JPH07215957A - グリシジルエーテル類の製造法及びそのための連続製造装置 - Google Patents

グリシジルエーテル類の製造法及びそのための連続製造装置

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JPH07215957A
JPH07215957A JP1163194A JP1163194A JPH07215957A JP H07215957 A JPH07215957 A JP H07215957A JP 1163194 A JP1163194 A JP 1163194A JP 1163194 A JP1163194 A JP 1163194A JP H07215957 A JPH07215957 A JP H07215957A
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Japan
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reaction
glycidyl ether
alkali
alcohol
epihalohydrin
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JP1163194A
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Masaharu Kashiyama
雅治 樫山
Katsujirou Hosoki
克次郎 細木
Tetsuo Abe
哲郎 阿部
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩素含有量が少なく高純度のグリシジルエー
テル類を高反応速度・高収率で得ることができる製造法
を提供すること。 【構成】 ヒドロキシル化合物とα−エピハロヒドリン
をアルカリの存在下に縮合させグリシジルエーテル類を
製造する際に、超音波を照射しながら反応させることを
特徴とするグリシジルエーテル類の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリシジルエーテル類の
製造法に関する。更に詳しくはヒドロキシル化合物とα
−エピハロヒドリンとをアルカリの存在下超音波を照射
しながら反応させることを特徴とする、塩素含有量が少
ない高純度グリシジルエーテル類の製造法に関する。グ
リシジルエーテル類のうち、一般に1分子中にエポキシ
基を2個以上含むものはエポキシ樹脂と呼称されてお
り、またエポキシ基を1個含むものは前記エポキシ樹脂
用の反応性希釈剤としてそれぞれ有用であるが、とくに
本発明の実施により得られるグリシジルエーテル類は、
塩素含有量が少ないことから、特に電気絶縁性、機械的
強度、耐腐食性で有利となるために、塗料、接着剤、被
覆剤、成形材料、積層材料、封止剤、構造材料等の分野
でとりわけ有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒドロキシル化合物特にアルコー
ル類とα−エピハロヒドリン化合物を反応させるグリシ
ジルエーテル化合物の製造法としては次の2通りの方法
がある。 (1)アルコールとα−エピハロヒドリンとを酸性触媒
などの存在下でまず付加反応させ、ついでアルカリを添
加して閉環反応を行わせてグリシジルエーテル化合物を
製造する2段法(例えば、特開昭63−135377
号)。 (2)アルコールとα−エピハロヒドリンとをアルカリ
の存在下で反応させて、付加反応と閉環反応とを同時に
行わせてグリシジルエーテル化合物を製造する1段法
(例えば特開昭60−126277号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
の製造方法は付加反応が均一反応であるために収率およ
び水酸基のエポキシ基への変換率は良いものの、グリシ
ジルエーテル中の塩素含有量が多くなる。この塩素分は
吸湿により加水分解され塩素イオンとして遊離してく
る。この遊離した塩素イオンは金属を腐食するために各
種のトラブルを発生することになる。従ってこのような
塩素含量の多いエポキシ樹脂は塗料、接着剤、被覆剤、
積層材料、封止剤等の分野で満足に使用されるものでは
ない。加えてこの製造方法は酸性触媒を使用するので、
装置の腐食、操作上の危険性などの問題があり、また、
2段反応であるため工程が複雑となる。
【0004】(2)の製造方法はアルカリと有機物との
反応であるが、アルコールの酸性度が低いために反応速
度が非常に小さい。その結果、塩素含有量は少ないもの
のグリシジルエーテルの収率が悪く、未反応アルコール
が残存する。特に蒸留による精製が困難なグリシジルエ
ーテルの場合は未反応アルコールの除去が困難であり、
この残存未反応アルコールはエポキシ樹脂の硬化反応に
関与しないため硬化物の機械的強度を低下させるなど好
ましくない結果を与える。本発明は、こうした実状の下
に塩素含有量が少なく高純度のグリシジルエーテル類を
短時間に高収率で得ることが可能な製造法とそのための
製造装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グリシジ
ルエーテル類の製造法について、従来技術の問題点を解
決する改良法を鋭意検討したところ、ヒドロキシル化合
物とα−エピハロヒドリンをアルカリで反応させる1段
階法においてアルカリの少なくとも1種の存在下、超音
波を照射しながら反応させることにより、塩素含有量が
小さく、高純度のグリシジルエーテル類を製造する本発
明の方法を見出した。すなわち、本発明は、ヒドロキシ
ル化合物とα−エピハロヒドリンをアルカリの存在下に
縮合させグリシジルエーテル類を製造する際に、超音波
を照射しながら反応させるグリシジルエーテル類の製造
法に関し、また、本発明は前記グリシジルエーテル類の
製造に有利な連続的製造装置にも関する。本発明におい
て使用されるヒドロキシル化合物としては1価または多
価のアルコール類およびフェノール類が挙げられる。
【0006】1価アルコールとしては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチ
ルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリ
ルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコ
ール、ベンジルアルコール、アリルアルコール、メタリ
ルアルコール等の飽和および不飽和アルコールが挙げら
れる。またこれらのアルコールのアルキレンオキサイド
付加物も含まれる。2価アルコールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキシレングリコール、2,2−ジメ
チルプロパンジオールなど、またはこれらのアルキレン
オキサイド付加物またはポリテトラメチレンエーテルグ
リコール、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加
物が挙げられる。3価以上のアルコールとしてはトリメ
チロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリス
リトール、グリセリン、ジグリセリンなど、またはこれ
らのアルキレンオキサイド付加物、フェノール・ノボラ
ックのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0007】1価のフェノール類としてはフェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ブ
チルフェノール、キシレノール、α−ナフトール、β−
ナフトールなどがあげられる。2価のフェノール類とし
てはカテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、メチルレ
ゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールS、ビスフェノールAD、四臭素化ビスフェ
ノールA、ビフェノールなどがあげられる。3価以上の
フェノール類としては、1,1,2,2−テトラ(ヒド
ロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、臭素
化フェノールノボラック、クレゾールノボラック、臭素
化クレゾールノボラック、レゾルシンノボラック、臭素
化レゾルシンノボラック、ビスフェノールAノボラッ
ク、ナフトールノボラックなどが挙げられる。本発明に
おいて用いられるα−エピハロヒドリンとしては、例え
ばエピヨードヒドリン、エピブロムヒドリン、エピクロ
ルヒドリンなどが挙げられ、工業的にはd1−体のエピ
クロルヒドリンが好ましい。
【0008】本発明において用いられるアルカリとして
は、アルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化
物、または炭酸塩等が挙げられ、例えば水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化リチ
ウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム、酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が
挙げられる。好ましくは、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カルシウム等である。これらのアルカリ
は単独でも、2種以上の混合物であってもよい。またこ
れらのアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物、酸
化物、または炭酸塩等は固形あるいは水溶液として使用
できる。超音波照射を利用する本発明においては、とく
に固形アルカリを使用することにより反応速度を早める
ことができ有利である。本発明ではグリシジルエーテル
類を製造する際に、反応混合物に超音波を照射しながら
反応させるが、その際使用する超音波発生機としては、
超音波洗浄機、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
さらに反応装置の規模により超音波発生機を複数個用い
てもよい。
【0009】本発明での超音波の照射方法としては
(イ)反応容器中に超音波発生機を設置し、反応混合物
に超音波を照射する方法(図1);(ロ)反応容器の外
に超音波発生機を設置し、反応容器から反応混合物を超
音波発生機を通して循環する方法(図2);(ハ)反応
容器を超音波発生機中に設置し、反応容器全体に超音波
を照射する方法(図3)および(ニ)複数の反応容器を
直列に接続し、もしくは反応容器に仕切を設けることに
よって、反応混合物を連続に反応させる方法(例えば図
4および5)がある。本発明でのヒドロキシル化合物、
α−エピハロヒドリン、アルカリの反応中の混合順序と
しては(イ)ヒドロキシル化合物とα−エピハロヒドリ
ンを混合し、ついでアルカリを混合していく方法;
(ロ)ヒドロキシル化合物とアルカリを混合しα−エピ
ハロヒドリンを反応させる方法および(ハ)三者同時に
混合反応させる方法等が用いられる。
【0010】本発明において使用されるヒドロキシル化
合物の水酸基に対するα−エピハロヒドリンの使用量
は、1〜10倍モルが好ましい。1倍モル未満では未反
応水酸基が残存して好ましくなく、10倍モルを越えて
の使用は過剰となって必要ない。特に好ましくは1〜5
倍モルである。共存させるアルカリの使用量はヒドロキ
シル化合物の水酸基に対して1〜4倍モルであり、1倍
モル未満ではヒドロキシル化合物とα−エピハロヒドリ
ンの反応が十分進まず未反応水酸基が残存して好ましく
なく、4倍モルを越えての使用は生成したエポキシ基が
再び開環反応を起こす恐れがある。好ましくは1〜3倍
モルである。本発明を実施するに当っての反応温度は、
使用する原料によって異なるが、一般に0〜120℃の
範囲が好ましい。0℃未満では反応温度の制御に問題が
あり、120℃を越えた場合には製品中の塩素含量およ
びエポキシ当量が高くなる。
【0011】反応は必要により触媒や溶剤を用いてもよ
い。触媒としては第4級塩基性塩やクラウンエーテル等
が挙げられる。第4級塩基性塩としては、第4級アンモ
ニウム塩、第4級ホスホニウム塩または第4級アルソニ
ウム塩等であり、例えば、テトラメチルアンモニウムク
ロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テト
ラプロピルアンモニウムクロライド、テトラブチルアン
モニウムクロライド、トリメチルラウリルアンモニウム
クロライド、トリメチルステアリルアンモニウムクロラ
イド、トリエチルプロピルアンモニウムクロライド、ト
リオクチルアリルアンモニウムクロライド、トリメチル
ベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジル
アンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブ
ロマイド、トリメチルセチルアンモニウムブロマイド、
トリエチルセチルアンモニウムブロマイド、トリエチル
ベンジルアンモニウムブロマイド、トリエチルシクロヘ
キシルアンモニウムブロマイド、フェニルトリメチルア
ンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムヨー
ダイド、テトラブチルアンモニウムヨーダイド、トリメ
チルベンジルアンモニウムヨーダイド、テトラエチルア
ンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモ
ニウムヒドロオキサイドなどの第4級アンモニウム塩、
テトラエチルホスホニウムクロライド、ジメチルジシク
ロヘキシルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチ
ルホスホニウムヨーダイドなどの第4級ホスホニウム
塩、テトラメチルアルソニウムクロライド、テトラエチ
ルアルソニウムブロマイド、テトラエチルアルソニウム
ヒドロオキサイドなどの第4級アルソニウム塩等が挙げ
られる。
【0012】溶剤としては例えばペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン等の低級脂肪族もしくは脂環式炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、メチレンクロライド、ジクロロエタン、ジクロロプ
ロパン等の脂肪族ハロゲン化物、エチルエーテル、2−
メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどの非プロトン性極性溶
媒等が挙げられる。また、反応中は必要により共沸脱水
を行ってもよい。使用する共沸脱水溶媒は反応で使用す
るα−エピハロヒドリン、もしくは前述の溶剤のうち水
と共沸混合物を形成し共沸点が使用するα−エピハロヒ
ドリンよりも低いものを用いればよい。
【0013】さらに必要に応じ、脱水効果を有する無水
のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、燐酸
塩、塩酸塩、硫酸塩や酸化物、モレキュラーシーブなど
の適当量を使用しても差し支えない。反応終了後、グリ
シジルエーテルは通常の方法により取得できる。例えば
反応混合物を濾過し濾過残渣を溶媒で洗浄し、洗液およ
び濾液を蒸留し、溶媒、未反応原料を溜去する。得られ
たグリシジルエーテルは水洗、蒸留するかまたは吸着剤
で脱塩処理して精製すればよい。
【0014】ヒドロキシル基のエポキシ基への変換速度
の早い本発明の製造法は、バッチ方式でもよく、また連
続的に製造する方式も採用することができる。連続的な
製造法を有利に実施するための本発明の製造装置は、ヒ
ドロキシル基のエポキシ基への変換反応が行われる超音
波発生機を備えた反応帯と、その反応帯へ出発材料を供
給する手段、及び反応生成物を反応帯から取出す排出手
段から本質的になる。この場合、前記(ニ)に示した超
音波照射法が好ましい。すなわち、反応帯としては、図
4に示すようにそれぞれ超音波発生機1を配設した反応
器2を直列に複数連ねるか、あるいは図5に示すように
横型の反応器2内を仕切り部材により区画し各区画内に
超音波発生機1を配設するのが好ましい。前記反応器や
区画内には撹拌機3を設けることができる。この反応帯
へ反応材料を供給する供給手段としては、反応材料を予
備的に混合する手段を含むか含まない搬送手段で、例え
ば各必要材料の貯蔵設備と反応帯とを混合装置を経由し
て、または経由せずに接続する配管系5である。この配
管系にはポンプ4などの圧送手段や計量装置を必要に応
じて具備することができる。また、反応生成物を反応帯
から排出する手段は、例えば必要によりポンプなどの搬
送手段を備えた配管系6、弁類である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、%は重量%を示す。実施例(および比較例)にお
いて使用した原料、装置名、および分析の方法は次のと
おりである。 使用原料 略号、商品名 ECH:エピクロルヒドリン 1,6−HG:1,6−ヘキシレングリコール PTG−650:保土ケ谷化学(株)製ポリテトラメチ
レンエーテルグリコール 分子量 700 キョーワード600;協和化学(株)製アルカリ吸着剤 ビスフェノールA:和光純薬(株)製、2,2’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、分子量228 タマノール758:荒川化学(株)フェノールノボラッ
ク、フェノール性水酸基当量=105g/eq 装置 超音波ホモジナイザー:(株)日本精機製作所製US−
600T型(出力:300Wの白色波) 分析方法 全塩素量:樹脂をブチルカルビトールに溶解し、水酸化
カリウムのプロピレングリコール溶液を加え還流状態で
10分間加熱したときに脱離する塩素イオンを硝酸銀溶
液にて滴定で定量し、樹脂中の塩素原子重量を%で表わ
したものである。
【0016】エポキシ当量:JIS K−7236に準
ずる 変換率:計算により求まる目的グリシジルエーテルのエ
ポキシ当量を、得られた樹脂のエポキシ当量で除した値
の百分率。 なお1,6−HG,PTG−650,ビスフェノールA
およびタマノール758のグリシジルエーテル化物の計
算により求まるエポキシ当量は、それぞれ115g/e
q,406g/eq,170g/eqおよび161g/
eqである。
【0017】実施例1 図1に示されるような型式の、超音波ホモジナイザーを
備えた500mLガラス製フラスコに1,6−HG59
g(0.5mol)、ECH370g(4.0mol)
を仕込み、超音波照射下に60〜65℃で粒状水酸化ナ
トリウム60g(1.5mol)を2時間かけて加え、
その後4時間同温度で超音波を照射した。ついで反応混
合物を濾過し濾過残渣をトルエン50gで洗浄し、洗液
および濾液にキョーワード600を10gを加えた。再
び濾過し濾過残渣をトルエン50gで洗浄し、洗液およ
び濾液からECH、トルエンと水を溜去しグリシジルエ
ーテルを104g(収率:90.3%)を得た。このグ
リシジルエーテルのエポキシ当量は125g/eq、全
塩素含量は0.18%で水酸基のエポキシ基への変換率
は92.0%だった。
【0018】比較例1 撹拌機を備えた500mLガラス製フラスコで撹拌しな
がら反応を行った以外は実施例1と同様に実施した。得
られたグリシジルエーテルは86.0g(収率:74.
8%)、エポキシ当量は161g/eq、全塩素含量は
0.19%で水酸基のエポキシ基への変換率は71.4
%だった。 比較例2 撹拌機を備えた500mLガラス製フラスコに1,6−
HG118g(1.0mol)、BF3のエチルエーテ
ル錯体0.5gを仕込み、撹拌下にECH203.5g
(2.2mol)を1時間で滴下した。その後2時間同
温度で撹拌した。次いで粒状水酸化ナトリウム96g
(2.4mol)を2時間かけて加え、さらに3時間同
温度で撹拌した。ついでトルエン300gを加え濾過し
濾過残渣をトルエン50gで洗浄し、洗液および濾液に
キョーワード600を10部を加えた。再び濾過し濾過
残渣をトルエン50gで洗浄し、洗液および濾液からE
CH、トルエンと水を留去しグリシジルエーテルを21
3.9g(収率:93.0%)得た。このグリシジルエ
ーテルのエポキシ当量は128g/eq、全塩素含量は
6.3%で水酸基のエポキシ基への変換率は89.8%
だった。
【0019】実施例2 図1に示されるような型式の、超音波ホモジナイザーを
備えた500mLガラス製フラスコにPTG−650
175g(0.25mol)、ECH185g(2.0
mol)を加え、撹拌かつ超音波照射下に60〜65℃
で粒状水酸化ナトリウム30g(0.75mol)を2
時間かけて加え、その後8時間同温度で撹拌かつ超音波
を照射した。次いで反応混合物にトルエンを500g加
え濾過し、濾過残渣をトルエン50gで洗浄し、洗液お
よび濾液に水80gを加えた。有機層と水層を分離後、
有機層からECH、トルエンと水を溜去しグリシジルエ
ーテルを188.5g(収率:92.9%)得た。この
グリシジルエーテルのエポキシ当量は433g/eq、
全塩素含量は0.12%で水酸基のエポキシ基への変換
率は91.6%だった。
【0020】比較例3 撹拌機を備えた500mLガラス製フラスコで撹拌しな
がら反応を行った以外は実施例1と同様に実施した。得
られたグリシジルエーテルは183.0g(収率:7
9.2%)、エポキシ当量は1344g/eq、全塩素
含量は0.15%で水酸基のエポキシ基への変換率は3
0.2%だった。 比較例4 撹拌機を備えた500mLガラス製フラスコにPTG−
650 175g(0.25mol)、BF3のエチル
エーテル錯体0.3gを仕込み、撹拌下にECH50.
9g(0.55mol)を1時間で滴下した。その後2
時間同温度で撹拌した。次いで粒状水酸化ナトリウム2
4g(0.6mol)を2時間かけて加え、さらに3時
間同温度で撹拌した。ついでトルエン500gを加え反
応混合物を濾過し、濾過残渣をトルエン50gで洗浄
し、洗液および濾液に水80gを加えた。有機層と水層
を分離後、有機層からECH、トルエンと水を留去しグ
リシジルエーテルを206.7g(収率:89.5%)
得た。このグリシジルエーテルのエポキシ当量は441
g/eq、全塩素含量は1.6%で、水酸基のエポキシ
基への変換率は92.0%だった。
【0021】実施例3 図1に示されるような型式の、超音波ホモジナイザーを
備えた500mLガラス製フラスコにビスフェノール−
A91.2g(0.4mol)、ECH268g(3.
0mol)を仕込み、超音波照射下に60〜65℃で粒
状水酸化ナトリウム52.0g(1.3mol)を1時
間かけて加えた。続いて1時間同温度で超音波を照射し
た。室温まで冷却後トルエンを200g加え反応混合物
を濾過し、濾過残渣をトルエン50gで洗浄し、洗液及
び濾液に水80gを加えた。有機層と水層を分離後、有
機層からECH、トルエンと水を溜去しグリシジルエー
テルを119.0g(収率:87.5%)得た。このグ
リシジルエーテルのエポキシ当量は177g/eq、全
塩素含量は0.40%で水酸基のエポキシ基への変換率
は96.0%だった。
【0022】比較例5 撹拌機を備えた500mLガラス製フラスコで撹拌しな
がら反応を行った以外は実施例3と同様に実施した。水
酸化ナトリウムの添加終了後1時間同温度で撹拌した時
点で反応混合物からサンプリングを行い、水洗とECH
の溜去を行って、グリシジルエーテルを6.6g得た。
このグリシジルエーテルのエポキシ当量は284g/e
q、全塩素含量は5.55%で水酸基のエポキシ基への
変換率は59.9%だった。残りの反応混合物は水酸化
ナトリウムの添加後合計2時間同温度で撹拌した。以降
の処理は実施例3と同様に実施しグリシジルエーテルを
91.2g(合計の収率:91.2%)得た。このグリ
シジルエーテルのエポキシ当量は178g/eq、全塩
素含量は0.51%で水酸基のエポキシ基への変換率は
95.5%だった。
【0023】実施例4 図1に示されるような型式の、超音波ホモジナイザー、
ディーンシュタルク管を備えた500mLガラス製フラ
スコにタマノール758 69.3g(0.66当
量)、ECH305.3g(3.3mol)を仕込み、
超音波照射下に60〜65℃/150mmHgでECH
を還流しながら粒状水酸化ナトリウム26.4g(0.
72mol)を1時間かけて加えた。続いて80分間同
温度・圧力でECHを還流しながら超音波を照射した。
常圧にもどし室温まで冷却後、2−ブタノンを300g
加え反応混合物を濾過し、濾過残渣を2−ブタノン50
gで洗浄し、洗液および濾液に水80gを加えた。有機
層と水層を分離後、有機層からECH、2−ブタノンと
水を溜去しグリシジルエーテルを99.9g(収率:9
4.3%)得た。このグリシジルエーテルのエポキシ当
量は175g/eq、全塩素含量は0.50%で水酸基
のエポキシ基への変換率は92.0%だった。
【0024】比較例6 撹拌機を備えた500mLガラス製フラスコで撹拌しな
がら反応を行った以外は実施例3と同様に実施した。水
酸化ナトリウムの添加終了後80分間同温度・圧力で撹
拌した時点で反応混合物からサンプリングを行い、水洗
とECHの溜去を行って、グリシジルエーテルを2.3
g得た。このグリシジルエーテルのエポキシ当量は35
6g/eq、全塩素含量は7.41%で水酸基のエポキ
シ基への変換率は45.2%だった。残りの反応混合物
は水酸化ナトリウムの添加後合計3時間同温度で撹拌し
た。以降の処理は実施例4と同様に実施、グリシジルエ
ーテルを98.4g(合計の収率:95.0%)得た。
このグリシジルエーテルのエポキシ当量は179g/e
q、全塩素含量は0.33%で水酸基のエポキシ基への
変換率は89.9%だった。実施例1,2および比較例
1〜4の結果を表1にまとめる。また実施例3,4およ
び比較例5,6の結果を表2にまとめる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1から明らかなように、1.6−HGを
原料として用いた場合には、従来の1段法、2段法に比
べてエポキシ当量、全塩素量が改善された。一方、PT
G−650を原料として用いた場合には、全塩素含量及
び収率が改善された。また表2から明らかなようにフェ
ノール類を原料として用いた場合には、従来の方法に比
べて反応の完結に要する時間が大幅に短縮された。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法により高収率、高反応速度
で塩素含有量が少なく高純度なグリシジルエーテルを製
造することができる。このため本発明により得られたグ
リシジルエーテルは、1分子中に2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂として、また1分子中に1個のエ
ポキシ基を有するエポキシ樹脂の反応性希釈剤として使
用した場合に反応性に影響を与えたり、基材金属を腐食
させたりするような問題がない。またアルコールのエポ
キシ基への変換率が高いために、硬化不良や硬化物の機
械的強度が低下する問題がない。上記効果を奏すること
から本発明の方法により製造したグリシジルエーテルは
塗料、接着剤、被覆剤、成形材料、積層材料、封止剤、
構造材料等の分野で有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する製造装置の概略図、
【図2】本発明に使用する製造装置の概略図、
【図3】本発明に使用する製造装置の概略図、
【図4】本発明に使用する製造装置の概略図、
【図5】本発明に使用する製造装置の概略図。
【符号の説明】
1 超音波発生機 2 反応機 3 撹拌機 4 ポンプ 5 反応材料供給管 6 反応生成物排出管 7 超音波発生機支持棒

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシル化合物とα−エピハロヒド
    リンをアルカリの存在下に縮合させグリシジルエーテル
    類を製造する際に、超音波を照射しながら反応させるこ
    とを特徴とするグリシジルエーテル類の製造法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシル化合物がアルコール類であ
    る請求項1記載のグリシジルエーテル類の製造法。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシル化合物がフェノール類であ
    る請求項1記載のグリシジルエーテル類の製造法。
  4. 【請求項4】 アルカリが固形アルカリである請求項
    1,2又は3記載のグリシジルエーテル類の製造法。
  5. 【請求項5】 反応を連続的に行うことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1つに記載のグリシジルエーテル
    類の製造法。
  6. 【請求項6】 超音波発生機を配備した反応帯、該反応
    帯へ反応材料を供給する手段、及び反応生成物を反応帯
    より反応系外へ取出す排出手段から本質的になる請求項
    1〜5記載のグリシジルエーテル類の製造法を実施する
    ための連続製造装置。
JP1163194A 1994-02-03 1994-02-03 グリシジルエーテル類の製造法及びそのための連続製造装置 Withdrawn JPH07215957A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001040065A (ja) * 1999-07-28 2001-02-13 Dainippon Ink & Chem Inc 高純度エポキシ樹脂の製造方法
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RU2493151C1 (ru) * 2012-05-11 2013-09-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Ивановский государственный химико-технологический университет" Способ получения 4-[(2,3-эпоксипропокси)алкилокси]-4'-цианоазобензолов
JP2018159053A (ja) * 2017-03-21 2018-10-11 東レ・ファインケミカル株式会社 多官能グリシジルアミン型エポキシ化合物の製造方法
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CN113651945A (zh) * 2021-08-13 2021-11-16 江苏扬农化工集团有限公司 一种缩水甘油醚类环氧树脂及其制备方法

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