JPH0662731B2 - ノボラック樹脂の製造法 - Google Patents

ノボラック樹脂の製造法

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JPH0662731B2
JPH0662731B2 JP61055069A JP5506986A JPH0662731B2 JP H0662731 B2 JPH0662731 B2 JP H0662731B2 JP 61055069 A JP61055069 A JP 61055069A JP 5506986 A JP5506986 A JP 5506986A JP H0662731 B2 JPH0662731 B2 JP H0662731B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なノボラック樹脂およびそのグリシジルエ
ーテルの製造法に関し、さらに詳しくは2核体含量が少
なく、分子量分布の狭いノボラック樹脂およびそのグリ
シジルエーテルの製造法に関する。
[従来の技術] ノボラック樹脂は多官能ポリフェノールとしてエポキシ
樹脂と組合せ、耐熱性の優れた熱硬化性樹脂組成物とし
て、またそのグリシジルエーテルは、多官能エポキシ樹
脂としてノボラック樹脂またはその他硬化剤と組合せ、
多用されている。
従来、このノボラック樹脂は、フェノール類とホルムア
ルデヒドとを酸性触媒下において縮合反応させることに
より製造され、また稀には、アルカリなどのレゾール化
触媒の存在下にて、予備反応を行なったのち、さらに酸
性触媒下において、縮合反応を行なわせることにより製
造されている(SRIレポートNO.93第81頁(1976年3
月))。そしてこのノボラック樹脂は、用いたフェノー
ル類をメチレン基で結合した構造をもち、2核体および
3核体以上からなる分子量分布をもつことは良く知られ
ていることである。このノボラック樹脂の2核体成分の
量は、ノボラック樹脂の平均分子量が大きくなるに従っ
て、少なくなる傾向にあることが知られており、本発明
者等の実験によれば、例えば、オルソクレゾールノボラ
ック樹脂の場合、軟化点90℃(GPCによる平均分子量53
0)のそれの2核体含量は、約10重量%であり、同じく
軟化点110℃(GPCによる平均分子量710)のそれの2核
体含量は、約5重量%であった。
本発明者等は、ノボラック樹脂、およびそのグリシジル
エーテルを用いた熱硬化性樹脂組成物について、種々検
討した結果、ノボラック樹脂中の2核体含量を低減する
ことにより、より優れた耐熱性,耐湿性をもつ熱硬化性
樹脂組成物が得られるとの知見を得るに至った。しかし
ながら、従来の方法によるノボラックの製造法によれ
ば、2核体含量を低下させるためには、ノボラック樹脂
の分子量を大きくする必要があり、これは、ノボラック
樹脂の溶液粘度、あるいは溶融粘度を上昇させることと
なって、熱硬化性組成物としての流動性,成形性を損な
う結果となる。したがって、耐熱性,耐湿性の優れたノ
ボラック樹脂を得ようとすると、その流動性,成形性を
損なってしまうと云う、二律背反の結果となる。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の製造法によるノボラック樹脂から、その含有する
2核体成分を取り除く方法として、 (1)ゲル浸透(分子ふるい)による方法、および (2)貧溶媒による分別沈澱法、などが容易に考えられ
るが、いずれも工業的に有利な方法とは云えないことは
明らかである。
[問題点を解決するための手段及び作用] 発明者等は平均分子量を上げることなく、2核体含量の
少ないノボラック樹脂の製造法について鋭意検討を重ね
た結果本発明に到達した。
本発明は、フェノール類と過剰量(モル)のホルムアル
デヒドとを、レゾール化触媒を用いて反応させたの、前
記フェノール類との分子量(モル)が、前記反応におい
て反応したホルムアルデヒドの量(モル)に対しして過
剰となるようさらに追加し、酸性触媒下において、実質
的にホルムアルデヒドの存在しない条件下で、縮合反応
を行なうことにより、流動性,成形性に優れ、かつ2核
体含量の極端に少ないノボラック樹脂を製造する方法で
ある。
本発明の方法によって得られるノボラック樹脂は2核体
が実質的にほとんど存在しないため同一の軟化点を有す
る従来の製造法によるノボラック樹脂に比べ、その溶液
粘度,溶融粘度が低く、またGPCから求められるMw/Mn
は小さく、分子量分布はシャープである。また、本発明
のノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させて得
られるノボラック樹脂のグリシジルエーテルについても
同様の性質を示す。
以上のように本発明は、従来の製造法によっては到底な
し得ない、実質的に2核体が存在せず、流動性,成形性
の優れたノボラック樹脂の製造法を提供するものであ
り、得られた樹脂はアドバンスドコンポジット、半導体
素子の封止材等の熱硬化性樹脂組成物の構成成分として
好適である。
以下に本発明を詳細に述べる。
本発明のノボラック樹脂の製造法は大きく2つの工程を
別けることが出来る。第1工程は、フェノール類と過剰
量のホルムアルデヒドとを、レゾール化触媒を用いて反
応させる工程であり、この工程の終了後において、フェ
ノール類のホルムアルデヒドと反応性を有する核水素
は、実質的にホルムアルデヒドと全て結合し、メチレン
基,メチロール基,ジメチレンエーテル基を形成してい
るものと考えられる。
本発明の第1工程で使用されるフェノール類としては、
フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシンに
代表されるフェノール類であって、少なくとも、ホルム
アルデヒドと容易に反応する核水素を1分子内に2個以
上有するものが用いられる。
本発明に用いるホルムアルデヒドは、ホルマリンのよう
な水溶液、パラホルム、トリオキサンのような固形、お
よびガス状の何れでも同様に用いることが出来る。ただ
しホルマリンのように水溶液の形のものが、工業的には
最も取扱い易い。
ホルムアルデヒドはフェノール類1molに対し1molを越
えて用いることが本発明の一つの要件である。ホルムア
ルデヒドの過剰量の好ましい範囲はフェノール類1mol
に対し、1.05〜3.0molであり、最適な範囲は1.3mol〜2.
0molの範囲にある。
ホルムアルデヒドの過剰量が大きすぎると、第1工程終
了後、未反応のホルムアルデヒドが多量に残ることにな
り、好ましくない。また、ホルムアルデヒドの過剰量
が、小さすぎると、第1工程において多くのメチレン結
合を生成するため反応生成物の分子量が大きくなりす
ぎ、その結果最終的なノボラック樹脂の分子量も大きく
なるため、流動性,成形性が悪化する。
本発明の第1工程に用いるレゾール化触媒とはアルカリ
金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物およびこ
れらの有機酸塩であって、フェノール樹脂のレゾール化
反応触媒として公知のものが用いられる。具体的には、
LiOH,NaOH,KOH,Mg(OH),Ca(OH),NaCO,ピリ
ジン,酢酸亜鉛などが挙げられる。
本発明の第1工程の反応は、30℃〜150℃、好ましくは6
0〜110℃の温度において行なわれる。反応時間は通常30
分〜5時間の範囲にあるが、ここで大切なことは、フェ
ノール類の反応に関与すべき核水素が実質的に全て反応
するに必要な反応時間を採用することである。
工業的に製造する場合、反応熱による急激な温度上昇を
さける目的で、反応剤の一部を反応器に逐次または段階
的に添加する方法が採用されるが、本発明の第1工程に
おいてもこの方法が採用出来る。フェノール類およびホ
ルムアルデヒドのどちらか、あるいは双方を反応器に連
続的に添加する方法により、反応することが出来るが、
最終的にホルムアルデヒドはフェノール類に対して過剰
量を加える必要がある。
本発明の第1工程において、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのような、不活性で、反応生成物を溶解するような溶
媒を、反応の最初、途中あるいは終了後に添加すること
は、反応生成物の粘度を低下し、取扱い性を向上する意
味で、有効な手段の一つである。
第1工程終了後、わずかの未反応のホルムアルデヒド
は、水洗分離あるいは、蒸留等の操作により、反応生成
物より取り除くことができる。
本発明の第2工程は、第1工程において反応したホルム
アルデヒドの量に対して、第1工程に用いたフェノール
類との合計量が過剰となるようにフェノール類をさらに
追加し、酸性触媒を用いて、実質的にホルムアルデヒド
の存在しない条件下で縮合反応を行なう工程である。
ここで第2工程における過剰のフェノール類の追加と
は、第1工程で用いたフェノール類と第2工程で追加す
るフェノール類の合計量が第1工程において反応したホ
ルムアルデヒドの量に対して過剰であることを意味して
いる。第1工程におけるホルムアルデヒドの反応量は反
応前のホルムアルデヒドの仕込量から、反応終了後、反
応生成物中に残存するホルムアルデヒドを分析し、差し
引けば容易に判る。このフェノール類の合計量の過剰量
は、前記ホルムアルデヒド1molに対し、1molを越える
量、好ましくは1.2〜15mol、さらに好適には、1.4〜5m
olの範囲がよい。
第2工程におけるフェノール類の過剰量が大きすぎる
と、第2工程終了後、未反応のフェノール類がノボラッ
ク樹脂中に多く残り、蒸留等の分離操作に多大の労力を
要する。また、フェノール類の過剰量が少なすぎると、
第2工程において、高分子量となって、本発明の意図す
る流動性,成形性が損なわれてしまう。
第2工程において用いるフェノール類は、前記第1工程
で用いたフェノール類と同じかまたは、種類の異なった
フェノール類である。また第2工程においてのみ使用出
来るフェノール類としては、ホルムアルデヒドあるいは
メチロール基と反応できる核水素を1個しか有しない、
2置換フェノール類例えば2,6キシレノールなどがあ
る。
本発明の目的とする2核体の少ないノボラック樹脂の製
造法の重要なポイントは、第2工程において酸性触媒を
用い、実質的にホルムアルデヒドの存在しない条件下で
縮合反応を行なうところにある。
第1工程において得られた反応生成物中にはレゾール化
触媒を用いているため、その分子中にホルムアルデヒド
の発生源となるジメチレンエーテル基およびホルマール
基などを含んでいる。
第2工程は過剰のフェノール類の存在下において、第1
工程の反応生成物中のメチロール基とフェノール類との
縮合反応を行なわしめる工程であるが、この酸性反応条
件下において、ジメチレンエーテル基およびホルマール
基などが分解し、ホルムアルデヒドが発生する。このホ
ルムアルデヒドが第2工程の反応系に存在すると過剰の
フェノール類と反応して、2核体を生成する原因とな
る。
本発明の第2工程においては、実質的にホルムアルデヒ
ドの存在しない条件下で、縮合反応を行なわしめるので
あるが、そのための具体的な例として分解発生するホル
ムアルデヒドを、逐次常圧または減圧蒸留によって反応
系外へ取り出す方法がある。
本発明の第2工程に用いる酸性触媒は、従来のノボラッ
ク製造に用いる公知のものを用いることができる。例え
ばギ酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫
酸、リン酸、およびポリリン酸などが好適である。
反応は、無溶媒でも実施できるが、反応系の粘度を下げ
るため、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンのような溶媒共存下で
行なうことが好ましい。第2工程において溶媒を用いる
ことのもう一つの利点は、溶媒の蒸発とともに、ホルム
アルデヒドを反応系から抜き出すことができることであ
る。反応系中に実質的にホルムアルデヒドを存在させな
いために、酸性触媒の量、反応温度は慎重に決定する必
要がある。第2工程に用いる酸性触媒の量は第1工程の
反応生成物100重量部に対し、0.02〜10重量部、好まし
くは0.1〜3.0重量部であるが、ホルムアルデヒドを反応
系から除去するため、分割して添加することも有効であ
る。
反応温度は、40℃〜200℃の範囲、好ましくは50℃〜180
℃の範囲で行なわれる。反応温度は、第2工程において
等温である必要はなく、実質的にホルムアルデヒドが存
在しなくなったら、温度を高くする方が縮合反応を進め
るので有利である。
第2工程終了後、得られたノボラック樹脂中に残存する
未反応フェノール類は、蒸溜、スチーム蒸溜などの常法
によって除去し、ノボラック樹脂を得る。
次に本発明の製造法によって得られたノボラック樹脂の
グリシジルエーテルの製造法について述べる。
ノボラック樹脂をグリシジルエーテル化するには、通常
の一価または多価のフェノールからそのグリシジルエー
テルを製造するのに用いられる方法が適用できる。例え
ば一価または多価フェノール類をエピハロヒドリンに溶
解し、この溶液にアルカリ金属水酸化物を連続的に添加
し、エピハロヒドリンと反応させたのち、グリシジルエ
ーテルを分離する製造法において、多価フェノールに変
えて、本発明の製造法によるノボラック樹脂を用いて製
造することができる。
グリシジル化反応に用いるエピハロヒドリンとして、エ
ピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨウドヒ
ドリンなどが挙げられるが、工業的にはエピクロルヒド
リンが多用される。また稀にはエピハロヒドリンに変え
てβ位にアルキル基を付加したクロルヒドリン、例えば
βメチルエピクロルヒドリンなども用いることができ
る。
アルカリ金属水酸化物の例としては、LiOH,NaOH,KOHな
どがあり、固形または水溶液の形で用いられる。そして
その添加量は一価または多価フェノールの水酸基に対し
てほぼ当量である。
グリシジル化反応は、大気圧下または減圧下において、
室温から130℃の温度範囲で行なわれるが、一般的には4
0℃〜80℃の温度で実施されることが多い。
またこのグリシジル化反応に対し、触媒としてアルキル
オニウム塩が併用されることもある。オニウム塩の例と
しては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩
などであるが、具体的にはテトラメチルアンモニウムク
ロリド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイドな
どの化合物である。これらの触媒の添加量は、一般に一
価または多価フェノールの水酸基に対、1/20当量〜1/10
00当量である。
このグリシジル化反応を、多種溶媒の共存下において実
施することができる。各種溶媒の例として、アルコール
類、ケトン類、エーテル類および非プロトン性極性溶媒
が挙げられる。
特開昭58−189223号公報には、環状または直鎖状エーテ
ル化合物の存在下で、また特開昭188870号公報には環状
または直鎖状エーテル化合物と第四級アンモニウム塩の
共存下でグリシジル化反応を行なう方法が提案されてい
る。
さらに特開昭60−31516号公報には環状または直鎖状エ
ーテルと非プロトン性極性溶媒の共存下で、また特開昭
60−31517号公報には非プロトン性極性溶媒の存在下に
おいて、グリシジル化反応を行なう方法も提案されてい
る。
また我々は、アルコール類とケトン類およびまたは、エ
ーテル類との存在下でグリシジル化反応を行なうことに
より、不純物の少ないグリシジル化合物の得られること
を見出し、すでに提案した。
以上述べたように、本発明のグリシジル化反応におい
て、各種溶媒の1種または2種以上の共存下で、実施す
ることができ、また、オニウム塩等を触媒として併用す
ることもできる。
Gabriel等(Makromol.Chem.179,1661〜1671(1978))
は、フェノール類にアルカリ金属水酸化物をあらかじめ
反応させ、フェノール性水酸基が、Naと結合したフェノ
ラートとし、これとエピクロルヒドリンとを反応させる
方法を提案しているが、本発明のノボラック樹脂のグリ
シジル化反応にも適用できる。
[実施例] 以下実施例をあげて、さらに具体的な説明をする。尚、
実施例で得たノボラック樹脂よりグリシジルエーテルを
製造し、参考例として併せて示す。
実施例1 (1)ノボラック樹脂の製造 温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌器を取り付けた2
のセパラブルフラスコに、オルソクレゾール3.0mol、Na
OH0.06molを加え、ホルムアルデヒド4.8molをホルマリ
ン水溶液(37%)として、1.5時間で滴下した。滴下開
始の温度は80℃であったがその後95℃に保温した。ホル
マリンの滴下終了後、保温したまま、1.0時間反応を続
けたのち、メチルイソブチルケトン(MIBK)330gを反応
フラスコに加えた。撹拌を停止すると、反応生成物の溶
解したMIBK層と、水層に相分離した。この水層部には未
反応のホルムアルデヒド0.336molが存在しており、この
第一工程におけるホルムアルデヒドの反応率は93%であ
った。水層部を分液し、さらに水にて1回洗浄したの
ち、第2工程の反応に供した。
上記反応生成物のMIBK溶液に、オルソクレゾール3.5mol
を加えたのち酸性触媒としてシュウ酸0.015molを加え、
減圧下、MIBKの還流条件(約75℃)で、冷却器により凝
縮したホルムアルデヒド水溶液を、除去しながら、1.5
時間反応した。その後さらに、シュウ酸0.06molを加
え、同じように2.5時間反応を続けたのち、MIBKおよ
び、未反応オルソクレゾールを蒸留により除去し、常温
で固体の淡黄色の樹脂を得た。
この樹脂の軟化点(環球法,JIS−K2581)は108℃であっ
た。またこの樹脂をブチルカルビトールに40%固形分で
溶解した溶液粘度(キャノンフェンスケ粘度計25℃)は
386cstであった。この樹脂をテトラヒドロフランに溶解
しGPC(ゲルパーメーションクロマトグラム;カラムシ
ョーデックス804,803,802,802 4本連結)にて測定し
た結果を第1図に示す。GPCから計算した数平均分子量
(Mn)は736,重量平均分子量(Mw)との比率(Mw/Mn)
は1.38であり、2核体部分の面積%は1.5%であった。
(2)ノボラック樹脂のグリシジルエーテルの製造 温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌機を取り付けた2
のセパラブルフラスコに、前記(1)で得られたオルソ
クレゾールノボラック樹脂120g、エピクロルヒドリン65
0g、イソプロピルアルコール150gを仕込み、撹拌、溶解
した。60℃に加熱したのち、滴下ロートから苛性ソーダ
の48%水溶液93gを3時間かけて滴下した。反応中は減
圧で還流条件下に保ち、60℃に温度制御を行なった。滴
下終了後、30分間撹拌を続けたのち、未反応のエピクロ
ルヒドリンおよびイソプロピルアルコール、アセトン、
水を減圧留去した。得られた樹脂は食塩を含むのでトル
エンに溶解したのち水洗し、トルエンを回収して、ノボ
ラック樹脂のグリシジルエーテルを得た。
この樹脂のエポキシ当量は202であり、軟化点は83℃で
あった。
前記と同様の条件でGPC測定した結果を第2図に示す。G
PCから計算したMnは1140、Mw/Mnは1.49、2核体部分の
面積%は1.4であった。
比較例1 (1)ノボラック樹脂の製造 温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌機を取り付けた2
のセパラブルフラスコにオルソクレゾール2mol、シュ
ウ酸0.04molを加え溶解したのち、95℃に昇温し、ホル
ムアルデヒド1.8molを、ホルマリン水溶液(37%)とし
て1.5時間で滴下した。その後、95℃に保温したまま8
時間反応を続けた。反応生成物にトルエン500gを加え、
樹脂のトルエン溶液を分離し、水洗を行なって、未反応
ホルムアルデヒドおよびシュウ酸を除去したのち、トル
エンを留去し、淡黄色のノボラック樹脂を得た。この樹
脂の軟化点は104℃、ブチルカルビトール溶液の粘度は
3.90cstであった。また前記同様の方法でGPCを測定した
結果を第1図に示す。GPCから計算したMnは630、Mw/Mn
は1.56、2核体部分の面積%は6.6%であった。
(2)ノボラック樹脂のグリシジルエーテルの製造 用いるノボラック樹脂が比較例1−(1)で得られたも
のである以外は、実施例1−(2)に示した方法と全く
同じようにしてグリシジルエーテルを製造した。
この樹脂のエポキシ当量は199であり、軟化点は72℃で
あった。
前記と同様の条件でGPC測定した結果を第2図に併せて
示す。GPCから計算したMnは1057、Mw/Mnは1.60、2核
体の面積%は6.5であった。
実施例2〜3 表1に示すような第1工程に用いるオルソクレゾールの
量、ホルムアルデヒドの量および第2工程のフェノール
類の量を使用した以外は実施例1−(1)と同じ方法で
ノボラック樹脂を得、この樹脂を用いて実施例1−
(2)と同様にグリシジルエーテル化を行なった。
得られたノボラック樹脂の軟化点、ブチルカルビトール
溶液の粘度、GPC測定から得られるMn、Mw/Mnおよび2
核体面積%を表1に示す。またこのノボラック樹脂を原
料とするグリシジルエーテルのエポキシ当量、軟化点お
よびGPCから得られるMn、Mw/Mn、2核体面積%を表1
に併せて示す。
比較例2 実施例1−(1)と全く同じように第1工程の反応を進
めたのち、第2工程において、減圧、還流することな
く、ホルムアルデヒドを反応系外へ抜きださずに縮合反
応を行なった。結果を表1に示す。
[発明の効果] 実施例と比較例を比較すれば、本発明の製造法によるノ
ボラック樹脂およびそのグリシジルエーテルは、2核体
含量が極端に少なく、本発明の効果は明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1および比較例1で得られたノボラッ
ク樹脂のGPCクロマトグラム、第2図は同じくノボラッ
ク樹脂のグリシジルエーテルのGPCクロマトグラムであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール類と過剰量(モル)のホルムア
    ルデヒドとをレゾール化触媒を用いて反応させたのち、
    前記フェノール類との合計量(モル)が、前記反応にお
    いて反応したホルムアルデヒドの量(モル)に対して、
    過剰となるようにフェノール類をさらに追加し、酸性触
    媒を用いて実質的にホルムアルデヒドの存在しない条件
    下で縮合反応することを特徴とするノボラック樹脂の製
    造法。
  2. 【請求項2】フェノール類が、次の一般式で表わされる
    化合物である特許請求の範囲第1項記載のノボラック樹
    脂の製造法。 (式中、R〜Rは水素原子、炭素数1〜8個のアル
    キル基、アリル基およびハロゲン原子から選ばれた同一
    または異なる基である。)
  3. 【請求項3】フェノール類がo−クレゾール、p−クレ
    ゾール、p−tertブチルフェノールである特許請求の範
    囲第1項記載のノボラック樹脂の製造法。
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