JPH09104731A - ポリフェノール類、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

ポリフェノール類、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH09104731A
JPH09104731A JP7288195A JP28819595A JPH09104731A JP H09104731 A JPH09104731 A JP H09104731A JP 7288195 A JP7288195 A JP 7288195A JP 28819595 A JP28819595 A JP 28819595A JP H09104731 A JPH09104731 A JP H09104731A
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JP
Japan
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epoxy resin
formula
resin composition
polyphenol
polyphenols
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JP7288195A
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English (en)
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Yasumasa Akatsuka
泰昌 赤塚
Kenichi Kuboki
健一 窪木
Ryoichi Hasegawa
良一 長谷川
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性及び機械強度に優れた硬化物、及びそれ
を与えるエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂及びエポキ
シ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】ベンゼン環中に特定の官能基を有する化合
物とフェノール類とを縮合することにより得られるポリ
フェノール類、及び該ポリフェノール類をグリシジル化
することにより得られるエポキシ樹脂、及び該ポリフェ
ノール類或は該エポキシ樹脂を含む樹脂組成物、及びそ
の硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性に優れ、靭性
に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ
樹脂およびエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電気・電子部品、ICの封止材
の分野では、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹
脂、硬化促進剤を主成分としたエポキシ樹脂組成物が広
く用いられている。近年のICにおける高密度、高集積
化はその封止材に対して高耐熱化、低吸水化、及び高靭
性化を要求するようになった。とりわけICの高密度実
装における半田浴浸漬という過酷な条件は、硬化物に対
する高耐熱化、及び高靭性化の要求を益々強めている。
【0003】しかしながら従来のエポキシ樹脂組成物に
おいて、エポキシ樹脂として一般に用いられているクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂は、高耐熱性は有する
ものの、靭性の点で劣るという欠点がある。
【0004】一方、硬化剤として一般に使用されている
フェノールノボラック樹脂は耐熱性の面で未だ不十分で
あり、益々過酷になっていく前記の様な条件下では満足
な結果をもたらしていない。そこで耐熱性、高靭性の硬
化物を与える樹脂の開発が待ち望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのように過
酷になっていく条件にも耐え得る高耐熱性でしかも高靭
性の硬化物を与える樹脂及び樹脂組成物及びその硬化物
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
状に鑑み、耐熱性及び靭性に優れる硬化物を与えるエポ
キシ樹脂組成物を求めて鋭意研究した結果、特定の分子
構造を有するポリフェノール類及びそれをエポキシ化す
ることにより得られるエポキシ樹脂を含有するエポキシ
樹脂組成物が、その硬化物に優れた耐熱性及び靱性(機
械強度)を付与するものであることを見い出して本発明
を完成させるに到った。
【0007】すなわち本発明は (1)式(1)
【0008】
【化3】
【0009】(式(1)中、Pは水素原子、又は炭素数
1〜4のアルキル基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アルケニル基
のいずれかをそれぞれ表し、それぞれ複数個のP、Rは
互いに同一であっても異なっていてもよい。)
【0010】で表されるポリフェノール類、
【0011】(2)式(2)
【0012】
【化4】
【0013】(式(2)中、P、Rは式(1)における
のと同じ意味を表しGはグリシジル基を表す。)
【0014】で表されるエポキシ樹脂、 (3)(a)エポキシ樹脂 (b)上記(1)記載の式(1)のポリフェノール類 を含有してなるエポキシ樹脂組成物、 (4)(a)上記(2)記載の式(2)のエポキシ樹脂 (b)硬化剤 を含有してなるエポキシ樹脂組成物、 (5)(a)上記(2)記載の式(2)のエポキシ樹脂 (b)上記(1)記載の式(1)のポリフェノール類 を含有してなるエポキシ樹脂組成物、 (6)硬化促進剤を含有する上記(3)、(4)または
(5)記載のエポキシ樹脂組成物、 (7)無機充填剤を含有する上記(3)、(4)、
(5)または(6)記載のエポキシ樹脂組成物、 (8)上記(3)、(4)、(5)、(6)または
(7)記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物 を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】式(1)で表される化合物は、例
えば下記式(3)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、Pは式(1)におけるのと同じ意
味を表す。Xは水酸基或はアルコキシ基を表す。)
【0018】で表される化合物とフェノール類とを特定
の触媒の存在下で縮合反応させることにより得ることが
できる。
【0019】また式(2)で表される化合物は、例えば
式(1)で表される化合物とエピハロヒドリンとの反応
をアルカリ金属水酸化物の存在下で行うことにより得る
ことができる。
【0020】前記式(3)で表される化合物の用いうる
具体例としては、ヒドロキシメチルベンズアルデヒド、
メトキシメチルベンズアルデヒド、エトキシメチルベン
ズアルデヒド及びこれらの各種o−、m−、p−異性体
等、これらの化合物のメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル等のアルキル基誘導体等が挙げられる。これらの化合
物類は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0021】ここでフェノール類とはフェノール性水酸
基を少なくとも1個有する化合物が挙げられ、具体的に
例示するとフェノール、クレゾール、エチルフェノー
ル、n−プロピルフェノール、イソブチルフェノール、
t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフ
ェノール、キシレノール、メチルブチルフェノール、ジ
−t−ブチルフェノール等のアルキルフェノールの各種
o−、m−、p−異性体、またはビニルフェノール、ア
リルフェノール、プロペニルフェノール、エチニルフェ
ノール等の各種o−、m−、p−異性体、またはシクロ
ペンチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、シク
ロヘキシルクレゾール等のシクロアルキルフェノール、
またはフェニルフェノールなどの置換フェノール類、ま
たはモノブロモフェノール、ジブロモフェノール、トリ
ブロモフェノール等のハロゲン化フェノール等が挙げら
れる。これらのフェノール類は1種類のみを用いても用
いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】上記縮合反応を行う場合フェノール類の使
用量は式(3)で表される化合物1モルに対して、通常
3〜60モル、好ましくは4〜50モルである。
【0023】上記縮合反応においては、通常酸触媒を用
いるのが好ましく、酸触媒としては種々のものが使用で
きるが、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ
酸等の無機あるいは有機酸、三弗化ホウ素、無水塩化ア
ルミニウム、塩化亜鉛、塩化チタンなどのルイス酸が好
ましく、特にp−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸が好
ましい。またこれらの酸のうち例えば塩化水素のように
常温で気体のものを用いる場合、反応混合物中に該気体
を吹き込みながら反応を行ってもよい。この酸触媒は単
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これ
ら酸触媒の使用量は特に限定されるものではないが、式
(3)で表される化合物1モルに対して通常0.001
〜50モルである。またこの際助触媒としてメチルメル
カプタン、メチルメルカプト酢酸、n−ドデシルメルカ
プタン等を反応混合物中に添加してもよい。
【0024】この反応に使用されるフェノール類には酸
化され易いものが多いため、一連の反応操作中は反応系
内を窒素ガスなどでパージしておくことが好ましい。
【0025】上記縮合反応は無溶剤下で、或は有機溶剤
の存在下で行うことができる。用いうる有機溶剤の具体
例としてはトルエン、キシレン、メチルイソブチルケト
ンなどが挙げられる。溶剤の使用量は仕込んだ原料の総
重量に対して、通常50〜300重量%であり、100
〜250重量%が好ましい。反応温度は通常20〜20
0℃の範囲であり、好ましくは25〜190℃である。
反応時間は通常1〜30時間であり、好ましくは2〜2
0時間である。上記反応中に生成する水或はアルコール
類を分留管等を用いて系外に留去することは、反応を速
やかに行う上で好ましい。
【0026】反応終了後、生成物の洗浄液がpH値3〜
7、好ましくは5〜7を示すまで、中和処理或は水洗処
理を行う。中和処理或は水洗処理を行う場合は水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土
類金属水酸化物、アンモニア、リン酸二水素ナトリウ
ム、さらにはジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、アニリン、フェニレンジアミン等の有機アミン
など様々な塩基性物質などを中和剤として用いてもよ
い。また水洗処理の場合は常法に従って行えばよい。例
えば反応生成物中に上記中和剤を溶解した水を加え分
液、抽出の操作を繰り返す。
【0027】中和処理を行った後、加熱減圧下で溶剤及
び未反応物を留去し生成物の濃縮を行い、式(1)で表
される本発明のポリフェノール類(以下特にことわりの
ない限り、これを単にポリフェノール類という。)を得
ることが出来る。
【0028】ポリフェノール類から式(2)で表される
本発明のエポキシ樹脂を得る方法としては公知の方法が
採用できる。例えば得られたポリフェノール類と過剰の
エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等のエピハロ
ヒドリンの溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加し
ながら20〜120℃の温度で1〜10時間反応させる
ことにより本発明のエポキシ樹脂を得ることが出来る。
【0029】本発明のエポキシ樹脂を得る反応におい
て、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよ
く、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続
的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連
続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し
水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す
方法でもよい。
【0030】また、ポリフェノール類とエピハロヒドリ
ンの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチル
ベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム
塩を触媒として添加し50〜150℃で1〜5時間反応
させて得られるハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金
属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃
の温度で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉
環)させる方法でもよい。この場合第4級アンモニウム
塩の使用量はポリフェノール類の水酸基1個に対し、通
常1〜10gであり、好ましくは2〜8gである。
【0031】通常これらの反応において使用されるエピ
ハロヒドリンの量はポリフェノール類の水酸基1当量に
対し通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルであ
る。アルカリ金属水酸化物の使用量はポリフェノール類
の水酸基1当量に対し0.8〜1.5モル、好ましくは
0.9〜1.1モルである。更に、反応を円滑に進行さ
せるためにメタノール、エタノールなどのアルコール類
の他、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非
プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好
ましい。
【0032】アルコール類を使用する場合、その使用量
はエピハロヒドリンの量に対し通常2〜20重量%、好
ましくは4〜15重量%である。また非プロトン性極性
溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5
〜100重量%、好ましくは10〜90重量%である。
【0033】これらのエポキシ化反応の反応物を水洗
後、または水洗無しに加熱減圧下、エピハロヒドリンや
溶媒などを除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少
ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂
をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解
し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物の水溶液を加えて更に反応を行い閉環を確
実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水
酸化物の使用量はエポキシ化に使用したポリフェノール
類の水酸基1当量に対して好ましくは0.01〜0.3
モル、特に好ましくは0.05〜0.2モルである。反
応温度は50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時
間である。
【0034】反応終了後、生成した塩を濾過、水洗など
により除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソ
ブチルケトンなどの溶剤を留去することにより本発明の
式(2)で表されるエポキシ樹脂が得られる。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物は本発明のエ
ポキシ樹脂及び/または本発明のポリフェノール類を必
須成分とし、更に必要により硬化促進剤等を添加するこ
とにより得ることができる。前記(3)、(5)、
(6)、(7)記載の本発明のエポキシ樹脂組成物にお
いて、本発明のポリフェノール類は単独で、または他の
硬化剤と併用して使用することが出来る。併用する場合
本発明のポリフェノール類が全硬化剤中に占める割合は
30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ま
しい。本発明のポリフェノール類と併用し得る硬化剤の
具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフ
ェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミ
ド等のアミン系化合物、リノレン酸の2量体とエチレン
ジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マ
レイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フ
ェノ−ルノボラック、クレゾールノボラック等のノボラ
ック樹脂及びこれらの変性物、イミダゾール、BF3
アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられる。これ
らの硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上
組み合わせて用いてもよい。
【0036】前記(4)、(5)、(6)、(7)記載
の本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明エポキ
シ樹脂は単独でまたは、他のエポキシ樹脂と併用して使
用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ
樹脂が全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上
が好ましく、40重量%以上が特に好ましい。この場
合、用いられるエポキシ樹脂は通常は1分子中に2個以
上のエポキシ基を有する化合物が挙げられ電子機器用と
して一般に用いられるものであれば特に制限はない。併
用し得るエポキシ樹脂の具体例としては、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂などの
ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ
樹脂、ビスフェノールI型エポキシ樹脂、ビフェニル型
エポキシ樹脂などの芳香族2価フェノール類から得られ
るエポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸などの多塩基酸
とエピハロヒドリンの反応により得られるグリシジルエ
ステル型エポキシ樹脂、またジアミノジフェニルメタ
ン、イソシアヌール酸などのポリアミンとエピハロヒド
リンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ
樹脂などが挙げられる。これらエポキシ樹脂は単独で用
いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】前記(3)、(6)、(7)記載のエポキ
シ樹脂組成物において、エポキシ樹脂としては、本発明
のエポキシ樹脂の他に前記他のエポキシ樹脂が挙げられ
る。また、前記(4)、(6)、(7)記載のエポキシ
樹脂組成物において硬化剤としては、本発明のポリフェ
ノール類の他に前記他の硬化剤が挙げられる。
【0038】本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化
剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し
て0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に
対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当
量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬
化物性が得られない恐れがある。
【0039】また本発明のエポキシ樹脂組成物中には硬
化促進剤を含有せしめても差し支えない。用い得る硬化
促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−
エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニル
ホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金
属化合物などが挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹
脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が必要に
応じ用いられる。
【0040】本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要によ
り無機充填材を含有する。用いうる無機充填材の具体例
としては、シリカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。
無機充填材は、本発明のエポキシ樹脂組成物中において
0〜90重量%を占める量が用いられる。さらに本発明
のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ス
テアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸型亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等種々の配合剤を
添加することができる。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を
所定の割合で均一に混合することにより得られる。本発
明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様
の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば
エポキシ樹脂(成分(a))と硬化剤(成分(b))、
必要により硬化促進剤、無機充填材並びにその他の添加
剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて
均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を
得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトラ
ンスファ−成形機などを用いて成形し、さらに80〜2
00℃で2〜10時間加熱することにより硬化物を得る
ことができる。
【0042】また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維,カ
−ボン繊維,ポリエステル繊維,ポリアミド繊維,アル
ミナ繊維,紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプ
リプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもでき
る。この場合溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該
溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは1
5〜65重量%を占める量が用いられる。
【0043】
【実施例】次に本発明を実施例、より更に具体的に説明
するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部
である。
【0044】実施例1 温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付
けたフラスコに、下記式(4)
【0045】
【化6】
【0046】で表される化合物68部、フェノール28
20部を仕込み、80℃で、窒素を吹き込みながら撹拌
した。その後、油浴中で80℃まで加熱しp−トルエン
スルホン酸0.5部を添加し、更に120℃まで昇温
し、生成する水を留去しながら6時間反応させた。反応
終了後、室温まで冷却し、メチルイソブチルケトン30
00部を加え、分液ロートに移し水洗した。洗浄液が中
性を示すまで水洗した後、有機層から未反応のフェノー
ル及び溶媒を加熱減圧下に除去し、下記式(5)
【0047】
【化7】
【0048】で表される本発明のポリフェノール類
(A)181部を得た。得られたポリフェノール類の軟
化点は102.1℃、水酸基当量は127g/eqであ
った。
【0049】実施例2 温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガ
スパージを施しながら実施例1で得られたポリフェノー
ル類(A)127部、エピクロルヒドリン370部、ジ
メチルスルホキシド92.5部を仕込み溶解させた。更
に45℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム(純分9
9%)40.4部を90分かけて分割添加し、その後更
に45℃で2時間、70℃で1時間反応させた。反応終
了後、130℃で減圧下にジメチルスルホキシド及びエ
ピクロルヒドリンを留去し、残留物に366部のメチル
イソブチルケトンを加え溶解した。
【0050】更にこのメチルイソブチルケトンの溶液を
70℃に加熱し30重量%の水酸化ナトリウム水溶液1
0部を添加し1時間反応させた後、水洗を3回繰り返し
洗浄液のpHを中性とした。更に水層は分離除去し、ロ
ータリエバポレーターを使用して油層から加熱減圧下メ
チルイソブチルケトンを留去し、下記式(6)
【0051】
【化8】
【0052】(式(6)中、Gはグリシジル基を表
す。)
【0053】で表される本発明のエポキシ樹脂(B)1
74部を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は72.
2℃、エポキシ当量は201g/eqであった。
【0054】実施例3 フェノールの代わりにo−クレゾール3240部を用い
た以外は実施例1と同様に反応を行い下記式(7)
【0055】
【化9】
【0056】で表される本発明のポリフェノール類
(C)203部を得た。得られたポリフェノール類の水
酸基当量は141g/eq、軟化点は104.5℃であ
った。
【0057】実施例4 実施例3で得られたポリフェノール類(C)141部を
用いた以外は実施例2と同様にエポキシ化反応を行い下
記式(8)
【0058】
【化10】
【0059】(式(8)中Gはグリシジル基を表す。)
【0060】で表される本発明のエポキシ樹脂(D)1
87部を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は80.
6℃、エポキシ当量は214g/eqであった。
【0061】実施例5〜9 実施例5〜6としてエポキシ樹脂にo−クレゾール型エ
ポキシ樹脂EOCN1020(エポキシ当量200g/
eq、日本化薬(株)製)を用い、硬化剤にポリフェノ
ール類(A)、(C)を、また実施例7〜8としてエポ
キシ樹脂にエポキシ樹脂(B)、(D)を用い、硬化剤
としてフェノールノボラック(水酸基当量106g/e
q、日本化薬(株)製)を、更に実施例9としてエポキ
シ樹脂にエポキシ樹脂(D)を、硬化剤にポリフェノー
ル類(A)を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホス
フィン(TPP)を用い、表1の配合物の組成の欄に示
す組成で配合し70℃で15分ロールで混練し、150
℃、180秒間トランスファー成形して、その後160
℃で2時間、更に180℃で8時間硬化せしめて試験片
を作成し、ガラス点移転、曲げ強度を測定した。結果を
表1に示す。なおガラス転移点、曲げ強度の測定条件は
次の通りである。また表中配合物の組成の欄の数値は重
量部を表す。
【0062】ガラス転移温度 熱機械測定装置(TMA):真空理工(株)製 TM−
7000 昇温速度:2℃/min 曲げ強度 JIS K−6911に準じて測定
【0063】
【表1】 表 1 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9 配合物の組成 EOCN1020 100 100 ポリフェノール類(A) 64 59 エポキシ樹脂(B) 100 ポリフェノール類(C) 71 エポキシ樹脂(D) 100 100 フェノールノボラック 53 50 TPP 1 1 1 1 1 硬化物の物性 ガラス転移温度(℃) 165 167 174 172 178 曲げ強度(Kg/mm2 ) 10.9 10.2 11.6 11.9 12.4
【0064】表1より明かなように、本発明のエポキシ
樹脂組成物を使用して得られる硬化物は、耐熱性及び機
械強度に優れるという特性を有している。
【0065】
【発明の効果】本発明のポリフェノール類及びエポキシ
樹脂は耐熱性及び機械強度に優れた硬化物を与えること
ができ、成形材料、注型材料、積層材料、塗料、接着
剤、レジストなどの広範囲の用途に極めて有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式(1)中、Pは水素原子、又は炭素数1〜4のアル
    キル基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8
    のアルキル基、アリール基、アルケニル基のいずれかを
    それぞれ表し、それぞれ複数個のP、Rは互いに同一で
    あっても異なっていてもよい。)で表されるポリフェノ
    ール類。
  2. 【請求項2】式(2) 【化2】 (式(2)中、P、Rは式(1)におけるのと同じ意味
    を表し、Gはグリシジル基を表す。)で表されるエポキ
    シ樹脂。
  3. 【請求項3】(a)エポキシ樹脂 (b)請求項1記載の式(1)のポリフェノール類 を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(a)請求項2記載の式(2)のエポキシ
    樹脂 (b)硬化剤 を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(a)請求項2記載のエポキシ樹脂 (b)請求項1記載のポリフェノール類 を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】硬化促進剤を含有する請求項3、4または
    5記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】無機充填材を含有する請求項3、4、5ま
    たは6記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項3、4、5、6または7記載のエポ
    キシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008013718A (ja) * 2006-07-10 2008-01-24 Nippon Kayaku Co Ltd エポキシ樹脂、その製造方法及びその用途
WO2019203292A1 (ja) * 2018-04-20 2019-10-24 三菱瓦斯化学株式会社 熱硬化性組成物、プリプレグ、積層板、金属箔張積層板、プリント配線板及び多層プリント配線板

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