記フェノール類との合計量(モル)が、前記反応におい
て反応したホルムアルデヒドの量(モル)に対して、過
剰となるようにフェノール類をさらに追加し、酸性触媒
を用いて実質的にホルムアルデヒドの存在しない条件下
で縮合反応して得たノボラック樹脂と、エピハロヒドリ
ンをアルカリ金属水酸化物の存在下でグリシジルエーテ
ル化するノボラック樹脂のグリシジルエーテルの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なノボラック樹脂お
よびそのグリシジルエーテルの製造法に関し、さらに詳
しくは2核体含量が少なく、分子量分布の狭いノボラッ
ク樹脂およびそのグリシジルエーテルの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ノボラック樹脂のグリシジルエーテル
は、多官能エポキシ樹脂としてノボラック樹脂またはそ
の他硬化剤と組合せ、多用されている。
【0003】従来、ノボラックのグリシジルエーテルの
原料として使用するノボラック樹脂は、フェノール類と
ホルムアルデヒドとを酸性触媒下において縮合反応させ
ることにより製造され、また稀には、アルカリなどのレ
ゾール化触媒の存在下にて、予備反応を行なったのち、
さらに酸性触媒下において、縮合反応を行なわせること
により製造されている(SRIレポートNo.93第8
1頁(1976年3月))。そしてこのノボラック樹脂
は、用いたフェノール類をメチレン基で結合した構造を
もち、2核体および3核体以上からなる分子量分布をも
つことは良く知られていることである。このノボラック
樹脂の2核体成分の量は、ノボラック樹脂の平均分子量
が大きくなるに従って、少なくなる傾向にあることが知
られており、本発明者等の実験によれば、例えば、オル
ソクレゾールノボラック樹脂の場合、軟化点90℃(G
PCによる平均分子量530)のそれの2核体含量は、
約10重量%であり、同じく軟化点110℃(GPCに
よる平均分子量710)のそれの2核体含量は、約5重
量%であった。
【0004】本発明者等は、ノボラック樹脂のグリシジ
ルエーテルを用いた熱硬化性樹脂組成物について、種々
検討した結果、ノボラック樹脂中の2核体含量を低減す
ることにより、より優れた耐熱性,耐湿性をもつ熱硬化
性樹脂組成物が得られるとの知見を得るに至った。しか
しながら、従来の方法によるノボラック樹脂の製造法に
よれば、2核体含量を低下させるためには、ノボラック
樹脂の分子量を大きくする必要があり、これは、ノボラ
ック樹脂の溶液粘度、あるいは溶融粘度を上昇させるこ
ととなって、熱硬化性組成物としての流動性,成形性を
損なう結果となる。したがって、耐熱性,耐湿性の優れ
たノボラック樹脂を得ようとすると、その流動性,成形
性を損なってしまうと云う、二律背反の結果となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造法によるノ
ボラック樹脂から、その含有する2核体成分を取り除く
方法として、(1)ゲル浸透(分子ふるい)による方
法、および(2)貧溶媒による分別沈澱法、などが容易
に考えられるが、いずれも工業的に有利な方法とは云え
ないことは明らかである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】発明者等は平均
分子量を上げることなく、2核体含量の少ないノボラッ
ク樹脂の製造法について鋭意検討を重ねた結果本発明に
到達した。
【0007】本発明は、フェノール類と過剰量(モル)
のホルムアルデヒドとをレゾール化触媒を用いて反応さ
せたのち、前記フェノール類との合計量(モル)が、前
記反応において反応したホルムアルデヒドの量(モル)
に対して、過剰となるようにフェノール類をさらに追加
し、酸性触媒を用いて実質的にホルムアルデヒドの存在
しない条件下で縮合反応して得たノボラック樹脂と、エ
ピハロヒドリンをアルカリ金属水酸化物の存在下でグリ
シジルエーテル化することにより、流動性,成形性に優
れ、かつ2核体含量の極端に少ないノボラック樹脂のグ
リシジルエーテルを製造する方法である。
【0008】本発明の方法によって得られるノボラック
樹脂は2核体が実質的にほとんど存在しないため同一の
軟化点を有する従来の製造法によるノボラック樹脂に比
べ、その溶液粘度,溶融粘度が低く、またGPCから求
められるMw/Mnは小さく、分子量分布はシャープで
ある。また、本発明のノボラック樹脂にエピクロルヒド
リンを反応させて得られるノボラック樹脂のグリシジル
エーテルについても同様の性質を示す。
【0009】以上のように本発明は、従来の製造法によ
っては到底なし得ない、実質的に2核体が存在せず、流
動性,成形性の優れたノボラック樹脂のグリシジルエー
テルの製造法を提供するものであり、得られた樹脂はア
ドバンスドコンポジット、半導体素子の封止材等の熱硬
化性樹脂組成物の構成成分として好適である。
【0010】以下に本発明を詳細に述べる。
【0011】本発明のノボラック樹脂の製造法は大きく
2つの工程に分けることが出来る。第1工程は、フェノ
ール類と過剰量のホルムアルデヒドとを、レゾール化触
媒を用いて反応させる工程であり、この工程の終了後に
おいて、フェノール類のホルムアルデヒドと反応性を有
する核水素は、実質的にホルムアルデヒドと全て結合
し、メチレン基,メチロール基、ジメチレンエーテル基
を形成しているものと考えられる。
【0012】本発明の第1工程で使用されるフェノール
類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、
レゾルシンに代表されるフェノール類であって、少なく
とも、ホルムアルデヒドと容易に反応する核水素を1分
子内に2個以上有するものが用いられる。
【0013】本発明に用いるホルムアルデヒドは、ホル
マリンのような水溶液、パラホルム、トリオキサンのよ
うな固形、およびガス状の何れでも同様に用いることが
出来る。ただしホルマリンのように水溶液の形のもの
が、工業的には最も取扱い易い。
【0014】ホルムアルデヒドはフェノール類1mol
に対し1molを越えて用いることが本発明の一つの要
件である。ホルムアルデヒドの過剰量の好ましい範囲は
フェノール類1molに対し、1.05〜3.0mol
であり、最適な範囲は1.3mol〜2.0molの範
囲にある。
【0015】ホルムアルデヒドの過剰量が大きすぎる
と、第1工程終了後、未反応のホルムアルデヒドが多量
に残ることになり、好ましくない。また、ホルムアルデ
ヒドの過剰量が、小さすぎると、第1工程において多く
のメチレン結合を形成するため反応生成物の分子量が大
きくなりすぎ、その結果最終的なノボラック樹脂の分子
量も大きくなるため、流動性,成形性が悪化する。
【0016】本発明の第1工程に用いるレゾール化触媒
とはアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸
化物およびこれらの有機酸塩であって、フェノール樹脂
のレゾール化反応触媒として公知のものが用いられる。
具体的には、LiOH,NaOH,KOH,Mg(O
H)2 ,Ca(OH)2 ,Na2 CO3 ,ピリジン,酢
酸亜鉛などが挙げられる。
【0017】本発明の第1工程の反応は、30℃〜15
0℃、好ましくは60〜110℃の温度において行なわ
れる。反応時間は通常30分〜5時間の範囲にあるが、
ここで大切なことは、フェノール類の反応に関与すべき
核水素が実質的に全て反応するに必要な反応時間を採用
することである。
【0018】工業的に製造する場合、反応熱による急激
な温度上昇をさける目的で、反応剤の一部を反応器に逐
次または段階的に添加する方法が採用されるが、本発明
の第1工程においてもこの方法が採用出来る。フェノー
ル類およびホルムアルデヒドのどちらか、あるいは双方
を反応器に連続的に添加する方法により、反応すること
が出来るが、最終的にホルムアルデヒドはフェノール類
に対して過剰量を加える必要がある。
【0019】本発明の第1工程において、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのような、不活性で、反応生成物を溶解
するような溶媒を、反応の最初、途中あるいは終了後に
添加することは、反応生成物の粘度を低下し、取扱い性
を向上する意味で、有効な手段の一つである。
【0020】第1工程終了後、わずかの未反応のホルム
アルデヒドは、水洗分離あるいは、蒸留等の操作によ
り、反応生成物より取り除くことができる。
【0021】本発明の第2工程は、第1工程において反
応したホルムアルデヒドの量に対して、第1工程に用い
たフェノール類との合計量が過剰となるようにフェノー
ル類をさらに追加し、酸性触媒を用いて、実質的にホル
ムアルデヒドの存在しない条件下で縮合反応を行なう工
程である。
【0022】ここで第2工程における過剰のフェノール
類の追加とは、第1工程で用いたフェノール類と第2工
程で追加するフェノール類の合計量が第1工程において
反応したホルムアルデヒドの量に対して過剰であること
を意味している。第1工程におけるホルムアルデヒドの
反応量は反応前のホルムアルデヒドの仕込量から、反応
終了後、反応生成物中に残存するホルムアルデヒドを分
析し、差し引けば容易に判る。このフェノール類の合計
量の過剰量は、前記ホルムアルデヒド1molに対し、
1molを越える量、好ましくは1.2〜15mol、
さらに好適には、1.4〜5molの範囲がよい。
【0023】第2工程におけるフェノール類の過剰量が
大きすぎると、第2工程終了後、未反応のフェノール類
がノボラック樹脂中に多く残り、蒸留等の分離操作に多
大の労力を要する。また、フェノール類の過剰量が少な
すぎると、第2工程において、高分子量となって、本発
明の意図する流動性,成形性が損なわれてしまう。
【0024】第2工程において用いるフェノール類は、
前記第1工程で用いたフェノール類と同じかまたは、種
類の異なったフェノール類である。また第2工程におい
てのみ使用出来るフェノール類として、ホルムアルデヒ
ドあるいはメチロール基と反応できる核水素を1個しか
有しない、2置換フェノール類例えば2,6キシレノー
ルなどがある。
【0025】本発明の目的とする2核体の少ないノボラ
ック樹脂のグリシジルエーテルの製造法の重要なポイン
トは、原料となるノボラック樹脂の第2工程において酸
性触媒を用い、実質的にホルムアルデヒドの存在しない
条件下で縮合反応を行なうところにある。
【0026】第1工程において得られた反応生成物中に
はレゾール化触媒を用いているため、その分子中にホル
ムアルデヒドの発生源となるジメチレンエーテル基およ
びホルマール基などを含んでいる。
【0027】第2工程は過剰のフェノール類の存在下に
おいて、第1工程の反応生成物中のメチロール基とフェ
ノール類との縮合反応を行なわしめる工程であるが、こ
の酸性反応条件下において、ジメチレンエーテル基およ
びホルマール基などが分解し、ホルムアルデヒドを発生
する。このホルムアルデヒドが第2工程の反応系に存在
すると過剰のフェノール類と反応して、2核体を生成す
る原因となる。
【0028】本発明の第2工程においては、実質的にホ
ルムアルデヒドの存在しない条件下で、縮合反応を行な
わしめるのであるが、そのための具体的な例として分解
発生するホルムアルデヒドを、逐次常圧または減圧蒸留
によって反応系外へ取り出す方法がある。
【0029】本発明の第2工程に用いる酸性触媒は、従
来のノボラック製造に用いる公知のものを用いることが
できる。例えばギ酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン
酸、塩酸、硫酸、リン酸、およびポリリン酸などが好適
である。
【0030】反応は、無溶媒でも実施できるが、反応系
の粘度を下げるため、ベンゼン、トルエン、キシレン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのような
溶媒共存下で行なうことが好ましい。第2工程において
溶媒を用いることのもう一つの利点は、溶媒の蒸発とと
もに、ホルムアルデヒドを反応系から抜き出すことがで
きることである。反応系中に実質的にホルムアルデヒド
を存在させないために、酸性触媒の量、反応温度は慎重
に決定する必要がある。第2工程に用いる酸性触媒の量
は第1工程の反応生成物100重量部に対し、0.02
〜10重量部、好ましくは0.1〜3.0重量部である
が、ホルムアルデヒドを反応系から除去するため、分割
して添加することも有効である。
【0031】反応温度は、40℃〜200℃の範囲、好
ましくは50℃〜180℃の範囲で行なわれる。反応温
度は、第2工程において等温である必要はなく、実質的
にホルムアルデヒドが存在しなくなったら、温度を高く
する方が縮合反応を進めるので有利である。
【0032】第2工程終了後、得られたノボラック樹脂
中に残存する未反応フェノール類は、蒸溜、スチーム蒸
溜などの常法によって除去し、ノボラック樹脂を得る。
【0033】次に本発明の製造法によって得られたノボ
ラック樹脂のグリシジルエーテルの製造法について述べ
る。
【0034】ノボラック樹脂をグリシジルエーテル化す
るには、通常の一価または多価のフェノールからそのグ
リシジルエーテルを製造するのに用いられる方法が適用
できる。例えば一価または多価フェノール類をエピハロ
ヒドリンに溶解し、この溶液にアルカリ金属水酸化物を
連続的に添加し、エピハロヒドリンと反応させたのち、
グリシジルエーテルを分離する製造法において、多価フ
ェノールに変えて、本発明の製造法によるノボラック樹
脂を用いて製造することができる。
【0035】グリシジル化反応に用いるエピハロヒドリ
ンとして、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、
エピヨウドヒドリンなどが挙げられるが、工業的にはエ
ピクロルヒドリンが多用される。また稀にはエピハロヒ
ドリンに変えてβ位にアルキル基の付加したクロルヒド
リン、例えばβメチルエピクロルヒドリンなども用いる
ことができる。
【0036】アルカリ金属水酸化物の例としては、Li
OH,NaOH,KOHなどがあり、固形または水溶液
の形で用いられる。そしてその添加量は一価または多価
フェノールの水酸基に対してほぼ当量である。
【0037】グリシジル化反応は、大気圧下または減圧
下において、室温から130℃の温度範囲で行なわれる
が、一般的には40℃〜80℃の温度で実施されること
が多い。
【0038】またこのグリシジル化反応に対し、触媒と
してアルキルオニウム塩が併用されることもある。オニ
ウム塩の例としては、第四級アンモニウム塩、第四級ホ
スホニウム塩などであるが、具体的にはテトラメチルア
ンモニウムクロリド、エチルトリフェニルホスホニウム
ブロマイドなどの化合物である。これらの触媒の添加量
は、一般に一価または多価フェノールの水酸基に対し、
1/20当量〜1/1000当量である。
【0039】このグリシジル化反応を、多種溶媒の共存
下において実施することができる。各種溶媒の例とし
て、アルコール類、ケトン類、エーテル類および非プロ
トン性極性溶媒が挙げられる。
【0040】特開昭58−189223号公報には、環
状または直鎖状エーテル化合物の存在下で、また特開昭
188870号公報には環状または直鎖状エーテル化合
物と第四級アンモニウム塩の共存下でグリシジル化反応
を行なう方法が提案されている。
【0041】さらに特開昭60−31516号公報には
環状または直鎖状エーテルと非プロトン性極性溶媒の共
存下で、また特開昭60−31517号公報には非プロ
トン性極性溶媒の存在下において、グリシジル化反応を
行なう方法も提案されている。
【0042】また我々は、アルコール類とケトン類およ
びまたは、エーテル類との存在下でグリシジル化反応を
行なうことにより、不純物の少ないグリシジル化合物の
得られることを見出し、すでに提案した。
【0043】以上述べたように、本発明のグリシジル化
反応において、各種溶媒の1種または2種以上の共存下
で、実施することができ、また、オニウム塩等を触媒と
して併用することもできる。
【0044】Gabriel等(Makromol.C
hem.179,1661〜1671(1978))
は、フェノール類にアルカリ金属水酸化物をあらかじめ
反応させ、フェノール性水酸基が、Naと結合したフェ
ノラートとし、これとエピクロルヒドリンとを反応させ
る方法を提案しているが、本発明のノボラック樹脂のグ
リシジル化反応にも適用できる。
【0045】
【実施例】以下実施例をあげて、さらに具体的な説明を
する。
【0046】実施例1 (1)ノボラック樹脂の製造 温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌器を取り付けた2リ
ットルのセパラブルフラスコに、オルソクレゾール3.
0mol、NaOH0.06molを加え、ホルムアル
デヒド4.8molをホルマリン水溶液(37%)とし
て、1.5時間で滴下した。滴下開始の温度は80℃で
あったがその後95℃に保温した。ホルマリンの滴下終
了後、保温したまま、1.0時間反応を続けたのち、メ
チルイソブチルケトン(MIBK)330gを反応フラ
スコに加えた。撹拌を停止すると、反応生成物の溶解し
たMIBK層と、水層に相分離した。この水層部には未
反応のホルムアルデヒド0.336molが存在してお
り、この第一工程におけるホルムアルデヒドの反応率は
93%であった。水層部を分液し、さらに水にて1回洗
浄したのち、第2工程の反応に供した。
【0047】上記反応生成物のMIBK溶液に、オルソ
クレゾール3.5molを加えたのち酸性触媒としてシ
ュウ酸0.015molを加え、減圧下、MIBKの還
流条件(約75℃)で、冷却器により凝縮したホルムア
ルデヒド水溶液を、除去しながら、1.5時間反応し
た。その後さらに、シュウ酸0.06molを加え、同
じように2.5時間反応を続けたのち、MIBKおよ
び、未反応オルソクレゾールを蒸留により除去し、常温
で固体の淡黄色の樹脂を得た。
【0048】この樹脂の軟化点(環球法,JIS−K
2581)は108℃であった。またこの樹脂をブチル
カルビトールに40%固形分で溶解した溶液粘度(キヤ
ノンフェンスケ粘度計25℃)は386cstであっ
た。この樹脂をテトラヒドロフランに溶解しGPC(ゲ
ルパーメーションクロマトグラム;カラムショーデック
ス804,803,802,802 4本連結)にて測
定した結果を第1図に示す。GPCから計算した数平均
分子量(Mn)は736,重量平均分子量(Mw)との
比率(Mw/Mn)は1.38であり、2核体部分の面
積%は1.5%であった。
【0049】(2)ノボラック樹脂のグリシジルエーテ
ルの製造 温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌機を取り付けた2リ
ットルのセパラブルフラスコに、前記(1)で得られた
オルソクレゾールノボラック樹脂120g、エピクロル
ヒドリン650g、イソプロピルアルコール150gを
仕込み、撹拌、溶解した。60℃に加熱したのち、滴下
ロートから苛性ソーダの48%水溶液93gを3時間か
けて滴下した。反応中は減圧で還流条件下に保ち、60
℃に温度制御を行なった。滴下終了後、30分間撹拌を
続けたのち、未反応のエピクロルヒドリンおよびイソプ
ロピルアルコール、アセトン、水を減圧留去した。得ら
れた樹脂は食塩を含むのでトルエンに溶解したのち水洗
し、トルエンを回収して、ノボラック樹脂のグリシジル
エーテルを得た。
【0050】この樹脂のエポキシ当量は202であり、
軟化点は83℃であった。
【0051】前記と同様の条件でGPC測定した結果を
第2図に示す。GPCから計算したMnは1140、M
w/Mnは1.49、2核体部分の面積%は1.4であ
った。
【0052】比較例1 (1)ノボラック樹脂の製造 温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌機を取り付けた2リ
ットルのセパラブルフラスコに、オルソクレゾール2m
ol、シュウ酸0.04molを加え溶解したのち、9
5℃に昇温し、ホルムアルデヒド1.8molを、ホル
マリン水溶液(37%)として1.5時間で滴下した。
その後、95℃に保温したまま8時間反応を続けた。反
応生成物にトルエン500gを加え、樹脂のトルエン溶
液を分離し、水洗を行なって、未反応ホルムアルデヒド
およびシュウ酸を除去したのち、トルエンを留去し、淡
黄色のノボラック樹脂を得た。この樹脂の軟化点は10
4℃、ブチルカルビトール溶液の粘度は3.90cst
であった。また前記同様の方法でGPCを測定した結果
を第1図に示す。GPCから計算したMnは630、M
w/Mnは1.56、2核体部分の面積%は6.6%で
あった。
【0053】(2)ノボラック樹脂のグリシジルエーテ
ルの製造 用いるノボラック樹脂が比較例1−(1)で得られたも
のである以外は、実施例1−(2)に示した方法と全く
同じようにしてグリシジルエーテルを製造した。
【0054】この樹脂のエポキシ当量は199であり、
軟化点は72℃であった。
【0055】前記と同様の条件でGPC測定した結果を
第2図に併せて示す。GPCから計算したMnは105
7、Mw/Mnは1.60、2核体の面積%は6.5で
あった。
【0056】実施例2〜3 表1に示すような第1工程に用いるオルソクレゾールの
量、ホルムアルデヒドの量および第2工程のフェノール
類の量を使用した以外は実施例1−(1)と同じ方法で
ノボラック樹脂を得、この樹脂を用いて実施例1−
(2)と同様にグリシジルエーテル化を行なった。
【0057】得られたノボラック樹脂の軟化点、ブチル
カルビトール溶液の粘度、GPC測定から得られるM
n、Mw/Mnおよび2核体面積%を表1に示す。また
このノボラック樹脂を原料とするグリシジルエーテルの
エポキシ当量、軟化点およびGPCから得られるMn、
Mw/Mn、2核体面積%を表1に併せて示す。
【0058】比較例2 実施例1−(1)と全く同じように第1工程の反応を進
めたのち、第2工程において、減圧、還流することな
く、ホルムアルデヒドを反応系外へ抜きださずに縮合反
応を行なった。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】実施例と比較例を比較すれば、本発明の
製造法によるノボラック樹脂およびそのグリシジルエー
テルは、2核体含量が極端に少なく、本発明の効果は明
らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例1で得られたノボラック
樹脂のGPCクロマトグラム
【図2】同じくノボラック樹脂のグリシジルエーテルの
GPCクロマトグラム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類と過剰量(モル)のホルム
    アルデヒドとをレゾール化触媒を用いて反応させたの
    ち、前記フェノール類との合計量(モル)が、前記反応
    において反応したホルムアルデヒドの量(モル)に対し
    て、過剰となるようにフェノール類をさらに追加し、酸
    性触媒を用いて実質的にホルムアルデヒドの存在しない
    条件下で縮合反応して得たノボラック樹脂と、エピハロ
    ヒドリンをアルカリ金属水酸化物の存在下でグリシジル
    エーテル化することを特徴とするノボラック樹脂のグリ
    シジルエーテルの製造法。
  2. 【請求項2】 フェノール類が、次の一般式で表わされ
    る化合物である請求項1記載のノボラック樹脂のグリシ
    ジルエーテルの製造法。 【化1】 (式中R1 〜R3 は水素原子、炭素数1〜8個のアルキ
    ル基、アリル基およびハロゲン原子から選ばれた同一ま
    たは異なる基である。)
  3. 【請求項3】 フェノール類がo−クレゾール、p−ク
    レゾール、p−tertブチルフェノールである請求項
    1記載のノボラック樹脂のグリシジルエーテルの製造
    法。
  4. 【請求項4】 アルコール類、ケトン類、エーテル類お
    よび非プロトン性極性溶媒の1種または2種以上の共存
    下においてグリシジルエーテル化する請求項1記載のノ
    ボラック樹脂のグリシジルエーテルの製造法。
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