JPH09268218A - エポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH09268218A
JPH09268218A JP9958096A JP9958096A JPH09268218A JP H09268218 A JPH09268218 A JP H09268218A JP 9958096 A JP9958096 A JP 9958096A JP 9958096 A JP9958096 A JP 9958096A JP H09268218 A JPH09268218 A JP H09268218A
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epoxy resin
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JP9958096A
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Yasumasa Akatsuka
泰昌 赤塚
Yoshiro Shimamura
芳郎 嶋村
Ryoichi Hasegawa
良一 長谷川
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、及び耐水性に優れた硬化物を与え、し
かも加水分解性塩素含有量の低いエポキシ樹脂の製造方
法を提供すること。 【解決手段】特定のビフェニル化合物とフェノール類及
び/またはナフトール類を縮合することにより得られる
化合物をエピハロヒドリン及びアルカリ金属水酸化物を
用いてグリシジルエーテル化する際、非プロトン性極性
溶媒を使用することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐水性、機械的強度
に優れ、しかも加水分解性塩素含有量の少ない硬化物を
与えるエポキシ樹脂の製造方法法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させ
ることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接
着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い
分野に利用されている。従来、工業的に最も使用されて
いるエポキシ樹脂としてビスフェノ−ルAにエピクロル
ヒドリンを反応させて得られる液状および固形のビスフ
ェノ−ルA型エポキシ樹脂がある。その他液状のビスフ
ェノ−ルA型エポキシ樹脂にテトラブロムビスフェノ−
ルAを反応させて得られる難燃性固形エポキシ樹脂など
が汎用エポキシ樹脂として工業的に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような汎用エポキシ樹脂は分子量が大きくなるにつれ
て、それを硬化して得られる硬化物の靭性は増加するも
のの耐熱性が低下するという欠点がある。また、耐熱性
の低下を補うためにクレゾールノボラックエポキシ樹脂
などの多官能エポキシ樹脂を混合した場合に得られる硬
化物は耐熱性は高くなるものの、靭性は低下し吸水率は
高くなるという欠点がある。また前記したような汎用エ
ポキシ樹脂を製造する際は、主に多官能フェノール類を
エピハロヒドリンに溶解した後、4級アンモニウム塩等
の触媒を加え、アルカリ金属水酸化物を添加することに
より得られるが、こうした方法で得られるエポキシ樹脂
は加水分解性塩素含有量が高くなるという欠点がある。
一方、最近の電子産業などの目ざましい発達に伴い、こ
れらに使用される電気絶縁材料などに要求される耐水性
及び機械強度(靱性)、及び純度(加水分解性塩素含有
量)は益々厳しくなっており、これらの特性に優れたエ
ポキシ樹脂の出現が待ち望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
状に鑑み、耐水性、機械強度に優れ、しかも加水分解性
塩素含有量の少ない硬化物を与えるエポキシ樹脂を求め
て鋭意研究した結果、特定の分子構造を有するノボラッ
ク型樹脂からエポキシ樹脂を合成する際に非プロトン性
極製溶媒を併用することにより、得られるエポキシ樹脂
が、その硬化物において優れた耐水性、機械強度及び低
い加水分解性塩素含有量を有するものであることを見い
出して本発明を完成させるに到った。
【0005】すなわち本発明は (1)式(1)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、nは平均値を示し0〜10の値を
取る。P、Rはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜8のアルキル基、またはアリール基のいずれかを
表し、個々のP、Rは互いに同一であっても異なってい
てもよい。)
【0008】で表されるノボラック型樹脂とエピハロヒ
ドリン及びアルカリ金属水酸化物を反応させて式(2)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、n、P、Rは式(1)におけるの
と同じ意味を表す。Gはグリシジル基を表す。)
【0011】で表されるエポキシ樹脂を得る反応におい
て、非プロトン性極性溶媒を使用すること特徴とするエ
ポキシ樹脂の製造方法、 (2)非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシドで
ある上記(1)記載のエポキシ樹脂の製造方法、 (3)(a)上記(1)または(2)記載の製造方法に
よるエポキシ樹脂 (b)硬化剤 を含有してなるエポキシ樹脂組成物、 (4)硬化促進剤を含有する上記(3)記載のエポキシ
樹脂組成物、 (5)上記(3)または(4)記載のエポキシ樹脂組成
物を硬化してなる硬化物を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】式(1)で表される化合物は例え
ば式(3)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、Xはハロゲン原子、水酸基、低級
アルコキシ基を表す。Pは式(1)におけるのと同じ意
味を表す。)
【0015】で表される化合物とフェノール類及び/ま
たはナフトール類とを酸触媒の存在下で縮合反応させる
ことにより得ることができる。
【0017】式(3)においてハロゲン原子としては塩
素原子、臭素原子、低級アルコキシ基としてはメトキシ
基、エトキシ基などがそれぞれ好ましい基として挙げら
れる。
【0018】ここで式(1)の化合物を得るために用い
うるフェノール類またはナフトール類の具体例として
は、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−
プロピルフェノール、イソブチルフェノール、t−ブチ
ルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノー
ル、キシレノール、メチルブチルフェノール、ジ−t−
ブチルフェノール等の各種o−、m−、p−異性体、ま
たはシクロペンチルフェノール、シクロヘキシルフェノ
ール、シクロヘキシルクレゾール等のシクロアルキルフ
ェノール、またはフェニルフェノール等の置換フェノー
ル、またはモノブロモフェノール、ジブロモフェノール
等のハロゲン化フェノール等のフェノール類、またはα
−ナフトール、β−ナフトール、メチルナフトール、エ
チルナフトール、モノブロムナフトール、ジブロムナフ
トール、アリルナフトール等のナフトール類が挙げられ
る。これらのフェノール類またはナフトール類は1種類
のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いて
もよい。2種以上を組み合わせて使用する場合、フェノ
ール類とナフトール類とからそれぞれ1種類以上を選択
することが、優れた硬化物性を得る上で好ましい。
【0019】上記縮合反応を行う場合、フェノール類の
使用量は式(3)で表される化合物1モルに対して通常
0.3〜20モル、好ましくは0.4〜15モルであ
る。
【0020】上記縮合反応においては酸触媒を用いる。
酸触媒としては種々のものが使用できるが塩酸、硫酸、
p−トルエンスルホン酸、シュウ酸等の無機あるいは有
機酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛
などのルイス酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン
酸、硫酸、塩酸が好ましい。これら酸触媒の使用量は特
に限定されるものではないが、通常式(3)で表される
化合物の0.1〜30重量%用いる。
【0021】上記縮合反応は無溶剤下、あるいは有機溶
剤の存在下行うことができる。用いうる有機溶剤の具体
例としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ト
ルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げ
られる。有機溶剤の使用量は仕込んだ原料の総重量に対
して通常50〜300重量%、好ましくは100〜25
0重量%である。これらの溶剤は単独で、あるいは数種
類を混合して用いることが出来る。反応温度は通常40
〜180℃、反応時間は通常1〜10時間である。ま
た、反応中に生成する水或はアルコール類などを系外に
分留管などを用いて留去することは、反応を速やかに行
う上で好ましい。
【0022】反応終了後、洗浄液のpH値が3〜7、好
ましくは5〜7になるまで水洗処理を行う。水洗処理を
行う場合は必要により水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、ア
ンモニア、リン酸二水素ナトリウムさらにはジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン、フェ
ニレンジアミンなどの有機アミンなど様々な塩基性物質
等を中和剤として用いてもよい。また水洗処理は常法に
したがって行えばよい。例えば反応混合物中に上記中和
剤を溶解した水を加え分液抽出操作をくり返す。
【0023】中和処理を行った後、減圧加熱下で溶剤及
び未反応物を留去し生成物の濃縮を行い、式(1)で表
されるノボラック型樹脂を得ることが出来る。
【0024】本発明においては、例えば前記のようにし
て得られた式(1)の化合物と過剰のエピクロルヒドリ
ン、エピブロムヒドリン等のエピハロヒドリン及び非プ
ロトン性極性溶媒の溶解混合物に水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、また
は添加しながら通常20〜120℃で1〜10時間反応
させ式(2)で表されるエポキシ樹脂を得る。
【0025】本発明において、アルカリ金属水酸化物は
その水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金
属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共
に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリ
ンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリン
は反応系内に連続的に戻す方法でもよい。
【0026】これらの反応において使用されるエピハロ
ヒドリンの量は式(1)で表される化合物の水酸基1当
量に対し通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルで
ある。アルカリ金属水酸化物の使用量は式(1)で表さ
れる化合物の水酸基1当量に対し0.8〜1.5モル、
好ましくは0.9〜1.1モルである。
【0027】用いうる非プロトン性極性溶媒の具体例と
しては、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド等が挙げられるが、ジメチルスルホ
キシドが好ましい。非プロトン性極性溶媒は、エピハロ
ヒドリンの量に対し通常5〜100重量%、好ましくは
10〜90重量%使用する。
【0028】次いで前記エポキシ化反応の反応物を水洗
後、または水洗無しに加熱減圧下、100〜150℃、
圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや非プロトン
性極性溶媒を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの
少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹
脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶
解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い閉環を確実
なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水酸
化物の使用量はエポキシ化に使用した式(1)で表され
る化合物の水酸基1当量に対して通常0.01〜0.3
モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温
度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時
間である。
【0029】反応終了後、生成した塩を濾過、水洗など
により除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソ
ブチルケトンなどの溶剤を留去することにより式(2)
で表されるエポキシ樹脂が得られる。
【0030】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につい
て説明する。前記(3)、(4)記載のエポキシ樹脂組
成物において本発明の製造方法により得られるエポキシ
樹脂(以下、単に本発明のエポキシ樹脂という)は単独
でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出
来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキ
シ樹脂中に占める割合は通常30重量%以上、好ましく
は40重量%以上である。
【0031】本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他の
エポキシ樹脂の具体例としてはノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙
げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上併用し
てもよい。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物は硬化剤を含
有する。硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無
水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物な
どが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジ
アミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イ
ソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2
量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹
脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性
物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘
導体などが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用して
もよい。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化
剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し
て0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に
対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当
量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬
化物性が得られない恐れがある。
【0034】また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を
併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例
としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾ
ール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホ
スフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物などが挙
げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対
して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要によ
り無機充填材を含有する。用いうる無機充填材の具体例
としては、シリカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。
無機充填材は、本発明のエポキシ樹脂組成物中において
0〜90重量%を占める量が用いられる。さらに本発明
のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ス
テアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸型亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等種々の配合剤を
添加することができる。
【0036】本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を
所定の割合で均一に混合することにより得られる。本発
明のエポキシ樹脂、硬化剤更に必要により硬化促進剤の
配合された本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られて
いる方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることが
できる。例えば本発明のエポキシ樹脂と硬化剤、必要に
より硬化促進剤、無機充填材並びに種々の配合剤とを必
要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一にな
るまで充分に混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を
得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトラ
ンスファ−成形機などを用いて成形し、さらに80〜2
00℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化
物を得ることができる。
【0037】また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ
−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アル
ミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱半乾燥して得た
プリプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもでき
る。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該
溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは1
5〜65重量%を占める量を用いる。
【0038】こうして得られる本発明の硬化物は耐水
性、離型性及び機械強度に優れ、しかも加水分解性塩素
含有量が低いため、耐水性、高機械強度、高純度の要求
される広範な分野で用いることができる。具体的には封
止材料、積層板、絶縁材料などのあらゆる電気・電子材
料として有用である。また、成型材料、接着剤、複合材
料、塗料などの分野にも用いることができる。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部
である。
【0040】合成例1 温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付
けたフラスコに、下記式(4)
【0041】
【化6】
【0042】で表される化合物121部、フェノール1
13部を仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌し
た。p−トルエンスルホン酸(1水和物)0.5部を発
熱に注意しながら液温が50℃を超えないようにゆっく
り添加した。その後油浴中で120℃まで加熱し、分留
管を用いて生成するメタノールを抜き出した後、更に5
時間反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケ
トン500mlを加え、分液ロートに移し水洗した。洗
浄水が中性を示すまで水洗後有機層から溶媒を加熱減圧
下に除去し、下記式(5)
【0043】
【化7】
【0044】で表されるノボラック型樹脂(A)142
部を得た。得られたノボラック型樹脂の軟化点は82.
7℃、水酸基当量は205g/eqであった。
【0045】実施例1 温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガ
スパージを施しながら合成例1で得られたノボラック型
樹脂(A)123部、エピクロルヒドリン222部、ジ
メチルスルホキシド56部を仕込み溶解させた。更に4
5℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム(純分99
%)24.2部を90分かけて分割添加し、その後更に
45℃で2時間、70℃で1時間反応させた。反応終了
後、130℃で加熱減圧下ジメチルスルホキシド及びエ
ピクロルヒドリンを留去し、残留物に313部のメチル
イソブチルケトンを加え溶解した。
【0046】更にこのメチルイソブチルケトンの溶液を
70℃に加熱し30重量%の水酸化ナトリウム水溶液6
部を添加し1時間反応させた後、洗浄液のpHが中性と
なるまで水洗を繰り返した。更に水層は分離除去し、ロ
ータリエバポレーターを使用して油層から加熱減圧下メ
チルイソブチルケトンを留去し、下記式(6)
【0047】
【化8】
【0048】(式中、Gはグリシジル基を表す。)
【0049】で表される本発明のエポキシ樹脂(B)1
49部を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は72.
9℃、エポキシ当量は281g/eqであった。
【0050】合成例2 フェノールの代わりにα−ナフトール202部を用いた
以外は合成例1と同様に反応を行い下記式(7)
【0051】
【化9】
【0052】で表されるノボラック型樹脂(C)190
部を得た。得られたノボラック型エポキシ樹脂の水酸基
当量は235g/eq、軟化点は88.9℃であった。
【0053】実施例2 合成例2で得られたノボラック型樹脂(C)141部を
用いた以外は実施例1と同様にエポキシ化反応を行い下
記式(8)
【0054】
【化10】
【0055】(式中、Gはグリシジル基を表す。)
【0056】で表される本発明のエポキシ樹脂(D)1
67部を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は80.
2℃、エポキシ当量は317g/eqであった。
【0057】合成例3 フェノールの代わりにα−ナフトール110部及びフェ
ノール80部を混合して用いた以外は合成例1と同様に
反応を行い下記式(9)
【0058】
【化11】
【0059】で表されるノボラック型樹脂(E)172
部を得た。得られたノボラック型エポキシ樹脂の水酸基
当量は213g/eq、軟化点は84.8℃であった。
また反応終了後、反応液の一部をサンプリングし、ガス
クロマトグラフィーにより、残存するフェノールとα−
ナフトールの定量を行うことによりノボラック型樹脂
(E)中のフェノールとα−ナフトールとの比率を算出
すると38:62であった。
【0060】実施例3 合成例3で得られたノボラック型樹脂(E)128部を
用いた以外は実施例1と同様にエポキシ化反応を行い下
記式(10)
【0061】
【化12】
【0062】(式中、Gはグリシジル基を表す。)
【0063】で表される本発明のエポキシ樹脂(F)1
55部を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は74.
9℃、エポキシ当量は296g/eqであった。
【0064】実施例4〜6 得られたエポキシ樹脂(B)、(D)、(F)に対し硬
化剤としてフェノールノボラック(軟化点83℃、水酸
基当量106g/eq)、硬化促進剤としてトリフェニ
ルホスフィン(TPP)を用い、表1の配合物の組成の
欄に示す組成で配合して、70℃で15分ロールで混練
し、150℃、成形圧力50kg/cm2 で180秒間
トランスファー成形して、その後160℃で2時間、更
に180℃で8時間硬化せしめて試験片を作成し、それ
を更に粉砕機を用いて粉砕した。粉砕された硬化物を、
ふるいを用いて粒径が42メッシュと60メッシュの間
のものに選別し、これを5部イオン交換水50部に分散
し、以下の条件でプレッシャークッカーテスト(PC
T)を行った。結果を表1の硬化物の物性の欄に示す。
また、表1中のエポキシ樹脂の物性の欄に示したエポキ
シ樹脂の加水分解性塩素の測定条件は以下の通りであ
る。 加水分解性塩素:エポキシ樹脂のジオキサン溶液に1N
−KOHエタノール溶液を添加し、30分煮沸還流する
ことにより遊離した塩素を、0.05N−AgNO3
電位差滴定した。 PCT抽出水の塩素イオン濃度:粉砕された硬化物5部
をイオン交換水50部中で121℃×24hr煮沸した
溶液をイオンクロマト分析し、イオン濃度を測定した。
【0065】
【表1】 表1 配合物の組成 実施例4 実施例5 実施例6 エポキシ樹脂(B) 100 エポキシ樹脂(D) 100 エポキシ樹脂(F) 100 フェノールノボラック 38 33 36 TPP 1 1 1 エポキシ樹脂の物性 エポキシ当量(g/eq) 281 317 296 軟化点(℃) 72.9 80.2 74.9 加水分解性塩素(ppm) 360 330 350 硬化物の物性 PCT抽出水中の塩素イオン濃度(ppm) 0.6 0.4 0.6
【0066】表1より本発明の製造方法によるエポキシ
樹脂は、エポキシ樹脂そのものの加水分解性塩素及びそ
の硬化物の抽出水中での塩素イオン濃度が極めて低い値
を示した。
【0067】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られたエポキシ樹
脂は耐水性及び機械強度に優れた硬化物を与えることが
でき、しかも加水分解性塩素含有量が低いため、封止材
料、成形材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レ
ジストなど広範囲の用途にきわめて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中、nは平均値を示し0〜10の値を取る。P、R
    はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のア
    ルキル基、またはアリール基のいずれかを表し、個々の
    P、Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    で表されるノボラック型樹脂とエピハロヒドリン及びア
    ルカリ金属水酸化物を反応させて式(2) 【化2】 (式中、n、P、Rは式(1)におけるのと同じ意味を
    表す。Gはグリシジル基を表す。)で表されるエポキシ
    樹脂を得る反応において、非プロトン性極性溶媒を使用
    すること特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキ
    シドである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】(a)請求項1または2記載の製造方法に
    より得られたエポキシ樹脂 (b)硬化剤 を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】硬化促進剤を含有する請求項3記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載のエポキシ樹脂組成
    物を硬化してなる硬化物。
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